(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
変性樹脂酸(I)、脂肪酸(II)、および変性樹脂酸(I)と脂肪酸(II)とからなる混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含む組成物であって、前記成分の中和度が106〜145%である組成物を含む乳化剤の存在下における乳化重合を含む、ミクロゲルの製造方法。
前記乳化剤が、少なくとも1つの変性樹脂酸(I)と少なくとも1つの脂肪酸(II)とを含み、該少なくとも1つの変性樹脂酸(I)および少なくとも1つの脂肪酸(II)を混合することによって製造される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
前記ミクロゲルが、共役ジエン(A)、ビニル芳香族モノマー(B)、架橋モノマー(C)およびヒドロキシ基を含有するモノマー(D)からなる群から選択されるモノマーからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0031】
乳化剤系
本発明は、少なくとも1つの変性樹脂酸(I)および少なくとも1つの脂肪酸(II)が使用される乳化剤系を提供する。
【0032】
しかしながら、本発明の目的のためには、本発明の乳化剤組成物中に複数の異なる変性樹脂酸(I)、例えば2、3、4または5つの異なる樹脂酸を使用することもまた可能である。
【0033】
しかしながら、本発明の目的のためには、本発明の乳化剤組成物中に複数の異なる変性脂肪酸(I)、例えば2、3、4または5つの異なる脂肪酸を同時に使用することもまた可能である。
【0034】
ポリマーの製造での脂肪酸のアルカリ金属塩の使用は長い間公知であった(Methoden der organischen Chemie[Methods of organic chemistry],Houben−Weyl,Volume XIV/1,Makromolekulare Stoffe[Macromolecular substances],Part 1,192−194ページ,Georg Thieme Verlag,1961年)。脂肪酸の鎖長は6〜22個の炭素原子である。モノ−および多不飽和脂肪酸もまた好適である。酸は、述べられたように、単独でかまたは異なる鎖長の酸の混合物の形態で使用することができる。混合物が使用される場合、16〜18個の炭素原子の鎖長を有する脂肪酸の割合は80%以上であるべきである。
【0035】
本発明の目的のためには、複数の異なる脂肪酸(II)と共に複数の異なる変性樹脂酸(I)を同時に使用することもまた可能である。
【0036】
本発明の目的のためには、変性樹脂酸(I)は、未変性樹脂酸の二量化、不均化および/または水素化によって得られた樹脂酸である。適切な変性樹脂酸は、述べられた変性方法を用いることにより、順繰りに例としてピマル酸、ネオアビエチン酸、アビエチン酸、レボピマル酸およびパルストル酸(palustric acid)からなる群から選択される未変性樹脂酸から出発することによって得られる。
【0037】
本発明の特に好ましい一実施形態では、変性樹脂酸は不均化樹脂酸である(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第6版、第31巻,345−355ページ)。好ましい不均化樹脂酸は、変性樹脂酸として商業的に入手可能である。
【0038】
使用される樹脂酸は、根、松バルサムおよびトールオイルから得られる三環式ジテルペンカルボン酸である。これらの「未変性」樹脂酸は、不均化樹脂酸を与えるために例としてW.Bardendrecht,L.T.Lees,Ullmanns Encyclopaedie der Technischen Chemie[Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry],第4版,第12巻,525−538ページ,Verlag Chemie,Weinheim−New York 1976年に記載されているように変換させることができる。それらのアルカリ金属塩の形態で、不均化樹脂酸は主としてポリマーおよびラテックスの製造のための乳化剤として使用される(W.Barendrecht,L.T.Lees,Ullmanns Encyclopaedie der Technischen Chemie[Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry],第4版,第12巻,530ページ,Verlag Chemie,Weinheim−New York 1976年)。
【0039】
本発明の組成物はまた、変性樹脂酸(I)と一緒に少なくとも1つの脂肪酸(II)を含む。
【0040】
脂肪酸は好ましくは、1分子当たり6〜22個の炭素原子、特に好ましくは1分子当たり6〜18個の炭素原子を含有する。それらは完全に飽和の酸であることができるし、または分子内に1つ以上の二重結合もしくは三重結合を含有することができる。
【0041】
本発明に従って好適な脂肪酸の例は、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびリノレン酸である。
【0042】
本発明の別の実施形態では、カルボン酸はまた、特有の発生源からの混合物で存在することもでき、例はヒマシ油、綿実油、ピーナッツ油、アマニ油、ヤシ脂肪、パーム核油、オリーブ油、菜種油、大豆油、魚油および牛脂である(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,第6版,第13巻,75−108ページ)。
【0043】
好ましいカルボン酸は牛脂に由来し、部分水素化酸である。それ故、部分水素化牛脂脂肪酸が特に好ましい。
【0044】
樹脂酸および脂肪酸は、遊離カルボン酸の形態で、または部分もしくは完全中和形態で商業的に入手可能である。
【0045】
重合プロセスのために必要なアルカリ金属添加を決定するために、使用されるべき樹脂酸および脂肪酸は酸滴定によってキャラクタリゼーションされる(Maron,S.H.,Ulevitch,I.N.,Elder,M.E.“Fatty and Rosin Acids,Soaps,and Their Mixtures”,Analytical Chemistry,Vol.21,6,691−695ページ;Maron,S.H.;Madow,B.P.;Borneman,E.“The effective equivalent weights of some rosin acids and soaps”,Rubber Age(1952年),71−72ページ)。重合に使用される樹脂酸/脂肪酸混合物の中和度の標的調整のために添加されるべき量を計算するために、このような方法で遊離カルボン酸のおよび乳化剤塩の量が測定される。
【0046】
乳化剤は未知の平均分子量の混合物であるので、第1工程での中和度の正確な調整は、上記の手順によって好ましくは実施される、用いられる乳化剤の滴定キャラクタリゼーションを必要とする。
【0047】
カルボキシ基を含有する乳化剤(R−COOH)の中和度は、次の化学量論式に基づいて計算され;中和度がここで100%である場合、乳化剤のカルボキシ基の全てが当量の金属水酸化物化合物(MeOH)で中和されてしまっている。
【0049】
樹脂酸/脂肪酸混合物の中和度は、良好なラテックス安定性の達成にとって重要である。樹脂酸(I)のおよび脂肪酸(II)の中和度は好ましくは104〜165%、好ましくは106〜160%であり、110〜155%が特に好ましく;100%の中和度はここでは完全な塩形成を意味し、100%超の中和度はここでは相当する過剰の塩基を意味する。
樹脂酸および脂肪酸の中和のために使用することができる塩基の例は、LiOH、NaOH、KOH、NH
