特許第5740105号(P5740105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5740105通信システムのアプリケーション監視方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740105
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】通信システムのアプリケーション監視方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
   H04L12/28 200M
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2010-147972(P2010-147972)
(22)【出願日】2010年6月29日
(65)【公開番号】特開2012-15629(P2012-15629A)
(43)【公開日】2012年1月19日
【審査請求日】2013年4月1日
【審判番号】不服2014-10736(P2014-10736/J1)
【審判請求日】2014年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000221096
【氏名又は名称】東芝システムテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100516
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 惠
(72)【発明者】
【氏名】輿石 欣吾
(72)【発明者】
【氏名】渡部 恭正
(72)【発明者】
【氏名】小林 啓一
(72)【発明者】
【氏名】田村 節生
(72)【発明者】
【氏名】東海林 学
【合議体】
【審判長】 田中 庸介
【審判官】 山澤 宏
【審判官】 山中 実
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−322371(JP,A)
【文献】 特開2002−26948(JP,A)
【文献】 特開平3−58644(JP,A)
【文献】 特開2001−202305(JP,A)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送系を介してIEC61850プロトコルを実装するサーバ側通信装置及びクライアント側通信装置が接続された通信システムにおいて、IEC61850プロトコルの規格に定義されている要求・応答処理を用いて前記クライアント側通信装置から所定のタイミングでサーバ側通信装置に対して前記クライアント側通信装置側で収集・生成したデータであるイベント情報を送信し、前記サーバ側通信装置は前記クライアント側通信装置からの前記イベント情報の受信を基にして、一定時間以内に前記イベント情報の受信が確認された場合には、通信相手の前記クライアント側通信装置との伝送系およびアプリケーションが正常と判断して監視モジュールのタイマを更新し、一定時間以内に前記イベント情報の受信が確認できずに監視モジュールのタイマの許容値を超えた場合には、前記クライアント側通信装置との伝送系またはアプリケーションは異常と判断することを特徴とする通信システムのアプリケーション監視方法。
【請求項2】
伝送系を介してIEC61850プロトコルを実装するサーバ側通信装置及びクライアント側通信装置が接続された通信システムにおいて、IEC61850プロトコルの規格に定義されている要求・応答処理を用いて前記クライアント側通信装置から所定のタイミングでサーバ側通信装置に対して前記クライアント側通信装置側で収集・生成したデータであるイベント情報を送信し、前記サーバ側通信装置は前記クライアント側通信装置からの前記イベント情報の受信を基にして、一定時間以内に前記イベント情報の受信が確認された場合には、通信相手の前記クライアント側通信装置との伝送系およびアプリケーションが正常と判断して監視モジュールのタイマを更新し、一定時間以内に前記イベント情報受信が確認できずに監視モジュールのタイマの許容値を超えた場合には、前記サーバ側通信装置から前記クライアント側通信装置に対してリクエストを送信し、前記サーバ側通信装置はその送信に対するクライアント側通信装置からのレスポンス受信を基にして、一定時間以内にレスポンスの受信が確認された場合には、通信相手のクライアント側通信装置との伝送系および対象アプリケーションが正常と判断して監視モジュールのタイマを更新し、一定時間以内にレスポンスの受信が確認できずに監視モジュールのタイマの許容値を超えた場合には、前記クライアント側通信装置との伝送系またはアプリケーションは異常と判断することを特徴とする通信システムのアプリケーション監視方法。
【請求項3】
