(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有機物で処理された二酸化チタンは、120nm乃至500nmのサイズを有し、前記有機物で処理された二酸化チタンは、前記トナーの15重量パーセント乃至35重量パーセントの量で存在することを特徴とする、請求項3に記載のトナー。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示のトナーを形成するのに任意のラテックス樹脂を用いることができる。そのような樹脂は、任意の適切なモノマーから作成することができる。用いる何れかのモノマーは、用いる特定のポリマーに応じて選択することができる。
【0010】
実施形態において樹脂は、非晶質樹脂、結晶性樹脂、及び/又はそれらの組合せとすることができる。さらに別の実施形態において、樹脂を形成するのに用いるポリマーはポリエステル樹脂とすることができる。実施形態において樹脂は、ジオールを随意の触媒の存在下で二価酸と反応させて形成したポリエステル樹脂とすることができる。
【0011】
結晶性樹脂は、例えば、トナー成分の約5乃至約50重量パーセント、実施形態においてはトナー成分の約10乃至約35重量パーセントの量で存在することができる(しかし、これらの範囲外の量を用いることもできる)。結晶性樹脂は、例えば、約30℃乃至約120℃、実施形態においては約50℃乃至約90℃の様々な融点を有することができる(しかし、これらの範囲外の融点を得ることもできる)。結晶性樹脂は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で測定したとき、例えば約1,000乃至約50,000、実施形態においては約2,000乃至約25,000の数平均分子量(M
n)を有することができ(しかし、これらの範囲外の数平均分子量を得ることもできる)、そして、ポリエチレン標準を用いたゲル浸透クロマトグラフィにより測定したとき、約2,000乃至約100,000、実施形態においては約3,000乃至約80,000の重量平均分子量(M
w)を有することができる(しかし、これらの範囲外の重量平均分子量を得ることもできる)。結晶性樹脂の分子量分布(M
w/M
n)は、例えば約2乃至約6、実施形態においては約3乃至約4となり得る(しかし、これらの範囲外の分子量分布を得ることもできる)。
【0012】
そのような非晶質樹脂は、約10,000乃至約100,000、実施形態においては約15,000乃至約80,000の重量平均分子量(M
w)を有することができる。
【0013】
実施形態において、適切な結晶性樹脂は、ドデカン二酸及び1,9−ノナンジオールから形成される樹脂を含むことができる。
【0014】
そのような結晶性樹脂は、約10,000乃至約100,000、実施形態においては約14,000乃至約30,000の重量平均分子量(M
w)を有することができる。
【0015】
実施形態において、用いる樹脂は、約30℃乃至約80℃、実施形態においては約35℃乃至約70℃のガラス転移温度を有することができる。更に別の実施形態において樹脂は、約130℃において約10乃至約1,000,000Pa*S、実施形態において約20乃至約100,000Pa*Sの溶融粘度を有することができる。
【0016】
1つ、2つ、又はそれ以上のトナー樹脂を用いることができる。実施形態において2つ又はそれ以上のトナー樹脂を用いる場合、トナー樹脂は、例えば約10%(第1の樹脂)/約90%(第2の樹脂)から約90%(第1の樹脂)/約10%(第2の樹脂)までのような任意の適切な比(例えば重量比)にすることができる。
【0017】
実施形態において、樹脂はエマルジョン重合法で形成することができる。
【0018】
実施形態において、トナー組成物を形成するのに用いる着色剤、ワックス、及び他の添加剤は、界面活性剤を含む分散液に分散させることができる。さらに、トナー粒子は、エマルジョン凝集法によって形成することができ、その場合、樹脂と他のトナー成分を1つ又はそれ以上の界面活性剤中に入れ、エマルジョンを形成し、トナー粒子を凝集させ、融合させ、随意に洗浄して乾燥させ、そして回収する。
【0019】
1つ、2つ、又はそれ以上の界面活性剤を用いることができる。界面活性剤は、イオン性界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選択することができる。実施形態において、トナーを形成するのに用いる樹脂を形成するためのラテックスを、界面活性剤又はコサーファクタントを含む水相において、随意に窒素のような不活性ガスの存在下で、調製することができる。ラテックス分散液を形成するのに樹脂と共に用いることができる界面活性剤は、固形分の約0.01乃至約15重量パーセント、実施形態においては固形分の約0.1乃至約10重量パーセントの量のイオン性又は非イオン界面活性剤とすることができる。
【0020】
特定の界面活性剤又はそれらの組合せの選択、並びに各々の使用量は当業者の認識範囲内にある。
【0021】
電子写真用途に用いられる通常のカラートナーは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのようなカラーを含むことができる。改善された画像品質を得るには、例えばオレンジ、バイオレット、及び/又はグリーンのような付加的なカラー、並びに、ライトシアン及び/又はライトマゼンタのようなより薄い着色剤を画像化システムの現像剤に含めることができる。
【0022】
真白の定着トナー画像を生成するには、二酸化チタンのような白色顔料を高顔料配合した白色トナーを必要とする可能性がある。この方法の1つの問題は、十分な白色顔料をEAトナーに組み入れて、十分に濃い白色画像を含むゼログラフィ印刷を生成するのが困難であり得ることである。例えば、白色トナー及びカラートナーの混合物は比較的低い顔料配合(約10重量%)を用いる通常のプロセスにより製造されるが、これは全カバレッジのためは不十分な量の顔料である可能性がある。
【0023】