3および/またはNH
4OHである。酸と難溶性の塩を形成しない塩基がここでは好ましい。LiOH、NaOH、KOHおよびNH
4OHが特に好ましい。
【0050】
カルボン酸の中和はここでは、乳化剤組成物の実際の使用前に行うことができるが、物質が反応器に、または重合反応器への添加前に別個の容器に装入されるときには好ましくはその場中和である。
【0051】
樹脂酸および脂肪酸は、単一成分の形態でかまたは一緒に、ミクロゲルの製造で乳化剤として使用され;樹脂酸または脂肪酸の量はここで、または樹脂酸および脂肪酸の総量は、各場合にモノマー混合物の100重量部を基準として、2.2〜12.5重量部、好ましくは2.5〜10重量部、特に好ましくは2.8〜7.5重量部である。
【0052】
樹脂酸(I)および脂肪酸(II)の塩の間の重量比は好ましくは、0.05:1〜15:1、特に好ましくは0.08:1〜12:1である。
【0053】
本発明の乳化剤組成物は、樹脂酸(I)の少なくとも1つの塩のおよび脂肪酸(II)の少なくとも1つの塩の必須の成分と一緒にさらなる成分を含むことができる。
【0054】
本発明の乳化剤組成物はそれ故、例えば、中性および陰イオン性の乳化剤をさらに含むことができる。
【0055】
さらなる乳化剤の使用は可能であるが、特に重合プロセス中には、強制的ではなく、そしてまた、ミクロゲルの製造のための重合プロセス後にそれに続く添加の形態である。陰イオン性および非イオン性乳化剤を使用することができる。陰イオン性乳化剤の例は、n−ドデシルサルフェート(例えば、Cognis製のTexapon(登録商標)K12)などの、アルキルサルフェート;アルキルスルホネート(例えば、Lanxess Deutschland GmbH製のMersolat(登録商標)K30);アリールスルホネート(例えば、Sasol Germany GmbH製のMarlon(登録商標));メチレン架橋ビスナフタレンスルホネート(例えば、Lanxess Deutschland GmbH製のBaykanol(登録商標)PQ);ならびにスルホコハク酸のモノ−およびジエステル(スルホコハク酸ジオクチルのナトリウム塩)である。好適な非イオン性乳化剤は、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシド、ならびにまたこれらの2つのモノマーのコポリマーである。脂肪族および芳香族フェノールへの、およびまたアミンへのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの付加体もまた好適である。ポリマーの中性または陰イオン性安定剤を使用することもまた可能である。例はここでは、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびポリアクリル酸ナトリウムである。
【0056】
中性および陰イオン性乳化剤の使用は先ず第1にラテックス安定性を向上させ;第2に、ラテックスの凝固時に生成するゴム小片はより小さい。こういう訳で、添加される中性および陰イオン性乳化剤の選択および量に対して主導権を発揮することが好ましい。陰イオン性乳化剤の添加量は、これらが使用される場合、通常0〜0.5重量部、好ましくは0〜0.25重量部、特に好ましくは0〜0.10重量部の範囲にある。
【0057】
上記の乳化剤組成物は好ましくはミクロゲルの製造に使用される。
【0058】
本発明はそれ故また、特に、ヒドロキシ基を含有するミクロゲルの貯蔵安定性のある分散系の製造のための、乳化剤系としての上記組成物の使用を提供し、そして本発明の目的のためには、貯蔵安定性のある分散系はここでは、ヒドロキシ基を含有する、かつ、貯蔵時間に応じて粒径が一定の増大を超えないミクロゲルである。
【0059】
本発明は、上に定義された組成物が乳化剤として使用されるミクロゲルの製造方法をさらに提供する。
【0060】
このように得られるミクロゲルは、10〜100重量%のゲル含有率を有することができ、本発明の乳化剤組成物を使用することによって、一般に70重量%超、好ましくは75重量%超、特に好ましくは80重量%超であるゲル含有率のミクロゲルを製造することがここで可能である。
【0061】
本発明の乳化剤組成物を使用して得られるミクロゲルはさらに、一般に30未満、好ましくは25未満、特に好ましくは20未満である膨潤指数を有する。
【0062】
ミクロゲルはさらに、0.1重量%超のヒドロキシ基を含有する共重合モノマーを有する。得られたミクロゲルのヒドロキシ価は一般に0.5超である。
【0063】
ミクロゲルはここでは好ましくは乳化重合によって製造される。
【0064】
本発明の目的のためには、本発明の方法に使用される本発明の乳化剤組成物の量は、各場合に下記の後段階でより詳細に定義されるモノマー組成物を基準として、好ましくは少なくとも2.2重量部、特に好ましくは少なくとも2.5重量部である。
【0065】
本発明の目的のためには、本発明の方法に使用される本発明の乳化剤組成物の量は、各場合にモノマー混合物の100重量部を基準として、好ましくは2.2〜12.5重量部、好ましくは2.5〜10重量部、特に好ましくは2.8〜7.5重量部である。
【0066】
特に好ましい範囲は、2.2〜10.00重量%、より好ましくは2.5〜8.00重量%の量である。
【0067】
重合反応は好ましくは10〜100℃、特に好ましくは12〜90℃、特に15〜50℃の温度で実施される。
【0068】
乳化重合反応はここでは、等温、半断熱または完全断熱手順によって実施することができる。
【0069】
本発明の方法は、ミクロゲルのガラス転移温度より上の温度で実施される凝固プロセス工程をさらに含むことができる。凝固温度はここでは、少なくとも10℃、好ましくは少なくとも15℃、特は少なくとも20℃だけミクロゲルのガラス転移温度より好ましくは高い。本発明に従って提供される前記凝固温度の遵守は、得られたミクロゲルの小片サイズに相互決定的な影響を及ぼす。
【0070】
本発明の方法で乳化剤組成物と一緒に使用される成分のより詳細な説明が以下に続く。
【0071】
モノマー
ミクロゲルの製造は、モノマーの総量が100重量部である、共役ジエン(A)から、ビニル芳香族モノマー(B)から、架橋モノマー(C)からおよびヒドロキシ基を含有するモノマー(D)からなるモノマー混合物を使用する。
【0072】
本発明の別の実施形態では、3つのみの成分、すなわち、成分(A)、(C)および(D)、または(B)、(C)および(D)からヒドロキシル化架橋ミクロゲルを製造することがさらに可能である。
【0073】
使用される好ましい共役ジエン(A)は、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンおよびクロロプレンである。1,3−ブタジエンおよびイソプレンが好ましい。
【0074】
各場合に重合反応に使用されるモノマーの100重量部を基準として、0〜94.9重量%、好ましくは0〜94.0重量%、特に好ましくは0〜93.5重量%のジエン(A)を使用することが好ましい。
【0075】
使用されるビニル芳香族モノマー(B)の例は、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−第三ブチルスチレンまたは第三ブトキシスチレンである。スチレンおよびα−メチルスチレンが好ましい。ビニル芳香族モノマー(B)の使用量は、各場合に重合反応に使用されるモノマーの100重量部を基準として、一般に0〜94.9重量%、好ましくは0〜94.0重量%、特に好ましくは0〜93.5重量%である。
【0076】