伝送系を介してIEC61850プロトコルを実装するサーバ側通信装置及びクライアント側通信装置が接続された通信システムにおいて、IEC61850プロトコルの規格に定義されている要求・応答処理を用いて前記クライアント側通信装置から所定のタイミングでサーバ側通信装置に対して前記クライアント側通信装置側で収集・生成したデータであるイベント情報を送信し、前記サーバ側通信装置は前記クライアント側通信装置からの前記イベント情報の受信を基にして、一定時間以内に前記イベント情報の受信が確認された場合には、通信相手の前記クライアント側通信装置との伝送系およびアプリケーションが正常と判断して監視モジュールのタイマを更新し、一定時間以内にイベント情報受信が確認できずに監視モジュールのタイマの許容値を超えた場合には、HMI装置にその旨を通知し、前記HMI装置からの指示により前記サーバ側通信装置から前記クライアント側通信装置に対してリクエストが送信されたときは、前記サーバ側通信装置はその送信に対するクライアント側通信装置からのレスポンス受信を基にして、一定時間以内にレスポンスの受信が確認された場合には、通信相手のクライアント側通信装置との伝送系および対象アプリケーションが正常と判断して監視モジュールのタイマを更新し、一定時間以内にレスポンスの受信が確認できずに監視モジュールのタイマの許容値を超えた場合には、前記クライアント側通信装置との伝送系またはアプリケーションは異常と判断することを特徴とする通信システムのアプリケーション監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送系を介してIEC61850プロトコルを実装するサーバ側通信装置及びクライアント側通信装置が接続された通信システムのアプリケーション監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の通信プロトコルの業界標準化の流れに伴い、例えば、変電所システム等における監視制御システムの構築においても、多くのケースでその通信路に国際標準規格のプロトコル(IEC61850)を導入する方向にあり、通信システム全体の標準化・オープン化が進められている。
【0003】
この規格IEC61850を用いたプロトコル導入の結果、異なる製造メーカの通信装置を組合せて通信システムを構築することが容易となり、システム全体として任意の製造メーカの通信装置を繋ぐ伝送系を含め、各々のアプリケーションが正常に動作しているかどうかを効率的に検出する機能が必要とされている。
【0004】
従来のアプリケーションの監視方法では、お互いの装置が通信を送受信するために用いるプロトコル種別(TCP、UDP、HTTPなど)、送信のタイミング、及び使用するポート番号などの通信ルールを取り決めた上でハローコール等の通信方式を採用しアプリケーションの異常の検出を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−322371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のTCP/IPプロトコルを用いた通信環境における伝送系を含めたアプリケーションの監視方式では、製造メーカが異なる装置間においてハローコールを実施する場合には、互いにデータの送受信を可能とするための専用データを用意する必要があった。
【0007】
図16は、従来のTCP/IPプロトコルに依存したアプリケーションと通信プロトコルとの階層関係の説明図である。図16に示すように、製造メーカが異なる通信装置11a、11b間において、ハローコールを実施する場合には、お互いの通信装置11a、11bのアプリケーション12a、12bが通信を行うために用いる通信プロトコルスタック13a、13bを公開した上で、データを分割して送受信する際に用いるパケットの種別やその並びの順番、及びパケットの長さといった専用の構造を持つ専用データ14a、14bを用意する必要があった。このことから、異なる製造メーカ間において伝送系を含めたアプリケーション12a、12bの監視を実施するためには、多くのコストを要するため事実上実現は困難であった。
【0008】
また、サーバ/クライアント間の伝送系を含めたアプリケーション12の監視においては、サーバからクライアントに対して定期的及び任意のタイミングで互いにリクエスト及びレスポンスを取り交わし、相手からの信号が一定期間確認されない場合には相手側のアプリケーション異常と判断していた。
【0009】
しかし、サーバに接続されるクライアント側の通信装置の台数が増加するに従って、サーバ側の負荷も増加し、また通信によるネットワークトラフィックへの負荷も増大するため、接続するクライアント側通信装置の台数がサーバ側の送信処理能力を超える場合には、この手段を使用することは困難であった。
【0010】
本発明の目的は、アプリケーション監視のために専用のプロトコルを用意することなく、異なる製造メーカの通信装置間での伝送系を含めたアプリケーションの異常を検出できる通信システムのアプリケーション監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る通信システムのアプリケーション監視方法は、伝送系を介してIEC61850プロトコルを実装するサーバ側通信装置及びクライアント側通信装置が接続された通信システムにおいて、IEC61850プロトコルの規格に定義されている要求・応答処理を用いて前記クライアント側通信装置から所定のタイミングでサーバ側通信装置に対して前記クライアント側通信装置側で収集・生成したデータであるイベント情報を送信し、前記サーバ側通信装置は前記クライアント側通信装置からの前記イベント情報の受信を基にして、一定時間以内に前記イベント情報の受信が確認された場合には、通信相手の前記クライアント側通信装置との伝送系およびアプリケーションが正常と判断して監視モジュールのタイマを更新し、一定時間以内に前記イベント情報の受信が確認できずに監視モジュールのタイマの許容値を超えた場合には、前記クライアント側通信装置との伝送系またはアプリケーションは異常と判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アプリケーション監視のために専用のプロトコルを用意することなく、異なる製造メーカの通信装置間での伝送系を含めたアプリケーションの異常を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態におけるIEC61850プロトコルを利用したアプリケーションと通信プロトコルとの階層関係の説明図。
