(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5739045
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】乗客コンベア
(51)【国際特許分類】
B66B 25/00 20060101AFI20150604BHJP
B66B 31/00 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
B66B25/00 F
B66B31/00 B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-130515(P2014-130515)
(22)【出願日】2014年6月25日
【審査請求日】2014年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100124707
【弁理士】
【氏名又は名称】夫 世進
(74)【代理人】
【識別番号】100059225
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 璋子
(72)【発明者】
【氏名】阿部 敬仁
【審査官】
葛原 怜士郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−285273(JP,A)
【文献】
実開昭60−6778(JP,U)
【文献】
特開2005−29309(JP,A)
【文献】
特開2010−6553(JP,A)
【文献】
実開平6−16373(JP,U)
【文献】
特開平11−21061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 25/00
B66B 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上昇又は下降する複数の踏段と、
複数の前記踏段が連結された踏段チェーンと、
前記踏段チェーンを回転させる駆動スプロケットと、
前記踏段が上昇方向又は下降方向に移動するように、前記駆動スプロケットを回転させるモータと、
交流電源からの電圧を用いて前記モータに駆動電流を出力して、前記モータのトルクをインバータ制御するインバータ装置と、
前記モータの回転軸を停止させる電磁ブレーキと、
前記回転軸の回転方向を検出する軸センサと、
前記電磁ブレーキを動作させて前記モータが停止した後に、前記軸センサが前記回転軸の下降方向への回転を検出した場合に、前記電磁ブレーキを動作させたまま前記インバータ装置を用いて前記回転軸の上昇方向への回転のためのトルクが出るように前記モータのインバータ制御を開始して、前記回転軸の下降方向への回転が停止するまで前記トルクを上昇させる制御部と、
を有する乗客コンベア。
【請求項2】
前記制御部は、
前記回転軸の停止後に前記軸センサが前記回転軸の回転を検出しない場合には、前記トルクを維持し、
前記回転軸の停止後に前記軸センサが前記回転軸の上昇方向への回転を検出した場合には、前記トルクを減少させ、
前記回転軸の停止後に前記軸センサが前記回転軸の下降方向への回転を検出した場合には、前記トルクを増加させる、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記制御部は、前記トルクが予め定めた下限値より減少した場合には、前記電磁ブレーキのみによって前記回転軸の回転を停止させる、
請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記制御部は、前記トルクが予め定めた上限値を超えた場合には、前記駆動スプロケットの回転を阻止する阻止装置を動作させる、
請求項2に記載の乗客コンベア。
【請求項5】
前記制御部は、前記阻止装置が動作したときは、警報を外部に報知し、かつ、前記モータの再起動を不能にする、
請求項4に記載の乗客コンベア。
【請求項6】
前記阻止装置が、ラチェット装置である、
請求項4に記載の乗客コンベア。
【請求項7】
前記制御部は、前記回転軸の停止後に点検信号を外部に報知する、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項8】
前記制御部は、前記踏段上の乗客に移動を促す報知を行う、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項9】
前記軸センサが、前記回転軸に設けられたパルスジェネレーターである、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項10】
前記乗客コンベアが、エスカレータ、又は、動く歩道である、
請求項1に記載の乗客コンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗客コンベアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアの制動システムは、踏段を移動させるモータの回転軸に電磁ブレーキを取り付け、この電磁ブレーキによって乗客コンベアを停止させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−106793号公報