使用される架橋モノマー(C)は、分子中に少なくとも2個の二重結合を含有するモノマーである。これらの中に、1〜20個の炭素原子を有するジオールの(メタ)アクリレート、例えば、エタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(C1)、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびまた1〜25の重合度を有するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマーをベースとするジオール(C2)、1〜25の重合度を有する重合テトラヒドロフランをベースとするジオール(C3)、3価アルコールのビス−およびトリス(メタ)アクリレート、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートおよびグリセロールトリ(メタ)アクリレート(C4)、4価アルコールのビス−、トリス−およびテトラ(メタ)アクリレート、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート(C5)、芳香族ポリビニル化合物(C6)、例えば、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ならびにまた少なくとも2個のビニル基を有する他の化合物、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ビニルクロトナートおよびアリルクロトナート(C7)がある。(メタ)アクリル酸のエタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールエステル、ならびにまた芳香族ポリビニル化合物ジビニルベンゼンが好ましい。
【0077】
架橋モノマー(C)の使用量は、各場合に重合反応に使用されるモノマーの100重量部を基準として、0.1重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜12.5重量%、特に好ましくは1〜7.5重量%である。
【0078】
ミクロゲルのゲル含有率および膨潤指数に特に影響を及ぼすパラメーターは、調整剤の量、重合反応における転化率および重合温度などの、多数の他のパラメーターと共に、架橋モノマー(C)の量である。モノマー(C)はまた、モノマー(A)および(B)からなる相当する非架橋ホモポリマーおよび/またはコポリマーのガラス転移温度を上昇させる。
【0079】
ヒドロキシ基を含有する使用されるモノマー(D)は一般に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D1)、ヒドロキシアルキルクロトナート(D2)、ポリオールのモノ(メタ)アクリレート(D3)、ヒドロキシ変性不飽和アミド(D4)、ヒドロキシ基を含有する芳香族ビニル化合物(D5)、およびまたヒドロキシ基を含有する他のモノマー(D6)である。
【0080】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(D1)の例は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートおよび4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートである。
【0081】
ヒドロキシアルキルクロトナート(D2)の例は、2−ヒドロキシエチルクロトナート、3−ヒドロキシエチルクロトナート、2−ヒドロキシプロピルクロトナート、3−ヒドロキシプロピルクロトナート、2−ヒドロキシブチルクロトナート、3−ヒドロキシブチルクロトナートおよび4−ヒドロキシブチルクロトナートである。
【0082】
ポリオールのモノ(メタ)アクリレート(D3)は、二価および多価アルコール、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトールから、あるいはオリゴマー化エチレングリコールおよびプロピレングリコール(ここで、これらは1〜25個の述べられたグリコール単位を含有する)から誘導される。
【0083】
ヒドロキシ変性不飽和アミド(D4)の例は、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリアミドおよびN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリアミドなどのモノマーである。
【0084】
ヒドロキシ基を含有する芳香族ビニル化合物(D5)は、2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンおよび4−ビニルベンジルアルコールである。
【0085】
ヒドロキシ基を含有する他のモノマー(D6)の例は、(メタ)アリルアルコールである。
【0086】
ヒドロキシ基を含有するモノマー(D)の好ましい使用量は、重合反応に使用されるモノマーの100重量部を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、特に1〜12.5重量%である。
【0087】
ミクロゲルのガラス転移温度は、共重合モノマー(A)、(B)、(C)および(D)の比によって確定される。ガラス転移温度は、モノマー(A)および(B)の重量割合がミクロゲルのガラス転移温度の第1近似値に達する上で決定的因子である、Fox−Flory関係式を用いることによって近似値を求めることができる。
【0089】
Fox−Flory関係式は有利には、モノマー(A)および(B)のホモポリマー、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリ−4−メチルスチレンおよびポリ(α)メチルスチレンについての次のガラス転移温度を使用する。
ポリブタジエン:−80℃
ポリイソプレン:−65℃
ポリスチレン:100℃
ポリ−4−メチルスチレン:104℃
ポリ(α)メチルスチレン:115℃
(A)および(B)の他のホモポリマーのガラス転移温度は、J.Brandrup,E.H.Immergut,Polymer Handbook,Wiley & Sons 1975年に見いだされる。
【0090】
架橋モノマー(C)との共重合の結果は一般に、ガラス転移温度が相当する非架橋のホモポリマーまたはコポリマーのそれらより1℃〜10℃だけ高く、そして第1近似においてここで、ミクロゲルのガラス転移温度が架橋度に比例して上昇することである。弱架橋ミクロゲルの場合には、ガラス転移温度は、相当するホモポリマーまたはコポリマーについてよりたったの約1℃だけ高い。高架橋ミクロゲルの場合には、ガラス転移温度は、相当する非架橋ホモポリマーまたはコポリマーのガラス転移温度より10℃以下だけ高いものであることができる。第1近似では、ヒドロキシ基を含有するモノマー(D)のT
gに対する影響は無視できる。
【0091】
本方法によって製造されたゲルのガラス転移温度は通常、−78℃〜150℃、好ましくは−78℃〜125℃の範囲にある。
【0092】
ゲルのゲル含有率および膨潤指数は、架橋モノマー(C)の量によって、ならびにまた(以下により詳細に説明される)調整剤の量、重合反応における転化率および重合温度によって確定される。10〜100重量%のゲル含有率は、架橋剤の選択および量に応じて達成することができる。しかしながら、好ましいゲル含有率は70重量%より上、特に75重量%より上、特に80重量%より上である。
【0093】
得られたミクロゲルの膨潤指数は一般に30より下、好ましくは25より下、特に好ましくは20より下である。
【0094】
ヒドロキシ基の含有率は、DIN 53240に従って、ラテックスから単離された乾燥ミクロゲルと無水酢酸を反応させ、得られた遊離酢酸のその後のKOH滴定によって測定される。KOH消費は、ゲルのヒドロキシ含有率と等価であり、次元mgKOH/gのポリマーのヒドロキシ価と称される。
