(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記酸発生剤化合物が、標準還元電位アッセイにおいて−0.9〜0V(Ag/AgClに対して、カソードピーク電位)の還元電位を示す、請求項1から6のいずれか一項に記載のフォトレジスト組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書において言及される場合、酸発生剤化合物は、活性化放射線、例えばEUV放射線、eビーム放射線または他の放射線源、例えば193nm波長の放射線に曝露される場合に、酸を生成することができる。本明細書において言及される酸発生剤化合物はまた、光酸発生剤化合物とも称されうる。
【0019】
酸発生剤化合物
本発明の特に好ましい酸発生剤化合物には、以下の式(IA)の構造を含む化合物が挙げられる:
【化2】
式中、Zは対アニオンであり、
Xは、>C=O、>S(O)、>S(O)
2、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)−C(=O)−、−O−、CHOH、CH
2、またはSであり、それぞれのT、それぞれのT’、およびそれぞれのT’’は、同じかまたは異なる非水素置換基であり、それぞれのL、それぞれのL’およびそれぞれのL’’は、同じかまたは異なる酸不安定基であり、T、L、T’、L’、T’’およびL’’非水素基が一緒になって環を形成していてもよく、
mおよびm’はそれぞれ独立に0(TまたはT’について水素が存在する場合)、1、2、3または4であり、m’’は0(T’’について水素が存在する場合)、1、2、3、4または5であり、nおよびn’はそれぞれ独立に0(LまたはL’について水素が存在する場合)、1、2、3または4であり、n’’は独立に0(L’’について水素が存在する場合)、1、2、3、4または5であり、並びにn、n’およびn’’の少なくとも1つは0以外である。特定の態様において、好ましくはm、m’およびm’’の1つ以上が0であり、並びにm、m’およびm’’のそれぞれが0であってもよい。
【0020】
本発明の追加の好ましい酸発生剤化合物には以下の式(IB)の構造を含む化合物が挙げられる:
【化3】
式中、
Zは対アニオンであり、
Rは、非水素置換基であり、
それぞれのTおよびそれぞれのT’は、同じかまたは異なる非水素置換基であり、
それぞれのLおよびそれぞれのL’は、同じかまたは異なる酸不安定基であり、T、L、T’およびL’非水素基が一緒になって環を形成していてもよく、
mおよびm’はそれぞれ独立に0(TまたはT’について水素が存在する場合)、1、2、3または4であり、並びにnおよびn’はそれぞれ独立に0(LまたはL’について水素が存在する場合)、1、2、3または4である。特定の態様において、好ましくはmおよびm’の一方または両方は0である。好ましくは式(IB)の化合物は、酸不安定基を含み、例えばRは、酸不安定基を含んでいてもよく、および/またはnおよびn’’の一方または両方は0より大きい。
【0021】
本発明の特に好ましい酸発生剤には、以下の式(IC)の構造を含むチオキサントン化合物が挙げられる:
【化4】
式中、Zは対アニオンであり、
それぞれのT、それぞれのT’およびそれぞれのT’’は、同じかまたは異なる非水素置換基であり、
それぞれのL、それぞれのL’およびそれぞれのL’’は、同じかまたは異なる酸不安定基であり、T、L、T’、L’、T’’およびL’’非水素基が一緒になって環を形成していてもよく、
mおよびm’はそれぞれ独立に0(TまたはT’について水素が存在する場合)、1、2、3または4であり、
m’’は0(T’’について水素が存在する場合)、1、2、3、4または5であり、
nおよびn’はそれぞれ独立に0(LまたはL’について水素が存在する場合)、1、2、3または4であり、n’’は独立に0(L’’が水素である場合)、1、2、3、4または5であり、n、n’およびn’’の少なくとも1つは0以外である。特定の態様において、好ましくはmおよびm’の一方または両方が0である。
【0022】
上記で議論されたように、本発明の好適な酸発生剤には、チオキサントン環構造の置換基である多環式縮合環系を含むチオキサントン化合物が挙げられる。
【0023】
例えば、本発明の好適な酸発生剤には、以下の式(ID)の構造が挙げられる:
【化5】
式(ID)中、
Zは対アニオンであり、
Rは、非水素置換基であり、
Xは、>C=O、>S(O)、>S(O)
2、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)−C(=O)−、−O−、CHOH、CH
2、またはSであり、好ましくはXは>C=Oであり、
それぞれのTおよびそれぞれのT’は、同じかまたは異なる非水素置換基であり、
それぞれのLおよびそれぞれのL’は、同じかまたは異なる酸不安定基であり、
mおよびm’はそれぞれ独立に0(TまたはT’について水素が存在する場合)、1〜11であり、
nおよびn’はそれぞれ独立に0(LまたはL’について水素が存在する場合)、1〜12であり、より典型的には1〜4であり、またはさらにより典型的には1、2または3であり、
n’’は、独立に0(L’’が水素である場合)、1、2、3、4または5であり、
ここでRが酸不安定基を含まない場合、nおよびn’’の少なくとも1つは0より大きく、それによって酸発生剤化合物は、少なくとも1つの酸不安定基を含む。特定の態様において、好ましくはmおよびm’の一方または両方は0である。
【0024】
チオキサントン環の置換基である多環式縮合環系を含む本発明の酸発生剤がさらに好適であり、以下の式(IE)の構造が挙げられる:
【化6】
式(IE)中、
Zは対アニオンであり、
Rは、非水素置換基であり、
Xは、>C=O、>S(O)、>S(O)
2、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)−C(=O)−、−O−、CHOH、CH
2、またはSであり、好ましくはXは>C=Oであり、
それぞれのTおよびそれぞれT’は、同じかまたは異なる非水素置換基であり、
それぞれのLおよびそれぞれのL’は、同じかまたは異なる酸不安定基であり、
mおよびm’はそれぞれ独立に0(TまたはT’について水素が存在する場合)、1〜15であり、
nおよびn’はそれぞれ独立に0(LまたはL’について水素が存在する場合)、1〜16であり、より典型的には1〜4であり、またはさらにより典型的には1、2または3であり、
ここでRが酸不安定基を含まない場合、nおよびn’’の少なくとも1つは0より大きく、それによって酸発生剤化合物は少なくとも1つの酸不安定基を含む。特定の態様において、好ましくはmおよびm’の一方または両方は0である。
【0025】
上記式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)および(IE)において、好適な非水素置換基は、例えば非水素置換基、例えばハロ(F、Cl、BrまたはI)、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、場合により置換されたC
1−20アルキル、場合により置換されたC
1−20アルコキシ、例えば場合により置換されたアルキル(例えば場合により置換されたC
1−10アルキル)、場合により置換されたアルケニルまたはアルキニル、好ましくは2〜約20個の炭素原子を有する、例えばアリル;場合により置換されたケトン、好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する;場合により置換されたアルキルチオ、好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する;場合により置換されたアルキルスルフィニル、好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する;場合により置換されたアルキルスルホニル、好ましくは1〜約20個の炭素原子を有する;場合により置換されたカルボキシ、好ましくは1〜約20個の炭素原子を有し、(これには、−COOR’のような基を含み、式中R’はHまたはC
1−8アルキルであり、光酸と実質的に非反応性であるエステルが挙げられる);場合により置換されたアルカリール、例えば場合により置換されたベンジル、場合により置換された炭素環式アリール、例えば場合により置換されたフェニル、ナフチル、アセナフチルまたは場合により置換されたヘテロ脂環式またはヘテロ芳香族基、例えばピリジル、フラニル、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、フランザン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ジチアゾール、テラゾール、ピラン、チオピラン、ジアジン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、ジチン、およびトリアジン、ならびに1つ以上のこうした部分を含有するポリ芳香族基であってもよい。さらに、複数の置換基(例えば、上記式のいずれかにおいて隣り合う炭素上に存在する2つのTおよびT’置換基)は一緒になって、場合により置換された縮合フェニル環のような環を形成してもよい。
【0026】
上記式(I)、(IA)、(ID)、(IE)において、好ましいX基としては、>C=O、>S(O)、>S(O)
2、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)−C(=O)−、−O−、CHOH、またはSが挙げられ、より好ましくはXは、C=O、>S(O)、>S(O)
