特許第5739414号(P5739414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5739414多様なフラップのための家具フラップ駆動装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5739414
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】多様なフラップのための家具フラップ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/611 20150101AFI20150604BHJP
   E05D 15/40 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
   E05F15/12
   E05D15/40
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-510066(P2012-510066)
(86)(22)【出願日】2010年5月10日
(65)【公表番号】特表2012-526927(P2012-526927A)
(43)【公表日】2012年11月1日
(86)【国際出願番号】AT2010000160
(87)【国際公開番号】WO2010129980
(87)【国際公開日】20101118
【審査請求日】2013年4月19日
(31)【優先権主張番号】A730/2009
(32)【優先日】2009年5月13日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルム ゲー エム ベー ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェフニヒト,ウーバ
(72)【発明者】
【氏名】フリーセンエッカー,ジェラルド
【審査官】 神崎 共哉
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−526225(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/135300(WO,A1)
【文献】 特表2012−500916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00−15/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータを有する第1の部材と、駆動アームを有する第2の部材とを含んだ家具フラップ駆動装置であって、前記第1の部材と前記第2の部材同士は、解放可能に固定され、前記駆動アームを移動させるための作用力伝達装置が提供されており、前記作用力伝達装置(11)の位置を調節するための位置決め装置(12)が提供されており、前記第1の部材(7)は、前記作用力伝達装置(11)の位置を調節することによって、それぞれ異なる角度で配置された駆動アーム(4)を有する前記第2の部材(8)に固定できることを特徴とする家具フラップ駆動装置。
【請求項2】
前記作用力伝達装置(11)の多様な位置は、前記駆動アーム(4)の多様な開角度(φ)に対応することを特徴とする請求項1記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項3】
前記作用力伝達装置(11)は、前記第1の部材(7)に配置されており、前記駆動アーム(4)上のインターフェース(9)と係合できることを特徴とする請求項1または2記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項4】
前記インターフェース(9)は、受領開口部の形態であることを特徴とする請求項3記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項5】
前記作用力伝達装置(11)は、ピンの形態であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項6】
前記作用力伝達装置(11)は、偏心トランスミッション(19)に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項7】
前記位置決め装置(12)は、それによって前記作用力伝達装置(11)が可動となる少なくとも一つの接合部材(12’)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項8】
前記作用力伝達装置(11)は、少なくとも一つの前記接合部材(12’)によって移動可能であることを特徴とする請求項7記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項9】