【0095】
得られたミクロゲルのヒドロキシ価は、各場合に1gの乾燥ゲル当たり、一般に0.5〜200、特に1〜150、好ましくは5〜100である。
【0096】
活性化剤
好適な重合開始剤は、分解してフリーラジカルを与える化合物である。これらの中に、−O−O−単位を含有する化合物(ペルオキソ化合物)あるいは−N=N−単位を含有する化合物(アゾ化合物)がある。ペルオキソ化合物の中に、過酸化水素、ペルオキソジサルフェート、ペルオキソジホスフェート、パーボレート、ヒドロペルオキシド、過酸、過エステルおよび過酸化物がある。好適なペルオキソジサルフェートは、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムペルオキソジサルフェートである。好適なヒドロペルオキシドは、第三ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシドおよびp−メンタンヒドロペルオキシドである。好適な過酸化物は、ベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、過安息香酸第三ブチル、ジクミルペルオキシドおよびジ−第三ブチルペルオキシドである。好適なアゾ化合物は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルおよびアゾビスシクロヘキサンニトリルである。
【0097】
過酸化水素、ヒドロペルオキシド、過酸、過エステル、ペルオキソジサルフェート、ペルオキソジホスフェートおよびパーボレートはまた、還元剤、例えば、ジチオナイト、スルフェネート、スルフィネート、スルホキシレート、スルファイト、メタバイスルファイト、ジスルファイト、糖類、ウレア、チオウレア、キサントゲン酸塩、チオキサントゲン酸塩、ヒドラジニウム塩およびパーチオカーボネートと組み合わせて使用することができる。
【0098】
酸化剤を還元剤と組み合わせることによって得られる活性化剤系は、レドックス系と称される。これらのレドックス系にまた添加される触媒は、エチレンジアンモニウム四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、およびまた二リン酸カリウムなどの、好適な錯化剤と組み合わせた、遷移金属化合物、例えば、鉄、コバルトまたはニッケルの塩である。錯化剤を使用する狙いは、環境がアルカリ性であるときでさえ遷移金属塩が溶解したままであることである。好ましい一レドックス系は、p−メンタンヒドロペルオキシド、ホルムアルデヒド−スルホキシル酸ナトリウム、硫酸鉄(II)およびエチレンジアミノ酢酸ナトリウムからなる。
【0099】
重合開始剤の量は、各場合に使用されるモノマーの100重量部を基準として、一般に0.001〜10重量部、特に0.5〜10重量部、好ましくは1〜6重量部である。還元剤のモル量は、各場合に使用される酸化剤のモル量を基準として、好ましくは50%〜500%、特に好ましくは60%〜400%、特に70〜300%である。
【0100】
錯化剤のモル量は、使用される遷移金属の量を基準とし、等モル量の10倍以下であることができる。
【0101】
反応速度は、重合開始剤の量によって制御される。
【0102】
所望の反応速度を達成するために、小分けして開始剤系の成分の全てを、あるいは幾らかを加えることが好ましい。鉄とおよび錯化剤と組み合わせた還元剤の30%が、酸化剤の30%と一緒に、重合反応の開始時に反応器に加えられる。この場合には、還元剤のおよび酸化剤の残量は小分けしてまたは連続的に反応混合物に加えられる。反応速度を一定の限度内に制御するために活性化剤成分の添加の速度を利用することが可能である。
【0103】
調整剤
使用することができる調整剤の例は、線状および分岐メルカプタン、キサントゲンジスルフィド、チオグリコール、チウラムジスルフィド、ハロゲン化炭化水素、および分岐炭化水素である。
【0104】
メルカプタンは好ましくは6〜20個の炭素原子を有する。
【0105】
好適なメルカプタンの例は、n−ヘキシルメルカプトン、n−ドデシルメルカプタン、2,4,4’−トリメチルペンタン−2−チオール、2,2’,4,6,6’−ペンタメチルヘプタン−4−チオール、2,2’、6,6’−テトラメチルヘプタン−4−メタンチオールおよび2,2’,4,6,6’,8,8’−ヘプタメチルノナン−4−チオールである。
【0106】
キサントゲンジスルフィドの例は、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィドおよびジイソプロピルキサントゲンジスルフィドである。
【0107】
チウラムジスルフィドの例は、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドおよびテトラブチルチウラムジスルフィドである。
【0108】
ハロゲン化炭化水素の例は、四塩化炭素、臭化エチルおよびヨウ化メチルである。
【0109】
分岐炭化水素の例は、Hラジカルをそれから開裂することが容易であるもの、例えば、ペンタフェニルエタン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、ジペンテン、およびまたα−テルペンおよびγ−テルペンなどの、テルペンである。
【0110】
トリイソブテンおよびテトラプロペンをベースとする第三ドデシルメルカプタン混合物が好ましく、これらは例としてLanxess Deutschland GmbHからまたはChevron Phillipsから入手可能である。
【0111】
調整剤が使用される場合、その好ましい量は、各場合にモノマー混合物の100重量部を基準として、2.50重量部以下、特に2.00重量部以下、特に1.00重量部以下である。
【0112】
重合反応における転化率
重合反応において本発明の方法によって得られる転化率は一般に65〜100%、好ましくは70〜100%、特に好ましくは80〜100%である。重合反応における高い転化率は、以下の目的を達成するために有利である:
1.ミクロゲルの高い空間/時間収率;
2.水蒸気ストリッピングによる未転化モノマーの除去での熱応力の減少;および
3.70重量%より上のゲル含有率および30より小さい膨潤指数と共に、高い程度のゲル架橋の樹立。
【0113】
重合混合物の他の成分
水の量
乳化重合反応に使用される水の量は、各場合にモノマー混合物の100重量部を基準として、好ましくは150〜900重量部、特に好ましくは180〜700重量部、特に200〜400重量部である。
【0114】
塩添加
重合反応中の粘度を低下させるために、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウムなどの、一価陽イオンの塩を水相に添加することができる。相当する陰イオンは一価または二価であることができる。使用される電解質の例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび硝酸アンモニウムである。塩化カリウムが好ましい。塩の添加量は、各場合にモノマー混合物の100重量部を基準として、好ましくは0.01〜1.0重量部、好ましくは0.05〜0.25重量部である。
【0115】
停止剤
重合反応を停止させるために、ヒドロキシルアミン、ジアルキルヒドロキシルアミンおよびヒドラジン、あるいはそれらに由来する塩を使用することが一般に可能である。
【0116】
停止剤の具体的な例は、硫酸ヒドロキシアンモニウム、ジエチルヒドロキシルアミン、ジイソプロピルヒドロキシルアミン、およびまた硫酸ヒドラジニウムである。使用することができる他の停止剤は、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ヒドロキシジチオカルボン酸塩、ヒドロキノン、第三ブチルピロカテコールなどの、芳香族フェノール類、パーチオカーボネートおよびフェノチアジンである。ニトロサミンを含まないおよびニトロソ化することができる成分を全く含まない停止剤を使用することが好ましい。