2、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)−C(=O)−、−O−またはSであってもよく、さらにより好ましくはXは、C=O、>S(O)、>S(O)
2、−C(=O)O−、または−C(=O)−C(=O)−のいずれか1つであってもよい。
【0027】
上記式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)および(IE)において、好適な酸不安定基は、光酸不安定エステルおよびアセタール、例えば場合により置換されたエチルシクロペンチルエステル、メチルアダマンチルエステル、エチルアダマンチルエステル、t−ブチルエステル、フェニルエステル、ナフチルエステルおよびその他をはじめとする種々の部分であってもよい。本発明の酸発生剤(上記式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)および(IE)の化合物を含む)の好ましい酸不安定基は、酸不安定エステル部分、例えば式−C(=O)O(CH
2)
n(C=O)O−ALGの基を含んでいてもよく、式中nは1〜12の整数であり、好ましくはnは1、2、3または4であり、ALGは酸不安定部分をもたらす(例えばエステルに連結した第四級炭素を与える)基、例えばt−ブチルまたは連結第四級炭素を有する環系、例えば1−エチルシクロペンチルまたはメチルアダマンチルである。故に、式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)および(IE)において、好適なR、L、L’、L’’、L’’’置換基は、−C(=O)O(CH
2)
n(C=O)O−ALGに対応していてもよく、式中nは1〜12の整数であり、好ましくはnは1、2、3または4であり、ALGは酸不安定部分をもたらす(例えばエステルに連結した第四級炭素を与える)基、例えばt−ブチルまたは連結第四級炭素を有する環系、例えば1−エチルシクロペンチル(cyclopenyl)またはメチルアダマンチルである。
【0028】
上記式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)および(IE)において、好ましい酸不安定部分は、縮合環構造に対してフェノール性(または他のカルボキシルアリールオキシ)連結によって連結される基を含んでいてもよく、例えば式(I)、(IB)、(ID)または(IE)においていずれか1つのLおよび/またはL’、あるいは式(IA)、(IC)においてL、L’およびL’’のいずれかは、−ORであり、ここでRは酸不安定基、例えばエーテルまたはエステル部分を含む酸不安定基であり、例えば式−(C=O)OR
3の基であり、ここでR
3は、酸不安定基を提供する非水素置換基であり、例えば、R
3がt−ブチルであり、またはより好ましくはさらなるエステル連結であり、例えばR
3が−(CH
2)
n(C=O)O−ALGである場合があり、ここでnは、1〜12の整数であり、好ましくはnは1、2、3または4であり、並びにALGは酸不安定部分をもたらす(例えばエステルに連結した第四級炭素を与える)基、例えばt−ブチルまたは連結第四級炭素を有する環系、例えば1−エチルシクロペンチルまたはメチルアダマンチルである。
【0029】
特定の態様において、酸発生剤化合物(上記式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)および(IE)の化合物を含む)は、1つ以上の酸不安定基を含み、この酸不安定基が少なくとも1つのエステル連結を含むのが好ましい。好ましい酸不安定基は、式(II)のエステル連結を含んでいてもよい:
【化7】
式(II)中、R
3は、酸不安定部分を提供する非水素置換基、例えばカルバメート、酸不安定エステルまたはアセタール基である。例えば、例示的に好ましいR
3基としては、t−ブチル、またはより好ましくはさらなるエステル連結が挙げられ、例えばR
3が、−(CH
2)
n(C=O)O−ALGである場合が挙げられ、ここでnは、1〜12の整数であり、好ましくはnは1、2、3または4であり、並びにALGは酸不安定部分をもたらす(例えばエステルに連結した第四級炭素を与える)基、例えばt−ブチルまたは連結第四級炭素を有する環系、例えば1−エチルシクロペンチルまたはメチルアダマンチルである。
【0030】
別の特定態様において、酸発生剤化合物(上記式(I)、(IA)、(IB)、(IC)、(ID)および(IE)の化合物を含む)は、少なくとも1つのエステル連結を含む1つ以上の酸不安定基を含むものが好ましい。好ましい酸不安定基は、式(III)のエーテル連結を含んでいてもよい:
【化8】
式(III)中、XおよびYは、独立に水素または非水素置換基、例えばハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、C
1−10アルキル、C
1−10アルコキシであり、R
3は、酸不安定部分を提供する非水素置換基、例えばカルバメート、酸不安定エステルまたはアセタール基であり、nは、1〜20のいずれかである正の整数であり、より典型的にはnは1〜10または1〜4のいずれかである。例示的に好ましいR
3基としては、t−ブチル、またはより好ましくはさらなるエステル連結が挙げられ、例えばR
3が、−(CH
2)
n(C=O)O−ALGである場合が挙げられ、ここでnは、1〜12の整数であり、好ましくはnは1、2、3または4であり、並びにALGは酸不安定部分をもたらす(例えばエステルに連結した第四級炭素を与える)基、例えばt−ブチルまたは連結第四級炭素を有する環系、例えば1−エチルシクロペンチルまたはメチルアダマンチルである。
【0031】
こうしたエステル含有酸不安定基(例えば式IIのもの)またはエーテル含有酸不安定基(例えば式IIIのもの)は、酸発生剤化合物のどの種々の利用可能な位置における置換基であってよい。特定の好ましい態様において、エステル含有酸不安定基は、炭素環式アリール基、例えばフェニルまたは多環式芳香族環、例えば酸発生剤化合物のナフチルまたはアントラセニル環の環置換基である。
【0032】
特定の態様において、酸発生剤化合物はまた、複数の区別可能な酸不安定基を含む複数の酸不安定基を含んでいてもよく、例えば少なくとも1つのエステル含有酸不安定基(例えば式IIのもの)ならびに少なくとも1つのエーテル含有酸不安定基(例えば式IIIのもの)を含む酸発生剤化合物を含む。
【0033】
上記で議論されたように、特定の好ましい態様において、本発明の酸発生剤は、ポリマーに共有結合されていてもよい。ポリマーは、好適には、フォトレジストの主マトリックスポリマーであってもよく(ポジ型レジストの場合は光酸不安定基を含む)、またはレジストに対するさらなる添加剤ポリマーであってもよい。本明細書に開示されるような共有結合した酸発生剤化合物を含む好適なポリマーは、分子量が広く変動していてもよく、例えば、好適なのは、少なくとも約500、1000、2000、5000、10,000またはそれより大きい重量平均分子量を有するポリマーであろう。
【0034】
議論されたように、酸発生剤化合物および他の材料の種々の部分は、場合により置換されていてもよい。「置換された」置換基は、1つ以上の利用可能な位置、典型的には1つ、2つまたは3つの位置において、1つ以上の好適な基、例えばハロゲン(特にF、ClまたはBr);シアノ;ニトロ;C
1−8アルキル;C
1−8アルコキシ;C
1−8アルキルチオ;C
1−8アルキルスルホニル;C
2−8アルケニル;C
2−8アルキニル;ヒドロキシル;ニトロ;アルカノイル、例えばC
1−6アルカノイル、例えばアシル、ハロアルキル、特にC1−8ハロアルキル、例えばCF
3;−CONR(式中Rは場合により置換されたC
1−8アルキルである);−COOH、COC、>C=O;などによって置換されていてもよい。
【0035】
議論されたように、本発明の好ましい酸発生剤化合物は、標準電気化学電位アッセイによって決定されるによって決定される場合に、少なくとも約−2.0V(より好ましくは−0.9〜0)(すべてAg/AgClに対してカソードピーク電位)の電気化学還元電位を示すことができ、こうしたアッセイは、本明細書において以下のプロトコルを意味すると定義される:還元電位は、サイクリックボルタンメトリー実験において得られた不可逆性ボルタモグラムのカソードピーク電位である。サイクリックボルタモグラムは、Pt作用電極(例えば市販のBASi、MF−2013)、Ptワイア補助電極(例えば市販のBASi、MW−4130)およびAg/AgCl参照電極(例えば市販のBASi、MF−2052)を用いる1つの区画セルにおいて集められる。故にすべての値は、Ag/AgClレドックス対に対するものである。テトラブチルアンモニウム過塩素酸塩(>99%)の0.1M溶液を、すべての電気化学実験に関して電解質溶液として使用されるアセトニトリル(HPLC等級)に溶解する。清浄な電解質溶液を確認する際に、酸発生剤化合物を電解質溶液(酸発生剤化合物について約10
−3M濃度)に溶解し、続いて電気化学測定の前に、得られた溶液を5〜10分間N
2パージする。3つの連続するサイクリックボルタモグラムが、カソードピーク電位の決定のために各酸発生剤化合物について集められる。電位掃引のための走査速度は好適には0.1V/sであり、0.01Vのステップサイズである。iR補償は適用しない。
【0036】
