(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5739911
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】コーティングされて安定化されたマイクロ波加熱食品
(51)【国際特許分類】
A23L 1/00 20060101AFI20150604BHJP
A23L 1/01 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
A23L1/00 F
A23L1/01 C
A23L1/01 Z
【請求項の数】34
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-548477(P2012-548477)
(86)(22)【出願日】2011年1月17日
(65)【公表番号】特表2013-516970(P2013-516970A)
(43)【公表日】2013年5月16日
(86)【国際出願番号】GB2011050055
(87)【国際公開番号】WO2011086381
(87)【国際公開日】20110721
【審査請求日】2013年5月29日
(31)【優先権主張番号】1007843.4
(32)【優先日】2010年5月11日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1006097.8
(32)【優先日】2010年4月13日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1006108.3
(32)【優先日】2010年4月13日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1000647.6
(32)【優先日】2010年1月15日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】511000256
【氏名又は名称】クリスプ センセーション ホールディング エスエー
【氏名又は名称原語表記】Crisp Sensation Holding SA
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ピックフォード、キース
【審査官】
戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】
特表平11−510379(JP,A)
【文献】
特表平09−512714(JP,A)
【文献】
特開平09−056341(JP,A)
【文献】
特開平02−016938(JP,A)
【文献】
特開平10−271963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 1/00−1/48
Thomson Innovation
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品の製造方法であって、前記食品は、鶏肉、魚肉、赤身肉、野菜、果物、または乳製品の小片からなる基材を含み、前記方法は、
水性のコーティング組成物からなるコーティングを前記基材に施す工程であって、前記水性のコーティング組成物は、乾燥重量で
セルロースガム 15〜35%
加工デンプン 15〜50%
親水コロイド 20〜30%
タンパク質成分 10〜20%
からなる混合物0.1〜5%と水とを含み、これらの成分の百分率は全体が100%になるように各範囲から選択され、場合によってはさらなる成分を含むことと、
細かいパン粉からなる第1のコーティングを前記水性のコーティングの上に施して、前記基材を包み込む細かいパン粉の層を形成する工程と、
バッター組成物を前記第1のコーティングの上に施して、バッターコーティングを形成する工程と、
任意で前記バッターコーティングの上に外側のパン粉の層を施す工程と
を含む、食品の製造方法。
【請求項2】
コーティング組成物中の加工デンプンの量が乾燥重量で15〜35%である、請求項1に記載の食品の製造方法。
【請求項3】
水性のコーティング組成物によるコーティングの前に、前記基材を安定化剤組成物に含浸させる、請求項1または2に記載の食品の製造方法。
【請求項4】
タンパク質成分が卵白、ホエータンパク質、タンパク質分離物、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品の製造方法。
【請求項5】
タンパク質成分が卵白である、請求項4に記載の食品の製造方法。
【請求項6】
親水コロイドがキサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の食品の製造方法。
【請求項7】
親水コロイドがキサンタンガム、グアーガム、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項6に記載の食品の製造方法。