【0117】
停止剤の添加量は、各場合にモノマー混合物の100重量部を基準として、好ましくは0〜2.5重量部、特に好ましくは0.05〜2.00重量部、特に0.10〜0.50重量部である。
【0118】
しかしながら、ゲルは高転化率までの重合によって製造されるので、かつ、ゲルは高い不溶性含量、およびまたトルエンにおける低い程度の膨潤を有するので、重合反応を停止させることは絶対に不可欠であるわけではなく、停止はまた本発明の目的のためには省略することもできる。
【0119】
重合反応後の残存モノマーの除去
重合反応が終了させられるとすぐに、得られたラテックスは、未転化モノマーおよびまた揮発性成分を除去するために水蒸気処理される。ここで用いられる温度は好ましくは70〜150℃であり、ここで100℃より下の温度では、圧力は下げられる。
【0120】
揮発性成分の除去前に、乳化剤をラテックスのポスト−安定化のために使用することができる。
【0121】
乳化剤がポスト−安定化のために使用される場合、上記の規則が適用される。
【0122】
ポスト−安定化のための乳化剤として本発明の乳化剤系を使用することもまた可能である。
【0123】
前述の乳化剤のここで使用される量は、各場合に初期に使用されるモノマー混合物を基準として、有利には0〜2.5重量%、好ましくは0〜1.5重量%である。
【0124】
酸化防止剤の添加
ラテックスの凝固前にまたは凝固中に、酸化防止剤がラテックスに添加される。フェノール系およびアミン系酸化防止剤がこの目的のために好適である。好適なフェノール系酸化防止剤は、アルキル化フェノールあるいは立体障害のあるフェノール、例えば、2,6−ジ−第三ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、およびまた2,2−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)(BPH)である。BHTおよびBPHが好ましい。
【0125】
ゲルの変色が重要でない場合、フェニレンジアミンをベースとするアミン系酸化防止剤を使用することもまた可能である。例は、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(IPPD)、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−1,4−ジメチルペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(7PPD)およびN,N’−ビス−1,4−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン(77PD)である。述べられたアミン系酸化防止剤が好ましい。ヒドロキシ変性ゲルがタイヤの製造のために使用されるときにアミン系酸化防止剤が好ましくは使用される。
【0126】
添加される酸化防止剤の量は通常0.1〜2.5重量%の範囲にある。
【0127】
ラテックスの凝固
ラテックスは通常、ポリマー沈殿剤と組み合わせてまた使用することができる、電解質によって凝固させられる。以下の後段階で記載される温度基準の遵守を前提として、いかなる陰イオン性、陽イオン性または中性乳化剤の添加もなしに、樹脂酸のおよび脂肪酸の塩を使用することによって、ラテックスを凝固させるときに5mmより大きい小片サイズを得ることは容易である。
【0128】
本発明の目的のためには、電解質は特に酸および塩である。使用することができる酸の例は、塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸および酢酸である。硫酸および酢酸が好ましい。使用される塩は、一価、二価および三価金属の塩である。塩の相当する陰イオンは、一価または二価である。使用される電解質の例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウム、および硫酸カリウムアルミニウムまたは硫酸ナトリウムアルミニウムなどの、ミョウバンである。塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムおよび硫酸カリウムアルミニウムまたは硫酸ナトリウムアルミニウムなどの、ミョウバンが好ましい。
【0129】
酸と塩との組み合わせを使用することもまた可能である。好ましい組み合わせは、塩化ナトリウム/硫酸、硫酸マグネシウム/硫酸、塩化カルシウム/酢酸、硫酸カリウムアルミニウム/硫酸、およびまた硫酸アルミニウム/硫酸である。
【0130】
ラテックスの凝固のために必要とされる電解質の量は、各場合にミクロゲルを基準として、一般に0.1〜100重量%、好ましくは0.2〜50重量%、特に好ましくは0.5〜10重量%の電解質である。
【0131】
ポリマー沈殿剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、または両性イオン性であることができる。それらは、単独では使用されず、むしろ前述の電解質と組み合わせて使用される。
【0132】
非イオン性ポリマー沈殿剤の例は、ポリエチレンオキシド、(アルキル)フェノール/ホルムアルデヒド縮合物へのエチレンオキシド付加体、ポリオキシプロピレン、(アルキル)フェノール/ホルムアルデヒド縮合物へのポリオキシプロピレン付加体、(アルキル)フェノール/ホルムアルデヒド縮合物への、およびまた脂肪酸へのエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー付加体、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドをベースとするブロックコポリマ−、ポリビニルピロリドン、独国特許出願公開第2 332 096A号明細書、独国特許出願公開第2 425 441A号明細書および独国特許出願公開第2 751 786A号明細書に記載されているような、セルロース誘導体、ゼラチン、完全または部分加水分解されたポリ酢酸ビニル、ならびにまた独国特許出願公開第3 043 688A号明細書に記載されているような、多糖類である。
【0133】
陰イオン性ポリマー沈殿剤の例はポリアクリル酸の塩である。
【0134】
陽イオン性ポリマー沈殿剤は通常、ポリ(メタ)アクリルアミドを、あるいは、米国特許第4,920,176号明細書に記載されているような、エピクロロヒドリンと、ジメチルアミンなどの、ジアルキルアミンとのコポリマーをベースとする。
【0135】
好ましいポリマー沈殿剤は、欧州特許出願公開第0 779 301A号明細書に記載されているような、これらの曇点が10〜100℃、好ましくは20〜70℃である、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂へのエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマ−付加体であり、かつセルロースベースの水溶性ポリマーでもある。
【0136】
ポリマー沈殿剤の量は、各場合にミクロゲルの100重量部を基準として、0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜2重量部である。
【0137】
ラテックスの凝固は、10〜150℃の温度範囲で、好ましくは10〜20℃だけガラス転移温度(T
g)より上である温度で実施される、5mmより上の寸法の十分に粗い小片を製造するために、凝固温度は好ましくは、少なくとも10℃だけ、好ましくは少なくとも15℃だけ、特に少なくとも20℃だけミクロゲルのガラス転移温度より高いものであるべきである。