本発明の酸発生剤化合物は容易に調製できる。例示的に好ましい合成を以下の実施例に示す。故に、例えば環式スルホニウムカチオン構成成分の反応性基(例えばヒドロキシル)は、好適な酸不安定部分(例えばエステルまたはアセタール)を含む反応性基と反応されることができ、共有結合した酸不安定基を有する本発明の酸発生剤化合物を提供することができる。好適なカチオン構成成分は、1)S環原子を有する化合物(例えばチオキサントン、置換されたチオキサントン、例えば2−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オン、チオキサントンオキシド、チアントレンオキシド−5−イウム、またはフェノキサチイン)と、2)反応性化合物(例えばヨードニウム化合物、例えばビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム)との反応によって調製されうる。S環原子を有する好適な試薬は、市販されており、ならびに文献に記載されている。例えばOrg.Biomol.Chem.2006,4,4101を参照のこと。本発明の酸発生剤化合物は、種々の酸不安定基、例えば、エステル基およびアセタール基の両方を含んでいてもよい。
【0037】
本発明の特に好ましい酸発生剤化合物は、以下から選択されるカチオン構成成分を含んでいてもよい:
10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム、
10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム、
10−(4−tert−ブチルフェニル)−2−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−1,3−ジメチル−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウム、
5−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−5H−チアントレンオキシド−5−イウム、
10−(4−tert−ブチルフェニル)−2−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウム。
【0038】
本発明の酸発生剤化合物の追加の特に好ましいカチオン構成成分として、以下のものが挙げられる:
【化9】
【0039】
本発明の酸発生剤化合物の特に好ましいアニオンとしては以下のものが挙げられる:
【化10】
【0040】
フォトレジスト組成物
上記で議論されたように、本明細書に開示されるような酸発生剤化合物は、ポジ型およびネガ型化学増幅型レジスト組成物の双方をはじめとするフォトレジスト組成物における放射線感受性構成成分として有用である。
本発明のフォトレジストは、典型的には、本明細書に開示されるようなポリマーおよび1種以上の酸発生剤化合物を含む。好ましくはポリマーは、レジスト組成物に水性アルカリ現像性を付与する官能基を有する。例えば、極性官能基、例えばヒドロキシルまたはカルボキシレートまたはリソグラフィ処理時にこうした極性部分を放出できる酸不安定基を含むポリマーが好ましい。好ましくはポリマーは、アルカリ水溶液によりレジストを現像可能にするのに十分な量でレジスト組成物において使用される。
【0041】
本発明の酸発生剤化合物はまた、好適には芳香族基、例えば場合により置換されたフェニル(例えば、フェノール)、場合により置換されたナフチル、および場合により置換されたアントラセンを含有する繰り返し単位を含むポリマーと共に使用される。場合により置換されたフェニル(例えば、フェノール)含有ポリマーは、EUVおよびeビーム放射線により像形成されたものをはじめとする、多くのレジストシステムに特に好適である。
【0042】
ポジ型レジストに関して、ポリマーはまた、好ましくは、酸不安定基を含む1種以上の繰り返し単位を含有する。例えば、場合により置換されたフェニルまたは他の芳香族基を含有するポリマーの場合、ポリマーは、1つ以上の酸不安定部分を含有する繰り返し単位、例えば酸不安定エステル(例えばt−ブチルアクリレートまたはメタクリレート)を含むアクリレートまたはメタクリレートモノマーの重合によって形成されるポリマーを含んでいてもよい。こうしたモノマーは、芳香族基、例えば場合によりフェニル、例えばスチレンまたはビニルフェノールモノマーを含む1種以上の他のモノマーと共重合されてもよい。
【0043】
こうしたポリマーの形成のために使用される好ましいモノマーとしては:式(V)を有する酸脱保護可能なモノマー、式(VI)のラクトン含有モノマー、アルカリ現像剤において溶解速度を調節するための式(VII)の塩基可溶性モノマー、および式(VIII)の酸発生モノマー、または少なくとも1種の前述のモノマーを含む組み合わせが挙げられる:
【化11】
式中、各R
aは、独立に、H、F、−CN、C
1−10アルキルまたはC
1−10フルオロアルキルである。式(V)の酸脱保護可能なモノマーにおいて、R
bは、独立にC
1−20アルキル、C
3−20シクロアルキル、C
6−20アリール、またはC
7−20アラルキルであり、各R
bは互いに結合していないか、または少なくとも1つのR
bは隣のR
bに結合されて環式構造を形成している。式(VI)のラクトン含有モノマーにおいて、Lは、単環式、多環式、または縮合多環式C
4−20ラクトン含有基である。式(VII)の塩基可溶化モノマーにおいて、Wは、12以下のpKaを有する、ハロゲン化されたまたはハロゲン化されていない、芳香族または非芳香族C
2−50ヒドロキシル含有有機基である。式(VIII)の酸発生モノマーにおいて、Qは、エステル含有またはエステル非含有であり、およびフッ素化されているかまたはフッ素化されておらず、かつC
1−20アルキル、C
3−20シクロアルキル、C
6−20アリール、またはC
7−20アラルキル基である。Aは、エステル含有またはエステル非含有であり、およびフッ素化されているかまたはフッ素化されておらず、かつC
1−20アルキル、C
3−20シクロアルキル、C
6−20アリール、またはC
7−20アラルキルである。Z
−はカルボキシレート、スルホネート、スルホンアミドのアニオン、またはスルホンイミドのアニオンを含むアニオン性部分であり、並びにG
+は、スルホニウムまたはヨードニウムカチオンである。
【0044】
例示的な酸脱保護性モノマーとしては、以下のもの、またはそれらの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない:
【化12】
式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−6アルキルまたはC
1−6フルオロアルキルである。
【0045】
好適なラクトンモノマーは、以下の式(IX)のものであってよい:
【化13】
式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−6アルキルまたはC
1−6フルオロアルキルであり、Rは、C
1−10アルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり、wは0〜5の整数である。式(IX)において、Rは、ラクトン環に直接結合しており、もしくはラクトン環および/または1つ以上のR基に共通して結合しており、エステル部分は、ラクトン環に直接、またはRを通して間接的に結合している。
【0046】
例示的なラクトン含有モノマーとしては、以下のものまたはそれらモノマーの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる:
【化14】
式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−10アルキルまたはC
1−10フルオロアルキルである。
【0047】
好適な塩基可溶性モノマーは、以下の式(X)のものであってよい:
【化15】
式中、各R
aは、独立に、H、F、−CN、C
1−10アルキルまたはC
1−10フルオロアルキルであり、Aは、ヒドロキシル含有またはヒドロキシル非含有で、エステル含有またはエステル非含有で、フッ素化されているかまたはフッ素化されていないC
1−20アルキレン、C
3−20シクロアルキレン、C
6−20アリーレン、またはC
7−20アラルキレンであり、並びにxは0〜4の整数であり、ここでxが0である場合、Aはヒドロキシル含有C
6−20アリーレンである。
【0048】
例示的な塩基可溶性モノマーとしては、以下の構造を有するものまたはそれらの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる:
【化16】
式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−6アルキルまたはC
1−6フルオロアルキルである。
【0049】
好ましい酸発生モノマーとしては、以下の式(XI)または(XII)のものが挙げられる:
【化17】
式中、各R
aは、独立に、H、F、−CN、C
1−6アルキルまたはC
1−6フルオロアルキルであり、Aは、フッ素置換されたC
1−30アルキレン基、フッ素置換されたC
3−30シクロアルキレン基、フッ素置換されたC
6−30アリーレン基、またはフッ素置換されたC
7−30アルキレン−アリーレン基であり、並びにG
+はスルホニウムまたはヨードニウムカチオンである。
【0050】
好ましくは、式(XI)および(XII)において、Aは、−[(C(R
1)
2)
xC(=O)O]
b−C((R
2)
2)
y(CF
2)
z−基、またはo−、m−もしくはp−置換された−C
6F
4−基であり、ここで各R
1およびR
2は、それぞれ独立にH、F、−CN、C
1−6フルオロアルキルまたはC
1−6アルキルであり、bは0または1であり、xは1〜10の整数であり、yおよびzは独立に0〜10の整数であり、並びにy+zの合計は少なくとも1である。
【0051】
例示的に好ましい酸発生モノマーとしては、以下またはそれらの少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる:
