特許第5739573号(P5739573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5739573
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】剣玉玩具
(51)【国際特許分類】
   A63B 67/08 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
   A63B67/08 G
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-188360(P2014-188360)
(22)【出願日】2014年9月17日
【審査請求日】2014年10月15日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 株式会社バンダイ、2014年10月〜12月トイマーケティングガイド、平成26年7月2日発行
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 東京玩具人形協同組合トイジャーナル編集局、クリスマスカタログ2014、平成26年9月1日発行
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2014年 新キャラクター発表会・下半期商談会、平成26年7月17日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2014年10−12月新商品内覧会、平成26年7月18日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 クリスマスおもちゃ見本市2014、平成26年9月3−4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 悠岐
(72)【発明者】
【氏名】奈良岡 良介
【審査官】 太田 恒明
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭03−012895(JP,Y1)
【文献】 登録実用新案第3138102(JP,U)
【文献】 実開昭58−131893(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3071937(JP,U)
【文献】 特開2010−116637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 67/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部が設けられた本体と、
前記本体に紐部材を介して連結された玉と、
を備え、
前記本体は、前記玉を受ける少なくとも一つの皿部を有し、
前記皿部は、前記玉を載置可能な受皿部材と、前記玉に設けられた収容孔に収容可能な剣先部材と、を有し、
前記剣先部材は、前記受皿部材に対して着脱可能であり、
前記剣先部材の先端部を挿通可能な挿通孔が前記受皿部材に設けられており、
前記受皿部材は、前記本体に着脱可能に固定され、先端部が前記挿通孔に挿通された前記剣先部材の基端部を前記本体との間に挟み込んで前記剣先部材を前記皿部に固定する剣玉玩具。
【請求項2】
請求項1記載の剣玉玩具であって、
前記受皿部材は、前記本体に対して着脱可能に固定される剣玉玩具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の剣玉玩具であって、
前記受皿部材に着脱可能に装着される錘部材を備える剣玉玩具。
【請求項4】
請求項3記載の剣玉玩具であって、
互いに重さが異なる複数の前記錘部材を備える剣玉玩具。
【請求項5】
請求項3又は4記載の剣玉玩具であって、
前記錘部材は、前記剣先部材である剣玉玩具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載の剣玉玩具であって、
前記受皿部材及び前記本体は、前記受皿部材の中心軸まわりの前記受皿部材及び前記本体の相対回転に伴って互いに係合し、前記受皿部材を前記本体に保持する係合部をそれぞれ有し、
前記受皿部材及び前記本体の各々の係合部には、該係合部同士が係合した状態で、前記受皿部材及び前記本体の相対回転を阻止するロック部がそれぞれ設けられている剣玉玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、剣玉玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された剣玉玩具は、受皿の向きや受皿の種類を変更可能に構成されており、受皿として、大きさが異なる複数の受皿、及び剣先が一体に形成された受皿を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3138102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された剣玉玩具では、剣先が一体に形成された受皿が、本体から取り外されている際に剣先を上に向けて自立した状態に置かれる可能性がある。そして、遊技者が誤って踏むなどしてしまった場合に、剣先が一体に形成された受皿は、剣先と受皿とが一体であるが故に倒れにくく、安全性の面で改善の余地があった。
【0005】
