(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
核燃料ロッド(24)を備えている核燃料アセンブリを含む炉心(2)を備えている加圧水型原子炉(1)を操作するための方法であって、前記方法は、各サイクルの間に使用済み核燃料アセンブリを新しい核燃料アセンブリに交換するためのステップと共に、連続的なサイクルに対して前記原子炉(1)を操作することからなるステップを備えており、
−前記原子炉(1)は、少なくとも一つのプルトニウム−平衡サイクルに対して操作されるが、その間に、前記炉心(2)はプルトニウム−平衡核燃料アセンブリ(16F)を含んでおり、前記プルトニウム−平衡核燃料アセンブリ(16F)は、放射前に、ウランとプルトニウムの混合酸化物にのみ基づく核燃料ロッド(24)を備えており、及び各々のプルトニウム−平衡核燃料アセンブリ(16F)に対して、前記ウランとプルトニウムの混合酸化物にのみ基づく核燃料ロッド(24)は、同一の核燃料の同位体組成及び同一の公称全プルトニウム質量含有率を有しており、及びそれから
−前記原子炉(1)は、遷移サイクルに対して操作されるが、前記プルトニウム−平衡核燃料アセンブリ(16F)の少なくともいくつかは、遷移サイクルに先立つ交換のステップの間に、
・各々が以下を備えている区分された遷移核燃料アセンブリ(16G)と、
・放射前にウラン酸化物を含むが、如何なるプルトニウム酸化物を含まない核燃料ロッド(24)を備えている中心のゾーン(80)
・前記区分された遷移核燃料アセンブリ(16G)の外表面に沿って延在しており、放射前に、ウランとプルトニウムの混合酸化物にのみ基づく核燃料ロッド(24)だけを備えている周囲のゾーン(81)
・ウラン酸化物を含むが、如何なるプルトニウム酸化物は含まない核燃料ロッド(24)だけを放射前に備えているウラン−平衡核燃料アセンブリ(16H)と、
によって進行的に交換され、
−前記原子炉(1)は、少なくとも一つのウラン−平衡サイクルに対して操作されるが、前記炉心(2)はウラン−平衡核燃料アセンブリ(16H)を含んでおり、該ウラン−平衡核燃料アセンブリ(16H)は、ウラン酸化物を含むが、如何なるプルトニウム酸化物を含まない核燃料ロッド(24)だけを放射前に備えていることを特徴とする方法。
前記ウラン−平衡サイクルの間に、前記炉心(2)は、ウラン酸化物含むが、如何なるプルトニウム酸化物を含まない核燃料ロッド(24)だけを放射前に備えているウラン−平衡核燃料アセンブリ(16H)だけを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。
前記プルトニウム−平衡サイクルの間に、前記炉心(2)は、プルトニウム−平衡核燃料アセンブリ(16F)だけを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
前記プルトニウム−平衡サイクルの間に、前記プルトニウム−平衡核燃料アセンブリ(16F)は、ウランとプルトニウムの混合酸化物にのみ基づく核燃料ロッド(24)だけを放射前に備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
前記プルトニウム−平衡サイクルの間に、全てのプルトニウム−平衡核燃料アセンブリ(16F)の核燃料ロッド(24)が、同一の核燃料の同位体組成及び同一の公称全プルトニウム質量含有率を有していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
前記区分された遷移核燃料アセンブリ(16G)の少なくともいくつかは、その中心のゾーン(80)に汚染された核燃料ロッド(24)を備えており、該汚染された核燃料ロッド(24)は、放射前に少なくとも一つの消費可能な中性子毒を含んでいることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
前記予定された汚染された核燃料ロッド(24)を除いて、前記第2の区分された遷移核燃料アセンブリ(16G)の中心のゾーン(80)の核燃料ロッド(24)は、前記ウラン−平衡核燃料アセンブリ(16H)の核燃料ロッド(24)と実質的に同じウラン235の富化度を有していることを特徴とする請求項8に記載の方法。
前記区分された遷移核燃料アセンブリ(16G)は、前記炉心(2)の外周層(86)内に装荷されず、及び前記区分された遷移核燃料アセンブリ(16G)の少なくともいくつかは、前記炉心(2)の外周層(86)にすぐ近接する層(88)内に装荷されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法。
前記中心のゾーン(80)の核燃料ロッド(24)の少なくともいくつかは、放射前に消費可能な中性子毒を含んでいる汚染された核燃料ロッド(24)であることを特徴とする請求項11に記載のアセンブリ。
前記核燃料は、前記核燃料ロッド(24)内に含まれた固体ペレット(36)として形成されていることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【背景技術】
【0002】
使用済み核燃料アセンブリの再処理は、多量のプルトニウムを利用可能にさせている。
【0003】
ウランと混合して、核燃料を形成するためにこのプルトニウムを利用することが長い間提案されていた。照射前にウラン及びプルトニウム酸化物の混合物を含むこれらの燃料は、MOX(Mixed Oxide)燃料と一般的に呼ばれている。
