(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5739984
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】容量性タッチパネル及び該容量性タッチパネルにおける視認性を低減する方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20150604BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
G06F3/041 490
G06F3/041 422
G06F3/044 129
【請求項の数】22
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-510477(P2013-510477)
(86)(22)【出願日】2010年8月27日
(65)【公表番号】特表2013-526741(P2013-526741A)
(43)【公表日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】CN2010076401
(87)【国際公開番号】WO2011143861
(87)【国際公開日】20111124
【審査請求日】2013年1月16日
(31)【優先権主張番号】201010176328.0
(32)【優先日】2010年5月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512299015
【氏名又は名称】ティーピーケイ タッチ ソリューションズ(シアメン)インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】リー,ユーウェン
(72)【発明者】
【氏名】リン,チングシャン
【審査官】
田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−027391(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3134925(JP,U)
【文献】
特開2010−086684(JP,A)
【文献】
特開2006−344163(JP,A)
【文献】
特開2006−251237(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/108042(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01−048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量性タッチパネルであって、
実質的に透明な基板、
タッチ信号を検知するために前記実質的に透明な基板上に載せられ、前記実質的に透明基板上に載せられた、少なくとも1つの金属導体(222)と当該金属導体(222)によって接続された少なくとも2つの導体セルを含んでなる電極パターン、および
前記金属導体を覆う複数の低い反射性のストリップ(5a)を含む少なくとも1つの光吸収層
を備えてなる容量性タッチパネル。
【請求項2】
前記電極パターンは、第1の方向に配置された少なくとも1つの第1の電極、および第2の方向に配置された少なくとも1つの第2の電極を備え、前記第1の電極は前記第2の電極に直角で、かつ前記第2の電極から絶縁され、
前記第1の電極または前記第2の電極は、少なくとも2つの導体セルを備えてなる
請求項1に記載の容量性タッチパネル。
【請求項3】
前記第1の電極および前記第2の電極は同じ層に載せられ、かつ少なくとも1つの絶縁体によって絶縁され、及び前記絶縁体が対応する前記第1の電極と前記第2の電極の間で載せられてなる請求項2に記載の容量性タッチパネル。
【請求項4】
前記容量性タッチパネルは、さらに少なくとも1対のスルーホールをもつ絶縁層を備え、前記第1の電極および前記第2の電極の少なくとも2つ導体セルは、前記絶縁層の第1の表面に載せられ、前記金属導体は、第1の表面に対向する前記絶縁層の第2の表面に載せられ、前記金属導体の2つの端末が前記1対のスルーホールを貫通し、及び前記第1の電極によって分離された前記第2の電極の隣接した2つの導体セルを接続してなる請求項2に記載の容量性タッチパネル。
【請求項5】
前記絶縁層は透明な絶縁材料から製造されてなる請求項4に記載の容量性タッチパネル。
【請求項6】
前記導体セルは実質的に透明な導電性材料から製造されてなる請求項1に記載の容量性タッチパネル。
【請求項7】
前記透明な導電性材料は透明な酸化インジウムスズまたは透明な酸化アンチモンスズである請求項6に記載の容量性タッチパネル。
【請求項8】
前記容量性タッチパネルは、さらに前記タッチ信号を受け取り、処理するためのプロセッサを備え、前記電極パターンは少なくとも1つの金属トレースによって前記プロセッサに接続されてなる請求項1に記載の容量性タッチパネル。
【請求項9】