本開示により、化学的プロセスを用いて有機物で処理した二酸化チタンをULMトナーに組み込むことができる。本明細書で用いるように、有機物で処理した二酸化チタンは、例えば、アルミナ表面処理を行い次いで有機物で処理して、二酸化チタン100ポンド当たり約9乃至約20ポンドのオイルを吸収するようにした二酸化チタンを含むことができる。実施形態において有機物で処理した二酸化チタンは、ルチル型二酸化チタンとすることができる。有機物で処理した二酸化チタンは、例えば、共にデュポンから入手可能なTI−PURE(登録商標)R−700又はTI−PURE(登録商標)R−902+として市販されている二酸化チタンを含むことができる。この二酸化チタンは、約2.4乃至約3の、実施形態においては約2.5乃至2.8の屈折率を有することができ、本開示のトナーを形成するのに用いる上記のポリエステル樹脂と驚くほど良く適合することが見出されている。有機物で処理した二酸化チタンはまた、高いカラー強度を有し、約0.12μm乃至約0.6μm、実施形態においては約0.2μm乃至約0.5μmの中央粒径値を有するが、これはトナー粒子を形成するのに用いる凝集及び融合プロセスに適する。この有機物で処理した顔料はまた、光散乱に関する広い粒径分布を有する(約130nm乃至約170nmは青色光散乱に対して最適であり、約200nm乃至約235nmは緑色光散乱に対して最適であり、約240nm乃至約260nmは赤色光散乱に対して最適である)。
【0024】
この有機物で処理した二酸化チタンのさらに別の特徴には、トナー内部での優れた分散性が含まれ、さらにシリカ及びアルミナで処理してあり、これがさらに良好な分散性を助長する。
【0025】
適切な有機物で処理した二酸化チタンは、実施形態において、以下の特性を有することができる。
約60重量パーセント乃至約99.9重量パーセント、実施形態においては約80重量パーセント乃至約95重量パーセント、ある実施形態においては少なくとも約93重量パーセントの量の二酸化チタン。
約1重量パーセント乃至約10重量パーセント、実施形態においては約2重量パーセント乃至約5重量パーセント、ある実施形態においては約2.5重量パーセントの量のアルミナ。
約0重量パーセント乃至約5重量パーセント、実施形態においては約1重量パーセント乃至約4重量パーセント、ある実施形態において約3重量パーセントの量の非晶質シリカ。
約3.6乃至約4.4、実施形態においては約3.8乃至約4.2、ある実施形態においては約4の比重。
約95乃至約100、実施形態においては約98乃至約99.8、ある実施形態においては約99.4の明度L
*。
約120nm乃至約600nm、実施形態においては約200nm乃至約400nm、ある実施形態においては約360nmの粒径。
二酸化チタン100ポンド当たり約10乃至約25ポンド、実施形態においては約15乃至約20ポンド、ある実施形態においては約13.9ポンドのオイルのオイル吸収。
約6.5乃至約10、実施形態においては約7乃至約9、ある実施形態においては約8.2のpH。
【0026】
実施形態において、本開示の着色剤は、着色剤の約1乃至約4重量パーセント、実施形態においては着色剤の約2乃至約3重量パーセントの量で存在するシリカ、並びに、着色剤の約90乃至約99.9重量パーセント、実施形態においては着色剤の約92乃至約98重量パーセントの量で存在する二酸化チタンを含むことができる。
【0027】
有機物で処理した二酸化チタンの量は、トナーの約5重量パーセント乃至約50重量パーセント、実施形態においてはトナーの約10重量パーセント乃至約35重量パーセントとすることができる。
【0028】
本開示のトナーは、約10ガードナ光沢単位(ggu)から約90gguまで、実施形態においては約15ggu乃至約70gguの光沢レベルを有することができる。以下でさらに詳しく説明するように、幾つかの実施形態において最終的トナー中のアルミニウム凝集剤の存在により光沢レベルをさらに調節することができる。実施形態において、本開示のトナーは、電子写真装置内で他のカラートナーと組み合せて所望の画像を形成することができる。
【0029】
トナー粒子を形成するのに、随意にさらにワックスを、樹脂及び随意の着色剤と組み合せることができる。ワックスを含めるとき、ワックスは、例えば、トナー粒子の約1重量パーセント乃至約25重量パーセント、実施形態においてはトナー粒子の約5重量パーセント乃至約20重量パーセントの量で存在することができるが、これらの範囲外の量を用いることもできる。選択することができるワックスには、例えば、約500乃至約20,000、実施形態においては約1,000乃至約10,000の重量平均分子量を有するワックスが含まれるが、これらの範囲外の分子量を用いることもできる。
【0030】
トナー粒子は当業者の認識範囲内の任意の方法で調製することができる。トナー粒子製造に関連する実施形態は、以下でエマルジョン凝集プロセスに関して説明するが、特許文献1及び特許文献2に開示された懸濁及びカプセル化プロセスのような化学的プロセスを含む任意の適切なトナー粒子調製法を用いることができる。実施形態において、トナー組成物及びトナー粒子は、凝集及び融合プロセスにより、小サイズの樹脂粒子を凝集させて適当なトナー粒径にし、次いで融合させて最終的なトナー粒子の形状及び形態を得ることで調製することができる。
【0031】
実施形態において、トナー組成物はエマルジョン凝集プロセス、例えば、実施形態において、有機物で処理した二酸化チタンのような白色顔料の着色剤、随意のワックス及び任意の他の所望の又は必要な添加剤、並びに上記の樹脂を含むエマルジョン、の混合物を随意に上記のように界面活性剤中で凝集させ、次いで凝集混合物を融合させるプロセス、によって調製することができる。混合物は、やはり界面活性剤を含む分散液にすることができる着色剤及び随意のワックス又は他の材料を、2つ又はそれ以上の樹脂含有エマルジョンの混合物とすることができるエマルジョンに添加することにより調製することができる。得られた混合物のpHは、例えば酢酸、硝酸などの酸により調節することができる。実施形態において、混合物のpHは約4乃至約5に調節することができるが、この範囲外のpHを用いることもできる。さらに実施形態において、混合物を均質化することができる。混合物を均質化する場合、均質化は約600乃至約4,000回転毎分における混合により遂行することができるが、この範囲外の速度を用いることもできる。均質化は、例えばIKA ULTRA TURRAX T50プローブホモジナイザを含む任意の適切な手段により遂行することができる。