【0004】
そのようなMOX燃料を含むアセンブリ(以降「MOXアセンブリ」と呼ぶ)は、原子炉の炉心内部に装荷されており、そこではそれらは、核燃料が、放射前に、プルトニウム酸化物を含んでおらず、ウラン酸化物だけを含んでいるアセンブリと共存している。そのようなアセンブリは、以降「二酸化ウランアセンブリ」と呼ばれ、それらは二酸化ウラン燃料を含んでいる燃料である。MOX燃料のアセンブリ及び二酸化ウラン燃料のアセンブリが装荷された炉心は、以下で混合炉心と呼ばれる。
【0005】
プルトニウムの同位体とウランの同位体は非常に異なる中性子特性、特に異なる断面積を有している。
【0006】
これらの中性子特性の違いが、MOXアセンブリを製造するために、単に及び簡単に二酸化ウラン燃料をMOX燃料に交換することを不可能にさせていることを考慮して、特許文献1は区分されたMOXアセンブリ、すなわち、複数の核燃料ロッドが同一のプルトニウム同位体組成(またはベクトル)、すなわち、プルトニウムを作り上げる核同位体のそれぞれの質量含有率のパーセンテージの単位が同じ組成、及び一つのゾーンから他のゾーンで異なっている公称全プルトニウム質量含有率、を有しているアセンブリ、を説明している。
【0007】
このようにして、公称全プルトニウム質量含有率はアセンブリの中心より表面上でより低く、及びアセンブリの角部でさえより低い。これとともに、特に、二酸化ウランアセンブリに隣接するMOXアセンブリの周囲ロッドにおいて、満足できる原子炉の炉心内の線出力密度の動径分布を得ることが可能である。
【0008】
さらに、この文献から思い出されるように、再処理から生じるプルトニウムは、特に初期のウラン235の富化度、バーンナップ率、及び再処理前燃料の貯蔵期間に依存して強く変化する同位体組成を有している。
【0009】
そのような同位体組成の違いが誘導する中性子挙動の違いを補償するために、基準のウラン235含有率に対応する異なる同位体組成に対して、公称全プルトニウム質量含有率を決定するために、エネルギー等価関係が確立された。これらの等価公称全質量含有率と共に、同位体組成の相違を補い、及び同じ種類の燃料管理において同一のバーンナップ率に到達することが可能である。前記等価関係は、関連するMOX燃料の同位体組成、すなわち、プルトニウムと、プルトニウムと関連するウランのウラン235との同位体組成に依存している等価係数を用いている。
【0010】
これらの等価関係は例えば、非特許文献1の第41頁から43頁において述べられている。
【0011】
例として、以下の表は、第1部分において、燃料の初期のウラン235の富化度、及び前記燃料により到達されたバーンナップ率に応じて、加圧水型炉の二酸化ウラン燃料アセンブリの再処理から生じるプルトニウムの一般的な組成を示しており、再処理前の保存期間は、表において述べられた全ての例に対して同一である。
【0012】
前記表は、第2部分(最後の列)において、公称全プルトニウム質量含有率を示しており、これとともに、ウラン235の質量で3.7%に濃縮された二酸化ウランアセンブリと同一のバーンナップ率を達成すること、及びそれ故プルトニウムの質の減少、すなわち、核分裂性同位体(プルトニウム239及びプルトニウム241)の量の減少、及び吸収性の核原料同位体の量の増加(プルトニウム238、プルトニウム240、プルトニウム242、及びアメリシウム241)を補償することが可能である。
【0013】
【表1】
【0014】
さらに実質的に利用できるプルトニウムの量を考慮して、ある電気製造者は、新たに建てられた原子炉が、最大50%のMOXアセンブリで装荷されることを望んでいる。
【0015】
特許文献2は、炉心内に装荷された全ての核燃料アセンブリはMOX燃料を含んでいる原子炉を説明している。線出力密度の均質な動径分布を保証するために、これらのアセンブリは、常に区分された構成を有しており、及びいかなるプルトニウム酸化物を含んでおらず、製造からもたらされる避けられない不純物に加えて、核燃料が、エルビウム酸化物のような消費できる中性子毒を含んでいる核燃ロッドを備えている。
【0016】
しかしながら、この原子炉は、プルトニウムの利用を最適化することを可能にしておらず、これらのアセンブリは複雑であり、製造するのはコストがかかる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、従来的に炉心2、及び以下のそれぞれの要素の一つ以上を備えている加圧水型炉1を概略的に図示しており、これらの要素のそれぞれの一つだけが
図1において図示されている。
−蒸気発生器3、
−発電機5に結合されたタービン4
−コンデンサ6
【0027】
原子炉1は、重厚反射体(図示せず)を備えている。原子炉1はさらに、ポンプ8が装備されている一次サーキットを備えており、及び加圧水が
図1における矢印で表現された経路に沿って流れる。この水は、特に、炉心2内の冷却と減速と同時に、その中で加熱されるように前記炉心2を通って上流へ流れる。
【0028】
一次サーキット7はさらに、一次サーキット7内を流れる水の圧力が調整されうる加圧機9を備えている。
【0029】
サーキット10、いわゆる水補給ネットワーク、またはさらにWMNは、一次サーキット7に水を供給するために、例えばポンプ8を介して一次サーキット7に接続されている。サーキット10は、例えばホウ酸H
3BO