また、特許文献1に記載された剣玉玩具では、剣先と受皿とが一体形成されることで嵩張り、持ち運びに不便であった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、安全性や利便性に優れる剣玉玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る剣玉玩具は、把持部が設けられた本体と、前記本体に紐部材を介して連結された玉と、を備え、前記本体は、前記玉を受ける少なくとも一つの皿部を有し、前記皿部は、前記玉を載置可能な受皿部材と、前記玉に設けられた収容孔に収容可能な剣先部材と、を有し、前記剣先部材は、前記受皿部材に対して着脱可能であり、前記剣先部材の先端部を挿通可能な挿通孔が前記受皿部材に設けられており、前記受皿部材は、前記本体に着脱可能に固定され、先端部が前記挿通孔に挿通された前記剣先部材の基端部を前記本体との間に挟み込んで前記剣先部材を前記皿部に固定する。
【0008】
また、本発明に係る剣玉玩具においては、前記受皿部材は、前記本体に対して着脱可能に固定されるようにしてもよい。また、本発明に係る剣玉玩具においては、前記受皿部材に着脱可能に装着される錘部材を備えるようにしてもよい。
【0009】
また、本発明に係る剣玉玩具においては、互いに重さが異なる複数の前記錘部材を備えるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明に係る剣玉玩具においては、前記錘部材は、前記剣先部材であってもよい。
【0011】
また、本発明に係る剣玉玩具においては、前記剣先部材の先端部を挿通可能な挿通孔が前記受皿部材に設けられており、前記受皿部材は、前記本体に着脱可能に固定され、先端部が前記挿通孔に挿通された前記剣先部材の基端部を前記本体との間に挟み込んで前記剣先部材を前記皿部に固定するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明に係る剣玉玩具においては、前記受皿部材及び前記本体は、前記受皿部材の中心軸まわりの前記受皿部材及び前記本体の相対回転に伴って互いに係合し、前記受皿部材を前記本体に保持する係合部をそれぞれ有し、前記受皿部材及び前記本体の各々の係合部には、該係合部同士が係合した状態で、前記受皿部材及び前記本体の相対回転を阻止するロック部がそれぞれ設けられているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、安全性や利便性に優れる剣玉玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態を説明するための、剣玉玩具の一例の構成を示す斜視図である。
図2】(A)は図1の受皿部材の断面図、(B)は受皿部材の底面図である。
図3】(A)は図1の受皿部材が着脱される本体の取付部の断面図、(B)は取付部の平面図である。
図4図1の本体の皿部の断面図であって、剣先部材が固定された状態を示す断面図である。
図5図1の剣玉玩具の変形例の構成を示す断面図である。
図6図1の剣玉玩具の他の変形例の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[本発明の実施の形態]
図1は、本発明の実施形態を説明するための、剣玉玩具の一例の構成を示す。
【0016】
剣玉玩具は、鼓状に形成された皿胴2、遊技者によって把持される把持部3、及び棒状に形成された剣先部4を有する本体1と、本体1に紐部材5を介して連結された玉6とを備える。把持部3と剣先部4とは、皿胴2を間に挟んで直線状に設けられている。玉6には、剣先部4を収容可能な収容孔6aが形成されている。
【0017】
皿胴2の両端部21,22、及び把持部3の端部31には、玉6を受ける皿部が設けられている。皿胴2の一方の端部(取付部)21に設けられた皿部は、玉6を載置可能な凹曲面72が設けられた受皿部材7Aと、玉6の収容孔6aに収容可能な剣先部材8Aとを有する。受皿部材7Aには、凹曲面72の中央部を貫通した挿通孔71が設けられており、受皿部材7Aとは別体に形成されている剣先部材8Aは、挿通孔71に挿通され、先端部81が受皿部材7Aの凹曲面72に突出した状態に受皿部材7Aに組み付けられる。
【0018】
受皿部材7Aは、単独で、又は剣先部材8Aが組み付けられた状態で、取付部21に着脱される。受皿部材7Aに組み付けられた剣先部材8Aは、受皿部材7が取付部21に取り付けられることにより、受皿部材7と共に皿部を構成し、固定される。このように剣先部材8Aは、受皿部材7Aに対して着脱可能となっている。
【0019】
受皿部材7Aが単独で取付部21に取り付けられた場合に、玉6は、受皿部材7Aの凹曲面72によって受け止められ、剣先部材8Aが組み付けられた状態で受皿部材7Aが取付部21に取り付けられた場合には、玉6は、受皿部材7Aの凹曲面72から突出した剣先部材8Aの先端部81を収容孔6aに収容しつつ、剣先部材8Aによって受け止められる。
【0020】
皿胴2の他方の端部(取付部)22に設けられた皿部は、取付部21に設けられた皿部と同様に、受皿部材7Bと、剣先部材8Bとを有しており、受皿部材7Bは、単独で、又は剣先部材8Bが組み付けられた状態で、取付部22に着脱される。
【0021】
把持部3の端部(取付部)31に設けられた皿部もまた、受皿部材7Cと、剣先部材8Cとを有しており、受皿部材7Cは、単独で、又は剣先部材8Cが組み付けられた状態で、取付部31に着脱される。
【0022】
図2は受皿部材7Aの構成を示し、図3は皿胴2の取付部21の構成を示す。
【0023】