【特許文献2】特開2002−211866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、混雑時などで乗客コンベアに沢山の人が乗っている状態で、乗客コンベアが停止した場合には、踏段上の負荷が想定した負荷を超えてしまう場合が考えられる。このとき大きすぎる負荷によって電磁ブレーキのみの保持能力では停止状態を保持できなくなり、踏段が下降し始めるという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明の実施形態は上記問題点に鑑み、電磁ブレーキで乗客コンベアが停止した場合に大きな負荷が掛かっても、確実に踏段を停止できる乗客コンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、上昇又は下降する複数の踏段と、複数の前記踏段が連結された踏段チェーンと、前記踏段チェーンを回転させる駆動スプロケットと、前記踏段が上昇方向又は下降方向に移動するように、前記駆動スプロケットを回転させるモータと、交流電源からの電圧を用いて前記モータに駆動電流を出力して、前記モータのトルクをインバータ制御するインバータ装置と、前記モータの回転軸を停止させる電磁ブレーキと、前記回転軸の回転方向を検出する軸センサと、前記電磁ブレーキを動作させて前記モータが停止した後に、前記軸センサが前記回転軸の下降方向への回転を検出した場合に、前記電磁ブレーキを動作させたまま前記インバータ装置を用いて前記回転軸の上昇方向への回転のためのトルクが出るように前記モータのインバータ制御を開始して、前記回転軸の下降方向への回転が停止するまで前記トルクを上昇させる制御部と、を有する乗客コンベアである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】エスカレータの停止時の制御方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態の乗客コンベアについて図面に基づいて説明する。本実施形態では、エスカレータ10に関して
図1〜
図4に基づいて説明する。
【0009】
(1)エスカレータ10
エスカレータ10の構造について、
図1に基づいて説明する。
図1はエスカレータ10を側面から見た説明図である。
【0010】
エスカレータ10のトラス12が、建屋1の上階と下階に跨がって支持アングル2,3を用いて支持されている。
【0011】
トラス12の上端部にある上階側の機械室14内部には、駆動装置18が設けられている。この駆動装置18は、誘導電動機(インダクションモータ)よりなるモータ20と、このモータ20により動作する駆動チェーン22を有し、この駆動チェーン22により駆動スプロケット24が回転する。モータ20の回転軸には、電磁ブレーキ(MB)21が設けられている。また、上階側の機械室14内部には、制御装置50が設けられている。駆動スプロケット24の下部には、ラチェット装置23が設けられている。
【0012】
電磁ブレーキ21は、モータ20の回転軸に取り付けられており、ブレーキコイルへの給電を遮断することで、バネ力によりブレーキドラム又はブレーキディスクにブレーキライニングを押し当てて制動力を与え、踏段30を所定の停止距離内で停止させる役割と、踏段30の停止後に踏段30が下降しないように回転軸の回転を保持する。この電磁ブレーキ21の制動トルクの設定は、慣性との兼ね合いによって所定の停止距離内で停止できる能力と、エスカレータ10の停止後に踏段30に乗客がのっている状態でも踏段30が下降しない保持能力によって設定され、エスカレータ10で想定される最大乗客負荷にある程度の余裕を持たせた数値で設定されている。また、電磁ブレーキ21のブレーキシュー又はブレーキパッドは、使用回数が増えると摩耗するので、正常な制動トルクを長期的に維持するために定期的にメンテナンスが行われ、ブレーキシューやブレーキパッドの交換を行う。
【0013】
ラチェット装置60は、非常停止時に制御部60が爪を移動させて、駆動スプロケット24と同軸に設けられた歯車に係合し、駆動スプロケット24の回転を緊急停止させる。
【0014】
モータ20の回転軸には、
図1では不図示であるが
図2に示すように回転軸の回転数や回転方向を検出するための軸センサ19が設けられている。この軸センサ19としては、例えばパルスジェネレータである。
【0015】
トラス12の下端部にある下階側の機械室16内部には、従動スプロケット26が設けられ、駆動スプロケット24と従動スプロケット26との間に左右一対の無端の踏段チェーン28,28が掛け渡され、左右一対の踏段チェーン28,28には複数の踏段30が等間隔で取り付けられ、踏段30の車輪30aが不図示の案内レールを走行し、後輪30bが案内レール25を走行する。
【0016】