前記電極パターンは、少なくとも1つの第1の電極および少なくとも1つの第2の電極を備え、前記第1の電極は前記第2の電極に直角で、かつ前記第2の電極から絶縁され、前記第1の電極または前記第2の電極は少なくとも2つの導体セルを備える請求項8に記載の容量性タッチパネル。
【請求項10】
前記光吸収層が低い反射性の材料で覆うことにより形成されてなる請求項1に記載の容量性タッチパネル。
【請求項11】
前記低い反射性の材料は、窒化物、酸化物、窒化物と酸化物の混合物および深い色の紫外線感光性の有機材料から成る群から選択される請求項10に記載の容量性タッチパネル。
【請求項12】
前記容量性タッチパネルは、さらに保護層を備え、前記保護層が実質的に透明な基板上の保護層カバーおよび電極パターンを備えてなる請求項1に記載の容量性タッチパネル。
【請求項13】
実質的に透明な基板を備える容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法であって、前記方法が、
前記実質的に透明な基板上に、少なくとも1つの金属導体を備える電極パターンを貼る工程であって、前記電極パターンが少なくとも1つの金属導体(222)と、該金属導体(222)によって接続された少なくとも2つの導体セルを含んでなる電極パターンを貼る工程、と、
前記金属導体を覆う低い反射性の材料から製造された複数の低い反射性のストリップ(5a)を含む少なくとも1つの光吸収層を形成する工程
を含んでなる容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項14】
前記電極パターンは少なくとも2つの導体セルを備え、前記金属導体が前記2つの導体セルを接続してなる請求項13に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項15】
少なくとも1つの金属トレースが前記電極パターンとプロセッサを接続する請求項13に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項16】
前記低い反射性の材料は、窒化物、酸化物、窒化物と酸化物の混合物および深い色の紫外線感光性の有機材料から成る群から選択されてなる請求項13に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項17】
前記窒化物がクロミウム窒化物、窒化チタンおよびジルコニウム窒化物から成る群から選択されてなる請求項16に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項18】
前記酸化物が酸化クロム、酸化チタンまたは酸化ジルコニウムから成る群から選択されてなる請求項16に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項19】
前記深い色の紫外線感光性の有機材料が、灰色、茶色又は黒色のフォトレジスト材料から成る群から選択されてなる請求項16に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項20】
前記方法が、実質的に透明基板上で金属層を貼る工程、
金属層上の窒化物、酸化物または窒化物および酸化物の混合物から成る群から選択された低い反射性の材料から製造された低い反射性の材料層をコーティングする工程、
前記少なくとも1つの金属導体および前記光吸収層を形成するために前記金属層および前記低い反射性の材料層をエッチングする工程を含み、
前記光吸収層は、各金属導体上を覆う少なくとも1つ低い反射性のストリップを備えてなる請求項16に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項21】
前記方法が、
実質的に透明な基板上で金属層を貼る工程と、
前記金属層上に、深い色の紫外線感光性有機材料から製造された低い反射性の材料層を貼る工程と、
フォトリソグラフィーのプロセスによって、少なくとも1つの低い反射性のストリップを含む前記光吸収層に、低い反射性の材料層を暴露し、現像する工程と、
各金属導体を1つの低い反射性のストリップによって覆わせるために、前記少なくとも1つの金属導体中の金属層をエッチングするために、マスキング層として前記低い反射性のストリップを使用する工程
を含んでなる請求項16に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【請求項22】
前記実質的に透明な基板上に金属層を貼る工程と、
前記少なくとも1つの金属導体中の金属層にエッチングを施す工程と、
前記金属層上に深い色の紫外線感光性の有機材料から製造された低い反射性の材料層を貼る工程と、