前記位置決め装置(12)は、少なくとも二つの駆動部材(13)を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項10】
それによって前記第1の部材(7)が前記第2の部材(8)に固定され、前記位置決め装置(12)によって駆動可能な少なくとも一つのロック部材(14)が提供されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つのロック部材(14)は、前記位置決め装置(12)上に配置されていることを特徴とする請求項10記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つのロック部材(14)は、フック状突出部の形態であることを特徴とする請求項10または11記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項13】
前記少なくとも一つのロック部材(14)は、前記第2の部材上に配置された保持部材(25)と係合できることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項14】
それによって前記第1の部材(7)の前記第2の部材(8)への固定が表示できる表示装置(20)が提供されていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項15】
前記第1の部材(7)の前記第2の部材へのロックは、前記表示装置(20)によって表示できることを特徴とする請求項14記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項16】
前記表示装置(20)は、前記少なくとも一つのロック部材(14)によって駆動されることを特徴とする請求項14または15記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項17】
前記表示装置(20)は、弾性を有するか、またはバネ式であることを特徴とする請求項14から16のいずれかに記載の家具フラップ駆動装置。
【請求項18】
家具枠体と該家具枠体に可動式に取り付けられたフラップとを含んだ家具であって、前記家具枠体(2)に取り付けられた請求項1から17のいずれかに記載の前記家具フラップ駆動装置(1)は、前記家具枠体(2)に取り付けられており、前記家具フラップ駆動装置(1)の駆動アーム(4)は、前記フラップ(3)に接続されていることを特徴とする家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータを有する第1の部材と、駆動アームを有する第2の部材とを含んだ家具フラップ駆動装置に関し、第1の部材と第2の部材同士は、解放可能に固定でき、駆動アームを移動させるための作動力伝達装置が提供されている。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、家具枠体に可動式に取り付けられており、フラップに接続できる駆動アームを有する機械式駆動ユニットと、駆動アームに作用する作用力蓄積手段とを有するフラップを開示している。さらに、独立型部材の形態である電動駆動装置を駆動ユニットに固定でき、その固定は、駆動ユニットが家具枠体にすでに取り付けられているときでも可能である。
【0003】
特許文献2は、異なるタイプの家具フラップを示している。よって例えばフラップが棚の天板の下側にて回転式に固定されている上部フラップとして知られている家具フラップが存在する。
【0004】
さらに2部分で成るフラップが存在し、第1のフラップ部は、家具枠体に回転式に接続されており、第2のフラップ部は、第1のフラップ部に回転式に接続されている。フラップが開位置に移動されるとき、第1のフラップ部は、家具枠体から離れるように上方に旋回し、第2のフラップ部も、フラップが開位置で折畳まれるように家具枠体側に向かって上方に旋回する。そのようなフラップは、上方折畳み式フラップとして知られている。
【0005】
さらに別のタイプのフラップは、上方に回動可能なフラップであり、そのフラップは、家具枠体から離れるように後方に旋回される。
【0006】
フラップがその全体的な開閉移動時に家具枠体の前側に対してほぼ平行に移動する場合、それは、上方持上げ式フラップと称される。
【0007】
この用語は、本出願の文脈でもそのように理解されるべきであり、この点で異なるタイプの家具フラップのリストは、最終的なものと解釈されるべきではない。
【0008】
特許文献3は、家具フラップ駆動装置を開示しており、家具フラップ駆動装置の取り付け状態での家具フラップの自動識別のため、測定装置で測定された開閉角度に基づいて家具フラップのそれぞれのタイプを識別するように識別装置が機能する。これは、電動モータの手によるプレセッティングを二重手間とする。