3の形態で溶解性のボロンを含む容器11を備えている。WMTサーキット10は、このようにして一次サーキット7の水にボロンの導入を可能にしており、及びそれ故、炉心2内の反応度の減少を可能にしている。好ましくは、容器11内に含まれたボロンは、ボロン10が濃縮されており、例えば、この同位体の原子含有率は40%より大きく、例えば約50%である。天然のボロンにおける前記同位体10の原子含有率は約20%である。
【0030】
一次サーキット7の水は同様に、二次サーキット12内に流れる水の蒸発を請け負うことにより冷却される蒸気発生器3に供給する。
【0031】
前記蒸気発生器3により生成された蒸気は、二次サーキット12を通して、タービン4に向かって、及びそれからこの蒸気はコンデンサ6に向かって導か、コンデンサ6内に流れる水冷却剤で間接的な熱交換により凝集される。
【0032】
二次サーキット12は、コンデンサ6からのダウンストリーム、ポンプ13、及びヒータ14を備えている。
【0033】
従来的に、前記炉心2は、ベッセル18内に装荷された核燃料アセンブリ16を備えている。単一のアセンブリ16が
図1において図示されているが、炉心2は例えば241のアセンブリ16を備えている。
【0034】
図2は、炉心2内部の異なるアセンブリ16の分布例の上面図を示している。各四角形は、アセンブリ16を具体化している。
【0035】
従来的に、原子炉1の操作の間、使用済みのアセンブリ16が新たなアセンブリ16で交換される交換のためのステップによって分離されうる連続的なサイクルの間に原子炉は作動し、及び炉心2内に残るアセンブリ16は位置を変更しうる。
【0036】
原子炉1は、所定のアセンブリ16の上で、ベッセル18内に配置されている制御クラスタ20(
図1)を備えている。単一のクラスタ20が
図1に図示されているが、炉心2は、例えば89のクラスタ20を備えうる。
【0037】
前記クラスタ20は、それらがオーバーハングしているアセンブリ16内へ挿入され、またはそこから引き出されるように、機構22によって移動されうる。
【0038】
従来的に、各々の制御クラスタ20は、中性子を吸収する一つ以上の材料を含んでいる吸収ロッドと、任意的に、中性子を吸収する特定能力を有していない不活性ロッドと、を備えている。
【0039】
このようにして、クラスタ20の垂直変位によって、炉心2内の反応度を調節することが可能であり、及びアセンブリ16内の制御クラスタ20の導入深さに依存して、炉心2により提供される全体出力Pが、ゼロから公称出力NPまで変化することを可能にしている。
【0040】
これらの制御クラスタ20のいくつかは、例えば出力または温度において、炉心2の操作の調整(regulation)を保障する傾向にあり、調整クラスタと呼ばれる。他は原子炉1の停止を目的としており、停止クラスタと呼ばれる。図示された例において、原子炉1は、40個の調整クラスタと、49の停止クラスタを備えている。
図2において、調整クラスタが上に装荷されたアセンブリ16は、ハッチング線により配置されており、及び停止クラスタが上に装荷されたアセンブリ16は、ドットで配置されている。
【0041】
図3及び4で図示されたように、各々のアセンブリ16は従来的に、核燃料ロッド24の束と、該ロッド24を支持するためのフレーム26と、を備えている。
【0042】
前記フレーム26は従来的に、下端片28と、上端片30と、両方の端片を接続し、及び前記制御クラスタのロッドを受けることを目的としている誘導管31と、スペーサグリッド32と、を備えている。
【0043】
図4は、説明された例に従った、アセンブリ16内の核燃料アセンブリ24の分布を図示している。核燃料ロッド24と誘導管31はその中で、17本のロッドの側辺を有する正方形のベースでネットワークを形成している。前記アセンブリ16はこのようにして、例えば24本の誘導管31と、265本の核燃料ロッド24を備えている。前記ネットワークのノードはそれぞれ、核燃料ロッド24、誘導管31、及び任意的に、アセンブリ16の中心で核燃料ロッド24に置き換わる計装管29、により占領されることが好ましい。このようにして、前記ネットワークの全てのノードは、核燃料ロッド24、計装管29または誘導管31により占領され、及びアセンブリ16はそれ故、そのネットワーク内でいかなるウォターホールを含まない。
【0044】
前記アセンブリが加圧水型炉を対象としているように、それは核燃料ロッド24を囲むいかなる外部ケーシングを備えておらず、このケーシングは、沸騰水型炉用のアセンブリ16においては減速水及び蒸気を導いている。加圧水型炉用のそのようなアセンブリ16において、強い減速を有するゾーンは、二つの隣接するアセンブリの間ではなく、誘導管の周りに位置されている。
【0045】
図5に図示されているように、各々の核燃料ロッド24は従来的に、円管の形態で、下部プラグ34と上部プラグ35により閉ざされた金属被覆33を備えている。前記ロッド24は、前記金属被覆33内に積まれており、下部プラグ34に位置している例えば一連のペレット36の形態で形成された核燃料を含んでいる。保持スプリング39は、上部プラグ35と上部ペレット36を圧迫するために、金属被覆33の上部分内に位置されている。
【0046】
前記ペレット36は、球状キャップの形態にあるリセス37を含んでいてもよい。好ましくは、これらのペレット36は、それでもなお、中空ではなく、それ故、例えばそれらを円環形にする如何なる貫通孔は含んでいない。
