(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示装置にそれぞれの色を生成させるように構成された少なくとも3つの光源をさらに備え、前記光源のうち2つは前記複数の成分色のうち2つに対応し、前記光源のうち1つは前記合成色に対応する、請求項1に記載の表示装置。
前記第1の画素および前記第2の画素は前記表示装置の同一の場所に対応し、前記第1の画素は前記画像フレームに対応し、前記第2の画素は後続の画像フレームに対応する、請求項1に記載の表示装置。
輝度レベルに対して複数の組の画素状態を備えた第1のルックアップ・テーブルと第2のルックアップ・テーブルとを格納するように構成されたメモリをさらに備え、前記コントローラは、前記第1のルックアップ・テーブルを用いて前記第1の組の画素状態を導出し、前記第2のルックアップ・テーブルを用いて前記第2の組の画素状態を導出するように構成された、請求項1に記載の表示装置。
前記コントローラは、所与の寄与色の2つの最大の重みを有するサブフレームが前記寄与色に対応する小さい重みを有するサブフレームの間に表示されるサブフレーム・シーケンスに従って、前記画像フレームを表示するようにさらに構成された、請求項1に記載の表示装置。
前記コントローラは、第1のサブフレーム・シーケンスと第2のサブフレーム・シーケンスに従って画像フレームを表示するようにさらに構成され、前記コントローラは、前記第1のサブフレーム・シーケンスと前記第2のサブフレーム・シーケンスに従って連続的な画像フレームを交互に表示するように構成された、請求項1に記載の表示装置。
FSC(field sequential color)画像形成を用いて複数の寄与色に対応する複数の組のサブフレーム画像を表示することによって、画像フレームに対応するそれぞれの色を表示装置の複数の画素に生成させるように構成されたプロセッサであって、前記寄与色は複数の成分色および少なくとも1つの合成色を含み、前記合成色は、実質的に前記複数の成分色のうち少なくとも2つからなる組合せである色に対応するプロセッサを備え、
画像フレームを表示する際に、
前記表示装置は、第2の成分色に対応するサブフレーム画像の数と比較してより多くの数の、第1の成分色に対応するサブフレーム画像を表示し、
前記寄与色のうち少なくとも第1の寄与色に対して、前記表示装置は、第1の組の画素状態を生成することによって第1の画素に対して前記第1の寄与色の所与の輝度を出力し、前記第1の組の画素状態と異なる第2の組の画素状態を生成することによって第2の画素に対して前記第1の寄与色と同一の輝度を出力するように構成され、画素状態とは各サブフレーム画像内の画素の点灯状態に対応し、
前記プロセッサはさらに、各成分色の連続するサブフレーム画像から成る複数の別々のグループを出力する出力シーケンスに従って前記画像フレームを表示するように構成され、前記出力シーケンスは、少なくとも1つの他の成分色の連続するサブフレーム画像から成る少なくとも1つの別のグループを組み込んだ、各成分色の連続するサブフレーム画像から成る複数の別々のグループを出力し、前記出力シーケンスは、前記第2の成分色とは異なる数の、前記第1の成分色に対する連続するサブフレーム画像から成る別々のグループを用いて、1組のサブフレーム画像を出力し、前記各成分色の連続するサブフレーム画像からなる少なくとも1つのグループは複数のサブフレーム画像を含む、
コントローラ。
前記表示装置にそれぞれの色を生成するように構成された少なくとも4つの光源を制御するようにさらに構成され、前記光源のうち2つは前記複数の成分色のうち2つに対応し、前記光源のうち1つは前記合成色に対応する、請求項12に記載のコントローラ。
前記第1の画素および前記第2の画素は前記表示装置の同一の場所に対応し、前記第1の画素は前記画像フレームに対応し、前記第2の画素は後続の画像フレームに対応する、請求項12に記載のコントローラ。
輝度レベルに対して複数の組の画素状態を備えた第1のルックアップ・テーブルと第2のルックアップ・テーブルとを格納するように構成されたメモリをさらに備え、前記コントローラは、前記第1のルックアップ・テーブルを用いて前記第1の組の画素状態を導出し、前記第2のルックアップ・テーブルを用いて前記第2の組の画素状態を導出するように構成された、請求項12に記載のコントローラ。
前記コントローラは、寄与色に対するサブフレームの大部分に関連するそれぞれの重みより大きい関連する重みを有するサブフレームが前記寄与色の他のサブフレームの半分が表示された後に表示されるサブフレーム・シーケンスに従って前記画像フレームを表示するようにさらに構成された、請求項12に記載のコントローラ。
前記コントローラは、第1のサブフレーム・シーケンスと第2のサブフレーム・シーケンスに従って画像フレームを表示するようにさらに構成され、前記コントローラは、前記第1のサブフレーム・シーケンスと前記第2のサブフレーム・シーケンスに従って連続的な画像フレームを交互に表示するように構成された、請求項12に記載のコントローラ。
前記表示装置の少なくとも3つの光源を制御してそれぞれの色を生成するようにさらに構成され、前記光源のうち2つは前記複数の成分色のうち2つに対応し、前記光源のうち1つは前記合成色に対応する、請求項23に記載の方法。
前記第1の画素および前記第2の画素は前記表示装置の同一の場所に対応し、前記第1の画素は前記画像フレームに対応し、前記第2の画素は後続の画像フレームに対応する、請求項23に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、DFC、CBU、およびフリッカのような画像アーチファクトを削減するための画像形成技術に関する。動作においては、表示デバイスが1つまたは複数の画像形成技術に対応する様々なイメージング・モードを選択することができる。各イメージング・モードは、少なくとも1つのサブフレーム・シーケンスおよび少なくとも1つの対応する1組の重み付け機構に対応する。重み付け機構は、表示デバイスが表示できる輝度レベルの範囲を生成するために使用される、相違なるサブフレーム画像の重みと数に対応する。サブフレーム・シーケンスは、全ての色に対する全てのサブフレーム画像が表示デバイスまたは装置に出力される実際の順序を定義する。本明細書に記載の実装形態によれば、適切なサブフレーム・シーケンスを用いた画像の出力は、これは様々な画像形成技術に対応するが、これにより画像の品質を改善し画像アーチファクトを削減することができる。特に、例示的な技術では、寄与色の特定の輝度レベルを表す複数の異なる(または「縮退した」)画素状態の組合せを提供する非バイナリ重み付け機構を使用する。さらに、非バイナリ重み付け機構を使用して、色の同一の所与の輝度レベルに対する画素状態の組合せを空間的および/または時間的に変化させることができる。他の技術では、様々な寄与色に対して様々な数のサブフレームを、それらのビット深度を分割するかまたは変化させることによって利用する。幾つかの技術では、最大の重みを有するサブフレーム画像をサブフレーム・シーケンスの中央に向かって配置してもよい。他の幾つかの技術では、より大きい重みを有するサブフレーム画像を互いに近接して配置する。例えば、最大の重みを有するサブフレーム画像は、二番目に最大の重みを有するサブフレーム画像から僅か3つの他のサブフレーム画像を挟んで配置される。
【0013】
本明細書に記載した主題の具体的な実装形態を、下記の潜在的利点のうち1つまたは複数を実現するように実装することができる。上述のように、適切なサブフレーム・シーケンスを用いた画像の出力は、これは様々な画像形成技術に対応するが、これにより画像の品質を改善しDFC、CBUおよび/またはフリッカを含む画像アーチファクトの発生と重大度を削減することができる。さらに、幾つかの実装形態では、雑音エネルギのスペクトル分布を拡張することによって、雑音エネルギの知覚有意性を減らす。幾つかの実装形態の別の利点には、本明細書で開示する方法を実装するディスプレイが消費する電力量が削減されることが含まれる。
【0014】
本明細書で開示する表示装置は、人間の目が最も敏感である色、例えば緑に着目することによって画像におけるDFCの発生を軽減する。したがって、表示装置は、第2の色に対応するサブフレーム画像の数に対して、第1の色に対応するより多くの数のサブフレーム画像を表示する。さらに、表示装置は、複数の異なる(または「縮退した」)画像状態のシーケンスを用いて寄与色(赤、緑、青、または白)に対して特定の輝度値を出力することができる。縮退をもたらすことにより、表示装置は、画像劣化をもたらすことなく画像アーチファクトの認識を減らす特定の画素状態のシーケンスを選択することができる。より多くのサブフレーム画像を割り当て、人間の目がより敏感な色の表示においてより大きな縮退の可能性をもたらすことによって、DFCを削減する、画像に対する1組の画素状態を表示装置が選択する柔軟性がより高まる。
【0015】
図1Aは、直視型MEMSベースの表示装置100の概略図を示す。表示装置100は、行および列に配置された複数の光変調器102a〜102d(一般に「光変調器102」)を備える。表示装置100では、光変調器102aおよび102dは開状態であり、光が通過することができる。光変調器102bおよび102は閉状態であり、光の通過が妨げられている。光変調器102a〜102dの状態を選択的に設定することによって、1つまたは複数のランプ105により点灯する場合には、表示装置100を利用してバックライト付きディスプレイ向けの画像104を形成することができる。別の実装形態では、装置100は、当該装置の前面から生ずる周辺光の反射により画像を形成してもよい。別の実装形態では、装置100は、ディスプレイの前面に配置された1つまたは複数のランプからの光の反射により、即ち、フロントライトを使用することにより画像を形成してもよい。
【0016】
幾つかの実装形態では、各光変調器102は画像104内の画素106に対応する。他の幾つかの実施形態では、表示装置100は複数の光変調器を利用して画像104内の画素106を形成してもよい。例えば、表示装置100は3つの色固有の光変調器102を備えてもよい。特定の画素106に対応する色固有の光変調器102のうち1つまたは複数を選択的に開くことによって、表示装置100は画像104内に色画素106を生成することができる。別の例では、表示装置100は、画像104内の輝度レベルを提供するために画素106あたり2つ以上の光変調器102を備える。画像に関して、「画素」は、画像の解像度によって定義された最小の画像要素に対応する。表示装置100の構造的な構成要素に関して、「画素」という用語は、画像の1つの画素を形成する光を変調するのに利用される結合された機械的および電気的な構成要素を指す。
【0017】
表示装置100は、それが投影アプリケーションで一般に見出される結像光学系を含まなくともよい点で、直視型のディスプレイである。投影ディスプレイでは、表示装置の表面に形成された画像はスクリーンまたは壁に投影される。表示装置は投影された画像よりも非常に小さい。直視型ディスプレイでは、ユーザは、表示装置を直接見ることにより画像を参照する。当該表示装置は、光変調器を含み、場合によっては、ディスプレイの輝度および/またはコントラストを高めるためにバックライトまたはフロントライトを含む。
【0018】
直視型ディスプレイは、透過モードまたは反射モードの何れかで動作してもよい。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの背後に配置した1つまたは複数のランプから生ずる光をフィルタまたは選択的にブロックする。ランプからの光は、各画素を均一に点灯できるように、場合によっては導光または「バックライト」に投入される。透過型の直視型ディスプレイは、光変調器を含む1つの基板がバックライトの直上に配置されるサンドイッチ型の組立構成を容易にするために、しばしば透明なまたはガラスの基板に設けられる。
【0019】
各光変調器102はシャッタ108および開口部109を備えることができる。画像104内の画素106を点灯するために、シャッタ108は、光が開口部109を通って観察者に向かうことができるように配置されている。画素106が未点灯であることを保つために、光が開口部109を通るのを妨げるようにシャッタ108が配置されている。開口部109は、各光変調器102内の反射部材または光吸収部材によりパターン化された開口により定義される。
【0020】
表示装置は、シャッタの動作を制御するための、基板および光変調器に接続された制御マトリクスを備える。制御マトリクスは一連の電気相互接続(例えば相互接続110、112および114)を備える。当該電気相互接続は、画素の行ごとに少なくとも1つの書込み可能相互接続110(「走査線相互接続」とも呼ばれる)を含み、画素の列ごとに1つのデータ相互接続112を含み、全ての画素または少なくとも表示装置100内の複数の列および複数の行の両方からの画素に共通電圧を提供する1つの共通相互接続114を含む。適切な電圧(「書込み指示電圧、VWE」)の印加に応答して、所与の行の画素に対する書込み可能相互接続110が、新たなシャッタ移動命令を受け入れる当該行の中の画素を準備する。データ相互接続112は、データ電圧パルスの形で新たな移動命令を送信する。幾つかの実装形態では、データ相互接続112に印加されたデータ電圧パルスは、シャッタの静電移動に直接寄与する。他の幾つかの実施形態では、データ電圧パルスは、一般にデータ電圧より高い別々の駆動電圧を光変調器102に印加することを制御するトランジスタまたは他の非線形回路要素のようなスイッチを制御する。これらの駆動電圧が印加された結果、シャッタ108の移動が静電気的に駆動される。
【0021】
図1Bは、ホスト・デバイス(即ち、携帯電話、スマート・フォン、PDA、MP3プレイヤ、タブレット、電子書籍リーダ、等)のブロック
図120の例を示す。ホスト・デバイスは、表示装置128、ホスト・プロセッサ122、環境センサ124、ユーザ入力モジュール126、および電源を備える。
【0022】
表示装置128は、複数のスキャン・ドライバ130(「書込み指示電圧源」とも呼ばれる)、複数のデータ・ドライバ132(「データ電圧源」とも呼ばれる)、コントローラ134、共通ドライバ138、ランプ140〜146、およびランプ・ドライバ148を備える。スキャン・ドライバ130は書込み指示電圧を走査線相互接続110に印加する。データ・ドライバ132はデータ電圧をデータ相互接続112に印加する。
【0023】
表示装置の幾つかの実装形態では、データ・ドライバ132は、特に画像104の輝度レベルがアナログ形式で導出される場合に、アナログ・データ電圧を光変調器に提供するように構成される。アナログの動作では、光変調器102は、或る範囲の中間電圧がデータ相互接続112を介して印加されるとき、或る範囲の中間の開状態がシャッタ108に生じ、或る範囲の中間の照明状態または輝度レベルが画像104に生じるように設計されている。他のケースでは、データ・ドライバ132は、削減した1組の2個、3個、または4個のデジタル電圧レベルのみをデータ相互接続112に印加するように構成される。これらの電圧レベルは、シャッタ108の各々に開状態、閉状態、または他の離散状態をデジタル形式で設定するように設計される。
【0024】
スキャン・ドライバ130およびデータ・ドライバ132は、デジタル・コントローラ回路134(「コントローラ134」とも呼ばれる)に接続される。当該コントローラは、行および画像フレームによりグループ化された所定のシーケンスで編成された、最も直列的な形式でデータをデータ・ドライバ132に送信する。データ・ドライバ132は、直列並列データ・コンバータ、レベル・シフティング、およびアプリケーションによってはデジタル・アナログ電圧コンバータを備えてもよい。
【0025】
場合によっては、表示装置は、共通電圧源とも呼ばれる1組の共通ドライバ138を備える。幾つかの実装形態では、共通ドライバ138が、例えば電圧を一連の共通相互接続114に供給することによって、光変調器のアレイ内部の全ての光変調器にDC共通電位を提供する。他の幾つかの実装形態では、共通ドライバ138は、コントローラ134からのコマンドに続いて、電圧パルスまたは信号、例えば当該アレイの複数の行および列の中の全ての光変調器を同時に駆動および/または開始できるグローバル作動パルスを、光変調器のアレイに提供する。
【0026】
様々なディスプレイ機能に関するドライバ(例えばスキャン・ドライバ130、データ・ドライバ132、および共通ドライバ138)の全てがコントローラ134により時刻同期される。コントローラからのタイミング・コマンドにより、ランプ・ドライバ148を介した赤、緑、および青および白のランプ(それぞれ、140、142、144および146)の点灯、画素アレイ内部の特定の行の書込み指示およびシーケンシング、データ・ドライバ132からの電圧の出力、および光変調器の作動をもたらす電圧の出力を調節する。
【0027】
コントローラ134は、シャッタ108の各々を新たな画像104に適した照明レベルに再設定できるシーケンシングまたはアドレス指定の機構を決定する。新たな画像104を定期的な間隔で設定することができる。例えば、ビデオ・ディスプレイに対しては、色画像104またはビデオのフレームは10ヘルツから300ヘルツに跨る周波数でリフレッシュされる。幾つかの実装形態では、画像フレームが赤、緑、および青のような一連の交互の色で交互に点灯するように、画像フレームのアレイへの設定をランプ140、142、144および146の点灯と同期する。各色に対する画像フレームを色サブフレームと称する。この方法をフィールド・シーケンシャル・カラー方法と称するが、この方法では、色サブフレームが20Hzを超える周波数で入れ替わる場合には、人間の脳は入れ替わるフレーム画像を平均化して、広範囲かつ連続した範囲の色を有する画像と認識する。代替的な実装形態では、主要な色を有する4つ以上のランプを表示装置100で使用することができる。当該主要な色としては、赤、緑、および青以外が使用される。
【0028】
幾つかの実装形態では、表示装置100が開状態と閉状態の間でシャッタ108をデジタル的に切りかえるように設計される場合、コントローラ134は前述のように時分割グレー・スケールの方法により画像を形成する。他の幾つかの実施形態では、表示装置100は、画素ごとに複数のシャッタ108を使用することでグレー・スケールを提供することができる。
【0029】
