(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2配置段階における前記第5マスクの半透過領域及び透過領域が、前記第1配置段階で前記第5マスクの遮断領域が設けられていた位置に配置される、請求項3に記載の配向膜の光配向方法
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0033】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては同一の符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるという時、これは他の部分の“すぐ上”にある場合だけでなく、その中間に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の“すぐ上”にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る光配向用マスク5を平面的に示す。光配向用マスク5は、X軸及びY軸を基準として平行に位置する。図示していないが、Z軸はX軸及びY軸に対して垂直方向である。光照射装置6は、光配向用マスクの上においてZ軸に対し傾斜して光配向用マスク5に光を照射するように構成できる。または、光配向用マスク5を配向膜に傾斜するように配置して、配向膜に光が傾いて照射されるようにすることもできる。
【0035】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るマスクは、透過率が互いに異なる3つの領域で形成される。遮断領域10は光透過率が0%であり、透過領域20は光透過率が100%であり、半透過領域30は光透過率が25%〜50%である。
【0036】
境界線15は、遮断領域10と透過領域20との間の照射量が異なる境界を定義し、境界線25は、透過領域20と、透過領域より透過率が少ない半透過領域30との間の照射量が異なる境界を定義する。
【0037】
半透過領域30は、格子パターン(lattice pattern)、または透過率が中間であるかまたは厚さが中間である薄膜などを利用して透過率を調節することができる。透過領域20は、遮断領域10と半透過領域30との間に位置し、透過領域20と半透過領域30とがマスクにおいて占める面積の合計は、マスクにおいて遮断領域10が占める面積と同一である。
【0038】
図3に示したように、半透過領域20を含むマスクを利用して表示基板の液晶分子を配向すると、同じエネルギーで照射しても液晶分子の配向極角が変わる。配向極角は、液晶分子が基板となす角度である。したがって、多様な傾斜を有するように液晶分子を配向することができるので、視野角を向上させることができる。
【0039】
図1のマスクを利用する液晶表示装置の製造方法について、
図2乃至
図4を参照して説明する。
【0040】
図2は、本発明に係る液晶表示装置用液晶セルを製造する順序を説明するためのフローチャートであり、
図3は、
図1の光配向マスク5を利用して下部配向膜を光配向する方法を説明するための図面であり、
図4は、
図1の光配向マスクを利用して上部配向膜を光配向する方法を説明するための図面である。
【0041】
説明していない符号5a乃至5dは、理解を助けるために、光配向マスク5の配列方向に沿ってそれぞれ異なる符号を付けたもので、5a及び5bは、同一の光配向マスクでY軸に180度回転して配置したものを示し、5c及び5dは、同一の光配向マスクでX軸に180度回転して配置したものを示す。
【0042】
矢印6a〜6dは、
図1の照射装置6によって光が照射される方向を示しており、矢印6a及び6bはX軸方向に反対であり、矢印6c及び6dはY軸方向に反対に照射されることを示す。
【0043】
符号T1〜T4は、それぞれ光が照射(6a乃至6d)される時間を示す。
【0044】
X軸上に表示した符号X1〜X6は、光配向マスク(5a〜5d)を用いる順により形成される膜厚が変わることを示すものであって、全て同一の表示基板に進行される光配向マスク(5a〜5d)による露光状態と形成される膜厚の関係を示している。
【0045】
まず、
図2に示したように、上部母基板及び下部母基板をそれぞれの工程によって完成(S102、S202)する。上部母基板には、共通電極が形成されており、カラーフィルタなどを形成することも可能である。下部母基板には、薄膜トランジスタ及び画素電極が形成されている。
【0046】
次に、上部母基板及び下部母基板に形成されている
図3の配向膜45に、線偏光(linearly polariZed ultraviolet、LPUV)または部分偏光を照射して光配向を進行する(S104、S204)。線偏光は、配向膜の表面に対して傾斜した角度で照射して、配向膜表面が一定の方向にラビングされたような効果を誘発する。
図3の配向膜45の表面に傾斜するように線偏光を照射する方法は、母基板を傾けたり、線偏光照射装置を傾けたりすることによって可能である。
【0047】
本発明の実施形態においては、線偏光を使用して光配向することについて説明する。
【0048】
まず、下部母基板に形成された下部配向膜(図示せず)の光配向について説明すると、
図1のマスク5の配置を
図3の配置(5a)とした後、下から上の方向(+Y軸方向)に線偏光をT1時間の間に1回照射(6a)する。このように半透過領域を含むマスクを利用して照射すると、線偏光を1回照射しても、配向極角が異なる2つの領域を得ることができる。
【0049】
次に、1回照射された領域に、遮断領域10及び透過領域30がY軸に対して反対となるようにマスク5の配置を
図3の配置(5b)とした後、上から下の方向(−Y軸方向)に線偏光をT2時間の間に1回照射(6b)する。
【0050】