前記金属導体上の少なくとも1つの低い反射性のストリップに低い反射性の材料層を製造するために、フォトリソグラフィーのプロセスによって、前記光吸収層中に低い反射性の材料層を暴露し、現像する工程を含んでなる請求項16に記載の容量性タッチパネルにおける金属導体の視認性を低減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に容量性タッチ技術に関し、より詳しくは、単一層透明導電構造と、容量性タッチパネルにおける、金属導体の視認性を減少させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容量性タッチパネルは、人体と感知電極の間の電流感知効果によって作用する。一般に、容量性タッチパネルは、実質的に透明な基板、電極パターンおよび保護層を含む。電極パターンは、タッチ・アクションを感知するため、及びそれに従ってタッチ信号を生成するため、実質的に透明な基板上に載せられる。ユーザーがタッチパネルにタッチすると、いくらかの電荷が取り除かれて電流信号を形成し、その後、電流信号は金属トレースによってプロセッサに送信される。プロセッサは、信号にしたがってよってタッチされている位置を決定する。
【0003】
容量性タッチパネルの電極パターンは、実質的に透明な導電層をコーティング、エッチングまたはプリンティングによって形成され得る。実質的に透明な導電層は、実質的に導電性の材料、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)またはアンチモン酸化スズ(ATO)から製造される。電極パターンは、いくつかの導体セルと、そのような導体セルのうちの2つが接続された導電体とを含む。従来の容量性タッチパネルは、電極パターンの構造にしたがって、単一層ITO構造または二重層ITO構造のいずれかになり得る。単一層ITO構造は1層の上に異なる軸の電極を有する構造である。二重層ITO構造は二層上に配された2つの異なる軸の電極を有する構造である。
【0004】
図1、
図2および
図3を参照すると、単一層ITO構造をもつ容量性タッチパネル(10)は、実質的に透明な基板(1)、電極パターン(2)、絶縁層(3)および保護層(4)を含んでいる。保護層(4)は容量性タッチパネル(10)の最外層で、電極パターン(2)上を覆う。電極パターン(2)は実質的に透明な基板(1)上に載せられ、少なくとも1つの第1の電極(21)、および実質的に透明な基板(1)の表面に配置された少なくとも1つの第2の電極(22)を少なくとも含んでいる。第1の電極(21)は第2の電極(22)に直角である。絶縁層(3)は少なくとも1つの絶縁体(31)を含んでいる。第1の電極(21)は絶縁体(31)によって第2の電極(22)から絶縁される。
【0005】
さらに、第1の電極(21)は、複数の第1の導体セル(211)および複数の第1導電体(212)を含んでいる。第1導電体(212)は、第1の電極(21)における隣接する2つの第1の導体セル(211)接続する。第2の電極(22)は、少なくとも1つの第2の導体セル(221)および少なくとも1つの第2導電体(222)を含んでいる。第2導電体(222)は、第2の電極(22)における隣接する第2の導体セル(221)と接続する。絶縁体(31)は、絶縁を提供するために、第1導電体(212)と対応する第2導電体(222)との間に配される。
【0006】
容量性タッチパネル(10)は、さらに、タッチ信号を受け取るため、および処理するためのプロセッサに(
図3に示されず)と、およびプロセッサにタッチ信号を搬送するための金属トレースとを含んでいる。第1の電極(21)はそれぞれ第1の金属トレース(23)を介してプロセッサに接続される。また、各第2の電極(22)は第2の金属トレース(24)を介してプロセッサに接続される。一般に、第1の金属トレース(23)および第2の金属トレース(24)は、金属導体から製造される。
【0007】
金属導体は、良好な導電性と安値を有しているので、実際の製造において第2導電体(222)は、通常、金属導体から製造される。しかしながら、金属導体は特定の幅を有するので、ユーザーは、常に実質的に透明な基板および透明電極パターンからなる、そのような透明な環境で金属導体を見ることができる。金属導体の視認性は望まれない。
【0008】
従来の技術において、金属導体の視認性の欠点を少なくする2つの方法が存在する。すなわち、(1)特定の値より小さい金属導体の幅により金属導体のサイズを少なくすること。この方法は製造上使用されるのが難しく、歩留を減少させる。更に、この方法は視認性の欠点を完全には解決することができない。(2) 金属導体を製造するために透明なITOを使用すること。電極層が同じ低い反射性の材料(ITO)を使用するので、製品は良好な外観を形成することができる。しかしながら、この方法は高コストの材料(ITO)を使用し、そして実際の製造において、この方法は、ITOコーティングのプロセス、フォトリソグラフィー暴露および現像のプロセス、および膜のエッチングと剥離プロセスを加える必要があり、したがって、製造コストが増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、金属導体および良好な光学性能の、低い視認性をもつ容量性タッチパネルを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、金属導体の視程を少なくする方法を提供することであり、製品の外観を改善し、コストを低減し、及び歩留まりを維持することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一態様において、容量性タッチパネルは、透明基板と、タッチ信号を検知するための電極パターンを含んでいる。電極パターンは、透明基板上に載せられた少なくとも1つの金属導体を含んでいる。容量性タッチパネルは、また対応する金属導体の各々に載せられた光吸収層を含んでいる。