【0009】
それぞれの家具フラップタイプによって、家具フラップそれぞれの特徴的な動作を実行させるよう、駆動レバーの形態が異なっているか、あるいはそれが一部であるレバー機構の形態が異なっている異なる機械的駆動ユニットが使用される。この機械的駆動ユニットには、通常は所定限度内の家具フラップの重量を補償する、または較正するように作用するスプリングパックもほぼ常に提供されている。
【0010】
家具フラップは、駆動レバーまたはレバー機構の異なる形態によって異なるため、家具枠体にすでに取り付けられている多様なフラップタイプのために機械的駆動ユニットへの単一タイプの電動駆動装置の取り付けは、特に多様なタイプのフラップが異なる開位置を有しており、引き続く電動駆動装置の固定が好適には家具フラップの開位置で実行されるため、非常に困難を伴なう。
【0011】
考えられる別案は、電動駆動装置がその機械的駆動ユニットに適合するだけである特殊なタイプのフラップに属するそれぞれの機械的駆動ユニットのための別体の電動駆動装置を開発することであろう。しかしながら、これは経済的理由のために拒絶されることは理解できるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第2008/134786A1号パンフレット
【特許文献2】西独国実用新案出願公開第202006000535U1号明細書
【特許文献3】オーストリア国出願公開第1352/2008号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、本発明の目的は、電動モータを有する駆動装置と、駆動アームを有する機械的駆動ユニットとを含んだ家具フラップ駆動装置の提供であり、電動駆動装置と駆動ユニットは、互い同士に固定できる別部材の形態である。この点でそのような固定は、技術的に簡単な形態で可能であり、その電動駆動装置は、多様なタイプの家具フラップのための駆動ユニットに固定できるようにされている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、「請求項1」の特徴を有する家具駆動装置によって達成される。
【0015】
この点で、本発明の家具フラップ駆動装置は、電動モータを有する第1の部材を含んでおり、フラップを動かすための駆動力を提供する。別体であり、駆動アームすなわち調節アームを有する第2の部材と、第1の部材とは、解放可能に互いに固定されている。駆動アームを有する第2の部材は、機械的駆動ユニットであり、駆動アームに作用し、例えばスプリングパックの形態である作用力蓄積手段が存在する。第2の部材、すなわち機械的駆動ユニットは、家具枠体に取り付けられるが、この場合、第1の部材は、家具枠体にすでに取り付けられていても第2の部材に固定できる。
【0016】
理屈では両方の部材は、家具枠体への取り付け前にすでに互いに固定されていてもよい。この場合には、一種類の電動駆動装置のみ、すなわち一種類の第1の部材のみが異なるタイプのフラップのための駆動ユニットのために使用されるなら、固定作業も容易になる。
【0017】
異なるタイプの家具フラップの駆動アームまたは家具フラップは、それらの二つの端部位置間(家具フラップの閉位置とその開位置)で異なる移動経路を辿る。このように例えば上方折畳み式フラップ(UFF)の場合に移動可能な角度範囲はおよそ140°である。上方回動式フラップ(UPF)の場合、駆動アームは、およそ150°の角度範囲を移動でき、一方、上方持上げ式フラップ(ULF)の場合の角度範囲は、およそ160°である。これらの角度は、閉端位置、すなわち閉位置で家具フラップが家具枠体に接する位置(タッチラッチ起動を許容するために家具枠体に対して僅かな隙間を維持)からそれぞれ測定される。角度測定は、オプションで駆動アームの旋回点を通って垂直に延びる概念的直線から開始することもできる。この実際の具体的な数字は、結果的にいくらか変化するかもしれない。
【0018】
一般的に、正確な角度は、それぞれの製造者によって異なるか、または別の移動角度範囲が使用される別タイプの家具フラップを使用することも可能である。前述の三種類の家具フラップ(UFF、ULF、UPF)では、前述のものとは異なる移動角度範囲の値が関与することも理解できるであろう。
【0019】
電動モータを有する第1の部材と、駆動アームを有する第2の部材は、互いに固定されており、第2の部材は、家具枠体にすでに取り付けられているなら、これは、家具枠体の閉位置では実行できないが、好適には端位置である開位置、すなわち家具枠体の完全開位置で実行されなければならないことは理解できるであろう。この目的のため、駆動エネルギーを伝達するための作用力伝達手段は、駆動アームに接続されていなければならないか、またはこれと係合関係にされなければならない。しかしながら開位置での駆動アームの位置は、それぞれのタイプのフラップによって異なるため、作用力伝達装置の位置もまたフラップのタイプに応じて変更されなければならない。この目的のため本発明では、その位置が使用されているフラップのタイプに関連し、第1の部材、すなわち電動駆動装置が第2の部材、すなわち機械的駆動ユニットに駆動アームの異なる位置で固定できるよう、作用力伝達手段の位置を調節する位置決め装置が存在する。
