特許第5738987号(P5738987)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5738987プラズマ電解酸化コーティングにおける銅または微量金属汚染物質の低減
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5738987
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】プラズマ電解酸化コーティングにおける銅または微量金属汚染物質の低減
(51)【国際特許分類】
   C23C 28/00 20060101AFI20150604BHJP
   C25D 11/04 20060101ALI20150604BHJP
   C25D 11/16 20060101ALI20150604BHJP
   C25D 11/18 20060101ALI20150604BHJP
   H01L 21/02 20060101ALN20150604BHJP
【FI】
   C23C28/00 B
   C25D11/04 304
   C25D11/16 302
   C25D11/18 A
   C25D11/18 Z
   !H01L21/02 Z
【請求項の数】34
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-513301(P2013-513301)
(86)(22)【出願日】2011年6月1日
(65)【公表番号】特表2013-527326(P2013-527326A)
(43)【公表日】2013年6月27日
(86)【国際出願番号】US2011038746
(87)【国際公開番号】WO2011153228
(87)【国際公開日】20111208
【審査請求日】2012年11月29日
(31)【優先権主張番号】12/794,470
(32)【優先日】2010年6月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505477121
【氏名又は名称】エムケイエス インストゥルメンツ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】チェン, シン
(72)【発明者】
【氏名】ジー, チェンシャン
(72)【発明者】
【氏名】タイ, チウ−イン
【審査官】 伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/092611(WO,A2)
【文献】 特開平07−180091(JP,A)
【文献】 特開平11−061410(JP,A)
【文献】 特開昭57−023100(JP,A)
【文献】 特開2008−179884(JP,A)
【文献】 特開2005−179730(JP,A)
【文献】 特開平07−086185(JP,A)
【文献】 特開平02−221394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
24/00−30/00
C25D 11/00−11/38
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体加工システムにおいて使用するために、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含有する物体の表面上に酸化物層を形成するための方法において
バルク材料中の銅濃度を指すバルク銅濃度であって、0〜0.1重量%のバルク銅濃度と、
前記バルク材料中のマグネシウム濃度を指すバルクマグネシウム濃度であって、1.5重量%よりも大きいバルクマグネシウム濃度と
を有する前記バルク材料を含んでなる前記物体を設ける工程と、
前記バルク銅濃度よりも小さい第二の銅濃度を有する第二材料の層を前記物体の前記表面上に堆積させる工程と、
前記第二材料の層のマグネシウム濃度を増加させる工程と、
アルミナおよびマグネシウムの酸化物を含む前記酸化物層を形成するために、プラズマ電解酸化プロセスを用いて前記物体の前記表面を酸化させる工程とを備え
プラズマ電解酸化プロセスを用いて前記物体の前記表面を酸化させる工程は、前記第二材料の層の厚さの少なくとも一部分を酸化させる工程を含んでなる、方法。
【請求項2】
前記第二材料の層の前記マグネシウム濃度は、アブレーションによってマグネシウムを移動させることを通して増加する、請求項に記載の方法。
【請求項3】
プラズマ電解酸化プロセスを用いて前記物体の前記表面を酸化させる前記工程は、前記第二材料の層の少なくとも一部分を酸化させる工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
プラズマ電解酸化プロセスを用いて前記物体の前記表面を酸化させる前記工程は、前記第二材料の層の厚さを通り、それを超えて前記物体の下部のバルク材料を酸化させる工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記第二材料の層を堆積させる前に、前記物体の前記表面を洗浄する工程をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記プラズマ電解酸化プロセスを用いて前記物体の前記表面を酸化した後、材料を前記
物体の前記表面から第一の深さまで除去する工程をさらに含み、
ここで、前記材料が前記物体の前記表面から前記第一の深さまで除去された後の酸化された層の最大銅濃度は5000ppm以下であり、
前記第一の深さにおけるマグネシウム濃度は、少なくとも4000ppmである、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記物体の酸化された表面から銅を抽出する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含有する物体の表面上に酸化物層を形成するための方法において、
バルク材料中の銅の重量濃度を指すバルク銅重量濃度、および前記バルク材料中のマグネシウムの重量濃度を指すバルクマグネシウム重量濃度を有する前記バルク材料を含んでなる前記物体を設ける工程と、
前記バルク銅重量濃度よりも小さい第二の銅濃度を有する第二材料の層を前記物体の表面上に堆積させる工程と、
前記第二材料の層のマグネシウム濃度を増加させる工程と、
プラズマ電解酸化プロセスを用いて堆積された層の少なくとも外側の厚さを酸化させる工程とを備える、方法。
【請求項9】
前記第二材料は、前記バルクマグネシウム濃度よりも大きいマグネシウム濃度を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
プラズマ電解酸化プロセスを用いて前記第二材料の層の少なくとも外側の厚さを酸化させる工程は、少なくとも前記堆積された層の厚さ全体を通して酸化させる工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含む物体の表面上に酸化物層を形成するための方法において、
バルク材料中の銅の重量濃度を指すバルク銅濃度と、前記バルク材料中のマグネシウムの重量濃度を指すバルクマグネシウム濃度とを有する前記バルク材料を含んでなる前記物体を設ける工程と、
前記バルク銅濃度よりも小さい第二の銅濃度を有する第二材料の層を前記物体の表面上に堆積させる工程と、
前記バルク材料から前記第二材料の層に銅を拡散させるために前記物体を加熱する工程と、
前記物体から前記第二材料の層を除去する工程と、
プラズマ電解酸化プロセスを用いて前記物体の前記表面を酸化させる工程とを備える、方法。
【請求項12】
前記第二材料の層を前記物体の表面上に堆積させる工程は、前記第二材料の層または前記物体を前記材料の第二層が前記物体の前記表面に接触するまで移動させる工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記物体から前記第二材料の層を除去する工程は、前記第二材料の層または前記物体を少なくとも前記材料の第二層が前記物体の前記表面から分離されるまで移動させる工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
半導体加工システムにおいて使用するため、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含有する物体の表面を処理するための方法において、
前記物体を設ける工程であって、前記物体は
アルミニウム、およびマグネシウムを含むバルク領域と、
前記物体の表面に堆積された第二材料であって、前記バルク領域中の銅濃度であるバルク銅濃度よりも低い第二の銅濃度を有し、かつ、前記バルク領域中のマグネシウム濃度であるバルクマグネシウム濃度よりも高いマグネシウム濃度を有する第二材料と、
プラズマ電解酸化プロセスによって生成される酸化物層であって、
前記酸化物層における深さの関数として変動するマグネシウム濃度と、
それぞれが第一の深さにおいて5000ppmよりも大きい最大銅濃度を有する前記酸化物層における深さの関数として変動する銅濃度とを有し、
前記プラズマ電解酸化プロセスによって生成される前記酸化物層は前記第二材料の層の厚さの少なくとも一部を含んでなる、酸化物と
を有する、前記物体を設ける工程と、
前記酸化物層の一部分を、前記第一の深さを超えて、第二の深さまで除去する工程と
備え
ここで、前記第二の深さにおける前記銅濃度は5000ppm以下であり、前記第二の深さにおける前記マグネシウム濃度は4000ppmよりも大きい、方法。
【請求項15】
前記酸化物層の一部分は、化学的機械的プロセスを用いて除去される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記酸化物層の一部分は、機械的プロセスを用いて除去される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記酸化物層の一部分は、化学的エッチングを用いて除去される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記酸化物層の一部分は、電気化学的機械的プロセスを用いて除去される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
半導体加工システムにおいて使用するため、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含む物体の表面を処理するための方法において、
前記物体を設ける工程であって、前記物体は
銅およびアルミニウムを含むバルク領域と、
前記物体の表面に堆積された第二材料であって、前記バルク領域中の銅濃度であるバルク銅濃度よりも低い第二の銅濃度を有し、かつ、前記バルク領域中のマグネシウム濃度であるバルクマグネシウム濃度よりも高いマグネシウム濃度を有する第二材料と、
プラズマ電解酸化プロセスによって生成される酸化物層であって、前記酸化物層における深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有し、かつ、前記プラズマ電解酸化プロセスによって生成される前記酸化物層は前記第二材料の層の厚さの少なくとも一部を含んでなる、酸化物層
を含む前記物体を設ける工程と、
前記酸化物層における最大銅濃度が4000ppm以下になるまで前記酸化物層から銅を抽出する工程とを備える、方法。
【請求項20】
前記銅は、化学的プロセスを用いて抽出される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記化学的プロセスは、電気化学的プロセスである、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
アブレーションによってマグネシウムを移動させるプロセスによって、前記酸化物層におけるマグネシウム濃度を増加させる工程をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記酸化物層をドーピングすることによって前記酸化物層におけるマグネシウム濃度を増加させる工程をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
物体の表面を処理するための方法において、
前記物体を設ける工程であって、前記物体は
アルミニウムを含有し、かつバルク領域中の銅濃度を指すバルク銅濃度を有する前記バルク領域と、