図2】本発明が適用される通信システムのサーバ/クライアント側通信装置の一例を示す構成図。
図3】本発明の第1の実施の形態におけるサーバ側通信装置のブロック図。
図4】本発明の第1の実施の形態におけるサーバ側通信装置とクライアント側通信装置との通信動作の説明図。
図5】本発明の第1の実施の形態における監視モジュールの処理内容を示すフローチャート。
図6】本発明の第1の実施の形態におけるサーバ側通信装置とクライアント側通信装置との通信異常監視の処理内容を示すフローチャート。
図7】本発明の第2の実施の形態におけるサーバ側通信装置のブロック図。
図8】本発明の第2の実施の形態におけるサーバ側通信装置とクライアント側通信装置との通信動作の説明図。
図9】本発明の第2の実施の形態におけるサーバ側通信装置とクライアント側通信装置との通信異常監視の処理内容を示すフローチャート。
図10】本発明の第3の実施の形態におけるサーバ側通信装置のブロック図。
図11】本発明の第3の実施の形態におけるサーバ側通信装置とクライアント側通信装置との通信動作の説明図。
図12】本発明の第3の実施の形態におけるサーバ側通信装置とクライアント側通信装置との通信異常監視の処理内容を示すフローチャート。
図13】本発明の第4の実施の形態におけるサーバ側通信装置のブロック図。
図14】本発明の第4の実施の形態におけるサーバ側通信装置とクライアント側通信装置18通信動作の説明図。
図15】本発明の第4の実施の形態におけるサーバ側通信装置とクライアント側通信装置との通信異常監視の処理内容を示すフローチャート。
図16】従来のTCP/IPプロトコルに依存したアプリケーションと通信プロトコルとの階層関係の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態におけるIEC61850プロトコルを利用したアプリケーションと通信プロトコルとの階層関係の説明図である。
【0015】
製造メーカが異なる通信装置11a、11b間において、お互いの通信装置11a、11bのアプリケーション12a、12bが通信を行うために用いる通信プロトコルスタック13a、13bの上位層に、IEC61850プロトコル15a、15bを用いる。
【0016】
すなわち、IEC61850プロトコル15a、15bは、TCP/IPの上位層に位置するアプリケーションレベルで通信をやり取りするプロトコルであることから、通信方式公開の必要がなくなる。このため、IEC61850プロトコルを用いることで任意の製造メーカ装置のクライアント/サーバ間でリクエスト及びレスポンスを容易に取り交わすことが可能となる。
【0017】
なお、IEC61850プロトコルにはハローコールに代替する通信規格が用意されていないため、IEC61850プロトコルの規格に定義されている要求・応答処理を利用してハローコールに代替する通信とする。これにより、任意の製造メーカの通信装置間の伝送系を含めたアプリケーション12の異常を検出することができる。すなわち、本発明の実施の形態では、IEC61850プロトコルの規定で全ての装置が必ず実装すべきと定義されているデータ(例えばLLN0)を、同じく規定で定義されているサービス(例えば(GetDataValues)を使ってハローコール相当の通信を実現するものである。
【0018】
図2は、本発明が適用される通信システムのサーバ/クライアント側通信装置の一例を示す構成図である。本発明が適用される通信システムは、伝送系16には、IEC61850プロトコルを実装するサーバ側通信装置17及びクライアント側通信装置18が接続され、また、HMI(Human Machine Interface)装置19も接続されている。HMI装置19は、操作者が各種制御処理を操作可能なインタフェース装置である。
【0019】
クライアント側通信装置18では、BCU(Bay Control Unit)やRelayから収集・生成したデータ(計測値、イベント情報など)を、伝送系16を介してサーバ側通信装置17に送信する。HMI装置19では、サーバ側通信装置17に保存されている各種情報を表示すると共に、オペレータの操作によりサーバ側通信装置17を介して、クライアント側通信装置18に対し各種制御信号を送信することが可能である。
【0020】
また、サーバ側通信装置17から伝送系16を介してクライアント側通信装置18に対するIEC61850プロトコルを用いたリクエスト送信を行うとともに、そのリクエスト送信に対するクライアント側通信装置18からのIEC61850プロトコルを用いたレスポンス受信を行う。サーバ側通信装置17は、リクエスト送信に対するレスポンス受信を基にして、一定時間以内にレスポンスの受信が確認された場合には、通信相手との伝送系16及び対象アプリケーションが正常と判断する。一方、一定時間内にレスポンスの受信が確認されない場合には、通信相手との伝送系16または対象アプリケーションは異常と判断する。