【0032】
上記の混合物の調製に続いて、凝集剤を混合物に添加することができる。任意の適切な凝集剤を用いてトナーを形成することができる。適切な凝集剤としては、例えば二価陽イオン又は多価陽イオン物質の水溶液が挙げられる。
【0033】
前述のように、実施形態において凝集剤はアルミニウム化合物とすることができる。アルミニウム凝集剤は、本開示のトナー、実施形態においては本開示の白色トナー中に残留することができ、そのようなトナー中のアルミニウムの存在は白色トナーの所望の光沢を得ることをさらに助長し得る。
【0034】
実施形態において、アルミニウム凝集剤のような凝集剤は、トナーを形成するのに用いる混合物に、例えば、混合物中の樹脂の約0.01重量%乃至約8重量%、実施形態においては約0.1重量%乃至約1重量%、他の実施形態においては約0.15重量%乃至約0.8重量%の量を添加することができるが、これらの範囲外の量を用いることもできる。これは、凝集のために十分な量の凝集剤を供給することができる。
【0035】
粒子の凝集及び次の融合を制御するために、実施形態において凝集剤を計量しながら時間をかけて混合物に添加することができる。例えば、凝集剤は、計量しながら約5乃至約240分、実施形態においては約30乃至約200分の時間をかけて混合物に添加することができるが、所望又は必要に応じてより長い時間又はより短い時間をかけることもできる。凝集剤の添加は、実施形態において約50rpm乃至約1,000rpm、他の実施形態においては約100rpm乃至約500rpmの撹拌条件下に混合物を維持しながら行うことができるが、これらの範囲外の速度を用いることもできる。凝集剤の添加はまた、上記の樹脂のガラス転移温度より低い温度、実施形態において約30℃乃至約90℃、実施形態においては約35℃乃至約70℃に混合物を維持しながら行うことができるが、これらの範囲外の温度を用いることもできる。
【0036】
粒子は、所定の所望の粒径が得られるまで凝集させることができる。所定の所望の粒径とは、形成前に決めた得るべき所望の粒径を指し、成長プロセス中、そのような粒径に達するまで粒径をモニターする。成長プロセス中にサンプリングして、例えばコールターカウンタ(Coulter Counter)を用いて平均粒径を分析することができる。従って、凝集は、撹拌しながら、高温を維持することにより、又は、温度をゆっくり例えば約30℃乃至約99℃まで上昇させ、混合物をこの温度に約0.5時間乃至約10時間、実施形態においては約1時間乃至約5時間の間保持することによって進行させて、凝集粒子を生じることができる。ひとたび所定の所望の粒径に達すると、成長プロセスを停止させる。実施形態において、所定の所望の粒径は最終的なトナー粒子の所望の粒径の範囲内である。
【0037】
凝集剤添加後の粒子の成長及び成形は任意の適切な条件下で遂行することができる。例えば、成長及び成形は、凝集が融合とは別々に起る条件下で行うことができる。別々の凝集及び融合段階に対しては、凝集プロセスは、上記の樹脂のガラス転移温度より低くすることができる高温、例えば、約40℃乃至約90℃、実施形態においては約45℃乃至約80℃(但し、これらの範囲外の温度を用いることもできる)における剪断条件下で行うことができる。
【0038】
ひとたびトナー粒子の所望の最終的粒径に達すると、混合物のpHを塩基により約3乃至約10、実施形態においては約5乃至約9の値に調節することができるが、これらの範囲外のpHを用いることもできる。pHの調節はトナー成長を凍結、即ち停止させるのに用いることができる。トナー成長を停止させるのに用いる塩基には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、及びそれらの組合せのようなアルカリ金属水酸化物のような任意の適切な塩基を含めることができる。実施形態において、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加してpHを上記の所望の値に調節する補助とすることができる。
【0039】
実施形態において、凝集後、しかし融合前に、樹脂コーティングを凝集粒子に塗布してその上にシェルを形成することができる。トナー樹脂の形成に適切な上記の何れかの樹脂をシェルとして用いることができる。
【0040】
実施形態において、シェルを形成するのに用いることができる樹脂には、それらに限定されないが、コアとして用いるための上記の結晶性ポリエステル及び/又は上記の非晶質樹脂が含まれる。例えば、実施形態において、ポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/ドデセニルコハク酸/トリメリト酸樹脂、ポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/フマル酸/ドデセニルコハク酸樹脂、又はそれらの組合せを、ポリドデカン二酸-コ-1,9−ノナンジオール結晶性ポリエステル樹脂と組み合せて、シェルを形成することができる。複数の樹脂を任意の適切な量用いることができる。
【0041】
シェル樹脂は、当業者の認識範囲内の任意の方法で凝集粒子に塗布することができる。実施形態においてシェルを形成するのに用いる樹脂は、上記の何れかの界面活性剤を含むエマルジョンにすることができる。樹脂含有エマルジョンを上記の凝集粒子と組み合せて、凝集粒子を覆うシェルを形成することができる。実施形態において、形成した凝集粒子を覆うシェルは約5ミクロンまでの厚さ、実施形態においては約0.1乃至約2ミクロン、他の実施形態においては約0.3乃至約0.8ミクロンの厚さを有することができるが、これらの範囲外の厚さを得ることもできる。
【0042】
凝集粒子を覆うシェルの形成は、約30℃乃至約80℃、実施形態においては約35℃乃至約70℃の温度に加熱しながら行うことができるが、これらの範囲外の温度を用いることもできる。シェルの形成は約5分乃至約10時間、実施形態においては約10分乃至し約5時間の時間をかけて行うことができるが、これらの範囲外の時間を用いることもできる。
【0043】
