特許第5739069号(P5739069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5739069シングルキャリア無線通信信号を処理するデバイス、システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5739069
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】シングルキャリア無線通信信号を処理するデバイス、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 11/00 20060101AFI20150604BHJP
   H04L 27/01 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
   H04J11/00 Z
   H04L27/00 K
【請求項の数】19
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-525982(P2014-525982)
(86)(22)【出願日】2011年8月19日
(65)【公表番号】特表2014-529941(P2014-529941A)
(43)【公表日】2014年11月13日
(86)【国際出願番号】US2011048492
(87)【国際公開番号】WO2013028161
(87)【国際公開日】20130228
【審査請求日】2014年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ロマイェフ,アルチョム
(72)【発明者】
【氏名】マルツェフ,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】カシェル,アッサフ
(72)【発明者】
【氏名】ソッフェル,メナシェ
【審査官】 北村 智彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/005775(WO,A1)
【文献】 特表2005−521270(JP,A)
【文献】 特開2011−119851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 11/00
H04L 27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信デバイスであって、
第1のサンプリングレートにおける第1の複数の時間領域サンプルを含むアナログシングルキャリア無線通信信号を受信し、該アナログシングルキャリア無線通信信号を、前記第1のサンプリングレートより大きい第2のサンプリングレートにおける第2の複数の時間領域サンプルを含むデジタル信号に変換し、該第2の複数の時間領域サンプルを第1の複数の周波数領域サンプルに変換し、該第1の複数の周波数領域サンプルを、前記第1のサンプリングレートにおける第2の複数の周波数領域サンプルにマッピングする、受信機
を備えた、無線通信デバイス。
【請求項2】
前記第1の複数の周波数領域サンプルをマッピングすることは、前記第1の複数の周波数領域サンプルの少なくとも2つのサブセットを組み合わせることによって前記第2の複数の周波数領域のサンプルの少なくとも1つのサブセットを決定することを含む、請求項1に記載の無線通信デバイス。
【請求項3】
前記第1の複数の周波数領域サンプルは、周波数領域サンプルの6つのサブセットを備え、前記第2の複数の周波数領域サンプルは、周波数領域サンプルの4つのサブセットを備え、前記第1の複数の周波数領域サンプルをマッピングすることは、前記6つのサブセットのうちの第1のサブセットを前記4つのサブセットのうちの第1のサブセットにマッピングし、前記6つのサブセットのうちの第2及び第4のサブセットを前記4つのサブセットのうちの第2のサブセットにマッピングし、前記6つのサブセットのうちの第3及び第5のサブセットを前記4つのサブセットのうちの第3のサブセットにマッピングし、前記6つのサブセットのうちの第6のサブセットを前記4つのサブセットのうちの第4のサブセットにマッピングすることを含む、請求項2に記載の無線通信デバイス。
【請求項4】
前記周波数領域サンプルの6つのサブセットの各々のサイズは、前記周波数領域サンプルの4つのサブセットの各々のサイズと等しい、請求項3に記載の無線通信デバイス。
【請求項5】
前記第2のサンプリングレートは、少なくとも前記第1のサンプリングレートの1.5倍である、請求項1乃至4のいずれかに記載の無線通信デバイス。
【請求項6】
前記第1の複数の時間領域サンプルは512個のサンプルを含み、前記第2の複数の時間領域サンプルは768個のサンプルを含む、請求項5に記載の無線通信デバイス。
【請求項7】
前記シングルキャリア無線通信信号は、シングルキャリア周波数領域等化信号である、請求項1乃至6のいずれかに記載の無線通信デバイス。
【請求項8】
前記受信機は、高速フーリエ変換を前記第2の複数の時間領域サンプルに適用することによって、前記第2の複数の時間領域サンプルを前記第1の複数の周波数領域サンプルに変換する、請求項1乃至7のいずれかに記載の無線通信デバイス。
【請求項9】
前記第1のサンプリングレートは、直交周波数分割多重化スキーマのサンプリングレートである、請求項1乃至8のいずれかに記載の無線通信デバイス。
【請求項10】
第1のサンプリングレートにおける第1の数のサンプルを含む第1の複数の時間領域サンプルを含む、アナログシングルキャリア無線通信信号を受信するステップと、
前記アナログシングルキャリア無線通信信号を、前記第1のサンプリングレートより大きい第2のサンプリングレートにおける第2の数のサンプルを含む第2の複数の時間領域サンプルを含むデジタル信号に変換するステップと、
前記第2の複数の時間領域サンプルを、前記第2の数のサンプルを含む第1の複数の周波数領域サンプルに変換するステップと、
前記第1の複数の周波数領域サンプルを、前記第1の数のサンプルを含む第2の複数の周波数領域サンプルにマッピングするステップと
を含む、無線通信方法。
【請求項11】