【0012】
さらに、電極パターンは、少なくとも1つの第1の電極および少なくとも1つの第2の電極を含んでおり、第1の電極は第2の電極に直角であり、かつ、第1の電極は2の電極から絶縁され、第1の電極または第2の電極は、少なくとも2つの導体セルを含み、金属導体は2つの導体セルと接続する。
【0013】
さらに、光吸収層の反射率は、80%未満である。また、光吸収層は低い反射性の材料で覆うことにより形成される。低い反射性の材料は、窒化物、酸化物、窒化物と酸化物の混合物または深い色の紫外線(UV)感光性有機材料である。窒化物は、クロミウム窒化物(CrN)、窒化チタン(TiN)またはジルコニウム窒化物(ZrN)などの金属窒化物である。酸化物は、酸化クロム(CrO)、酸化チタン(TiO)または酸化ジルコニウム(ZrO)などの金属酸化物である。深い色のUV感光性有機材料は灰色か、茶色か、黒色のフォトレジスト材料である。
【0014】
他の態様において、金属導体の視認性を少なくする方法は、金属導体を有する容量性タッチパネルにおいて使用され、当該容量性タッチパネルは透明基板を含んでいる。この方法は、次の工程を含んでいる。すなわち、当該方法は、
(a)透明基板上で電極パターンを貼る工程であって、前記電極パターンが少なくとも1つの金属導体を含んでなる工程と、
(b)前記金属導体上を低い反射性の材料で光吸収層を覆う工程
を含む。
【0015】
さらに、低い反射性の材料は、窒化物、酸化物、窒化物と酸化物の混合物または深い色の紫外線(UV)感光性有機材料である。窒化物は、クロミウム窒化物(CrN)、窒化チタン(TiN)またはジルコニウム窒化物(ZrN)などの金属窒化物である。酸化物は、酸化クロム(CrO)、酸化チタン(TiO)または酸化ジルコニウム(ZrO)などの金属酸化物である。深い色のUV感光性有機材料は灰色か、茶色か、黒色のフォトレジスト材料である。
【0016】
本発明は、金属導体の視認性を少なくするように、金属導体から光の反射を少なくするために金属導体上に黒または暗い低反射層をコーティングする方法を提供する。金属導体の幅を少なくする必要はなく、製造プロセスにおいて高い歩留まり率を達成することは容易である。加えて、金属導体の代わりにITOを使用する従来の方法と比較して、本発明は、ITOコーティングプロセス、および膜をエッチングし、剥離するプロセスを省くことができる。したがって、製造プロセスは低減されることができ、かつコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、従来の容量性タッチパネルの横断面図を示す。
【
図3】
図3は、従来の容量性タッチパネルの平面図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による赤外線検出器タッチパネルの横断面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態による赤外線検出器タッチパネルの平面図を示す。
【
図7】
図7は、複数の第1の導体セル、複数の第1導電体および透明基板の表面上の複数の第2の導体セルを配置する平面図を示す。
【
図8】
図8は、第1導電体の表面上の複数の絶縁体を配置する平面図を示す。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態による赤外線検出器タッチパネルの平面図を示す。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態による赤外線検出器タッチパネルの横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の詳細な記載が、以下の実施形態において説明される。本発明の範囲を限定するようには意図されないが、他の適用にもなお適合され得る。図面は詳細に例証されているが、開示された要素の量が、明らかに制限する量を備えたそれらの要素を除いて、開示されたものを超えるか、あるいは、それ未満であり得る。
【0019】
図4、
図5および
図6を参照すると、本発明の第1の実施形態による容量性タッチパネル(10)は、実質的に透明な基板(1)、電極パターン(2)、絶縁層(3)および保護層(4)を含んでいる。電極パターン(2)はタッチ信号の検知のために実質的に透明基板(1)に載せられ、電極パターン(2)は複数の第1の電極(21)および複数の第2の電極(22)を含んでいる。第1の電極(21)は第1の方向に配置され、第2の電極(22)は第2の方向に配置される。第1の電極(21)の各々は第2の電極(22)に直角である。また、第1の電極(21)および第2の電極(22)は実質的に透明な基板(1)の1つの表面に載せられる。絶縁層(3)は複数の絶縁体(31)を含んでいる。第1の電極(21)の各々は絶縁体(31)のうちの1つによって第2の電極(22)から絶縁される。保護層(4)は容量性タッチパネル(10)の最外層に載せられ、電極パターン(2)を覆う。保護層(4)は、透明な有機ポリマーから通常製造される。