【0020】
この場合、第1の部材は、第2の部材に駆動アームの少なくとも2箇所、好適には3箇所の異なる位置で固定できる。作用力伝達装置の位置は、この目的のために特別に提供された位置に移動できる。三つの異なるタイプの家具フラップである上方持上げ式フラップ、上方回動式フラップ、および上方折畳み式フラップは、作用力伝達装置の三つの異なる位置に関して考慮され、一種類のみの電動駆動装置、すなわち電動モータを含む一種類のみの第1の部材がフラップのそれら全てのタイプのフラップのために製造されなければならず、位置決め装置による作用力伝達装置の位置の調節後にそれぞれの機械的駆動ユニットに固定できる。
【0021】
この点で、作用力伝達装置の位置調節は、不連続式または無段階式に可能である。作用力伝達装置のそれぞれの位置は、本発明の第1の部材が固定できる多様なタイプの家具フラップに対応する。作用力伝達装置の位置の無段階調節によって、作用力伝達装置は、異なる不連続ステップで掛止めされるか、または、作用力伝達装置の位置調節中に異なる位置が感知でき、多様な不連続ステップは異なるタイプのフラップに対応する。
【0022】
電動駆動装置を有する第1の部材が駆動アームを有する第2の部材に固定された後、駆動アームは、フラップを開閉するよう作用力伝達手段装置よって移動または駆動される。作用力伝達手段のこの運動は、二つの部材同士を固定するための位置の変化とは無関係であり、当然ながら無段階式に実施されることは理解されるであろう。
本発明の別な有利な形態は、「請求の範囲」に定義されている。
【0023】
作用力伝達装置の多様な位置は、駆動アームの多様な角度位置に対応し、異なる角度位置は、好適には家具フラップの開位置に対応する。
【0024】
特に好適な実施態様では、作用力伝達装置は、第1の部材にアレンジされ、第2の部材は、作用力伝達装置が係合できるインターフェースを有する。この点で、電動駆動装置を駆動ユニットに固定することで、インターフェースは、電動駆動装置と駆動ユニットとの間に作用力伝達のためのいわゆる自動式接続を提供する。本発明の一実施態様では、作用力伝達装置は、ピンの形態であり、作用力伝達装置と特にピンは、電動モータの駆動力出力部に作動式に接続される偏心伝達機構上にアレンジでき、よって電動モータによって家具フラップを移動させるよう駆動される。好適にはインターフェースは、駆動ユニット上の受領開口部の形態であり、この場合、作用力伝達装置と特にピンは、その開口部に係合できる。
【0025】
本発明の一実施態様では、位置決め装置は、少なくとも一つの迫部を有しており、それとともに作用力伝達装置は動くことができる。作用力伝達装置は、迫部によって可動である。
【0026】
位置決め装置は、使用される家具フラップのタイプによって作用力伝達装置の位置を調節または移動できるので、位置決め装置は、少なくとも一つの、好適には二つの駆動部材を有する。
【0027】
電動モータを有する第1の部材と、駆動アームを有する第2の部材同士が固定されると、自然にその接続の望まない解放、すなわち第2の部材からの第1の部材の脱落を可能な限り回避できる。この目的のため、本発明の特に好適な実施態様では、位置決め装置によって好適には平等に駆動され、それによって二つの部材が互いに固定又はロックされる少なくとも一つのロック部材が提供される。
【0028】
本発明の一実施態様では、少なくとも一つのロック部材は、位置決め装置上にアレンジされており、それは、例えばフック状突起の形態であり、ロック部材および好適にはフック状突起は、第2の部材内またはその上にアレンジされた迫部と係合される。
【0029】
本発明のさらに別な実施態様では、第1の部材の第2の部材への固定が表示される表示装置が提供される。この点で、表示装置は、固定のみでなく第1の部材の第2の部材へのロックも表示することが望ましい。
【0030】
表示装置は、少なくとも一つのロック部材によって駆動されることが特に望ましい。表示装置自体は、弾性を有するか、またはバネ荷重可能なものである。
【0031】
本発明は、家具枠体とその家具枠体に可動に取り付けられたフラップを含む家具にも関し、本発明による家具フラップは、家具枠体の片側または両側にアレンジされており、家具フラップの駆動アームは、フラップに接続されている。
【0032】
この点で、作用力保存手段と、駆動アームすなわち第2の部材とを備えた機械的駆動ユニットが両側にアレンジされ、それら駆動ユニットの一方のみが本発明の第1の部材、すなわち電動駆動装置に接続されている。