【請求項8】
親水コロイドがキサンタンガム、またはキサンタンガムを含んだ親水コロイドの混合物からなる、請求項7に記載の食品の製造方法。
【請求項9】
安定化剤組成物が
セルロースガム 5〜25%
加工デンプン 16〜50%
増粘剤組成物 32〜79%
を安定化剤組成物の乾燥重量百分率として含む、請求項3〜8のいずれか一項に記載の食品の製造方法。
【請求項10】
安定化剤組成物中の加工デンプンの量が乾燥重量で16〜35%である、請求項9に記載の食品の製造方法。
【請求項11】
増粘剤組成物が安定化剤組成物の乾燥重量百分率として
ポリデキストロース 30〜55%
を含む、請求項9に記載の食品の製造方法。
【請求項12】
増粘剤組成物が安定化剤組成物の乾燥重量百分率として
タンパク質成分 1〜20%
を含む、請求項9または11に記載の食品の製造方法。
【請求項13】
増粘剤組成物が安定化剤組成物の乾燥重量百分率として
親水コロイド 1〜10%
を含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載の食品の製造方法。
【請求項14】
増粘剤組成物が安定化剤組成物の乾燥重量百分率として
ポリデキストロース 15〜35%
タンパク質成分 1〜20%
親水コロイド 1〜10%
を含む、請求項9に記載の食品の製造方法。
【請求項15】
安定化剤組成物が乾燥重量で
セルロースガム 5〜25%
加工デンプン 16〜35%
ポリデキストロース 30〜55%
親水コロイド 1〜10%
卵白 1〜20%
からなる混合物の水溶液を含む、請求項9に記載の食品の製造方法。
【請求項16】
安定化剤組成物が安定化剤組成物の乾燥重量で
セルロースガム 10〜20%
加工デンプン 20〜30%
ポリデキストロース 35〜45%
親水コロイド 3〜10%
卵白 3〜18%
を含む、請求項15に記載の食品の製造方法。
【請求項17】
安定化剤組成物が乾燥重量で
セルロースガム 15%
加工デンプン 24%
ポリデキストロース 40%
キサンタンガム 6%
卵白 15%
全体で100%
を含む、請求項16に記載の食品の製造方法。
【請求項18】
水性のコーティング組成物が0.3%〜3%の固形分濃度を有する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の食品の製造方法。
【請求項19】
水性のコーティング組成物が1%の固形分濃度を有する、請求項18に記載の食品の製造方法。
【請求項20】
安定化剤組成物が0.1〜20%の固形分濃度を有する水性の組成物である、請求項3〜19のいずれか一項に記載の食品の製造方法。
【請求項21】
安定化剤組成物が1〜8%の固形分濃度を有する水性の組成物である、請求項20に記載の食品の製造方法。
【請求項22】
安定化剤組成物が3〜5%の固形分濃度を有する水性の組成物である、請求項21に記載の食品の製造方法。
【請求項23】
肉、鶏肉、魚肉、野菜、果物、または乳製品の小片からなる基材を含んだマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品であって、前記基材が請求項1〜22のいずれか一項に記載の食品の製造方法で使用される水性のコーティング組成物でコーティングされている、食品。
【請求項24】
前記基材を請求項3〜22のいずれか一項に記載の食品の製造方法で使用される安定化剤組成物に含浸させた、請求項23に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項25】
水性のコーティング組成物が0.3%〜3%の固形分濃度を有する、請求項23または24に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項26】
水性のコーティング組成物が1%の固形分濃度を有する、請求項25に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項27】
基材を包み込む細かいパン粉の層を形成するように、コーティング組成物からなるコーティングの上に施された細かいパン粉のコーティングと、
バッターコーティングを形成するように、前記細かいパン粉の層の上に施されたバッター組成物と
任意で前記バッターコーティングの上に施される外側のパン粉の層と
をさらに備える、請求項23〜26のいずれか一項に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項28】
前記細かいパン粉が、キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、およびこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される親水コロイドを含んでいる、請求項27に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項29】