【0021】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるサーバ側通信装置17のブロック図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるサーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信動作の説明図である。サーバ側通信装置17は、クライアント側通信装置18に対応して監視モジュール20を有し、監視モジュール20はタイマ21を有している。監視モジュール20からクライアント側通信装置18に対してIEC61850プロトコルを用いたリクエストAが送信され、そのリクエストAに対するクライアント側通信装置18からIEC61850プロトコルを用いたレスポンスBが返送される。監視モジュール20はこのレスポンスBを受信して、タイマ21に設定された一定時間T0以内の時間T1にレスポンスBの受信が確認された場合には、通信相手との伝送系及び対象アプリケーションが正常と判断し、タイマ21を更新し、次のタイミングでのリクエストAに備える。
【0022】
一方、一定時間T0以内にレスポンスBの受信が確認できずに、タイマ21を更新してから一定時間T0より長い時間T2でレスポンスBを受信したとき、つまり、レスポンスBの受信時間T2が監視モジュール20のタイマ21の許容値T0を超えた場合には、通信相手との伝送系16または対象アプリケーションの異常と判断する。
【0023】
次に、本発明の実施の形態の通常時の動作を説明する。サーバ側通信装置17は、伝送系16を介しクライアント側通信装置18に対してIEC61850プロトコルを用いたリクエストAを所定のタイミングで送信する。このリクエストAの送信と同時に、サーバ側通信装置17は、自身が持つ監視モジュール20のタイマ21をスタートさせる。このタイマ21はクライアント側通信装置18のそれぞれ固有の値として区別して管理されているものとする。
【0024】
クライアント側通信装置18はこのリクエストAを受信し、このリクエストAに対するIEC61850プロトコルを用いたレスポンスBをサーバ側通信装置17に対して送信する。各クライアント側通信装置18から送信されたこのレスポンスBをサーバ側通信装置17が自身の監視モジュール20にてそれぞれ管理されているタイマ許容値T0以内に受信した場合には、クライアント側通信装置18との伝送系16及び対象アプリケーションが正常に動作していると判断する。もしも、サーバ側通信装置17が当該レスポンスBの受信を確認するまでに、自身の監視モジュール20のタイマ許容値T0を超えた場合には、タイマ値を超えた対象クライアント側通信装置18との伝送系16または対象アプリケーションは異常な動作をしていると判断する。
【0025】
図5は本発明の第1の実施の形態における監視モジュール20の処理内容を示すフローチャートである。まず、監視モジュール20のタイマ21に監視対象のクライアント側通信装置18に合わせた許容時間T0を設定する(S1)。許容時間T0は監視対象のクライアント側通信装置18毎に異なった値を設定できる。そして、監視モジュール20のタイマ21のカウントダウンを開始する(S2)。監視モジュール20のタイマ21の許容時間T0に達したか否かを判定し(S3)、許容時間T0に達していないときは、監視対象のクライアント側通信装置18から正常信号(レスポンス)を受信したか否かを判定する(S4)。正常信号(レスポンス)を受信していないときは、所定時間遅延後にステップS3に戻る(S5)。ステップS4の判定で正常信号(レスポンス)を受信したとき、つまり、許容時間T0内にクライアント側通信装置18からレスポンスを受信したときは、戻り値に“OK”をセットし最初に戻る(S6)。一方、ステップS3の判定で、監視モジュール20のタイマ21の許容時間T0に達したときは戻り値に“NG”をセットし最初に戻る(S7)。
【0026】
図6は本発明の第1の実施の形態におけるサーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信異常監視の処理内容を示すフローチャートである。図6に示すように、サーバ側通信装置17は対象のクライアント側通信装置18にリクエストAを送信する(S1)。そして、図5に示した監視モジュール処理を行う(S2)。そして、監視モジュール処理の戻り値が“OK”かどうかを判定し(S3)、監視モジュール処理の戻り値が“OK”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは正常に動作していると判断する(S4)。一方、ステップS3の判定で監視モジュール処理の戻り値が“NG”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは異常と判断する(S5)。
【0027】