前記第1の複数の周波数領域サンプルをマッピングするステップは、前記第1の複数の周波数領域サンプルの少なくとも2つのサブセットを組み合わせることによって前記第2の複数の周波数領域のサンプルの少なくとも1つのサブセットを決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の複数の周波数領域サンプルは、周波数領域サンプルの6つのサブセットを備え、前記第2の複数の周波数領域サンプルは、周波数領域サンプルの4つのサブセットを備え、前記第1の複数の周波数領域サンプルをマッピングするステップは、前記6つのサブセットのうちの第1のサブセットを前記4つのサブセットのうちの第1のサブセットにマッピングし、前記6つのサブセットのうちの第2及び第4のサブセットを前記4つのサブセットのうちの第2のサブセットにマッピングし、前記6つのサブセットのうちの第3及び第5のサブセットを前記4つのサブセットのうちの第3のサブセットにマッピングし、前記6つのサブセットのうちの第6のサブセットを前記4つのサブセットのうちの第4のサブセットにマッピングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記周波数領域サンプルの6つのサブセットの各々のサイズは、前記周波数領域サンプルの4つのサブセットの各々のサイズと等しい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の数は、少なくとも前記第1の数の1.5倍である、請求項10乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記第1の数は512であり、前記第2の数は768である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記シングルキャリア無線通信信号は、シングルキャリア周波数領域等化信号である、請求項10乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記第2の複数の時間領域サンプルを前記第1の複数の周波数領域サンプルに変換するステップは、高速フーリエ変換を前記第2の複数の時間領域サンプルに適用することを含む、請求項10乃至16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記高速フーリエ変換は、前記第2の数と等しいサイズを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のサンプリングレートは、直交周波数分割多重化スキーマのサンプリングレートである、請求項10乃至18のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シングルキャリア無線通信信号を処理するデバイス、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な変調スキーマが無線通信のために実装されている。例えば第1の変調スキーマは、直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal−Frequency−Division−Multiplexing)変調スキーマを含む。第2の変調スキーマは、シングルキャリア(SC:single−carrier)変調スキーマ、例えばシングルキャリア周波数領域等化(SC−FDE:SC Frequency−Domain Equalization)変調スキーマを含む。これら双方の通信スキーマは、互いに対する有用性と欠点とを有する。
【0003】
一部の無線通信システムは2つの変調スキーマ、例えばOFDM変調スキーマとSC−FDE変調スキーマとの双方を実装することができる。例えば、IEEE802.11のタスクグループad(TGAD)の仕様は、OFDM変調スキーマとSC−FDE変調スキーマとの双方を用いる。2つの異なる変調スキーマをサポートする幾つかの物理(PHY:Physical)レイヤプロトコルの実装は、最終製品の設計を複雑にする。
【0004】
OFDM変調スキーマとSC−FDE変調スキーマは、異なるサンプリングレートを用いる。したがって、OFDM信号とSC−FDE信号の処理は、異なるサンプリングレートを有する2つの別個のアナログデジタル変換器(ADC:Analog to Digital Conveter)を使用することを必要とする。しかしながら、2つのADCの使用は複雑性を高める。SC−FDE信号とOFDM信号の双方を処理するのに、同じサンプリングレートを適用する1つのADCを実装することが有利である。
【0005】
共通のADCを実装する受信機は、OFDM変調スキーマのサンプリングレートを用いることができる。OFDMサンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号の更なる処理のために、受信機は、ADCの後に時間領域の再サンプリングスキーマを用いて、OFDMサンプリングレートとSC−FDEサンプリングレートとの間を変換する。例えば受信機は、サンプル間にゼロを挿入してサンプルの数を倍にし、挿入されたゼロの位置でSC−FDEサンプルの値を近似し、近似されたサンプルを、例えば3サンプルごとにサンプリングするなど、低減されたサンプリングレートでサンプリングすることができる。有限の長さの時間領域補間フィルタであり得るこの近似は、例えば理論上の理想的な再サンプリングスキーマと比べて性能の低下につながる。
【発明の概要】
【0006】
一部の例示的な実施形態は、シングルキャリア無線通信信号を処理するデバイス、システム及び/又は方法を含む。例えばデバイスは、第1のサンプリングレートにおける第1の複数の時間領域サンプルを表すアナログシングルキャリア無線通信信号を受信し、当該アナログシングルキャリア無線通信信号を、前記第1のサンプリングレートより大きい第2のサンプリングレートにおける第2の複数の時間領域サンプルを含むデジタル信号に変換し、当該第2の複数の時間領域サンプルを、第1の複数の周波数領域サンプルに変換し、当該第1の複数の周波数領域サンプルを、前記第1のサンプリングレートにおける第2の複数の周波数領域サンプルにマッピングする、受信機を含む。
【0007】
図面に示されている要素は、例示の簡潔性及び明確性のために、必ずしも一定の縮尺で描かれてはいない。表現の明確性のために、例えば図面内の要素の一部の寸法が、他の要素に対して誇張されることがある。さらに、参照符号は、対応する要素又は類似する要素を示すのに図面内において繰り返し使用される。図面は以下に列挙する通りである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一部の例示的な実施形態によるシステムのスキーマブロック図である。
図2A】一部の例示的な実施形態に従ってシングルキャリア周波数領域等化(SC−FDE:Single−Carrier Frequency Domain Equalization)サンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE変調信号の構造の概略図である。