前記親水コロイドがキサンタンガム、またはキサンタンガムを含んだ親水コロイドの混合物からなる、請求項28に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項30】
前記食品が請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法により得られるものである、請求項23〜29のいずれか一項に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項31】
前記細かいパン粉が0.25〜1mmの粒径を有する、請求項27〜30のいずれか一項に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項32】
安定化剤組成物が0.1〜20%の固形分濃度を有する水性の組成物である、請求項24〜31のいずれか一項に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項33】
安定化剤組成物が1〜8%の固形分濃度を有する水性の組成物である、請求項32に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【請求項34】
安定化剤組成物が3〜5%の固形分濃度を有する水性の組成物である、請求項33に記載のマイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子レンジを使用して調理したり再加熱したりされる食品に関する。本発明は特に、芯とその芯を包囲したコーティングとを含む食材、例えば、バッターまたはパン粉を付けた製品に関するが、これに限定されない。本発明はまた、コーティングされていない食品および食品用の成分にも関する。本発明はまた、通常の加熱オーブン、グリル、または浅底もしくは深底フライパンの中で調理したり温め直したりされる製品も含む。
【背景技術】
【0002】
多くの食材、例えば、天然の鶏肉、魚、赤身肉、野菜や加工食品は大きな割合の水を含んでいる。大抵の生鮮食料品は60%を超える水を含んでいる。こうした水のいくらかは結合、つまり、構成細胞と固くつながっている。移動性の残りの水は利用可能であり、凍結させることができる。芯の温度が−1℃から−30℃の間またはそれ以下に達するまで凍結させた食品を、電子レンジの中に置いてマイクロ波照射すると、マイクロ波エネルギーは主として、利用可能な凍結水によって吸収される。通常の調理では熱は外部から与えられるが、マイクロ波調理の場合、熱は内部において発生する。加熱の工程は非常に迅速であり、利用可能な水は蒸気に変わる。加熱後に電子レンジの中に食品を放置したままにすると、食品から水が放散し続けることがある。このことは例えば、冷凍した魚肉を加熱したときに特に著しい。水が失われることにより、食品コーティング、特に、バッター、ペストリーまたはパン粉のコーティングが湿って食感は悪化する。さらに、基材の芯は、水が失われて乾燥してしまうことがある。
【0003】
不透水性の膜を形成する組成物で製品をコーティングすることにより、マイクロ波調理中の水分の放散を制限する試みがなされている。しかしそれは、コーティングされた製品中の水分の自然の分布がコーティングを通して蒸気として失われるとともに内部圧力のために、満足を得ていない。さらに、不透水性のコーティングすなわち膜は製品の味および食感を損なう。
【0004】
国際公開第97/03572号は、セルロースガム、
加工デンプン、ポリデキストロース、キサンタンガム、卵白、およびエンドウデンプンを含んだ安定化剤組成物を製品に含浸させることにより、マイクロ波調理または再加熱可能な食材を安定化する方法を開示している。
【0005】
本発明の第1の態様によれば、マイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品の製造方法であって、前記食品は、鶏肉、魚肉、赤身肉、野菜、果物、または乳製品の小片からなる基材を含み、前記方法は、
水性のコーティングからなる第1のコーティングを前記基材に施す工程であって、前記水性のコーティングは、乾燥重量で
セルロースガム 15〜35%
加工デンプン 15〜50%
親水コロイド 20〜30%
タンパク質成分 10〜20%
からなる混合物0.1〜5%と水とを含み、これらの成分の百分率は全体が100%になるように各範囲から選択され、場合によってはさらなる成分を含むことと、
細かいパン粉からなる第1のパン粉コーティングを前記水性のコーティングの上に施して、前記基材を包み込む細かいパン粉の層を形成する工程と、
バッター組成物を前記第1のパン粉コーティングの上に施して、バッターコーティングを形成する工程と、
任意で前記バッターコーティングの上に外側のパン粉からなる第2のパン粉コーティングを施す工程と
を含む、食品の製造方法が提供される。
【0006】
安定化剤組成物中の