受皿部材7Aの上面には上記凹曲面72が形成され、受皿部材7Aの下面には受皿部材7Aが着脱される取付部21に係合する係合部73,74が突出して形成されている。係合部73は、受皿部材7Aの中心軸まわりに略円弧状に延設されており、断面が略L字の鉤状に形成されて先端部が外径側に向けて広がっている。そして、係合部73の先端部の延在方向中央位置に凸部73aと凹部73bとが形成されている。係合部74は、受皿部材7Aの中心軸を挟んで係合部73と略対称に、係合部73と同様に構成されており、係合部74の先端部には凸部74aと凹部74bとが形成されている。
【0024】
取付部21の上面には、略円形状の凹部21eが設けられている。凹部21eは、受皿部材7Aの係合部73,74を収容可能に形成されており、凹部21の開口縁部には係合部21a,21bが内径側に向けて突出して形成されている。係合部21aは、凹部21の開口縁部に沿って円弧状に延設されており、係合部21bは、取付部21の中心軸を挟んで係合部21aと略対称に、係合部21aと同様に構成されている。
【0025】
また、凹部21eの周面には、凸部21c,21dが設けられている。凸部21cは、係合部21aの延在方向中央位置で係合部21aの下側に配置されており、凸部21dは、係合部21bの延在方向中央位置で係合部21bの下側に配置されている。
【0026】
受皿部材7Aの係合部73,74が取付部21の凹部21eに収容された状態で、受皿部材7Aがその中心軸まわりに回転されることにより、受皿部材7Aの係合部73,74と取付部21の係合部21a,21bとが互いに係合する。それにより、受皿部材7Aは取付部21に保持される。
【0027】
そして、取付部21の凸部21cが係合部73の凸部73aを乗り越えて凹部73bに嵌り、また、取付部21の凸部21dが係合部74の凸部74aを乗り越えて凹部74bに嵌ることにより、係合部73,74と係合部21a,21bとが互いにロックされ、受皿部材7Aの回転が阻止される。これにより、受皿部材7Aの取付部21からの脱落が阻止される。
【0028】
なお、凹部21eの周面にネジ溝を形成し、受皿部材7Aを取付部21にネジ留めするようにしてもよいが、ネジ留めであると、受皿部材7Aの凹曲面72にて玉6を受け止める際の衝撃が繰り返し作用することによってネジが緩み、受皿部材7Aが脱落してしまう虞がある。これに対し、上記のように係合部73,74と係合部21a,21bとを互いにロックすることで、受皿部材7Aが脱落することをより確実に阻止することができる。
【0029】
受皿部材7Bと受皿部材7Bが着脱される取付部22、及び受皿部材7Cと受皿部材7Cが着脱される取付部31もまた、受皿部材7A及び取付部21と同様に構成される。
【0030】
図4は、剣先部材8Aが固定された状態を示す。
【0031】
剣先部材8Aは、受皿部材7の挿通孔71に挿通可能な先端部81と、挿通孔71よりも大径に形成された基端部82とを有する。先端部81が受皿部材7Aの下面側から挿通孔71に挿通されて剣先部材8Aは受皿部材7Aに組み付けられており、剣先部材8Aの基端部82は受皿部材7の係合部73,74との間に収容されている。
【0032】
剣先部材8Aが組み付けられた状態で受皿部材7が取付部21に取り付けられることにより、基端部82が受皿部材7の下面と取付部21の凹部21eの底面との間に挟み込まれ、それにより剣先部材8Aは固定される。
【0033】
以上説明した剣玉玩具によれば、受皿部材7A(7B,7C)と剣先部材8A(8B,8C)とが別体で構成されているので、嵩張りを押さえることができ、持ち運びにおける利便性を高めることができる。また、剣先部材8A(8B,8C)が床に置かれていたとしても剣先が上方を向いて自立することが少なく、安全性に優れる。
【0034】
図5及び図6は、上述した剣玉玩具の変形例の構成を示す。
【0035】
図5に示す例では、受皿部材7Aの下面と取付部21の凹部21eの底面との間に、剣先部材8に替えて錘部材100が挟み込まれている。錘部材100は、円盤状(コイン状)に形成されており、取付部21に着脱可能とされる。
【0036】
また、図6に示すように、受皿部材7Aの下面と取付部21の凹部21eの底面との間に、剣先部材8Aと共に錘部材100が挟み込まれるように構成することもできる。この場合に、剣先部材8A及び錘部材100の一方のみが用いられる場合には、例えば、剣先部材8Aの基端部82又は錘部材100に替わる適宜なスペーサを挟むようにすればよい。
【0037】
以上の例では、選択的に錘部材100を用い、例えば使用者の好みに合わせて本体2の重さを変えることができ、使い勝手を高めることができる。重さが異なる複数種類の錘部材100を自由に差し替えられるように構成すれば、さらに細かく本体2の重さを変えることができるので好ましい。
【0038】
なお、剣先部材8と錘部材100とは別体であるものとして説明したが、これに限らず、剣先部材8を錘部材としてもよい。
【0039】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0040】
1 本体
2 皿胴
3 把持部
5 紐部材
6 玉
7A,7B,7C 受皿部材
8A,8B,8C 剣先部材
【要約】
【課題】剣先と受皿を別体で形成することで、持ち運びが便利な剣玉玩具を提供する。
【解決手段】剣玉玩具は、把持部3が設けられた本体1と、本体1に紐部材5を介して連結された玉6と、を備え、本体1は、玉を6受ける少なくとも一つの皿部を有し、皿部は、玉6を載置可能な受皿部材7Aと、玉6に設けられた収容孔6aに収容可能な剣先部材8Aと、を有し、剣先部材8Aは、受皿部材7Aに対して着脱可能である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6