幾つかの実装形態では、走査線とも呼ばれる個々の行の逐次的なアドレス指定により、画像状態104のデータをコントローラ134により変調器アレイにロードする。当該シーケンスにおける行または走査線ごとに、スキャン・ドライバ130が書込み可能電圧をそのアレイの行に対する書込み可能相互接続110に印加し、続いてデータ・ドライバ132が、選択された行の中の列ごとに所望のシャッタ状態に対応してデータ電圧を供給する。このプロセスは、アレイ内の全ての行に対してデータがロードされるまで繰り返される。幾つかの実装形態では、データをロードするための選択された行のシーケンスは線形であり、アレイ内で上から下に進む。他の幾つかの実装形態では、視覚的なアーチファクトを最小化するために、選択された行のシーケンスは疑似ランダム化される。他の実装形態では、当該シーケンシングはブロックで編成されており、あるブロックに対して、例えばアレイの5行ごとにだけ順番にアドレス指定することにより、画像状態104の特定の一部分に関するデータだけがアレイにロードされる。
【0030】
幾つかの実装形態では、画像データをアレイにロードするプロセスは、シャッタ108を作動するプロセスから時間的に切り離される。これらの実装形態では、変調器アレイはアレイ内の画素ごとにデータ・メモリ要素を備えてもよく、制御マトリクスは、共通ドライバ138からトリガ信号を伝達してメモリ要素に格納されたデータに従ってシャッタ108の同時作動を開始するためのグローバル作動相互接続を備えてもよい。
【0031】
代替的な実装形態では、画素のアレイと当該画素を制御する制御マトリクスとを、長方形の行と列以外の構成で配置してもよい。例えば、当該画素を六角形のアレイで、または、曲線の行および列で配置してもよい。一般に、本明細書で使用する際、走査線という用語は、書込み指示相互接続を共有する任意の複数の画素を指すものとする。
【0032】
ホスト・プロセッサ122は一般にホストの動作を制御する。例えば、ホスト・プロセッサはポータブル電子デバイスを制御するための汎用目的または特殊目的のプロセッサであってもよい。表示装置128に関して、ホスト・プロセッサは、ホスト・デバイス120に内部に含まれ、画像データならびに当該ホストに関する追加のデータを出力する。かかる情報が、周辺光または温度のような環境センサからのデータ、例えばホストの動作モードもしくはホストの電源に残存している電力量を含む、ホストに関する情報、画像データの内容に関する情報、画像データの種類に関する情報、および/またはイメージング・モードを選択する際に使用するための表示装置に対する命令を含んでもよい。
【0033】
ユーザ入力モジュール126はユーザの個人的な好みを、直接またはホスト・プロセッサ122を介してコントローラ134に伝達する。幾つかの実装形態では、ソフトウェアによってユーザ入力モジュールを制御する。当該ソフトウェアで、ユーザは「濃い色」「良好なコントラスト」、「低電力」、「高輝度」、「スポーツ」、「実写」、または「アニメーション」といった個人的な好みをプログラムする。他の幾つかの実装形態では、これらの好みをスイッチまたはダイヤルのようなハードウェアを用いてホストに入力する。コントローラ134への複数のデータ入力により、最適な画像特性に対応する様々なドライバ130、132、138および148にデータを提供するようにコントローラに指示する。
【0034】
環境センサ・モジュール124を、ホスト・デバイスの一部として含めてもよい。当該環境センサ・モジュールは、温度および/または周辺光の条件といった周辺環境に関するデータを受信する。屋内または職場環境でデバイスが動作していること、明るい白昼の屋外環境でデバイスが動作していること、および夜間の屋外環境でデバイスが動作していることを区別するようにセンサ・モジュール124をプログラムすることができる。センサ・モジュールはこの情報をディスプレイ・コントローラ134に送信し、周囲の環境に応答して視聴条件をコントローラが最適化できるようにする。
【0035】
図2Aは、
図1Aの直視型MEMSベースの表示装置100に組み込むのに適した例示的なシャッタ・ベースの光変調器200の例示的な斜視図を示す。光変調器200は、アクチュエータ204に接続させたシャッタ202を備える。アクチュエータ204は、2つの別々の準拠電極ビーム・アクチュエータ205(「アクチュエータ」205)から作成することができる。シャッタ202は片側でアクチュエータ205に接続する。アクチュエータ205は、表面203と十分に平行な移動面においてシャッタ202を表面203上で横方向に動かす。シャッタ202の反対側には、アクチュエータ204が与えた力に対向する復元力を提供するバネ207が接続されている。
【0036】
各アクチュエータ205は、シャッタ202を負荷アンカー208に接続する準拠負荷ビーム206を備える。負荷アンカー208は当該準拠負荷ビーム206とともに機械的な支持体の役割を果たし、シャッタ202を表面203近傍で浮かせたままにする。当該表面は、光の通過を可能とするための1つまたは複数の開口穴211を含む。負荷アンカー208は、準拠負荷ビーム206およびシャッタ202を物理的に表面203に接続させ、負荷ビームをバイアス電圧に電気的に接続させ、幾つかの事例ではアースに電気的に接続させる。
【0037】
シリコンのように基板が不透明である場合には、多数の穴を基板204にエッチングすることによって開口穴211を基板に形成する。ガラスまたはプラスチックのように基板204が透明である場合には、処理シーケンスの第1のブロックにおいて、遮光層を基板に堆積させ、遮光層を多数の穴211にエッチングする。開口穴211は一般に、円形、楕円形、多角形、S形、または不定形であってもよい。
【0038】
各アクチュエータ205はまた、各負荷ビーム206に隣接する準拠駆動ビーム216を備える。駆動ビーム216は、駆動ビーム216の間で共有される駆動ビーム・アンカー218に一方の端で接続する。各駆動ビーム216の他方の端は自由に移動できる。各駆動ビーム216は、それが負荷ビーム206の自由端と負荷ビーム206の固定端の近くの負荷ビーム206に最も接近するように曲がっている。
【0039】
動作においては、光変調器200を組み込んだ表示装置は駆動ビーム・アンカー218を介して電位を駆動ビーム216に印加する。第2の電位を負荷ビーム206に印加してもよい。駆動ビーム216および負荷ビーム206の間に生ずる電位差により駆動ビーム216の自由端が負荷ビーム206の固定端に引き寄せられ、負荷ビーム206のシャッタ端が駆動ビーム216の固定端に引き寄せられる。その結果、シャッタ202が駆動アンカー218に向かって横向きに移動する。準拠部材206はバネとして動作し、ビーム206と216の電位にわたる電圧が除去されたときに負荷ビーム206がシャッタ202をその初期位置に押し戻して負荷ビーム206に蓄えられた応力を解放する。
【0040】
光変調器200のような光変調器は、電圧が除去された後にシャッタをそのレスト位置に戻すための、バネのような受動的な復元力を組み込んでいる。他のシャッタ部品に、1組の二重の「開」および「閉」アクチュエータを組み込み、シャッタを開状態または閉状態に移すための1組の別々の「開」よび「閉」電極を組み込むことができる。
【0041】
制御マトリクスを介してシャッタおよび開口部のアレイを制御して画像、多くの場合は動画を適切な輝度レベルで生成できる様々な方法がある。幾つかのケースでは、ディスプレイの外縁上の回路を駆動するために接続された行および列の相互接続から成る受動的なマトリックス・アレイにより制御を実現する。他のケースでは、アレイ(所謂アクティブ・マトリックス)の各画素内部のスイッチングおよび/またはデータ記憶要素を具備して、ディスプレイの速度、輝度レベルおよび/または電力損失性能を改善するのが適切である。
【0042】
本明細書に記載のコントローラの機能は、上述の光変調器のようなシャッタ・ベースの MEMS光変調器の制御には限定されない。
図2Bは、本発明の様々な実施形態に含めるのに適した例示的な非シャッタ・ベースの光変調器の例示的な断面図である。具体的には、
図2Bは、エレクトロウェッティング・ベースの光変調アレイ270の断面図である。光変調アレイ270は、光共振器274上に形成した複数のエレクトロウェッティング・ベースの光変調セル272a〜d(一般に「セル272」)を含む。光変調アレイ270はまた、セル272に対応する1組の色フィルタ276を備える。
【0043】
各セル272は、水(または他の透明な導電性または極性を有する流体)の層278、光吸収オイル層280、(例えば、酸化インジウムスズから作られた)透明電極282、および光吸収オイル層280および透明電極282の間に位置する絶縁層284を含む。本明細書に記載の実装形態では、電極はセル272の後面の部分を占める。
【0044】
セル272の後面の残りは、光共振器274の前面を形成する反射開口部層286から成る。反射開口部層286は、反射金属または誘電体反射鏡を形成する積層フィルムのような反射材から形成される。セル272ごとに、光が通過できるようにするために開口部が反射開口部層286に形成されている。セルに対する電極282が開口部の中かつ反射開口部層286を形成する材料の上に堆積され、別の誘電層により分離されている。
【0045】
光共振器274の残りの部分には、反射開口部層286に隣接して配置した導光288、および反射開口部層286と対向する導光288の片側にある第2の反射層290がある。一連の光リダイレクタ291が導光の後面に、第2の反射層に隣接して形成されている。光リダイレクタ291は拡散反射器または鏡面反射器の何れかであってもよい。1つまたは複数の光源292が、光294を導光288に投入する。
【0046】
代替的な実装形態では、さらに透明基板を導光290および光変調アレイ270の間に配置する。この実装形態では、反射開口部層286が導光290の表面ではなく当該透明基板上に形成される。
【0047】
動作においては、セル(例えば、セル272bまたは272c)の電極282に電圧を印加することにより、セル内の光吸収オイル280がセル272の一部分に収集される。その結果、光吸収オイル280はもはや反射開口部層286内に形成された開口部を通る光の通過を妨げない(例えば、セル272bおよび272cを参照)。開口部のバックライトから発せられる光は当該セルを通過し1組の色フィルタ276内の対応する色フィルタ(例えば、赤、緑、または青)を通過して画像内に色画素を形成することができる。電極282がアースされているとき、光吸収オイル280は反射開口部層286内の開口部を覆い、そこを通過しようとする光294を吸収する。
【0048】
電圧がセル272に印加されたときにオイル280がその下で集まる領域は、画像の形成に関して無駄な空間を構成する。当該領域は、電圧が印加されていようとなかろうと、光を通すことができない。したがって当該領域は、反射開口部層286の反射部を含めることなく、それがなければ画像形成に寄与するために使用できた光を吸収するはずである。しかし、反射開口部層286を含めると、それがなければ吸収されていたであろう光が反射して導光290に戻され、将来的に別の開口部を通過する。エレクトロウェッティング・ベースの光変調アレイ270は、本明細書で説明した制御マトリックスによる制御に適した非シャッタ・ベースのMEMS変調器の唯一の例ではない。非シャッタ・ベースのMEMS変調器の他の形態を、本開示の範囲から逸脱しない本明細書で説明した様々なコントローラ機能により同様に制御することができる。
【0049】
MEMSディスプレイに加えて、本発明では、例えば
図2Cに示すOCB(optically compensated bend)モードで動作する液晶ディスプレイを含めて、フィールド・シーケンシャル液晶ディスプレイを利用してもよい。OCBモードのLCDディスプレイをFSC方法と組み合わせることにより、低電力かつ高解像度のディスプレイが可能となる。
図2CのLCDは、円偏光子230、二軸性位相差フィルム232、およびPDM(polymerized discotic material)234から成る。二軸性位相差フィルム232は、二軸伝送特性を有する透明な表面電極を含む。これらの表面電極は、PDM層の液晶分子を、それらに電圧が印加されたときに特定の方向に整列させるように動作する。
【0050】
図3は、シャッタ・ベースの光変調器のアレイ320の斜視図を示す。
図3はまた、光変調器のアレイ320がバックライト330の上部に配置されていることを示す。1実装形態では、バックライト330は透明な材料、即ちガラスまたはプラスチックから成り、ランプ382、384および386からの光をディスプレイ面にわたって均一に分散させるための導光として機能する。ディスプレイ380をフィールド・シーケンシャルディスプレイとして構成する場合、ランプ382、384および386は交互式の色ランプ、例えば、それぞれ赤、緑、および青のランプであってもよい。
【0051】
幾つかの様々な種類のランプ382〜386をディスプレイに使用してもよい。当該ランプには、限定ではなく、白熱ランプ、蛍光ランプ、レーザ、またはLED(light emitting diode)が含まれる。さらに、直視型ディスプレイ380のランプ382〜386を、複数のランプを含む単一の部品に統合してもよい。例えば、小型の半導体チップにおいて赤、緑、および青のLEDの組合せを白のLEDと組み合わせるかもしくは赤、緑、および青のLEDの組合せで白のLECを置換することができ、または、赤、緑、および青のLEDの組合せを小型のマルチ・ランプ・パッケージに統合させてもよい。同様に、各ランプが、4色のLED、例えば赤、黄、緑および青のLEDの組合せまたは赤、緑、青および白のLEDの組合せから成る部品を表してもよい。
【0052】
シャッタ部品302は光変調器として機能する。関連するコントローラからの電気信号を使用することにより、シャッタ部品302を開状態または閉状態の何れかに設定することができる。シャッタが開くことにより、導光330からの光が観察者へ向かって通ることができ、それにより直視型の画像が形成される。
【0053】
幾つかの実装形態では、光変調器が、導光330から離れて観察者の方を向く基板304の表面に形成される。他の幾つかの実施形態では、導光に面する表面に光変調器が形成されるように、基板304を反転することができる。これらの実装形態では、開口部層322のような開口部層を導光330の上面に直接形成することが好ましい場合もある。他の幾つかの実施形態では、開口部層322のような開口部層、開口穴324のような関連する開口穴を含む別々のガラスまたはプラスチックのような、別々のガラスまたはプラスチックを導光および光変調器の間に挟むことが有効である。シャッタ部品302の面と開口部層322の面の間の間隔をできる限り近く、好ましくは10ミクロン、幾つかのケースでは1ミクロンほど近くに保つことが好ましい。
【0054】
幾つかのディスプレイでは、色画素は、様々な色、例えば、赤、緑、および青に対応する光変調器のグループを点灯することによって生成される。当該グループ内の各光変調器は、所望の色を実現するための対応するフィルタを有する。しかし、当該フィルタは大量の光、幾つかのケースではフィルタを通過する光の高々60%が吸収され、その結果、ディスプレイの効率性と輝度が制限される。さらに、画素あたり複数の光変調器を使用することにより、表示された画像に寄与するために使用できるディスプレイの空間の量が減り、ディスプレイの輝度と効率性がさらに制限される。
【0055】
図4は、FSC(field sequential color)を用いて画像を表示するための表示プロセスに対応するタイミング
図400である。当該表示プロセスは、例えば、
図1Bで説明したMEMS直視型ディスプレイにより実現することができる。本明細書に含まれるタイミング図は、
図4、5、6および7のタイミング
図400を含めて、以下の規則に従う。タイミング図の上部は、光変調器のアドレス指定イベントを示す。下部はランプ点灯イベントを示す。
【0056】
アドレス指定部は、時間で区切られた対角線によりアドレス指定イベントを表す。各対角線は、一連の個々のデータ・ロード・イベントに対応し、当該イベント中に、データが光変調器のアレイの各行に一度に一行ロードされる。ディスプレイに含まれる変調器をアドレス指定し駆動するために使用される制御マトリクスに応じて、各ローディング・イベントでは、所与の列の光変調器が作動できるようにするための待機期間が必要であってもよい。幾つかの実装形態では、光変調器のアレイ内の全ての行を、任意の光変調器の作動前にアドレス指定する。光変調器のアレイの最後の行にデータをロードすることが完了すると、全ての光変調器が実質的に同時に作動する。
【0057】
ランプ点灯イベントは、ディスプレイに含まれるランプの各色に対応するパルス列により示されている。各パルスは、対応する色のランプが点灯しており、それにより直前のアドレス指定イベントで光変調器のアレイにロードされたサブフレーム画像が表示されていることを示す。
【0058】
所与の画像フレームのディスプレイにおける第1のアドレス指定イベントが開始する時刻に、各タイミング図でAT0とラベルを付している。当該タイミング図の大部分では、この時刻は、電圧パルスvsyncを検出したすぐ後の時刻であり、各ビデオ・フレームの先頭がディスプレイにより受信されるのに先立つ。その後の各アドレス指定イベントが生ずる時刻にAT1、AT2、..、AT(n−1)とラベルを付している。ここで、nは、画像フレームを表示するために使用されるサブフレーム画像の数である。タイミング図の一部では、当該対角線には、光変調器のアレイにロードされているデータを示すためにラベルがさらに付されている。例えば、
図4のタイミング図では、D0はフレームに関して光変調器のアレイにロードされた第1のデータを表し、D(n−1)は当該フレームに関して光変調器のアレイにロードされた最後のデータを表す。
図5乃至7のタイミング図では各アドレス指定イベント中にロードされたデータはビット・プレーンに対応する。
【0059】
ビット・プレーンは、光変調器のアレイの複数の行および複数の列における変調器の所望の変調器状態を示す1組のコヒーレントなデータである。さらに、各ビット・プレーンは、バイナリ符号化機構に従って導出した一連のサブフレーム画像のうち1つに対応する。即ち、画像フレームの寄与色に対する各サブフレーム画像は1、2、4、8、16等のバイナリ列に従って重み付けされる。最小の重みを有するビット・プレーンは、最下位ビット・プレーンと称し、対応する寄与色の最初の文字に数字0を続けたものをタイミング図で付してあり本明細書ではそれにより参照する。寄与色に対する次に最上位のビット・プレーンごとに、当該寄与色の最初の文字に続く数は1だけ増加する。例えば、色ごとに4つのビット・プレーンに分解された画像フレームに対して、最下位の赤のビット・プレーンにはR0が付してあり、R0ビット・プレーンと称する。次の最上位の赤ビット・プレーンには、R1が付してありR1で参照され、最上位の赤ビット・プレーンにはR3が付してありR3で参照する。
【0060】
ランプ関連イベントにはLT0、LT1、LT2..LT(n−1)が付してある。タイミング図においてラベルを付したランプ関連イベントの時刻は、タイミング図に応じて、ランプが点灯した時刻を表すか、または、ランプが消えた時刻を表すかの何れかである。特定のタイミング図におけるランプ時刻の意味は、その時刻位置を当該特定のタイミング図の点灯部分におけるパルス列と比較することによって決定することができる。具体的には、