例えば、幾つかの実施形態において、トナープロセスは、ポリマーラテックスを、上記の有機物で処理した二酸化チタンを含むワックス及び着色剤分散液の存在下で、高速で混ぜ合せながら、随意の凝固剤と混合することによりトナー粒子を形成するステップを含むことができる。得られる混合物は、例えば約2乃至約3のpHを有するが、ポリマー樹脂のTgより低い温度に加熱することにより凝集させてトナー粒径の凝集物をもたらす。随意に、形成した凝集物に追加のラテックスを添加して、形成した凝集物の上にシェルを形成することができる。次に混合物のpHを、例えば水酸化ナトリウム溶液を、約7のpHに達するまで添加することにより変えることができる。
【0044】
所望の粒径への凝集及び任意の随意的シェルの塗布後、次に粒子を融合させて所望の最終形状にすることができ、その場合融合は、例えば、混合物を、トナー粒子を形成するのに用いる樹脂のガラス転移温度又はそれ以上とすることができる温度、約45℃乃至約100℃、実施形態においては約55℃乃至約99℃(これらの範囲外の温度を用いることもできるが)に加熱し、及び/又は撹拌速度を、例えば約100rpm乃至約1,000rpm、実施形態においては約200rpm乃至約800rpm(これらの範囲外の速度を用いることもできるが)に減速することによって達成される。融合粒子は、形状因子又は真円度について、所望の形状因子に達するまでSysmex FPIA2100アナライザなどにより測定することができる。
【0045】
温度がバインダ用に用いる樹脂の関数であることを理解すれば、より高い温度又はより低い温度を用いることができる。融合は、約0.01時間乃至約9時間、実施形態においては約0.1時間乃至約4時間(これらの範囲外の時間を用いることもできるが)の間にわたって行うことができる。
【0046】
凝集及び/又は融合の後、混合物を室温、例えば約20℃乃至約25℃に冷却することができる。冷却は、所望により急速であってもゆっくりであってもよい。適切な冷却法としては、反応器の回りのジャケットに冷水を導入することを挙げることができる。冷却後、トナー粒子は随意に水洗し、次いで乾燥させることができる。乾燥は、例えば、凍結乾燥を含む任意の適切な乾燥法により行うことができる。
【0047】
実施形態において、トナー粒子はまた、所望の又は必要な他の随意の添加剤を含むことができる。
【0048】
トナー粒子形成後、トナー粒子の表面に存在し得る流動促進添加剤含む外添剤をトナー粒子を混合することができる。これらの外添剤の例には、酸化チタン、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化スズ、及びそれらの混合物のような金属酸化物、AEROSIL(登録商標)のようなコロイド又は非晶質シリカ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムを含めた脂肪酸又はUNILIN700のような長鎖アルコールの金属塩、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0049】
一般に、シリカは、トナーの流動、摩擦帯電の強化、混合性制御、現像及び転写安定性の改良、及びより高いトナーブロッキング温度のために、トナー表面に付与することができる。TiO
2は、相対湿度(RH)安定性及び摩擦帯電制御の改良、並びに現像及び転写安定性の改良のために付与することができる。ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム及び/又はステアリン酸マグネシウムもまた、随意に外添剤として用いて、潤滑特性、現像剤の導電性、摩擦帯電強化をもたらし、またトナー粒子とキャリア粒子の間の接触点の数を増やすことによってより高いトナー帯電及び帯電安定性を可能にすることができる。実施形態において、Ferro Corporationから得られるステアリン酸亜鉛Lとして知られる市販のステアリン酸亜鉛を用いることができる。外添剤は、コーティング有りで又はコーティング無しで用いることができる。
【0050】
これらの外添剤の各々は、トナーの約0.1重量%乃至約5重量%、実施形態においてはトナーの約0.25重量%乃至約3重量%の量で存在することができるが、添加剤の量はこれらの範囲外であってもよい。実施形態において、トナーは、例えば、約0.1重量%乃至約5重量%の二酸化チタン、約0.1重量%乃至約8重量%のシリカ、及び約0.1重量%乃至約4重量%のステアリン酸亜鉛を含むことができる(これらの範囲外の量を用いることもできるが)。
【0051】
実施形態において、本開示のトナーは超低融解(ULM)トナーとして用いることができる。実施形態において、外添剤を除いたコア及び/又はシェルを有する乾燥トナー粒子は、以下の特性の1つ又はそれ以上を有することができる。
(1)体積平均直径(「体積平均粒径」とも呼ぶ)はトナー粒子の体積及び直径差分に対して計測した。トナー粒子は、約3乃至約25μm、実施形態においては約4乃至約15μm、他の実施形態においては約5乃至約12μmの体積平均直径を有する(これらの範囲外の値を得ることもできるが)。
(2)数平均幾何学的サイズ分布(GSDn)及び/又は体積平均幾何学的サイズ分布(GSDv)。実施形態において、上の(1)で説明したトナー粒子は、約1.15乃至約1.38、他の実施形態においては約1.31未満の下端数値比GSDの非常に狭い粒径分布を有することができる(これらの範囲外の値を得ることもできるが)。本開示のトナー粒子はまた、体積による上端GSDが約1.20乃至約3.20、他の実施形態においては約1.26乃至約3.11の範囲にあるサイズを有することができる(これらの範囲外の値を得ることもできるが)。体積平均粒径D
50v、GSDv、及びGSDnは、ベックマン・コールタ・マルチサイザ3のような測定装置で、使用説明書に従って操作することにより測定することができる。典型的なサンプリングは以下のように行うことができる。少量のトナー試料、約1グラムを取得して25マイクロメートルのふるいを通してろ過し、次いで等張溶液に入れて約10%の試料濃度にし、次にベックマン・コールタ・マルチサイザ3中に流す。