図2B】一部の例示的な実施形態に従って直交周波数分割多重化(OFDM:Orthogonal−Frequency−Division−Multiplexing)サンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号の構造の概略図である。
図3A】一部の例示的な実施形態に従ってSC−FDEサンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号のスペクトルを示すグラフの概略図である。
図3B】一部の例示的な実施形態に従ってOFDMサンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号のスペクトルを示すグラフの概略図である。
図4】一部の例示的な実施形態によるマッピングスキーマの概略図である。
図5】一部の例示的な実施形態に従ってシングルキャリア無線通信信号を処理する方法の概略的フローチャート図である。
図6】一部の例示的な実施形態に従って、SC−FDE周波数帯域及びOFDM周波数帯域と比較した、平方根二乗余弦(SRRC:Square Root Raised Cosine)フィルタの周波数応答機能を示すグラフの概略図である。
図7】一部の例示的な実施形態に従って、時間領域の理論上の再サンプリングスキーマと、近似された時間領域の再サンプリングスキーマと、周波数領域の再サンプリングスキーマとにそれぞれ対応する、3つの受信機の性能曲線を示すグラフの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の発明を実施するための形態の項では、一部の実施形態の完全な理解を提供するために様々な具体的な詳細を説明する。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細を用いることなく一部の実施形態を実施することができることが理解されよう。他の例では、議論を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、コンポーネント、装置及び/又は回路を詳細には説明しない。
【0010】
本明細書において、例えば「処理する」、「算出する」、「計算する」、「決定する」、「確立する」、「分析する」、「チェックする」又は同様の用語を使用した記述は、コンピュータのレジスタ及び/又はメモリ内の物理的な(例えば電気)量として表されるデータを、そのコンピュータのレジスタ及び/又はメモリ又はオペレーション及び/又はプロセスを実行する命令を格納する他の情報記憶媒体内の物理的な量と同様に表される他のデータへと操作及び/又は変換する、コンピュータ、コンピュータプラットフォーム、コンピュータシステム、あるいは他のコンピューティングデバイスのオペレーション及び/又はプロセスを指す。
【0011】
本明細書で使用されるとき、「複数」及び「複数の」という用語は、例えば「多数」あるいは「2つ又はそれ以上」を含む。例えば「複数のアイテム」は「2つ又はそれ以上のアイテム」を含む。
【0012】
一部の実施形態は、様々なデバイス及びシステムとともに使用されることがあり、そのようなデバイス及びシステムには、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、個人用携帯情報端末(PDA)デバイス、ハンドヘルドPDAデバイス、オンボードデバイス、オフボードデバイス、ハイブリッドデバイス、車両デバイス、非車両デバイス、モバイル若しくはポータブルデバイス、消費者デバイス、非モバイル若しくは非ポータブルデバイス、無線通信局、無線通信デバイス、無線アクセスポイント(AP)、有線若しくは無線ルータ、有線若しくは無線モデム、ビデオデバイス、オーディオデバイス、オーディオ/ビデオ(A/V)デバイス、セットトップボックス(STB)、Blu−ray(登録商標)(BD)プレイヤ、BDレコーダ、デジタル多用途ディスク(DVD)プレイヤ、高解像度(HD)DVDプレイヤ、DVDレコーダ、HD DVDレコーダ、パーソナルビデオレコーダ(PVR)、放送用HD受信機、ビデオソース、オーディオソース、ビデオシンク、オーディオシンク、ステレオチューナ、放送用無線受信機、フラットパネルディスプレイ、パーソナルメディアプレイヤ(PVR)、デジタルビデオカメラ(DVC)、デジタルオーディオプレイヤ、スピーカ、オーディオ受信機、オーディオ増幅器、ゲームデバイス、データソース、データシンク、デジタルスチルカメラ(DSC)、有線若しくは無線ネットワーク、無線エリアネットワーク、無線ビデオエリアネットワーク(WVAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線LAN(WLAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)通信システム、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、無線PAN(WPAN)、既存のIEEE 802.11規格(「802.11規格」)に従って動作するデバイス及び/又はネットワークなどがある。既存のIEEE 802.11規格は、例えばIEEE 802.11(IEEE 802.11−2007:(情報技術用規格)Standard for Information technology Telecommunications and information exchange between systems−Local and metropolitan area networks− Specific requirements, Part 11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Phyical Layer(PHY) Specifications−2007年6月)、802.11n(「IEEE 802.11n−2009−Amendment 5:Enhancements for Higher Throughput. IEEE−SA.2009年10月29日」)、802.11ac(「Very High Throughput<6Ghz」)、802.11タスクグループad(TGad)(「Very High Throughput 60GHz」)などを含む。並びに/あるいは上記システム及びシステムには、IEEE802.16規格(「802.16規格」)に従って動作するデバイス及び/又はネットワークの将来のバージョン及び/又はその派生物も含まれる。