【化18】
式中、各R
aは、独立に、H、F、−CN、C
1−6アルキルまたはC
1−6フルオロアルキルであり、kは0〜5の整数であり、並びにG
+はスルホニウムまたはヨードニウムカチオンである。
【0052】
好ましい酸発生モノマーは、スルホニウムまたはヨードニウムカチオンを含んでいてもよい。好ましくは、式(IV)において、G’は式(XIII)のものである:
【化19】
式中、XはSまたはIであり、各R
0は、ハロゲン化されているかもしくはハロゲン化されておらず、かつ独立にC
1−30アルキル基、多環式もしくは単環式C
3−30シクロアルキル基、多環式もしくは単環式C
4−30アリール基またはそれらの少なくとも1種を含む組み合わせであり、ここでXがSである場合、R
0基の1つは場合により、単結合によって1つの隣のR
0基に結合されており、並びにaは2または3であり、ここでXがIである場合、aは2であり、またはXがSである場合、aは3である。
【0053】
例示的な酸発生モノマーとしては、以下の式を有するものが挙げられる:
【化20】
式中、R
aは、H、F、−CN、C
1−6アルキルまたはC
1−6フルオロアルキルである。
【0054】
本発明のポジ型化学増幅型フォトレジストに使用するための酸不安定脱ブロック基を有する特に好適なポリマーは、欧州特許出願公開第0829766A2号(アセタールおよびケタール基を有するポリマー)および欧州特許出願公開第EP0783136A2((1)スチレン、(2)ヒドロキシスチレン、および(3)酸不安定基、特にアルキルアクリレート酸不安定基の単位を含むターポリマーおよび他のコポリマー)に開示されている。
【0055】
本発明のフォトレジストに使用するためのポリマーは、分子量および多分散度が好適には広範囲に変動し得る。好適なポリマーとしては、約1,000〜約50,000、より典型的には約2,000〜約30,000のM
wを有し、約3以下の分子量分布、より典型的には約2以下の分子量分布を有するものが挙げられる。
【0056】
本発明の好ましいネガ型組成物は、酸への曝露時に硬化、架橋または硬質化する材料および本発明の光活性構成成分の混合物を含む。好ましいネガ型組成物は、ポリマーバインダー、例えばフェノール系または非芳香族ポリマー、架橋剤構成成分および本発明の光活性構成成分を含む。こうした組成物およびそれらの使用は、欧州特許出願公開第0164248号および米国特許第5,128,232号に開示されている。ポリマーバインダー構成成分として使用するのに好ましいフェノール系ポリマーとしては、ノボラックおよびポリ(ビニルフェノール)、例えば上記で議論されたようなものが挙げられる。好ましい架橋剤としては、アミン系材料、例えば、メラミン、グリコールウリル、ベンゾグアナミン系材料および尿素系材料が挙げられる。メラミン−ホルムアルデヒドポリマーは、多くの場合特に好適である。こうした架橋剤は市販されており、例えばメラミンポリマー、グリコールウリルポリマー、尿素系ポリマーおよびベンゾグアナミンポリマー、例えば商品名Cymel 301、303、1170、1171、1172、1123および1125、並びにBeetle 60、65および80でCytecによって販売されるものがある。
【0057】
本発明のフォトレジストはまた、他の材料を含有できる。例えば他の任意添加剤としては、化学線およびコントラスト染料、アンチストリエーション剤(anti−striation agents)、可塑剤、速度向上剤、増感剤、光破壊性塩基などが挙げられる。このような任意の添加剤は、典型的にはフォトレジスト組成物中に半分未満の濃度で存在し得る。
【0058】
塩基体料、好ましくは光分解性カチオンのカルボキシレートまたはスルホネート塩を含むことにより、酸分解性基からの酸を中和するための機構を提供し、光発生した酸の拡散を制限し、それによってフォトレジストの改善されたコントラストを提供する。
【0059】
光破壊性塩基としては、光分解性カチオン、好ましくは弱酸(pKa>2)のアニオンと対になったPAGを調製するのに有用なもの、例えばC
1−20カルボン酸が挙げられる。例示的なこうしたカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、コハク酸、シクロヘキシルカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、およびその他のこうしたカルボン酸が挙げられる。
【0060】
代替的にまたは追加的に、他の添加剤としては、非光破壊性塩基であるクエンチャー、例えば水酸化物、カルボキシレート、アミン、イミンおよびアミドに基づくものを挙げることができる。好ましくはこうしたクエンチャーとしては、C
1−30有機アミン、イミン、もしくはアミドが挙げられ、または強塩基(例えばヒドロキシドまたはアルコキシド)または弱塩基(例えばカルボキシレート)のC
1−30第四級アンモニウム塩であってもよい。例示的なクエンチャーとしては、アミン、例えばトリプロピルアミン、ドデシルアミン、1,1’,1’’,1’’’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザントリイル))テトラプロパン−2−オール;アリールアミン、例えばジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノールおよび2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、トレーガー塩基、ヒンダードアミン、例えばジアザビシクロウンデセン(DBU)またはジアザビシクロノネン(DBN)、またはイオン性クエンチャー、例えば、第四級アルキルアンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)またはテトラブチルアンモニウムラクテートが挙げられる。
【0061】
界面活性剤としては、フッ素化および非フッ素化界面活性剤が挙げられ、かつ好ましくは非イオン性である。例示的なフッ素化非イオン性界面活性剤としては、ペルフルオロC
4界面活性剤、例えば3M Corporationから入手可能なFC−4430およびFC−4432界面活性剤;およびフルオロジオール、例えばPOLYFOX PF−636、PF−6320、PF−656およびFC−6520フルオロ界面活性剤(Omnova製)が挙げられる。
【0062】
フォトレジストはさらに、フォトレジスト中に使用される構成成分を溶解、分配およびコーティングするのに一般に好適な溶媒を含む。例示的な溶媒としては、アニソール、アルコール、例えば、エチルラクテート、1−メトキシ−2−プロパノール、および1−エトキシ−2プロパノールなど、エステル、例えば、n−ブチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネートなど、ケトン、例えば、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンなど、並びに前述の溶媒の少なくとも1種を含む組み合わせが挙げられる。
【0063】
こうしたフォトレジストは、固形分の全重量に基づいて50〜99重量%、具体的に55〜95重量%、より具体的には60〜90重量%、さらにより具体的には65〜90重量%の量のコポリマーを含んでいてもよい。光破壊性塩基は、固形分の全重量に基づいて0.01重量%〜5重量%、具体的に0.1〜4重量%、さらにより具体的には0.2〜3重量%の量でフォトレジストに存在してもよい。界面活性剤は、固形分の全重量に基づいて0.01重量%〜5重量%、具体的に0.1〜4重量%、さらにより具体的には0.2〜3重量%の量で含まれてもよい。クエンチャーは、固形分の全重量に基づいて0.03〜5重量%の比較的少量で含まれていてもよい。他の添加剤は、例えば固形分の全重量に基づいて30重量%以下、具体的には20重量%以下、またはより具体的には10重量%以下の量で含まれてもよい。フォトレジスト組成物の全固形分含有量は、固形分および溶媒の全重量に基づいて、0.5〜50重量%、具体的には1〜45重量%、より具体的には2〜40重量%、さらにより具体的には5〜30重量%であってもよい。酸発生剤化合物は、レジストのコーティング層に潜像の発生を可能にするのに十分な量で存在すべきである。より具体的には、1つ以上の酸発生剤化合物は、好適にはレジストの全固形分の約1〜50重量%の量で存在するであろう。固形分は、溶媒以外の、コポリマー、光破壊性塩基、クエンチャー、界面活性剤、いずれかの添加されるPAG、およびいずれかの任意添加剤を含むことが理解される。
【0064】
コーティングされた基体は、レジストのコーティング層に潜像の発生を可能にするのに十分な量で存在すべき酸発生剤化合物(単一または複数種)を含有するフォトレジストから形成されてもよい。こうしたコーティングされた基体は(a)その表面上にパターン形成される1以上の層を有する基体、および(b)前記パターン形成される1以上の層上の、ポリマー結合PAGを含むフォトレジスト組成物の層を含む。EUVまたはeビーム像形成のために、フォトレジストは、好適には酸発生剤化合物の相対的に高い含有量を有していてもよく、例えば1種以上の酸発生剤化合物は、レジストの全固形分の5から10〜約65重量パーセントを含む。典型的には、光活性構成成分の量が少ないことは、化学増幅型レジストに好適であろう。
【0065】
本発明のフォトレジストは、本発明の1種以上の酸発生剤化合物が、こうしたフォトレジストの形成に使用される従来の光活性化合物と置き換えられる以外は、一般に、以下の既知の手順に従って調製される。本発明のフォトレジストは、既知の手順に従って使用できる。
【0066】