図4のタイミング図に戻ると、タイミング
図400に従って画像フレームを表示するために、1つのサブフレーム画像を用いて画像フレームの3つの寄与色各々を表示する。最初のデータD0は、赤のサブフレーム画像に対して望ましい変調器状態を示し、時刻AT0から光変調器のアレイにロードされる。アドレス指定が完了した後、赤のランプが時刻LT0で点灯し、赤のサブフレーム画像が表示される。データD1は、緑のサブフレーム画像に対応する変調器状態を示し、時刻AT1で光変調器のアレイにロードされる。緑のランプが時刻LT1で点灯する。最後に、データD2が、青サブフレーム画像に対応する変調器状態を示し、時刻AT2で光変調器のアレイにロードされ、時刻LT2で青のランプが点灯する。このプロセスは、表示すべき後続の画像フレームに対して繰り返される。
【0061】
図4のタイミング図に従って画像を形成するディスプレイによって実現可能な輝度レベルの数は、どれだけ細かく各光変調器の状態を制御できるかに依存する。例えば、光変調器が本質的にバイナリである場合、即ち、光変調器にオンまたはオフしかない場合、ディスプレイは高々8個の異なる色しか生成できない。追加の中間の状態へと駆動できる光変調器を提供することによってかかるディスプレイに対して輝度レベルの数を増加させることができる。
図4のフィールド・シーケンシャル技術に関連する幾つかの実装形態では、印加される電圧に対してアナログの応答を示すMEMSベースの光変調器または他の光変調器を提供することができる。かかるディスプレイで実現可能な輝度レベルの数は、データ電圧源とともに提供されるデジタル・アナログ・コンバータの解像度のみによって制限される。
【0062】
あるいは、各サブフレーム画像を表示するために使用される期間が、各々がその対応するサブフレーム画像を有する複数の期間に分割される場合には、より細かい輝度レベルを生成することができる。例えば、バイナリ光変調器を用いると、寄与色ごとに長さと光強度が等しい2つのサブフレーム画像を形成するディスプレイは8個ではなく27個の異なる色を生成することができる。画像フレームの各寄与色を複数のサブフレーム画像に分割する輝度レベルの技術は、一般に、時分割グレー・スケール技術と呼ばれる。
【0063】
図5は、バイナリ時分割グレー・スケール・プロセスにおいて一連のサブフレーム画像を用いて画像形成するための、コントローラ134により使用されるタイミング・シーケンスの1例を示す図であり、表示プロセス500と称する。コントローラ134は、表示プロセス500とともに使用され、タイミングが取られたシーケンス(
図5において時間は左から右へと変化する)における複数の動作を調整する役割を担う。コントローラ134は、いつサブフレーム・データ・セットのデータ要素がフレーム・バッファからデータ・ドライバ132に転送されるかを決定する。コントローラ134はまた、スキャン・ドライバ130によりアレイ内の行のスキャンを可能とするためのトリガ信号をを送信し、それにより、データをドライバ132からアレイの画素にロードできるようにする。コントローラ134はまた、ランプ・ドライバ148の動作を支配して、ランプ140、142および144(白のランプ146は表示プロセス500では使用していない)を点灯できるようにする。コントローラ134はまた共通ドライバ138にトリガ信号を送信する。共通ドライバ138により、アレイの複数の行および列におけるほぼ同時なシャッタのグローバル作動のような機能が可能となる。
【0064】
表示プロセス500における画像形成プロセスではまず、サブフレーム画像ごとに、サブフレーム・データ・セットをフレーム・バッファからアレイにロードする。サブフレーム・データ・セットは、アレイの複数の行および複数の列における変調器の所望の状態に関する情報(例えば、開または閉)を含む。バイナリ時分割グレー・スケールに対して、別々のサブフレーム・データ・セットが、グレー・スケールのバイナリ符号語中の各色内部のビット・レベルごとにアレイに送信される。バイナリ符号化のケースでは、サブフレーム・データ・セットはビット・プレーンと呼ばれる。表示プロセス500は、4つのビット・プレーンのデータ・セットを赤、緑、および青の3つの色の各々にロードする。これらのデータ・セットには、赤ではR0〜R3を、緑ではG0〜G3を、青ではB0〜B3のラベルが付されている。説明を簡単にするため、表示プロセス500では色ごとに4つのビット・レベルしか示していないが、色ごとに6、7、8、または10個のビット・レベルを使用する代替的な画像形成シーケンスが可能であることは理解される。
【0065】
表示プロセス500では、一連のアドレス指定時刻AT0、AT1、AT2等を参照する。これらの設定時刻は、特定のビット・プレーンをアレイにロードするための開始時刻またはトリガ時刻を表す。第1のアドレス指定時刻AT0はVsyncと一致する。Vsyncは、一般に画像フレームの先頭を示すために使用されるトリガ信号である。表示プロセス500はまた、一連のランプ点灯時刻LT0、LT1、LT2等を示す。これらはビット・プレーンのロードと協調する。これらのランプのトリガは、ランプ140、142および144のうち1つによる点灯が消えた時刻を示す。赤、緑、および青のランプの各々に対する点灯パルスの期間および振幅は、
図5の下部に沿って示されており、別々の線に沿って「R」、「G」、および「B」の文字が付されている。
【0066】
第1のビット・プレーンR3のロードがトリガ点AT0で開始する。ロードすべき第2のビット・プレーンR2がトリガ点AT1で開始する。各ビット・プレーンのロードには、十分な時間が必要である。例えば、ビット・プレーンR2のアドレス指定シーケンスは、この例ではAT1で開始し点LT0で終了する。ビット・プレーンごとのアドレス指定動作またはデータ・ロード動作が、タイミング
図500の対角線で示されている。当該対角線は、ビット・プレーン情報の各行が一度に1回フレーム・バッファからデータ・ドライバ132に送出され、データ・ドライバ132からアレイに送信される逐次的動作を表す。夫々の行または走査線にデータをロードするには、1マイクロ秒から100マイクロ秒だけ必要である。アレイに対して、複数の行の転送を終了するか、または、データのビット・プレーンの転送を終了するには、アレイの行数に応じて100マイクロ秒から5ミリ秒かかる可能性がある。
【0067】
表示プロセス500では、画像データをアレイにロードするプロセスが、シャッタ108を移動または作動するプロセスから時間的に切り離されている。この実装のために、変調器アレイは当該アレイ内の画素ごとに蓄積キャパシタのようなデータ・メモリ要素を備え、データ・ロードのプロセスにはデータ(即ち、オン・オフ命令または開閉命令)をメモリ要素に格納することだけが必要である。シャッタ108は、グローバル作動信号が共通ドライバ138の1つによって生成されるまで動かない。当該グローバル作動信号は、全てのデータがアレイにロードされるまでコントローラ134によって送信されない。指定時刻に、移動または状態変更に指定されたシャッタの全てをグローバル作動信号によりほぼ同時に動かす。ビッド・プレーンのロード・シーケンスの終了と対応するランプの点灯との間に小さな時間のギャップが示されている。これは、シャッタのグローバル作動に必要な時間である。当該グローバル作動時間は、例えば、トリガ点LT2とAT4の間に示されている。グローバル作動期間の間に全てのランプを消去して、部分的にしか開閉しないシャッタの点灯と画像を混同しないようにするのが好ましい。シャッタ部品320におけるようなシャッタのグローバル作動に必要な時間は、アレイ内のシャッタの設計と構成に応じて、10マイクロ秒から500マイクロ秒かかる可能性がある。
【0068】
表示プロセス500の例として、シーケンス・コントローラが、各ビット・プレーンをロードした後にランプのうち1つだけを点灯するようにプログラムされている。かかる点灯は、アレイ内の最後の走査線のデータをロードした後、グローバル作動時間に等しい時間だけ遅延する。後続のビット・プレーンに対応するデータのロードは、ランプが点灯したままの間に開始し進行できることに留意されたい。なぜならば、データをアレイのメモリ要素にロードしても、シャッタの位置にはすぐには影響が及ばないからである。
【0069】
サブフレーム画像の各々、例えばビット・プレーンR3、R2、R1およびR0に関連するものが、
図5の下部の「R」線で示すように、赤のランプ140からの別々の点灯パルスによって点灯される。同様に、ビット・プレーンG3、G2、G1、およびG0に関連するサブフレーム画像の各々が、
図5の下部の「G」線で示すように、緑のランプ142からの別々の点灯パルスによって点灯される。サブフレーム画像ごとに使用される点灯値(この例では、点灯期間の長さ)は、それぞれ、バイナリ列8、4、2、1によって大きさにおいて関連している。この点灯値のバイナリ重みにより、バイナリ語で符号化されたグレー・スケールの値を表現または表示することができる。各ビット・プレーンは画素のオンオフ・データを含む。当該オンオフ・データは、バイナリ語の中の桁値の1つだけに対応する。シーケンス・コントローラ160から生ずるコマンドにより、ランプとデータのロードとの協調だけでなく、それぞれのデータのビット・プレーンに関連する正確な相対的な点灯期間も保証される。
【0070】
表示プロセス500において、完全な画像フレームが2つの後続のトリガ信号Vsyncの間で生成される。表示プロセス500における完全な画像フレームは、色ごとに4つのビット・プレーンの点灯を含む。60Hzのフレーム・レートでは、Vsync信号の間の時間は16.6ミリ秒である。最上位ビット・プレーン(R3、G3およびB3)の点灯に割り当てられた時間は、本例では、各々ほぼ2.4ミリ秒であってもよい。次に比例により、次のビット・プレーンR2、G2、およびB2に対する点灯時間は1.2ミリ秒であるはずである。最下位ビット・プレーン、R0、G0、およびB0の点灯期間は各々300マイクロ秒であるはずである。与えられるビット解像度がより高い場合、または、色ごとに必要なビット・プレーンが多い場合には、最下位ビット・プレーンに対応する点灯期間には、さらに短い期間、即ち各々100マイクロ秒よりも大幅に短い期間が必要であるはずである。
【0071】
シーケンス・コントローラ160の開発またはプログラミングにおいて、輝度レベルの表現を支配する重要なシーケンシング・パラメータの全てをシーケンス・テーブル内の同一場所に配置するか格納することが有用であるかもしれない。当該シーケンス・テーブルは、場合によってはシーケンス・テーブル記憶部とも呼ばれる。格納された重要なシーケンス・パラメータを表すテーブルの1例を、下記の表1に示す。当該シーケンス・テーブルは、サブフレームまたは「フィールド」ごとに、相対的なアドレス指定時刻(例えば、ビット・プレーンのロードが開始するAT0)、バッファ・メモリ159内に見つかる関連するビット・プレーンのメモリ位置(例えば、位置M0、M1、等)、ランプの1つに対する識別コード(例えばR、G、またはB)、およびランプ時刻(例えば、本例ではランプがオフにされる時刻を決める、LT0)を列挙する。
【0073】
また、パラメータをシーケンス・テーブル内の同一場所に格納して、表示プロセスにおけるイベントのタイミングまたはシーケンスを再編成または変更するための簡単な方法を容易にすることが有用であるかもしれない。例えば、色サブフレームの順序を再構成して、大部分の赤サブフレームの直後に緑サブフレームが続き、緑サブフレームの直後に青サブフレームが続くようにすることができる。このように色サブフレームを再配置または分散させることにより、ランプの色の間で点灯が切り替わる名目周波数が増大し、CBUの影響が削減される。メモリに格納された幾つかの異なるスケジュール・テーブルを切り替えることにより、または、スケジュール・テーブルを再編成することによって、色ごとにより少ない数または多い数のビット・プレーンを必要とするプロセスを、例えば単一の画像フレームの時間内に色ごとに8ビット・プレーンの点灯を可能とすることにより切り替えることもできる。タイミング・シーケンスを簡単に再編成して、4番目の色LED、例えば白ランプ146に対応するサブフレームを含めることができるようにすることも可能である。
【0074】
表示プロセス500は、ランプ内のパルス幅または点灯期間に基づいて各サブフレーム画像に相違なる点灯値を関連付けることにより、符号語に従うグレー・スケールまたは輝度レベルを確立する。点灯値を表現する代替的な方法も可能である。1つの代替手段では、サブフレーム画像の各々に対して割り当てられた点灯期間は一定に保たれ、ランプの点灯の振幅または強度は、バイナリ比率1、2、4、8等に従ってサブフレーム画像間で変化する。この実装形態では、シーケンス・テーブルの形式は、サブフレームごとに一意なタイミング信号ではなく一意なランプ強度を割り当てるように変更される。他の幾つかの実施形態では、ランプのパルス期間の変動およびパルス振幅の変動の両方を使用し、シーケンス・テーブル内で規定して、サブフレーム画像間の輝度レベルの差異を確立する。
【0075】
図6は、表2に列挙したパラメータを利用するタイミング
図600である。タイミング
図600は、画像フレームの寄与色ごとに4つのサブフレーム画像を表示することによって画像フレームが表示される、符号化時分割グレー・スケール・アドレス指定プロセスに対応する。所与の色の表示された各サブフレーム画像は、過去のサブフレーム画像の半分の期間だけ同一強度で表示され、それによりサブフレーム画像に対するバイナリ重み付け機構を実装する。タイミング
図600は、赤色、緑色、青色に加えて白色に対応するサブフレーム画像を含み、これらは白ランプを用いて点灯される。白ランプを追加することにより、ディスプレイはより明るい画像を表示することができ、または、同じ輝度レベルを維持しつつそのランプをより低い電力レベルで動作させることができる。輝度と電力消費は線形には関係しないので、低い点灯レベルの動作モードは均等な画像輝度をもたらすがエネルギはあまり消費しない。さらに、白ランプはしばしばより効率的である。即ち、白ランプは、他の色のランプよりも低い電力消費で同じ輝度を実現する。
【0076】
より具体的には、タイミング
図600における画像フレームの表示は、vsyncパルスの検出から始まる。当該タイミング図および表2のスケジュール・テーブルに示すように、ビット・プレーンR3は、メモリ位置M0から格納され、時刻AT0で始まるアドレス指定イベントで光変調器のアレイ150にロードされる。コントローラ134がビット・プレーンの最後の行データを光変調器のアレイ150に出力すると、コントローラ134はグローバル作動コマンドを出力する。作動時間を待機した後、コントローラ134は赤のランプを点灯させる。当該作動時間は全てのサブフレーム画像に対して一定であるため、この時間を決定するために対応する時間値をスケジュール・テーブル記憶部に格納する必要はない。時刻AT4で、コントローラ134は緑ビット・プレーンの最初のもの、即ちG3のロードを開始する。G3は、スケジュール・テーブルによれば、メモリ位置M4の先頭に格納される。時刻AT8で、コントローラ134は、青ビット・プレーンの最初のもの、即ちB3のロードを開始する。B3は、スケジュール・テーブルによれば、メモリ位置M8の先頭に格納される。時刻AT12で、コントローラ134は、白ビット・プレーンの最初のもの、即ちW3のロードを開始する。W3は、スケジュール・テーブルによれば、メモリ位置M12の先頭に格納される。白ビット・プレーンの最初のもの、即ちW3に対応するアドレス指定を完了し、作動時間を待機した後、コントローラは白ランプを第1の時間だけ点灯させる。
【0077】
全てのビット・プレーンが、ビット・プレーンを光変調器のアレイ150にロードするのに必要な時間より長い期間点灯されるので、コントローラ134は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントが完了した際に、サブフレーム画像を点灯するランプを消す。例えば、LT0は、AT0より後の、ビット・プレーンR2のロードの完了に一致する時刻に生ずるように設定される。LT1は、AT1より後の、ビット・プレーンR1のロードの完了に一致する時刻に生ずるように設定される。
【0078】
当該タイミング図内のvsyncパルスの間の期間は、記号FTで示され、フレーム時間を示している。幾つかの実装形態では、アドレス指定時刻AT0、AT1等ならびにランプ時刻LT0、LT1等は、4色の各々に対して4つのサブフレーム画像を、16.6ミリ秒のフレーム時間FT内で、即ち60Hzのフレーム・レートに従って実現するように設計されている。他の幾つかの実施形態では、スケジュール・テーブル記憶部に格納された時間値を変更して、33.3ミリ秒のフレーム時間FT内で、即ち30Hzのフレーム・レートに従って色ごとに4つのサブフレーム画像を実現することができる。他の幾つかの実施形態では、24Hzのフレーム・レートを使用するか、または、100Hzを超えるフレーム・レートを使用してもよい。
【0080】
白ランプを使用することにより、表示の効率性を改善することができる。サブフレーム画像において4つの相違なる色を使用するには、入力処理モジュール1003におけるデータ処理を変更する必要がある。3つの相違なる色の各々に対してビット・プレーンを導出するのではなく、タイミング
図600に従う表示プロセスでは、4つの相違なる色の各々に対応するビット・プレーンを格納する必要がある。したがって、入力処理モジュール1003は、3色空間内の色に対してエンコードされた入力画素データを、当該データ構造をビット・プレーンに変換する前に4色空間に適した色座標へと変換してもよい。
【0081】
タイミング
図600に示す赤、緑、青、および白のランプの組合せに加えて、実現可能な色の空間または領域を拡大する他のランプの組合せも可能である。拡張された色領域を有する有用な4色ランプの組合せは、赤、青、純緑(約520nm)およびパロット・グリーン(約550nm)である。拡張された色領域を有する別の5色の組合せは、赤、緑、青、シアン、および黄である。YIQNTSC色空間に類似する5色の色空間を、白、オレンジ、青、紫および緑のランプで確立することができる。公知のYUV色空間に類似する5色の色空間を、白、青、黄、赤およびシアンのランプで確立することができる。
【0082】
他のランプの組合せも可能である。例えば、有用な6色空間を赤、緑、青、シアン、マジェンタおよび黄のランプ色で確立することができる。6色空間を、白、シアン、マジェンタ、黄、オレンジおよび緑の色で確立することもできる。多数の他の4色および5色の組合せを、既に上で列挙した色から導くことができる。さらに、様々な色の6、7、8、または9個のランプの組合せを上で列挙した色から生成することができる。上で列挙した色の間にあるスペクトルを有するランプを用いて、さらなる色を使用してもよい。