トラス12の左右両側には、左右一対の欄干36,36が立設されている。この欄干36の上部を手摺りベルト38が移動する。欄干36の上階側の正面下部を覆う正面スカートガード40が設けられ、下階側の正面下部には、下階側の正面スカートガード42が設けられ、正面スカートガード40,42の正面から、手摺りベルト38の出入口であるインレット部46,48が突出している。欄干36の側面下部には、スカートガード44が設けられている。正面スカートガード40,42又はスカートガード44の内側面には操作盤52,56、スピーカ54,58がそれぞれ上下階に設けられている。
【0017】
上階側の機械室14の天井面の乗降口には上階側の乗降板32が設けられ、下階側の機械室16の天井面の乗降口には下階側の乗降板34が設けられている。
【0018】
(2)エスカレータ10の電気的構成
次に、エスカレータ10の電気的構成について
図2の電気回路に基づいて説明する。
【0019】
図2に示すように、制御装置50に設けられた制御部60には、インバータ装置6、電磁ブレーキ21、軸センサ19、スピーカ54,58、ラチェット装置23及び安全装置62が接続されている。
【0020】
インバータ装置6は、遮断器5を介して三相交流電源4によって駆動し、制御部60からの制御信号によってモータ20の回転数、回転方向、トルクをインバータ制御する。
【0021】
電磁ブレーキ21は、制御部60によってブレーキコイルへの給電が制御され、モータ20を回転、又は、停止させる。
【0022】
軸センサ19は、モータ20の回転軸の回転数や回転方向の情報を制御部60に出力する。
【0023】
ラチェット装置23は、上記したように駆動スプロケット24の下降方向への回転を防止できるものであり、制御部60によって動作する。
【0024】
安全装置62としては、スカートガード44に設けられたスカートガード挟まれ検出装置、インレット部46,48に設けられたインレット挟まれ検出装置、案内レール25に設けられた踏段浮き上がり検出装置、非常停止ボタンなどである。
【0025】
(3)停止時の制御方法
次に、エスカレータ10の運転が停止するときの制御方法について
図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
ステップ1において、安全装置62が動作してエスカレータ10を停止させるとき、制御部60は、電磁ブレーキ21を動作させてモータ20の回転軸の回転を保持して停止させ、踏段30の下降方向への移動も防止する。そしてステップ2に進む。
【0027】
ステップ2において、制御部60は、軸センサ19からの回転方向の信号を常に監視し、軸センサ19が回転軸の下降方向への回転を検出した場合には、ステップ3に進み(YESの場合)、下降方向への回転を検出しない場合にはステップ1に戻り(NOの場合)、電磁ブレーキ21のみによってモータ20の回転を停止続ける。
【0028】
ステップ3において、制御部60は、回転軸の下降方向への回転を検出したため、踏段30上に想定以上の負荷が掛かっているか、又は、電磁ブレーキ21の制動トルクが正常でないと判断し、エスカレータ10の外部にある監視センターへ点検信号を出力し、また、乗客に対して踏段30上から移動するようにスピーカ54,58から音声放送を行う。そしてステップ4に進む。
【0029】
ステップ4において、制御部60は、インバータ装置6を用いてモータ20の回転軸が上昇方向へ回転するようなトルクの出力を開始し、そして、そのトルクを徐々に上昇させる。そしてステップ5に進む。
【0030】
ステップ5において、制御部60は、軸センサ19を用いて回転軸の回転方向の監視を続けると共に、インバータ装置6によって回転軸が停止するまでトルクを徐々に上昇させ、回転軸の回転が停止したことを検出すると、ステップ6に進み(YESの場合)、停止を検出できない場合にはステップ7に進む(NOの場合)。
【0031】
ステップ6において、制御部60は、回転軸が停止した状態のトルクの出力をインバータ装置6で制御して保持し、ステップ7に進む。
【0032】
ステップ7において、制御部60は、引き続き軸センサ19の回転方向の監視を続ける。このときに、踏段30上に乗客がさら乗り込み負荷が増加した場合には回転軸が下降方向に回転する。一方、逆に乗客が降りると負荷が減少した場合には回転軸が上昇方向に回転する。そのため、制御部60は、回転軸が下降方向に回転した場合にはステップ8に進み(YESの場合)、停止又は上昇方向に回転した場合にはステップ10に進む(NOの場合)。
【0033】
ステップ8において、回転軸が再び下降方向に回転しているため、制御部60はインバータ装置6を制御してモータ20のトルクを徐々に上昇させ、ステップ9に進む。
【0034】
ステップ9において、制御部60は、インバータ装置6のインバータ制御によるモータ20のトルクが上限値に到達しているか否かを判断し、到達していなければステップ5からステップ9の制御を繰り返し(NOの場合)、上限値に到達していればステップ14に進み(YESの場合)。
【0035】
ステップ10において、上記したように回転軸が停止又は上昇方向に回転しているため、制御部60は回転軸が上昇方向に回転していればステップ11に進み(YESの場合)、停止していればステップ5に戻る(NOの場合)。
