(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5739523
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】パーソナルケア組成物において使用するための化学的に安定化されたフケ防止組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/27 20060101AFI20150604BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20150604BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20150604BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20150604BHJP
A61K 47/14 20060101ALI20150604BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20150604BHJP
A61K 47/18 20060101ALI20150604BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20150604BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20150604BHJP
A61K 33/30 20060101ALI20150604BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20150604BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20150604BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
A61K8/27
A61P17/00
A61K47/32
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/10
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/04
A61K33/30
A61K8/81
A61K8/37
A61Q5/02
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-513418(P2013-513418)
(86)(22)【出願日】2011年6月9日
(65)【公表番号】特表2014-506229(P2014-506229A)
(43)【公表日】2014年3月13日
(86)【国際出願番号】US2011039746
(87)【国際公開番号】WO2011156566
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2012年11月29日
(31)【優先権主張番号】61/353,005
(32)【優先日】2010年6月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100161115
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 智史
(72)【発明者】
【氏名】カッジオニー マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ロイス,ダグラス アラン
【審査官】
手島 理
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−001593(JP,A)
【文献】
特表2008−534625(JP,A)
【文献】
特開平02−056412(JP,A)
【文献】
特開昭61−267507(JP,A)
【文献】
特開平03−232812(JP,A)
【文献】
特開昭59−135300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.アニオン性洗浄性界面活性剤、水、又はこれらの混合物を混合槽中で合わせる工程と、
b.前記アニオン性洗浄性界面活性剤、水、又はこれらの混合物を、前記混合槽中で通常の速度で攪拌して均質化する工程と、
c.保存剤及び酸を前記混合槽に添加し、通常の速度で攪拌して均質化する工程と、
d.前記混合槽の内容物を装置に圧送し、各パスで粉末ホッパーを介して亜鉛含有層状物質の一部を分散させる工程と、
e.前記混合槽の内容物を再循環させ、亜鉛含有層状物質の全部が前記混合槽の内容物中に取り込まれるまで、各循環において亜鉛含有層状物質を添加する工程と、
f.前記混合槽に安定剤を添加する工程と、