【0083】
図7は、表3のスケジュール・テーブルで列挙したパラメータを利用するタイミング
図700である。タイミング
図700は、異なる色のランプを同時に点灯できる、混合型の符号化時分割および強度のグレー・スケール表示プロセスに対応する。各サブフレーム画像は全ての色のランプにより点灯されるが、特定の色に対するサブフレーム画像は主に当該色のランプにより点灯される。例えば、赤のサブフレーム画像の点灯期間中は、赤のランプを緑のランプおよび青のランプよりも強い強度で点灯する。輝度と電力消費は線形には関係しないので、複数のランプを各々低い点灯レベルの動作モードで使用するのに必要な電力は、1つのランプを高い点灯レベルで用いて同一の輝度を実現するよりも少ないであろう。
【0084】
最下位ビット・プレーンに対応するサブフレーム画像は各々、過去のサブフレーム画像と同じ時間だけ半分の強度で点灯する。したがって、最下位ビット・プレーンに対応するサブフレーム画像は、ビット・プレーンをアレイにロードするのに必要とされる時間と等しいかまたはそれよりも長い期間だけ点灯する。
【0086】
より具体的には、タイミング
図700における画像フレームの表示は、vsyncパルスの検出から始まる。タイミング
図700および表3のスケジュール・テーブルに示すように、ビット・プレーンR3は、メモリ位置M0から格納され、時刻AT0で始まるアドレス指定イベントで光変調器のアレイ150にロードされる。コントローラ134がビット・プレーンの最後の行データを光変調器のアレイ150に出力すると、コントローラ134はグローバル作動コマンドを出力する。作動時間を待機した後、コントローラは赤、緑、および青のランプを、表3のスケジュールで示す強度レベル、即ち、それぞれRI0、GI0およびBI0で点灯させる。当該作動時間は全てのサブフレーム画像に対して一定であるため、この時間を決定するために対応する時間値をスケジュール・テーブル記憶部に格納する必要はない。時刻AT1で、コントローラ134は後続のビット・プレーンR2を光変調器のアレイ150にロードするのを開始する。R2は、スケジュール・テーブルによれば、メモリ位置M1から格納される。ビット・プレーンR2に対応するサブフレーム画像、および後のビット・プレーンR1に対応するサブフレーム画像は、それぞれ、表3のスケジュールで示すようにビット・プレーンR1と同じ1組の強度レベルで点灯する。比較すると、最下位ビット・プレーンR0に対応するサブフレーム画像は、メモリ位置M3から格納され、ランプごとに半分の強度レベルで点灯する。即ち、強度レベルRI3、GI3およびBI3は、それぞれ、強度レベルRI0、GI0およびBI0の半分に等しい。タイミング
図700は時刻AT4に続き、この時刻で緑の強度が支配するビット・プレーンが表示される。次に、時刻ATBで、コントローラ134は、青の強度が支配するビット・プレーンのロードを開始する。
【0087】
全てのビット・プレーンを、ビット・プレーンを光変調器のアレイ150にロードするのに要する時間より長い期間点灯すべきであるので、コントローラ134は、後続のサブフレーム画像に対応するアドレス指定イベントが完了した際にサブフレーム画像を点灯するランプを消す。例えば、LT0は、AT0より後の、ビット・プレーンR2のロードの完了と一致する時刻に生ずるように設定される。LT1は、AT1より後の、ビット・プレーンR1のロードの完了と一致する時刻に発生するように設定される。
【0088】
色のランプをタイミング
図700のサブフレーム画像内で混合することで、ディスプレイの電力効率を改善することができる。色混合は、画像が強く飽和した色を含まないときに特に有用でありうる。
【0089】
上述のように、単一の画像フレームを作成するために、別々の色のサブフレーム画像の組合せを生成する画像形成プロセスを使用する特定の表示装置を実装した。この種の画像形成プロセスの1例はRGBW画像形成と呼ばれる。その名前は、赤(R)、緑(G)、青(B)および白(W)の部分画像の組合せを用いて画像が生成されるという事実から導かれている。サブフレーム画像を生成するために使用される色の各々は、本明細書では、一般に「寄与」色と称する。特定の寄与色は、「成分」色または「合成」色と称することもある。合成色とは、少なくとも2つの成分色の組合せとほぼ同一である色である。一般に知られているように、赤、緑、および青は、混合すると、ディスプレイの観察者により白として認識される。したがって、RGBW画像形成プロセスでは、本明細書で使用する際、白は、赤、緑、および青の「成分色」を有する「合成色」と称される。他の実装形態では、表示装置は、1組の異なる4つの寄与色、例えばシアン、黄、マジェンタ、および白を使用することができる。この場合、白が合成色で、シアン、黄、およびマジェンタが成分色である。幾つかの実装形態では、表示装置は、5つ以上の寄与色、例えば赤、緑、青、シアン、および黄を使用することができる。かかる実装形態の幾つかでは、黄は赤および緑から成る成分色を有する合成色と考えられる。かかる実施形態のうちその他では、シアンが黄、緑、および青から成る成分色を有する合成色と考えられる。
【0090】
本明細書で説明する様々な方法を使用して、様々な表示デバイスで生ずる画像アーチファクトを減らすことができる。画像アーチファクトの例には、DFC、CBU、およびフリッカがある。幾つかの実装形態では、表示デバイスは、本明細書で説明したような様々な画像形成技術のうち1つまたは複数を実装することによって画像アーチファクトを減らすことができる。説明した技術を、説明したように利用することができ、または、任意の技術の組合せとともに利用できることは理解される。さらに、当該技術、その変形、または組合せを、プラズマ・ディスプレイ、LCD、OLED、電気泳動ディスプレイ、および電界放出ディスプレイのようなフィールド・シーケンシャルディスプレイ・デバイスといった他の表示デバイス向けの画像形成に使用することができる。動作においては、表示デバイスにより実装された当該技術の各々または技術の組合せをイメージング・モードに組み込むことができる。
【0091】
イメージング・モードは、少なくとも1つのサブフレーム・シーケンスおよび少なくとも1つの対応する1組の重み付け機構および輝度レベル・ルックアップ・テーブル(LLLT)に対応する。重み付け機構は、ディスプレイが表示できる範囲の輝度レベルを生成するために使用される相違なるサブフレーム画像の数を、かかる各サブフレーム画像の重みとともに定義する。当該重み付け機構に関連付けられたLLLTは、各サブフレームの数と重みを所与として、可能な輝度レベルの範囲内にある輝度レベルの各々を取得するために使用される画素状態の組合せを格納する。画素状態は、例えば「オン」に対して1、「オフ」に対して0のように離散的な値で識別される。その対応する値で表現される画素状態の所与の組合せは、「符号語」と呼ばれる。サブフレーム・シーケンスは、全ての色に対する全てのサブフレーム画像が表示デバイスまたは装置上で出力される実際の順序を定義する。例えば、サブフレーム・シーケンスにより、赤の最上位のサブフレームの後に青の最上位のサブフレームが続き、その後に緑の最上位のサブフレームが続く等を示す。表示装置が本明細書で説明したように「ビット分割」を実装したならば、ビット分割もサブフレーム・シーケンス内で定義されたはずである。サブフレーム・シーケンスは、各サブフレーム画像の重みを実装するために使用されるタイミングと点灯情報と組み合わさって、上述の出力シーケンスを構成する。
【0092】
例として、この専門用語を用いると、
図10のLLLT1050の最初の2行は、後で詳細に説明するように、重み付け機構の1例である。LLLT1050の次の2行は、色機構と関連付けられたLLLT1050内の図示したエントリである。例えば、LLLT1050は符号語「01111111」を輝度値127と関連して格納する。対照的に、
図17Aのテーブル1702の最初の2行は、後で詳細に説明するように、サブフレーム・シーケンスを記述する。
【0093】
本明細書で開示した様々な実装形態で使用する重み付け機構は、バイナリであっても非バイナリであってもよい。バイナリ重み付け機構では、所与の画素状態に関連付けられた重みは、次に最小の重みを有する画素状態の重みの2倍である。したがって、各輝度値を画素状態の1つの組合せのみで表現することができる。例えば、(一連の8ビットで表現される)8状態のバイナリ重み付け機構は、(使用するサブフレーム・シーケンスに応じて、様々な順序機構に従って表示できる)画素状態の1つの組合せを、0から255の範囲の256個の異なる輝度値の各々に対して提供する。
【0094】
非バイナリ重み付け機構では、重みは基底2の数列に従って厳密に割り当てられることはない(即ち、1、2、4、8、16等ではない)。例えば、重みは、例えば
図12Bで後述するように、1、2、4、6、10等であってもよい。この機構では、複数の画素状態に同じ重みを割り当てることが可能である。代替または追加として、画素状態に対して、次に小さい重みの画素状態の2倍未満である何らかの重みを割り当ててもよい。これには追加の画素状態を使用する必要があるが、これにより表示装置が複数の異なる画素状態の組合せを用いて同一の寄与色の輝度レベルを生成できるという利点がもたらされる。この性質は「縮退」と呼ばれる。例えば、各々が2つの状態(例えば、1と0)を有する12ビットで生成された12ビット符号語を用いる符号化機構を使用して、最大で4096個の相違なる状態を表現することができる。256個の別々の輝度レベルを表すだけに使用される場合、残りの(即ち、4096−256=3840個の)状態を使用して、縮退した符号語または代わりの画素状態の組合せをこれらの同じ256個の輝度レベルに対して生成することができる。3840個の縮退した符号語の各々が利用可能である一方、輝度レベル・ルックアップ・テーブルが、輝度レベルごとに1つまたは選択した少数の画素状態の組合せだけを格納してもよい。これらの画素状態の組合せは、画像品質を改良し、画像アーチファクトが生成される可能性を減らすものとして設計プロセス中に特定されるものである。
【0095】
図8は、ディスプレイにおいて使用するための、
図1Bのコントローラ134のようなコントローラのブロック図を示す。コントローラ1000は、入力処理モジュール1003、メモリ制御モジュール1004、フレーム・バッファ1005、タイミング制御モジュール1006、イメージング・モード・セレクタ1007、および複数の一意なイメージング・モード記憶部1009a〜nを備える。当該記憶部1009a〜nの各々は、各イメージング・モードを実装するのに十分なデータを含む。コントローラ1000はまた、イメージング・モード・セレクタ1007に応答して様々なイメージング・モードを切り替えるためのスイッチ1008を備えることができる。幾つかの実装形態では、これらのコンポーネントを、回路基板、ケーブル、または他の電気相互接続により互いに接続される相違なるチップまたは回路として提供してもよい。他の幾つかの実装形態では、これらのコンポーネントのうち幾つかを、その境界が機能を除いてほぼ判別不可能になるように単一の半導体チップに纏めて設計してもよい。
【0096】
コントローラ1000は、当該コントローラを組み込んだホスト・デバイスのような外部ソースから画像信号1001を受信し、ホスト制御データ1002をホスト・デバイス120から受信して、ディスプレイ128の光変調器とランプを制御するためのデータと制御信号の両方を、当該コントローラを組み込んだものに出力する。
【0097】
入力処理モジュール1003は画像信号1001を受信して、当該信号にエンコードされたデータを、光変調器のアレイ100を介した表示に適切な形式へと処理する。入力処理モジュール1003は、各画像フレームをエンコードするデータを受け取り、それを一連のサブフレーム・データ・セットに変換する。入力処理モジュール1003は、当該画像信号を、ビット・プレーン、非符号化サブフレーム・データ・セット、三進符号化サブフレーム・データ・セット、または他の形態の符号化サブフレーム・データ・セットに変換してもよい。さらに、幾つかの実装形態では、
図10に関連して後で詳細に説明するように、コンテンツ・プロバイダおよび/またはホスト・デバイスが追加の情報を画像信号1001にエンコードして、コントローラ1000によるイメージング・モードの選択に影響を及ぼしてもよい。かかる追加のデータを、場合によってはメタデータと称する。かかる実装形態では、入力処理モジュール1003は、当該追加の情報を特定し、抽出し、プリセット・イメージング・モード・セレクタ1007に転送して処理する。
【0098】
入力処理モジュール1003はまた、当該サブフレーム・データ・セットをメモリ制御モジュール1004に出力する。次に、メモリ制御モジュール1004がサブフレーム・データ・セットをフレーム・バッファ1005に格納する。フレーム・バッファ1005は、ランダム・アクセス・メモリであることが好ましいが、本開示の範囲を逸脱しない他の種類のシリアル・メモリを使用してもよい。1実装形態では、メモリ制御モジュール1004は、サブフレーム・データ・セットの符号化機構における色と重要度に基づいて、所定のメモリ位置にサブフレーム・データ・セットを格納する。他の幾つかの実施形態では、メモリ制御モジュールは、動的に決定したメモリ位置にサブフレーム・データ・セットを格納し、当該位置を後の識別のためにルックアップ・テーブルに格納する。
【0099】
メモリ制御モジュール1004はまた、タイミング制御モジュール1006からの命令に応じて、部分画像データ・セットをフレーム・バッファ1005から取り出し、それらをデータ・ドライバ132に出力する役割を担う。当該データ・ドライバは、メモリ制御モジュールにより出力されたデータを光変調器のアレイ100の光変調器にロードする。メモリ制御モジュール1004は、当該部分画像データ・セット内のデータを一度に1行出力する。幾つかの実装形態では、フレーム・バッファ1005は、2つのバッファを備える。当該2つのバッファの役割は互い違いになっている。メモリ制御モジュールは、新たな画像フレームに対応する新たに生成されたサブフレームを1つのバッファに格納し、過去に受信した画像フレームに対応するサブフレームを、光変調器のアレイに出力するために他のバッファから抽出する。両方のバッファ・メモリが同一の回路内に存在し、アドレスにのみによって区別されてもよい。
【0100】
イメージング・モードごとの表示モジュールの動作を定義するデータはイメージング・モード記憶部1009a〜nに格納される。具体的には、1実装形態では、当該データは、イメージング・モードとともに使用するための1組のLLLTのアドレスに沿って
図5、6、7に関連して上述したスケジューリング・テーブルのようなスケジューリング・テーブルの形を取る。上述のように、スケジューリング・テーブルは、データが光変調器にロードされる時刻ならびにいつランプが点灯し消えるかを記述する相違なるタイミング値を含む。特定の実装形態では、イメージング・モード記憶部1009a〜nは、ランプの輝度を制御するための電圧値および/または電流値を格納する。集合的には、イメージング・モード記憶部の各々に格納されている情報は、相違なるイメージング・アルゴリズムの間の選択肢、例えば、フレーム・レート、ランプ輝度、白色点の色温度、画像内で使用されるビット・レベル、ガンマ補正、解像度、色領域、実現可能な輝度レベル精度、または表示された色の飽和の特性において相違なる表示モードの間の選択肢を提供する。したがって、複数モードのテーブルを格納することで、画像を表示する方法に柔軟性がもたらされ、画像をディスプレイ上に表示するときの画像アーチファクトを減らす方法を提供するときに特に有利である柔軟性がもたらされる。幾つかの実装形態では、イメージング・モードごとの表示モジュールの動作を定義するデータは、例えば、対応するIC企業または消費家電OEM(original equipment manufacturer)によってベースバンド・プロセッサ、メディア・プロセッサまたはアプリケーション・プロセッサに組み込まれる。
【0101】
別の実施形態では、
図8では示していないが、メモリ(例えば、ランダム・アクセス・メモリ)を使用して任意の所与の画像に対する色のレベルを一般的に格納することができる。この画像データを、所定量の画像フレームまたは経過時間に関して収集することができる。ヒストグラムは、画像内のデータの分布をコンパクトに要約したものを提供する。当該情報をイメージング・モード・セレクタ1007により使用してイメージング・モードを選択することができる。これにより、コントローラ1000は、過去の画像から導出した情報に基づいて将来のイメージング・モードを選択することができる。
【0102】
図9は、
図8のコントローラのようなコントローラを含むディスプレイによる使用に適した、画像の表示プロセス1100の流れ図を示す。表示プロセス1100では、まず、モード選択データを受信する(ブロック1102)。モード選択データは、イメージング・モード・セレクタ1007により動作モードを選択するために使用される(ブロック1104)。次に、画像フレーム・データを受信する(ブロック1106)。代替的な実装形態では、画像データは、画像モードを選択する前に受信され(ブロック1104)、当該画像データが選択プロセスで使用される。次に、画像データのサブセットが生成されて格納され(ブロック1108)、次いで選択されたイメージング・モードに従って表示される(ブロック1110)。当該プロセスを判定結果に基づいて繰り返す(ブロック1112)。
【0103】
上述のように、表示プロセス1100では、まず、モード選択データを受信する。当該モード選択データを使用して、動作モードを選択することができる。例えば、様々な実装形態では、モード選択データは、限定ではなく、画像色合成データ、コンテンツ・タイプ識別子、ホスト・モード動作識別子、環境センサ出力データ、ユーザ入力データ、ホスト命令データ、および電源レベル・データのデータのうち1つまたは複数を含む。画像色合成データは、画像の色を形成する寄与色の各々の寄与を示すものを提供することができる。コンテンツ・タイプ識別子は、表示されている画像のタイプを特定する。例示的な画像のタイプには、テキスト、静止画、ビデオ、ウェブ・ページ、コンピュータ・アニメーション、または当該画像を生成するソフトウェア・アプリケーションの識別子が含まれる。ホスト・モード動作識別子はホストの動作モードを特定する。かかるモードは、コントローラが組み込まれるホスト・デバイスのタイプに基づいて変化する。例えば、携帯電話では、例示的な動作モードには、電話モード、カメラ・モード、スタンバイ・モード、テキスト入力モード、ウェブ閲覧モード、およびビデオ・モードが含まれる。環境センサ・データには、光検出器および熱センサのようなセンサからの信号が含まれる。例えば、環境データは、周辺光および温度のレベルを示す。ユーザ入力データは、ホスト・デバイスのユーザが提供した命令を含む。当該データを、ソフトウェアにプログラムするか、または、ハードウェア(例えば、スイッチまたはダイヤル)によって制御してもよい。ホスト命令データは、「シャット・ダウン」または「ターン・オン」信号のようなホスト・デバイスからの複数の命令を含んでもよい。電源レベル・データはホスト・プロセッサにより送信され、ホストの電源に残っている電力量を示す。