IEEE802.16規格は、802.16(IEEE規格802.16、2004年版、Air Interface for Fixed Broadband Wireless Access Systems)802.16d、802.16e(IEEE規格802.16e、2005年版 Physical and Medium Access Control Layers for Combined Fixed and Mobile Operation in Licensed Bands)、802.16f、802.16m規格を含む。並びに/あるいは上記システム及びシステムには、既存のワイヤレス・ギガビット・アライアンス(WGA)及び/又はワイヤレスHD(商標)仕様に従って動作するデバイス及び/又はネットワークの将来のバージョン及び/又はその派生物、並びに/あるいは既存のセルラ仕様及び/又はプロトコル、例えば3GPP、3GPP LTE(Long Term Evolution)に従って動作するデバイス及び/又はネットワークの将来のバージョン及び/又はその派生物、並びに/あるいは上記ネットワーク、一方向及び/又は双方向の無線通信システム、セルラ無線電話通信システム、セルラ電話、無線電話、パーソナル通信システム(PCS)デバイス、無線通信デバイスを組み込んだPDAデバイス、モバイル又はポータブル全地球測位システム(GPS)デバイス、GPS受信機又は送信機又はチップを組み込んだデバイス、RFID要素又はチップを組み込んだデバイス、MIMO(Multiple Input Multiple Output)送信機又はデバイス、1つ又は複数の内部アンテナ及び/又は外部アンテナを有するデバイス、デジタルビデオブロードキャスト(DVB)デバイス又はシステム、マルチスタンダード無線デバイス又はシステム、無線又は有線のハンドヘルドデバイス(例えばBlackBerry(登録商標)、Palm Treo)、無線アプリケーションプロトコル(WAP)デバイス等の一部である装置及び/又はデバイスの将来のバージョン及び/又は派生物も含まれる。
【0013】
一部の実施形態が、1つ又は複数のタイプの無線通信信号及び/又はシステムとともに用いられることがある。そのような信号及び/又はシステムは、例えば無線周波数(RF)、赤外線(IR)、周波数分割多重化(FDM)、直交周波数分割多重化(OFDM)、時間分割多重化(TDM)、時間分割多重アクセス(TDMA)、拡張TDMA(E−TDMA)、汎用パケット無線システム(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張GPRS、コード分割多重アクセス(CDMA)、ワイドバンドCDMA(WCDMA)、CDMA 2000、シングルキャリアCDMA、マルチキャリアCDMA、マルチキャリア変調(MDM)、離散マルチトーン(DMT:Discrete Multi−Tone)、Bluetooth(登録商標)、全地球測位システム(GPS)、Wi−Fi(登録商標)、Wi−Max、ZigBee(商標)、ウルトラワイドバンド(UWB)、GSM(Global System for Mobile communication)、2G、2.5G、3G、3.5GのEDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)などである。他の実施形態が様々な他のデバイス、システム及び/又はネットワークで用いられることもある。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「無線デバイス」という用語は、例えば無線通信の能力を有するデバイス、無線通信の能力を有する通信デバイス、無線通信の能力を有する通信局、無線通信の能力を有するポータブル若しくは非ポータブルデバイスなどを含む。一部の例示的な実施形態において、無線デバイスは、コンピュータと統合される周辺装置又はコンピュータに取り付けられる周辺装置としてもよく、又はそのような周辺装置を含んでもよい。一部の例示的な実施形態において、「無線デバイス」という用語が、無線サービスを提供するのに使用されることがある。
【0015】
一部の例示的な実施形態が、60GHzの周波数帯域により通信する無線通信ネットワークとともに用いられることがある。しかしながら、他の実施形態は、任意の他の適切な無線通信周波数帯域、例えば30GHzと300GHzの間の周波数帯域幅内の周波数帯域等の極高周波数(EHF:Extremely High Frequency)帯域(ミリメータ波(ミリ波)周波数帯域)、WLAN周波数帯域、WPAN周波数帯域、WGA仕様に従う周波数帯域などを用いて実装されることもある。
【0016】
次に図1を参照する。図1は、一部の例示的な実施形態による無線通信システム100のブロック図を概略的に図示している。
【0017】
一部の例示的な実施形態において、システム100は、無線通信チャネル103を介して無線通信信号を通信する能力を有する1つ又は複数のデバイス、例えばデバイス102及び104を含むことができる。例えばデバイス104は、1つ又は複数のアンテナ108により無線信号を送信することができる送信機102を含み、及び/又はデバイス102は、無線チャネル103を介して1つ又は複数のアンテナ110により無線信号を受信することができる受信機112を含むことができる。
【0018】
一部の例示的な実施形態において、無線通信チャネル103は、例えば無線チャネル、IRチャネル、RFチャネル、ワイヤレスフェデリティ(WiFi)チャネル等を含む。
【0019】
一部の例示的な実施形態において、アンテナ108及び/又は110は、無線通信信号、ブロック、フレーム、送信ストリーム、パケット、メッセージ及び/又はデータを送信及び/又は受信するのに適切な任意のタイプのアンテナを含むことができる。アンテナ108及び/又は110に使用することができるアンテナのタイプには、これらに限られないが、内部アンテナ、ダイポールアンテナ、全方向性アンテナ、モノポールアンテナ、エンドフェッドアンテナ、円偏光アンテナ、マイクロストリップアンテナ、ダイバーシティアンテナ、フェーズアレイアンテナナ等が含まれる。一部の実施形態において、アンテナ108及び/又は110は、別個の送信アンテナ要素と受信アンテナ要素を使用して送信機能と受信機能を実装することができる。
【0020】