(3)約105乃至約170、実施形態においては約110乃至約160の形状因子SFI*a(これらの範囲外の値を得ることもできるが)。走査型電子顕微鏡法(SEM)を用いてトナーのSEMによる形状因子分析及び画像分析を行うことができる。平均粒子形状は、次の形状因子(SFI*a)式、SFI*a=100πd
2/(4A)を用いることによって定量化することができ、ここでAは粒子の面積、dはその主軸である。完全に円形又は球形の粒子は正確に100の形状因子を有する。形状因子SFI*aは、形状がより不規則又は細長くなり、表面積が増すにつれて増加する。
(4)約0.92乃至約0.99、実施形態においては約0.94乃至0.975の真円度(これらの範囲外の値を得ることもできるが)。粒子の真円度を測定するのに用いる装置は、Sysmex製のFPIA-2100とすることができる。
【0052】
トナー粒子の特性は任意の適切な方法及び装置で決定することができ、上で示した装置及び方法に限定されない。
【0053】
実施形態においてトナー粒子は、約17,000乃至約80,000ダルトンの範囲の重量平均分子量(Mw)、約3,000乃至約10,000ダルトンの数平均分子量(Mn)、約2.1乃至約10のMWD(トナー粒子のMnに対するMwの比、ポリマーの多分散性又は幅の尺度)を有することができる(これらの範囲外の値を得ることもできるが)。
【0054】
本開示により製造されるトナーは、極端な相対湿度(RH)条件に曝されたときに優れた帯電特性を有することができる。低湿度ゾーン(Cゾーン)を約12℃/15%RHとすることができ、一方高湿度ゾーン(Aゾーン)は約28℃/85%RHとすることができる(これらの範囲外の値にすることもできるが)。本開示のトナーは、約-2μC/g乃至約-28μC/g、実施形態においては約-4μC/g乃至約-25μC/g(これらの範囲外の値を得ることもできるが)の母体トナーの帯電対質量比(Q/M)を有することができ、約-8μC/g乃至約-25μC/g、実施形態においては約-10μC/g乃至約-22μC/gの、表面添加剤混合後の最終的なトナー帯電を有することができる(これらの範囲外の値を得ることもできるが)。
【0055】
トナー粒子は現像剤組成物に配合することができる。例えば、トナー粒子はキャリア粒子と混合して2成分現像剤組成物を得ることができる。キャリア粒子はトナー粒子と様々な適切な組合せで混合することができる。現像剤中のトナー濃度は、現像剤の約1重量%乃至約25重量%、実施形態においては現像剤の全重量の約2重量%乃至約15重量%とすることができる(これらの範囲外の値をもちいることもできるが)。実施形態においてトナー濃度はキャリアの約90重量%乃至約98重量%とすることができる(これらの範囲外の値をもちいることもできるが)。しかし、所望の特性を有する現像剤組成物を得るために異なるトナー及びキャリアの割合を用いることができる。
【0056】
本開示により調製したトナー組成物と混合するのに選択できるキャリア粒子の例証的な例としては、トナー粒子の電荷と反対の極性の電荷を摩擦電気的に取得することができる粒子が挙げられる。従って、一実施形態においてキャリア粒子は、正に帯電したトナー粒子がキャリア粒子に付着して取り囲むように、負の極性を有するように選択することができる。
【0057】
選択されたキャリア粒子はコーティング有りで又はコーティング無しで用いることができる。実施形態においてキャリア粒子は、帯電列内でそれに近接しないポリマーの混合物から形成することができるコーティングを有するコアを含むことができる。
【0058】
実施形態において、結果として生じるコポリマーが適切な粒径を保持する限り、随意にPMMAを任意の所望のコモノマーと共重合することができる。適切なコモノマーには、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジイソプロピルアミノエチルメタクリレート、又はt−ブチルアミノエチルメタクリレートなどのような、モノアルキル又はジアルキルアミンを含めることができる。キャリア粒子は、コーティングされたキャリア粒子の重量に基づいて、約0.05重量%乃至約10重量%、実施形態においては約0.01重量%乃至約3重量%(これらの範囲外の値を用いることもできるが)の量のポリマーを、それが機械的固着及び/又は静電引力によってキャリアコアに付着するまで、キャリアコアと混合することにより調製することができる。
【0059】
キャリアコア粒子の表面にポリマーを塗布するためには、例えば、カスケードロール混合、タンブリング、ミリング、振盪、静電粉末クラウドスプレー、流動床、静電ディスク処理、静電カーテン、及びそれらの組合せなどの様々な有効で適切な手段を用いることができる。次にキャリアコア粒子とポリマーの混合物を加熱してポリマーを融解させキャリアコア粒子に融合させることができる。コーティングしたキャリア粒子は次いで冷却し、その後、所望の粒径に分類することができる。
【0060】
実施形態において、適切なキャリアとしては、例えば、サイズが約25乃至約100μm、実施形態においてはサイズが50乃至75μm(これらの範囲外のサイズを用いることもできるが)であり、約0.5重量%乃至約10重量%、実施形態においては約0.7重量%乃至約5重量%(これらの範囲外の量を用いることもできるが)の、例えばメタクリル酸メチル及びカーボンブラックを含む導電性ポリマー混合物で、特許文献3及び特許文献4に記載されたプロセスを用いてコーティングされたスチールコアを挙げることができる。
【0061】
キャリア粒子はトナー粒子と様々な適切な組合せで混合することができる。濃度はトナー組成物の約1重量%乃至約20重量%とすることができる(この範囲外の濃度を得ることもできるが)。しかし、所望の特性を有する現像剤組成物を得るために、異なるトナーとキャリアの割合を用いることができる。
【0062】
本開示のトナーは、静電写真(電子写真を含む)又はゼログラフィ画像化法において用いることができる。実施形態において、任意の既知の型の現像システムを、例えば、磁気ブラシ現像、ジャンピング単一成分現像、ハイブリッドスカベンジレス現像(HSD)などを含む現像装置内で用いることができる。これら及び類似の現像システムは、当業者の認識範囲内にある。
【0063】