【0104】
別の実装形態では、入力処理モジュール1003により受信される画像データには、表示モードを選択するためのコーデックに従ってエンコードされたヘッダ・データが含まれる。エンコードされたデータは、ユーザ定義の入力、コンテンツのタイプ、画像のタイプ、または使用される特定の表示モードを示す識別子を含む、複数のデータ・フィールドを含んでもよい。ヘッダ内のデータが、いつ特定のイメージング・モードを使用できるかに関する情報を含んでもよい。例えば、ヘッダ・データが、特定の数のフレームの後に1フレームずつイメージング・モードを更新することを示し、または、当該イメージング・モードが、情報がそれ以外を示すまで無限に継続してもよい。
【0105】
これらのデータ入力に基づいて、イメージング・モード・セレクタ1007は、ブロック1102で受信したモード選択データの一部または全部に基づいて適切なイメージング・モードを決定する(ブロック1104)。例えば、イメージング・モード記憶部1009a〜nに格納したイメージング・モードの間で選択を行う。イメージング・モードの間での選択がイメージング・モード・セレクタにより行われるときは、当該選択を表示すべき画像のタイプに応じて行うことができる。例えば、ビデオまたは静止画はより細かいレベルの輝度レベル・コントラストが必要であるが、テキスト画像のような画像は限定された数のコントラスト・レベルが必要である。幾つかの実装形態では、イメージング・モードの間の選択をイメージング・モード・セレクタにより行って画像の品質を高める。したがって、DFC、CBU、およびフリッカのような画像アーチファクトを軽減するイメージング・モードを選択してもよい。イメージング・モードの選択に影響を及ぼしうる別の因子は、画像内で表示されている色である。観察者は、赤または青のような他の色と比較して、緑のような幾分知覚的により明るい色に関連する画像アーチファクトをより容易に認識しうることが分かっている。したがって、密集した赤または青の輝度レベルよりも、密集した緑の輝度レベルを表示するときの方が、DFCはより容易に認識され、DFCを軽減する必要性が高い。イメージング・モードの選択に影響を及ぼしうる別の因子は、デバイスの周辺光である。例えば、屋内または職場環境で見るときと、明るい日光の環境でディスプレイが競合しなければならな屋外で見るときとでは、ユーザは特定のディスプレイ輝度を好むかもしれない。より明るいディスプレイは、直射日光の環境では視認可能である可能性が高いが、より明るいディスプレイはより多くの量の電力を消費する。モード・セレクタは、周辺光を土台としてイメージング・モードを選択するときは、組み込んだ光検出器を介して受信した信号に応答してその判定を行うことができる。イメージング・モードの選択に影響を及ぼしうる別の因子は、ディスプレイが組み込まれたデバイスに電力を供給するバッテリ内に蓄積されたエネルギのレベルである。バッテリの貯蔵容量が尽きかけているときは、消費電力の少ないイメージング・モードに切り替えてバッテリの寿命を延ばすことが好ましいかもしれない。1つの事例では、入力処理モジュールは、入力画像の内容を監視し分析して、コンテンツのタイプの識別子を探す。例えば、入力処理モジュールは、画像信号がテキスト、ビデオ、静止画、またはウェブ・コンテンツを含むかどうかを判定することができる。当該識別子に基づいて、イメージング・モード・セレクタ1007は適切なイメージング・モードを決定することができる(ブロック1104)。
【0106】
入力処理モジュール1003が受信した画像データが、表示モードを選択するためのコーデックに従ってエンコードされたヘッダ・データを含む実装形態では、画像処理モジュール1003は、当該エンコードされたデータを認識して当該情報をイメージング・モード・セレクタ1007に渡すことができる。次に、モード・セレクタは、コーデック内の1つまたは複数の組のデータに基づいて適切なイメージング・モードを選択する(ブロック1104)。
【0107】
選択ブロック1104を論理回路により実装することができ、または幾つかの実装形態では、機械式中継器で実装することができる。当該機械式中継器は、タイミング制御モジュール1006内の参照をイメージング・モード記憶部1009a〜nのうち1つへと変更するものである。あるいは、選択ブロック1104を、イメージング・モード記憶部1009a〜nのうち1つの場所を示すアドレス・コードを受信することにより実現することができる。次に、タイミング制御モジュール1006は、スイッチ・コントロール1008を介して受信した選択アドレスを利用して、当該イメージング・モードに対するメモリ内の正確な位置を示す。
【0108】
ブロック1108で、入力処理モジュール1003は、選択されたイメージング・モードに基づいて複数のサブフレーム・データ・セットを導出し、当該サブフレーム・データ・セットをフレーム・バッファ1005に格納する。サブフレーム・データ・セットは、特定の寄与色の指定のビット番号に対する全ての画素の画素状態に対応する値を含む。サブフレーム・データ・セットを生成するために、入力処理モジュール1003は、所与の画像フレームに対応する表示装置の色画素ごとに入力画素を特定する。画素ごとに、入力処理モジュール1003は寄与色ごとの輝度レベルを決定する。寄与色ごとの輝度レベルに基づいて、入力処理モジュール1003は重み付け機構内の輝度レベルに対応する符号語を特定することができる。次に、当該符号語は一度に1ビット処理されて、サブフレーム・セットを埋める。
【0109】
完全な画像フレームが受信され、生成されたサブフレーム・データ・セットがフレーム・バッファ1005に格納された後、方法1100はブロック1110に進む。ブロック1110で、シーケンス・タイミング制御モジュール1006は、イメージング・モード記憶部内に含まれる命令を処理し、当該イメージング・モード内で事前にプログラムされた順序パラメータとタイミング値に従って信号をドライバに送信する。幾つかの実装形態では、生成されるサブフレームの数は選択されたモードに依存する。上述のように、イメージング・モードは、少なくとも1つのサブフレーム・シーケンスと対応する重み付け機構とに対応する。このように、イメージング・モードが、寄与色のうち1つまたは複数に対して特定の数のサブフレームを有するサブフレーム・シーケンスを特定してもよく、寄与色の各々に対応する特定の符号語をそこから選択するための重み付け機構をさらに特定してもよい。サブフレーム・データ・セットを格納した後、タイミング制御モジュール1006は、サブフレーム・シーケンスで定義された正しい順序で、かつ、イメージング・モード記憶部に格納されたタイミングおよび強度値に従って、ブロック1110でサブフレーム・データ・セットの各々を表示する。
【0110】
プロセス1100を決定ブロック1112に基づいて繰り返すことができる。幾つかの実装形態では、コントローラは、ホスト・プロセッサから受信した画像フレームに対してプロセス1100を実行する。プロセスが決定ブロック1112に到達すると、ホスト・プロセッサからの命令が、イメージング・モードを変更する必要がないことを示す。次に、プロセス1100はブロック1106で後続の画像データを受信し続ける。他の幾つかの実施形態では、プロセスが決定ブロック1112に到達すると、ホスト・プロセッサからの命令が、イメージング・モードが別のモードに変わる必要があることを示す。次に、プロセス1100は、新たなイメージング・モード選択データを受信することによりブロック1102で再開する。ブロック1106での画像データの受信からブロック1110でのサブフレーム・データ・セットの表示までのシーケンスを何回も繰り返すことができる。この場合、表示すべき各画像フレームは同一の選択されたイメージング・モード・テーブルにより支配される。このプロセスを、イメージング・モードを変更する指示が決定ブロック1112で受信されるまで続けることができる。代替的な実装形態では、決定ブロック1112を、定期的に、例えば10フレームごと、30フレームごと、60フレームごと、または90フレームごとにのみ実行してもよい。あるいは別の実装形態では、当該プロセスは、入力処理モジュール1003またはイメージング・モード・セレクタ1007の一方または他方から生ずる割込み信号を受信した後にのみ、ブロック1102で再開する。割込み信号を、例えばホスト・デバイスがアプリケーションを切り替えるたびに、または、環境センサのうちの1つからの出力が十分に変化した後に、生成してもよい。
【0111】
ブロック1204で画像データが収集されたことに応答して適切なイメージング・モードを選択することにより方法1100がどのように画像アーチファクトを削減できるかという何らかの例示的な技術を考えることが有益である。これらの例示的な技術は、一般に、画像アーチファクト削減技術と呼ばれる。以下の例示的な技術は、DFCを削減するための技術、CBUを削減するための技術、フリッカ・アーチファクトを削減するための技術、および複数のアーチファクト・タイプを削減するための技術にさらに分類される。
【0112】
一般に、寄与色の所与の輝度レベルに対して様々な符号語表現を使用できることにより、画像アーチファクトの削減においてさらなる柔軟性がもたらされる。バイナリ重み付け機構では、サブフレーム・シーケンスが固定されていると仮定して、各輝度レベルを単一の符号語表現のみを用いて表現することができる。したがって、コントローラは、1つの画素状態の組合せだけを使用して当該輝度レベルを表現することができる。非バイナリ重み付け機構では、各輝度レベルは複数の相違なる(または「縮退した」)画素状態の組合せを用いて表現することができ、コントローラは、画像の劣化をもたらすことなく画像アーチファクトの認識を減らす特定の画素状態の組合せを柔軟に選択する。
【0113】
上述のように、表示装置は非バイナリ重み付け機構を実装して様々な輝度レベルを生成することができる。そのようにする価値は、バイナリ重み付け機構の使用と比較して最も良く理解される。デジタルディスプレイは、しばしば、複数のサブフレーム画像の生成においてバイナリ重み付け機構を使用して所与の画像フレームを生成する。ここで、画像フレームの寄与色に対する各サブフレーム画像はバイナリ列1、2、4、8、16等に従って重み付けされる。しかし、バイナリ重みはDFCに寄与する可能性がある。これは、寄与色の輝度値の小さな変化が出力光の時間分布の大きな変化をもたらす状況から生ずる。そして、目または関心領域の動きにより、目に対する光の時間分布において大きな変化が生ずる。
【0114】
バイナリ重み付け機構は、2つの固定輝度レベルの間の輝度レベル全てを表すのに必要な最小数のビットを使用する。例えば、256個のレベルに対しては、8個のバイナリ重みビットを利用することができる。かかる重み付け機構では、0から255の間の各輝度レベルが、全部で256個の輝度レベルから生じ、1つの符号語表現のみを有する(即ち、縮退はない)。
【0115】
図10は、8ビットのバイナリ重み付け機構を実装する際に使用するのに適した輝度レベル・ルックアップ・テーブル1050(LLLT1050)を示す。LLLT1050の最初の2行は、LLLT1050に関連する重み付け機構を定義する。残りの2行は、2つの特定の輝度レベル、即ち、輝度レベル127と128に対応するテーブル内の単なる例示的なエントリである。
【0116】
上述のように、LLLT1050の最初の2行はその関連する重み付け機構を定義する。「ビット番号」のラベルを付した最初の行に基づいて、当該重み付け機構が、各々1つのビットで表される別々のサブフレーム画像の使用に基づいて所与の輝度レベルを生成することが明らかである。「重み」のラベルを付した2番目の行は、8個のサブフレームの各々に関連する重みを特定する。重み値から分かるように、各サブフレームの重みはビット0からビット7に向かって前の重みの2倍となっている。したがって、当該重み付け機構はバイナリ重みの重み付け機構である。
【0117】
LLLT1050のエントリは、所与の輝度レベルの生成に用いる8個のサブフレーム画像の各々の中の画素状態(オンまたはオフ)に対する値(1または0)を特定する。対応する輝度レベルは、右端の列で特定される。当該値の列が、当該輝度レベルに対する符号語を構成する。例示の目的のため、LLLT1050は、輝度レベル127および128に対するエントリを含む。バイナリ重みの結果、輝度レベル127と128のような輝度レベルの間の出力光の時間分布は劇的に変化する。LLLT1050で分かるように、輝度レベル127に対応する光は符号語の末尾で生じ、輝度レベル128に対応する光は符号語の先頭で生ずる。この分布は、望ましくないレベルのDFCにつながる可能性がある。
【0118】
したがって、本明細書で提供する幾つかの技術では、非バイナリ重み付け機構を使用してDFCを削減する。これらの技術では、所与の範囲の輝度値に対して符号語を生成するビットの数は、同一の範囲の輝度値を含むバイナリ重み付け機構を用いて符号語を生成するために使用されるビットの数よりも大きい。
【0119】
図11は、12ビットの非バイナリ重み付け機構を実装する際に使用するのに適した輝度レベル・ルックアップ・テーブル1140(LLLT1140)を示す。
図10に示したLLLT1050と同様に、LLLT1140の最初の2行はLLLT1140に関連する重み付け機構を定義する。残りの10行は、2つの特定の輝度レベル、即ち、輝度レベル127と128に対応するテーブル内の例示的なエントリである。
【0120】
LLLT1140は、合計で12ビットを使用して256個の輝度レベル(即ち、0から255の輝度レベル)を表す12ビットの非バイナリ重み付け機構に対応する。この非バイナリ重み付け機構では、重み付け機構は単調に増大する重みの列を含む。
【0121】
上述のように、LLLT1140は2つの輝度レベルに対して複数の例示的な符号語のエントリを含む。LLLT1140に対応する重み付け機構を用いて輝度レベルの各々を30個の一意な符号語により表現できるが、30個の一意な符号語のうち5個のみを輝度レベルごとに示してある。DFCが光分布の時間出力における十分な変化に関連付けられているので、隣接する輝度レベルの間の時間的な光分布における変化を削減する特定の符号語を1組の完全な可能な符号語から選択することによって、DFCを削減することができる。したがって、幾つかの実装形態では、当該重み付け機構を用いるとより多くの符号語を利用することができるが、LLLTが所与の輝度レベルに対して1つまたは選択した数の符号語を含んでもよい。
【0122】
LLLT1140は、2つの特に突出した輝度値、即ち127と128に対する符号語を含む。8ビットのバイナリ重み付け機構では、これらの輝度値により、任意の2つの隣接する輝度値の最も発散的な光分布が生じ、したがって、互いに隣接して表示されたとき、検出可能なDFCが生ずる可能性が最も高い。非バイナリ重み付け機構の利点は、LLLT1140のエントリ1142および1144と比較したときに明らかになる。非常に発散的な光分布の代わりに、輝度レベル127および128を生成するこれらの2つのエントリを使用すると、ほとんど発散が生じない。具体的には、この差異は最下位ビットにある。
【0123】
同様に256個の輝度レベルの生成に使用される代替的な12ビットの非バイナリ重み付け機構では、1組の単調に増大する重みに1組の等しい重みが続く。例えば、合計で12ビットを使用し256個の輝度レベルを表現するのに使用できる別の表現が、重み付け機構[32、32、32、32、32、32、32、16、8、4、2、1]により提供される。さらに他の実装形態では、重み付け機構は第1の重み付け機構と第2の重み付け機構から生成される。当該第1の重み付け機構はバイナリ重み付け機構であり、当該第2の重み付け機構は非バイナリ重み付け機構である。例えば、重み付け機構の4つの重みのうち最初の3つがバイナリ重み付け機構(例えば、1、2、4、8)の一部である。次の1組のビットが、1組の単調に増大する非バイナリ重みを有してもよい。ここで、重み付け機構におけるN番目の重み(wN)はwN−1+wN−3に等しく、または、重み付け機構におけるN番目の重み(wN)はN−1+wN−4に等しく、重み付け機構における全ての重みの合計は輝度レベルの数に等しい。
【0124】
どの符号語がLLLTに含まれるかを判定するため、符号語の様々な組合せを評価してそのDFCに対する潜在的な寄与を分析することができる。具体的には、DFC計量関数D(x)を、2つの符号語の間の光分布における差異に基づいて定義することができる。即ち、
【0126】
ここでxは所与の輝度レベルであり、M
i(x)は当該輝度レベルのビット値であり、W
iはビットiに対する重みであり、Nは符号語における色のビットの総数であり、Absは絶対値関数である。
【0127】
DFCを削減するために、様々な表現M
iを用いることによって関数D(x)を全ての輝度レベルxに対して最小化することができる。次に、特定した符号語表現からLLLTを生成する。一般に、最適化手続きでは、輝度レベルごとにD(x)の最小化を可能とする最良の符号語を発見することができる。
【0128】
図12Aは、DFCに対する第2の技術、即ち、様々な符号語したがって様々な画素状態の組合せを用いて同一の輝度レベルを2つの画素で並列に生成することを示す、ディスプレイの例示的な部分1200を示す。具体的には、当該ディスプレイ部分は、7x7の画素格子を含む。当該画素のうち20個に対する輝度レベルをA1、A2、B1またはB2として示してある。当該図で使用するように、輝度レベルA1は、異なる画素状態の組合せを用いて生成されているが、輝度レベルA2(128)と同一である。同様に、輝度レベルB1は、異なる画素状態の組合せを用いて生成されているが、輝度レベルB2(127)と同一である。
【0129】
図12Bは、例示的な実装形態に従う
図12Aのディスプレイ1200を生成する際に使用するのに適した例示的なLLLT1220を示す。具体的には、LLLT1220は、色重みのシーケンスと輝度レベル127および128に対する例示的なエントリを定義する、2つの行を含む。LLLT1220は輝度レベルごとに2つのエントリを含む。本技術の様々な実装形態では、ディスプレイ・コントローラが、様々なプロセスに従って特定の画素に対する輝度レベルを使用するのに用いるLLLTから特定のエントリを選択する。例えば、ディスプレイ1200を生成するために、128の輝度レベルを使用するためにA1を使用するかA2を使用するかの選択をランダムに行う。あるいは、ディスプレイ・コントローラが、例えば、輝度レベルごとに異なるエントリを含む2つの別々のルックアップ・テーブルからエントリを選択することができ、または、所定のシーケンスに従ってエントリを選択することができる。