一部の例示的な実施形態において、デバイス102及び/又は104は、例えばPC、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、PDAデバイス、ハンドヘルドPDAデバイス、オンボードデバイス、オフボードデバイス、(例えば携帯電話の機能とPDAデバイスの機能とを組み合わせた)ハイブリッドデバイス、消費者デバイス、車両デバイス、非車両デバイス、モバイル又はポータブルデバイス、非モバイル又は非ポータブルデバイス、セルラ電話、PCSデバイス、無線通信デバイスを組み込んだPDAデバイス、モバイル又はポータブルGPSデバイス、DVBデバイス、比較的小さなコンピューティングデバイス、非デスクトップコンピュータ、「Carry Small Live Large(CSLL)」デバイス、ウルトラモバイルデバイス(UMD)、ウルトラモバイルPC(UMPC)、モバイルインターネットデバイス(MID)、「Origami」デバイス又はコンピューティングデバイス、動的構成可能コンピューティング(DCC:Dynamically Composable Computing)をサポートするデバイス、コンテキスト認識デバイス、ビデオデバイス、オーディオデバイス、A/Vデバイス、STB、BDプレイヤ、BDレコーダ、DVDプレイヤ、HD DVDプレイヤ、DVDレコーダ、HD DVDレコーダ、PVR、放送用HD受信機、オーディオソース、ビデオシンク、オーディオシンク、ステレオチューナ、放送用無線受信機、フラットパネルディスプレイ、PMP、DVC、デジタルオーディオプレイヤ、スピーカ、オーディオ受信機、ゲームデバイス、オーディオ増幅器、データソース、データシンク、DSC、メディアプレイヤ、スマートフォン、テレビジョン、音楽プレイヤ等を含むか、これらの一部として含まれることがある。
【0021】
一部の例示的な実施形態において、デバイス102は、例えばプロセッサ114、入力装置106、出力装置108、メモリ装置110及び記憶装置111のうちの1つ又は複数を含むこともできる。デバイス102は、任意選択により他の適切なハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントを含むことができる。一部の実施形態において、デバイス102のコンポーネントの一部又は全てを、共通のハウジング又はパッケージングに入れることができ、1つ又は複数の有線又は無線リンクを用いて相互接続するか、動作可能に関連付けることができる。他の実施形態において、デバイス102のコンポーネントを複数の又は別個のデバイス又は位置の間に分散させることができる。
【0022】
プロセッサ114は、例えば中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、1つ又は複数のプロセッサコア、シングルコアプロセッサ、デュアルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、ホストプロセッサ、コントローラ、複数のプロセッサ又はコントローラ、チップ、マイクロチップ、1つ又は複数の回路、電子回路、論理装置、集積回路(IC)、アプリケーション固有IC(ASIC)、あるいは任意の他の適切な汎用又は専用のプロセッサ又はコントローラを含む。プロセッサ114は、例えば無線通信デバイス102のオペレーティングシステム(OS)の命令、あるいは1つ又は複数の適切なアプリケーションの命令を実行する。
【0023】
入力装置106は、例えばキーボード、キーパッド、マウス、タッチパッド、トラックボール、スタイラス、マイクロフォンあるいは他の適切なポインティングデバイス又は入力デバイスを含む。出力装置108は、例えばモニタ、スクリーン、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)ディスプレイ装置、液晶(LCD)ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、1つ又は複数のオーディオスピーカ又はイヤフォン、あるいは他の適切な出力デバイスを含む。
【0024】
メモリ装置110は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同時性DRAM(SDRAM)、フラッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、キャッシュメモリ、バッファ、短期記憶メモリ装置、長期記憶メモリ装置又は他の適切なメモリ装置を含む。記憶装置111は、例えばハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、CD−ROMドライブ、DVDドライブ又は他の適切な取外し可能若しくは取外し不可能記憶装置を含む。メモリ装置110及び/又は記憶装置111は、例えば無線通信デバイス102によって処理されるデータを格納することができる。
【0025】
一部の例示的な実施形態において、デバイス102は、無線通信信号107を、アンテナ110により無線通信チャネル103を介して例えば送信機106から受信することができる。
【0026】
一部の例示的な実施形態において、信号107は、第1のサンプリングレートでサンプリングされるシングルキャリア(SC)アナログ信号を含む、第1の無線通信信号を含むことができる。例えば第1の信号は、第1のサンプリングレートにおける第1の複数の時間領域サンプルを表す。
【0027】
一部の例示的な実施形態において、信号107は、第2のサンプリングレートでサンプリングされるアナログ信号を含む、第2の無線通信信号を含むことができる。例えば第2の信号は、第1のサンプリングレートとは異なる第2のサンプリングレート、例えば第1のサンプリングレートよりも大きい第2のサンプリングレートにおける第2の複数の時間領域サンプルを表す。例えば第2のサンプリングレートは、第1のサンプリングレートの1.5倍に等しくすることができる。
【0028】
例えば第1の信号は、SC−FDEサンプリングレートでサンプリングされるSC−FDE信号を含むことができ、第2の信号はOFDMサンプリングレートでサンプリングされるOFDM信号を含むことができる。
【0029】
一部の例示的な実施形態において、デバイス102は、信号107を処理するように構成された1つ又は複数のPHY要素を含むことができる。例えばデバイス102は、例えば以下に説明されるように、第1の信号を処理するように構成された1つ又は複数のPHY要素、及び/又は第2の信号を処理するように構成された1つ又は複数のPHY要素を含むことができる。
【0030】