【0138】
洗浄工程のために使用される水の量は、各場合にミクロゲルの100重量部を基準として、一般に0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部、特に好ましくは2〜10重量部である。
【0139】
使用される洗浄水は、脱イオン水か非脱イオン水かのいずれかであることができる。
【0140】
洗浄水の温度は好ましくは、ラテックスの凝固に用いられる温度に等しい。
【0141】
洗浄工程は、連続的にかまたは回分式に実施することができる。小片を洗浄するために用いられる方法は、洗浄が向流プロセスで連続的に実施されるものであることが好ましい。
【0142】
分析の方法
剪断安定性は、停止後のおよび残存モノマーおよび他の揮発性成分を除去するための水蒸気処理後のラテックスに関して測定される。ラテックスは、重合反応中に使用された乳化剤のみを含む。ラテックスにはまた、添加された酸化防止剤がない。
【0143】
2つの方法がラテックス安定性を測定するために用いられた:
1)室温でのラテックス貯蔵時間に応じたラテックス直径の監視。
2)室温でのラテックス貯蔵時間に応じた剪断安定性の測定。
【0144】
剪断安定性を測定するために、ラテックスを先ず、50μmメッシュ幅のフィルターを通して濾過した。ラテックスの固形分濃度を次に測定した。剪断安定性の各測定のために、80±0.5gのラテックスを、ラテックスのpHまたは固形分濃度のいかなる調整もなしに、58mm内径および高さ144.5mmのガラスビーカーに加えた。直径16.9mmの鋸歯状ミキサーディスクを使用する、IKA(登録商標)Werke GmbH & Co.KG製のUltraturrax T 18 Basicにより剪断をラテックスにかけた。攪拌機ディスクの下縁とビーカー底面との間の距離は12.7±3mmであった。剪断安定性を測定するために、ラテックスを、室温で10分間14,000±200rpmでの回転に曝した。剪断プロセス中に形成された凝固物の量を次に測定した。このために、ラテックスを50μnメッシュ幅のフィルターを通して濾過した。濾過によって取り去られる凝固物を単離し、真空オーブン中60℃で一定重量まで乾燥させた。凝固物の量は、剪断への暴露前のラテックス中に存在する固形分の量を基準とした。次の方程式を用いて形成された凝固物の百分率量を計算した:
【0146】
ラテックスは、前記測定中に形成された凝固物の量が5重量%より小さい場合、十分な剪断安定性を有する。
実験シリーズ(1)の非発明ラテックスの場合には、ラテックスの剪断中に形成された凝固物の量がラテックス貯蔵中の粒径の増加と関連があることは明らかである。
【0147】
ラテックス粒子の直径は、動的光散乱(DLS)によって濾過ラテックス(篩メッシュ幅:50μm)に関して、ラテックス貯蔵時間に応じて測定された。Malvern Instruments Ltd.,Worcestershire,England製のZetasizer(登録商標)(Nano ZS)がこの測定のために用いられた。各測定について、研究されるべきラテックスの1滴を、脱イオン水が装入された測定セルに添加するために1mlプラスチックピペットが用いられた。得られた希釈ラテックスは均一化のために2または3回振盪された。
【0148】
動的光散乱によって測定される、ラテックス粒子の直径はラテックスの貯蔵中に増大することが分かった。この研究の過程中に、粒子の直径が100nmより小さい間はラテックスが十分な安定性を有することは明らかであった。ラテックス安定性は、粒径が100〜170nmであるときは不十分である。170nmより上の直径は、ラテックスが既に完全な凝固を受けてしまっているので、観察されなかった。これらの観察に基づいて、ラテックスが剪断に耐性があり、貯蔵に安定であるべきである場合には、放置時間に応じて、その粒径の小さい変化のみが許容される。十分な貯蔵安定性の達成のためには、粒径は、ラテックスの放置時間が4週間超であるときでさえ、100nmより小さいままでなければならない。
【0149】
不溶性ポリマー部分の含有率(ゲル含有率)および膨潤指数を測定するために、250mgのポリマーが、振盪しながら、23℃で24時間25mlのトルエン中で膨潤させられる。トルエン膨潤(湿潤)ゲル(MG
湿潤)が次に、20,000rpmで遠心分離することによって単離され、秤量され、次に70℃で一定重量まで乾燥され、再び秤量される(MG
乾燥)。
【0150】
ゲル含有率は23℃でのトルエン不溶部分に相当する。それは次式:
【0156】
ゲル含有率および膨潤指数は、特に架橋モノマー(C)の性質および量に、調整剤の量にならびに重合反応における転化率に依存する。ゲル含有率は好ましくは70重量%超、特に好ましくは75重量%超、特に80重量%超である。膨潤指数は好ましくは30未満、好ましくは25未満である。
【0157】
ガラス転移温度(T
g)は、Perkin−Elmer DSC−2を用いる、DSCによって測定された。一次測定サイクルにおいて、検体は、−130℃まで320K/分で液体窒素によって冷却され、そして20K/分の加熱速度で150℃まで加熱される、二次測定サイクルにおいて、検体は再び−130℃まで冷却され、そして20K/分で加熱される。T
gは二次測定サイクルで測定される。
【0158】
ミクロゲルのガラス転移温度(T
g)は、一般に−78〜150℃、好ましくは−78から120℃、特に好ましくは−75〜125℃である範囲にある。
【実施例】
【0159】
ミクロゲルの製造
以下の出発原料を使用してミクロゲルを製造した(実験シリーズ(1)〜(8)を参照されたい)。ここで表中の調合物成分の全ては、モノマー混合物の100重量部を基準とする。
【0160】
モノマー
1) Lanxess Deutschland GmbH製のブタジエン(99%純度、安定剤なし)
2) KMF Labor Chemie Handels GmbH製のスチレン(98%純度)
3) Aldrich製のトリメチロールプロパントリメタクリレート(96%純度);製品番号:24684−0;(略記:TMPTMA)
4) ヒドロキシエチルメタクリレート(Arcos製の97%;略記:HEMA)
【0161】
乳化剤
5) 不均化樹脂酸(RAと略記される)−Dresinate(登録商標)835(Abieta Chemie GmbH;D−86358 Gersthofen)の使用量をベースとして遊離酸として計算
使用されるDresinate(登録商標)835バッチは、固形分によっておよびまたナトリウム塩の形態で、遊離酸の形態でおよび中性物質の形態で存在する乳化剤成分によって特徴付けられた。
固形分は、Maron,S.H.;Madow,B.P.;Borneman,E.:“The effective equivalent weights of some rosin acids and soaps”,Rubber Age,1952年4月,71−72ページによって公表された仕様に従って測定した。
使用されるDresinate(登録商標)835バッチの3つのアリコート検体から測定された平均固形分値は、71重量%であった。
ナトリウム塩の形態でおよび遊離酸の形態で存在する乳化剤部分は、Maron,S.H.,Ulevitch,I.N.,Elder,M.E.:“Fatty and Rosin Acids,Soaps,and Their Mixtures”,Analytical Chemistry,Vol.21,6,691−695ページによって記載されている方法によって滴定により測定した。
【0162】