【0130】
図12Cは、画素ごとに、当該画素に対する符号語の選択に使用すべき特定のLLLTの表示を示す、ディスプレイの例示的な部分1230を示す。
図12Cは、画素値を表示装置に生成するのに使用される符号語を空間的に変化させるための別の代替手段を示す。ディスプレイ1230では、b
Aおよびb
Bとラベルが付された2つのLLLTが、交互に「碁盤」形式で、即ち、行および列ごとに交互に、画素に割り当てられている。幾つかの実装形態では、当該2つのLLLTを適用するコントローラが、フレームごとにこの碁盤型式の割当てを反転させる。
【0131】
図12Dは、
図12Cに関連して説明したLLLTb
Aおよびb
Bとして使用するのに適した、2つのLLLTの内容をグラフィカルに示す2つの例示的なチャートを示す。各チャートの縦軸は輝度レベルに対応する。横軸は、[9、8、6、8、1、2、4、8、8、9]の左から右へ、バイナリ重みを伴う特定のサブフレーム・シーケンス内に現れる際に配置された個々の符号語の位置を反映する。白の部分は、ビットのゼロでない値を表し、暗い部分はビットのゼロである値を表す。全体として、各チャートは、0から63の範囲の64個の輝度レベルに対して再整列した符号語を表す。
【0132】
分かるように、当該2つのチャートは同じ重み付け機構を用いて同じ範囲の輝度レベルをカバーするが、これらのチャートは全く異なって見える。これらの差異は、表現されたLLLTが、上述の非バイナリ重み付け機構により利用可能となった縮退を利用していることを示す。一般に、LLLTb
Aに対応するチャートではシーケンスの末尾に点灯が集中する傾向があり、LLLTb
Bに対応するチャートではシーケンスの先頭に点灯が集中する傾向があることが分かる。
【0133】
図12Cで使用される交互式のLLLTに有用でありうる他の重みシーケンスには、[12、8、6、5、4、2、1、8、8、9]、[15、8、4、2、1、8、8、4、9、4]、[4、12、2、13、1、4、2、4、8、13]、[17、4、1、8、4、4、7、4、2、12]、[12、4、4、8、1、2、4、8、7、13]、および[13、4、4、4、2、1、4、4、10、17]がある。
図12Cおよび
図12Dでは、同じ重みシーケンスがb
Aおよびb
BのLLLTの両方に対して使用されることが前提である。他の実施形態では、別の重みシーケンスをb
Aおよびb
BのLLLTに対して使用する。幾つかの実装形態では重みシーケンスが寄与色の各々に対して同一であってもよい。
【0134】
図12Eは、特に高PPI(pixels−per−inch)の表示装置に適した、異なる画素状態の組合せを用いて同じ輝度レベルを4つの画素で並列に生成することによってDFCを削減するための技術を示す、ディスプレイの例示的な部分1250を示す。具体的には、
図12Eは、画素ごとに当該画素の符号語の選択に使用すべき4つの異なるLLLT、即ちb
A、b
B、b
C、およびb
Dのうち1つの表示を示す、ディスプレイの一部13250を示す。ディスプレイ1250では、4つのLLLTが2x2のブロックで画素に割り当てられている。次に、当該ブロックはディスプレイの横および下方に繰り返される。代替的な実装形態では、異なるLLLTSのブロック内の画素への割当てを、ブロック単位で変化させることができる。例えば、LLLTの割当てを、前のブロックで用いた割当てに関して回転させるかまたは反転させてもよい。幾つかの実装形態では、コントローラは、2つの鏡像関係のLLLT割当てを碁盤形式で交互に入れ替えてもよい。
【0135】
図12Fは、
図12Dと同様に、ディスプレイ1250内の画素に割り当てられたLLLTの各々に含まれる様々な符号語をグラフィカルに示す。
図12Dと同様に、
図12Fに示す各チャートは、同数および同じ重みの画素状態を用いて同じ範囲の輝度レベルを示す。このケースでは、当該画素状態は、[4、13、6、8、1、2、4、8、8、9]のシーケンスに従って重み付けされている。使用する重み付け機構の縮退のため、各チャートは他と有意に異なって見える。
【0136】
図12C乃至Fで示した原理を、追加のLLLTおよびLLLT画素割当て機構の使用に拡張することができる。例えば、LLLTを任意の適切な形式で画素に割り当ててもよい。当該形式には、各々に異なるLLLTが割り当てられたN×Mの画素ブロック(Nおよび/またはMは1より大きい)を、ランダムに、行で、または列で、様々に繰り返すことが含まれる。領域内の各画素が様々なLLLTに関連付けられている大規模な画素領域が、約200PPIより高いもののような、単位領域あたり高い密度を有する高いPPIディスプレイに対して有用でありうる。
【0137】
図13は、画素値を表示装置上に生成するのに使用される符号語を空間的に変化させる第3のプロセスを利用するのに適した、4つのサブフレーム・シーケンスを説明する2つのテーブル1302および1304を示す図である。このプロセスでは、LLLTを交互に使用するのではなく、本技術を実装するコントローラでは2つのサブフレーム・シーケンスを交互に使用する。テーブル1302と1304を参照すると、両方のテーブルが3つの行を含む。最初の2行は、1つの画像フレームを生成する際にどのサブフレーム・データ・セットがディスプレイに出力されるかに応じて、サブフレーム・シーケンスを特定する。最初の行は、出力すべきサブフレーム・データ・セットの色を特定し、2番目の行は、当該色に関連するサブフレーム・データ・セットのうちどれを出力すべきかを指定する。最後の行は、その特定のサブフレームの出力に関連する重みを特定する。
【0138】
テーブル1302および1304では、サブフレーム・シーケンスは3つの寄与色、即ち、赤、緑、および青に対応する36個のサブフレームを含む。テーブル1302および1304に対応するサブフレーム・シーケンスの間の差異は、矢印により示されるように、同じ重みを有する2つのビット位置を交換した点である(例えば、第2のビット分割された緑のビット番号4の符号語における位置は、緑のビット番号3の符号語における位置と交換されている)。交換されたビットの色と重みは同じであるので、サブフレーム・シーケンスを所与の画像フレーム内部で1画素ずつ交換することができる。
【0139】
幾つかの技術では、画素値を表示装置上に生成するのに使用される符号語を時間的に変化させることによって、DFCを軽減することができる。幾つかのかかる技術では、同じ輝度レベルを表現する複数の符号語表現を使用できる機能を利用する。
【0140】
図14は、この技術を、ディスプレイの局所領域における同一のディスプレイ要素の後続フレーム1402および1404の図的表現により説明する。即ち、画素の輝度値は両方の画像フレーム、即ちAまたはBの何れかにおいて同一である。しかし、これらの輝度レベルは、異なる符号語で表された異なる画素状態の組合せを介して生成される。(輝度レベル128に対する)符号語エントリA1、A2および(輝度レベル127に対する)B1、B2は、例えば、
図12Aのテーブル1200に示すエントリに対応することができる。フレーム1の間は、エントリA1およびB1に対応する符号語は画像フレームの表示に使用され、続くフレーム2の間は、エントリA2およびB2に対応する符号語が使用される。本技術を、連続したフレームにおける同一の輝度レベルに対して3つ以上の符号語を利用して、複数のフレームに拡張することもできる。同様に、任意の所与の画素の値に関わらず、当該概念をフレームごとに異なるLLLTの使用に拡張することができる。
図14に示す例では非バイナリ重み付け機構を用いた時間的に変化する符号語のパターンに関する技術を示したが、ビット分割によりバイナリ重み付け機構を用いて当該技術を実装することができる。幾つかの実装形態では、当該画素状態の時間的変化を、例えば
図13に示したように、サブフレーム・シーケンス内部のビットの配置を変化させることによって実現することができる。幾つかの実装形態では、例えば、
図12Aおよび12Eに関して説明したように画素値を表示装置上に生成するために用いる符号語を空間的に変化させる技術と、
図14に関して説明したように画素値を表示装置上に生成するために用いる符号語を時間的に変化させる技術とを組み合わせることによって、当該画素状態を時間的にも空間的にも変化させる。幾つかの実装形態では、2つの別々のLLLTを使用して、
図12Cに関して説明した技術と同様に符号語を時間的に変化させてもよい。しかし、この実装形態では、当該2つのLLLTは同一の画素に割り当てられているが、画素フレームごとに交互のパターンで使用されている。このように、奇数番号のフレームを、第1のLLLTを用いて表示することができ、偶数番号のフレームを、偶数番号のフレームを用いて表示することができる。幾つかの実装形態では、当該パターンを空間的に隣接する画素または画素ブロックに対して反転し、各画像フレームを反転する碁盤形式でLLLTを適用する。
【0141】
幾つかの技術では、サブフレーム・シーケンスが異なる色に対して異なるビット配置を有することができる。これにより、異なる色に対するDFC削減をカスタマイズすることができる。なぜならば、青に対するDFCの削減は、赤と比較すると少なく、緑と比較するとさらに少ない可能性があるからである。以下の例では、かかる技術の実装形態を示すことができる。
【0142】
図15Aは、
図1Bの表示装置128による使用に適した、様々な寄与色に対する様々なビット配置を有するサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル1502の図である。本技術は、色に基づく知覚的に等価なDFC削減を可能とするのに有用でありうる。例えば、例示の目的のため、
図15Aは、最大の重みを有する最上位ビットがその両側に連続的に低下する重みのビットを伴って配置されるグループ化が色ごとに異なっているという実装形態を示す。
図15Aに示すように、緑はグループ化された4つの最上位ビット(例えば、ビット番号4乃至7)を有し、赤はグループ化された最上位ビットのうち3つ(例えば、ビット番号5乃至7)を有し、青はグループ化された最上位ビットのうち2つ(例えば、ビット番号6および7)を有する。
【0143】
上述のように幾つかの技術では、サブフレーム・シーケンスが色ごとに異なるビット配置を有することができる。サブフレーム・シーケンスが異なるビット配置を使用できる1つの方法には、ビット分割の使用がある。ビット分割は、サブフレーム・シーケンスの設計にさらなる柔軟性をもたらし、DFCの削減に使用することができる。ビット分割は、所与の画像フレームにおいて、大きな重みを有する寄与色のビットを複数回(各回、ビットの全期間または全強度の一部に対して)分割し表示できる技術である。
【0144】
図15Bは、
図1Bの表示装置128による使用に適した様々な寄与色に対して様々な数のビットが分割されるサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル1504の図である。テーブル1504では、当該サブフレーム・シーケンスは、青に対応する10個のサブフレームを含み、ビット番号6および7が分割され(8ビットの色ごとに10個の遷移をもたらし)、赤に対応する11個のサブフレームを含み、ビット番号5、6、および7が分割され(8ビットの色ごとに11個の遷移をもたらし)、緑に対応する12個のサブフレームを含み、ビット番号4、5、6、および7が分割され(8ビットの色ごとに12個の遷移をもたらし)ている。かかる配置構成は、多数の可能な配置構成の1つにすぎない。別の例では、青に対して9個の遷移を有し、赤に対して12個の遷移を有し、緑に対して15個の遷移を有してもよい。テーブル1504で示したように、サブフレーム・シーケンスはバイナリ重み付け機構に対応する。このビット分割技術は非バイナリ重み付け機構にも適用可能である。
【0145】
サブフレーム・シーケンスが異なるビット配置を使用できる別の方法には、異なる寄与色に対して異なるビット深度を使用することがある。本明細書で使用する際、ビット深度とは、寄与色の輝度レベルを表すのに用いられる別々に値を付与されたビットの数を指す。本明細書で説明したように、非バイナリ重み付け機構の使用により、
図11に関して説明したように、特定の輝度レベルを表現するのに多くのビットを使用することができる。特に、輝度レベル127を表現するのに12ビットが使用され、バイナリ重み付け機構では、(
図10に関して説明したように)8ビットしか使用されない。縮退を与えることにより、表示装置は、画像を劣化させることなく画像アーチファクトの認識を減らす特定の画素状態の組合せを選択することができる。このように、異なる色に対して異なる重み付け機構(例えば12ビットの非バイナリ重み付け機構と8ビットのバイナリ重み付け機構)を使用するのは、様々な色がどのようにより多くのビットを使用できるかの1例である。次に、幾つかの実装形態では、2つ以上の寄与色に対して異なるビット深度を用いることにより、知覚的により明るい色(例えば、緑)に対してより多くのビットを使用することができる。これにより、より高いビット深度を用いた色に対してDFCをより削減するビット配置が可能となる。
【0146】
図15Cは、様々な数のビットが様々な寄与色に対して使用されるサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル1508の図である。テーブル1508では、サブフレーム・シーケンスは、利用可能な縮退した符号語を介して十分なDFC削減を可能とするための、(非バイナリ重みを用いた)緑に対する12個の一意なビットに対応する12個のサブフレームと、赤に対して11個の一意なビットに対応する11個のサブフレームと、青に対する9個の一意なビットに対応する9個のサブフレームとを含む。当該一意なビットは、それらの一意なビット番号により示される。これは、分割されたビットとは対照的である。分割されたビットにおいては、分割されているビットに対応するサブフレームに対してビット番号は同一である。例えば、テーブル1504では、ビット分割の概念を示し、赤のビット番号7は、両方が同一の対応するビット番号を有する2つのサブフレーム1505Aおよび1505Bに分割され、青のビット番号7は、やはり同一の対応するビット番号を有する、2つのサブフレーム1506Aおよび1506Bに分割される。
【0147】
DFCを軽減するための1つの技術は、ディザリングを使用することである。本技術の1実装形態では、Floyd−Steinberg誤差拡散アルゴリズムまたはその変形のようなディザリングアルゴリズムを用いて画像を空間的にディザリングする。特定の輝度レベルが、特に厳しいDFC応答を生じさせることが知られている。本技術では、所与の画像フレームにおいてかかる輝度レベルを特定し、それらを他の近傍の輝度レベルで置き換える。幾つかの実装形態では、特定の重み付け機構の全ての輝度レベルに対してDFC応答を計算し、特定の閾値より高いDFC応答を当該画像から生成する輝度レベルを他の適切な輝度レベルで置き換えることが可能である。いずれの場合でも、DFCを回避または削減するために輝度レベルを変更するときは、空間的なディザリングアルゴリズムを用いて他の近傍の輝度値を調節して画像全体に及ぼす影響を軽減する。このように、置き換えるべき輝度レベルの数が大きすぎない限り、画像品質に大幅に影響を及ぼすことなくDFCを最小化することができる。
【0148】
別の技術では、ビットのグループ化を使用する。1組の所与のサブフレーム重みに対して、小さな重みに対応するビットをグループ化して色比率を維持しつつDFCを削減することができる。色比率は1つの画像フレームにおける最長のビットまたはビット・グループが点灯する長さに比例するので、本方法は、相対的に小さな関連する重みを有する多くのサブフレームが存在するサブフレーム・シーケンスにおいて有用でありうる。当該相対的に小さな関連する重みは、合計すると、特定の寄与色に対する重み付け機構の画素値に対応する最大の重みにほぼ等しくなる。この概念を示すために2つの例を与える。
【0149】
例1:
サブフレームの重み w=[5、4、2、6、1、2、4、7]
色の順序 RGB RGB RGB RGB RGB
RGB RGB RGB
【0150】
例2:
サブフレームの重み w=[5、4、2、6、1、2、4、7]
色の順序 RR GG BB RRRRGGGGBBB
B RR GG BB
【0151】
第2の例では、2つの隣接する赤のサブフレームを使用することで、最初の2つのビット(重み5および4)を効果的にグループ化し、色比率が若干減ることを犠牲としてDFCを改善する。
【0152】
本明細書で説明したMEMSベースのディスプレイの一部のような、画像生成のためにFSC法を利用するディスプレイでは、CBUアーチファクトを回避するのに十分なほど高く色変化率を設計する必要があるということをさらに考慮する必要がある。幾つかの実装形態では、異なる色領域(例えばR、GおよびBの領域)のサブフレーム画像(場合によってはビット・プレーンと呼ばれる)を画素アレイにロードし、特定の時間シーケンスまたはスケジュールで高い色変化率で点灯して、CBUを削減する。CBUは、関心領域にわたる人間の目の動きに起因して観察される。これは、目が対象物を追ってディスプレイを横断するときに生じうる。CBUは、通常、その背景に対して高いコントラストを有する対象物の周囲の一連の牽引するまたは先導する色帯域として観察される。CBUを回避するために、かかる色帯域を回避するのに十分な頻度で生ずるように色遷移を選択することができる。
【0153】
図16Aは、
図1Bの表示装置128により使用するのに適した、増大する色変化周波数を有するサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル1602の図である。テーブル1602は、色バイナリ符号語ごとに8ビットを使用するフィールド・シーケンシャル・カラー・ディスプレイのためのサブフレーム・シーケンスを示す。当該サブフレームは、
図16Aにおいて左から右に順序づけられている。画像フレーム内で点灯すべき先頭のサブフレームは赤のビット番号7であり、点灯すべき最後のサブフレームは青のビット番号2である。このシーケンスを60Hzのフレーム・レートで完了するのに許容される合計時間は約16.6ミリ秒である。
【0154】
サブフレーム・シーケンス1602では、赤、緑、および青のサブフレームを時間的に混合して、高速な色変化率を生成しCBUアーチファクトを生成する。本例では、1フレーム内の色変化の回数はここでは9であり、したがって60Hzのフレーム・レートでは、色変化率は約9*60Hz即ち540Hzであるが、当該アルゴリズムにおいて、厳密な色変化率は任意の2つの連続する色の間の最大時間間隔で決まる。