【0047】
従来的に、前記金属被覆33は、ジルコニウム合金である。
【0048】
図1の原子炉の好ましい動作モードに従って、アセンブリ16の全てのロッドで使われている核燃料は同一のMOX燃料である。
【0049】
原子炉1はそれから、以下でプルトニウム−平衡サイクルと呼ばれる連続的なサイクルに従って動作し、そのようなサイクルの間に用いられるアセンブリ16は、いわゆるプルトニウム−平衡アセンブリ16である。
【0050】
同一の同位体組成に対して、全てのロッド24は、同一の公称全プルトニウム質量含有率を有している。従って、製造からやむを得ず引き起こる相違を除いて、前記ロッド24は、同一の全プルトニウム質量含有率を有している。この全質量含有率は、核燃料内の(Pu+Am)の全質量と、重同位体(U+Pu+Am)の全質量との間の割合(パーセント)として定義されている。従来的に、この全質量含有率は、しきい含有率の13%より目下少なく、及び例えば約7%または10%に等しい。所与の同位体組成に対して、製造からもたらされる不確定性は、+または−5%の範囲で変化する定数Dの相対的差異を導き得、前記相対的差異Dは、以下の式で定義される。
【0052】
好ましくは、ロッド24は、製造でもたらされる不可避な不純物を除いて、例えば、貴金属酸化物のようないかなる消費可能な中性子毒物を含んでいない。
【0053】
核燃料の放射の間に生成されるガスの膨張のための空間38は、核燃料、下部プラグ34、上部プラグ35、及びスプリング39によって金属被覆33内部で区切られている。
【0054】
膨張空間38は、好ましくは、二酸化ウラン燃料の同一条件の下での放射と比較して、MOX燃料の放射の間の核分裂ガスのより大きな放出を考慮するように調節された体積Vを有している。
【0055】
さらに、膨張空間38の体積を増大させるために、シムの利用や、または特許文献3で説明されるような特定の形状を有する下部プラグ34の存在によるような特定のステップが取られる。
【0056】
炉心2は、好ましくは、175W/cmより少ない、及び好ましくは170W/cmより少ない公称線出力密度NPlinを有している。
【0057】
公称線出力密度は、以下の式で定義される。
【0059】
ここで、NPは炉心2の公称出力であり、Nは炉心2内に存在する核燃料ロッド24の数であり、及びHは核燃料の高さ(さらに核分裂性カラム高さと呼ばれる)、すなわち、積まれたペレット36の高さである(
図5を参照)。
【0060】
図6は、制御クラスタ20の構造を図示している。この制御クラスタ20は、吸収ロッド40と、束の形態で該吸収ロッド40を支持及び保持することを保障するスパイダ42を備えており、前記吸収ロッド40は互いに平行であり、対応するアセンブリ16の誘導管31と同じネットワークに従って横方向に配置されている。
【0061】
前記スパイダ42は、例えば、制御クラスタ20が対応する前記移動機構22に接続されうるノブ44と、該ノブ44に堅く取り付けられた、一つ以上の吸収ロッド40がそれぞれ取り付けられるフィン45と、を含んでいる。
【0062】
図6で図示された吸収ロッド40は、炭化ホウ素B
4Cのペレットのスタックを含む管46を含んでいる。前記管46は、プラグ50で上端部が、ドーム型プラグ52で下端部が閉ざされる。前記管46及び前記プラグ50及び52は、例えば鋼で作られており、窒化物形成や酸化物形成のような損耗に対する処理を任意的に受けている。
【0063】
炭化ホウ素のペレット48のスタックは、スプリングまたは任意の他の閉塞デバイス54により管46内部で保持されている。図示された例において、ペレット48のカラムの下端部は、スペーサ56を経て下部プラグ52を圧迫する。前記スペーサ56は、例えば、銀−インジウム−カドミウム(SIC)合金で作られうる。前記上部50及び下部52プラグは、例えば、レーザービーム、電子ビーム、TIG、摩擦または抵抗溶接で管46に溶接された。
【0064】
好ましい代替手段において、ペレット48に含まれるボロンは、例えば原子含有率が30%より大きく、さらに好ましくは40%より大きく、及び例えば50%で、ボロン10が濃縮されている。
【0065】
好ましい代替手段において、原子炉1は、
図7で図示された補助冷却設備62を備えている。この補助設備62は、特に、シャットダウンされたときに炉心2を冷却するため、及び燃料を置くかまたは格納するためのプールを冷却するために利用される。冷却設備62と共に、その一つが
図7で図示されている原子炉1の要素64を、熱的に冷熱源に接続することが可能である。前記要素64は、例えば、燃料建屋のプール、ポンプ、遮熱層でありうる。前記冷熱源66は、例えば、水、または海水、または乾燥空気冷却剤の流れにより形成されうる。
【0066】
前記要素64及び前記冷熱源66は、図示された例において、いわゆる予備の原水サーキット(BWC)である外部サーキット68、いわゆる中間冷却サーキット(ICC)である中間サーキット70、及び内部サーキット72により熱的に接続されており、前記サーキット68、70、及び72は、好ましくはプレート熱交換器である熱交換器74を通して互いに熱的な関連におかれている。
【0067】
先に述べたプルトニウム−平衡サイクルの間、炉心2は、炉心2によって消費されるプルトニウムの量が従来技術の原子炉により消費されるものより大きくなるように、MOX燃料で100%装荷されている。
【0068】