(一実施例における)測定のために、過剰の水酸化ナトリウム溶液(5mlの0.5NのNaOH)を、200gの蒸留水と200gの蒸留イソプロパノールとの混合物中の1.213gのDresinate(登録商標)835(71%濃度)と混ぜ合わせ、混合物を0.5N塩酸で逆滴定した。滴定の過程を電位差pH測定によって追跡した。滴定曲線を、Analytical Chemistry,Vol.21,6,691−695ページに記載されているように評価した。
【0163】
使用されるDresinate(登録商標)835バッチの3つのアリコート検体に関して得られた平均値は、
全乳化剤含有率:2.70ミリモル/g
乾燥重量
Na塩:2.42ミリモル/g
乾燥重量
遊離酸:0.28ミリモル/g
乾燥重量
であった。
【0164】
使用されるDresinate(登録商標)835バッチのNa塩の、遊離酸のおよび簿外部分の重量割合は、不均化アビエチン酸のNa塩のモル質量(324g/モル)、および遊離の不均化アビエチン酸のモル質量(302g/モル)を用いて計算した:
不均化樹脂酸のナトリウム塩:78.4重量%
遊離の不均化樹脂酸:8.5重量%
簿外部分(中性物質):13.1重量%
【0165】
以下の調合物において、重合反応に使用されたDresinate(登録商標)835の量は、計算によって遊離酸(RAと略記)に換算し、モノマーの100重量部を基準として、重量割合として記述した。中性物質は、この換算では無視した。
【0166】
使用されるDresinate(登録商標)835の量をベースとする不均化アビエチン酸(RA)の、表に示される、量の換算の理解のために、次表を添える。
【0167】
【表1】
【0168】
6) 部分水素化牛脂脂肪酸−FAと略記(Cognis Oleo Chemicals製のEdenor(登録商標)HTiCT N)
【0169】
使用されるEdenor(登録商標)HTiCT Nのバッチの全乳化剤含有率および平均分子量は、次の方法:Maron,S.H.,Ulevitch,I.N.,Elder,M.E.:“Fatty and Rosin Acids,Soaps,and Their Mixtures”,Analytical Chemistry,Vol.21,6,691−695ページ;Maron,S.H.;Madow,B.P.;Borneman,E.:“The effective equivalent weights of some rosin acids and soaps”,Rubber Age(1952年),71−2ページを用いて滴定により測定した。この滴定法では(一実施例では)、過剰の15mlのNaOH(0.5モル/l)を、200gの蒸留水と200gの蒸留イソプロパノールとの混合物中の1.5gのEdenor(登録商標)HTiCT Nと混ぜ合わせ、混合物を0.5N塩酸で逆滴定した。
【0170】
使用されるEdenor(登録商標)HTiCT Nのバッチの3つのアリコート部分からここで得られた平均値は、
全乳化剤含有率:3.637ミリモル/g
乾燥重量
モル質量(遊離酸):274.8mg/ミリモル
であった。
【0171】
以下の調合物において、(商業的に入手可能な形態での)部分水素化牛脂脂肪酸の使用量は、「遊離酸=FA」の形態で記述された。
【0172】
表に記述される中和度を達成するために必要とされる量は、Dresinate(登録商標)835およびEdenor(登録商標)HTiCT Nの使用されるバッチの様々な成分の滴定により測定された量に基づいて計算した。実験シリーズ(1)〜(8)の実施例の全てにおける中和度は水酸化カリウムを使用して達成された。
【0173】
調整剤
7) Chevron Phillips Chemical Company LP製の第三ドデシルメルカプタン(Sulfole(登録商標)120)
8) Lanxess Deutschland GmbH製の第三ドデシルメルカプタン
【0174】
ミクロゲルは、かき混ぜ機付き20Lオートクレーブ中で乳化重合によって製造した。実験シリーズ(1)に記載される重合混合物の場合には、2.15kgのモノマーを0.17gの4−メトキシフェノール(Arcos Organics、製品No.126001000、99%)入りで使用した。実験シリーズ(2)〜(8)に記載される重合混合物の場合には、4.3kgのモノマーを各場合に0.34gの4−メトキシフェノール(Arcos Organics、製品No.126001000、99%)入りで使用した。表に記述される乳化剤のおよび(水性プレミックス溶液とp−メンタンヒドロペルオキシド溶液とを製造するために必要とされる水の量−下記を参照されたい−を差し引いた後の)水の総量を、乳化剤とおよび表1〜8に記述される中和度を達成するために必要とされる量の水酸化カリウムと一緒に各場合に初期装入物として使用した。
【0175】
実験シリーズ(1)にリストされる重合混合物の場合には、反応混合物が30℃に加熱されてしまうとすぐに、各場合に50%の新たに製造された水性プレミックス溶液(4%濃度)の50%をオートクレーブに加えた。前記プレミックス溶液は、
0.284gのエチレンジアミン四酢酸(Fluka、製品番号03620)
0.238gの硫酸鉄(II)
*7H
2O(Riedel de Haen、製品番号12354)(結晶水なしで計算)
0.576gのRongalit C、ホルムアルデヒド−スルホキシル酸Na二水和物(Merck−Schuchardt、製品番号8.06455)(結晶水なしで計算)および
0.874gのリン酸三ナトリウム
*12H
2O(Acros、製品番号206520010)(結晶水なしで計算)
からなった。
【0176】
実験シリーズ(1)にリストされる重合反応の活性化のために、1.4gのp−メンタンヒドロペルオキシド(Akzo−Degussa製のTrigonox NT 50)の総量を使用し、反応器中で製造された200mlの乳化剤溶液に乳化させた。前記乳濁液の50%(0.7gのTrigonox NT 50)を使用して重合反応を開始させた。
【0177】
30%転化率を達成すると、プレミックス溶液の、およびまたp−メンタンヒドロペルオキシド乳濁液の残りの50%を計量供給した。
【0178】
実験シリーズ(2)〜(8)の場合には、重合反応の開始時および重合反応における30%転化率の達成時の両方での、反応器への前記成分の添加量は、実験シリーズ(1)におけるものの2倍であった。
【0179】
重合反応中の温度プロファイルは、冷媒の量および表に記述される温度範囲内に冷媒の温度を調節することによって達成された。
【0180】
重合反応で達成される転化率が85%超(通常は:90%〜100%)になったらすぐに、2.35gのジエチルヒドロキシルアミン(DEHA、Aldrich、製品番号03620)の水溶液を加えることによって重合反応を停止させた。
【0181】
揮発性成分の除去
揮発性成分を除去するためにラテックスを大気圧で水蒸気蒸留にかけた。
【0182】
ラテックスの凝固の前に、Vulkanox(登録商標)KBの50%濃度分散系(固形分を基準として、1.25重量%のVulkanox(登録商標)KB)を酸化防止剤としてラテックスに添加した。Vulkanox(登録商標)KB分散系は、
360gの脱イオン水(DW)
40gのアルキルフェノールポリグリコールエーテル(Lanxess Deutschland GmbH製のNP10乳化剤)
400gのLanxess Deutschland GmbH製のVulkanox(登録商標)KB
からなった。
【0183】
Vulkanox(登録商標)KB分散系は、95〜98℃でUltraturraxを用いて製造した。
【0184】
ラテックスの凝固および処理