g.上記の工程a〜fによって調製されたプレミックスをシャンプー組成物の他の成分に添加する工程と
を含む、フケ防止組成物の製造方法であって、
フケ防止組成物が、10重量%〜25重量%の亜鉛含有層状物質、6重量%〜12重量%の安定剤、1重量%未満の保存剤、及び0.5重量%〜1重量%の酸、並びに水を含み、且つ安定剤が、架橋アクリル酸ポリマー、トリヒドロキシステアリン、脂肪酸のエチレングリコールエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、フケ防止組成物の製造方法。
【請求項2】
前記装置が再循環ループである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記亜鉛含有層状物質が塩基性炭酸亜鉛である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記フケ防止組成物が、12重量%〜20重量%の亜鉛含有層状物質を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記安定剤がエチレングリコールステアレートである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記保存剤が、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム、エチレン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、メチルクロロイソチアゾリノン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記酸が、塩酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、炭酸、タトロン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、リン酸、フタル酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、酢酸、硫酸、ホウ酸、ギ酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にはシャンプー配合物に一般に使用される成分の調製に関し、より詳細には、パーソナルケア組成物中に取り込ませることが可能な化学的に安定化された不溶性のフケ防止及び/又は抗菌組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプーなどのパーソナルケア組成物は、フケ防止剤(又は粒子)を含有する場合がある。これらの組成物中に存在する場合、フケ防止剤は、通常、パーソナルケア組成物の全重量に対して約0.01重量%〜約5重量%の量で含まれている。これらの組成物では、フケ防止粒子は組成物の他の成分と物理的及び化学的な適合性を有していなければならず、製品の安定性、美観、又は性能を不要に損ねるものであってはならない。
【0003】
パーソナルケア組成物における使用に適したフケ防止剤としては、ピリジンチオン塩、アゾール(例えば、ケトコナゾール、エコナゾール、及びエルビオール)、硫化セレン、硫黄粒子、サリチル酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般的なフケ防止剤の1つにピリジンチオン塩がある。パーソナルケア組成物は、亜鉛含有層状物質を更に含みうる。亜鉛含有層状物質の一例として、炭酸亜鉛物質が挙げられる。これらのうち、炭酸亜鉛及びピリジンチオン塩(特に、ジンクピリジンチオン、又は「ZPT」)はこうした組成物に一般的に用いられており、しばしば一緒に添加される。これら及び他のフケ防止剤について以下により詳しく述べる。
【0004】
ZPTは通常、シャンプー組成物を製造するバッチプロセスにスラリーとして導入される。スラリーは通常、約25〜50重量%のZPT、及び約1重量%未満の界面活性剤を含有し、残部は水である。スラリーは、安定性を維持するために継続して機械的に攪拌される。この攪拌を行わない場合、ZPTは、数時間(例えば4時間)以内に水から分離してしまうものと予想される。このスラリーが均一でない場合、ZPTはシャンプー中に均一に分布されず、その結果、完成した組成物には調節性能及び品質の観点から問題が生じる。
【0005】
炭酸亜鉛は通常、シャンプー組成物を製造するバッチプロセスに乾燥材料として導入される。詳細には、炭酸亜鉛は通常、1以上のアニオン性洗浄性界面活性剤及び水に乾燥粉末として導入される。この後、界面活性剤及び水は他の成分と合わされて完成したシャンプーとなる。炭酸亜鉛は、クアドロ・エンジニアリング社(Quadro Engineering)(カナダ、オンタリオ州)によって商業的に製造されるもののような、難湿潤性粉末を液体中に導入するのに適した従来の装置によってアニオン性洗浄性界面活性剤及び/又は水中に導入される。