一つの全プルトニウム質量含有率の利用は、最新の区分されたMOXアセンブリと比較して、炉心2内により多くのプルトニウムを装荷すること、及び/または許可されたしきい含有率に対して追加のマージンを保証することの実現性を与える。
【0069】
炉心2内の均質なプルトニウム含有率、及び放射に依存したMOX燃料の反応度のゆるやかな減少のため、線出力密度の平均値周りでの径方向分布は低く、及び出力はそれ故炉心2内で実際に半径方向に均質である。100%MOX環境におけるキセノンのより低い効率に起因して、炉心2内の出力の軸方向分布のより大きな安定性が同様に注目されている。
【0070】
低い公称線出力密度NPlinによって、原子炉は、炉心2の管理の柔軟性を増大するために利用されうる増大された安全マージンを有すること、及びより高いバーンナップ率及びより長い放射サイクル期間を可能にするロッド24内部の圧力のマージンを有することの実現性を与える。これは、利用されるMOX燃料の性能のさらなる増大を可能にし、及び100%二酸化ウランの炉心内の二酸化ウラン燃料のレベルまで運ばれることを可能にしている。
【0071】
このようにして、上で説明された炉心2のアセンブリ16に対する燃焼率は50GWd/tHM(GigaWatt.day per ton of Heavy Metal)またはさらに60GWd/tHM、及びそれ以上に到達する。これらの性能は、炉心2内に単独で存在しているMOX燃料の特徴を考慮するため、膨張空間38の体積Vを調節することにより、ロッド内の内部圧力を制御すると同時に得られ、最新の別の燃料の特徴を考慮に入れる必要がない。
【0072】
この低い線出力密度は、この出力を増大させる現在の傾向に反していることは注目すべきである。
【0073】
プルトニウム−平衡アセンブリ16において、水ロッド(Water rod)がないことは、二酸化ウランアセンブリと全体的に類似の構造を有する可能性を与え、これは、より高い標準化により炉心2に関するコストの減少をさらに可能にしている。この水ロッドの欠如は、低い公称線出力密度が保持され、及びそれ故増大した安全マージンが保持されることをさらに可能にしている。
【0074】
一つの全プルトニウム質量含有率の利用は同様に、より高い標準化による費用の減少の可能性を与え、及び中性子毒の欠如は、特定の及び費用のかかる製造及び再処理の段階、及び放射の間にこれらの中性子毒の進行的な枯渇に起因する原子炉の出力形状の摂動を避ける。
【0075】
特定の代替において、核燃料の公称全プルトニウム質量含有率及び/または同位体組成は、同一のプルトニウム−平衡サイクルの間に、炉心2内に存在するアセンブリ16間で変化しうる。
【0076】
これらの代替において、これらの異なる含有率は必ずしも互いに等しくなく、及び関連のあるアセンブリ16の燃料の同位体組成は一致していてもよい。
【0077】
制御クラスタ20に含まれるボロン及び一次サーキット7内に導入された水溶性ボロンのボロン10の富化度により、MOX燃料の固有の中性子挙動、特にその中性子スペクトルにもかかわらず、停止マージン及び安全基準がより容易に観測されうる。このようにして、一次サーキット7内の全ボロン濃度は、一次サーキットの化学的性質の詳細に関して容認可能なままであり、結晶化の危険はない。
【0078】
前記補助冷却設備62においてプレート熱交換器74の利用はさらに、必要に応じてMOX燃料からの大きな残余熱に対する補償を可能にしている。
【0079】
このようにして、炉心2は、原子炉1の運転において通常の、及び予想外の状況における操作マージン及び安全マージンを増大させ、及び向上した効率でより多くのプルトニウムの消費を可能にしている。
【0080】
より良好な性能を達成するため、炉心の低い公称線出力密度を用いること、及び前記プルトニウム−平衡アセンブリにおいて如何なるウォターホールを有さないこと、利用する核燃料ロッドにおいて如何なる中性子毒を有さないこと、制御クラスタ20において、及び一次サーキット7のボロン供給サーキットにおいて濃縮ボロンを用いること、最適化された体積で膨張空間38を有すること、及び必要であれば上で説明したようなプレート熱交換器74を用いることが適切である。
【0081】
しかしながら、特定の代替において、全てのこれらの特徴またはいずれか一つまたはその他が欠如していてもよい。例として、前記クラスタ内に含まれたB
4Cの濃縮ボロン10よりも、例えば多数の制御クラスタ20を用いること、または、制御クラスタ20の数を保つこと、及び調整クラスタと停止クラスタの間の分布を変化させることが可能である。
【0082】
同様に、前記アセンブリ16は、上で説明されたものと異なる構造及び/または特徴を有していてもよく、特に、異なる数の核燃料ロッド24を備えていてもよい。
【0083】
炉心が従来的に、すなわち、従来のMOXアセンブリ及び/または二酸化ウランアセンブリで装荷される原子炉において、先に説明された前記制御クラスタ20が利用されうる。
【0084】
上で説明された原子炉1は、MOXアセンブリが100%装荷された炉心2で開始しうる。
【0085】
二酸化ウランアセンブリが部分的にまたは100%装荷された炉心2を有する原子炉1で開始すること、それから連続的なサイクルの間に、MOXアセンブリが100%装荷された炉心2を経ること、がより有利であると経済上言われている。
【0086】