加工デンプンの量は、好ましくは約15%〜約40%、より好ましくは約15%〜約40%、より好ましくは約15%〜約35%である。
本発明の方法は、バッター組成物を塗布する前に肉、鶏肉または魚肉の小片をプレダスト(pre-dust)でコーティングすることが避けられるという利点を有する。プレダストを使用すると、製造工程中にプレダスト粉末がバッター組成物に移動し、粘度の増加やバッターの化学組成の変化が生じるという欠点がある。また、プレダストは空中に舞い上がって隣接する装置を汚染し、潜在的な危険をもたらす。このことは大規模な産業用製造工程では特に不利な点となる。本発明は、例えば50kg/時を超えるスループットを有する商業規模の食品製造において、例えば100kg/時、好ましくは500kg/時を超える場合に特に適用される。
【0007】
タンパク質含有成分は、卵白、タンパク質分離物、およびこれらの混合物からなる群から選択される成分を含み得る。適切なタンパク質分離物は、大豆タンパク質分離物である。卵白を使用することが好ましい。
【0008】
好ましくは、水性コーティング溶液によるコーティングの前に、基材を安定化剤組成物に含浸させる。安定化剤を使用することは、マイクロ波調理または再加熱可能な製品に対しては特に好ましい。
【0009】
熱調理可能または再加熱可能な食品の場合は、安定化剤を基材に含浸させる工程は省略してもよい。
安定化剤は、以下に記載するような安定化剤組成物からなるものであってもよいし、国際公開第97/03572号の特に実施例8または9に開示されているものであってもよい。
【0010】
本発明の好ましい態様において、安定化剤組成物は、
セルロースガム 5〜25%
加工デンプン 16〜50%
増粘剤成分 32〜79%
からなる水溶液を含むが、これらの成分の百分率は乾燥重量基準であり、全体で100%となるように各範囲から選択される。
【0011】
安定化剤組成物中の
加工デンプンの量は、乾燥重量で好ましくは約16%〜約45%、より好ましくは約16%〜約40%、とりわけ約16%〜約35%である。
好ましくは、増粘剤成分は、安定化剤組成物の乾燥重量百分率として、
ポリデキストロース 30〜55%
タンパク質成分 1〜20%
親水コロイド 1〜10%
を含む。
【0012】
タンパク質成分は、卵白、ホエータンパク質、タンパク質分離物、およびこれらの混合物からなる群から選択される成分を含み得る。適切なタンパク質分離物は大豆タンパク質単離物である。卵白を使用することが好ましい。
【0013】
適切な親水コロイドは、キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、およびこれらの混合物からなる群から選択され得る。キサンタンガム、グアーガム、およびこれらの混合物を使用することが特に好ましい。キサンタンガム、またはキサンタンガムを含んだ親水コロイドの混合物を使用することが特に好ましい。約3%〜約10%、特に約6%の量が好ましい。
【0014】
セルロースガムおよび
加工デンプンは、熱ゲル化成分として働くと考えられ得る。増粘剤組成物は、結合剤として働き得る。理論に拘泥されることを望むものではないが、ゲル化成分は加熱中に熱的ゲルを形成し、基材からの水分の損失を防止することに役立ち得ると考えられる。増粘剤成分は、増粘剤および結合剤として働き、安定化剤組成物が全体として、電子レンジ内での調理中または再加熱中に基材マトリックス中の水分を保持するように、また、製品を凍結させたときの保存特性が改善されるように、凍結保護剤としても働き得る。
【0015】
好ましい実施形態では、安定化剤組成物は、
セルロースガム 5〜25%
加工デンプン 16〜35%
ポリデキストロース 30〜55%
親水コロイド 1〜10%
卵白 1〜20%
からなる水溶液を含むが、これらの成分の百分率は乾燥重量基準であり、全体が100%となるように各範囲から選択される。
【0016】
特に好ましい安定化剤組成物は、
セルロースガム 10〜20%
加工デンプン 20〜30%
ポリデキストロース 35〜45%
親水コロイド 3〜10%
卵白 3〜18%
を含む。
【0017】
好ましい親水コロイドは、キサンタンガム、またはキサンタンガムを含んだ親水コロイドの混合物である。
特に好ましい安定化剤組成物は、
セルロースガム 15%
加工デンプン 24%
ポリデキストロース 40%
キサンタンガム 6%
卵白 15%
全体で100%
を含む。
【0018】
好ましくは、水性コーティング組成物は、水および乾燥重量で0.1から5%の
セルロースガム 15〜35%
加工デンプン 15〜35%
親水コロイド 20〜30%
卵白 10〜20%
を含むが、これらの成分の百分率は乾燥重量基準であり、全体が100%になるように各範囲から選択される。
【0019】