基体は、どのような寸法および形状であってもよく、好ましくはフォトリソグラフィに有用なものであり、例えばケイ素、二酸化ケイ素、シリコン−オン−インシュレーター(SOI)、ストレインドシリコン、ガリウムヒ素、コーティングされた基体、例えば、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、極薄ゲート酸化物、例えば酸化ハフニウムでコーティングされたものなど、金属または金属コーティングされた基体、例えば、チタン、タンタル、銅、アルミニウム、タングステン、それらの合金でコーティングされたものなど、並びにこれらの組み合わせである。好ましくは、本明細書の基体の表面は、例えば半導体製造のための基体上に1つ以上のゲートレベル層または他の限界寸法層をはじめとするパターン形成されるべき限界寸法層を含む。こうした基体は、好ましくはケイ素、SOI、ストレインドシリコン、および他のこうした基体材料、例えば直径20cm、30cmまたはそれより大きい寸法、またはウェハ製作製造に有用な他の寸法を有する円形ウェハとして形成されるものであってもよい。
【0067】
さらに、電子デバイスを形成する方法は、(a)基体の表面上にフォトレジスト組成物の層を適用し、(b)前記フォトレジスト組成物層を活性化放射線にパターン様露光し、および(c)露光されたフォトレジスト組成物層を現像して、レジストレリーフ像を提供することを含む。
【0068】
適用は、どのような好適な方法、例えば、スピンコーティング、噴霧コーティング、浸漬コーティング、ドクターブレーディングなどによって達成されてもよい。フォトレジストの層を適用することは、好ましくは、コーティングトラックを用いて、溶媒中のフォトレジストをスピンコーティングすることによって達成され、ここでフォトレジストは、回転するウェハ上に分配される。分配中、ウェハは、4,000rpmまで、好ましくは約500〜3,000rpm、より好ましくは1,000rpm〜2,500rpmの速度にて回転されてもよい。コーティングされたウェハは、回転されて溶媒を除去し、ホットプレートにてベークされ、フィルムから残留溶媒および自由体積を除去して、均一に緻密になる。
【0069】
次いでパターン様露光は、ステッパのような露光ツールを用いて行われ、ここでフィルムはパターンマスクを通して照射され、それによってパターン様に露光される。この方法は、好ましくは、極紫外線(EUV)またはeビーム放射線をはじめとする高解像度が可能な波長にて活性化放射線を発生させる先進的な露光ツールを使用する。活性化放射線を用いる露光は、露光された領域にてPAGを分解し、酸および分解副生成物を生じ、次いで酸は、ポリマー中の化学的変化をもたらすことが理解される(酸感受性基を脱ブロックし、塩基可溶性基を生じ、あるいは露光された領域において架橋反応を触媒する)。こうした露光ツールの解像度は30nm未満であってもよい。
【0070】
露光されたフォトレジスト層の現像は、次いでフィルムの露光された部分を選択的に除去できる好適な現像剤で露光された層を処理して(フォトレジストがポジ型トーンである場合)またはフィルムの露光されていない部分を除去して(フォトレジストが露光された区域において架橋性である、すなわちネガ型トーン)達成される。好ましくはフォトレジストは、酸感受性(脱保護性)基を有するポリマーに基づくポジ型トーンであり、現像剤が、好ましくは金属−イオンフリーのテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド溶液、例えば水性0.26Nテトラメチルアンモニウムヒドロキシドである。パターンは、現像によって生じる。
【0071】
さらに、ポジ型レジストに関して、未露光区域が、ネガ型トーンの現像のために好適な非極性溶媒での処理によって選択的に除去されうる。ポジ型フォトレジストのネガ型トーン現像のための好適な手順に関して、米国特許出願公開第2011/0294069号を参照のこと。ネガ型トーン現像のために典型的な非極性溶媒は、有機現像剤、例えばケトン、エステル、炭化水素、およびこれらの混合物から選択される溶媒、例えばアセトン、2−ヘキサノン、メチルアセテート、ブチルアセテート、およびテトラヒドロフランである。
【0072】
フォトレジストは、1つ以上のこうしたパターン形成プロセスに使用される場合、電子および光電子デバイス、例えばメモリデバイス、プロセッサチップ(CPU)、グラフィックスチップ、および他のこうしたデバイスを製作するために使用されてもよい。
【0073】
実施例1〜21:酸発生剤化合物の合成
【0074】
実施例1:2−(トリフルオロメチル)−9H−チオキサンテン−9−オンオキシドの合成
【0075】
【化21】
過酸化水素(4.68g、130mmol)、続いてクロロトリメチルシラン(8.24mL、64.9mmol)を、2−(トリフルオロメチル)−9H−チオキサンテン−9−オン(18.2g、64.9mmol)のジオキサン(200mL)溶液に添加し、TLC分析によって出発材料が消費されるまで室温にて撹拌した。反応混合物を水(700mL)で希釈し、濾過し、乾燥させて標題化合物(定量的収率@60%純度)を白色固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2CO)δ:8.46−8.50(m,1H),8.31−8.40(m,3H),8.18(d,J=8Hz,1H),8.03(t,J=8Hz,1H),7.89(t,J=8Hz,1H)。
【0076】
実施例2:チオキサントンオキシドの合成
【0078】
過酸化水素(53.4g、471mmol)、続いてクロロトリメチルシラン(29.9mL、236mmol)を、チオキサントン(18.2g、64.9mmol)のジオキサン(1L)溶液に添加し、TLC分析によって出発材料が消費されるまで室温にて撹拌した。反応混合物を水(3L)で希釈し、濾過し、乾燥させて標題化合物(定量的収率@80%純度)を白色固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2CO)δ:8.35(d,J=7.8Hz,2H),8.17(d,J=7.8Hz,2H),8.01(t,J=7.8Hz,2H),7.86(t,J=7.8Hz,2H)。
【0079】
実施例3:エトキシメチル4−メトキシベンゾエートの合成
【0081】
DIPEA(37.2mL、214mmol)を、クロロメチルエチルエーテル(20.2g、213.6mmol)および4−メトキシ安息香酸(25.0g、164mmol)のジクロロメタン(400mL)溶液に0℃で添加し、1時間撹拌した。反応混合物を1%HCl(500mL)、1%NaHCO
3(500mL)、水(3×500mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
3SO
4)、濃縮して標題化合物(33.2g,96%)を白色ワックスとして得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2CO)δ:8.01(d,J=9Hz,2H),7.05(d,J=9Hz,2H),5,49(s,2H),3.90(s,3H),3.76(q,J=6.8Hz,2H),1.20(t,J=6.9Hz,3H)。
【0082】
実施例4:1−エチルシクロペンチル2−ブロモアセテートの合成
【0084】
ピリジン(67.5g、0.854mol)を、エチルシクロプロパノール(75.0g、675mmol)の無水ジクロロメタン(750mL)溶液に、N
2下、0℃で滴下し、5分間撹拌した。ジクロロメタン(75mL)中のブロモアセチルブロミド(172g、74.4mL、854mmol)を滴下し、溶液を0℃で20時間撹拌した。ピリジニウムブロミドを濾過し、CH
2(Cl
2)(2×300mL)で洗浄し、固体のピリジニウムブロミドを破棄した。合わせた有機層を水(4×750mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。粗油をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(TEAで中和、1:0〜99:1のヘプタン:エチルアセテート)を介して精製した。濃縮後、油を濾過し、標題化合物(130g、84%)を淡橙色油として得た。NMR(500MHz,(CD
3)
2SO)δ:3.93(s,2H),2.07−2.14(m,2H),2.00(q,J=7Hz,2H),1.59−1.77(m,4H),0.89(t,J=7Hz,3H)。
【0085】
実施例5:10−(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウムトリフルオロメタンスルホネートの合成
【0087】
無水トリフルオロメタンスルホン酸(81.2g、288mmol)を、チオキサントンオキシド(33g、144mmol)およびエトキシメチル4−メトキシベンゾエート(30.3g、144mmol)のジクロロメタン(400mL)溶液に−78℃で添加し、徐々に0℃まで加温した。反応混合物を水(500mL)でクエンチし、一晩撹拌し、濾過した。固体をMTBE(500mL)中で還流させ、濾過して標題化合物(20.0g、27%(最適化されず))をオフホワイト色の固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2CO)δ:13.0−13.4(brs,1COOH),8.53(d,J=8Hz,2H),8.34(d,J=8Hz,2H),8.21(dd,J=8,15Hz,1H),7.98(t,J=8Hz,2H),7.79(t,J=8Hz,2H),7.51(d,J=8Hz,1H),7.45(vis s,1H)。
【0088】
実施例6:10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム
【0090】