【0020】
さらに、第1の電極(21)の各々は複数の第1の導体セル(211)および複数の第1導電体(212)を含んでおり、第1導電体(212)の各々は、一つの第1の電極(21)における2つの隣接する第1の導体セル(211)と接続する。第2の電極(22)の各々は複数の第2の導体セル(221)および複数の第2導電体(222)を含んでおり、第2導電体(222)の各々は、一つの第2の電極(22)における隣接する2つの第2の導体セル(221)と接続する。絶縁体(31)の各々は、それらを絶縁するために第1導電体(212)と第2導電体(222)の間で配置される。
【0021】
さらに、第2導電体(222)の各々は金属導体から製造される。光吸収層(5)は第2導電体(222)の表面上でコーティングされ。
図4と
図5を参照すると、光吸収層(5)は複数の低い反射性のストリップ(5a)を含んでおり、第2導電体(222)のおのおのを覆っている。光吸収層(5)は、光の反射率を低減することができる。また、反射率は80%未満であり、したがって、第2導電体(222)の視認性が低減される。
【0022】
光吸収層(5)は低い反射性材料でコーティングすることにより形成される。低い反射性材料は、窒化物、酸化物、窒化物と酸化物の混合物または深い色のUV感光性有機材料である。窒化物は、クロミウム窒化物(CrN)、窒化チタン(TiN)またはジルコニウム窒化物(ZrN)などの金属窒化物である。酸化物は、酸化クロム(CrO)、酸化チタン(TiO)または酸化ジルコニウム(ZrO)などの金属酸化物である。深色のUVの感光性の有機材料は灰色か、茶色か、黒いフォトレジスト材料である
【0023】
さらに、第1の導体セル(211)、第2の導体セル(221)および第1導電体(212)は、実質的に透明な導電性材料から製造される。透明な導電性材料は、透明な酸化インジウムスズ(ITO)または透明な酸化アンチモンスズ(ATO)のような透明な導電性酸化物である。絶縁体(31)は透明な絶縁材料(SiO
2など)から製造される。
【0024】
容量性タッチパネル(10)は、タッチ信号を受け取るため、および処理するためにさらにプロセッサ(
図6で示されない)を含んでいる。第1の電極(21)の各々はプロセッサに一つの第1の金属トレース(23)によって接続され、第2の電極(22)の各々はプロセッサに一つの第2の金属トレース(24)によって接続される。一般に、第1の金属トレース(23)および第2の金属トレース(24)は、金属導体である。
【0025】
視界不良金属導体を備えた容量性タッチパネルを生産する方法は、同様に提供される。
【0026】
工程S110は、
図7を参照すると、透明な導電性材料でコーティングし、エッチングして、複数の分離された第1の導体セル(211)、複数の分離された第2の導体セル(221)、及び複数の第1導電体(212)を形成し、複数の分離された第1の導体セル(211)、複数の分離された第2の導体セル(221)、及び複数の第1導電体(212)は、一つの第1の電極(21)における隣接する第1の導体セル(211)に接続される。
【0027】
工程S120は、
図8を参照すると、透明な絶縁材料を貼り、第1導電体(212)の表面に複数の絶縁体(31)を形成する。
【0028】
工程S130は、絶縁体(31)の表面上に複数の第2導電体(222)を貼り、第2導電体(222)の各々は、一つの第2の電極(22)における隣接する2つの第2の導体セル(221と接続し、第2導電体(222)は金属導体から製造される。そして、その後、第2導電体(222)上に光吸収層(5)を貼る。工程S130において形成された構造は、
図6で示される。工程S130において、第2導電体(222)を貼る異なる方法がある。
【0029】
(1)実質的に透明な基板(1)上に金属層を貼った後に、金属層に窒化物、酸化物または化物と酸化物の混合物から製造される低い反射性の材料層を覆い、ついで、金属層と低い反射する材料層をエッチングして、第2導電体(222)および光吸収層(5)を形成する。光吸収層(5)は、第2導電体(222)のおのおのを覆う複数の低い反射性のストリップ(5a)を含んでおり、低い反射性のストリップ(5a)は第2導電体(222)と同じ構造を有している。
【0030】
(2)実質的に透明な基板(1)上に金属層を貼った後に金属層上に深い色のUV感光性有機材料から製造された低い反射性の材料層を貼る。ついで、フォトリソグラフィーのプロセスによって光吸収層(5)内に低い反射性の材料層を暴露し、現像する。光吸収層(5)は複数の低い反射性のストリップ(5a)を含んでいる。ついでマスキング層として低い反射性のストリップ(5a)を使用して、第2導電体(222)中の金属層をエッチングする。したがって、低い反射性のストリップ(5a)は、第2導電体(222)と同じ構造を有している。