それ故、例としてのみで、二酸化ウランアセンブリが部分的に装荷された炉心2を有する原子炉1で開始し、及びプルトニウム−平衡サイクルに到達するための操作方法のステップが、
図8から12を参照することで説明される。
【0087】
前記原子炉1を操作するためのこの方法は、初期サイクルと、任意の数のプルトニウム−平衡サイクルが後に続きうるプルトニウム−平衡サイクルに達することが可能であるいくつかの遷移サイクルと、を備えている。
【0088】
図8から12は、三つの詳細な例、初期サイクル、遷移サイクル、及びプルトニウム−平衡サイクルに対応する炉心2の構成をそれぞれ図示している。各サイクルの間で、使用済み核燃料アセンブリを新しい核燃料アセンブリで交換するステップを備えている。水平軸X及びYに対して炉心2は対称であるので、炉心2の構造の4分の一が
図8から13において図示されている。
【0089】
例として、初期サイクルにおいて、炉心2は、例えば四つのカテゴリーに分布されうるいわゆる初期核燃料アセンブリが装荷されている。
−初期核燃料アセンブリ16A:これらのアセンブリは、ウラン235の質量が例えば2.1%まで濃縮されたウランを含有している二酸化ウランアセンブリであり、アセンブリ16Aの数は、例えば97である。
−初期核燃料アセンブリ16B:これらのアセンブリは、アセンブリ16Aより大きな質量の値、例えばウラン235が3.2%まで濃縮されたウランを含有している二酸化ウランアセンブリであり、アセンブリ16Bの数は、例えば72である。
−初期核燃料アセンブリ16C:これらのアセンブリは、アセンブリ16Bより大きな質量の値、例えばウラン235が4.2%まで濃縮されたウランを含有している二酸化ウランアセンブリであり、アセンブリ16Cの数は、例えば32である。
−初期核燃料アセンブリ16D:MOXアセンブリであり、アセンブリ16Dの数は、例えば40である。
【0090】
アセンブリ16Aから16Cの核燃料ロッド24は、それ故、放射前はいかなるプルトニウムを含んでいない。初期核燃料アセンブリ16Aから16Cのいくつかは、放射前に、ガドリニウムのような消費できる中性子毒を含む核燃料ロッド24を備えうる。
【0091】
初期アセンブリ16Dの構造は、
図13に図示されている。
【0092】
この構造は、使用されるMOX核燃料がアセンブリ16Dの異なるゾーンの間で変化するように区分化されている。これらの異なるMOX核燃料を区別するために、以下の説明において、核分裂性同位体(Pu239+Pu241)の全質量と重同位体(U+Pu+Am)の全質量との間の割合を%で示す、プルトニウム核分裂性同位体含有率tが定義される。MOX核燃料アセンブリの反応度は、使用されるプルトニウムの含有率t及び同位体組成に依存している。例えば全プルトニウム含有率のような他のパラメータが利用されうる。
【0093】
説明された例において、使用されるプルトニウムは、同一の同位体組成を有しており、アセンブリ16Dは、以下を備えている。
−例えば4.6%の第1の公称核分裂性同位体含有率t1(考慮される例において、これは6.3%の公称全プルトニウム質量含有率に対応している)を有している核燃料ロッド24よりなる第1の中心ゾーン80
−前記第1の含有率t1より厳密により小さく、例えば3.4%の値を有している第2の公称核分裂性同位体含有率t2(考慮される例において、これは4.6%の公称全プルトニウム質量含有率に対応している)を有している核燃料ロッド24よりなり、前記核燃料アセンブリ16Dの外表面に沿って延在している第2のゾーン82
−前記第2の含有率t2より厳密により小さく、例えば2%の値を有している第3の公称核分裂性同位体含有率t3(考慮される例において、これは2.7%の公称全プルトニウム質量含有率に対応している)を有している核燃料ロッド24よりなり、前記核燃料アセンブリ16Dの隅部に位置された第3のゾーン84
【0094】
説明された例において、第3のゾーン84は12本のロッド24を備えている。
【0095】
示されていない代替において、アセンブリ16Dは、二つのゾーンを備えているだけであってもよく、一つ目は前に説明したゾーン80に対応しており、二つ目は前に説明したゾーン82と84を結合したものであり、この代替においてロッド24は、同一である。
【0096】
考慮した例において、前記アセンブリ16Dの公称平均プルトニウム質量含有率は5.7%である。より一般的に、これは、エネルギー平衡を得るために、説明された例においては4.2%である核燃料アセンブリ16Cのウラン235の富化度よりも実質的に大きい。
【0097】
図8で図示されたように、前記アセンブリ16Dは、炉心2のアセンブリ86の外周層に位置されている。
【0098】
外周層86におけるアセンブリ16Dの存在は、MOX燃料と二酸化ウラン燃料との間の界面の数を制限し、及びそれ故炉心2の最も熱いロッドのエンタルピー上昇係数FΔHまで到達した値を制限することを可能にしている。
【0099】
第1の遷移サイクルに先立つ交換ステップにおいて、以下が導入される。
−二酸化ウランだけを含んでいるか、場合によってはガドリニウム酸化物のような消費できる中性子毒を含んでいる例えば24本の遷移核燃料アセンブリ16E
−MOX燃料を含んでいる例えば56本の核燃料アセンブリ16F
【0100】
前記アセンブリ16Eは、例えば、ウラン235の質量で4.8%まで濃縮されたウランを含んでいる。
【0101】