第1の実施の形態によれば、IEC61850プロトコルを用いたリクエスト・レスポンスのやり取りを実施するので、アプリケーション監視のために専用のプロトコルを用意する必要がなくなり、任意の製造メーカ装置間でリクエスト及びレスポンスを容易に取り交わすことができる。従って、任意の製造メーカ装置間での伝送系を含めた対象アプリケーション異常の検出ができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7は本発明の第2の実施の形態におけるサーバ側通信装置17のブロック図、図8は本発明の第2の実施の形態におけるサーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信動作の説明図である。この第2の実施の形態は、図3に示した第1の実施の形態に対し、サーバ側通信装置17からリクエストAを相手のクライアント側通信装置18に送信してレスポンスBを受信することに代えて、相手クライアント側通信装置18から所定のタイミングで送信されてくるイベント情報Cの受信を基にして、サーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信異常の監視を行うようにしたものである。図3と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0029】
サーバ側通信装置17は、リクエストAを相手に送信すること無しに相手から所定のタイミングで送信されてくるイベント情報Cの受信を基にして、イベント情報Cの受信までの時間T1’がタイマ21に設定した一定時間T0’内であるとき、すなわち、タイマ21をカウント開始してから一定時間T0’内にイベント情報Cの受信が確認された場合には、通信相手であるクライアント側通信装置18との伝送系16及び対象のアプリケーションが正常と判断して監視モジュール20のタイマ21を更新し、次のタイミングでのイベント情報Cに備える。
【0030】
一方、タイマ21をカウント開始してから一定時間T0’内にイベント情報Cの受信が確認された場合には、例えば、タイマ21をカウント開始してから一定時間T0’より長い時間T2’でイベント情報Cを受信した場合や、イベント情報Cを受信できない場合には、通信相手との伝送系16または対象アプリケーションの異常と判断する。
【0031】
次に、まず、本発明の第2の実施の形態の通常時の動作を説明する。クライアント側通信装置18は、伝送系16を介しサーバ側通信装置17に対して、IEC61850プロトコルを用いたイベント情報Cを、各々のサーバ側通信装置17が所定のタイミングで送信する。サーバ側通信装置17は、各クライアント側通信装置18から送信されてくる当該イベント情報Cの受信間隔をクライアント側通信装置18のそれぞれ固有の値として区別して管理しており、タイマ許容値T0’以内にイベント情報Cを受信した場合に、対象クライアント側通信装置18との伝送系16及び対象アプリケーションは正常に動作していると判断する。
【0032】
もしも、サーバ側通信装置17が当該イベント情報Cの受信を確認するまでに、自身の監視モジュール20のタイマ許容値T0’を超えた場合には、タイマ値を超えた対象クライアント側通信装置18との伝送系16または対象アプリケーションは異常な動作をしていると判断する。
【0033】
図9は本発明の第2の実施の形態におけるサーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信異常監視の処理内容を示すフローチャートである。図9に示すように、サーバ側通信装置17はイベント情報Cによる監視モジュール処理を行う(S1)。すなわち、対象のクライアント側通信装置18から所定時間T0’内にイベント情報を受信したときは監視モジュール処理の戻り値“OK”を出力し、対象のクライアント側通信装置18から所定時間T0’内にイベント情報を受信しないときは監視モジュール処理の戻り値“NG”を出力する。
【0034】
そして、監視モジュール処理の戻り値が“OK”かどうかを判定し(S2)、監視モジュール処理の戻り値が“OK”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは正常に動作していると判断する(S3)。一方、ステップS3の判定で監視モジュール処理の戻り値が“NG”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは異常と判断する(S4)。
【0035】
第2の実施の形態によれば、サーバ側通信装置から対象クライアント側通信装置へリクエスト要求を送信しなくても、アプリケーションの状態を判断可能となるので、サーバ側通信装置の負荷及びネットワークトラフィックへの負荷を軽減できる。また、クライアント側通信装置の台数がサーバ側通信装置の送信処理能力を超えるケースでもクライアント側との伝送系を含めた対象アプリケーションの状態を判断できる。
【0036】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10は本発明の第3の実施の形態におけるサーバ側通信装置17のブロック図、図11は本発明の第3の実施の形態におけるサーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信動作の説明図である。この第3の実施の形態は、図3に示した第1の実施の形態に対し、図7の第2の実施の形態のイベント情報による監視を加えたものである。すなわち、相手クライアント側通信装置18から所定のタイミングで送信されてくるイベント情報Cの受信を基にして、サーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信異常の監視を行い、このイベント情報Cにより通信異常と判定されたときには、サーバ側通信装置17からリクエストAを相手のクライアント側通信装置18に送信してレスポンスBを受信するようにしたものである。図3と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0037】