【0006】
これらのフケ防止剤を使用したシャンプー組成物の製造は、機械的攪拌を行わない場合の物質の低い安定性(ZPTの場合)、及び取り扱いの難しさ(炭酸亜鉛の場合)によって、いくぶん妨げられる。更に、炭酸亜鉛に関しては、この物質はほとんどの場合、シャンプー配合物の1以上の主要成分、すなわち水及び/又はアニオン性洗浄性界面活性剤と混合されることによってシャンプー配合物中に取り込まれる。これらの成分といったん混合されると、これらの成分は、フケ防止パーソナルケア組成物として機能する配合物にその用途が限定されてしまう。難湿潤性粉末の取り扱い及びそれを分散させることの難しさのために、シャンプー組成物の他のいずれの成分も、炭酸亜鉛をシャンプー組成物中に導入するうえで同様に便宜のよい溶媒とはならない。したがって、フケ防止効果を必要としないシャンプー配合物が望ましい場合には、これらの成分の新たなバッチを調製しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記を鑑みると、より効率的かつ信頼性の高い安定性を与え、より効率的な製造が可能であり、更にパーソナルケア組成物中への取り込みにおいてより柔軟なフケ防止組成物が提供されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態では、
a.アニオン性洗浄性界面活性剤、水、又はこれらの混合物を混合槽中で合わせる工程と、b.前記アニオン性洗浄性界面活性剤、水、又はこれらの混合物を、前記混合槽中で通常の速度で攪拌して均質化する工程と、c.保存剤及び酸を前記混合槽に添加し、通常の速度で攪拌して均質化する工程と、d.前記混合槽の内容物を装置に圧送し、各パスで粉末ホッパーを介して亜鉛含有層状物質の一部を分散させる工程と、e.前記混合槽の内容物を再循環させ、亜鉛含有層状物質の全部が前記混合槽の内容物中に取り込まれるまで、各循環において亜鉛含有層状物質を添加する工程と、f.前記混合槽に安定剤を添加する工程と、g.上記の工程a〜fによって調製されたプレミックスをシャンプー組成物の他の成分に添加する工程とを含む、フケ防止組成物の製造方法であって、フケ防止組成物
が、10重量%
〜25重量%の亜鉛含有層状物質
、6重量%
〜12重量%の安定剤
、1重量%未満の保存剤、及
び0.5重量%
〜1重量%の
酸、並びに水を含
み、且つ安定剤が、架橋アクリル酸ポリマー、トリヒドロキシステアリン、脂肪酸のエチレングリコールエステル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、フケ防止組成物の製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、亜鉛層状物質、水、及び洗浄性アニオン性界面活性剤を含有する分散液の製造プロセスを示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書は、本発明とみなされる主題を詳細に指摘し、かつ明確に権利主張する特許請求の範囲をもって結論となすものであるが、以下の説明文を、亜鉛層状物質、水、及び洗浄性アニオン性界面活性剤を含有する分散液の製造プロセスを示した添付図面と併せ読むことで本発明のより深い理解が得られるものと考えられる。他の要素をより分かりやすく示す目的で、選択された要素を省略することによって簡略化されている場合がある。図中のこうした要素の省略は、対応する詳細な説明において明確に記載されている場合を除き、代表的な実施形態のいずれかにおける特定の要素の有無を必ずしも示すものではない。図は必ずしも正しい縮尺で描かれているわけではない。
【0011】
ZPT、炭酸亜鉛、及び他のフケ防止剤は、シャンプー組成物を製造するためのパッチプロセスばかりではなく、連続プロセスにもより便宜よくかつ効率的に導入しうることがこれまでに見出されている。ZPT及び他のフケ防止剤は、室温で、これまでに考えられていたよりも高い濃度で化学的に安定化(機械的安定化に対し)させうることが見出されている。更に、化学的に安定化させられた物質は、その担体から不要に分離することがないため、不均一性は大きな問題とはならない。同様に、炭酸亜鉛のような亜鉛層状物質は、より高い濃度(すなわち、より少ない量の担体液中)で化学的に安定化させて、シャンプー組成物の連続製造過程中に導入することができる。より詳細には、亜鉛層状物質は、物質が5%の活性量で存在するタンク中で一般的に調製されていたが、現在では30%の活性量中で調製することが可能である。
【0012】