これらの解決策が経済的にほとんど有利でないにも関わらず、アセンブリ16Eの代わりに、前記アセンブリ16Fまたは前記区分化されたMOXアセンブリのものより小さい公称核分裂性同位体含有率tでMOX燃料を含んでいるだけの遷移核燃料アセンブリを装荷することが可能である。
【0102】
前記アセンブリ16Fは、例えば、MOX燃料を含有しているだけのアセンブリであり、及び例えば、続くプルトニウム−平衡サイクルにおいて利用されるアセンブリと一致している。考慮された例において、それらのMOX燃料の公称核分裂同位体含有率は、例えば、さらに考慮された例において、7.3%の公称全プルトニウム質量含有率に一致している5.4%である。
【0103】
この例において、核燃料アセンブリ16Fの公称核分裂性同位体含有率tは、核燃料アセンブリ16Dの中心ゾーン80より大きいことが観測されるだろう。
【0104】
第1の遷移サイクルに先立つ交換ステップの間にアセンブリ16Eと16Fを炉心2に装荷するために、核燃料アセンブリ16Aが装荷されていない。
【0105】
図9で図示されたように、アセンブリ16Fは、周囲層86に直接隣接する炉心2のアセンブリの層88内に装荷される。アセンブリ16Dは、層88に対して炉心2の内側に直接位置された炉心2のアセンブリの層90に面して配置されている。
【0106】
第2の遷移サイクル(
図10)、第3の遷移サイクル(
図11)、及び平衡サイクル(
図12)に先立つ交換ステップにおいて、漸次的に前記核燃料アセンブリ16Aから16Dを交換するために、核燃料アセンブリ16Fが装荷される。これらのアセンブリ16Fは、それが挿入される期間の交換ステップに依存して、混合の斜めハッチング線、太い斜めハッチング線、及び二重の斜めハッチング線でそれぞれ示されている。
【0107】
このように、プルトニウム−平衡サイクル(
図12)の間に、炉心は全体にアセンブリ16F、すなわちプルトニウム−平衡アセンブリで装荷される。
【0108】
先に説明された方法で、原子炉1を開始すること、及びMOXアセンブリが100%装荷された炉心で平衡サイクルに到達することが可能であり、これは、MOXアセンブリが100%装荷された炉心での直接開始に比べてコストが低い。実際、これは、完全な消耗を受けることがないような、遷移サイクルの間に装荷されないMOXアセンブリ、二酸化ウランアセンブリより実質的に高いコストのアセンブリの数を減らすことを可能にしている。
【0109】
この方法は、例として説明されただけであり、多くの態様が、特に、交換ステップの間に導入されうる核燃料アセンブリに関しては、この方法の一つの代替から別に変更可能である。特に、先に説明されたもの以外の核燃料アセンブリが利用されうる。
【0110】
例として、初期サイクルにおいて、炉心2は、二酸化ウラン核燃料アセンブリで装荷されているだけであってもよい。それから例えば、MOXアセンブリで100%装荷された炉心で平衡サイクルを達成するために、核燃料アセンブリ16D、16E、及び16Fを用いることが可能である。
【0111】
図14は、
図8を参照して先に説明されたような、炉心が初期アセンブリ16A、16B、及び16Cで装荷された初期サイクルを図示している。
図8の場合と違って、アセンブリ16Cの数は72である。
【0112】
100%MOXの平衡への増加は、
図8のものと同様の炉心2を得るために、先に説明されたものと同様の方法で、第1の遷移サイクルの前に、核燃料アセンブリ16Aの大部分及び少数の核燃料アセンブリ16Bの核燃料アセンブリ16Dへの交換、及び任意的に、炉心内のアセンブリ及び含有率及び富化度のそれぞれ適合された局所化で達成されうる。100%MOXの平衡への増加の継続は、必要であれば、炉心内のアセンブリの数と位置の調整、及び富化度と含有率の調整と共に、先に説明されたものと同様の方法で達成される。
【0113】
MOXアセンブリで100%装荷された炉心2の作動から、炉心2が二酸化ウランアセンブリまたは二酸化ウランアセンブリとMOXアセンブリの混合で100%装荷されている作動へ経ることが望ましい。このために、有利的に、
図15で図示されたもののような遷移核燃料アセンブリ16Gを用いることが可能である。
【0114】
このアセンブリ16Gは、区分された構成を有しており、及び
−その中心のゾーン80において、放射前にウラン酸化物だけを含有しておりプルトニウム酸化物のない、例えば二酸化ウラン燃料の核燃料ロッド24と、
−前記アセンブリ16Gの外層82に沿った周囲のゾーン81、特にその隅84において、放射前にウランとプルトニウムの混合酸化物、例えばMOX燃料を含んでいる核燃料ロッド24と、
を備えている。
【0115】
前記周囲のゾーン81は、核燃料ロッド24の外層に対応している。
【0116】
一般的に、周囲のゾーン81の核燃料ロッド24は、遷移の前に、炉心2内に存在するプルトニウム−平衡核燃料アセンブリ16、例えばアセンブリ16Fのものより少ない公称核分裂性同位体含有率tを有している。
【0117】
ある代替において、中心のゾーン80は、放射の前に、消費できる中性子毒を含有しているロッド24を含みうる。
【0118】
このようにして、原子炉を操作するための方法が以下で説明され、炉心2が、例えば先に説明されたアセンブリ16FのようなMOX核燃料アセンブリで100%装荷されているプルトニウム−平衡サイクルから、炉心2が、例えば二酸化ウランアセンブリ16Hで100%装荷されているウラン−平衡サイクル(
図16)へ経る可能性を与えている。
【0119】