水性コーティングは粘稠な水溶液であってもよく、チクソトロピックであってもよく、あるいは、せん断が与えられないときには固体もしくは半固体の堅さを形成するゲルであってもよい。水性コーティングは、自由に流れる粘稠な液体またはゲルであることが好ましく、本明細書では便宜的に「ゲル」または「水性コーティング」と呼ぶことがある。
【0020】
水性コーティング組成物中の好ましい親水コロイドは、キサンタンガム、またはキサンタンガムを含んだ親水コロイドの混合物である。
水性コーティング組成物は、約0.1%〜0.5%、好ましくは約0.3%〜3%、より好ましくは約1%の固形分濃度の粘稠な溶液またはゲルを形成するように水に溶解または分散されることが好ましい。
【0021】
水性の安定化剤は、約0.1%〜約20%、好ましくは1%〜約8%、より好ましくは約3%〜約5%の固形分濃度の溶液となるように水に溶解または分散されることが好ましい。
【0022】
好ましいセルロースガムは、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択され得る。メチルセルロースまたは、特にMETHOCEL A4Mの商標で市販されているセルロースエーテルが中でも好ましい。約10%、好ましくは約15%の量が特に好ましい。
【0023】
好ましい
加工デンプンは、例えば加熱またはアセチル化により変性された部分分解デンプンを含む。ヒドロキシアルキル化デンプン、例えばヒドロキシプロピル化デンプンを使用してもよい。適切な
加工デンプンは、THERMFLOの商標で製造されているものである。約20%〜30%、好ましくは約24%の量が好ましい。
【0024】
ゲル組成物中で使用される適切な親水コロイドは、キサンタンガム、カラギーナンガム、グアーガム、およびこれらの混合物からなる群から選択され得る。キサンタンガム、グアーガム、およびこれらの混合物を使用することが特に好ましい。キサンタンガム、またはキサンタンガムを含んだ親水コロイドの混合物を使用することが特に好ましい。約5%、特には約6%の量が好ましい。
【0025】
本発明で使用されるポリデキストロースは、商標LITESSEの名前で入手できる。約30%〜約55%、好ましくは約55%〜約45%、より好ましくは約40%の量が使用され得る。
【0026】
好ましい実施形態において、安定化剤組成物はポリデキストロースを含み、コーティング組成物はポリデキストロースを全く含まないか、あるいは実質的な量で含まない。
タンパク質成分は、卵白、ホエータンパク質、タンパク質分離物、およびこれらの混合物からなる群から選択される成分を含み得る。適切なタンパク質分離物は、大豆タンパク質分離物である。卵白を使用することが好ましい。
【0027】
さらなる成分を必要に応じて使用してもよい。例えば、香味料、防腐剤または着色剤を添加してもよい。
好ましい安定化剤または水性コーティング組成物は、その他のデンプンを実質的な量で含まない。特に好ましい実施形態においては、安定化剤および水性コーティング組成物のうちの一方または両方は、開示した成分のみから実質的になり、組成物の基本的な特性を変更するほどの量でさらなる成分が存在しない。より好ましくは、安定化剤および水性コーティング組成物中にはさらなる成分は全く存在しない。
【0028】
本発明の第2の態様によれば、マイクロ波調理もしくは熱調理可能な、または再加熱可能な食品は、
鶏肉、魚肉、赤身肉、野菜、乳製品、または加工食品の小片からなる基材を含んでいる。その食品は、基材に施された水性コーティングからなるコーティングであって、前記水性コーティングが水および乾燥重量で0.1から5%の
セルロースガム 15〜35%
加工デンプン 15〜35%
親水コロイド 20〜30%
タンパク質成分 10〜20%
を含むことと、
基材を包み込む細かいパン粉の層を形成するように、水溶液のコーティングの上に施された細かいパン粉の第1のコーティングと、
バッターコーティングを形成するように、前記第1のコーティングの上に施されたバッター組成物と、
任意で前記バッターコーティングの上に施される外側のパン粉の層と
を備える。
【0029】
タンパク質成分は、卵白、ホエータンパク質、タンパク質分離物、およびこれらの混合物からなる群から選択される成分を含んでもよい。適切なタンパク質分離物は大豆タンパク質分離物である。卵白を使用することが好ましい。
【0030】
好ましくは、水性コーティングによるコーティングの前に、基材を安定化剤組成物に含浸させる。安定化剤を使用することは、マイクロ波使用可能な製品の場合特に好ましい。
熱調理可能または再加熱可能な食品の場合は、安定化剤を基材に含浸させる工程を省略してもよい。
【0031】
安定化剤は、本発明の第1および第2の態様を参照して上述したような組成物からなるものであってもよいし、国際公開第97/03572号に開示されているものであってもよい。
【0032】
好ましくは、水性コーティングは、水および乾燥重量で0.1%から5%の
セルロースガム 15〜35%
加工デンプン 15〜35%
親水コロイド 20〜30%
卵白 10〜20%
を含む。
【0033】