前記物体の表面に堆積された第二材料であって、前記バルク領域中の銅濃度であるバルク銅濃度よりも低い第二の銅濃度を有し、かつ、前記バルク領域中のマグネシウム濃度であるバルクマグネシウム濃度よりも高いマグネシウム濃度を有する第二材料と、
プラズマ電解酸化プロセスによって生成される酸化物層であって、
前記酸化物層における深さの関数として変動するマグネシウム濃度と
前記バルク銅濃度よりも大きい最大銅濃度を有する前記酸化物層における深さの関数として変動する銅濃度とを有し、かつ、前記プラズマ電解酸化プロセスによって生成される前記酸化物層は前記第二材料の層の厚さの少なくとも一部を含んでなる、前記酸化物層
を含んでなる前記物体を設ける工程と、
少なくとも保護層の最大銅濃度が5000ppm以下になるまで銅を拡散させるために前記物体にエネルギーを付与する工程とを備える、方法。
【請求項25】
銅を拡散させるために前記物体にエネルギーを付与する工程は、
前記酸化物層にわたって電位勾配を付与する工程と、
前記銅の拡散を高めるために前記物体を加熱する工程と
を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記酸化物層にわたる前記電位勾配は300V〜1000Vである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記酸化物層にわたる前記電位勾配は、前記酸化物層の破壊電圧の30%〜80%である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記銅の拡散を高めるために前記物体を加熱する工程は50℃〜350℃の温度まで前記物体を加熱する工程を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記酸化物層にわたって電位勾配を付与する工程は、電気的接続のために、前記酸化物層の表面に隣接する電解質を前記物体の表面に与える工程をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記電解質は導電性のポリマーである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
銅を拡散させるために前記物体にエネルギーを付与する工程は、
生産時間の尺度において前記銅の拡散を可能にする最低温度と生産時間の尺度においてマグネシウムの拡散を可能にする温度よりも低い最大温度との間の温度範囲における温度まで、前記物体の少なくとも一部分を加熱する工程と、
前記温度範囲における前記物体の一部分を、少なくとも前記保護層における最大銅濃度が5000ppm以下になるまで維持する工程と
を含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項32】
前記温度範囲は150℃〜350℃である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
反応性ガス源を用いて使用するためのプラズマチャンバーにおいて
前記プラズマチャンバーは、
ガスを受け取るための入り口と、
前記ガスを含むのに適した少なくとも1つのプラズマチャンバー壁と、
プラズマと前記ガスとの相互作用によって発生する反応性ガスを排出するための出口と
を含み、
前記プラズマチャンバー壁は、
バルク材料中の銅濃度を指すバルク銅濃度を有するバルク材料と
前記物体の表面に堆積された第二材料であって、前記バルク領域中の銅濃度であるバルク銅濃度よりも低い第二の銅濃度を有し、かつ、前記バルク領域中のマグネシウム濃度であるバルクマグネシウム濃度よりも高いマグネシウム濃度を有する第二材料と、
プラズマ電解酸化プロセスを用いて生成される酸化物層であって、
000ppm以下の最大銅濃度を有する前記酸化物層における深さの関数として変動する銅濃度と、
000ppm超である最小マグネシウム濃度を有する前記酸化物層における深さの関数として変動するマグネシウム濃度とを有し、かつ前記プラズマ電解酸化プロセスによって生成される前記酸化物層は前記第二材料の層の厚さの少なくとも一部を含んでなる、前記酸化物層と
を備える、プラズマチャンバー。
【請求項34】
反応性ガス源を用いて使用するための半導体プロセスチャンバーにおいて
前記プロセスチャンバーは、
励起ガスまたはプラズマを受け取るための入り口と、
前記ガスを含むのに適した少なくとも1つのプロセスチャンバー壁と
を含み、
前記プロセスチャンバー壁は、
バルク材料中の銅濃度を指すバルク銅濃度を有するバルク材料と
前記物体の表面に堆積された第二材料であって、前記バルク領域中の銅濃度であるバルク銅濃度よりも低い第二の銅濃度を有し、かつ、前記バルク領域中のマグネシウム濃度であるバルクマグネシウム濃度よりも高いマグネシウム濃度を有する第二材料と、
プラズマ電解酸化プロセスを用いて生成される酸化物層であって、
5000ppm以下の最大銅濃度を有する前記酸化物層における深さの関数として変動する銅濃度と、
4000ppm超の最小マグネシウム濃度を有する前記酸化物層における深さの関数として変動するマグネシウム濃度とを含み、かつ前記プラズマ電解酸化プロセスによって生成される前記酸化物層は前記第二材料の層の厚さの少なくとも一部を含んでなる、前記酸化物層と
を備える、半導体プロセスチャンバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、反応性ガス源を用いて使用するための、保護コーティングを有するプラズマチャンバーおよび半導体プロセスチャンバー、ならびに物体の表面を保護するための保護層を作り出すための方法に関する。より具体的には、本開示は、銅または他の微量金属汚染物質のレベルを低減するプラズマ電解酸化プロセスを用いて生成される保護層に関する。開示される方法を用いて形成される保護層は、アルミニウムの物体をいくらかの腐食性の環境から保護し得、低減された濃度の銅を有し得る。
【背景技術】
【0002】
プラズマは、しばしば、ガスを活性化するために使用され、強化された反応性を有するようにガスを励起状態に置く。いくつかの場合において、ガスは、イオン、遊離基、原子、および分子を含む解離したガスを生成するために励起される。解離したガスは、数多くの工業的応用および科学的応用のために使用され、その応用には、材料(例えば、半導体製品(例えば、ウェーハ)、粉末、および他のガス)を加工することが挙げられる。解離したガスのパラメーターおよび加工される材料に対する解離したガスの曝露の条件は、応用によって広く変動する。
【0003】
半導体ウェーハを加工するためのプラズマ反応器は、ウェーハを含むチャンバー内でプラズマを形成し得るか、またはそれらは、チャンバーの上流に位置する反応性ガス発生器によって生成された励起ガスを受け取り得る。ウェーハの位置に対するプラズマ発生の好ましい位置は、プロセスに依存する。
【0004】
いくつかのプロセスにおいて、プラズマは、プラズマとウェーハとの間の直接接触を通してウェーハに影響を与える。直接接触は、プラズマと接触するウェーハが一般に、プラズマにおける電子およびイオンの存在に起因する増加した化学的反応性を有するので、望ましい場合がある。さらに、プラズマがウェーハと接触する場合、ウェーハにバイアス電圧を印加することによって、ウェーハ表面におけるイオンのエネルギーおよび方向を制御することは可能である。そのような構成は、例えば、プラズマ強化化学蒸着法または方向性エッチングの応用において使用される。
【0005】
他のプロセスにおいて、プラズマは、ウェーハから離れて発生し、次にプラズマからの励起ガスがウェーハと接触する。半導体プロセスであって、そのプロセスにおいてウェーハがプラズマにおける電荷に対して敏感であり、プラズマによって発生する紫外エネルギー(UV)の損傷を受け易い、半導体プロセス、または高い化学的選択性を必要とする半導体プロセスについて、ウェーハをプラズマに曝すことは、望まれないことであり得る。いくつかの状況において、ウェーハおよびプラズマチャンバーの表面は、化学的に腐食性のプラズマに曝されることによって損傷し得、上記プラズマは、化学的汚染および粒子発生を作り出し、製品寿命を短くし、所有費用を増加させ得る。従って、リモートプラズマ源は、ウェーハを加工するために、プロセスチャンバーの外側でプラズマを発生させ、次にプラズマによって生成される活性化されたガスを加工チャンバーに送達することによって、ウェーハおよびチャンバーの損傷を低減するために、時折、使用される。
【0006】
反応性ガス発生器は、例えば、ガスの少なくとも一部分をイオン化するために十分な大きさの電位をプラズマガス(例えば、O、Ar、NF、F、H、およびHe)、またはガスの混合物に印加することによって、プラズマを発生させる。プラズマは、種々の手法において発生し得、その手法には、DC放電、周波数(RF)放電、およびマイクロ波放電が挙げられる。DC放電プラズマは、プラズマガスにおける2つの電極間に電位を印加することによって達成される。RF放電プラズマは、電源からのエネルギーをプラズマへと、静電気的にまたは誘導的にカップリングすることによって達成される。マイクロ波放電プラズマは、マイクロ波エネルギーをマイクロ波が通る窓を通してプラズマガスを含む放電チャンバーへと直接カップリングすることによって達成される。プラズマは、代表的に、金属材料(例えば、アルミニウム)、または誘電材料(例えば、クォーツ、サファイア、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、および/または窒化アルミニウム)から構成されるチャンバー壁を有するチャンバー内に含まれる。上記プラズマチャンバーは、誘電材料でコーティングされた壁を有する金属容器を含み得る。
【0007】
いくつかの応用において、プラズマまたは励起ガスは、反応性ガス発生器および/または半導体加工システムと適合性がない場合がある。例えば、半導体の製造中に、フッ素またはフルオロカーボンのイオンまたは原子は、半導体ウェーハの表面からケイ素または酸化ケイ素をエッチングするかまたは取り除くため、あるいはプロセスチャンバーを洗浄するために使用され得る。フッ素イオンは、チャンバー材料を加工するために化学的に反応性であり、腐食性であるので、リモートプラズマ源は、プロセスチャンバーを損傷することを避けるために、これらのプロセスのための原子状フッ素を発生させるために使用されている。リモートプラズマ源の使用は、プロセスチャンバーにおける腐食/侵食を低減するが、いくらかの腐食/侵食は、依然としてリモートプラズマ源において生じる。
【0008】
別の例において、原子状酸素は、フォトレジストを揮発性のCOおよびHO副産物へと変換することによって、半導体ウェーハからフォトレジストを除去するために使用される。原子状酸素は、代表的に、反応性ガス発生器のプラズマチャンバーにおいて、O(または酸素を含むガス)をプラズマで解離させることによって生成される。原子状フッ素は、原子状フッ素がフォトレジスト除去プロセスを加速するので、原子状酸素と共同で、しばしば使用される。フッ素は、例えば、プラズマチャンバーにおいて、NFまたはCFをプラズマで解離させることによって発生する。しかし、フッ素は、高度に腐食性であり、チャンバーに使用される種々の材料(例えば、アルミニウム)と有害に反応し得る。
【0009】
半導体製作において使用される多くの異なるタイプの装置(プラズマチャンバーが挙げられる)を苦しめる問題は、銅汚染である。銅は、「迅速な拡散物」である(すなわち、代表的な半導体材料において、多くの他の元素よりも高い拡散速度を有する)ので、半導体製作装置において、非常に少量の銅を導入することは、半導体デバイスの故障を引き起こし得る。さらに、少量の銅は、装置の1部品から別の部品へ容易に移行され、それにより、製作ラインにおいて広がり、半導体製作装置を汚染し得る。
【0010】
従って、銅汚染の問題の一因となることなく、プラズマチャンバーに位置する励起ガスの腐食性影響をより受け易くない改善された保護コーティングの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
概して、1つの局面において、本発明のいくつかの例示的な実施形態は、プラズマ電解酸化(PEO)プロセスを用いて、物体(例えば、チャンバー壁)上に酸化物コーティングを製造する方法に関し、ここで上記コーティングは、後の加工において、ハロゲン化マグネシウムに変換され得る十分なマグネシウムを供給するために、低減された表面銅濃度、および維持されたまたは高いマグネシウム濃度を有する。酸化物コーティングまたは半導体加工装置において使用するための物体における低減されたまたは低い銅濃度と、増加したまたは高いマグネシウム濃度との組み合わせは、増加した耐腐食性/耐侵食性だけではなく、銅汚染が低減されるに従って増加した収量も提供する。