画像化プロセスは、例えば、帯電要素、画像化要素、光伝導要素、現像要素、転写要素、及び定着要素を含むゼログラフィ装置により画像を調製することを含む。実施形態において現像要素は、本明細書で説明したトナー組成物とキャリアを混合して調製される現像剤を含むことができる。ゼログラフィ装置には、高速プリンタ、白黒高速プリンタ、カラープリンタなどを含めることができる。
【0064】
ひとたび、上記の何れか1つの方法のような適切な現像法により、トナー/現像剤を用いて画像が形成されると、次に画像を紙などの受像媒体に転写することができる。実施形態においてこのトナーは、定着器ロール部材を用いた現像装置内で画像を現像するのに用いることができる。定着器ロール部材は、当業者の認識範囲内の接触定着装置であり、ロールからの熱及び圧力を用いてトナーを受像媒体に定着することができる。実施形態において定着器部材は、受像基材上への融解の後又は間に、トナーの融解温度より高い温度、例えば、約70℃乃至約160℃、実施形態においては約80℃乃至約150℃、他の実施形態においては約90℃乃至約140℃の温度(これらの範囲外の温度を用いることもできるが)に加熱することができる。
【実施例1】
【0065】
デュポン社からTI−PURE(登録商標)R−706として市販されている、有機物で処理された二酸化チタン約100グラムを、約363.9グラムの脱イオン水及び約36グラムのダウケミカル社からの二スルホン酸アルキルジフェニルオキシドDOWFAX(登録商標)2A1に加え、約10分間撹拌して分散液を形成した。溶液を約10,000回転毎分(rpm)の速度で約10分間混合することにより均質化して、狭い分布の顔料溶液を得た。二酸化チタン分散液の固形分は約21.32重量%であった。
【実施例2】
【0066】
種々のレベルの二酸化チタンを有する白色ULMトナーの調製。光沢のある透明なトナーを以下のように作成した。ガラスケトル内で、エマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/ドデセニルコハク酸/トリメリト酸樹脂(樹脂は約39.16重量%の量で存在し、約56℃のガラス転移温度を有し、約207nmのサイズの粒子であった)約70.87グラムを、エマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/フマル酸/ドデセニルコハク酸樹脂(樹脂は約35.61重量%の量で存在し、約60.5℃のガラス転移温度を有し、約215nmのサイズの粒子であった)約77.93グラム、エマルジョン中の花王からのポリドデカン二酸-コ-1,9-ノナンジオール結晶性ポリエステル樹脂(樹脂は約31.51重量%の量で存在し、約71.04℃の融点を有し、約151nmのサイズの粒子であった)約23.79グラム、DOWFAX(登録商標)2A1約2.7グラム、ポリエチレンワックスのエマルジョン(IGIから)約31.11グラム、及び脱イオン水約369.194グラムと混合し、約4000rpmで動作するIKA ULTRA TURRAX T50ホモジナイザを用いて約1分間均質化した。
【0067】
その後、約48グラムの脱イオン水と綿状沈殿として混合した約1.79グラムのAl
2(SO
4)
3を滴下方式でケトルに添加し、約4000rpmで約10分間撹拌して均質化した。この混合物を約280rpmにおいて約20分間脱気し、次いで、凝集のために約460rpmにおいて混合しながら、毎分約1℃の速度で約37℃の温度まで加熱した。粒径が約5μmに達するまで、コールターカウンタ(Coulter Counter)を用いて粒径をモニターした。
【0068】
上記のエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/ドデセニルコハク酸/トリメリト酸樹脂約35.75グラム、上記のエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/フマル酸/ドデセニルコハク酸樹脂約39.02グラム、DOWFAX(登録商標)2A1約1.2グラム、及び脱イオン水約37グラム、を含んだシェル混合物を、反応物中に導入し、約460rpmで混合しながら、約40℃においてさらに約10乃至約20分間凝集させた。ひとたび体積平均粒径がコールターカウンタによる測定で約5.7μm以上になったら、約4重量%のNaOH溶液を添加して凝集スラリのpHを約4に調節し、次いで約3.8グラムのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を添加し、その後混合速度を約190rpmに減速し、約4重量%のNaOH溶液の添加によりpHを約7.5に維持してトナー凝集を凍結した。
【0069】
凍結後、トナースラリを加熱して融合させた。結果として得られたトナーは約5.77μmの最終粒径、約1.176/1.22のGSDv/n、及び約0.97の真円度を有していた。次にトナースラリを室温に冷却し、ふるいにかけて(25μmのふるいを用いて)分離し、ろ過し、次いで洗浄して凍結乾燥した。
【実施例3】
【0070】
実施例2で記したエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/ドデセニルコハク酸/トリメリト酸樹脂約52グラム、実施例2で記したエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/フマル酸/ドデセニルコハク酸樹脂約59グラム、実施例2で記したエマルジョン中の花王からのポリドデカン二酸-コ-1,9-ノナンジオール結晶性ポリエステル樹脂約21.58グラム、DOWFAX(登録商標)2A1約2.1グラム、実施例1からの二酸化チタン分散液(約306nmの平均粒径を有し、固形分配合が約21.86重量%)約73.6グラム、及びポリエチレンワックスエマルジョン(IGIから)約31.11グラムを、ガラスケトル内の約334グラムの脱イオン水に加え、4000rpmで動作するIKA Ultra Turrax T50ホモジナイザを用いて約1分間均質化した。
【0071】
その後、約48グラムの脱イオン水と綿状沈殿として混合した約1.79グラムのAl
2(SO
4)