1−エチルシクロペンチル2−ブロモアセテート(9.29g、39.5mmol)を、10−(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムトリフルオロメタンスルホネート(18.5g、35.9mmol)およびセシウムカーボネート(16.4g、50.3mmol)のDMF(100mL)溶液に、0℃で添加し、室温で一晩加温した。反応混合物を水(500mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×300mL)で抽出し、合わせた有機物を希HCl(400mL)、次いで水(2×400mL)で洗浄した。合わせた水層をジクロロメタン(2×250mL)で逆抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、約50mLまで濃縮し、MTBE/ヘプタン上に激しく撹拌しながら注いだ。固体を濾過し、MTBE(2×250mL)で洗浄し、減圧下で乾燥して標題化合物(20.9g、87%)をオフホワイト色の固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.04(d,J=2.4Hz,1H),8.51−8.57(m,2H),8.38(dd,J=6.9,2.4Hz,1H),8.21−8.25(m,2H),7.93−8.04(m,4H),7.34(d,J=6.9Hz,1H),4,91(s,2H),3,47(s,3H),1.92−2.09(m,4H),1.52−1.73(m,6H),0.88(t,J=7.2Hz,3H)。
【0091】
実施例7:10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムヨージドの合成
【0093】
10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムトリフルオロメタンスルホネート(20.9g、31.3mmol)を、ジクロロメタン(250mL)に溶解させ、1Mの水性ヨウ化ナトリウム(4×250mL)、水(4×250mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮して標題化合物(17.1g、84%)を淡橙色の固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.05(vis s,1H),8.52−8.59(m,2H),8.35−8.43(m,1H),8.20−8.28(m,2H),7.93−8.08(m,4H),7.35(d,J=10Hz,1H),4,91(s,2H),3,47(s,3H),1.90−2.10(m,4H),1.5−1.73(m,6H),0.89(t,J=7Hz,3H)。
【0094】
実施例8:10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートの合成:
【0096】
10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムヨージド(5.00g、7.73mmol)およびトリエチルアンモニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(2.69g、8.12mmol)を、ジクロロメタン(125mL)および水(125mL)に溶解させ、室温で一晩撹拌した。層を分離させ、水相をジクロロメタン(3×100mL)で洗浄した。合わせた有機層を水(4×250mL)で洗浄し、濃縮して標題化合物(5.56g、96%)を淡橙色の固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.04(vis s,1H),8.51−8.58(m,2H),8.39(dd,J=10,2.4Hz,1H),8.21−8.27(m,2H),7.95−8.05(m,4H),7.35(d,J=10Hz,1H),6.09−6.12(m,1H).5.76−5.78(m,1H),4.91(s,1H),4.62(dd,J=16.2,1.2Hz,2H),3.47(s,3H),1.88−2.09(m,7H),1.52−1.73(m,6H),0.89(t,J=7.5Hz,3H)。
【0097】
実施例9:10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム3−ヒドロキシアダマンタン−アセトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロブタン−1−スルホネートの合成:
【0099】
10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムヨージド(5.00g、7.73mmol)および3−ヒドロキシアダマンタン−アセトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロブタン−1−スルホネートナトリウム塩(3.46g、8.12mmol)を、ジクロロメタン(125mL)および水(125mL)中に溶解させ、室温で一晩撹拌した。層を分離させ、水相をジクロロメタン(3×100mL)で洗浄した。合わせた有機層を水(4×250mL)で洗浄し、濃縮して標題化合物(5.56g、96%)を淡橙色の固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.04(vis s,1H),8.51−8.59(m,2H),8.39(dd,J=10.24Hz,1H),8.21−8.27(m,2H),7.92−8.06(m,4H),7.35(d,J=10Hz,1H),4,91(s,2H),4.57(s,1OH),4.23(t,J=6Hz,2H),3.47(s,3H),2.43−2.63(m,4H),1.90−2.12(m,7H),1.44−1.73(m,15H),0.88(t,J=7Hz,3H)。
【0100】
実施例10:10−(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムトリフルオロメタンスルホネートの合成
【0102】
無水トリフルオロメタンスルホン酸(19.8mL、117mmol)を、2−(トリフルオロメチル)−チオキサンテン−9−オンオキシド(23.2g、78.4mmol)およびエトキシメチル4−メトキシベンゾエート(21.4g、102mmol)のジクロロメタン(300mL)溶液に−78℃で添加し、徐々に0℃まで加温した。反応混合物を水(300mL)でクエンチし、一晩撹拌し、濾過した。固体をMTBE(500mL)中で還流させ、濾過して標題化合物(5.5g、12%(最適化されず))を白色の固体として得た。NMR(500MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.06(s,1H),8.73(vis s,1H),8.56−8.59(m,1H),8.48(d,J=8.5Hz,1H),8.39(d,J=8.5Hz,1H),8.33−8.36(m,1H),8.20−8.24(m,1H)),7.97−8.08(m,4H),7.30(d,J=9Hz,1H),3.43(s,3H)。
【0103】
実施例11:10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムトリフルオロメタンスルホネートの合成
【0105】
1−エチルシクロペンチル2−ブロモアセテート(2.97g、12.6mmol)を、10−(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム(6.69g、11.5mmol)およびセシウムカーボネート(5.24g、16.1mmol)のDMF(50mL)溶液に0℃で添加し、室温で一晩加温した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×100mL)で抽出し、合わせた有機物を希HCl(200mL)、次いで水(2×200mL)で洗浄した。合わせた水層をジクロロメタン(2×150mL)で逆抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(段階勾配DCM〜9:1DCM:MeOH)を介して精製して標題化合物(5.21g、62%(最適化されず))をオフホワイト色の固体として得た。NMR(500MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.18(vis s,1H),8.73(vis s,1H),8.57(d,J=8Hz,1H),8.49(d,J=8.5Hz,1H),8.37−8.44(m,2H),8.22(d,J=8Hz,1H),7.98−8.05(m,2H),7.34(d,J=8Hz,1H),4.92(s,2H),3.43(s,3H),2.00−2.09(m,2H),1.96(q,J=7.5Hz,2H),1.55−1.73(m,6H),0.89(t,J=7.5Hz,3H)。
【0106】
実施例12:10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムヨージドの合成
【0108】
10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム(5.21g、7.07mmol)を、ジクロロメタン(100mL)に溶解させ、1Mの水性ヨウ化ナトリウム(4×150mL)、水(4×150mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮して標題化合物(3.81g、75%)を淡橙色の固体として得た。NMR(500MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.17(vis s,1H),8.73(vis s,1H),8.55−8.59(m,1H),8.47−8.52(m,1H),8.37−8.43(m,2H),8.23(d,J=8.5Hz,1H),7.98−8.07(m,2H),7.35(d,J=8.5Hz,2H)。