【0033】
本発明のさらなる詳細および利点は、図面を参考にして詳細な説明によって詳説される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1a図1aは、家具フラップを示している。
図1b図1bは、異なるタイプの家具フラップを示している。
図1c図1cは、異なるタイプの家具フラップを示している。
図2a図2aは、図1aで示す家具フラップのための家具フラップ駆動装置の形態を示している。
図2b図2bは、図1bで示す家具フラップのための家具フラップ駆動装置の形態を示している。
図2c図2cは、図1cで示す家具フラップのための家具フラップ駆動装置の形態を示している。
図3a図3aは、家具フラップを移動させるための移動形態の第2の部材の側面図である。
図3b図3bは、異なるタイプの家具フラップを移動させるための異なる移動形態の第2の部材の側面図である。
図3c図3cは、異なるタイプの家具フラップを移動させるための異なる移動形態の第2の部材の側面図である。
図4図4は、図3aから図3cに示す、異なる形態である、第2の部材に固定できる第1の部材の一実施例の斜視図である。
図5図5は、図4のA部分の詳細図である。
図6図6は、図5の部分分解図である。
図7図7は、本発明に必須である第1の部材の分解図である。
図8a図8aは、第1の部材の一実施例の側面図と、図8aのB部分の詳細図であり、位置決め装置は、特定タイプのフラップのために調節されている。
図8b図8bは、第1の部材の一実施例の側面図と、図8aのB部分の詳細図であり、位置決め装置は、特定タイプのフラップのために調節されている。
図9a図9aは、図8aの第1の部材の実施例を示しており、位置決め装置は、ロック位置に調節されており、図9aのC部分を詳細に示している。
図9b図9bは、図9aのC部分を詳細に示している。
図10図10は、互いに固定されている状態の第1および第2の部材を詳細に示した斜視図である。
図11a図11aは、互いに固定されている状態の第1および第2の部材の一実施例の側面図である。
図11b図11bは、互いに固定されている状態の第1および第2の部材の一実施例の正面図である。
図11c図11cは、図11aのD部分を詳細に示した図である。
図12a図12aは、まだ固定されていない状態の第1および第2の部材の一実施例の斜視図である。
図12b図12bは、まだ固定されていない状態の第1および第2の部材の一実施例の平面図である。
図13a図13aは、固定された状態の図12の部材を示している。
図13b図13bは、固定された状態の図12の部材を示している。
図14a図14aは、特定のタイプの家具フラップのための家具フラップ駆動装置が取り付けられた家具枠体の斜視図である。
図14b図14bは、特定のタイプの家具フラップのための家具フラップ駆動装置が取り付けられた家具枠体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1aは、上方折畳み式フラップ(UFF)の形態である、家具枠体2に可動式に取り付けられた家具フラップ3を示している。
【0036】
家具フラップ1のこの対応形態を図2aに示している。家具フラップ1は、従来技術に対応する。角度φは、この場合一方が駆動アームすなわち調節アーム4の縦方向に平行に延びる2本の概念上の直線間で測定される。第2の直線は、駆動アーム4の回動点を通って少なくともほぼ垂直に延びている。図1aに示す家具フラップ3は、プレート5に固定できる。
【0037】
図1bと図2bは、上方旋回式フラップ(UPF)に対応する図をそれぞれ示している。図1cと2cは、上方持上げ式フラップ(ULF)に対応する図をそれぞれ示している。
【0038】
レバー機構の正確な構造は、家具フラップ3の異なる、それぞれ必要な幾何学的移動特性によって異なる。しかしながらそれぞれの場合において家具フラップ3の電動モータ駆動は、作用力伝達装置11を手段として移動される駆動アーム4によって実行される。家具フラップ駆動装置1は、それぞれの場合、互いに解放可能に固定できる2体の部材7と8を含んでいる。電動モータとそれに対応する電子回路は、この場合電動駆動装置である第1の部材7内にアレンジされている。駆動アーム4に作用し、たいていの場合スプリングパックの形態である作用力保存手段は、第2の部材8内に配置されている。
【0039】
図3aから図3cは、第2の部材8(機械的駆動ユニット)の一実施例の側面図をそれぞれ示している。使用される家具フラップのタイプに応じて対応する第2の部材8が利用される。
【0040】