実験シリーズ(1)〜(8)のラテックスを、底部バルブ付き、加熱および撹拌のための設備付きの55Lオープンタンク中で回分式に凝固させた。各場合に、ラテックスの凝固は、表に記述される固形分濃度の16Lのラテックスおよび15Lの沈殿剤液を使用した。沈殿剤液は脱イオン水からなり、それに溶解した塩化カルシウムの量はラテックスの各凝固においてミクロゲル(固形分)を基準として、1.77重量%の塩化カルシウムの量を得るのに十分であった。ラテックスの凝固は、撹拌しながら、加熱された沈殿剤溶液にラテックスを加えることによって達成した。ラテックスを加えてしまうとすぐに、タンクの冷えた内容物をラテックス添加前の沈殿剤の温度に加熱し、漿液が透明になるまで(10〜15分)前記温度に維持した。
【0185】
沈殿剤溶液がラテックス添加前に加熱される温度は、ミクロゲルのガラス転移温度に依存した。ミクロゲルのガラス転移温度が0℃より下である実験では、約5mmの直径の十分に粗いミクロゲル小片を得るために沈殿剤溶液を50℃に加熱することが十分であった。
【0186】
実験シリーズ(5)〜(8)において、およびまた実験16(シリーズ3)において、0℃より上のミクロゲルガラス転移温度のラテックスが得られた。これらのミクロゲルラテックスの凝固中に5mm超の直径の小片を得るために、沈殿剤溶液は、相当するミクロゲルラテックスが沈殿剤溶液に加えられる前に、ミクロゲルの相当するガラス転移温度より15℃以上だけ上である温度に加熱されなければならない。
【0187】
実験16
*(実験シリーズ3)から生じたラテックス(T
g=62℃)の水性塩化カルシウム溶液での凝固の場合には、60℃および70℃で得られた小片は、2mmより小さい不十分なサイズを有した。75℃で、小片サイズは2〜5mmの範囲にあった。凝固温度80±2℃で、小片サイズは5mmより大きかった。
【0188】
実験49
*(実験シリーズ8)から生じたラテックス(T
g=103.5℃)の水性塩化カルシウム溶液での凝固の場合には、95〜98℃の沈殿剤液温度で得られた唯一の生成物は、2mm以下の不十分なサイズの小片であった。
【0189】
漿液の清浄化の後、20Lの脱イオン水を小片の分散系と混ぜ合わせ、混合物を撹拌することなく放置した。15〜30分後に、小片の分散系は(実験49
*の場合を除き)クリームを形成した。漿液を、底部バルブを用いて排出させた。タンクに残った小片を次に、撹拌しながら、40Lの脱イオン水(25℃)でスラリー化した。クリームが形成されたらすぐに、2mmのメッシュ幅の篩を用いることによって小片を洗浄水から分離し、20〜30%の残留水分レベルを得るために予備機械脱水にかけ、0.5重量%以下の残留水分レベルを得るために空気の流れ中で70℃の真空オーブンで回分式に乾燥させた。
【0190】
実験49
*のラテックスの凝固は、20Lの脱イオン水の添加後に、他の実験とは対照的に、クリームを形成しないが、代わりに沈降物を形成する小片を与えた。この実験では、上澄みラテックス漿液を取り去った。洗浄は、25℃で40Lの脱イオン水でスラリー化することによって他の実験と同様に行った。2mm篩を使用して小片を洗浄水から単離した。小片のさらなる処理は上記の通りであった。
【0191】
次の索引を以下の表で用いる:
1) ブタジエン(非安定化)
2) スチレン(100〜150ppmの4−第三ブチルピロカテコールで安定化)
3) トリメチロールプロパントリメタクリレート(Aldrich製の96%純度)
4) ヒドロキシエチルメタクリレート(Arcos製の97%純度)
5) 使用されるDresinate 835の量から計算される不均化樹脂酸(RAと略記)の量
6) Oleo Chemicals製のEdenor HTiCT N(FAと略記)
7) 第三ドデシルメルカプタン(Chevron Phillips製のSulfole(登録商標)120)
8) 第三ドデシルメルカプタン(Lanxess Deutschland GmbH)
【0192】
本発明による実施例は、以下「
*」で示される。
【0193】
【表2】
【0194】
実験シリーズ(1)において、本発明によらない比較例は、HEMAを含まない対照実験1とは違って、HEMAの使用量が(モノマーの組成物を基準として)5重量部超であるとき、重合反応が7時間未満の重合時間で90%超の転化率まで30℃より上の温度で実施され、かつ、重合反応が不均化樹脂酸および部分水素化牛脂脂肪酸を17.6/1の重量比で114%の中和度で使用する場合に、得られたラテックス貯蔵時間(実験2および3)が不十分(3週間未満)であることを示す。
【0195】
【表3】
【0196】
実験シリーズ(2)において、(「
*」で示す)本発明による実施例5
*、6
*、7
*および8
*は、不均化樹脂酸対部分水素化脂肪酸の比が8.34/1であり、かつ、樹脂酸および脂肪酸の中和度が106%〜145%である場合、得られたラテックス貯蔵時間が4週間より大きいことを示す。樹脂酸のおよび脂肪酸の中和度が104%未満かまたは165%超である場合、不十分なラテックス安定性が得られる。
【0197】
【表4】
【0198】
実験シリーズ(3)において、本発明による実施例は、次のこと:不均化樹脂酸のおよび部分水素化脂肪酸の総量について本発明に従った範囲(モノマーの100重量部当たり4.11重量部)、不均化樹脂酸対部分水素化脂肪酸の流量比(8.3/1)ならびに不均化樹脂酸および部分水素化脂肪酸の中和度(123%)を遵守することを前提として、最大ラテックス貯蔵時間が使用されるメルカプタンの性質および量とはほとんど無関係であることを示す。
【0199】
【表5】
【0200】
実験シリーズ(4)において、本発明による実施例17
*、18
*、19
*、20
*、21
*、22
*および23
*は、樹脂酸および脂肪酸の全体が2.20重量部以上である場合、得られたラテックス貯蔵時間が6週間超であることを示す。
【0201】
【表6】
【0202】
実験シリーズ(5)において、本発明による実施例は、不均化樹脂酸のおよび部分水素化脂肪酸の中和度が112〜139%である場合、得られたラテックスが12週間超の十分な安定性を有することを示す。
【0203】
【表7】
【0204】
実験シリーズ(6)において、本発明による実施例34
*、35
*、36
*、37
*、38
*および39
*は、不均化樹脂酸からおよび部分水素化脂肪酸からなる総量が、モノマー混合物の100重量部を基準として、2.20重量部以上である場合、得られたラテックスが6週間超のラテックス貯蔵時間で安定であることを示す。
【0205】
【表8】
【0206】
実験シリーズ(7)において、本発明による実施例40
*〜45
*は、樹脂酸対脂肪酸の重量比が0.08/1より大きい場合、得られたラテックスが6週間超のラテックス貯蔵時間で安定であることを示す。
【0207】
【表9】
【0208】
実験シリーズ(8)において、本発明による実施例は、1.39/1の理想的な樹脂酸/脂肪酸比を前提として、かつ、120%の理想的な中和度を前提として、−5℃〜+103.5℃の範囲のガラス転移温度の、かつ、5.1〜46.7mgKOH/gのミクロゲルの範囲のヒドロキシ価の貯蔵安定性のあるヒドロキシ変性ミクロゲルラテックスを製造することが可能である。
【0209】
実験シリーズ(1)〜(8)から分かった結果は、ヒドロキシ基を含有する貯蔵安定性のあるミクロゲルラテックスを製造するために、以下のパラメーターの同時遵守が乳化重合反応中に必要であることである:
1)不均化樹脂酸対部分水素化脂肪酸の重量比:1/15〜15/1、好ましくは1/12〜12/1
2)不均化樹脂酸のおよび部分水素化脂肪酸の重量の合計:全体モノマー混合物の100重量部を基準として、2.2重量部超、好ましくは2.5重量部超
3)不均化樹脂酸のおよび部分水素化脂肪酸の中和度:104〜165%、好ましくは105〜160%
【0210】
本発明に従って製造されるミクロゲルラテックスの凝固において5mm超の直径の十分に大きい小片を達成するために、ラテックスの凝固中に用いられる温度は相当するミクロゲルのガラス転移温度より15℃だけ高いことが不可欠であった。