一部の例示的な実施形態において、デバイス102は、第1の信号と第2の信号の双方を処理するように構成された1つ又は複数の共通PHY要素144を含むことができる。例えば1つ又は複数のPHY要素144は、第1の信号を処理するように構成され、さらに、以下で詳細に説明されるように第2の信号を処理する能力も有する。
【0031】
一部の例示的な実施形態において、共通PHY要素144は、共通アナログデジタル変換器(ADC)122を含むことができる。ADC122は、第1の信号と第2の信号とを、共通のサンプリングレート、例えば第2のサンプリングレートを使用して処理するように構成される。第1の信号と第2の信号の双方をサンプリングするのに同じサンプリングレートを使用する、1つのADC要素を実装することは有利なことである。例えば第1及び第2の異なるサンプリングレートに2つのADCを使用することにより、複雑性が増大することがある。
【0032】
一部の例示的な実施形態において、受信機102は、例えば以下で図7を参照して説明されるように、周波数領域において、例えば性能損失を生じない第1の信号と第2の信号のより良い処理のために、統一的な設計で実装される。
【0033】
一部の例示的な実施形態において、ADC122は、第1の無線通信信号を、第2のサンプリングレートにおける第2の複数の時間領域サンプルを含むデジタル信号に変換することができる。
【0034】
一部の例示的な実施形態において、デバイス102は、例えば以下で詳細に説明されるように、第2の複数の時間領域サンプルを含む上記のデジタル信号を、第1の複数の周波数領域サンプルに変換し、当該第1の複数の周波数領域サンプルを、第1のサンプリングレートにおける第2の複数の周波数領域サンプルに変換することができる。
【0035】
一例において、信号107は、例えばIEEE 802.11TGad仕様によって定義されるようなSC−FDE変調スキーマを使用して変調されるアナログ信号を含むことができる。
【0036】
例えば送信機106は、SC−FDE変調スキーマに従って信号107を生成するように構成されたPHY要素を含むことができ、SC−FDE変調スキーマは、例えば1.7ギガヘルツ(GHz)のサンプリングレート、0.38ナノ秒(ns)のサンプリング時間、512の高速フーリエ変換(FFT)サイズ、64のガードインターバル(GI)サイズ、0.291マイクロ秒(μs)の逆高速フーリエ変換(IFFT)とフーリエ変換(FFT)の周期及び36.3ナノ秒(ns)のGI期間を有する。例えば送信機106は、以下で説明されるように、スクランブラと、低密度パリティチェックサム(LDPC:Low Density Parity Checksum)エンコーダと、コンステレーション(constellation)マッパと、サイクルプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)を挿入してSC−FDE構造を形成するように構成されたフレーマとを含む、ベースバンドチェーンを含むことができる。
【0037】
次に図2Aを参照すると、図2Aは、SC−FDEサンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号の構造201を概略的に図示している。
【0038】
図2Aに示されるように、SC−FDE構造201はCP部分211を含み、CP部分211の後にデータ部分212が続く。例えば構造201は512個のシンボルを含み、このうち、CP部分211が、例えばゴーレイシーケンとして定義されるように64個のシンボルを含み、及び/又はデータ部分212が448個のデータシンボルを含むことができる。
【0039】
図1を再び参照すると、送信機106は、例えばデジタルアナログ変換器(DAC:Digital to Analog Converter)と、ローパス平方根二乗余弦(Square Root Raised Cosine)フィルタと、構造201(図2)に対応する信号107を送信するRFチェーンとを含むこともできる。
【0040】
第2の例において、信号107は、例えばIEEE802.11TGad仕様によって定義されるようなOFDM変調スキーマを使用して変調されるアナログ信号を含むことができる。
【0041】
例えば送信機106は、OFDM変調スキーマに従って信号107を生成するように構成されたPHY要素を含むことができ、OFDM変調スキーマは、例えば2.64GHzのサンプリングレート、0.38nsのサンプリング時間、512のFFTサイズ、128のGIサイズ、5.15625メガヘルツ(MHz)のサブキャリア周波数間隔、0.194μsのIFFTとFFTの周期及び48.4nsのGI期間を有する。
【0042】
例えば送信機106は、SC−FDE変調について上記したものと同様に、スクランブラと、低密度パリティチェックサム(LDPC)エンコーダと、コンステレーションマッパとを含むベースバンドチェーンを含むことができる。
【0043】
一部の例示的な実施形態において、送信機106は、SC−FDEサンプリングレートの1.5倍のOFDMサンプリングレートを使用するDAC、及びOFDM信号を含む信号107を送信するように構成されたRFチェーンを含むこともできる。
【0044】
一部の実施形態において、共通PHY要素144は、例えば上述のOFDM信号とSC−FDE信号の双方など、OFDM信号とSC−FDE信号の双方を処理するように構成される。
【0045】
一部の例示的な実施形態において、共通PHY要素144は、共通PHYのRFチェーン要素を含む1つ又は複数のRFブロック115を含むことができ、RFブロック115は、信号107を処理することによってアナログ信号105を生成するように構成される。
【0046】
一部の例示的な実施形態において、受信機112は共通フィルタ121を含むことができ、共通フィルタ121は、例えば信号105の適切なパルス整形を実行して、信号105をフィルタリングしてフィルタリングされた信号109にするように構成される。例えばフィルタ121は、SC−FDE周波数帯域用に構成されるローパス平方根二乗余弦(SRRC)フィルタを使用して実装されることがある。
【0047】
ここで図6を参照する。図6は、OFDM周波数帯域601及びSC−FDE周波数帯域602と比較した、等しいロールオフファクタα=0.5(等価のRRCフィルタ)を有するSRRCフィルタの結合された周波数応答関数603が図示されている。例えばフィルタ121(図1)が周波数応答関数603を有することがある。
【0048】
図6に示されるように、SRRCフィルタ、例えばフィルタ121(図1)の周波数応答関数603は、SC−FDE PHYレイヤ設計において用いられる等しいロールオフファクタα=0.5を有し、OFDM信号とSC−FDE信号の双方の処理に使用される。