【0109】
実施例13:10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム3−ヒドロキシアダマンタン−アセトキシ1,1,2,2−テトラフルオロブタン−1−スルホネートの合成
【0111】
10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムヨージド(0.8g、1.12mmol)および3−ヒドロキシアダマンタン−アセトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロブタン−1−スルホネートナトリウム塩(0.501g、1.18mmol)を、ジクロロメタン(25mL)および水(25mL)中に溶解させ、室温で一晩撹拌した。層を分離させ、水相をジクロロメタン(3×50mL)で洗浄した。合わせた有機層を水(4×50mL)で洗浄し、濃縮して標題化合物(1.04g、95%)を淡橙色の固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.21(vis s,1H),8.73−8.78(m,1H),8.37−8.61(m,6H),8.21−8.26(m,1H),7.97−8.08(m,2H),7.35(d,J=10Hz,1H),4,94(s,2H),4.24(t,J=6Hz,2H),3.45(s,3H),2.44−2.63(m,4H),1.89−2.12(m,7H),1.44−1.74(m,15H),0.88(t,J=7Hz,3H)。
【0112】
実施例14:10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネートの合成
【0114】
10−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−2−メトキシフェニル)−9−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−4,4a,9,10−テトラヒドロチオキサンチリウムヨージド(2.93g、4.10mmol)およびトリエチルアンモニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(1.43g、4.31mmol)を、ジクロロメタン(100mL)および水(100mL)中に溶解させ、室温で一晩撹拌した。層を分離させ、水相をジクロロメタン(3×100mL)で洗浄した。合わせた有機層を水(4×200mL)で洗浄し、濃縮して標題化合物(3.23g、97%)を淡橙色の固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:9.21(vis s,1H),8.72−8.79(m,1H),8.50−8.64(m,2H),8.37−8.48(m,2H),8.22−8.30(m,1H),7.99−8.09(m,2H),7.36(d,J=8.7Hz,1H),6.09−6.12(m,1H),5.76−5.80(m,1H),4.49(s,2H),4.63(t,J=6Hz,2H),3,46(s,3H),1.90−2.13(m,7H),1.52−1.75(m,6H),0.90(t,J=7Hz,3H)。
【0115】
実施例15:2−ヒドロキシ−1,3−ジメチル−9H−チオキサンテン−9−オンの合成:
【0117】
2,6−ジメチルフェノール(47.5g、0.389mmol)を、チオサリチル酸(15.0g、97.3mmol)の硫酸(150mL)溶液に滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を氷水(700mL)上に注ぎ、濾過して、ジクロロメタン(500mL)中に懸濁させ、飽和炭酸ナトリウム(400mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)濃縮し、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィ(TEAで中和、勾配1:1ヘプタン:アセトンから100%アセトン)によって精製し、標題化合物(13.2g、53%)をオフホワイト色の固体として得た。NMR(300MHz,(CD
3)
2SO)δ:8.84(s,1OH),8.28(d,J=8Hz,1H),7.62−7.75(m,2),7.49(t,J=8.1Hz,1H),7.41(s,1H),2.66(s,3H),2.32(s,3H)。
【0118】
実施例16:10−(4−tert−ブチルフェニル)−2−ヒドロキシ−1,3−ジメチル−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートの合成:
【0120】
2−ヒドロキシ−1,3−ジメチル−9H−チオキサンテン−9−オン(0.500g、1.95mmol)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(1.55g、2.24mmol)および安息香酸銅(0.015g,0.045mmol)を、クロロベンゼン(25mL)中に溶解させ、110℃に2時間加熱し、室温まで冷却した。反応混合物をジクロロメタン(150mL)で希釈し、水(6×150mL)で洗浄し、濃縮した。粗固体を、MTBE(200mL)中で1時間還流させ、室温まで冷却し、濾過して、標題化合物(1.34g、75%)をオフホワイト色の固体として得た。NMR(500MHz,(CD
3)
2SO)δ:10.10−10.25(brs,1OH),8.29−8.37(m,2H),8.05(s,1H),7.96−8.25(m,2H),7.64(d,J=9Hz,2H),7.59(d,J=9Hz,2H),2.62(s,3H),2.33(s,3H),1.22(s,9H)。
【0121】
実施例17:10−(4−tert−ブチルフェニル)−2−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−1,3−ジメチル−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウムの合成
【0123】
1−エチルシクロペンチル2−ブロモアセテート(0.225g、0.958mmol)を、10−(4−tert−ブチルフェニル)−2−ヒドロキシ−1,3−ジメチル−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウム(0.600g、0.871mmol)およびセシウムカーボネート(0.397g、1.22mmol)のDMF(15mL)溶液に、0℃で添加し、室温まで加温し、24時間撹拌した。反応混合物を水(40mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×30mL)で抽出し、合わせた有機物を希HCl(50mL)、次いで水(3×50mL)で洗浄した。合わせた水層をジクロロメタン(2×40mL)で逆抽出し、合わせた有機層を濃縮し、MTBE/ヘプタンから沈澱させ、標題化合物(0.375g、51%)を淡褐色の固体として得た。NMR(500MHz,(CD
3)
2SO)δ:8.51(d,J=7.5Hz,1H),8.43(d,J=7.5Hz,1H),8.31(s,1H),8.13(t,J=8.0Hz,1H),8.08(t,J=7.5Hz,1H),7.82(dd,J=8.5,1.5Hz,2H),7.73(dd,J=8.5,1.5Hz,2H),4.65(s,2H),2.79(s,3H),2.52(s,3H),2.04−2.18(m,4H),1.54−1.77(m,6H),1.28(s,9H),0.88(t,J=7.0Hz,3H)。
19F NMR(300MHz,(CD
3)
2CO)δ:−82.21(3F),−115.89(2F),−122.42(2F)、−127.00(2F)。
【0124】
実施例18:5−(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5H−チアントレンオキシド−5−イウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートの合成
【0126】
チアントレンオキシド(2.00g、8.61mmol)およびビス(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)ヨードニウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(6.27g、8.61mmol)および安息香酸銅(0.066g、0.215mmol)を、クロロベンゼン(30mL)中に溶解させ、120℃に2時間加熱し、室温まで冷却する。反応混合物をジクロロメタン(150mL)で希釈し、水(6×150mL)で洗浄し、濃縮し、MTBE/ヘプタンから沈澱させ、標題化合物(理論収率=5.88g)を白色の固体として得る。
【0127】
実施例19:5−(5−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル−2−メトキシフェニル)−5H−チアントレンオキシド−5−イウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートの合成
【0129】