特に好ましい水性コーティング組成物は、
セルロースガム 20〜30%
加工デンプン 20〜40%
親水コロイド 20〜40%
卵白 10〜30%
を含む。
【0034】
特に好ましい水性コーティング組成物は、
セルロースガム 25%
加工デンプン 35%
キサンタンガム 25%
卵白 15%
全体で100%
を含む。
【0035】
本発明の特に好ましい実施形態において、細かいパン粉の第1のコーティングは、水性コーティング溶液の上に施される。
細かいパン粉は、約0.1〜約1mm、好ましくは約0.25〜約0.9mmの粒径を有することが有利である。例えば、より細かい粒径のパン粉ダストを使用してもよい。細かい粒子から大きな粒子を除くのに1mmメッシュの篩を使用してもよい。細かいパン粉は、食品の外側のコーティングに用いられるパン粉の製造工程中の粉砕工程から得られる細かい粒子を含んでもよい。
【0036】
未処理の細かい粒子は、例えば、ピンヘッドラスクを使用してもよい。ただし、ピンヘッドラスクを使用した場合、水性コーティングもしくはゲルと接触して、または細かいパン粉の層の上に施されたバッター組成物から水を吸収することにより湿ったべたべたの被覆が形成される傾向があるため、特定の用途においては好まれないことがある。
【0037】
好ましくは、親水コロイドを含んだ細かいパン粉を使用してもよい。親水コロイドは、グアーガム、キサンタンガム、またはこれらの混合物から選択され得る。親水コロイドを使用した場合、細かい粒子にある程度の水に対する抵抗性が与えられ、隣接するゲルまたはバッター層から湿り気を取り込む傾向がいくらかでも減少する。国際公開第2010/001101号に開示されているように、パン粉の製造工程で得られる細かい粒子を使用することが特に好ましい。
【0038】
細かいパン粉からなる第1のコーティングを施すことは、上記したように、前プレコーティングとして施される水性コーティングまたはゲルを使わない場合には、細かい粒子が通常のプレダストなどの乾いた基材に対して十分に接着しないので、困難となることがある。水性コーティングまたはゲルコーティングを使用することには、細かい粒子の層が基材に接着して安定化処理された基材を包み込んでいる完全な被覆すなわち殻を提供し、それにより、水蒸気の放散や揚げる工程での油の取り込みを減少させるというさらなる利点がある。水性コーティングまたはゲルを利用することにより、基材上に完全なコーティングを形成し、表面全体に第1の細かいパン粉を接着させて、細かいパン粉のしっかりした殻を形成させることができる。
【0039】
第1のパン粉コーティングは、第1のパン粉塗布器を使用して施すことができ、過剰にパン粉を塗布してから余分なものがふるって除かれる。
パン粉の層を設ける量は、基材の小片のサイズおよびその他の要因にもよるが、安定化処理された基材の重量の約5〜10%であってもよい。
【0040】
第1のパン粉の塗布に続いて、天ぷら塗布器またはその他の通常の装置を用いて浸漬によりバッターコーティングを行ってもよい。バッター層の塗布に続いて、第2の外側のパン粉コーティングを行ってもよい。2層の外側のパン粉コーティングを施すことが好ましく、第1のパン粉コーティングはより大きい粒子であり、次いで大きい粒子の隙間を埋めるようにより小さい粒子からなるさらなるコーティングを施してもよい。
【0041】
好ましい実施形態では、第1の外側のパン粉コーティングは、適切なものとして1〜3mm、好ましくは約2mmまたはより大きい粒径を有する粒子からなる。パン粉は、パン粉塗布器を用いて過剰に塗布することができ、余分なものがふるって除かれる。パン粉コーティングされた基材は、接着を良くするためにローラーに通してもよい。
【0042】
例えば、約0.2〜約2mm、好ましくは約0.5〜約1mmの粒径を有するより小さいパン粉粒子の第2の外側のコーティングは、基材の大きさおよび第1の外側のパン粉の大きさに応じて塗布してもよい。2層のパン粉の層を用いることにより、バッター層が見えないしっかりしたコーティングが形成される。第2のパン粉コーティングの接着を良くするためにローラーを用いてもよい。
【0043】
本発明はまた、本発明の前記の態様に従って安定化剤または水性コーティングを形成するための水和用の乾燥組成物を提供する。
本発明の安定化処理の方法および安定化剤組成物は、パン粉を付けた製品やペストリーで覆った製品のようなコーティングされた製品に対して用いることができる。さらに、組成物は、調理された肉、例えば、ソーセージおよび魚肉を含んだ未コーティングの製品にも使用しうる。野菜および果物もまた安定化処理され得る。
【0044】
方法は、含浸コーティングされた基材に対して、第2のバーターコーティングまたはさらなるバッターコーティングを施す工程を含んでもよい。
バッターコーティングを基材に施してもよい。適切なバッターコーティングは、本出願人が2010年1月15日に出願した英国特許出願第1000647.6号に開示されており、引用によりその開示内容は本明細書に組み入れられる。あるいは、国際公開第96/32026号に開示のコーティングを使用してもよい。