【0031】
(3)実質的に透明な基板(1)上に金属層を貼った後に、第2導電体(222)中の金属層をエッチングする。ついで、金属層上に深い色のUV感光性有機材料から製造された低い反射性の材料層を貼る。然る後、フォトリソグラフィーのプロセスによって光吸収層(5)に低い反射性の材料層を暴露し、現像する。光吸収層(5)は第2導電体(222)上を覆う複数の低い反射性のストリップ(5a)を含んでおり、低い反射性のストリップ(5a)は、第2導電体(222)と同じ構造を有している。
【0032】
工程S140は、実質的に透明な基板(1)に電極パターン(2)が貼られた基板(1)上に保護層(4)を貼る。保護層(4)は透明な有機ポリマー材料から製造される。
【0033】
第1の電極(21)および第2の電極(22)の量は、容量性タッチパネルの解像度によって調節される。工程S110およびS130は交換することができ、それは、これらの工程の順序がS130‐S120‐S110‐S140であり得ることを意味する。
【0034】
同様に、それは、第1の金属トレース(23)および第2の金属トレース(24)上に光吸収層(5)をコーティングすることができ、金属トレースの視認性を低減させる。
【0035】
図9及び
図10を参照すると、本発明の第2の実施形態による容量性タッチパネル(10)は、実質的に透明な基板(1)、電極パターン(2)、絶縁層(3)および保護層(4)を含んでいる。電極パターン(2)は実質的に透明な基板(1)に載せられ、電極パターン(2)は複数の第1の電極(21)および複数の第2の電極(22)を含んでいる。第1の電極(21)の各々は第2の電極(22)に直角である。また、第1の電極(21)および第2の電極(22)は実質的に透明な基板(1)の1つの表面に載せられる。第1の電極(21)の各々は複数の第1の導体セル(211)および複数の第1導電体(212)を含んでおり、第1導電体(212)の各々は一つの第1の電極(21)に隣接する2つの第1の導体セル(211)と接続する。第2の電極(22)の各々は複数の第2の導体セル(221)および複数の第2導電体(222)を含んでいる。絶縁層(3)は少なくとも1対をスルーホール(32)を定義しており、絶縁層(3)の第1の表面は第1の電極(21)に近接し、第2導電体(222)は、第1の表面に対向する第2の表面上に配され、第2導電体のそれぞれの2つの端末は1対のスルーホール(32)を貫通して1つの第2の電極(22)における2つの隣接する第2の導体セル(221)と接続する。保護層(4)は容量性タッチパネル(10)の最外層に載せられ、実質的に透明な基板(1)および電極パターン(2)上を覆う。保護層4は、通常、有機ポリマーから製造れる。
【0036】
さらに、第2導電体(222)の各々は金属導体から製造され、光吸収層(5)は第2導電体(222)の表面上でコーティングされる。
図4と
図5を参照すると、光吸収層(5)は複数の低い反射性のストリップ(5a)を含んでおり、第2導電体(222)のそれぞれを覆う。光吸収層(5)は、光の反射率を低減することができ、反射率は80%未満で、金属導体の視認性は、従って低減される。同様に、実質的に透明な基板(1)、電極パターン(2)、絶縁層(3)および保護層(4)は、本発明の第1の実施形態と同じ材料を使用する。
【0037】
容量性タッチパネル(10)は、さらに感知信号を受け取り、処理するためのプロセッサを含んでいる。プロセッサは、金属トレースによって導体セルと接続される。第1の電極(21)の各々は一つの第1の金属トレース(23)によってプロセッサに接続される。第2の電極(22)の各々は、一つの第2の金属トレース(24)によってプロセッサに接続される。一般に、第1の金属トレース(23)および第2の金属トレース(24)は、金属導体から通常製造される。
【0038】
本発明の第2の実施形態における容量性タッチパネルを製造する方法は第1の実施形態に類似しており、これらの差異は絶縁体層を配置する方法のみである。
【0039】
光吸収層(5)は、光の反射率低減するため、かつ金属導体の視認性を低減するために金属導体(例えば、第2導電体(222)、第1の金属トレース(23)または第2の金属トレース(24))上を覆うことができる。
【0040】
本発明は構造的特徴及び/又は方法的行為に特有の文言で記載されているが、添付の特許請求の範囲で定義された本発明が、記載された特定の特徴又は行為に必ずしも限定されないことは理解されるべきである。むしろ、特定の特徴及び行為は、請求された発明を実施する例示的な形態として開示されている。
【符号の説明】
【0041】
10 容量性タッチパネル
1 実質的に透明な基板
2 電極パターン
21 第1の電極
22 第2の電極
211 第1の導体セル
212 第1導電体
221 第2の導体セル
222 第2導電体
23 第1の金属トレース
24 第2の金属トレース
3 絶縁層
31 絶縁体
32 スルーホール
4 保護層
5 光吸収層
5a 低い反射性ストリップ