【0155】
図16Bは、色の非バイナリ符号語ごとに12ビットを使用するフィールド・シーケンシャル・カラー・ディスプレイ向けのサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル1604の図である。テーブル1602のサブフレーム・シーケンスと同様に、サブフレームは右から左に順序付けられている。説明の簡単さのため、1つの色(緑)のみを示してある。本実装形態は、本実装形態が非バイナリ重み付け機構に関連する色符号語ごとに12ビットを使用するサブフレーム・シーケンスに対応することを除いて、
図16Aに示すサブフレーム・シーケンス1602と同様である。
【0156】
フリッカは輝度の関数であり、したがって、ビット・プレーンのサブフィールドおよび色が異なればフリッカに対する感度も異なりうる。したがって、フリッカを異なるビットに対して別々に軽減してもよい。幾つかの実装形態では、小さなビット(例えば、ビット番号0〜3)に対応するサブフレームはほぼ第1の速度(例えば、約45Hz)で示され、大きなビット(例えば、最上位ビット)に対応するサブフレームはその速度の約2倍以上の速度(例えば、約90Hz以上)で繰り返される。かかる技術ではフリッカは現れず、本明細書で提供した画像アーチファクトを削減するための様々な技術でかかる技術を実装してもよい。
【0157】
図17Aは、
図1Bの表示装置128による使用に適した、様々なビットに対して様々なフレーム・レートを使用することによってフリッカを削減するためのサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル1702の図である。テーブル1702のサブフレーム・シーケンスは上記の技術を実現する。なぜならば、各色のビット番号0〜3は、(例えば、約45Hzの速度を有する)フレームごとに1回しか現れず、ビット番号4〜7はビット分割されてフレームごとに2回現れるからである。かかるフリッカ削減技術では、光インパルスの有効輝度に対する人間の視覚体系の感度の依存性を利用している。当該有効輝度は、フィールド・シーケンシャル輝度レベルの状況では、点灯パルスの期間と強度に関連する。例えば、本明細書で説明した技術では、緑の大きな重みを有するビットは、約60Hzで大幅なフリッカ速度感度を示すが、小さなビット(例えば、ビット番号0〜4)は低い周波数でもあまりフリッカを示さない。大きなビットと組み合わせると、小さなビットに起因するフリッカのノイズはさらにあまり目立たなくなる。
【0158】
幾つかの技術では、60Hzのフレーム・レート未満でフリッカのない動作を実現する。
図17Bは、閾値フレーム・レート未満のフレーム・レートを削減することによってフリッカを削減するためのサブフレーム・シーケンスの一部を説明する例示的なテーブル1704の図である。具体的には、テーブル1704は、約30Hzのフレーム・レートで表示されるサブフレーム・シーケンスの一部を示す。幾つかの実装形態では、60Hz未満の他のフレーム・レートを使用することができる。本例では、ビット番号6および7を3回分割し、フレームにわたって十分に均一に分散させ、均等な、約30*3、即ち、約90Hzの反復率を生じさせる。ビット5、4および3は2回分割し、フレームにわたって十分に均一に分散させ、約60Hzの反復率を生じさせる。ビット番号2、1および0はフレームごとに約30Hzの速度で1回しか表示されないが、フリッカへの影響は、その有効輝度が非常に小さいので無視することができる。したがって、全体のフレーム・レートは比較的長いかもしれないが、大きな重みのサブフレームごとの有効フレーム・レートはかなり高い。
【0159】
幾つかの技術では、色ごとにフリッカを別々に軽減してもよい。例えば、本明細書で説明した技術の幾つかの実装形態では、緑ビットの反復率が他の色の同様な(即ち、同様な重みを有する)ビットの反復率よりも大きくてもよい。1つの特定の例では、緑ビットの反復率が赤の同様なビットの反復率よりも大きく、これらの赤ビットの反復率は青の同様なビットの反復率よりも大きい。かかるフリッカ削減方法では、光の色に対する人間の視覚体系の感度の依存性を利用している。当該依存性により、人間の視覚体系は赤や青よりも緑により敏感である。より具体的な例として、少なくとも約60Hzのフレーム・レートは緑色のフリッカを排除するが、より低いレートが赤に対して許容可能であり、さらに低いレートが青に対して許容可能である。青に対しては、フリッカを約45Hzのレートに対して約1〜100ニットの合理的な輝度範囲で軽減することができる。この輝度範囲は、一般にモバイル・ディスプレイの製品に関連付けられている。
【0160】
幾つかの技術では、点灯の強度調節を用いてフリッカを軽減する。点灯源のパルス幅変調を、本明細書で説明したディスプレイで使用して輝度レベルを生成することができる。特定のディスプレイ・モードでは、
図18Aのタイミング・シーケンスで示すように、ディスプレイのロード時間が、(例えば、LEDまたは他の光源の)点灯時間よりも長くてもよい。
【0161】
図18Aおよび18Bは、照明強度を調節することによりフリッカを削減するための技術に対応するグラフィカル表現を示す。グラフィカル表現1802および1804は、縦軸が照明強度を表し横軸が時間を表すグラフを含む。
【0162】
LEDがオフである時間により、フリッカに寄与しうる不要な空白期間が生ずる。グラフィカル表現1802では、強度調節は使用されない。例えば、緑のビット番号1に関連するサブフレームに対してデータのロードが発生したとき(「データ・ロードG1」)、赤のビット番号4に対応するサブフレームが点灯する。緑ビット番号1に関連するサブフレームが次に点灯するとき、当該サブフレームは、赤のビット番号4に関連するサブフレームと同じ照明強度で点灯する。緑ビット番号1の重みは非常に小さいので、この照明強度では、サブフレームにより提供される所望の強度は、次のサブフレームに対してデータにロードするのに要する時間よりも少ない時間で達成される。したがって、緑のビット番号1のサブフレームの点灯時間が終了した後に、LEDがオフにされる。したがって、緑のビット番号1のサブフレームの点灯時間が終了した後にLEDをオフにする必要がある。これは、
図18AのLED OFFブロックから分かる。図に示したように、GUTは、ディスプレイのグローバル更新遷移を表す。
【0163】
図18Bは、照明強度を変化させることによってフリッカが削減されることを表すグラフィカル表現1804を示す図である。本例では、緑のビット番号1のサブフレームに対するLEDの照明強度を低下させ、そのサブフレームの期間を増加させて、次のサブフレームのデータ・ロード時間(「データ・ロードG3」)の全体を占めるようにする。本技術は、LEDがオフである時間を短縮または排除することができ、フリッカ性能が高まる。さらに、LEDはその駆動電流の増加に対する非線形応答に起因して低強度でより効率的に動作するので、LEDが低強度レベルで動作できるようにすることによって、本技術は表示装置の電力消費を削減することもできる。
【0164】
幾つかの技術では、(例えば2個、3個、4個、またはそれ以上の)複数の色領域機構を後続フレームにおいて交互に使用して、DFCおよびCBUのような複数の画像アーチファクトを並列に軽減する。
【0165】
図19は、一連の画像フレームを介した2つの異なる重み付け機構の使用の間で交互に発生する2フレームのサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル1900を示す。フレーム1に対応するサブフレーム・シーケンスで使用される符号語は、CBUを軽減するように設計された重み付け機構から選択され、フレーム2に対応するサブフレーム・シーケンスで使用される符号語は、DFCを軽減するように設計された重み付け機構から選択される。色および/またはビットの配置構成も後続フレームの間で変化させてもよいことは理解される。
【0166】
幾つかの実装形態では、特定の重み付け機構に従う寄与色の全ての輝度レベルに対応する様々な組の縮退した符号語を、サブフレーム・シーケンスの生成に利用することができる。このように、サブフレーム・シーケンスが様々な組の縮退した符号語のうち任意のものから符号語を選択して、画像アーチファクトの認識を軽減することができる。例えば特定の重み付け機構に対応する第1の組の符号語が、対応する重み付け機構に従って生成できる特定の寄与色の輝度レベルごとに符号語のリストを含むことができる。同じ重み付け機構に対応する、対応する数の他の組の符号語が、対応する重み付け機構に従って生成できる特定の寄与色の輝度レベルごとに別の符号語のリストを含むことができる。特定の寄与色の輝度レベルごとに複数の組の符号語をもたせることによって、本明細書で説明した1つまたは複数の技術が、異なる1組の符号語からの符号語を用いてサブフレーム・シーケンスを生成することができる。幾つかの実装形態では、特定の輝度レベルが空間的または時間的に互いと隣接して表示されるときに使用するために、当該異なる1組の符号語が互いに対して補完するものであってもよい。
【0167】
幾つかの技術では、他の技術の組合せを使用してDFC、CBU、およびフリッカを削減する。
図20は、DFC、CBU、およびフリッカを軽減するための様々な技術を組み合わせたサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル2000を示す。当該サブフレーム・シーケンスはバイナリ重み付け機構に対応するが、他の実装形態では他の適切な重み付け機構を利用してもよい。これらの技術では、ビット分割と、色サブフレームを最大の重みまたは点灯値と時間的にグループ化することとを使用する。
【0168】
図15Bに関して上述したように、ビット分割は、サブフレーム・シーケンスの設計にさらなる柔軟性をもたらし、DFCの削減に使用することができる。
図16Aに示したサブフレーム・シーケンス1602は高い色変化周波数という利点があるが、DFCの影響の点ではあまり有利でない。この理由は、サブフレーム・シーケンス1602では、ビット番号の各々がフレームごとに1回しか点灯せず、大きな重みを有する点灯したサブフレームの間に時間ギャップまたは時間分離が生ずるからである。例えば、赤番号6および赤番号5に対応するサブフレームが、サブフレーム・シーケンス1602において高々5ミリ秒だけ分離する可能性がある。
【0169】
対照的に、
図20のサブフレーム・シーケンスは、所与の色の最上位ビットが時間的に近接してグループ化される技術に対応する。本技術では、最上位ビット番号4、5、6および7は、各フレームで2回現れるだけでなく、それらがサブフレーム・シーケンス内で互いに隣接して現れるように順序付けられている。このようにビット番号をグループ化した結果、最高の輝度レベルを有する画像領域では、単一の色のランプがほぼ単一の光パルスとして点灯するように見えるが、当該ランプは実際には短期間(例えば、4ミリ秒より少ない期間)しか持続しないシーケンスで点灯する。テーブル2000に対応する例示的なサブフレーム・シーケンスでは、最上位ビット(MSB)の点灯されたサブフレームをこのようにグループ化することは、色ごとの各フレームにおいて2回行われる。
【0170】
一般に、MSBサブフレームの時間的に近接した関係は、光の時間的中心の視覚的な認識により特徴付けることができる。目は、近接した点灯シーケンスが特定の一時点に生ずると認識する。各寄与色におけるMSBサブフレームの特定のシーケンスは、隣接画素の間で通常生ずる輝度レベルの変動に関わらず、光の時間的中心におけるどのような認識変化も最小化するように設計される。
図20に示す例示的なサブフレーム・シーケンスでは、寄与色ごとに、最大の重みを有するビットをグループの中心に向かってビット・シーケンスの両側で連続的に低くなる重みのビットを伴って配置し、DFCを削減する。光の時間的中心の概念(質量中心の機械的概念と類似)を、光分布の軌跡G(x)を定義することによって定量化することができる。当該軌跡は、特定の輝度レベルxに応じた時間的に微妙な変動を示すことが期待される。
【0172】
ここで、xは所与の輝度レベル(または所与の色領域内で示された輝度レベルの選択結果)であり、M
i(x)はビットiに対する当該特定の輝度レベルの値(または所与の色領域内で示された輝度レベルの選択結果)であり、W
iは当該ビットの重みであり、Nは同じ色のビットの総数であり、T
iは各ビット・セグメントの中心の、画像フレームの先頭からの時間距離である。G(x)は、同一の色領域の点灯ビットにわたる総和により(フレーム開始時刻に対する)時間点を定義し、xで正規化される。G(x)の変動、即ち、G(x)−G(x−1)を様々な輝度レベルxで最小化できるようにサブフレーム・シーケンス内のサブフレームの逐次的順序を規定すれば、DFCを削減することができる。
【0173】
サブフレーム・シーケンスの代替的な実装形態では、最大の重みを有するビットはシーケンスの一端に向かって最上位ビットの片側に連続的に低くなる重みビットを伴って配置される。幾つかの実装形態では、1つまたは複数の異なる寄与色の介在ビットが、所与の色に対する最上位ビットのグループの間に配置される。
【0174】
幾つかの実装形態では、符号語は、第1の組の最上位ビット(例えばビット番号4、5、6および7)と第2の組の最下位ビット(例えばビット番号0、1、2および3)を含む。最上位ビットは、最下位ビットよりも大きな重みを有する。テーブル2000に対応する例示的なサブフレーム・シーケンスでは、色の最上位ビットはグループ化され、当該色の最下位ビットはその寄与色の最上位ビットのグループの前または後に配置される。幾つかの実装形態では、テーブル2000に対応するサブフレーム・シーケンスの最初の6個の符号語ビットについて示したように、当該色の最下位ビットの少なくとも一部は、当該色の最上位ビットのグループの前または後に配置され、異なる色に対する介入ビットはない。例えば、サブフレーム・シーケンスは、互いに近接して配置されたビット番号7、6、5、および4の配置を含む。代替的なビット配置には、4−7−6−5、7−6−5−4、6−7−5−4またはそれらの組合せが含まれる。より少ないビットが、フレームにわたって均一に分散される。さらに、同一の色のビットを可能な限り纏めておく。任意の所望の数のビットが最上位ビットのグループに含まれるように、本技術を修正することができる。例えば、3個の最上位ビットから成るグループまたは5個の最上位ビットのグループを使用してもよい。
【0175】
説明した実装形態は、出力シーケンスにおける影響をどのように管理できるかをも示す。各サブフレームの幅はフレーム・レートに対応する。色ごとに、ビット番号7、6、5および4は1つのフレーム内で2回繰り返される。これらの最上位ビットには、その高い有効輝度に起因するフリッカ速度(例えば、一般には少なくとも60Hz、好ましくはそれ以上)を削減するために、高い出現頻度が必要である。これは、この状況では、ビット重み付けに直接関連する。これらのビットを2回示すことにより、最上位ビットの頻度を高く(フレーム・レートの2倍に)保ちつつ、60Hzより低いフレーム・レートを可能とすることができる。最下位ビット番号0、1、2および3は、フレームごとに1回現れるだけである。しかし、人間の視覚体系は重みが最小であるビットに対するフリッカにはあまり敏感でないことも理解される。約45Hzのフレーム・レートは、かかる低い有効輝度ビットに対してフリッカを抑制するのに十分である。全てのビットに対して約45Hzの平均フレーム・レートがこの実装に対して十分である。それより大きなビットでは、依然として最終的に約45*2=90Hzとなる。ビット番号3および番号2に対してさらにビット分割を実行できる場合には、フレーム・レートをさらに削減することができる。なぜならば、最小の有効輝度ビットはフリッカに対してさらに感度が低いからである。本技術の実装は、アプリケーションに強く依存する。
【0176】
図示した実装形態は、さらに、色に対する最下位ビット(例えばビット番号0、1、2および3)を相対的に異なる色ビットのグループで配置することを含む。例えば、テーブル2000に対応するサブフレーム・シーケンスでは、ビット番号0と1は赤色ビットから成る第1のグループに配置され、ビット番号2および3は赤色ビットから成る第2のグループに配置される。1つまたは複数の異なる色のビットは、赤色ビットから成る第1のグループと第2のグループの間に配置される。同様なまたは異なるサブフレーム・シーケンスを他の色に対して利用してもよい。最下位ビットは明るいビットではないので、フリッカの観点からは、それらを低速で表示することは許容できる。かかる技術により、フレームごとに生ずる遷移の数を減らすことによって電力を大幅に節約することができる。
【0177】
図21Aは、例示的な実装形態に従う、他の色のうち1つのビットを各々グループ化した後の、第1の色のビットをグループ化したことによりDFC、CBU、およびフリッカを軽減するためのサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル2102を示す。具体的には、
図21Aは、他の色のうち1つのビットを各々グループ化した後に、緑ビットをグループ化する技術に対応する例示的なサブフレーム・シーケンスを示す。人間の目はDFCおよびフリッカの観点から緑に対してより敏感であるので、RG−BG−RG−BGのような色の順序を有するサブフレーム・シーケンスは、RGBの色順序の反復サイクルを有するサブフレーム・シーケンスと同じまたは同様な程度のCBUを提供することができ、より長い時間、(バイナリまたは非バイナリの重み付け機構に関して)多くの緑ビットまたはより多くの分割された緑ビットを表示することができる。
図21Bは、非バイナリ重み付け機構に対応する他の色のうち1つのビットを各々グループ化した後の第1の色のビットをグループ化したことにより、DFC、CBU、およびフリッカを軽減するための同様なサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル2104を示す。
【0178】
幾つかの技術では、FSC法で表示された色の相対的な配置により、画像アーチファクトを削減してもよい。幾つかの実装形態では、緑ビットはフレームのサブフレーム・シーケンスの中心部に配置される。テーブル2104に対応するサブフレーム・シーケンスは、フレームのサブフレーム・シーケンスの中心部に配置される緑ビットを提供する技術に対応する。当該サブフレーム・シーケンスは、色(赤、緑、および青)ごとの10ビットの符号語に対応する。当該符号語は、画像アーチファクトが削減された色ごとの7ビットの輝度レベルを効果的に再生できるようにすることができる。図示したサブフレーム・シーケンスは、緑ビットが中心部に配置されていることを示す。当該中心部では、緑ビットは、サブフレーム・シーケンス内のビットの最初の5分の1には存在せず、サブフレーム・シーケンス内のビットの最後の5分の1にも存在しない。特に、サブフレーム・シーケンスでは、緑ビットはサブフレーム・シーケンス内の最初の6ビットには存在せず、サブフレーム・シーケンス内の最後の6ビットにも存在しない。