3を滴下方式でケトルに添加し、約4000rpmでの混合により約10分間均質化した。この混合物を約280rpmにおいて約20分間脱気し、次いで、凝集のために約360rpmにおいて撹拌しながら、毎分約1℃の速度で約52℃の温度まで加熱した。粒径が約5μmに達するまで、コールターカウンタ(Coulter Counter)を用いて粒径をモニターした。
【0072】
上記のエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/ドデセニルコハク酸/トリメリト酸樹脂約35.75グラム、上記のエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/フマル酸/ドデセニルコハク酸樹脂約39.9グラム、DOWFAX(登録商標)2A1約1.2グラム、及び脱イオン水約36グラム、を含んだ実施例2のシェル混合物を、反応容器内に導入し、約400rpmで混合しながら、約40℃においてさらに約10分乃至約20分間粒子を凝集させた。
【0073】
ひとたび体積平均粒径がコールターカウンタによる測定で約5.7μm以上になったら、約4重量%のNaOH溶液を添加して凝集スラリのpHを約4に調節し、次いで約3.1グラムのEDTAを添加し、その後混合速度を約190rpmに減速し、約4重量%のNaOH溶液の添加によりpHを約7.8に維持してトナー凝集を凍結した。
【0074】
凍結後、トナースラリを加熱して融合させた。結果として得られたトナーは約6.34μmの最終粒径、約1.23/1.23のGSDv/n、及び約0.98の真円度を有していた。次にトナースラリを室温に冷却し、ふるいにかけて(25μmのふるいを用いて)分離し、ろ過し、次いで洗浄して凍結乾燥した。
【0075】
結果として得られたトナー粒子は、約15重量%の二酸化チタン顔料を有していた。
【実施例4】
【0076】
実施例2で記したエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/ドデセニルコハク酸/トリメリト酸樹脂約46グラム、実施例2で記したエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/フマル酸/ドデセニルコハク酸樹脂約51.6グラム、実施例2で記したエマルジョン中の花王からのポリドデカン二酸-コ-1,9-ノナンジオール結晶性ポリエステル樹脂約21.58グラム、DOWFAX(登録商標)2A1約1.84グラム、実施例1からの二酸化チタン分散液(約306nmの平均粒径を有し、固形分配合が約21.86重量%)約98グラム、及びポリエチレンワックスエマルジョン(IGIから)約31.11グラムを、ガラスケトル内の約334グラムの脱イオン水に加え、4000rpmで動作するIKA Ultra Turrax T50ホモジナイザを用いて約1分間均質化した。
【0077】
その後、約48グラムの脱イオン水と綿状沈殿として混合した約1.79グラムのAl
2(SO
4)
3を滴下方式でケトルに添加し、約4000rpmでの混合により約10分間均質化した。この混合物を約280rpmで混合しながら約20分間脱気し、次いで、凝集のために約360rpmにおいて撹拌しながら、毎分約1℃の速度で約52℃の温度まで加熱した。粒径が約5μmに達するまで、コールターカウンタ(Coulter Counter)を用いて粒径をモニターした。
【0078】
上記のエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/ドデセニルコハク酸/トリメリト酸樹脂約35.7グラム、上記のエマルジョン中の花王からのポリアルコキシ化ビスフェノールA-コ-テレフタル酸/フマル酸/ドデセニルコハク酸樹脂約39.9グラム、DOWFAX(登録商標)2A1約1.2グラム、及び脱イオン水約36グラム、を含んだ実施例2のシェル混合物を、反応容器中に導入し、約400rpmで混合しながら、約40℃においてさらに約10分乃至約20分間粒子を凝集させた。
【0079】
ひとたび体積平均粒径がコールターカウンタによる測定で約5.7μm以上になったら、約4重量%のNaOH溶液を添加して凝集スラリのpHを約4に調節し、次いで約3.1グラムのEDTAを添加し、その後混合速度を約190rpmに減速し、約4重量%のNaOH溶液の添加によりpHを約7.8に維持してトナー凝集を凍結した。
【0080】
凍結後、トナースラリを加熱して融合させた。結果として得られたトナーは約5.53μmの最終粒径、約1.22/1.23のGSDv/n、及び約0.971の真円度を有していた。次にトナースラリを室温に冷却し、ふるいにかけて(25μmのふるいを用いて)分離し、ろ過し、次いで洗浄して凍結乾燥した。
【0081】
結果として得られたトナー粒子は、約20重量%の二酸化チタン顔料を有していた。
【実施例5】
【0082】
凝集用に実施例1の二酸化チタン分散液を152グラム用いたことを除いて,
実施例4で説明したのと同じ合成法により別のトナーを調製した。得られたトナーは約6.27μmの最終粒径、約1.27/1.26のGSDv/n、及び約0.957の真円度を有していた。
【0083】
結果として得られたトナーは、約31重量%の二酸化チタン顔料を有していた。実施例2〜5において作成されたトナーの概要を以下の表1に示す。
表1
TGA=二酸化チタン残留分を決定するのに用いた熱重量分析測定。
【0084】
トナー粒子中の二酸化チタンの量を決定するためのTGA測定は、TAインスツルメントからのTGA Q5000を用いて行った。上の表1に加えて、図面は測定値を示すグラフを含み、これらのグラフはULMトナーへの二酸化チタンの成功した添加を示す。データのばらつきは全て実験的不確かさの許容可能レベル内にある。
図1Aは実施例2のトナー(二酸化チタンなし)に対するTGA結果のグラフであり、
図1Bは実施例3のトナー(15%二酸化チタン―残留分は14%であった)に対するTGA結果のグラフであり、
図1Cは実施例4のトナー(20%二酸化チタン―残留分は18.5%であった)に対するTGA結果のグラフであり、
図1Dは実施例5のトナー(31%二酸化チタン―残留分は29%であった)に対するTGA結果のグラフである。
【0085】