図3aは、上方折畳み式フラップのための機械的駆動ユニットを示している。この実施例では、家具フラップ3の閉位置から開位置までの角度は、143°である。駆動アーム4内の受領開口部の形態であるインターフェース9は、家具フラップ3または駆動アーム4が開位置にある位置に配置されている。作用力伝達装置11は、インターフェース9に係合できる。駆動アーム4の開閉運動のため、インターフェース9と作用力伝達装置11は、ガイド経路10に沿って移動する。
【0041】
図3bの第2の部材8は、上方旋回式フラップ(UPF)の運動のために作用する。この実施例の作用角度は、151°である。受領開口部の形態であるインターフェース9は、家具フラップ3または駆動アーム4が開位置にある位置に存在する。第1の部材7の作用力伝達装置11は、インターフェース9と係合し、両部材とも開閉運動中にガイド経路10に沿って移動される。
【0042】
図3cは、上方持上げ式フラップ(ULF)を移動させるための第2の部材8を示している。この実施例では、作用角度は、161°である。受領開口部の形態であるインターフェース9は、家具フラップ3がその開位置である位置に存在する。作用力伝達手段11は、インターフェース9と係合される。両部材とも開閉運動時にガイド経路10に沿って移動する。
【0043】
一種類の第1の部材7のみが第2の部材8の異なる形態に使用される場合に第1の部材7を第2の部材8に固定する際の難点は、図3aから図3cで図示されている。第2の部材8がそれぞれの家具枠体2にすでに固定されており、第1の部材7が引き続き第2の部材8に固定されるなら、その固定は、好適には、家具フラップ3の開位置で実行される。その開位置では、インターフェース9は、異なる開角度φであり、それによって作用力伝達装置11の部材は、適合するようにされなければならない。その位置適合は、本発明の位置決め装置12で実行される。
【0044】
図4の斜視図は、第1の部材7、すなわち第2の部材8の多様な形態に解放式に固定できる電動駆動装置を示している。この点で、第2の部材8内の関連する受領開口部26に押し込まれるセンタリングピン15に加えて、2つの保持延出部16が解放可能な固定のために提供されており、その延出部16は、第2の部材8の対応する面に接する。これらの面は、迫部または保持部材として作用する。第1の部材7は、受領開口部の形態であるインターフェース9内に挿入され、それによって係合される伝達手段11を有する。位置決め装置12にはそれによって作用力伝達装置11が可動である作動部材13が提供されている。作用力伝達装置11は、位置決め装置12による作動部材13の作動によって第1の部材7のハウジング内の受領開口部17に沿って部分的に移動される。フック突出部は、固定された部材7と8を固定またはロックするためのロック部材14として作用する。
【0045】
図5は、図4のA部分の斜視図である。この場合、作動部材13は、異なる位置に移動できる。これらの位置は、表面18にマークされており(ULFを表示する“HL”、UFFを表示する“HF”およびUPFを表示する“HS”)、多様なタイプのフラップを識別する。作用力伝達装置11もまた駆動部材13の移動によって移動され、作用力伝達手段11は、開口部17に沿って部分的に移動される。
【0046】
上方折畳み式フラップ(UFF)の取付けのため、駆動部材13と作用力伝達装置11は、このタイプのフラップは、図示の三つのタイプのフラップの最小の開角度φが関与するため、受領開口部17に沿って最も遠方へ移動される。上方折畳み式フラップを閉じるため、作用力伝達装置11は、その開始点から、すなわち“HF”とマークされた位置から下方に受領開口部17に沿って移動され、そうすることで駆動アーム4を引き連れる。
上方持上げ式フラップには、最大の開角度φが関与し、よって第1の部材7を第2の部材8に固定するために、作用力伝達装置11は、この場合、ガイド経路17に沿って最も少なく移動されなければならない。上方持上げ式フラップを閉じるため、作用力伝達装置11は、その開始点から、すなわち“HL”とマークされた位置から受領開口部17に沿って駆動アーム4で下方に移動される。
【0047】
これらの間には、上方旋回式フラップのためのマーキングが存在する。上方旋回式フラップを閉じるため、作用力伝達装置11は、その開始位置から、すなわち“HS”とマークされた位置から受領開口部17に沿って駆動アーム4で下方に移動される。
【0048】
第1の部材7が第2の部材8に固定されるとき、駆動部材は、前もって手動でそれぞれのタイプのフラップにセットされている。この点で、位置決め装置12または駆動部材13は、それぞれの位置で係合される。あるいはその位置は、移動で感知される。その移動によって作用力伝達装置11は、すでに装着されているであろう第2の部材8における受領開口部の形態のインターフェースに押し込まれるように移動される。
【0049】