【0012】
別の局面において、本発明の実施形態は、低減された/低い銅濃度と増加した/高いマグネシウム濃度との組み合わせを有した酸化物層を有する物体を含むプラズマまたは半導体プロセスチャンバーに関する。
【0013】
別の局面において、本開示は、半導体加工システムにおいて使用するために、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含む物体の表面上に酸化物層を作り出す方法を提供する。この局面の実施形態において、上記方法は、上記物体を提供する工程を含み、ここで上記物体は、約0重量%と約0.1重量%との間のバルク銅濃度および約1.5重量%よりも大きいバルクマグネシウム濃度を有するバルク材料を含む。上記方法はまた、アルミナおよびマグネシウムの酸化物を含む上記酸化物層を形成するために、プラズマ電解酸化プロセスを用いて上記物体の表面を酸化させる工程を含む。低減された銅濃度および比較的高いマグネシウム濃度を有したバルク材料を有する物体を提供することによって、プラズマ電解酸化プロセス中に汚染物質として上記酸化物層に組み込まれるより少ない銅が使用可能であり、上記酸化物層に組み込まれるさらなるマグネシウムが使用可能であり、上記マグネシウムは、さらなる加工において、ハロゲン化マグネシウムに変換され得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、上記方法は、上記バルク銅濃度よりも小さい第二の銅濃度を有する第二材料の層を上記物体の表面上に堆積させる工程をさらに含む。プラズマ電解酸化プロセスを用いて上記物体の表面を酸化させる工程は、上記第二材料の層の厚さの少なくとも一部分を酸化させる工程を含む。上記表面を酸化させる工程は、上記第二材料の層の厚さを通して酸化させる工程、または上記第二材料の層の厚さを通り、それを超えて物体の下部のバルク材料を酸化させる工程を含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、上記物体の表面は、上記第二材料の層を堆積させる前に洗浄され得る。いくつかの実施形態において、上記第二材料の層のマグネシウム濃度は、上記酸化物層の形成前に増加する。上記マグネシウム濃度は、マグネシウムの削摩による移動(ablative transfer)または別の適切な方法を通して増加し得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、銅は、上記酸化物層の形成後に上記酸化物層の表面から除去されるか、または抽出される。上記方法は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて上記物体の表面を酸化した後、材料を上記物体の表面から第一の深さまで除去する工程をさらに含み得る。酸化された層の最大銅濃度は、上記材料が上記物体の表面から上記第一の深さまで除去された後、約5000ppmまたは約5000ppm未満である。上記第一の深さにおけるマグネシウム濃度は、上記材料が上記物体の表面から上記第一の深さまで除去された後に少なくとも約4000ppmである。
【0017】
この局面の別の実施形態において、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含む物体の表面上に酸化物層を作り出すための方法が、提供され、この方法は、重量でのバルク銅濃度を有するバルク材料を含む上記物体を提供する工程、および上記バルク銅濃度よりも小さい第二の銅濃度を有する第二材料の層を上記物体の表面上に堆積させる工程を含む。上記方法は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて堆積された層の少なくとも外側の厚さを酸化させる工程をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記第二材料におけるマグネシウム濃度は、バルクマグネシウムよりも大きいものであり得る。上記方法は、第二材料の層におけるマグネシウム濃度を増加させる工程をさらに含み得る。
【0018】
この局面のさらに別の実施形態において、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含む物体の表面上に酸化物層を作り出すための方法は、提供され、重量でのバルク銅濃度および重量でのバルクマグネシウム濃度を有するバルク材料を含む上記物体を提供する工程、ならびに上記物体を上記バルク銅濃度よりも小さい第二の銅濃度を有する第二材料の層と接触させる工程を含む。上記方法はまた、上記バルク材料から上記第二材料の層に銅を拡散させるために上記物体を加熱する工程、上記物体から上記第二材料の層を除去する工程、およびプラズマ電解酸化プロセスを用いて上記物体の表面を酸化させる工程を含む。いくつかの実施形態において、上記物体を第二材料の層と接触させる工程は、上記第二材料の層を上記物体の表面上に堆積させる工程を含む。他の実施形態において、上記物体を第二材料の層と接触させる工程は、ある量の第二材料を、そのある量の第二材料が上記物体の表面に接触するまで物理的に移動させる工程を含む。
【0019】
別の局面において、半導体加工システムにおいて使用するための、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含む物体の表面を処理するための方法が提供される。この局面の実施形態において、方法は、バルク領域および酸化物層を有する物体を提供する工程、ならびに上記酸化物層の一部分を除去する工程を含む。上記バルク領域は、銅、アルミニウム、およびマグネシウムを含む。上記酸化物層は、プラズマ電解酸化プロセスによって生成され、マグネシウム濃度および銅濃度を有し、上記マグネシウム濃度および上記銅濃度は、それぞれが第一の深さにおいて約5000ppmよりも大きい最大銅濃度を有する上記酸化物層における深さの関数として変動する。上記酸化物層の一部分は、上記第一の深さを超えて、上記銅濃度が約5000ppmまたは約5000ppm未満であり、上記マグネシウム濃度が約4000ppmよりも大きい第二の深さまで除去される。いくつかの実施形態において、上記第二の深さにおける銅濃度は、約5000ppmまたは約5000ppm未満である。いくつかの実施形態において、上記酸化物層の一部分は、化学的機械的プロセス、機械的プロセス、化学的エッチング、電気化学的機械的プロセス、または前述の任意の組み合わせを用いて除去される。
【0020】
この局面の別の実施形態において、上記方法は、バルク領域および酸化物層を有する物体を提供する工程、および上記酸化物層から銅を抽出する工程を含む。上記バルク領域は、銅およびアルミニウムを含む。上記酸化物層は、プラズマ電解酸化プロセスによって生成され、上記酸化物層の深さの関数として変動する銅濃度を有する。上記銅は、上記酸化物層における最大銅濃度が約5000ppmまたは約5000ppm未満であるまで上記酸化物層から抽出される。いくつかの実施形態において、上記銅は、上記酸化物層における最大銅濃度が約4000ppmまたは約4000ppm未満であるまで上記酸化物層から抽出される。いくつかの実施形態において、上記銅は、化学的プロセスまたは電気化学的プロセスを用いて抽出される。いくつかの実施形態において、上記酸化物層におけるマグネシウム濃度は、削摩による移動プロセスを用いて、または上記酸化物層をドーピングすることによって増加する。
【0021】
この局面の別の実施形態において、上記方法は、バルク領域および酸化物層を有する物体を提供する工程、ならびに銅を拡散させるために上記物体にエネルギーを付与する工程を含む。上記バルク領域は、アルミニウムを含み、バルク銅濃度を有する。上記酸化物層は、プラズマ電解酸化プロセスによって生成される。上記酸化物層は、上記酸化物層における深さの関数として変動するマグネシウム濃度、および上記バルク銅濃度よりも大きい最大銅濃度を有する上記酸化物層における深さの関数として変動する銅濃度を有する。エネルギーは、少なくとも上記酸化物層の最大銅濃度が約5000ppmまたは約5000ppm未満であるまで銅を拡散させるために上記物体に付与される。いくつかの実施形態において、エネルギーは、少なくとも上記酸化物層の最大銅濃度が約4000ppmまたは約4000ppm未満であるまで銅を拡散させるために上記物体に付与される。
【0022】
いくつかの実施形態において、銅を拡散させるためにエネルギーを上記物体に付与する工程は、上記酸化物層にわたって電位勾配を付与する工程;および銅の拡散を高めるために上記物体を加熱する工程を含む。いくつかの実施形態において、上記酸化物層にわたって付与される電圧は、約300Vと約1000Vとの間である。いくつかの実施形態において、上記酸化物層を横切る電圧は、上記酸化物層の破壊電圧の約30%と約80%との間である。いくつかの実施形態において、銅の拡散を高めるために上記物体を加熱する工程は、約50℃と約350℃との間の温度まで上記物体を加熱する工程を含む。上記酸化物層にわたって電位勾配を付与する工程は、上記物体の表面に対する電気的接続のために、上記酸化物層の表面に隣接する電解質を提供する工程をさらに含み得る。上記電解質は、導電性のポリマーであり得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、銅を拡散させるためにエネルギーを上記物体に付与する工程は、生産時間の尺度において銅の拡散を可能にする最低温度と生産時間の尺度においてマグネシウムの拡散を可能にする温度よりも低い最大温度との間の温度範囲における温度まで、上記物体の少なくとも一部分を加熱する工程を含む。エネルギーを付与する工程は、温度範囲における上記物体の一部分を、少なくとも上記酸化物層における最大銅濃度が約5000ppmまたは約5000ppm未満であるまで維持する工程をさらに含み得る。いくつかの実施形態において、上記温度範囲は、約150℃と約350℃との間である。
【0024】
別の局面において、半導体加工システムにおいて使用するために、アルミニウム、マグネシウム、および銅を含む物体の表面上に保護層を作り出す方法が提供される。上記方法は、バルク銅濃度を有するバルク材料、およびプラズマ電解酸化プロセスを用いて生成される酸化物層を含む上記物体を提供する工程、ならびに上記酸化物層の表面をハロゲンを含む励起ガスまたはハロゲンを含むプラズマに曝す工程を含む。上記酸化物層は、約5000ppmまたは約5000ppm未満である最大銅濃度を有する、深さの関数として変動する銅濃度、および約4000ppm超である最小マグネシウム濃度を有する、深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有する。上記酸化物層の表面がハロゲンを含む励起ガスまたはハロゲンを含むプラズマに曝される場合、ハロゲン化マグネシウムは、上記酸化物層において形成され、それにより、保護層を作り出す。いくつかの実施形態において、上記酸化物層における最大銅濃度は、約4000ppmまたは約4000ppm未満である。いくつかの実施形態において、バルク銅濃度は、約0.1重量%超であり、そして/または上記バルクマグネシウム濃度は、約1重量%未満である。
【0025】
別の局面において、反応性ガス源を用いて使用するためのプラズマチャンバーが提供される。上記プラズマチャンバーは、ガスを受け取るための入り口、ガスを含むのに適した少なくとも1つのプラズマチャンバー壁、およびプラズマとガスとの相互作用によって発生する反応性ガスを排出するための出口を含む。上記プラズマチャンバー壁は、バルク銅濃度を有するバルク材料およびプラズマ電解酸化プロセスを用いて生成される酸化物層を含む。上記酸化物層は、約5000ppmまたは約5000ppm未満である最大銅濃度を有する上記酸化物層における深さの関数として変動する銅濃度、および約4000ppm超である最小マグネシウム濃度を有する上記酸化物層における深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有する。いくつかの実施形態において、上記最大銅濃度は、約4000ppmまたは約4000ppm未満である。
【0026】