図10において、監視モジュール20bは、第2の実施の形態と同様に、対象のクライアント側通信装置18からイベント情報Cを受信する。その結果によって、イベント情報Cが正常に受信できないときは、自動的に監視モジュール20aは対象のクライアント側通信装置18にリクエストAを送信し、レスポンスBを受信することになる。
【0038】
すなわち、クライアント側通信装置18から一定時間T0’以内の時間T1’でIEC61850プロトコルを用いたイベント情報Cの受信が確認できた場合には、対象クライアント側通信装置18との伝送系または対象アプリケーションは正常であると判断する。それとともに、監視モジュール20bのタイマ21bをカウント開始する。監視モジュール20bのタイマ21bをカウント開始してからイベント情報Cの受信が確認できず、その時間T1’が監視モジュール20bのタイマ21bの許容値T0’を超えた場合には、そのタイミングで、サーバ側通信装置17からそのクライアント側通信装置18に対して自動的にIEC61850プロトコルを用いたリクエストAを送信する。それとともに、監視モジュール20aのタイマ21aをカウント開始する。
【0039】
そして、その送信に対するクライアント側通信装置18からのレスポンスBの受信を基にして、監視モジュール20aのタイマ21aをカウント開始から時間T1が一定時間T0以内にレスポンスBの受信が確認された場合には、通信相手との伝送系16及び対象のアプリケーションが正常と判断して監視モジュールのタイマ21aを更新する。一定時間T0以内にレスポンスBの受信が確認できずに監視モジュール20aのタイマ21aの許容値T0を超えた場合には、タイマ値を超えた対象クライアント側通信装置18との伝送系または対象アプリケーションの異常と判断する。
【0040】
次に、本発明の第3の実施の形態の通常時の動作を説明する。各々のクライアント側通信装置18は、伝送系16を介しサーバ側通信装置17に対して、IEC61850プロトコルを用いたイベント情報Cを所定のタイミングで送信する。サーバ側通信装置17は、各クライアント側通信装置18から送信されてくる当該イベント情報Cの受信間隔をクライアント側通信装置18のそれぞれ固有の値として区別して管理しており、タイマ許容値T0’以内にイベント情報Cを受信した場合、対象クライアント側通信装置18との伝送系16及び対象アプリケーションは正常に動作していると判断する。
【0041】
もしも、サーバ側通信装置17が当該イベント情報Cの受信を確認するまでに、自身の監視モジュール20のタイマ許容値T0’を超えた場合には、タイマ値を超えた対象クライアント側通信装置18に対してIEC61850プロトコルを用いたリクエストAを所定のタイミングで送信する。このリクエストAの送信と同時に、サーバ側通信装置17は、自身が持つ監視モジュール20aのタイマ21aをスタートさせる。このタイマ21aはクライアント側通信装置18のそれぞれ固有の値として区別して管理されている。クライアント側通信装置18はこのリクエストAを受信し、このリクエストAに対するIEC61850プロトコルを用いたレスポンスBをサーバ側通信装置17に対して送信する。各クライアント側通信装置18から送信されたこのレスポンスBをサーバ側通信装置17が自身の監視モジュール20にてそれぞれ管理されているタイマ許容値T0以内に受信した場合には、クライアント側通信装置18との伝送系16及び対象アプリケーションが正常に動作していると判断する。
【0042】
もしも、サーバ側通信装置17が当該レスポンスBの受信を確認するまでに、自身の監視モジュール20のタイマ許容値を超えた場合には、タイマ値を超えた対象クライアント側通信装置18との伝送系16または対象アプリケーションは異常な動作をしていると判断する。
【0043】
図12は本発明の第3の実施の形態におけるサーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信異常監視の処理内容を示すフローチャートである。図12に示すように、サーバ側通信装置17はイベント情報Cによる監視モジュール処理を行う(S1)。すなわち、対象のクライアント側通信装置18から所定時間T0’内にイベント情報を受信したときは監視モジュール処理の戻り値“OK”を出力し、対象のクライアント側通信装置18から所定時間T0’内にイベント情報を受信しないときは監視モジュール処理の戻り値“NG”を出力する。
【0044】
そして、監視モジュール処理の戻り値が“OK”かどうかを判定し(S2)、監視モジュール処理の戻り値が“OK”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは正常に動作していると判断する(S3)。
【0045】