実施例の白色トナーの簡単且つ迅速な特性決定のために、画像転写技術と組み合せた湿性沈着を行った。より具体的には、実施例により上で作成されたトナーに関して、光沢黒色基材及び/又はマイラー基材上の転写画像を湿性沈着とラミネーションを組み合せて調製した。プロセスの第1のステップにおいて、湿性沈着試料を下向きに光沢黒色基材又はマイラー基材に塗布した。次に試料を、約70℃の温度のラミネータを約12mm/秒の速度で通過させ、100%の画像転写を可能にした。トナーが定着しなかったので、画像は光沢のない外観(約5gguの光沢を有する)を呈した。つぎに転写画像を、約100℃の温度の別のラミネータを約6.96mm/分の速度で通過させて定着を完了した後、光沢画像を得た(約80gguの光沢を有する)。
【0086】
転写画像についてカラー分析を行った。グレタグマクベススペクトリノ(Gretag Macbeth Spectrolino)色度計を用い、光源D50による2度の視野で操作して、光沢黒色基材又はマイラー基材上の転写画像をL
*a
*b
*、即ちL
*a
*b
*次元のカラー空間に対して分析した。白色トナー画像のカラー空間は通常、約3乃至約6のL
*、約−5乃至約5のa
*、及び約-10乃至約10のb
*のカラー空間を有する黒色基材上で、明度L
*が>約75、実施形態においては約70乃至約99、他の実施形態においては約75乃至約98、赤色度a
*が約−5乃至約5、及び黄色度b
*が約−7乃至約7(TMAは約0.45mg/cm
2乃至約3mg/cm
2)であることで特徴付けられる。本開示のトナーに関するL
*a
*b
*座標は以下の表2に示す。
表2
トナーのL
*a
*b
*の概要
【0087】
図2は、光沢黒色基材上のL
*をトナー配合物中のTiO
2の重量%に対して示すグラフである。
図2から分かるように、TiO
2及びTMAが増加するに連れてL
*が増加する。
【0088】
印刷試験は以下のように行った。実施例4による試料を定着させて、二酸化チタン含有トナーの初期定着性能を決定した。このスコーピングアクティビティ(scoping activity)のために、パトリオット定着器(ゼロックスDC250プリンタからの)内のオイルレスカラー定着器を試験装置として用いた。未定着画像は、ゼロックスDocuColor12プリンタを用いて、定着器を通過する前に、単位面積当たりのトナー質量約0.5mg/cm
2及び1mg/cm
2で、コーティングなしの紙、Color Xressions+(約90gsm)(ゼロックスより)、並びにコート紙、デジタルカラーエリート光沢紙(約120gsm)(ゼロックスより)の上に生成した。定着器の処理速度は、約220mm/秒に設定し、定着器ロールの温度は光沢オフセットからホットオフセットが起るところまで変化させた。次いで定着した印刷の印刷光沢を、BYKガードナー75°光沢計を用いて測定した。光沢の測定結果の概要を
図3に示す。
【0089】
実験室での現像剤帯電結果もまた、実施例4のトナー(20%二酸化チタン)に対して得た。結果を
図4A-4Bに示す。簡単に言えば、帯電試験は次のように行った。各トナー試料を試料ミル上で約15000rpmにおいて約30秒間混ぜ合せた。現像剤試料は、約0.5グラムのトナー試料と約10グラムのゼロックス700デジタルカラープレスキャリアとを用いて調製した。二重の現像剤試料の対を、評価した各トナーに対して調製した。対のうちの一つの現像剤はAゾーン(28℃/85%RH)内で一晩適応させ、他の一つはCゾーン環境チャンバ(10℃/15%RH)内で一晩適応させた。
【0090】
翌日、現像剤試料を密閉して約2分間かき混ぜ、次いで撹拌ミキサーを用いて約58分間撹拌した。混合の約2分後及び約58分後、トナーの摩擦帯電を、チャージスペクトログラフ法により100V/cmの電場を用いて測定した。トナー帯電(q/d)はトナー帯電分布の中点として視覚により測定した。帯電はゼロラインからのミリメートル単位の変位で記録した。約1時間の混合の後、追加の0.5グラムのトナー試料を既に帯電した現像剤に加え、さらに15秒間混合し、そこでq/d変位を再度測定し、次いでさらに45秒間混合し(全部で約1分間の混合)、そして再度q/d変位を測定した。
【0091】
最終トナーの帯電は、ゼロックス700デジタルカラープレスのキャリア、並びに0.
88%の二酸化チタン、1.71%のPDMS表面処理シリカ、1.73%のゾル-ゲル
シリカ、0.55%のペルフルオロポリエステル、及び0.9%のポリマーアルコールか
ら成る添加剤パッケージを用いて測定した。白色トナーの全体的な帯電性能は、ゼロック
ス700デジタルカラープレスからの市販のシアントナーよりも優れていた。
図4A-4
Bから分かるように、本開示のトナーは非常に安定なAゾーン帯電を有し、帯電レベルの
増加がより良好なRH感受性をもたらす。
図4Aは実施例4のトナーの帯電を示し、一方
図4Bはゼロックス700デジタルカラープレスのシアントナーの帯電結果を示す。従っ
て、白色トナーの実験室での帯電評価は、市販のシアンの対照を上回る向上した性能を示
唆する。
また、本発明は以下の事項を含んでいる。
〔1〕少なくとも1つの樹脂と、
有機物で処理したアルミニウム処理二酸化チタンを含む少なくとも1つの着色剤と、
を含むトナーであって、
前記トナーは約15ggu乃至約70gguの光沢を有する白色トナーを含む、
ことを特徴とするトナー。
〔2〕前記有機物で処理した二酸化チタンはルチル型二酸化チタンを含むことを特徴とする、前記〔1〕に記載のトナー。
〔3〕少なくとも1つのポリエステル樹脂と、
有機物で処理し、さらにシリカ及びアルミナで処理した、有機物で処理したルチル型二酸化チタンを含む少なくとも1つの着色剤と、
を含む白色トナーであって、
前記シリカは前記着色剤の約1乃至約4重量パーセントの量で存在し、前記二酸化チタンは前記着色剤の約90乃至約99.9重量パーセントの量で存在し、前記トナーは約15ggu乃至約70gguの光沢を有する、
ことを特徴とする白色トナー。
〔4〕前記有機物で処理された二酸化チタンは、約120nm乃至約500nmのサイズを有し、前記有機物で処理された二酸化チタンは、前記トナーの約15重量パーセント乃至約35重量パーセントの量で存在することを特徴とする、前記〔3〕に記載のトナー。