【0049】
図1に戻ると、一部の例示的な実施形態において、共通のADC122は、SC−FDEサンプリングレートとは異なるサンプリングレートを使用して信号109をデジタル信号119に変換するように構成される。例えばADC122は、例えば2.64GHzのOFDMサンプリングレートを用いる。
【0050】
例えば信号119は、OFDMサンプリングレートでサンプリングされるSC−FDE信号を含むことがある。したがって、信号119の構造は、図2Aを参照して上述したSC−FDE構造の信号構造とは異なるものとすることができる。
【0051】
次に図2Bを参照すると、図2Bは、一部の例示的な実施形態に従ってOFDMサンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号のシンボル構造202を、概略的に図示している。例えばデジタル信号119はシンボル構造202を有することができる。
【0052】
図2Bに示されるように、シンボル構造202はCP部分221を含み、CP部分221の後にデータ部分222が続く。例えば構造202は、OFDMサンプリングレートで信号109をサンプリングしているため、(図2Aの)構造201の1.5倍の数のサンプル、例えば768個のサンプルを含むことができる。この例によると、CP部分221は96個のサンプルを含み、データ部分222は672個のサンプルを含むことができる。
【0053】
図1に戻ると、一部の例示的な実施形態において、デバイス102は、例えば上述のように信号119を処理するように構成された、1つ又は複数のSC−FDE PHY要素147を含むことができる。
【0054】
一部の例示的な実施形態において、受信機122は、CP部分221(図2B)を信号119から除去することによって、信号119を信号129へと整形するように構成されたフレーマ123を含むことができる。
【0055】
一部の例示的な実施形態において、受信機122は、信号129の時間領域サンプルを、第1の複数の周波数領域サンプルを含む信号139に変換するように構成された、変換器124を含むことができる。例えば変換器124は、SC−FDE信号のFFTサイズの1.5倍のFFTサイズ、例えば768のFFTサイズを有する、拡張FFTを実装することができる。したがって、信号139は768個の周波数領域サンプルを含むことができる。
【0056】
一部の例示的な実施形態において、受信機122は、信号139を、SC−FDEサンプリングレートにおける第2の複数の周波数領域サンプルを含む信号149にマッピングするように構成されたマッパ125を含むことができる。例えば信号149は、520個の周波数領域サンプルを含む。マッパ125は、信号139のスペクトルを、以下で図4を参照して説明されるように、エイリアスSC−FDEスペクトルにマッピングすることができる。
【0057】
一部の例示的な実施形態において、受信機122は、信号149をさらに処理するために、1つ又は複数のSC−FDE PHY要素を含むことができる。例えば受信機122は、チャネルイコライザ(CE:Channel Equalizer)126、IFFT変換器127、並びに1つ又は複数の適切な時間領域要素128を含むことができる。
【0058】
一部の例示的な実施形態において、受信機122は、例えばOFDMサンプリングレートでサンプリングされたOFDM信号を含む信号107を処理する能力を有する。
【0059】
一部の例示的な実施形態において、受信機122は、例えば下述するように信号107を処理するように構成された1つ又は複数のOFDM PHY要素150を含むことができる。
【0060】
例えばOFDM要素150は、信号107がOFDMサンプリングレートのOFDM信号を含むときに、信号107に対応するADC122によって生成されるOFDM信号119を処理する能力を有する、任意の適切なOFDM要素を含むことができる。
【0061】
次に図3A及び3Bを参照する。図3A及び3Bは、一部の例示的な実施形態による、SC−FDEサンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号のスペクトル301、OFDMサンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号のスペクトル302をそれぞれ概略的に図示している。
【0062】
一部の例示的な実施形態において、信号301は、例えば以下に図4を参照して説明するように、所定のマッピングスキーマに従って信号302のサンプルをマッピングすることにより、信号302から再構築されることが可能である。
【0063】
次に図4を参照すると、図4は、OFDMサンプリングレートに従ってサンプリングされたSC−FDE信号のスペクトル411を、SC−FDEサンプリングレートに対応するエイリアススペクトル(aliased spectrum)412にマッピングするためのマッピングスキーマを概略的に図示している。
【0064】
例えば、マッパ125(図1)は768個の周波数領域サンプルを含む信号139(図1)を、512個の周波数領域サンプルを含む信号149にマッピングすることができる。
【0065】
図4に示されるように、スペクトル411は、それぞれ「B1〜B6」と示されている周波数領域サンプルの6つのサブセットに分割することができ、スペクトル412は、それぞれ「A1〜A4」と示されている周波数領域サンプルの4つのサブセットを含むことができる。スペクトル411の6つのサブセットは概ね同じサイズ、例えば128サンプルのサイズを有することができる。スペクトル412の4つのサブセットも概ね同じサイズ、例えば128サンプルのサイズを有することができる。
【0066】
一部の例示的な実施形態において、マッパ125(図1)は、スペクトル411の6つのサブセットをスペクトル412の4つのサブセットにマッピングすることができる。マッパ125(図1)は、例えば以下に説明されるように、スペクトル411の少なくとも2つのサブセットを組み合わせることによって、スペクトル412の少なくとも1つのサブセットを決定することができる。
【0067】
一部の例示的な実施形態において、マッパ125(図1)は、例えばスペクトル411の第1のサブセットB1をスペクトル412の第1のサブセットA1にマッピングし、スペクトル411の第2のサブセットB2と第4のサブセットB4とをそれぞれスペクトル412の第2のサブセットA2にマッピングし、スペクトル411の第3のサブセットB3と第5のサブセットB5とをそれぞれスペクトル412の第3のサブセットA3にマッピングし、スペクトル411の第6のサブセットB6をスペクトル412の第4のサブセットA4にマッピングすることによって、スペクトル411の6つのサブセットをスペクトル412の4つのサブセットにマッピングすることができる。