さらに別の局面において、反応性ガス源を用いて使用するための半導体プロセスチャンバーが提供される。上記半導体プロセスチャンバーは、励起ガスまたはプラズマを受け取るための入り口、およびガスを含むのに適した少なくとも1つのプロセスチャンバー壁を含む。上記プロセスチャンバー壁は、バルク銅濃度を有するバルク材料およびプラズマ電解酸化プロセスを用いて生成される酸化物層を含む。上記酸化物層は、約5000ppmまたは約5000ppm未満である最大銅濃度を有する上記酸化物層における深さの関数として変動する銅濃度、および約4000ppm超である最小マグネシウム濃度を有する上記酸化物層における深さの関数として変動するマグネシウム濃度を含む。いくつかの実施形態において、上記最大銅濃度は、約4000ppmまたは約4000ppm未満である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図面において、類似する参照文字は、一般に、異なる図を通して同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも共通の縮尺をもつものではなく、代わりに、本開示の原理を例示することに強調が置かれる。
図1A図1Aは、例示的な実施形態に従って、プラズマ電解酸化(PEO)を用いて、物体の表面上に、低減された銅濃度を有する酸化物層を作り出す方法を例示するフローチャートである。
図1B図1Bは、例示的な実施形態に従って、PEOプロセスおよびハロゲン化マグネシウムを用いて生成された酸化物を含む低減された銅濃度を有する保護層を作り出す方法を例示するフローチャートである。
図2A図2Aは、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA−ICP−MS)を用いて測定される場合の、プラズマ電解酸化によってアルミニウム合金6061の物体上に形成された酸化物層の表面からの深さの関数としての銅の濃度およびマグネシウムの濃度のグラフである。
図2B図2Bは、例示的な実施形態に従って、アルミニウム合金5086の物体上にプラズマ電解酸化によって形成される酸化物層の表面からの深さの関数としての銅の濃度およびマグネシウムの濃度のグラフである。
図3A図3Aは、例示的な実施形態に従って、第二材料を物体の表面上に堆積させる工程およびPEOを用いて上記第二材料の層の少なくとも一部分を酸化させる工程を含む、物体の表面上に酸化物層を作り出す方法を例示するフローチャートである。
図3B図3Bは、例示的な実施形態に従って、第二材料を物体の表面上に堆積させる工程、上記第二材料の層に銅を拡散させるために上記物体を加熱する工程、およびPEOを用いて上記物体を酸化させる工程の前に上記第二材料の層を除去する工程を含む、物体の表面上に酸化物層を作り出す方法を例示するフローチャートである。
図4図4は、例示的な実施形態に従って、物体の表面上に、低減された銅濃度を有する酸化物層を作り出す方法であって、ここで銅はプラズマ電解酸化プロセス後に上記酸化物層から抽出される、方法を例示するフローチャートである。
図5A図5Aは、例示的な実施形態に従って、物体の表面上に、低減された銅濃度を有する酸化物層を作り出す方法であって、ここで上記酸化物層において、銅を拡散させ、最大銅濃度を低減させるためにエネルギーが上記物体に付与される、方法を例示するフローチャートである。
図5B図5Bは、実施形態の局面に従って、上記酸化物層にわたって電位勾配を付与する工程を含む、エネルギーを上記物体に付与する工程において含まれ得る工程を例示する。
図5C図5Cは、実施形態の局面に従って、上記物体の少なくとも一部分を加熱する工程を含む、エネルギーを上記物体に付与する工程において含まれ得る工程を例示する。
図6図6は、別の実施形態に従って、上記酸化物層の少なくとも一部分を除去することによって低減された銅濃度を有する酸化物層を作り出す方法を例示するフローチャートである。
図7A図7Aは、PEOによってアルミニウム合金6061の物体上に形成される約45ミクロンの厚さの酸化物層の表面からの深さの関数としての、銅およびマグネシウムの濃度のグラフである。
図7B図7Bは、PEOによってAl 6061の物体上に形成される約35ミクロンの厚さの酸化物層の表面からの深さの関数としての銅およびマグネシウムの濃度のグラフである。
図8A図8Aは、例示的な実施形態に従って、プラズマチャンバーの表面上に保護層を作り出すためのプロセスにおける工程を行うために使用される反応性ガス源の概略的な例示である。
図8B図8Bは、例示的な実施形態に従って、プラズマチャンバーの表面上に保護層を作り出すためのプロセスにおける工程を行うために使用される反応性ガス源の概略的な例示である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
プラズマ電解酸化(PEO)プロセスを用いて金属表面上に作り出される保護層は、従来の陽極酸化を用いて生成される保護層よりも腐食/侵食に対して抵抗性がある。例えば、プラズマ電解酸化によって生成されるコーティングの腐食/侵食速度は、一般に、III型硬質陽極処理によって生成される同様のコーティングの腐食/侵食速度の2分の1〜5分の1である。結果として、プラズマチャンバーのためにアルミニウム材料を利用するプラズマ発生器において、PEOは、耐腐食性/耐侵食性を増加させるために、チャンバー表面に付与され得る。PEOプロセスを用いて酸化物コーティングを形成するための方法は、2009年7月8日に出願された発明の名称「Methods and Apparatus for Protecting Plasma Chamber Surface」の米国特許出願第12/499,453号(以下、「‘453出願」)に記載され、その内容全体は、本明細書中で参考として援用される。出願人は、一般的に使用されるアルミニウム合金(例えば、アルミニウム6061)の物体上にPEOプロセスによって形成された酸化物層が、増加した耐腐食性/耐侵食性を有するが、上記酸化物層を形成するプロセスは、上記物体のバルクにおける銅濃度よりも高い銅濃度を上記酸化物層の表面においてもたらし得ることを理解した。出願人は、PEOプロセスを用いて生成される酸化物コーティングにおける銅濃度が、コーティングの表面において、またはコーティングの表面近くで最も高いこと、および一般に深さが増加するごとに低下することを観測した。上記酸化物層におけるピーク銅濃度は、上記層が覆うバルク材料における銅濃度よりも高いことがあり得る。上に説明されるように、低濃度の銅は、ケイ素における銅の高い拡散速度に起因して、半導体加工における欠陥を引き起こし得る。半導体加工システムにおける物体の表面(例えば、チャンバー壁)において濃縮される銅は、上記物体からサンプル(例えば、ウェーハ)、または他の半導体加工装置に銅が移動するリスクに起因して特に問題があり得る。従って、その改善された耐腐食性/耐侵食性にも関わらず、PEOプロセスを用いて生成される物体上の酸化物コーティングの表面における増加した銅濃度は、銅汚染の増大したリスクに起因して、上記物体をいくつかの半導体加工環境において使用することに適さなくさせ得る。従って、例示的な実施形態は、低減された銅濃度を有する保護用PEO酸化物コーティングを製造する方法に関する。
【0029】
多くの一般的なアルミニウム合金は、低濃度の銅、およびケイ素、鉄、クロム、マグネシウム、マンガン、亜鉛、チタンなどのような他の元素を含む。銅のような「汚染物質」の濃度を低減させるいくつかの方法はまた、上記アルミニウム合金における他の元素の濃度を低減し得る。上記‘453出願は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて生成され、相当な量のハロゲン化マグネシウムを含む保護用酸化物層(PEO層)が、より少ないハロゲン化マグネシウムを有するPEO層よりも腐食/侵食に対する増加した抵抗性を有することを説明する。上記‘453出願は、約1重量%と約6重量%との間のマグネシウム濃度を有するアルミニウム合金物体上にPEO層を形成し、次に上記PEO層をプラズマまたはハロゲン化物を有する励起ガスに曝すことによって、上記物体上にハロゲン化マグネシウムを有する保護用PEO層を形成する工程を記載する。出願人は、アルミニウム合金の物体上でPEOプロセスを行う工程は、バルクアルミニウム合金のマグネシウム濃度に対して増加したマグネシウム濃度を有するPEO層をもたらし得ることを観測した。しかし、上記PEOプロセスはまた、表面において、または表面の近くで、上記バルクアルミニウム合金の銅濃度に対して増加した銅濃度を有する酸化物層をもたらし得、このことは、望ましくない。従って、例示的な実施形態は、PEOプロセスを用いて物体上に酸化物コーティングを製造する方法に関し、ここで、上記コーティングは、上記物体のバルクにおける銅の濃度と同等またはより低いピーク銅濃度、および上記物体のバルクにおけるマグネシウム濃度に対して維持されたまたは増加したマグネシウム濃度を有する。
【0030】
本明細書中に記載される実施形態は、半導体加工において使用される物体の表面上に保護層を作り出すために有用である。例えば、半導体加工システムにおけるプラズマ源の内壁を覆う保護層は、内壁の表面侵食(例えば、上記保護層の下の材料の融解、蒸発、昇華、腐食、スパッター)を低減し得る。表面侵食を低減する工程は、最終的に、粒子発生および半導体加工システムにおいて行われるプロセスの汚染を低減する。別の例として、上記保護層はまた、上記プラズマ源の内壁における反応性ガスの表面反応または再結合に起因して、別の方法で生じ得る反応性ガスの損失を低減し得る。
【0031】
上記保護層はまた、プラズマ源において働き得るプラズマ化学のタイプを広げる。上記保護層は、プラズマチャンバーが、水素、酸素、または窒素ベースの化学(例えば、HO、H、O、N)、ハロゲンベースの化学(例えば、NF、CF、C、C、SF、Cl、ClF、Br)において、ならびにハロゲン、水素、酸素、または窒素ベースの化学とAr−燃焼工程との混合および/または迅速なサイクリングにおいて働くこと(例えば、より少ない汚染物質を生成すること)がより可能であるようにする。従って、上記保護層は、プラズマ源の働きをより高い力のレベルまで広げ、上記層の存在を通して上記物体の絶縁破壊電圧を改善し、最終的に製品コストおよび所有のコストを低下させる。
【0032】
概して、本明細書中に記載される実施形態は、低減されたピーク銅濃度を有し、維持されたまたは増加したマグネシウム濃度を有する酸化物層を有する物体を提供し、上記ピーク銅濃度の低減は、銅汚染のリスクを低減し、上記マグネシウム濃度の維持または増加は、上記酸化物層の耐腐食性/耐侵食性を増加させるために、上記酸化物層においてハロゲン化マグネシウムを形成するためのマグネシウムを提供する。いくつかの実施形態において、上記物体の酸化物層の銅濃度は、低減され、上記酸化物層のマグネシウム濃度は、物体がPEOプロセスを経る前の上記物体のバルク材料の銅濃度およびマグネシウム濃度の選択を通して上昇するか、または維持される。いくつかの実施形態において、低減された銅濃度および上昇したまたは維持されたマグネシウム濃度を有する第二材料の層は、上記物体上に堆積され、次に上記第二材料の層の少なくとも一部分は、PEOプロセスを用いて酸化される。いくつかの実施形態は、物体のバルク材料の銅濃度を低減するために、上記物体の表面がPEOプロセスを用いて酸化される前に、少なくとも物体の表面の近くで、高められた温度において拡散を用いる。
【0033】
いくつかの実施形態において、PEOプロセスを用いた上記酸化物層の形成後に、酸化物層のピーク銅濃度は低減され、上記酸化物層のマグネシウム濃度は、維持されるか、または増加させられる。例えば、銅は、多様な方法(例えば、溶液における銅の溶解)を用いて上記酸化物層から抽出され得る。別の例として、上記酸化物層におけるピーク銅濃度は、上記物体の温度を上記酸化物層における銅を拡散させて、より一様な分布を生じ得るために十分に高い温度まで上昇させることによって低減される。さらに別の実施形態において、上記酸化物層におけるピーク銅濃度は、上記物体の少なくとも一部分の温度を上昇させること、および電気移動を用いて表面から銅を追い出すために上記酸化物層にわたって電圧を印加することによって低減され得る。いくつかの実施形態において、ピーク銅濃度は、最大銅濃度を含む上記酸化物層の外側部分を除去することによって低減される。いくつかの実施形態において、複数の異なる方法および技術は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて形成される酸化物層において、銅濃度を低減し、マグネシウム濃度を増加させるか、または維持するために組み合わせられる。
【0034】