【0036】
ステップ11において、制御部60は、回転軸が上昇方向に回転しているため、インバータ装置6を用いてモータ20のトルクを徐々に減少させ、ステップ12に進む。
【0037】
ステップ12において、制御部60は、モータ20のトルクが下限値に到達したか否かを判断し到達していなければステップ5に戻り(NOの場合)、到達していればステップ13に進む(YESの場合)。
【0038】
ステップ13において、モータのトルクが下限値に到達したため、電磁ブレーキ21の制動トルクを補うトルクが不要な状態まで負荷が低下したと制御部60が判断し、インバータ装置6のインバータ制御を中止しステップ1に戻る。
【0039】
ステップ14において、制御部60は、トルクが上限値に到達しているので、インバータ装置6によるインバータ制御によっても電磁ブレーキ21の制動トルクを補うことができないと判断し、ラチェット装置23を動作させて、駆動スプロケット24の回転を機械的に停止させ、ステップ15に進む。
【0040】
ステップ15において、制御部60は、インバータ装置6によるインバータ制御を停止し、ステップ16に進む。
【0041】
ステップ16において、制御部60は監視センターなどへ異常警報信号を発信し、ステップ17に進む。
【0042】
ステップ17において、制御部60はモータ20が再起動不能となるように制御し終了する。
【0043】
なお、制御部60が行うモータのトルクが上限値又は下限値に到達したか否かの判断は、インバータ装置6からモータ20に出力される三相の駆動電流を制御部60が常に検出し、この駆動電流の値に基づいてトルクの値を判断する。
【0044】
(4)効果
本実施形態によれば、エスカレータ10の停止時に踏段30上に想定以上の乗客(負荷)が乗っている場合、又は、電磁ブレーキ21の制動トルクが正常でない場合に、踏段30が下降し、軸センサ19がその下降を検出すると、制御部60は、インバータ装置6からの出力によりモータ20にトルクを発生させて、電磁ブレーキ21の制動トルクを補い、踏段30の下降を防止できる。
【0045】
また、制御部60は、外部へ点検信号を発信することで、保守員が後の点検時に電磁ブレーキ21の制動トルクの確認、調整を行うことができる。このため、エスカレータ10の安全性が保持され、また、その作業が急を要することがないので長時間停止といったリスクも軽減できる。
【0046】
また、制御部60は、踏段30の停止後に音声により乗客の移動を促すことで踏段30上の負荷を早く減少させ、電磁ブレーキ21のみで踏段30を保持できる状態に早く復帰でき、より安全な状態を保持できる。
【0047】
また、踏段30上の負荷に変動があった場合でも、制御部60が常に回転軸の挙動を監視し、それに併せてインバータ装置6からの出力を上昇又は減少させることで、踏段30上の負荷に合った最適な保持トルクを得ることができる。
【0048】
また、制御部60は、電磁ブレーキ21を動作させた状態でモータ20のトルクを発生させているため、踏段30の停止後に乗客の負荷変動が起こったとしても回転軸には常に電磁ブレーキ21の制動トルクがかかり、回転軸のおいては極端な負荷変動とはならず、トルクを調整する制御のときに踏段30の動きを最小限に留めることができる。
【0049】
また、インバータ装置6からの出力に上限値を設けることで、仮に制動トルクを補うモータ20のトルクが限界点に到達しても、ラチェット装置23を動作させることで確実に停止を維持でき安全である。
【0050】
また、混雑時の使用状況の下や、メンテナンス時の調整ミス、確認漏れなどが起こった場合でも、エスカレータ10は安全な状態を保ったまま停止させることができる。このとき、エスカレータ10は、制動トルクを補うモータ20のトルクが限界点に到達するまでは、再起動不能になることがないので、運転を再度行うことも可能となり、乗客の輸送と安全性を両立できる。
【0051】
(5)変更例
上記各実施形態では、エスカレータ10で説明したが、これに代えて動く歩道で実施してもよい。
【0052】
また、軸センサ19は、パルスジェネレータで実施したが、これ以外のセンサを用いてもよい。
【0053】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
6・・・インバータ装置、10・・・エスカレータ、19・・・軸センサ、20・・・モータ、21・・・ブレーキ、23・・・ラチェット装置、24・・・駆動スプロケット、30・・・踏段、60・・・制御部
【要約】
【課題】電磁ブレーキで乗客コンベアが停止した場合に大きな負荷が掛かっても、確実に踏段を停止できる乗客コンベアを提供する。
【解決手段】制御部60は、電磁ブレーキ21を動作させてモータ20が停止した後に、軸センサ19が回転軸の下降方向への回転を検出した場合に、電磁ブレーキ21を動作させたままインバータ装置6を用いて回転軸の上昇方向への回転のためのトルクが出るようにモータ20のインバータ制御を開始して、回転軸の下降方向への回転が停止するまでトルクを上昇させる。
【選択図】
図2