一態様によれば、安定化されたフケ防止組成物は、約15重量%〜約22重量%の不溶性フケ防止剤、約6重量%〜約12重量%の安定剤、約1重量%未満の保存剤、及び約0.5重量%〜約1重量%の中和剤を含み、残部は水である。本発明の更なる実施形態では、安定化されたフケ防止組成物は、約20重量%の不溶性フケ防止剤、約10重量%の安定剤、約1重量%未満の保存剤、及び約0.5重量%〜約1重量%の中和剤を含み、残部は水である。これらの成分は、室温で攪拌槽中で合わせることができる。フケ防止剤及び安定剤については下記により詳細に述べる。
【0013】
別の態様によれば、安定化された亜鉛含有層状物質の組成物は、約10重量%〜約25重量%、約6重量%〜約12重量%の安定剤、約1重量%未満の保存剤、及び約0.5重量%〜約1重量%の中和剤を含み、残部は水又は完成したシャンプー組成物を構成しうる同じアニオン性洗浄性界面活性剤である。本発明の更なる実施形態では、安定化された亜鉛含有層状物質の組成物は、約12重量%〜約20重量%の亜鉛含有層状物質、約10重量%の安定剤、約1重量%未満の保存剤、及び約0.5重量%〜約1重量%の中和剤を含み、残部は水又は完成したシャンプー組成物を構成しうる同じアニオン性洗浄性界面活性剤である。本発明の一実施形態では、亜鉛含有層状物質は塩基性炭酸亜鉛である。亜鉛含有層状物質及び安定化剤については下記により詳細に述べる。
【0014】
安定化された亜鉛含有層状材料の組成物は、各成分を攪拌槽中で混合することによって調製することができる。また、組成物は、唯一の図面に示される種類のプロセスに従って調製することも可能であることが見出されている。このプロセスでは一般的に、浸漬管Aから混合槽中にアニオン性洗浄性界面活性剤及び水を導入する。界面活性剤及び水は、空気混入がなく良好な均一化が確実に行われるような充分な速度で混合槽中で攪拌される(例えば、130Lの2重インペラバッフル槽中で40rpm〜50rpm)。保存剤(例えば、組成物の全重量に対して少なくとも約0.25重量%の安息香酸ナトリウム、及び約5ppm〜約15ppmのメチルクロロイソチアゾリノン(KATHON(登録商標))、又はこれらの混合物)及び酸(例えば、組成物の全重量に対して約0.5重量%〜約1.0重量%の6N HCl)は、添加ポートBから混合槽に加えられて攪拌される(例えば、130Lの2重インペラバッフル槽中で40rpm〜50rpm)。混合槽の内容物は、粉末を液体中に分散させるのに適した装置に圧送され、混合槽に再び入る。これは再循環ループと呼ばれる。亜鉛層状材料の一部は、各パスで粉末ホッパーCを介して加えられ(例えば、約95重量%の担体液に対して約5重量%の亜鉛層状物質の瞬間比)、混合装置に圧送され、ここで混合槽の再循環する内容物と合わせられる。混合槽の内容物の再循環は継続し、亜鉛層状材料の全部が取り込まれるまで各循環において更なる亜鉛層状物質が加えられる。再循環が行われる回数は、システムに加えられる亜鉛層状材料の初期の量によって決まる。担体液に対する亜鉛層状材料の瞬間的重量比が約5〜約95の実施形態では、30%のスラリーに達するのに約6循環を要する。亜鉛層状材料の全部が取り込まれた後、懸濁剤(例えば、界面活性剤溶液から結晶化させた約10重量%のEGDS)を浸漬管Aから混合槽に加えて分散液を安定化させる。次いで安定化された分散液は、混合槽から貯蔵槽へと圧送される。
【0015】
シャンプー組成物の他の成分を導入する前に、安定化されたフケ防止組成物と安定化された炭酸亜鉛組成物とを単一のプレミックスとして合わせることができる。しかしながら、連続プロセスでは、それぞれを別々の容器内に維持することによって、手間のかかる切り換え工程を行うことなく異なるシャンプー組成物の製造における最大の自由度を与えることが望ましい場合もある。
【0016】
I.フケ防止剤
a.ピリジンチオン塩
ピリジンチオンフケ防止粒子、特に1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、好適な粒子状フケ防止剤である。ピリジンチオンフケ防止粒子の濃度は、典型的にはパーソナルケア製品の全重量に対して約0.01重量%〜約5重量%、一般的には0.1重量%〜約3重量%、通常は約0.1重量%〜約2重量%の範囲である。好適なピリジンチオン塩としては、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウムなどの重金属、一般的には亜鉛、典型的には1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られる)、通常は小板状粒子の形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩から形成されるものが挙げられ、粒子は最大約20μm、典型的には最大約5μm、通常は最大約2.5μmの平均粒径を有する。ナトリウムなどの他の陽イオンから形成された塩もやはり好適でありうる。ピリジンチオンフケ防止剤については、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に述べられている。上記に述べたように、ZPTは好ましいピリジンチオン塩の1つである。