いくつかの実施形態において、低減された銅濃度および維持されたまたは増加したマグネシウム濃度を有する上記酸化物層は、ハロゲン化マグネシウムを形成するために、ハロゲン化物を含むガス、またはハロゲン化物を含むプラズマに曝され、それにより、上記物体において増加した耐腐食性/耐侵食性を有する保護層を作り出す。上記物体は、プラズマチャンバーのチャンバー壁、または半導体プロセスチャンバーであり得、曝露は、上記チャンバーを用いて半導体製作プロセスを実施中に生じ得る。
【0035】
図1Aは、第一の例示的な実施形態に従って、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含む物体(例えば、半導体加工システムにおいて使用するための物体)の表面上に、低減された銅濃度を有する酸化物層を作り出すための方法100を例示するフローチャートである。最初に、約0重量%と約0.1重量%との間のバルク銅濃度、および約1.5重量%よりも大きいバルクマグネシウム濃度を有するバルク材料を含む物体が提供される(工程102)。本明細書を通して、パーセントとして列挙される濃度は、重量での濃度パーセントを指す。同様に、ppmで列挙される濃度は、重量での百万分率における濃度を指す。上記物体の表面は、プラズマ電解酸化(PEO)プロセスを用いて酸化され(工程106)、これは、酸化物層であって、この酸化物層の中に配置される酸化マグネシウムを含む酸化物層を上記物体の表面上に生成する。上記PEOプロセスは、上記物体の下部のバルク材料を保護する密な酸化物層を作り出す。上記酸化物層におけるマグネシウムの酸化物は、上記物体のさらなる加工中に、ハロゲン化マグネシウムに変換され得るか、またはハロゲン化マグネシウムに少なくとも部分的に変換され得る。
【0036】
例えば、図1Bは、例示的な実施形態に従って、ハロゲン化マグネシウムを形成する工程を含む、物体の表面上に保護層を作り出す方法を例示するフローチャートである。バルク銅濃度を有するバルク材料と、PEOプロセスを用いて生成される酸化物層とを有する物体(例えば、プラズマチャンバーにおいて使用されるための材料)が提供される(工程112)。上記酸化物層は、いくつかの実施形態において、約5000ppm未満である上記酸化物層における最大銅濃度を有する、深さの関数として変動する銅濃度を有する。他の実施形態において、上記酸化物層における最大銅濃度は、約4000ppm未満である。上記酸化物層はまた、約4000ppm超である上記酸化物層における最小マグネシウム濃度を有する、深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有する。上記酸化物層における上記マグネシウムのうちの少なくともいくつかは、酸化マグネシウムの形態である。いくつかの実施形態において、上記方法は、ハロゲン化物を含むガス(「ハロゲン化物含有ガス」)を励起する工程、またはハロゲン化物を含むプラズマ(「ハロゲン化物含有プラズマ」)を作り出す工程を含み得る(工程114)。工程116において、上記酸化物層における上記マグネシウムのうちの少なくともいくつかは、上記酸化物層を励起ハロゲン化物含有ガスに、またはハロゲン化物含有プラズマに曝すことによって、ハロゲン化マグネシウムに変化され、それにより、保護層を作り出す。その酸化された層(すなわち、上記保護層)において形成される上記ハロゲン化マグネシウムは、上記物体の耐腐食性/耐侵食性を増加させる。
【0037】
工程102において提供される上記物体の組成の重要性を説明する前に、プラズマ電解酸化を用いるプロセス(工程106)が説明される。プラズマ電解酸化(PEOと省略され、また、マイクロアーク酸化と称される)は、金属の表面上に酸化物層を作り出すための電気化学的プロセスを表す用語である。PEOプロセスにおいて、酸化物層は、低濃度アルカリ性電解液に金属基材(例えば、アルミニウム合金)を浸し、パルスAC電流を電解液に通すことによって作り出される。プラズマ放電は、パルスAC電流に応答して基材表面上に形成される。上記放電は、金属表面を密な硬質酸化物(例えば、上記基材がアルミニウムである場合に、主にアルミナまたは酸化アルミニウム)に変換する。元素の共蒸着プロセスは、同時に生じる。下により詳細に記載されるように、上記プロセスは、上記基材から酸化された層へ他の合金元素を組み込む(例えば、上記アルミニウム合金基材から上記酸化された層へ銅(Cu)およびマグネシウム(Mg)を引き込むこと)。上記PEOで酸化された層のCuおよびMgの濃度は、数個の因子(例えば、形成酸化物におけるCuおよびMgの拡散速度、上記基材におけるCuおよびMgの濃度、上記酸化物中に包含するための使用可能なCuおよびMgの動態、および上記酸化物中の電界強度など)に依存する。上記基材からの元素は、上記酸化物層に組み込まれるので、上記酸化物層の化学組成は、下部の基材の化学組成によって影響され得る。実質的に厚く均一な酸化物コーティングは、代表的に、上記PEOプロセス中に生じる電気化学的反応および物理的反応に応答して、上記基材の表面上に形成される。プラズマ電解酸化プロセスを用いて形成される上記酸化物層または酸化物コーティングは、本明細書中でPEO層またはPEOコーティングと称され得る。プラズマチャンバーまたは半導体プロセスチャンバーにおいて表面を保護するために使用されるPEO層の厚さは、代表的に、厚さが約1ミクロンと約100ミクロンとの間であるが、上記層の厚さは、実施形態がこの点に関して限定されないので、この範囲外にあり得る。
【0038】
概して、PEOプロセスを用いて形成される酸化物層は、主に三層からなる;外層、部分的に結晶化された層、および転移層。上記外層は、上記酸化物層の厚さの合計の約30%〜約40%を占める。上記部分的に結晶化された層は、上記外層と上記転移層との間に位置する。上記転移層は、上記金属基材上に直接位置する薄い層である。種々の電解液は、PEOプロセスにおいて密な酸化物層を形成するために使用され得る。いくつかのPEOプロセスは、市販されている。上記プロセスをサービスとして提供する1つの供給業者は、Keronite International Ltd.(Granta Park,Great Abington,Cambridge,CB21 6GP,UK)である。
【0039】
従来の陽極処理プロセスを用いて金属の表面上に形成される酸化物層と比較して、PEOは、より硬い、より多孔性でなく、より耐腐食性/耐侵食性がある層を作り出す。低電位(代表的に、数十ボルト)を用いて実施される従来の陽極処理と比較して、PEOは、高電位(代表的に、数百ボルト)の印加を含む。プラズマ電解酸化において印加される上記高電位は、上記物体の表面においてプラズマを生成する電気的放電をもたらす。上記プラズマは、上記酸化物層の構造を改変し、高める。PEOの間に、上記酸化物は、上記物体のもともとの金属表面から外に向かって成長し、上記物体における金属を酸化物に変換することによってもともとの金属表面の内方に成長する。結果として、上記金属内の元素は、従来の陽極処理プロセスを通してよりも容易に、PEOで加工された酸化物に組み込まれる。
【0040】
PEO層を形成後、方法110は、工程114においてハロゲンを含むガスを励起する工程またはハロゲンを含むプラズマを生成する工程を含み得る(すなわち、任意選択の工程)。その励起されたガスは、プラズマを形成し得るか、またはプラズマによって生成され得る。ハロゲン(またはハロゲン元素)は、周期表のVII族およびVIIA族からの非金属元素(例えば、フッ素)である。実施形態において有用である例示的なハロゲン含有ガスとしては、例えば、NF、F、CF、C、C、SF、Cl、ClF、ならびにBrおよびBrClが挙げられる。上記ハロゲン含有ガスは、反応性ガス発生器(例えば、図8Aの反応性ガス発生器)を用いて励起され得る。工程114に対する代替として、ハロゲン含有ガスまたはハロゲン含有プラズマが提供され得る。
【0041】
工程116において、上記物体の酸化された表面は、上記ハロゲン含有プラズマおよび/または上記励起ハロゲン含有ガスに曝される。上記物体の上記酸化物層がハロゲン含有プラズマまたは励起ハロゲン含有ガスに曝される場合、上記酸化物層における合金元素は、上記ハロゲン含有プラズマまたは励起ハロゲン含有ガスと反応する。例示実施形態において、上記励起ガスは、フッ素を含み、上記物体は、マグネシウムおよび銅を有するアルミニウム合金を含む。上に記載されるように、上記PEOプロセス中に、上記物体のバルクにおける上記アルミニウム合金からのマグネシウムは、マグネシウムの酸化物を形成する上記酸化物層へ引き込まれる。マグネシウムの酸化物を含む上記酸化物層がフッ素を含む励起ガスまたはフッ素を含むプラズマに曝される場合に、酸化マグネシウムは、上記酸化物層においてフッ素と反応してフッ化マグネシウム(MgF)を形成する。励起フッ素含有ガスまたはフッ素含有プラズマへの曝露の間に、酸化アルミニウムは、ガスまたはプラズマによって除去され、それは、酸化アルミニウムの濃度に対してフッ化マグネシウムまたは酸化マグネシウムの濃度を増加させる。上記フッ化マグネシウムは、上記物体の隣接する材料層と拡散接合を形成し、上記物体の表面上のアルミニウムおよび酸化アルミニウムを被包し、フッ素含有ガスに対する曝露から保護する。上記フッ化マグネシウムは、さらなるフッ素の上記酸化物層への透過を阻害し、上記酸化物層およびベースのアルミニウム合金のための保護を提供する。
【0042】
いくつかの実施形態において、上記保護層は、ハロゲンベースのプロセスを実行するプラズマ反応器の内表面の一部である物体の表面上に作り出される。例えば、ハロゲンを含むプラズマもしくは励起ガスを発生させる工程(工程114)、および/または上記物体の酸化された表面を上記ハロゲン含有プラズマまたは励起ガスに曝す工程(工程116)は、ハロゲンベースのプロセスを実行中に生じ得る。ハロゲンベースのプロセスを実行中にこれらの工程を行うことは、上記酸化物コーティングにおける上記ハロゲン化マグネシウムの形成を可能にし得、次に、半導体加工システムにおける上記物体の使用を、上記システムを変更する必要も再構成する必要もなく可能にし得る。
【0043】
チャンバー(例えば、プラズマチャンバーまたは半導体加工チャンバー)の壁の表面を形成する保護層の少なくとも一部分は、使用中に腐食性条件に曝される場合に、徐々に除去(すなわち、侵食)され得る。このことは、異なる深さのもともとの保護層が、上記チャンバー壁の表面を形成し、上記保護層が徐々に除去されるにつれて経時的に、上記チャンバーの内側に曝されることを意味する。従って、特定の時点における銅汚染のリスクは、その時点における上記保護層の表面において曝される銅濃度に依存する。上記保護層は、均一な速度で上記チャンバー壁の全ての曝された領域において除去されることも「喪失する」こともないが、上記チャンバー壁の上記部分は、同じ速度の、上記保護層の喪失または除去をおそらく経験する。特定の深さに対応する、上記保護層における銅の濃度が最大を有する場合に、銅汚染の最も高いリスクは、その特定の深さの上記保護層が上記チャンバー壁の表面として曝される場合に生じる。従って、銅汚染の許容可能に低いリスクを、チャンバー壁における保護コーティングの作業寿命にわたって維持することは、上記保護層の上記作業寿命の間に曝され得る少なくとも上記保護層の上記部分において最大銅濃度を低減することを含む。
【0044】
図2Aにおけるグラフ200は、Keronite International Ltd.によるプラズマ電解酸化プロセスを用いて形成される酸化物コーティングを有する、アルミニウム6061合金(Al 6061)から作製されるサンプル(サンプルA)における深さの関数として銅およびマグネシウムの濃度を示す。堆積チャンバーの壁のために一般的に使用される合金であるAl 6061は、約0.15%と約0.40%との間の銅、および約0.8%と約1.2%との間のマグネシウムを含む。上記PEOプロセスは、Fischer Technology,Inc.(Windsor,CT)によって製造されるDualScope(登録商標)MP20厚さ測定ユニットを用いて測定される場合に、約54μmの厚さの酸化物層をもたらした。上記酸化物層は、マグネシウムおよび銅の酸化物を含む。
【0045】