【0068】
例えばマッパ125は、スペクトル411の6つのサブセットを、例えば以下のようにスペクトル412の4つのサブセットにマッピングすることができる。
【0069】
= B
=B+B
=B+B
= B (1)
【0070】
図5を参照すると、一部の例示的な実施形態に従って無線通信信号を処理する方法が概略的に図示されている。一部の例示的な実施形態において、図5の方法の動作のうちの1つ又は複数を、任意の適切な無線通信システム−例えばシステム100(図1)、無線通信デバイス−例えばデバイス102(図1)、及び/又は無線通信装置−例えば受信機112(図1)によって実行することができる。
【0071】
ブロック502において示されるように、方法は、第1のサンプリングレートでサンプリングされた第1の数のサンプルを含む第1の複数の時間領域サンプルを表す、アナログシングルキャリア無線通信信号を受信することを含む。例えばデバイス102は、例えば上述のように、1.76GHzのサンプリングレートでサンプリングされた512個の時間領域サンプルを表す、アナログSC−FDE信号107(図1)を受信することができる。
【0072】
ブロック503において示されるように、方法は、アナログシングルキャリア無線通信信号を、第1のサンプリングレートより大きい第2のサンプリングレートでサンプリングされる第2の数のサンプルを含む第2の複数の時間領域サンプルを含む、デジタル信号に変換することを含む。例えばADC122(図1)は、アナログ信号109(図1)を、例えば上述のように2.64GHzのOFDMサンプリングレートを使用する768個の時間領域サンプルを含むデジタル信号119(図1)に変換することができる。
【0073】
ブロック504において示されるように、方法は、時間領域サンプルを、第2の数のサンプルを含む第1の複数の周波数領域サンプルに変換することを含む。例えば変換器124(図1)は、信号129(図1)の時間領域サンプルを、例えば上述のように768個の周波数領域サンプルを含む信号139(図1)へと変換することができる。
【0074】
ブロック505において示されるように、時間領域サンプルを周波数領域サンプルに変換することは、高速フーリエ変換を時間領域サンプルに適用することを含むことができる。例えば変換器124(図1)は、上述のように768サンプルの高速フーリエ変換(FFT)サイズを有するFFTを実装することができる。
【0075】
ブロック506に示されるように、方法は、第1の複数の周波数領域サンプルを、第1の数のサンプルを含む第2の複数の周波数領域サンプルにマッピングすることを含む。例えばマッパ125(図1)は、上述のように、768個の周波数領域サンプルを含む信号139(図1)を、512個の周波数領域サンプルを含む信号149(図1)にマッピングすることができる。
【0076】
ブロック507に示されるように、第1の複数の周波数領域サンプルを、第2の複数の周波数領域サンプルにマッピングすることは、第1の複数の周波数領域サンプルの少なくとも2つのサブセットを組み合わせることによって、第2の複数の周波数領域サンプルの少なくとも1つのサブセットを決定することを含むことができる。例えばマッパ125(図1)は、スペクトル411(図4A)の6つのサブセットをスペクトル412(図4B)の4つのサブセットにマッピングし、上述のようにスペクトル411(図4A)の少なくとも2つのサブセットから結合されるスペクトル412(図4B)の少なくとも1つのサブセットを決定することができきる。
【0077】
次に図7を参照すると、一部の例示的な実施形態による、3つの個々の受信機スキーマに対応する受信機性能曲線702、704及び706を示すグラフが概略的に図示されている。例えば性能曲線702、704及び706は、OFDMサンプリングレートでサンプリングされたSC−FDE信号を再サンプリングするために、3つの個々の再サンプリングスキーマの性能曲線を表すことができる。
【0078】
性能曲線702、704及び706は、信号対雑音比(SNR:Signal−Noise Ratio)に対する、例えばチャネルイコライザ(CE)126などの等化後の平均二乗誤差(MSE:Mean−Square−Error)の値を表す。
【0079】
曲線702は、時間領域の理論上の再サンプリングスキーマを実装する受信機に対応する。このスキーマは例えば、無限の長さを使用し、それに応じて無限数の係数を有する時間領域のフィルタを必要とする、ホイタッカーシャノンの補間公式を使用する。
【0080】
理論上の再サンプルスキーマを実装することは不可能であるので、一部の受信機は、有限の長さおよび有限数の係数を有する再サンプリングスキーマを近似した時間領域を実装することがある。例えば曲線704は、近似された時間領域の再サンプリングスキーマを実装する受信機に対応する。このスキーマは、有限数の係数を用いる補間フィルタを使用する。曲線706は、上述の例示的な実施形態による周波数領域の再サンプリングスキーマを実装する受信機に対応する。
【0081】
図7から、曲線704によって表される近似された再サンプリングスキーマは、例えば曲線702によって表される時間領域の理論上のサンプリングスキーマと比べて性能低下をもたらすことがわかる。反対に、周波数領域の再サンプリングスキーマを表す曲線706は、時間領域の理論的な再サンプリングスキーマとほぼ等価な性能を有することができる。
【0082】
本明細書において1つ又は複数の実施形態を参照しながら説明された関数、動作、コンポーネント及び/又は特徴を、本明細書において1つ又は複数の他の実施形態を参照しながら説明された1つ又は複数の他の関数、動作、コンポーネント及び/又は特徴と組み合わせることができ、あるいは上記1つ又は複数の他の関数、動作、コンポーネント及び/又は特徴の組み合わせとともに用いることもでき、またその反対も可能である。
【0083】
本明細書では、本発明のある特定の特徴を図示し、説明してきたが、当業者は多くの修正、置換、変更及び均等物を思い付くであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内にあるようなそのような修正及び変更を包含するように意図される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7