【0045】
パン粉コーティングをバッターコーティングの上に施してもよい。好ましいパン粉コーティングは、国際公開第2010/001101号に開示されており、引用によりその開示内容は本明細書に組み入れられる。
【0046】
バッターを付けたおよび/またはパン粉コーティングされた製品は、揚げられた後、使用前の保存のために凍結されてもよい。
コーティングされた製品は、凍結または冷蔵あるいは新鮮であるかにかかわらず、使用前に電子レンジ、通常のオーブンもしくはグリル、浅底もしくは深底フライパン、またはマイクロ波および通常の加熱の組み
合せを用いるオーブンから選択されるオーブンを用いて再加熱または調理され得る。
【0047】
基材の小片は、一人前全体、例えば、個々のステーキもしくはフィレなどの肉全体の一人前の断片、または調理もしくは再加熱後に一人前ごとに切り分けられ得る大きな断片であり得る。あるいは、断片は切り取られた、または細分された断片、例えば、より大きな一人前に再配分され得るナゲットまたは粗挽きの製品であってもよい。
【0048】
真空含浸、浸漬または注入により安定化剤組成物を基材に含浸させてもよい。
本発明の安定化剤組成物は、いくつかの利点を与え得る。プレダストを使用しないことにより、製造環境へのダストの分散から起こる問題を回避する。さらに、次のコーティング工程で用いられるバッター組成物中へのダストの移動を避け、使用中のバッターの粘度の増加を防止する。水性コーティングまたはゲルコーティングは、含浸済みの基材に対して良好な接着をもたらす。次いで適用されるパン粉または他の細かい粒子の接着が促進される。水性コーティングまたはゲルコーティングはまた、その後のマイクロ波加熱段階での基材からの湿気の損失に対する追加のバリヤとして働く。理論に拘泥されることを望むものではないが、ゲルコーティング組成物は芯部から散逸する湿気を吸着し、芯部による油分の取り込みに対するバリヤとしても働き、芯部の香りが阻害されるのを回避すると考えられる。安定化剤の水溶液を芯部に含浸させることは、調理または再加熱の間の芯部の含水量に寄与する。
【0049】
本明細書で参照している量および百分率は、別に表示されない限り重量基準であり、全体が100%になるように各範囲から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0050】
実施例を用いて本発明をさらに記述するが、いかなる意味でも制限するものではない。
実施例1 安定化剤組成物
以下の成分を用いて安定化剤組成物を調製した。
【0051】
成分 %
セルロースガム(Methocel A4M) 15.0
加工デンプン(Thermflo) 24.0
ポリデキストロース 40.0
キサンタンガム 6.0
卵白 15.0
合計 100.0
実施例2 一般用の安定化剤組成物
以下の成分からなる組成物を粘稠な液体コーティング組成物を形成するのに用いた。
【0052】
メチルセルロース 15%
加工デンプン(Thermflo) 24%
卵白 15%
キサンタンガム 6%
ポリデキストロース 40%
100%
組成物を水に溶解し、使用中の特定の基材を安定化するのに適切な濃度の溶液を作成した。この一般用の処方は、個別の基材における効率性を上げるために改変されてもよい。クエン酸(最大1%)およびアスコルビン酸(最大2%)を加えて、それに応じてポリデキストロース(Litesse II(商標))を減らすことにより上記の処方を改変してもよい。
【0053】
実施例3 安定化剤組成物の調製
タブ型容器の中で乾燥粉末混合物を部分的に水和させて、次いで、ボウルチョッパーの中に注いだ。その後、完全に水和するまでボウルチョッパーを2〜3分間稼働させた。必要に応じて混合物をボウルチョッパーの中で直接水和させることもできる。あるいは、汎用のヘッドが装着された高せん断ミキサーを用いて安定化剤を水和させてもよい。
【0054】
実施例4 安定化剤組成物の基材への含浸
水和した安定化剤組成物を使用する代わりに乾燥混合物として調製される以下の組成でチキンディッパーすなわちチキンナゲットのための鶏肉混合物を調製した。実施例1の安定化剤を使用した。
【0055】
鶏肉エマルション 20%
皮3mm 18%
鶏胸肉10mm 50%
水 2%
ラスク 2%
安定化剤(実施例1) 5%
調味料 3%
100%
鶏胸肉を−3℃にまで冷却して10mmプレートを用いてミンチした。ミンチの後、温度を0〜3℃とした。混合しながら水を加えた。以下の成分を含んだ鶏肉エマルションを混合しながら添加した。
【0056】
鶏皮 44%
水 44%
大豆分離物 11%
塩 1%
100%
実施例1の安定化剤を加えて完全に混合した。混合しながらラスクを加え、続いて調味料を加えた。乾燥した粉末の香味料が好ましい。使用時に組成物を基材中に存在する水に溶解させて、水性の安定化剤溶液をその場で形成した。