【0017】
ZPTを抗菌パーソナルケア組成物中の抗菌粒子として使用した場合、毛髪の成長若しくは再生という更なる効果が促進若しくは調節され(又はその両方)、又は脱毛が低減若しくは抑制され、又は毛髪がより濃く若しくはより豊かに見えうることが更に考えられる。
【0018】
ジンクピリチオンは、米国特許第2,809,971号に示されているように、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(すなわち、ピリチオン酸)又はその可溶性塩を亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛)と反応させてジンクピリチオン沈殿物を形成することによって製造することができる。
【0019】
b.抗菌活性成分
シャンプー組成物は、フケ防止活性成分以外に、1以上の抗真菌又は抗菌活性成分を金属ピリチオン塩活性成分に加えて更に含みうる。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、炭、ウィットフィールド(whitfield)軟膏、カステラーニ(castellani)塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジ油、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィンなど)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、センシバ(Sensiva)SC−50、エレスタブ(Elestab)HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン、及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。一般的な抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン及びコールタールが挙げられる。
【0020】
i.アゾール
アゾール抗菌剤としては、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールなどのトリアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。アゾール抗菌活性成分は、組成物中に存在する場合、パーソナルケア製品の全重量に対して約0.01重量%〜約5重量%、典型的には約0.1重量%〜約3重量%、通常は約0.3重量%〜約2重量%の量で含まれる。特に一般的に本発明で使用されるのはケトコナゾールである。
【0021】
ii.硫化セレン
硫化セレンは抗菌パーソナルケア組成物での使用に適した粒子状フケ防止剤であり、その有効濃度は組成物の全重量に対して約0.1重量%〜約4重量%、典型的には約0.3重量%〜約2.5重量%、通常は約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲である。硫化セレンは一般的にセレン1モル及び硫黄2モルを有する化合物とみなされるが、一般式Se
xS
y(式中x+y=8)に従う環構造であってもよい。前方レーザー光散乱装置(例えば、Malvern 3600装置)で測定した硫化セレンの平均粒径は、典型的には15μm未満、典型的には10μ未満である。硫化セレン化合物については、例えば米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、及び同第4,885,107号に述べられている。
【0022】
iii.硫黄
抗菌パーソナルケア組成物において、粒子状抗菌/フケ防止剤として硫黄を使用することもできる。粒子状硫黄の有効濃度は、パーソナルケア製品の全重量に対して、典型的には約1重量%〜約4重量%、典型的には約2重量%〜約4重量%である。
【0023】
iv.角質溶解剤
実施形態によっては、パーソナルケア組成物は、サリチル酸などの1以上の角質溶解剤を更に含んでもよい。
【0024】
パーソナルケア組成物は、抗菌活性成分の組み合わせを含んでもよい。このような組み合わせとしては、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、サリチル酸とエルビオールとの組み合わせ、ジンクピリチオンとエルビオールとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0025】
II.炭酸亜鉛を含む亜鉛含有物質