グラフ200において、百万分率(ppm)における銅202の濃度(円形)およびマグネシウム204の濃度(正方形)は、レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法(LA−ICP−MS)を用いて測定される場合の、上記酸化物層(コーティング)における深さおよびサンプルAのバルク(基材)における深さの関数として示される。上記グラフのコーティング部分212において、上記濃度は、上記酸化物層材料の重量での百万分率で示される(すなわち、上記サンプルの上記酸化物層に対応する濃度測定値)。上記グラフの基材部分214において、上記濃度は、上記バルク材料の重量での百万分率で示される(すなわち、上記サンプルのバルクアルミニウム合金に対応する濃度測定値)。サンプルAのバルク(基材)の銅の濃度は、約2500ppm(約0.25%)である。対照的に、上記酸化物層の表面において生じる、上記酸化物層における最大銅濃度203は、約7000ppm(約0.7%)であり、これは上記バルクにおける銅の濃度の2倍超である。上記酸化物層の表面において生じる銅のこの最大濃度は、多くの半導体加工の応用に関して、許容できないレベルまで銅汚染のリスクを増大させる。
【0046】
サンプルAはまた、上記酸化物層の表面においてマグネシウムの増加した濃度を有する。21,000ppm(約2.1%)の上記酸化物層における最大マグネシウム濃度205は、約12,000ppm(約1.25%)である上記バルク材料における上記マグネシウム濃度の約1.7倍である。上記最大マグネシウム濃度は、上記酸化物層の表面に位置する上記最大銅濃度と違って、線206によって示されるように上記酸化物層の表面から約8ミクロンの深さに位置する。サンプルAの酸化物層における上記マグネシウム濃度は、励起ハロゲン含有ガスまたはハロゲン含有プラズマに曝される場合に保護層のハロゲン化マグネシウムの形成を可能にするが、上記酸化物層の表面における高濃度の銅は、銅汚染のリスクを増大させる。
【0047】
物体において低減された銅濃度を有する酸化物層を作り出す1つの方法は、酸化前に上記物体における銅濃度を低減することによって銅の供給源を低減する工程を含む。例えば、図2BはサンプルBについての深さの関数としての銅濃度222およびマグネシウム濃度224のグラフ220を示し、上記サンプルBは、図1Aに描かれる方法100に従って作製される保護コーティングを含む。サンプルBは、5086アルミニウム合金から形成された。5086アルミニウム合金は、約0%と約0.1%との間の銅濃度および約3.5%と4.5%との間のマグネシウム濃度を有する。図2Bに示されるように、サンプルBは、約700ppmまたは約0.07%のバルク銅濃度、および約45000ppmまたは約4.5%のバルクマグネシウム濃度を有した。従って、サンプルBは、方法100の工程102に規定されるような、約0%と約0.1%との範囲に入るバルクCu濃度および約1.5%よりも大きいバルクマグネシウム濃度を有した。サンプルBは、次に、サンプルAを加工するために使用されたものと実質的に同様の条件を用いて加工された。サンプルBは、DualScope(登録商標)MP20厚さ測定ユニットを用いて測定される場合に、約53nmの厚さの酸化物層を形成するために、Keronite International Ltd.によるプラズマ電解酸化プロセスを用いて加工された(工程106)。
【0048】
サンプルBについての最大銅濃度223は、約1000ppm(約0.1%)であり、それは上記酸化物層の表面において生じ、サンプルAについての上記酸化物層の表面における銅の最大濃度の7分の1であった。従って、サンプルBからの銅汚染のリスクは、サンプルAからの銅汚染のリスクよりもはるかに小さい。サンプルBにおける上記酸化物層のマグネシウム濃度225は、線226によって示されるように、約4ミクロンの深さにおいて約42500ppm(約4.25%)の最大値を有し、深さが増加するにつれて、上記酸化物層と上記バルク材料との間の界面において約22000ppm(約2.2%)に到達するまで低下した。サンプルBの酸化物層は、励起ハロゲン化物含有ガスまたはハロゲン化物含有プラズマに曝される場合に、保護用ハロゲン化マグネシウムを形成するための十分に高いマグネシウム濃度の範囲を有した。
【0049】
いくつかの状況において、十分に低い銅濃度および十分に高いマグネシウム濃度を有する酸化物層を生成するアルミニウムの組成は、上記物体のための上記バルク材料として使用することが望ましくないようにさせる特性または特質(例えば、高コスト、特定の機械的特性など)を有する。いくつかの実施形態において、バルク銅濃度よりも低い銅濃度を有する材料は、酸化前に低銅濃度の材料の層を形成するために上記物体上に堆積され、バルク銅濃度よりも著しく低い最大銅濃度を有するPEO酸化物層を生成する。例えば、図3は、物体上に保護層を形成するための別の方法300を描く。
【0050】
最初に、アルミニウムバルク材料およびバルク銅濃度を含む物体が提供される(工程310)。第二材料は、上記表面上に堆積され、ここで上記第二材料は、上記バルク銅濃度よりも低い第二の銅濃度を有する(工程314)。上記第二材料は、多様な手法において、および多様な公知の方法を用いて堆積され得る。例えば、上記第二材料は、熱蒸着法によって堆積され得る。他の方法の例としては、化学蒸着法、プラズマ蒸着法、プラズマスプレー、および削摩による移動が挙げられるが、これらに限定されない。上記第二材料は、実施形態がこの点に関して限定されないので、上記酸化物層の最終的な厚さよりも著しく厚い層、上記酸化物層の最終的な厚さとほぼ同じ厚さの層、または上記酸化物層の最終的な厚さよりも薄い層において堆積され得る。いくつかの実施形態において、上記物体の表面は、材料の第二層の堆積前に、洗浄され得るか、または他の方法で作製され得る(工程314)。
【0051】
上記材料の第二層の少なくとも一部分は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて酸化される(工程316)。いくつかの実施形態において、上記材料の第二層の一部分のみが酸化される。他の実施形態において、上記材料の第二層の厚さ全体が酸化される。さらに他の実施形態において、上記材料の第二層の厚さ全体が酸化され、その酸化は、下部のバルク材料の中へ広がる。上記第二材料の層における低減された銅濃度は、工程316におけるPEO中に上記酸化物層に組み込まれるために使用可能な銅の量を制限する。従って、上記方法は、低減された銅濃度を有する酸化物層を生成する。
【0052】
いくつかの実施形態において、上記第二材料は、バルクにおけるマグネシウム濃度よりも高いマグネシウム濃度を含み、工程316におけるPEO中に上記酸化物に組み込まれるために使用可能なマグネシウムの量を増加させる。他の実施形態において、上記第二層におけるマグネシウムの濃度は、マグネシウムを含む第三材料を堆積させることによって、または上記第二層の少なくとも一部分を酸化させる前に上記第二層(すなわち、低減された銅濃度を有する層)をマグネシウムでドーピングすることによって上昇する。上記酸化物層において存在する酸化マグネシウムは、上記酸化物層が後に励起ハロゲン化物含有ガスまたはハロゲン化物含有プラズマに曝される場合に、ハロゲン化マグネシウムの形成を可能にする。必要に応じて、方法300は、ハロゲン化マグネシウムを有する保護層を形成するために上記物体を励起ハロゲン化物含有ガスまたはハロゲン化物含有プラズマに曝す工程をさらに含み得る(工程318)。
【0053】
第二材料が上記物体上に堆積されるいくつかの実施形態において、バルク銅濃度は、比較的高い(例えば、約0.1%よりも大きい)ものであり得、そして/またはバルクマグネシウム濃度は、比較的低い(例えば、約1.5%未満)ものであり得る。従って、上記第二材料を酸化させるためにPEOプロセスを用いることの結果は、比較的高い銅濃度および比較的低いマグネシウム濃度を有するバルク材料上に比較的低い銅濃度および比較的低いマグネシウム濃度を有する酸化物層を提供する。
【0054】
他の実施形態において、上記バルク銅濃度は、比較的低い(例えば、約0.1%未満)ものであるが、依然として、上記第二材料の銅濃度よりも高いものである。同様に、上記バルクマグネシウム濃度は、比較的高い(例えば、約1.5%よりも大きい)ものであり得るが、依然として、上記第二材料の上記マグネシウム濃度よりも低いものであり得る。例えば、方法300の局面は、方法100に組み込まれ得る。手短に図1に戻ると、方法100は、PEOプロセスを用いて酸化物層を形成する前に、上記バルク銅濃度に対して、低減された銅濃度を有する第二材料の層を上記物体の表面上に堆積させる工程を必要に応じて含み得る(工程104)。
【0055】
他の実施形態において、銅濃度は、上記物体の表面が酸化される前に、上記物体の少なくとも表面部分において低減される。例えば、方法350において、バルク銅濃度およびバルクマグネシウム濃度を有する物体が提供される(図3Bの工程360)。上記物体は、上記バルク銅濃度よりも低い銅濃度を有する第二材料の層と接触させられ(工程365)、それは上記第二材料の層と上記物体のバルク材料との間の濃度勾配を作り出す。いくつかの実施形態において、上記第二材料の層は、上記物体の表面上に堆積されるかまたは形成され、それにより、上記物体を、堆積されるかまたは形成される第二材料の層と接触させる。他の実施形態において、上記第二材料の層は予め形成され、上記物体の表面と接触させられる。
【0056】
上記物体と上記第二材料の層が接触している間に、上記物体は、上記物体のバルク材料から上記第二材料の層へ銅を拡散させるために加熱される(工程370)。このことは、少なくとも上記第二層の近くの領域(すなわち、上記バルク材料の表面)において、上記バルク材料における銅の濃度を低減する。いくつかの実施形態において、上記バルク材料から上記第二材料の層へのマグネシウムの拡散は、生産時間の尺度においてマグネシウムの拡散を引き起こすには低過ぎる温度で加熱することによって、および/または生産時間の尺度においてマグネシウムの拡散を引き起こすには短すぎる時間の間加熱することによって避けられる。
【0057】
上記材料の第二層の少なくとも一部分は、次に、上記物体の表面から除去される(工程375)。いくつかの実施形態において、上記材料の第二層の厚さ全体は除去され得る。このことは、上記物体の表面近くで低下した銅濃度を有する上記バルク材料を有した上記物体を残す。上記物体の表面は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて酸化され(工程380)、アルミナおよび酸化マグネシウムを含む酸化物層を形成する。いくつかの実施形態において、上記物体の上記酸化物層は、後に、上記酸化物層上にハロゲン化マグネシウムを形成するために、励起ハロゲン含有ガスまたはハロゲン含有プラズマに曝され得る(工程385)。いくつかの実施形態において、上記第二材料の層は、上記第二材料の層のいくらかまたは全てを、上記物体の上記バルク材料から分離することによって(例えば、上記バルクに対して上記第二材料の層のいくらかまたは全てを物理的に除去することによって、上記バルクから離して上記第二材料の層のいくらかまたは全てを切断することによって、など)除去され得る。他の実施形態において、上記第二材料の層のいくらかまたは全ては、化学的におよび/または機械的に(例えば、研摩、エッチング、溶解などによって)除去され得る。
【0058】
他の実施形態は、PEOプロセスを用いて上記層が形成された後で、上記酸化物層における銅濃度を低減する。例えば、図4は、物体の表面を処理するための方法400を例示する。最初に、バルク領域および酸化物層を含む物体が提供される(工程410)。上記バルク領域は、アルミニウム、バルク銅濃度、およびバルクマグネシウム濃度を含む。上記酸化物層は、プラズマ電解酸化プロセスによって生成され、5000ppmよりも大きい最大銅濃度を有する。上記酸化物層はまた、マグネシウム濃度を有する。銅は、上記酸化物層における最大銅濃度が約5000ppmまたは約5000ppm未満であるまで上記酸化物層から抽出される(工程412)。いくつかの実施形態において、銅は、上記酸化物層における最大銅濃度が約4000ppmまたは約4000ppm未満であるまで上記酸化物層から抽出される。いくつかの実施形態において、上記銅は、銅を溶液中に溶解させる化学的プロセスまたは電気化学的プロセスを用いて抽出され得る。上記酸化物層から銅を抽出し得る化学物質の例としては、FeCl、硝酸、およびリン酸が挙げられるが、これらに限定されない。電気化学的プロセスにおいて、電界は、拡散および溶解プロセスを加速するために使用される。その溶解した銅は、上記銅を上記溶液から除去するために、別の表面上に堆積され得る。
【0059】