1−エチルシクロペンチル2−ブロモアセテート(0.500g、2.13mmol)を、5−(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−5H−チアントレンオキシド−5−イウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(1.31g、1.91mmol)およびセシウムカーボネート(0.871g、2.67mmol)のDMF(50mL)溶液に0℃で添加し、室温まで加温し、一晩撹拌する。反応混合物を水(200mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×100mL)で抽出し、合わせた有機物を希HCl(200mL)、次いで水(3×250mL)で洗浄する。合わせた水層をジクロロメタン(2×100mL)で逆抽出し、合わせた有機層を濃縮し、MTBE/ヘプタンから沈澱させ、標題化合物(理論収率=1.61g)を白色の固体として得る。
【0130】
実施例20:10−(4−tert−ブチルフェニル)−2−カルボキシ−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートの合成
【0132】
9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−カルボン酸(Org.Biomol.Chem.2006,4,4101.に開示されるように調製)(1.00g、3.91mmol)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(2.70g、3.91mmol)および安息香酸銅(0.098mmol、0.030g)を、クロロベンゼン(30mL)中に溶解させ、120℃に2時間加熱し、室温まで冷却する。反応混合物をジクロロメタン(150mL)で希釈し、水(6×150mL)で洗浄し、濃縮し、MTBE/ヘプタンから沈澱させ、標題化合物(理論収率=2.69g)を白色の固体として得る。
【0133】
実施例21:10−(4−tert−ブチルフェニル)−2−((2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)カルボニル)−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネートの合成
【0135】
1−エチルシクロペンチル2−ブロモアセテート(0.500g、2.13mmol)を、10−(4−tert−ブチルフェニル)−2−カルボキシ−9−オキソ−9,10−ジヒドロチオキサンチリウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホネート(1.32g、1.91mmol)およびセシウムカーボネート(0.871g、2.67mmol)のDMF(50mL)溶液に0℃で添加し、室温まで加温し、一晩撹拌する。反応混合物を水(200mL)で希釈し、ジクロロメタン(4×100mL)で抽出し、合わせた有機物を希HCl(200mL)、次いで水(3×250mL)で洗浄する。合わせた水層をジクロロメタン(2×100mL)で逆抽出し、合わせた有機層を濃縮し、MTBE/ヘプタンから沈澱させ、標題化合物(理論収率=1.61g)を白色の固体として得る。
【0136】
実施例22:ポリマーの調製
ヒール溶液は、2−フェニルプロパン−2−イルメタクリレート(0.39g)、2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルメタクリレート(0.33g)、3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート(0.57g)および5−(4−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(0.31g)を、12.81gのアセトニトリル/THF(2/1 v/v)に溶解させることによって製造された。フィード溶液は、2−フェニルプロパン−2−イルメタクリレート(185.54g、0.967mol)、2−オキソテトラヒドロフラン−3−イルメタクリレート(204.27、1.26mol)、3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒロドキシプロパン−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート(127.98g、0.29mol)および5−(4−(2−(1−エチルシクロペンチルオキシ)−2−オキソエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−5H−ジベンゾ[b,d]チオフェニウム1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタンスルホネート(81.5g、0.132mol)を606gのEL/GBL(30/70v/v)中に溶解させることによって調製された。開始剤溶液は、65.96gの開始剤(V−65)を66gのアセトニトリル/THF(2/1v/v)中に溶解させることによって調製した。重合を、水冷却器およびフラスコ中の反応をモニターするための温度計を備えた2Lの3ッ口丸底フラスコにて行った。内容物をオーバーヘッド攪拌機を用いて撹拌した。反応器に、ヒール溶液を充填し、内容物を75℃で加熱した。フィード溶液および開始剤溶液をシリンジポンプを用いて4時間の期間にわたって反応器に供給した。次いで内容物をさらに2時間撹拌し、それによって反応をヒドロキノン(2.0g)を用いてクエンチした。内容物を室温まで冷却し、10×(重量による)のIPE/MeOH95/5(w/w)から2回沈澱させた。得られたポリマーを各沈澱工程の後に減圧下、50℃で24時間乾燥させ、500gのポリマーを得た。
【0137】
実施例23:フォトレジスト組成物の調製および処理
ポジ型トーンフォトレジスト組成物は、エチルラクテート中の実施例22のポリマーの10重量%溶液4.943g、エチルラクテート中の実施例9の2重量%溶液9.627g、エチルラクート中の1,1’,1’’,1’’’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザントリイル))テトラプロパン−2−オールの0.5重量%溶液6.525g、エチルラクテート中のフッ素化界面活性剤(OmnovaPF656)の0.5重量%溶液0.099gの、0.021gのエチルラクテートおよび8.784gのメチル−2−ヒドロキシイソブチレート(HBM)を合わせることによって調製された。
【0138】
配合されたレジストは、0.01μmPTFEフィルターを通過させられた。こうして調製されたレジストは、シリコンウェハ上にスピンコーティングされ、ソフトベークされて、キャリア溶媒を除去し、EUV放射線にフォトマスクを通して露光される。像形成されたレジスト層は、次いで110℃で60秒間ベークされ、次いで0.26Nの水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシドで現像される。
【0139】
以下の結果が、このフォトレジストに関して得られた:Esize(30nmのコンタクトホールパターンの頂部および底部にて1:1解像度を提供するために必要とされる露光線量(mJ/cm
2))30nmCH)27.73mJ/cm
2;CDU(限界寸法均一性)1.97nm。
【0140】
実施例24:フォトレジスト組成物の調製および処理
ポジ型トーンフォトレジスト組成物は、エチルラクテート中の実施例22のポリマーの10重量%溶液4.943g、エチルラクテート中の実施例13の2重量%溶液9.430g、エチルラクテート中の1,1’,1’’,1’’’−(エタン−1,2−ジイルビス(アザントリイル))テトラプロパン−2−オールの0.5重量%溶液6.525g、エチルラクテート中のフッ素化界面活性剤(OmnovaPF656)の0.5重量%溶液0.099g、0.021gのエチルラクテートおよび8.784gのHBMを合わせることによって調製された。
【0141】
配合されたレジストは、0.01μmPTFEフィルターを通過させられた。こうして調製されたレジストは、シリコンウェハ上にスピンコーティングされ、ソフトベークされて、キャリア溶媒を除去し、EUV放射線にフォトマスクを通して露光される。像形成されたレジスト層は、次いで110℃で60秒間ベークされ、次いで0.26Nの水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシドで現像される。
【0142】
実施例25:比較
比較フォトレジスト(以下の表1の比較フォトレジスト)は、上記実施例23に記載されるように調製および処理されたが、ここで酸発生剤化合物は、縮合チオキサントン環の代わりに縮合5員スルホニウム環(すなわち、縮合(C)
4S+環)を含有する。
【0143】
以下の結果が、この比較フォトレジストに関して得られた:Esize(露光線量(mJ/cm
2)30nmCH)=35.68mJ/cm
2;CDU(限界寸法均一性)2.04nm。故に、実施例23にて配合された通りの実施例9の酸発生剤化合物の使用は、感光速度(Esize)を22%改善し、CDUを3%改善した。
【0145】
実施例26:還元電位分析
還元電位は、アッセイが本明細書において定義されるように、標準電気化学電位アッセイによって決定された。以下の値が決定された(すべてAg/AgClに対する値、カソードピーク電位):
上記実施例6、7、8、9および19のそれぞれにおいて生じるカチオンに関して:−0.66ボルト。上記実施例11、12、13および14のそれぞれにおいて生じるカチオンに関して:−0.61V。比較分析として、トリフェニルスルホニウムカチオンに関して:−1.44V。