【0057】
混合物に真空を与えてその構造を固めた後、続いて鶏肉混合物を−3℃に冷却していくつかの形のある塊に成形した。
同様の手順を他の粉砕肉製品に用いた。大きめの小片状の芯を同様の方法で製造してもよい。
【0058】
実施例5 安定化剤組成物による鶏肉混合物の含浸
鶏胸肉(13mm) 79%
塩 1%
水 12%
安定化剤(実施例1) 5%
イヌリンおよび調味料 3%
100%
実施例6 安定化剤組成物による魚肉混合物の含浸
たらのフィレのブロック(部分解凍) 85.8%
塩 0.9%
水 4.6%
安定化剤((実施例1) 4.8%
魚肉結合剤 3.9%
100%
実施例7 バッターコーティング組成物
以下の成分を混合してバッターコーティング組成物を調製した。
【0059】
成分 %
大豆粉(Hisoy) 29.0
高アミラーゼデンプン(Hylon 7) 28.8
トウモロコシ粉 19.2
全卵(Henningsen W1) 14.0
モノステアリン酸グリセリル 02.0
D−キシロース 02.0
リン酸モノナトリウム 1.90
グアーガム 1.0
重炭酸アンモニウム 0.7
グルコノ−D−ラクトン 0.7
酸性ピロリン酸ナトリウム 0.4
増粘剤(Methocel A4M) 0.2
α−アミラーゼ 0.1
100%
溝付き粉砕ヘッドが装着されたガントリー上のシルバーソンDX高せん断ミキサーを用いて、バッターをバッチで混合することができる。直径68cmのバットの中で12.5kgの乾燥バッター粉末に対して水25kgの比で各バッチを混合した。その後、例えば水:粉末の比が2.4:1になるように必要に応じて混合物を希釈した。
【0060】
フルスケールの製造においては、ポンプによって連結された200Lのステンレス鋼容器2個および高せん断の溝付き粉砕ヘッドが装着された直列型のシルバーソンミキサーを用いて、水:粉末が2.4:1の比でバッターの成分を混合した。片方のタンクにはパドルを装着させて15〜20℃の水を満たした。乾燥した成分を水に加えてパドルの回転により湿らせた。第2のタンクには冷却ジャケットおよび第1の容器への戻しパイプを装着させた。機械的な熱伝達により温度が42℃に達するまで、高せん断ヘッドによりバッター混合物を循環させた。混合時間を短くするために最初の水温を上げてもよい。42℃になった時点で混合および酵素性分解を完了させた。バッターを第2の容器に移して冷却した。混合物を冷却するのに熱交換器を使用してもよい。冷却後、バッターを天ぷら用のバッター塗布器へポンプ輸送した。
【0061】
バッター混合物の粘度を3番のスピンドルを用いて60rpmで測定したところ、550〜650cPの範囲であった。このバッターは、ピックアップ速度がよく、また揚げた後にパリッとしたコーティングを与えることが分かった。
【0062】
実施例8 水性コーティング組成物
以下の混合物を調製した。
加工デンプン(Thermflo) 35%
増粘剤(Methocel A4M) 25%
キサンタンガム 25%
卵白 15%
100%
パドル撹拌を備えたCFSスキャンブラインミキサーを用いて、混合物を水に溶解して1%溶液を形成した。溶液を24時間放置して、完全に水和したゲルまたは粘稠な水溶液を形成した。
【0063】
内部で基材の小片を浸漬させる天ぷら用のバッター塗布器を用いて、含浸後の実施例4〜7の基材に水性コーティングを施した。
機械の運転にはポンプが必要であるが、しばらくして塗布器の中の溶液またはゲルに泡が形成される。この問題を回避するために、食品グレードの消泡剤を用いることができる。ポリジメチルシロキサンが好ましいが、アルギン酸カルシウム、メチルエチルセルロース、メチルフェニルポリシロキサン、またはポリエチレングリコールを用いることもできる。
【0064】
実施例9 パン粉の塗布
引用によりその開示内容が本願明細書に組み入れられる国際公開第2010/001101号に開示されるようにしてパン粉を調製した。
【0065】
実施例8に記載したように水性コーティングを塗布した後、パン粉塗布器であるCFSクラムマスターを用いて、ダストとも呼ばれるような細かいパン粉を1mm未満のメッシュサイズで塗布した。
【0066】
細かいパン粉をコーティングした含浸後の基材を、天ぷらバッター塗布器に入れた実施例7のバッターに通した。
第2のパン粉塗布器であるCFSクラムマスターにおいて、ローラーを用いて少し圧力をかけながら2mmのパン粉を塗布した。第3のパン粉塗布器であるCFSクラムマスターに小片を通し、ローラを用いて軽く圧力をかけて1mmのパン粉で隙間を埋めた。
【0067】
実施例10 揚げ工程および調理工程
実施例9のコーティング後の基材を、純粋で新鮮なナタネ油中で約180〜188℃で2分20秒間揚げた。揚げる時間は、小片の重さと大きさに応じて変えることができる。揚げた後、芯の温度は74〜85℃であった。基材からの水分の損失により重量のわずかな減少が認められたが、これは大抵の場合、油の取り込みにより埋め合わされる。