一方、ステップS2の判定で監視モジュール処理の戻り値が“NG”であるときは、対象のクライアント側通信装置18にリクエストAを送信する(S4)。そして、図5に示した監視モジュール処理を行う(S5)。そして、監視モジュール処理の戻り値が“OK”かどうかを判定し(S6)、監視モジュール処理の戻り値が“OK”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは正常に動作していると判断する(S3)。一方、ステップS3の判定で監視モジュール処理の戻り値が“NG”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは異常と判断する(S7)。
【0046】
本発明の第3の実施の形態によれば、サーバ側通信装置17の監視モジュール20のタイマ許容値以内でクライアント側通信装置18からのIEC61850プロトコルを用いたイベント情報を受信し続ける限りは、対象クライアント側通信装置18との伝送系16を含めた対象アプリケーションが正常と判断可能となるため、サーバ側通信装置17からのアプリケーション監視信号(リクエストB)の送信が不要となり、サーバ側通信装置17の負荷及びネットワークトラフィックへの負荷を軽減することが可能となる。イベント情報Cの受信がタイマ許容値以内に確認できない場合でも、新たにサーバ側通信装置17からIEC61850プロトコルを用いたリクエストAを自動的に送信することで、対象クライアントとの伝送系16を含めた対象アプリケーションの状態が確認可能となる。
【0047】
また、IEC61850プロトコルを用いたリクエスト・レスポンスのやり取りを実施することで、アプリケーション監視のために専用のプロトコルを用意する必要がなくなり、任意の製造メーカ装置間でリクエスト及びレスポンスを容易に取り交わすことが可能になるため、任意の製造メーカ装置間での伝送系を含めた対象アプリケーション異常の検出ができる。
【0048】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図13は本発明の第4の実施の形態におけるサーバ側通信装置17のブロック図、図14は本発明の第4の実施の形態におけるサーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信動作の説明図である。この第4の実施の形態は、図10に示した第3の実施の形態に対し、イベント情報Cにより通信異常と判定されたときには、サーバ側通信装置17から自動的にリクエストAを相手のクライアント側通信装置18に送信してレスポンスBを受信することに代えて、HMI装置19からの指示によりサーバ側通信装置17からクライアント側通信装置18に対してリクエストAを送信するようにしたものである。図3と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
【0049】
図13において、監視モジュール20bは、第3の実施の形態と同様に、対象のクライアント側通信装置18からイベント情報Cを受信する。その結果によって、イベント情報Cが正常に受信できないときは、監視モジュール20aはHMI装置19にその旨の通知(アナウンス情報)D1を送信し、HMI装置19を介しての人間系による操作の指示D2にて監視モジュール20aは対象のクライアント側通信装置18にリクエストAを送信し、レスポンスBを受信することになる。
【0050】
すなわち、クライアント側通信装置18から一定時間T0’以内にIEC61850プロトコルを用いたイベント情報Cの受信が確認できず、イベント情報Cの受信が受信できたときの監視モジュール20bのタイマ21bのカウント時間T1’が許容値T0’を超えた場合に、サーバ側通信装置17からHMI装置19に対してタイマ許容値を超えたことの通知D1をアナウンスする。
【0051】
HMI装置19は、そのアナウンスを受けた操作者による操作によって、サーバ側通信装置17からクライアント側通信装置18に対してIEC61850プロトコルを用いたリクエストAを送信する指示D2がサーバ側通信装置17に対して送られる。これにより、その指示D2を受信したサーバ側通信装置17からのリクエストAの送信に対するクライアント側送信装置18からのレスポンスBの受信を基にして、一定時間T0以内にサーバ側通信装置17でレスポンスBの受信を確認する。
【0052】
レスポンスBの受信が確認された場合には、通信相手との伝送系16及び対象アプリケーションが正常と判断して監視モジュール20aのタイマ21aを更新する。一方、タイマ21aのカウント開始からの時間T1が一定時間T0以内の間にレスポンスBの受信が確認できずに、監視モジュール20aのタイマ21aの許容値T0を超えた場合には、タイマ値を超えた対象クライアント側通信装置18との伝送系16または対象アプリケーションは異常な動作をしていると判断する。
【0053】
次に、本発明の第4の実施の形態の通常時の動作を説明する。各々のクライアント側通信装置18は、伝送系16を介しサーバ側通信装置17に対して、IEC61850プロトコルを用いたイベント情報Cを所定のタイミングで送信する。サーバ側通信装置17は、各クライアント側通信装置18から送信されてくる当該イベント情報Cの受信間隔をクライアント側通信装置18のそれぞれ固有の値として区別して管理しており、タイマ許容値以内にイベント情報Cを受信した場合、対象クライアント側通信装置18との伝送系16及び対象アプリケーションは正常に動作していると判断する。