いくつかの実施形態において、最大銅濃度は、上記酸化物層において、拡散または電位勾配(電気移動と呼ばれる)によって付勢される拡散を用いて低減される。例えば、図5Aは、酸化物層において最大銅濃度を低減する物体の表面を処理するための方法500を例示する。アルミニウムを含むバルク領域およびバルク銅濃度を有し、PEOプロセスを用いて生成される酸化物層を有する物体が提供される(工程510)。上記酸化物層は、上記バルク銅濃度よりも大きい最大銅濃度を有する、深さの関数として変動する銅濃度を有する。上記酸化物層はまた、深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有する。エネルギーは、少なくとも上記酸化物層の最大銅濃度が約5000ppmまたは約5000ppm未満であるまで銅を拡散させるために、上記物体に付与される(工程520)。いくつかの実施形態において、エネルギーは、少なくとも上記酸化物層の最大銅濃度が約4000ppmまたは約4000ppm未満であるまで銅を拡散させるために、上記物体に付与される。
【0060】
エネルギーは、工程520において、多様な異なる方法および技術を用いて上記物体に付与され得る。例えば、銅を拡散させるために、上記物体にエネルギーを付与する工程は、図5Bに示されるように、上記酸化物層にわたって電位勾配を付与する工程(工程522)および/または拡散を高めるために上記物体の少なくとも一部分を加熱する工程(工程524)を含み得る。上記物体の少なくとも一部分を加熱する工程は、上記酸化物層における銅の拡散の速度を増す(高める)。電位勾配を付与する工程は、上記拡散を付勢し、上記酸化物層における銅の電気移動をもたらす。いくつかの実施形態において、上記電気移動は、上記酸化物層において最大銅濃度の大きさおよび/または最大銅濃度が位置する深さを変更し得る。いくつかの実施形態において、上記電気移動は、銅を上記酸化物層から上記バルク領域中へと追い出すために使用され得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、上記電位勾配は、アルミニウムの物体の陽極処理のために使用されるシステムにおいて確立され得る。電界を逆転する工程(すなわち、上記物体のバルクをカソードにする工程)は、上記酸化物層におけるCu+イオンを上記物体のバルクに向かって引きつける。上記酸化物層にわたって電位を付与する工程は、電気的接続のために、上記酸化物層の表面に隣接する電解質を上記物体の表面に提供する工程をさらに含み得る。異なるタイプの電解質が使用され得る。いくつかの実施形態において、上記電解質は、上記酸化物層の表面に接触する導電性のポリマーである。上記導電性のポリマーは、上記酸化物層の表面に付与され得る。逆転プロセスのために使用される上記電解質は、上記酸化物層の表面における逆転した電界に起因する還元反応を、最小にするか、または避けるために選択され得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、上記酸化物層にわたる上記電位勾配(例えば、電圧)は、約300Vと約1000Vとの間である。必要とされる上記電圧は、上記酸化物層の電気的特徴に少なくとも部分的に依存し得、上記電位は、上記酸化物層の破壊電圧に関して記載され得、ここで、上記酸化物層の破壊電圧は、上記酸化物層が作用しなくなる電圧である(すなわち、電圧はもはや上記層にわたって持続され得ない)。いくつかの実施形態において、上記酸化物層にわたる上記電圧は、上記酸化物層の破壊電圧の約30%と約80%との間である。
【0063】
上記物体が加熱される場合、上記酸化物層およびバルクにおける銅の拡散の速度は、増加する。付与される電位勾配により、上記酸化物層から上記バルクへ銅が拡散する速度は、上記酸化物層の温度および上記酸化物層にわたって付与される電位勾配の大きさの両方に依存する。概して、上記温度は一定のままであるが上記電位勾配が増加する場合、上記酸化物層から上記バルクへの銅拡散の速度は増加する。概して、上記電位勾配は一定のままであるが温度が増加する場合、上記酸化物層から上記バルクへの銅の拡散の速度は増加する。上記電位勾配および上記温度の両方が増加する場合、上記酸化物層から上記バルクへの銅拡散の速度はなおいっそう増加する。いくつかの実施形態について、上記電位が付与される間に、約50℃と約350℃との間の温度まで上記物体は加熱される。所望される温度は、上記酸化物層の電気的特徴および付与される電位勾配の大きさに伴って変動し得る。
【0064】
別の例として、銅を拡散させるために上記物体にエネルギーを付与する工程は、物体の少なくとも一部分を所望される温度範囲における温度まで加熱する工程(工程526)および上記物体の少なくとも一部分を少なくとも上記酸化物層の最大銅濃度が約5000ppmまたは約5000ppm未満であるまで所望される温度範囲に維持する工程(工程528)を含み得る。いくつかの実施形態において、上記物体の少なくとも一部分は、少なくとも上記酸化物層の銅濃度が約4000ppmまたは約4000ppm未満であるまで所望される温度範囲に維持される。上記所望される温度範囲は、生産時間の尺度において銅の拡散を可能にする最低温度と生産時間の尺度においてマグネシウムの著しい拡散を可能にしない最大温度との間にある。従って、上記所望される温度範囲にある温度は、上記酸化物層における銅拡散が生じる温度であるが、上記酸化物層におけるマグネシウム拡散は、生産時間の尺度において実質的に生じない。1つの実施形態において、上記所望される温度範囲は、約150℃と350℃との間であり得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、上記酸化物層における最大銅濃度は、上記酸化物層の一部分を除去することによって低下する。上記最大銅濃度は、通常、上記酸化物層の表面において、または上記酸化物層の表面近くで生じるので、上記酸化物層の外側部分を除去する工程は、上記層における最大銅濃度を著しく低下させ得る。あいにく、最高マグネシウム濃度は、通常、上記酸化物層において最大銅濃度よりもわずかに深いところで生じる。上記酸化物層のより大きな部分を除去する工程は、上記最大銅濃度をさらに低減し得るが、より大きな部分を除去する工程は、上記酸化物層の厚さが低減されること、および上記酸化物層における最大マグネシウム濃度が低減され得ることの両方に起因して、上記酸化物層の腐耐腐食性/耐侵食性をさらに低減する。図6は、半導体加工システムにおいて使用するための、アルミニウム、銅、およびマグネシウムを含む物体の表面を処理するための方法600を描く。工程610において、バルク銅濃度およびバルクマグネシウム濃度を有するバルク領域、ならびにプラズマ電解酸化によって生成される酸化物層を含む物体が提供される。上記酸化物層は、深さの関数として変動するマグネシウム濃度、および上記酸化物層の第一の深さにおいて約5000ppmよりも大きい最大銅濃度を有する、深さの関数として変動する銅濃度を有する。上記第一の深さを超えて第二の深さへ延びる上記酸化物層の一部分は、上記酸化物層から除去され(工程612)、ここで上記第二の深さにおける上記銅濃度は、約5000ppmまたは約5000ppm未満であり、上記第二の深さにおける上記マグネシウム濃度は、約4000ppmよりも大きい。いくつかの実施形態において、上記第二の深さにおける上記銅濃度は、約4000ppmまたは約4000ppm未満である。
【0066】
上記酸化物層の外側部分は、多様な異なる技術のうちのいずれかを用いて除去され得る。いくつかの実施形態において、上記酸化物層の上記部分は、機械的プロセスを用いて除去される。いくつかの実施形態において、上記酸化物層の上記部分は、化学的機械的プロセスを用いて除去される。いくつかの実施形態において、上記酸化物層の上記部分は、電気化学的機械的プロセスを用いて除去される。いくつかの実施形態において、上記酸化物層の上記部分は、化学的エッチングを用いて除去される。
【0067】
上記酸化物層における、深さの関数としての銅の濃度、および深さの関数としてのマグネシウムの濃度は、上記酸化物層の厚さの合計に基づいて変動し得る。例えば、図7Aは、Al 6061合金の材料上にPEOプロセスを用いて生成される約45ミクロンの厚さの酸化物層を含むサンプルCについて、深さの関数としての銅濃度702およびマグネシウム濃度704のグラフ700を示す。示されるように、上記銅濃度は、上記酸化物層の表面において最大703であり、上記マグネシウム濃度は、線706によって示されるように、約4ミクロンの深さにおいて最大705である。図7Bは、サンプルCを生成するために使用されたのとほぼ同じプロセスを用いてサンプルCと同じ合金の物体上に生成された約35ミクロンの厚さの酸化物層を含むサンプルDについて、深さの関数としての銅濃度722およびマグネシウム濃度724のグラフ720を示す。より薄い35ミクロンの厚さの酸化物層を有するサンプルDについて、最大銅濃度723は、サンプルCについての最大銅濃度のように上記酸化物層の表面において生じるが、最大マグネシウム濃度725は、サンプルCについての最大マグネシウム濃度と違って、線726によって示されるように約3ミクロンの深さにおいて生じ、より浅い深さにおいて生じた。手短に図2Aに戻ると、酸化物層が54ミクロンの厚さであるサンプルAについての上記グラフ200は、上記酸化物層の表面における最大銅濃度、および約8ミクロンの深さにおける最大マグネシウム濃度を示し、この最大マグネシウム濃度は、線726によって示されるように、サンプルCのより薄い酸化物に対する最大マグネシウム濃度の深さよりも深い。
【0068】
依然としてマグネシウムに富んだ低減された銅濃度の酸化物層を提供するために、酸化物層がもともと約45ミクロンの厚さであるサンプルCについての1つの例において、点線(dashed and dotted line)707によって示されるように、1ミクロンの酸化物材料を除去する工程は、ピーク銅濃度を5000ppmより下まで低減する。サンプルCについての別の例において、約5ミクロンの酸化物は、点線708によって示されるように除去され、上記酸化物層における上記ピーク銅濃度を3000ppmより下まで低減する。酸化物層がもともと約35ミクロンの厚さであるサンプルDについてのさらなる例において、約2ミクロン〜約10ミクロンの上記酸化物層は、点線727によって示されるように除去される。酸化物層がもともと約54ミクロンの厚さであるサンプルAについてのさらにさらなる例において、約1ミクロン〜約6ミクロンの上記酸化物層は、点線によって示されるように除去される。
【0069】
上に記載される実施形態は、物体の表面上に酸化物層を作製する方法、および物体を処理する方法にほぼ関していた。さらなる実施形態は、本発明の他の局面に従って、保護コーティングを有するプラズマチャンバー壁を有するプラズマチャンバー、および保護コーティングを有するチャンバー壁を有する半導体プロセスチャンバーを含む。例えば、図8Aは、例示的なプラズマチャンバーを含む、ガスを励起させるための反応性ガス発生器システム800の部分的な概略的描出である。上記反応性ガス発生器システム800は、ガス線816を介して上記プラズマチャンバー808の入り口840へ接続されるプラズマガス源812を含む。バルブ820は、上記プラズマガス源812から上記ガス線816を通って上記プラズマチャンバー808の入り口840へのプラズマガス(例えば、O、N、Ar、NF、F、H、およびHe)の流れを制御する。プラズマ発生器884は、上記プラズマチャンバー808内のプラズマ832の領域を発生させる。上記プラズマ832は、プラズマ励起ガス834を含み、その一部分は、上記チャンバー808から流れ出る。上記プラズマ励起ガス834は、上記プラズマガスを加熱し活性化させる上記プラズマ832の結果として生成される。上記プラズマ発生器884は、示されるように、部分的に上記プラズマチャンバー808の周りに位置し得る。
【0070】
上記反応性ガス発生器システム800はまた、上記プラズマチャンバー808において上記プラズマ832(励起ガス834を含む)を発生させるために、接続部828を介して上記プラズマ発生器884に電力を提供する電源824を含む。上記プラズマチャンバー808は、例えば、金属材料(例えば、アルミニウムまたは耐火金属)、誘電材料(例えば、クォーツまたはサファイア)、またはコーティングされた金属(例えば、陽極処理アルミニウム)から形成され得るか、または作られ得る。1つの実施形態において、上記プラズマチャンバーは、バルク銅濃度およびバルクマグネシウム濃度を有するバルク材料(例えば、アルミニウム合金)、ならびにプラズマ電解酸化プロセスを用いて生成される酸化物層を含むプラズマチャンバー壁を有する。上記酸化物層は、約5000ppmまたは約5000ppm未満である最大銅濃度を有する、深さの関数として変動する銅濃度、および約4000ppm超である最小マグネシウム濃度を有する、深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有する。いくつかの実施形態において、上記最大銅濃度は、約4000ppmまたは約4000ppm未満である。いくつかの実施形態において、上記酸化物層におけるマグネシウムは、ハロゲン化物含有プラズマまたは励起ハロゲン化物含有ガスを発生させるために、上記プラズマチャンバーの使用中にハロゲン化マグネシウムに変換される。