2つの部材7と8を互いに固定した後、作動部材13を別の位置に移動させることができる。この位置は、マーキング面18上で“LOCKED(ロック状態)”と識別される。位置決め装置12上のフック突出部の形態である2つのロック部材14は、駆動部材13の移動によって、それらが第2の部材8上にその目的のために提供された迫部または保持部材25に係合する位置に移動される。このようにして2つの部材7と8は、第2の部材8からの第1の部材7の分離がロック部材14と迫部または保持部材25によって防止されるので、互いから解放されない。解放可能であるのは、駆動部材13が“LOCKED”位置から再び取り外されるときだけである。
【0050】
部分的に外された図6の斜視図は、2つの相互に対角位置の作動部材13を有する位置決め装置12を示している。位置決め装置12は、作動部材13の移動によって回転され、それによって接合部材12’が移動され、よって作用力伝達装置11を移動させる。作用力伝達装置11は、偏心伝達ギア19上にアレンジされる。フック突出部の形態であるロック部材14は、位置決め装置12上にアレンジされている。スプリング21によって作用される表示装置20は、2つの部材7と8が正確に互いに固定されているか、またはロックされているかを表示するために提供されている。
【0051】
図7の分解図は、本発明の必須部材7と8を再び示している。作用力伝達装置11は、偏心伝達ギア19上にアレンジされている。位置決め装置12は、作動部材13の作動によって移動され、そうすることで作用力伝達装置11も移動させる接合部材12’を有する。対応するタイプのフラップのためのマーキングは、第1の部材7のハウジング22上に配置されている。
【0052】
図8aのマークされた部分の図8bの詳細図は、第1の部材7の一実施例の側面を示しており、位置決め装置12の駆動部材13が上方折畳み式フラップのためにマークされた位置でどのようにアレンジされているかを説明している。この場合、位置決め装置12の接合部材12’は、作用力伝達装置11を適切な位置に移動させている。ロック部材14は、ハウジング22内の受領開口部23内にアレンジされている。
【0053】
2つの部材7と8が共に固定されたとき、図9aのCとマークされた部分の図9bの詳細図で示すように、駆動部材13が“LOCKED”とマークされた位置に移動される。位置決め装置12とロック部材14は、駆動部材13の移動によって回転され、それによってそれらは、対応する第2の部材8の迫部または保持部材25と係合される。
【0054】
図10は、共に固定された部材7と8の詳細な斜視図である。それは、ピンの形態の作用力伝達装置11がどのように受領開口部の形態のインターフェース9内に挿入され、係合されているかを示している。電動モータが作用力伝達装置11をガイド経路10に沿って動かすことによって、駆動アーム4が対応して移動される。表示装置20をハウジング内の受領開口部24内に見ることができ、部材7と8が正確に固定またはロックされているかを示している。
【0055】
図11aから図11cは、固定された部材7と8を再び示している。図から理解できるように、ロック部材14は、対応する迫部または保持部材25と係合している。作用力伝達装置11もまたインターフェース9と係合している。
【0056】
斜視図12aと平面図12bは、2つの部材7と8が位置決め装置12の後で駆動部材13によってどのように固定され、それぞれのタイプのフラップのために対応する位置に作用力伝達装置11を移動させているかを示している。第1の部材7は、保持延出部16によって第2の部材8に係合されている。保持延出部が接する第2の部材8の表面または端部は、係合された第1の部材7が第2の部材8側に回動されるように軸受けとして作用する。センタリングピン15は、第2の部材8の開口部26内に挿入される。その接続は、部材7と8の遊びが存在しない位置決めのために作用する。
【0057】
位置決め装置12とロック部材14および関連する迫部または保持部材25は、軸受けから離れており、それによって第1の部材7が第2の部材8に好適には、解放可能にロックされるロック装置として作用する。その状態を図13aと図13bで示している。
【0058】
図14aは、家具枠体に可動式に取り付けられた上方折畳み式フラップの形態である家具フラップ3を備えた家具枠体2と、図3から図13に示すように家具フラップ駆動装置1を示している。
【0059】
図14bは、別方向の図14aの詳細斜視図である。
【0060】
本発明は、説明した実施例に限定されず、添付の「請求の範囲」の範囲内の全ての技術的均等物を含む。
【0061】
上、下、横などの説明で採用した位置は、ここで説明した図に関するものであり、合体位置の変化によって新しい位置に適宜変更されるべきである。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図11c
図12a
図12b
図13a
図13b
図14a
図14b