パーソナルケア組成物は、亜鉛含有層状物質を含んでもよい。これらの組成物は、パーソナルケア組成物の全重量に対して約0.001重量%〜約10重量%の亜鉛含有層状物質を含みうる。本発明の一実施形態では、パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の全重量に対して約0.01重量%〜約7重量%の亜鉛含有層状物質を含みうる。本発明のいっそう更なる実施形態では、パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物の全重量に対して約0.1重量%〜約5重量%の亜鉛含有層状物質を含みうる。好適な亜鉛含有層状物質としては、本発明において好ましい炭酸亜鉛物質を含む下記に述べるものが挙げられる。
【0026】
亜鉛含有層状構造は、結晶の成長が主として二次元で生じたものである。従来、層構造とは、すべての原子が明確な層に含まれるものだけではなく、ギャラリーイオンと呼ばれるイオン又は分子が層間に存在するものも層構造であるとされている(A.F.Wells「Structural Inorganic Chemistry」Clarendon Press,1975)。亜鉛含有層状物質(ZLM)では、亜鉛は層に含まれるか、かつ/又はギャラリーイオンの構成成分でありうる。
【0027】
多くのZLMが鉱物として天然に存在する。一般的な例としては、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化銅亜鉛)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化亜鉛銅)、及び亜鉛を含有する多くの関連する鉱物が挙げられる。粘土性鉱物(例えば、フィロシリケート)のようなアニオン性層の化学種が、イオン交換された亜鉛ギャラリーイオンを含む天然のZLMも存在しうる。これらの天然物質はいずれも、合成によって得るか、又は組成物中に直接生成させるか、若しくは製造プロセスにおいて生成させることができる。
【0028】
常にではないが多くの場合合成されるZLMの別の一般的な種類として層状複水酸化物があり、これは式[M
2+1-xM
3+x(OH)
2]
x+A
m-x/m.nH
2Oによって一般的に表され、二価イオン(M
2+)の一部又は全部が亜鉛イオンで表されるものである(Crepaldi,E L,Pava,P C,Tronto,J,Valim,J B J.Colloid Interfac.Sci.2002,248,429〜42)。
【0029】
複水酸化物塩と呼ばれる、ZLMの更に別の種類のものを調製することができる(Morioka,H.,Tagaya,H.,Karasu,M,Kadokawa,J,Chiba,K Inorg.Chem.1999,38,4211〜6)。複水酸化物塩は、一般式[M
2+1-xM
2+1+x(OH)
3(1-y)]
+A
n-(1-3y)/n.nH
2O[式中、2個の金属イオンは異なっていてもよいが、これらが同じであり亜鉛によって表される場合には、式は、[Zn
1+x(OH)
2]
2x+2xA
-.nH
2Oに単純化される]。この後者の式は、水酸化塩化亜鉛及び水酸化硝酸亜鉛のような一般的物質を表す(x=0.4である場合)。二価のアニオンで一価のアニオンを置き換えると、これらは水亜鉛土にも関連する。これらの物質はまた、組成物中に直接、又は製造プロセスにおいて生成させることもできる。
【0030】
これらのZLMの種類は、大きな部類の比較的一般的な例を代表するものであり、この定義に適合するより広範囲の物質に関して限定的であることを意図するものではない。
【0031】
塩基性炭酸亜鉛の市販の入手源としては、炭酸亜鉛塩基(Zinc Carbonate Basic)(ケイター・ケミカルズ社(Cater Chemicals)米国イリノイ州ベンセンビル)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(シェパード・ケミカルズ社(Shepherd Chemicals)米国オハイオ州ノーウッド)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(シー・ピー・エス・ユニオン社(CPS Union Corp.)米国ニューヨーク州ニューヨーク)、炭酸亜鉛(Zinc Carbonate)(エレメンティス・ピグメンツ社(Elementis Pigments)英国、ダラム)、及び炭酸亜鉛AC(Zinc Carbonate AC)(ブリュッグマン・ケミカル社(Bruggemann Chemical)米国ペンシルベニア州ニュータウンスクエア)が挙げられる。
【0032】
塩基性炭酸亜鉛は、商業的には「炭酸亜鉛」又は「炭酸亜鉛塩基」又は「水酸化炭酸亜鉛」と呼ばれる場合もあるが、天然の水亜鉛土に類似した物質から構成される合成物である。理想的な化学量論は、Zn
5(OH)
6(CO
3)
2により表されるが、実際の化学量論比はわずかに変化しうるものであり、他の不純物が結晶格子内に含まれうる。
【0033】