【0071】
上記プラズマチャンバー808は、通路868を介して半導体プロセスチャンバー856のインプット部876に接続される出口872を有する。励起ガス834は、通路868を通って上記プロセスチャンバー856の上記インプット部876へ流れる。上記プロセスチャンバー856に配置されるサンプル保持器860は、上記励起ガス834によって加工される材料を支持する。上記励起ガス834は、上記プロセスチャンバー856における上記サンプル保持器860上に位置する半導体ウェーハの加工を容易にし得る。
【0072】
さらに別の実施形態において、上記半導体プロセスチャンバー856は、基材および上記基材上に酸化物層を含む。上記基材は、バルク銅濃度を有するバルク材料(例えば、アルミニウム合金)を含む。上記酸化物層は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて生成され、約5000ppmまたは約5000ppm未満である最大銅濃度を有する、深さの関数として変動する銅濃度、および約4000ppm超である最小マグネシウム濃度を有する、深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有する。いくつかの実施形態において、上記最大銅濃度は、約4000ppmまたは約4000ppm未満である。いくつかの実施形態において、上記酸化物層における上記マグネシウムは、上記プロセスチャンバーをハロゲン化物含有プラズマまたは励起ハロゲン化物含有ガスに曝す工程を含む加工のために使用する間に、ハロゲン化マグネシウムに変換される。上に言及されるように、上記プロセスチャンバーは、励起ガスまたはプラズマを受け取るためのインプット部または入り口を有する。
【0073】
プラズマ源884は、例えば、DCプラズマ発生器、周波数(RF)プラズマ発生器、またはマイクロ波プラズマ発生器であり得る。上記プラズマ源884は、リモートプラズマ源であり得る。例として、上記プラズマ源884は、Wilmington,MAのMKS Instruments,Inc.によって製造されるASTRON(登録商標)リモートプラズマ源であり得る。
【0074】
1つの実施形態において、上記プラズマ源884は、環状プラズマ源であり、上記チャンバー808は、マグネシウムを含むアルミニウム合金から作製されるチャンバーである。他の実施形態において、代替のタイプのプラズマ源およびチャンバー材料が使用され得る。
【0075】
上記電源824は、例えば、RF電源またはマイクロ波電源であり得る。いくつかの実施形態において、上記プラズマチャンバー808は、上記プラズマチャンバー808において上記プラズマ832を点火する初期イオン化事象を提供する自由電荷を発生させるための手段を含む。上記初期イオン化事象は、上記プラズマチャンバー808に付与される短い高電圧パルスであり得る。上記パルスは、約500ボルト〜約10,000ボルトの電圧を有し得、約0.1マイクロセカンド〜約100ミリセカンドの長さであり得る。希ガス(例えば、アルゴン)は、上記プラズマ832を点火するために必要とされる電圧を低減するために、上記プラズマチャンバー808に差し込まれ得る。紫外線放射はまた、上記プラズマチャンバー808において上記プラズマ832を点火する上記初期イオン化事象を提供する自由電荷を、上記プラズマチャンバー808において発生させるために使用され得る。
【0076】
上記反応性ガス発生器システム800は、本明細書中で(例えば、図1Bの工程114に関して)前に記載されるように使用するための、ハロゲンを含むガスを励起するために使用され得る。アルミニウム、マグネシウム、および銅を含む物体は、上記物体の少なくとも1つの表面を酸化させるためにプラズマ電解酸化プロセス(例えば、図1Bの工程116)を用いて加工され、酸化された層を形成し得る。さらに、銅濃度を低減するための上に記載された方法、技術、またはプロセスのうちの1つ以上は、上記酸化された層の形成または加工において用いられる。
【0077】
1つの実施形態において、その酸化された物体は、上記プラズマチャンバー808において取り付けられ、上記プラズマ832に曝された。1つの実施形態において、Wilmington,MAのMKS Instruments,Inc.によって製造されるASTRON(登録商標)exリモートプラズマ源は、上記プラズマ源884として使用された。上記酸化された物体は、表面上にフッ化マグネシウムを生成するために上記プラズマ源によって発生したNFプラズマに曝された。上記NFの流量は、3slmであり、チャンバーの圧力は、2.9トルであった。上記プラズマに提供された上記電力は、約6.5kWであった。
【0078】
別の実施形態において、上記反応性ガス発生器システム800は、本明細書中で(例えば、図1Bの工程114に関して)前に記載されるように使用するための、ハロゲンを含むガスを励起するために使用される。いくつかの実施形態において、上記プラズマチャンバー808は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて加工された物体である(例えば、図1Aの工程102)。この実施形態において、上記プラズマチャンバー808は、マグネシウムおよび銅を含むアルミニウム合金から構築される。プラズマ電解酸化プロセスは、上記プラズマチャンバー808の内表面上に酸化物層を作り出すために使用される。上記酸化物層の形成、またはその後の加工の間に銅濃度を低減するための種々の開示された方法、技術、またはプロセスのうちの1つが用いられる。いくつかの実施形態において、上記プラズマチャンバーの表面が酸化された後、上記プラズマチャンバー808は次に、ハロゲン化マグネシウムを有する保護コーティングを生成するためのさらなる加工のために上記反応性ガス発生器システム800において取り付けられる。
【0079】
例えば、上記プラズマチャンバーは、次いで、図1Bに描かれる方法110の物体であり得る。上記プラズマガス源812は、上記プラズマガスとしてNFを上記プラズマチャンバー808に提供する。プラズマ832は、NFを用いて発生する。上記プラズマ832は、上記チャンバー808において上記励起プラズマガス834を発生させる。上記プラズマチャンバー808の酸化された内表面は、従って、上記フッ素含有プラズマ832および励起ガス834(フッ素を含む)に曝される。上記プラズマチャンバー808の上記酸化された表面は、図2Bに関して上に記載されたのと同様に、上記プラズマ832および励起ガス834に曝される。上記プラズマチャンバー808の壁における酸化物層における酸化マグネシウムは、上記酸化物層においてフッ素と反応してフッ化マグネシウム(MgF)を形成する。
【0080】
上記反応性ガス発生器システム800は、プラズマ832を作り出すためにハロゲンを含むガスを励起することによって使用され得る。ガス通路868および/またはプロセスチャンバー856の内表面は、プラズマ電解酸化プロセスを用いて加工された物体である(例えば、図2Bの工程116)。この実施形態において、上記ガス通路868および/またはプロセスチャンバー856は、マグネシウムおよび銅を含むアルミニウム合金から構築される。プラズマ電解酸化プロセスは、通路868またはプロセスチャンバー856の内表面上に酸化物層を作り出すために使用される。上記酸化物層の形成、またはその後の加工の間に銅濃度を低減するための種々の方法、技術、またはプロセスのうちの1つが用いられる。上記プラズマチャンバー808は、上記反応性ガス発生器システム800において取り付けられる。上記プラズマガス源812は、NF(上記プラズマガスとして)を上記プラズマチャンバー808に提供する。プラズマ832は、NFを用いて発生する。上記プラズマ832は、後に通路868およびプロセスチャンバー856を通って流れる上記励起プラズマガス834を発生させる。上記通路868およびプロセスチャンバー856の酸化された内表面は、従って、上記励起ガス834(フッ素を含む)に曝される。上記通路868およびプロセスチャンバー856の壁における酸化物層における酸化マグネシウムは、フッ素と反応してフッ化マグネシウム(MgF)を形成する。
【0081】
図8Bは、in−situプラズマシステム875の部分的な概略的描出である。プラズマガス825(例えば、ハロゲンを含むガス)は、インプット部866を介して上記プロセスチャンバーでもある上記プラズマチャンバー850に提供される。図8Bの実施形態において、上記プラズマチャンバーはまた、プロセスチャンバーである。他の実施形態は、上記プロセスチャンバーから遠く離れたプラズマ反応器を含み得る。
【0082】
1つの実施形態において、上記プロセスチャンバー850は、マグネシウムおよび銅を含むアルミニウム合金から構築される。プラズマ電解酸化プロセスは、プロセスチャンバー850の内表面上に上記酸化物層を作り出すために使用される。上記酸化物層の形成、またはその後の加工の間に銅濃度を低減するための種々の方法、技術、またはプロセスのうちの1つが用いられる。上記酸化物層は、約5000ppmまたは約5000ppm未満である最大銅濃度を有する、深さの関数として変動する銅濃度、および約4000ppm超である最小マグネシウム濃度を有する、深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有する。いくつかの実施形態において、上記最大銅濃度は、約4000ppmまたは約4000ppm未満である。
【0083】
いくつかの実施形態において、上記プロセスチャンバー850自体が、上記物体であり得る。プラズマ880は、上記チャンバー850の内部でプラズマ反応器894によって発生する。上記プロセスチャンバー850の表面は、低いまたは低減されたピーク銅濃度、および高いまたは維持されたマグネシウム濃度を有するPEO層を有する。プラズマ880は、上記チャンバー850の内部でプラズマ反応器894によって発生する。上記チャンバー850の酸化された表面は、上に記載されるようにハロゲン含有プラズマ880および励起ガス890に曝され、ハロゲン化マグネシウムを含む保護コーティングを形成する。
【0084】
いくつかの実施形態において、上記プロセスチャンバーは、上記物体であるサンプルの加工のために使用される。上記プロセスチャンバー850において配置されるサンプル保持器862は、上記プラズマ880および励起ガス890によって加工される材料を支持する。1つの実施形態において、PEO酸化物表面を有する上記物体は、サンプル保持器862上に置かれ、上記プラズマ880および/または励起ガス890に曝される。図8Bに描かれる実施形態において、プラズマ880は、上記チャンバー850内部でプラズマ反応器894によって発生する。上記物体は、マグネシウムおよび銅を含むアルミニウム合金から構築される。プラズマ電解酸化プロセスは、上記物体上に上記酸化物層を作り出すために使用される。上記酸化物層の形成、またはその後の加工の間に銅濃度を低減するための種々の方法、技術、またはプロセスのうちの1つが用いられる。上記酸化物層は、約5000ppmまたは約5000ppm未満である最大銅濃度を有する、深さの関数として変動する銅濃度、および約4000ppm超である最小マグネシウム濃度を有する、深さの関数として変動するマグネシウム濃度を有する。上記プラズマおよび/または励起ガスに曝すことにより、上記物体の表面上の上記酸化物層における酸化マグネシウムをプラズマおよび/またはガスにおけるフッ素と反応させて、フッ化マグネシウムを形成する。
【0085】
本明細書中に記載されたもののバリエーション、改変、および他の実行は、特許請求されるような本発明の趣旨および範囲から外れることなく、当業者に見出される。従って、本発明は、前述の例示的な記載によってではなく、代わりに以下の特許請求の範囲の趣旨および範囲によって画定されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図8A
図8B