【0054】
もしも、サーバ側通信装置17が当該イベント情報Cの受信を確認するまでに、自身の監視モジュール20bのタイマ21bの許容値T0’を超えた場合には、サーバ側通信装置17からHMI装置19に対してタイマ許容値を超えたことを表すアナウンス情報D1を送信する。HMI装置19ではアナウンス情報D1を受け取った操作者によって、サーバ側通信装置17から対象クライアント側通信装置18に対するIEC61850プロトコルを用いたリクエストAの送信指示D2がサーバ側通信装置17に対して送信される。
【0055】
サーバ側通信装置17では、このリクエストAの送信と同時に、自身が持つ監視モジュール20aのタイマ21aをスタートさせる。このタイマ21aはクライアント側通信装置18のそれぞれ固有の値として区別して管理されている。対象のクライアント側通信装置18はこのリクエストAを受信し、このリクエストに対するIEC61850プロトコルを用いたレスポンスBをサーバ側通信装置17に対して送信する。対象のクライアント側通信装置18から送信されたこのレスポンスBをサーバ側通信装置17が自身の監視モジュール20aにてそれぞれ管理されているタイマ許容値以内に受信した場合には、対象クライアント側通信装置18との伝送系16及び対象アプリケーションが正常に動作していると判断する。
【0056】
もしも、サーバ側通信装置17が当該レスポンスBの受信を確認するまでに、自身の監視モジュール20aのタイマ21aの許容値T0を超えた場合には、タイマ値を超えた対象クライアント側通信装置18との伝送系16または対象アプリケーションは異常な動作をしていると判断する。
【0057】
図15は本発明の第4の実施の形態におけるサーバ側通信装置17とクライアント側通信装置18との通信異常監視の処理内容を示すフローチャートである。図15に示すように、サーバ側通信装置17はイベント情報Cによる監視モジュール処理を行う(S1)。すなわち、対象のクライアント側通信装置18から所定時間T0’内にイベント情報を受信したときは監視モジュール処理の戻り値“OK”を出力し、対象のクライアント側通信装置18から所定時間T0’内にイベント情報を受信しないときは監視モジュール処理の戻り値“NG”を出力する。
【0058】
そして、監視モジュール処理の戻り値が“OK”かどうかを判定し(S2)、監視モジュール処理の戻り値が“OK”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは正常に動作していると判断する(S3)。
【0059】
一方、ステップS2の判定で監視モジュール処理の戻り値が“NG”であるときは、サーバ側通信装置17からHMI装置19に対しタイマ21bの許容値T0’を超えたことのアナウンス情報D1を送信する(S4)。これにより、HMI装置19からサーバ側通信装置17に対して監視対象のクライアント側通信装置18へのリクエストAの指示D2を送信する(S5)。これにより、サーバ側通信装置17は監視対象のクライアント側通信装置18にリクエストAの送信を行う(S6)。
【0060】
そして、図5に示した監視モジュール処理を行い(S7)、監視モジュール処理の戻り値が“OK”かどうかを判定し(S8)、監視モジュール処理の戻り値が“OK”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは正常に動作していると判断する(S3)。一方、ステップS3の判定で監視モジュール処理の戻り値が“NG”であるときは、対象のクライアント側通信装置18との伝送系16及びアプリケーションは異常と判断する(S9)。
【0061】
第4の実施の形態によれば、サーバ側通信装置17の監視モジュール20bのタイマ21bの許容値T0’以内でクライアント側通信装置18からのIEC61850プロトコルを用いたイベント情報を受信し続ける限りは、対象クライアントアプリケーションが正常と判断可能となるため、サーバ側通信装置17からのアプリケーション監視信号(リクエスト)を送信が不要となり、サーバ側通信装置の負荷及びネットワークトラフィックへの負荷を軽減することが可能となる。
【0062】
また、イベント情報Cの受信がタイマ許容値T0’以内に確認できない場合でも、操作者の操作により新たにサーバ側通信装置17からIEC61850プロトコルを用いたリクエストAを送信することで、対象クライアント側通信装置18との伝送系16を含めた対象アプリケーションの状態が確認可能となる。
【0063】
また、IEC61850プロトコルを用いたリクエスト・レスポンスのやり取りを実施することで、アプリケーション監視のために専用のプロトコルを用意する必要がなくなり、任意の製造メーカ装置間でリクエスト及びレスポンスを容易に取り交わすことが可能になるため、任意の製造メーカ装置間での伝送系を含めた対象アプリケーション異常の検出ができる。
【符号の説明】
【0065】
11…通信装置、12…専用データ、13…アプリケーション、14…専用データ、15…IEC61850プロトコル、16…伝送系、17…サーバ側通信装置、18…クライアント側通信装置、19…HMI装置、20…監視モジュール、21…タイマ
図1
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