界面活性剤系中で特定の亜鉛反応活性度を有する有効量の亜鉛含有層状物質とフケ防止剤との組み合わせによって、局所用組成物におけるフケ防止効果を劇的に高めることができる。亜鉛反応活性度は、亜鉛イオンの化学的アベイラビリティーの尺度である。溶液中で他の化学種と錯体を形成しない可溶性の亜鉛塩は、定義上、100%の相対亜鉛反応活性度を有する。部分的に可溶な形態の亜鉛塩を使用し、かつ/又は潜在的な錯化剤により基質中に取り込ませることによって、亜鉛反応活性度は、定義された100%最大値を大きく下回る値にまで一般的に低下する。
【0034】
有効な亜鉛含有層状物質の選択によって、又は既知の方法により有効な亜鉛含有層状物質を直接生成させることによって、反応性の高い亜鉛が維持される。
【0035】
ジンクピリチオンなどのピリチオンの多価金属塩を亜鉛含有層状物質と組み合わせて使用することによって、局所用組成物におけるフケ防止効果を劇的に高めることができる。したがって、パーソナルケア組成物には、皮膚及び頭皮に対する高い効果(例えば、高いフケ防止効果)を与えるために、局所適用用のフケ防止剤及び亜鉛含有層状物質の両方を含有するものが含まれうる。
【0036】
亜鉛源が粒子形態で存在する、亜鉛含有層状物質の分散液用の安定的な組成物が特に好ましい。亜鉛含有層状物質の特有の物理的特性及び化学的特性のため、亜鉛含有層状物質を含有する水性系を配合することは困難であることが示されている。亜鉛含有層状物質は高い密度(約3g/cm
3)を有する場合があり、凝集又は沈殿しないようにするには、製品全体に均一に分散させる必要がある。亜鉛含有層状物質はまた、極めて反応性の高い表面化学的性質を有することに加えて、pH値が6.5未満の系に溶解する傾向を有する。溶解度が25%未満の亜鉛含有層状物質は、亜鉛化合物の重量比率(%)及び分子量によって決定される閾値よりも低い、測定可能な可溶性亜鉛値(%)を有することになる。理論上の閾値は以下の式によって計算される。すなわち、0.25×(組成物中の亜鉛化合物の重量%)×(化合物中の亜鉛のモル数)×65.39(亜鉛の分子量)/(亜鉛化合物の分子量)。pHは約6.5よりも高くともよく、更なる実施形態では、pHは約6.5〜約12の範囲であってもよい。本発明のいっそう更なる実施形態では、pHは約6.8〜約9.5でありうる。本発明の更なる別の実施形態では、pHは約6.8〜約8.5でありうる。
【0037】
粒径が小さくなることと相対亜鉛反応活性度は逆比例する。D(90)は、粒子の量の90%がその粒径よりも小さいことに相当する粒径である。亜鉛含有層状物質は、粒子の90%が約50マイクロメートル未満であり、粒子の90%が約30マイクロメートル未満であり、粒子の90%が約20マイクロメートル未満であるような粒度分布を有しうる。
【0038】
表面積と相対亜鉛反応活性度との間には直接的な関係がありうる。一般的に、粒子の表面積が大きくなると、運動因子のために亜鉛反応活性度が高くなる。粒子の表面積は、粒径を小さくすることにより、かつ/又は、多孔質粒子若しくはその全体形状が幾何学的に球体から外れた粒子となるように粒子の形態を変化させることによって増大させることができる。
【0039】
塩基性炭酸亜鉛は、約10m
2/gよりも大きい、約20m
2/gよりも大きい、又は約30m
2/gよりも大きい表面積を有しうる。
【0040】
安定化された亜鉛含有層状物質の組成物は、Log亜鉛結合定数が亜鉛のバイオアベイラビリティーを維持するうえで充分な範囲にあるような配位化合物を更に含んでもよい。本発明の一実施形態では、このような配位化合物のLog亜鉛結合定数は約6未満である。本発明の更なる実施形態では、このような配位化合物のLog亜鉛結合定数は約5未満である。本発明の更なる実施形態では、このような配位化合物のLog亜鉛結合定数は約4未満であり、かつ約−0.5よりも大きい。本発明の一実施形態では、このような配位化合物は、有機酸、強鉱酸、又は配位化学種である。このような配位化合物の好ましい例としては、以下のもの(括弧内にそれぞれのLog亜鉛結合定数を示す)が挙げられる。すなわち、EDTA(16.5)、EDDS(13.5)、EDDA(11.1)、NTA(10.7)、キシレノールオレンジ(10.3)、システイン(9.1)、シスチン(6.7)、アスパラギン酸(アスパラギン酸塩)(5.9)、グリシン(5.0)、クエン酸(クエン酸塩)(4.8)、グルタミン酸(4.5)、メチオニン(4.4)、アルギニン(4.2)、炭酸(炭酸塩)(3.9)、オルニチン(3.8)、タトロン酸(タトロン酸塩)(3.2)、リンゴ酸(リンゴ酸塩)(2.9)、マロン酸(マロン酸塩)(2.9)、酒石酸(酒石酸塩)(2.7)、アジピン酸(アジピン酸塩)(2.6)、リン酸(リン酸塩)(2.4)、フタル酸(フタル酸塩)(2.2)、グリコール酸(グリコール酸塩)(2.0)、乳酸(乳酸塩)(1.9)、コハク酸(コハク酸塩)(1.8)、酢酸(酢酸塩)(1.0)、硫酸(硫酸塩)(0.9)、ホウ酸(ホウ酸塩)(0.9)、ギ酸(ギ酸塩)(0.6)、塩化物(−0.3)。