第一の遷移サイクルに先立つ交換のステップにおいて、プルトニウム−平衡MOXアセンブリ16Fが取り除かれ、例えば、81の遷移核燃料アセンブリ16Gが導入される。前記アセンブリ16Gの前記中心のゾーン80のロッド24は、ウラン235の質量で4.0%の富化度を有しており、及び前記ゾーンのいくつかのロッド24は、汚染されていないロッド24の富化度、例えば質量で2%より少ない補助ウラン酸化物のウラン235の富化度と共に、消費できる中性子毒、例えばガドリニウム酸化物を一般的に含みうる。中心のゾーン80のロッドのウラン235の富化度は一般的に異なっており、アセンブリ16Hのロッドよりも少ない。周囲のゾーン81のロッドは、好ましくは、プルトニウム−平衡MOXアセンブリ16Fの半分より少ない公称全プルトニウム質量含有率を有している。
【0120】
遷移アセンブリ16Gは、例えば、外周層86内ではなく、炉心2のアセンブリ86の外周層に直接隣接したアセンブリの層88の内、及びさらに前記炉心2の中心に導入される。
【0121】
第1の遷移サイクルの間に原子炉1を操作した後で、80のプルトニウム−平衡MOXアセンブリ16Fが取り除かれる。
【0122】
80の遷移核燃料アセンブリ16Gがそれから装荷されるが、これは、中心のゾーン80のロッドのウラン235の富化度が、前のアセンブリ16Gのものとも、アセンブリ16Hのロッド24のものとも、必ずしも一致してないという事実によって先に説明されたものと区別される。この富化度は、例えば、オペレータの要求、特にサイクルの長さについての要求に応えるため、調整されうる。しかしながら、より早く平衡に到達するために、第2の遷移サイクルより前に装荷されたアセンブリ16Gは、好ましくは、アセンブリ16Hのものと似たウラン235の富化度を有している。これらの遷移アセンブリ16Gは、例えば、炉心2のアセンブリ86の外周層を避けながら装荷される。原子炉1はそれから、第2の遷移サイクルに対して操作される。
【0123】
次に、第3の遷移サイクルに先立つ交換のステップにおいて、残りの最後のプルトニウム−平衡MOXアセンブリ16Fが、質量で例えば4.95%のウラン235の富化度を有する80の二酸化ウランアセンブリ16Hで交換される。ウラン−平衡核燃料アセンブリであるこれらの最後のアセンブリ16Hは、二酸化ウランロッドを含むだけであり、そのいくつかは、場合により消費できる中性子毒を含有している。
【0124】
前記方法はさらに、必要であれば、先に導入された残余の遷移アセンブリ16Gが、炉心2を実現するためにウラン−平衡核燃料アセンブリで交換され、例えば質量で4.95%のウラン235の富化度を有する二酸化ウランアセンブリで100%装荷される二つの遷移サイクルをさらに含んでいる。
【0125】
先に説明した、プルトニウム−平衡サイクルからウラン−平衡サイクルへ経るための操作は、核燃料アセンブリを損傷させるリスク、及び特にMOX燃料を含む核燃料ロッド24を損傷させるリスクを制限すると同時に、効率的な方法でそのような遷移を保障する可能性を与える。
【0126】
このようにして、
図17は、第1の遷移サイクルに先立つ交換のステップ(曲線90)、第2の遷移サイクルに先立つ交換のステップ(曲線92)、及び第3の遷移サイクルに先立つ交換のステップ(曲線94)において、それぞれ装荷されていないMOXアセンブリの核燃料ロッド24によって見られる最大の線出力密度を図示している。
【0127】
図18は、
図15のような遷移アセンブリ16Gを用いることによらず、MOXアセンブリを二酸化ウランアセンブリで単純に交換することにより得られたいくつかの曲線を図示している。
【0128】
特に大きなバーンナップ率に対して、特に遷移アセンブリ16Gが利用されるとき50GWd/tHMを過ぎて、より低い線出力密度値が到達されることが、特に曲線92及び94において見られる。
【0129】
このようにして、燃料ロッド24の線出力密度が大きなバーンナップ率に対して強く減少されるので、それらの寿命の最後でペレットの外の核分裂ガスの放出が実質的に減少される。遷移はそれ故、安全に保証される。
【0130】
プルトニウム−平衡サイクルからウラン−平衡サイクルへ経ることが可能であるこの操作方法は、本質的に原子炉内でより多くのプルトニウムの利用を許していないが、それはこの目的のために役立っている。実際、原子力発電所のオペレータは、MOXアセンブリで100%装荷された炉心を用いること、及びそれ故より多くのプルトニウムを消費するために、二酸化ウランアセンブリと共により従来の操作に戻ることを許す解法を有することを望んでいる。
【0131】
この方法は、例として説明されただけであり、多くの態様がこの方法の一つの代替から別へ変化しうる。
【0132】
このようにして、遷移核燃料アセンブリ16Gは、一つの交換のステップにおいて導入されただけであってもよく、それらの中心のゾーン80は、MOX燃料を含有しているロッド24を備えている。
【0133】
先に説明された、プルトニウム−平衡サイクルからウラン−平衡サイクルへ経ること、及び一方でプルトニウム−平衡サイクルに到達することの可能性を与える操作方法は、互いに独立して、及び原子炉1に対して上で説明された特徴と独立して利用されてもよい。それらはさらに、炉心がMOXアセンブリで100%装荷されていないプルトニウム−平衡サイクル、及び炉心2が二酸化ウランで100%装荷されていないウラン−平衡サイクルで利用されてもよい。