【0179】
幾つかの技術では、第1の寄与色のビットは全て、サブフレーム・シーケンスのビット総数の約3分の2は超えないサブフレーム・シーケンスの連続部分の中にある。例えば、サブフレーム・シーケンス内でそのように相対的に近接して緑ビットを配置することは、最も視覚的に認識できるものであり、サブフレーム・シーケンスの緑部分に関連するDFCを軽減するために使用することができる。さらに、緑ビットを赤および/または青のビットのような他の色の小さな重み付けビットで分割して、CBUおよびDFCのアーチファクトを同時に軽減してもよい。例示の目的のため、当該サブフレーム・シーケンスは、緑ビットが全てサブフレーム・シーケンスのビット総数の5分の3を超えないサブフレーム・シーケンスの連続部分にあるような技術を示す。
【0180】
幾つかの技術では、サブフレーム・シーケンスの少なくとも1つの色に対して、当該色の最上位ビットと2番目に最上位のビットが、3つを超えない他のビットだけシーケンス内で離れるように配置されている。幾つかのかかる技術では、サブフレーム・シーケンス内の色ごとに、最上位ビットと2番目に最上位のビットが、3つを超えない他のビットだけ離れるように配置されている。テーブル2104に対応するサブフレーム・シーケンスにより、かかるサブフレーム・シーケンスの1例を与える。具体的には、最上位の青ビット(青ビット番号9)は、2番目に最上位の青ビット(青ビット番号6)と2つの赤ビット(赤ビット番号3および赤ビット番号9)だけ離れている。同様に、最上位の赤ビット(赤ビット番号9)は、2番目に最上位の赤ビット(赤ビット番号6)と1つの青ビット(青ビット番号6)だけ離れている。最後に、最上位の緑ビット(緑ビット番号9)および2番目に最上位の緑ビット(緑ビット番号6)は、1つの赤ビット(赤ビット番号2)だけ離れている。
【0181】
幾つかの実装形態では、フレームに対するサブフレーム・シーケンスの少なくとも1つの色に対して、当該色の(同じ重みを有する)2つの最上位ビットは、サブフレーム・シーケンスの3つを超えない他のビットだけ離れている(例えば、2つを超えない他のビットだけ、1つを超えない他のビットだけ離れているか、または、他のビットが間に存在しない)。幾つかのかかる実装形態では、サブフレーム・シーケンス内の色ごとに、各色の(同じ重みを有する)2つの最上位ビットが、サブフレーム・シーケンスの3つを超えない他のビットだけ離れている。
【0182】
幾つかの技術では、フレームのサブフレーム・シーケンスは、連続する緑ビットから成る別々のグループの数および/または連続する赤ビットから成る別々のグループの数よりも多い数の、連続する青ビットから成る別々のグループを含む。かかるサブフレーム・シーケンスによりCBUを削減することができる。なぜならば、同一強度の青の光、赤の光、および緑の光に対する人間の知覚上の相対的な重要度はそれぞれ73%、23%および4%であるからである。したがって、当該サブフレーム・シーケンスの青ビットに関連する認識されたDFCを大幅に増大させずに、当該サブフレーム・シーケンスの青ビットを必要に応じて分散させてCBUを削減することができる。テーブル2104に対応するサブフレーム・シーケンスは、連続する青ビットから成る別々のグループの数が7であり連続する緑ビットから成る別々のグループの数が4である実装形態を示す。さらに、この例示的な実装形態では、連続する赤ビットから成る別々のグループの数は7であり、連続する緑ビットから成る別々のグループの数より大きい。
【0183】
図22は、第1の色に対する連続するビットから成る別々のグループの数が他の色に対する連続するビットからなる別々のグループの数より大きい配置を使用することによってDFC、CBU、およびフリッカを軽減するためのサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル2202を示す。特に、当該サブフレーム・シーケンスは寄与色(赤、緑、および青)ごとの9ビットの符号語に対応する。ここで、連続する青ビットから成る別々のグループの数は、連続する緑ビットから成る別々のグループの数および連続する赤ビットから成る別々のグループの数の両方より大きい。例示的なサブフレーム・シーケンス2202は、連続する青ビットから成る5つの別々のグループと、連続する赤ビットから成る3つの別々のグループと、連続する赤ビットから成る3つの別々のグループとを有する。理解できるように、同一の色に関連する連続するビットから成る特定の数のグループは例示の目的のため与えたものであり、他の特定の数のグループも可能である。
【0184】
幾つかの技術では、フレームのサブフレーム・シーケンスの最初のNビットが第1の寄与色に対応し、サブフレーム・シーケンスの最後のNビットが第2の寄与色に対応する。ここで、Nは整数であり、1、2、3、または4が含まれるがこれらに限らない。テーブル2202に対応するサブフレーム・シーケンスで示すように、サブフレーム・シーケンスの最初の2つのサブフレームは赤に対応し、サブフレーム・シーケンスの最後の2つのサブフレームは青に対応する。代替的な実装形態では、サブフレーム・シーケンスの最初の2つのサブフレームが青に対応し、サブフレーム・シーケンスの最後の2つのサブフレームは赤に対応してもよい。フレームのサブフレーム・シーケンスの先頭と末尾で赤のビット・シーケンスと青のビット・シーケンスをこのように反転させることによって、知覚的にあまり重要でない色であるマジェンタ色が形成されることに起因するCBUの縞が認識されるのを軽減することができる。
【0185】
白(W)および/または黄(Y)のような追加の色チャネルをもたせることで、様々な画像アーチファクト削減技術の実装にさらなる自由度をもたらすことができる。白(および/または他の色)領域を、RGBWとしてだけでなく、グループ(RGW、GBWおよびRBW)の一部として追加することができる。この場合、より多くの白領域が利用可能であり、DFC、CBUおよび/またはフリッカの削減を実現することができる。RGBWで点灯するディスプレイでは、赤、緑、および青のLEDのみを利用した場合と比較すると、白のLEDの高効率性のためにかなり高い動作効率が可能である。代替または追加として、白色を赤色、緑色、および青色の混合により生成してもよい。
【0186】
図23Aは、RGBWバックライトを用いた照明機構2302を示す図である。照明機構2302では、縦軸は強度を表し、横軸は時間を表す。画像フレームが表示される時間は、フレーム期間Tと呼ばれる。赤、緑、青および白はそれぞれ、T/4の期間を有する。赤、緑、青、および白領域の各々の期間を、LEDの相対的な効率性に応じて異なるように選択することができる。幾つかの実装形態では、フレーム・レートが、アプリケーションに応じて約30〜60Hzの間であってもよい。
【0187】
図23Bは、同一の色領域の反復に起因するフリッカを軽減するための例示的な照明機構2304を示す。別の照明機構が、色スペクトル内の任意の色をRGW、RBWまたはGBWのような3つの寄与色を用いて取得できるように、駆動光源(例えばLED)を備えてもよい。3つの寄与色を用いて色スペクトル内の任意の色を取得するこの技術を用いてフレーム・レートを削減することができる。例えば、
図23Bに示すように、各フレーム期間を、RBWGBWRGWのようなサブフレーム・シーケンスを用いて9個のサブフレームに分割することができる。当該サブフレーム・シーケンスでは、同一の色領域の反復のためフリッカが少なく、フレーム・レートの削減が可能である。各色領域の期間は、LEDの効率に応じて異なってもよい。幾つかの実装形態では、フレーム・レートを削減した結果としてデータ速度(例えば、遷移速度)を大幅に削減することができる。かかる技術を実装するとき、コントローラがRGB色座標からRGBW色座標への変換を含んでもよい。フレーム・レートの削減を利用して、点灯パルスの光強度を減らしつつ、持続時間を拡張することができ、それによりフレーム期間にわたる総発光量を一定に保つことができる。低い光強度は低いLED動作電流と等価であり、これは一般にLED動作に対してより効率的な形態である。
【0188】
別の技術によれば、デューティ・サイクルが少なくとも2つの色について異なるように、サブフレーム・シーケンスが構築される。人間の視覚体系は異なる色に対して異なる感度を示すため、このような感度の変化を利用して、各色のデューティ・サイクルを調節することにより画像品質を高めることができる。色ごとにデューティ・サイクルが等しいということは、可能な総点灯時間が利用可能な色(例えば、赤、緑、および青のような3つの色)の間で等しく分割されることを示唆する。2つ以上の色に対する不均一なデューティ・サイクルを用いて、可能な総点灯時間を緑に対して多くし、赤に対して少なくし、青に対してさらに少なくすることができる。テーブル2000で示すように、緑に対応するサブフレームの幅の合計は、赤に対応するサブフレームの幅の合計よりも大きく、赤に対応するサブフレームの幅の合計は、青に対応するサブフレームの幅の合計よりも大きい。ここで、フレームの幅全体に対する所与の寄与色のサブフレームの幅の合計は、当該所与の寄与色のデューティ・サイクルに対応する。これにより、緑および赤に対してビットを追加し、ビットを分割することができる。緑および赤は、画像品質に関して青よりも比較的重要である。緑は(緑のLEDの効率が低いため)赤または青よりも明度と電力消費に比較的高く寄与するので、かかる動作により電力消費を下げることができる。したがって、フレームに対する有効輝度は強度と点灯時間の積であるので、大きなデューティ・サイクルをもたせることにより低いLED強度(および動作電流)を可能とすることができる。LEDは低い電流ではより効率的であるので、これにより約10〜15%だけ電力消費を削減することができる。
【0189】
上述の技術のうち1つまたは複数を、上述のその他の技術のうち1つまたは複数と、または、サブフレーム画像を表示するための1つまたは複数の他の技術もしくはイメージング・モードと組み合わせてもよいことは理解される。本明細書で説明した様々な技術を使用するサブフレーム・シーケンスの1例を、
図24を参照して説明する。
【0190】
幾つかの技術では、複数の技術を組み合わせて1つの技術を構築することができる。1例として、
図24は、寄与色の1つに追加のビットを提供する4色イメージング・モードの非バイナリ重み付け機構を用いて画像アーチファクトを削減するためのサブフレーム・シーケンスを説明する例示的なテーブル2400を示す。この特定の実装形態では、寄与色には複数の成分色(赤、緑、青)および少なくとも1つの合成色(白)が含まれる。合成色、即ち白は、残りの3つの寄与色の組合せにほぼ対応する。このケースでは、白は、成分色、即ち、赤、緑、および青の組合せから形成される合成色である。このサブフレーム・シーケンスでは、10ビットが緑に対応し、9ビットだけが赤、青、および白の各々に対応する。
【0191】
本明細書で開示した実装形態と関連して説明した様々な例示的なロジック、論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズム・プロセスを、電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、またはそれらの組み合わせとして実装してもよい。ハードウェアとソフトウェアの互換性は、一般に機能の点で説明され、上述の例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路およびプロセスで説明されている。かかる機能をハードウェアかソフトウェアのどちらで実装するかは、システム全体に課された特定のアプリケーションおよび設計上の制約に依存する。
【0192】
本明細書で開示した諸態様と関連して説明した様々な例示的なロジック、論理ブロック、モジュールおよび回路を実装するのに使用されるハードウェアおよびデータ処理装置を、汎用目的の単一チップまたはマルチ・チップのプロセッサ、DSP(digital signal processor)、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)または他のプログラム可能論理装置、離散ゲート・ロジック、またはトランジスタ・ロジック、離散ハードウェア・コンポーネント、または本明細書で説明した機能を実施するように設計したそれらの任意の組合せで実装または実施してもよい。汎用目的プロセッサは、マイクロプロセッサ、または、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってもよい。プロセッサを、コンピューティング・デバイスの組合せとして、例えば、DSPおよびマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアを伴う1つまたは複数のマイクロプロセッサの組合せ、または任意の他のかかる構成として実装してもよい。幾つかの実装形態では、特定のプロセスおよび方法を、所与の機能に固有の回路によって実施してもよい。
【0193】
1つまたは複数の態様では、説明した機能を、本明細書で開示した構造およびその構造的な均等物を含む、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータ・ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装してもよい。本明細書に記載の主題の実装形態を、1つまたは複数のコンピュータ・プログラム、即ち、データ処理装置により実行するためのコンピュータ記憶媒体でエンコードした、または、データ処理装置の動作を制御するための、コンピュータ・プログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。
【0194】
ソフトウェアで実装する場合は、機能をコンピュータ読取可能媒体に格納するか、または、機能を1つまたは複数の命令もしくはコードを介してコンピュータ読取可能媒体に送信してもよい。本明細書で開示した方法またはアルゴリズムのプロセスを、コンピュータ−読取可能媒体上に存在しうるプロセッサ実行可能なソフトウェア・モジュールで実装してもよい。コンピュータ読取可能媒体には、コンピュータ記憶媒体と、コンピュータ・プログラムを或る場所から別の場所へ転送できる任意の媒体を含む通信媒体との両方が含まれる。記憶媒体は、コンピュータがアクセスできる任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく例として、かかるコンピュータ読取可能媒体には、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMもしくは他の光ディスク記憶、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶装置、または所望のプログラム・コードを命令もしくはデータ構造の形で格納するために使用できコンピュータがアクセスできる他の任意の媒体を含めてもよい。また、任意の接続を適切にコンピュータ読取可能媒体と称してもよい。ディスクには、本明細書で使用する際、CD(compact disc)、レーザ・ディスク、光ディスク、DVD(digital versatile disk)、フロッピ・ディスク、ブルーレイ・ディスクが含まれ、通常は、データを磁気的に再生し、データをレーザで光学的に再生する。上の組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲に含まれるべきである。さらに、方法またはアルゴリズムの動作が、機械読取可能媒体およびコンピュータ−読取可能媒体上のコードおよび命令の1つもしくは任意の組合せまたは1組のコードおよび命令として存在してもよく、コンピュータ・プログラム製品に組み込んでもよい。
【0195】
当業者は本開示で説明した実装形態に対する様々な修正を容易に想到でき、本明細書で定義した一般的な原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態にも適用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は本明細書で示した実装形態に限定されるものではなく、本開示、本明細書で開示した原理および新規な特徴と一貫して最も広い範囲と一致するものである。
【0196】
さらに、「上部」および「下部」という用語が場合によっては図面の説明の簡単さのために用いられており、正しく方向付けられたページ上の図面の方向に対応する相対的な位置を示し、実装される任意の装置の厳密な方向を反映したものではないことは当業者に容易に理解されよう。
【0197】
別々の実装形態の状況において本明細書で説明した特定の機能を、1つの実装形態における組合せで実装することもできる。反対に、1つの実装形態の状況で説明した様々な機能を、複数の実装形態で別々に、または、任意の適切な副次的な組合せで実装することもできる。さらに、機能を特定の組合せで動作するものとして説明し当初そのように特許請求の範囲に記載することもできるが、特許請求の範囲に記載した組合せからの1つまたは複数の機能を幾つかのケースでは当該組合せから削除してもよく、特許請求の範囲に記載した組合せが副次的な組合せまたは副次的な組合せの変形に関するものであってもよい。
【0198】
同様に、図面では動作を特定の順序で記載したが、これが、所望の結果を実現するために、かかる動作をその示した特定の順序または逐次的順序で実施すること、または全ての図示した動作を実施することを要求するものとして理解すべきではない。さらに、図面では1つまたは複数の例示的なプロセスを流れ図の形で概略的に示しているかもしれない。しかし、図示していない他の動作を、概略的に示した例示的なプロセスに組み込むことができる。例えば、1つまたは複数の追加の動作を、図示した動作の前、後、図示した動作と同時、または図示した動作のうち任意の動作の間に実施することができる。特定の状況では、マルチタスクおよび並列処理が有利である場合もある。さらに、上述の実装形態において様々なシステム・コンポーネントをこのように分離したことが、全ての実装形態においてかかる分離を要求するものとして理解すべきではなく、説明したプログラム・コンポーネントおよびシステムを一般に1つのソフトウェア製品に統合するか、または、複数のソフトウェア製品にパッケージ化できることは理解される。さらに、他の実装形態が添付の特許請求の範囲内にある。幾つかのケースでは、添付の特許請求の範囲に記載した動作は、別の順序で実施することができ、依然として所望の結果を実現する。