【0041】
亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩に対する亜鉛含有層状物質の比は、5:100〜10:1である。亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する本発明の更なる実施形態では、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩に対する亜鉛含有層状物質の比は、約2:10〜5:1である。亜鉛含有層状物質及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有するいっそう更なる実施形態では、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩に対する亜鉛含有層状物質の比は、1:2〜3:1である。
【0042】
III.安定剤
フケ防止組成物又は亜鉛含有層状物質の組成物を安定化させるために使用するのに適した安定剤としては、架橋アクリル酸ポリマー、トリヒドロキシステアリン、及び脂肪酸のエチレングリコールエステルが挙げられる。本発明の一実施形態では、架橋アクリル酸ポリマーは、米国化粧品工業会(CTFA)の名称がカルボマー(Carbomer)であるものである。本発明の別の実施形態では、脂肪酸のエチレングリコールエステルは、約16個〜約22個の炭素原子を有する。本発明の更なる実施形態では、安定剤は、モノステアレート及びジステアレートの両方を含むエチレングリコールステアレートであるが、特にはモノステアレートの含有量が約7%未満であるジステアレートである。
【0043】
IV.保存剤
保存剤は、保存しようとする組成物のpH範囲に曝露される際、又は組成物の製造条件下において反応も分解もしないあらゆる保存剤であってよい。保存剤の非限定的な例としては、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、ソルビン酸力リウム、エチレン四酢酸二ナトリウム(Na
2EDTA)、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(Na
4EDTA)、及びこれらの混合物が挙げられる。保存剤は、微生物を殺滅又はその増力を阻害する任意の量で存在してよい。保存剤の量は、使用される特定の保存剤によって決まる。例えば、保存剤は、組成物の全重量に対して約0.25重量%の安息香酸ナトリウム及び約5ppm〜約15ppmのメチルクロロイソチアゾリノン(KATHON(登録商標))、又はこれらの混合物を含みうる。
【0044】
V.中和剤
中和剤の非限定的な例としては、塩酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、炭酸、タトロン酸、リンゴ酸、マロン酸、酒石酸、アジピン酸、リン酸、フタル酸、グリコール酸、乳酸、コハク酸、酢酸、硫酸、ホウ酸、ギ酸、及びこれらの混合物が挙げられる。酸は、シャンプー配合物中の成分としての組成物の維持及び使用に適したpHを与える任意の量で存在する。例えば、約0.5重量%〜約1.0重量%の6N HClが、安定化されたフケ防止組成物中に、更に安定化された亜鉛含有層状物質の組成物中に含まれうる。
【0045】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0046】
相互参照されるか又は関連するすべての特許又は特許出願を含む、本願に引用されるすべての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しないかぎりにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求されるすべての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のすべての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書中のある用語のいずれかの意味又は定義の範囲が、援用される文書中の同様の用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に与えられる意味又は定義が優先するものとする。
【0047】
以上、本発明の特定の実施形態を例示及び説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を実施できることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのような変更及び改変はすべて、添付の「特許請求の範囲」において網羅されるものとする。