ここで、線偏光のエネルギー量によって液晶分子の配向極角が変化するので、線偏光のエネルギー量を調節して液晶分子の傾斜を調節する。本発明の実施形態においては、85°以上90°未満の配向極角を得るために、UVの照射波長は270nm〜360nm、照射エネルギーは10mJ〜5000mJの範囲で照射する。
【0051】
このことにより、
図3に示したように、
図1のマスク5を利用すると、互いに異なる方向(6a、6b)に照射された2つの第1照射領域(A)及び第2照射領域(B)が形成され、照射領域(A、B)は、それぞれ配向極角が異なる2つの第1配向極角領域(A1、B1)及び第2配向極角領域(A2、B2)を含む。点線の矢印は、線偏光が照射された方向を示す。
【0052】
次に、
図4に示したように、上部母基板に形成された上部配向膜47に光配向を行う。上部母基板の光配向は、
図1のマスク5のように透過率が互いに異なる遮断領域10、透過領域20、及び半透過領域30を含むマスクを利用して行うことができる。この時、マスク5は、下部配向膜を光配向するために配置した方向と垂直方向になるように配置した後、光配向を行う。
【0053】
つまり、下部配向膜47を光配向する時、遮断領域10、半透過領域、20及び透過領域30を横方向に配置したとすれば、上部配向膜は、遮断領域10、半透過領域20、及び透過領域30を縦方向に配置する。
【0054】
したがって、上部配向膜の光配向は、マスク5の配置を
図4の配置(5d)とした後、右から左に線偏光をT4時間の間に1回照射(6d)し、遮断領域10、透過領域30がX軸に対して反対となるようにマスク5の配置を
図4の配置(5c)とした後、左から右に線偏光をT5時間の間に1回照射(6c)する。
【0055】
このことにより、
図4に示したように、互いに異なる方向に線偏光が照射された第3照射領域(C)及び第4照射領域(D)が形成される。それぞれの照射領域は、配向極角が異なる第3配向極角領域(C1、D1)及び第4配向極角領域(C2、D2)を含む。
【0056】
さらに
図2に示すように、
図3及び
図4に示した方法によってそれぞれ光配向した2つの母基板を結合するための物質からなり、液晶が満たされる部分を定義し、液晶が漏れることを防止するための密封材を形成する(S206)。
【0057】
次に、液晶を滴下(S208)して、下部母基板と上部母基板とを結合する(S300)。
【0058】
次に、切断線に沿ってスクライビングして液晶表示装置組立体をそれぞれの液晶セルに分離(S302)する。
【0059】
液晶注入方式によって液晶を満たす場合には、液晶セルを分離した後に液晶を注入する。
【0060】
上述の通り、半透過膜を含むマスクを利用して液晶を配向すれば、同じエネルギーを照射しても、他の配向極角を有するように液晶分子を配向することができる。
【0061】
具体的に、
図5乃至
図7を参照して説明する。
【0062】
図5は、従来技術に係る光配向後の液晶表示装置の液晶分子の配向を説明するための図面であり、
図6は、本発明の実施形態に係る光配向後の液晶表示装置の液晶分子の配向方向による領域を区分した図面であり、
図7は、従来技術及び本発明に係る光配向後の液晶表示装置の液晶分子の配向方向を示した図面である。
【0063】
従来の光配向は、マスクが透過領域と遮断領域だけを含むため、従来のような方法で上部配向膜及び下部配向膜を光配向すると、
図5に示したように、液晶分子の配向方位角が矢印の方向に循環型をなす4つの領域が形成される。
【0064】
この時、液晶分子の配向極角は同一である。したがって、極角による配向方位角の絶対値は45°と同一である。
【0065】
これに対し、本発明に係るマスクを利用すれば、
図6に示したように、16個の小領域(Da、Db、Dc、Dd)を得ることができ、各小領域は、方位角が異なる4つの領域が集まってそれぞれグループ(G)を形成する。
【0066】
同じ大きさのマスクを利用して1つの画素を光配向する時、従来技術によれば、
図5に示したように1つの画素に4つ領域が形成されるが、本発明の実施形態によれば、
図6に示したように、1つの画素に16個の小領域(Da〜Dd)が形成され、それぞれが4つの小領域を含む4つのグループ(G)が形成される。
【0067】
本発明に係る光配向後の液晶分子の配向極角は、表1に表したように多様な組み合わせによって得ることができる。
【0068】
表1は、本発明の実施形態に係る光配向後の小領域における上部配向膜及び下配配向膜の配向極角を表した表である。
【0070】
表1を参照すると、第1小領域(Da)においては、下部配向膜及び上部配向膜の液晶分子の配向極角が89°と同一であり、第4小領域(Dd)においては、下部配向膜及び上部配向膜の液晶分子の配向極角が88°と同一である。しかし、第2小領域(Db)及び第3小領域(Dc)においては、下部配向膜及び上部配向膜の配向極角が88°または89°と異なる。
【0071】
このように、上部配向膜及び下部配向膜の配向極角が異なるので、従来とは異なって45°以外の多様な方位角を形成することができる。
【0072】
図5を参照すると、従来の液晶分子は、上部配向膜及び下部配向膜の配向極角が同一であるため、これらのベクトル合計によって液晶分子は4つの領域においてX軸またはY軸に対して45°となるように配向される。
【0073】
しかし、本発明の実施形態においては、上部配向膜及び下部配向膜における極角が異なる部分を含むため、
図6に示したように従来とは異なる方位角を有する小領域Db及びDcが形成される。
【0074】
このように、本発明のように半透過膜を含むマスクを利用すれば、従来よりも多様な配向極角及び配向方位角を有するように液晶分子を配向することができる。したがって、液晶表示装置の視野角を改善することができる。
【0075】
図7及び
図8は、本発明の他の実施形態に係る光配向用マスクである。
【0076】
図7のマスク7は、光透過率が100%である複数の透過領域50を含み、透過領域50を除外した部分は遮断領域40で、透過率が0%である。
図8のマスク8は、複数の透過領域50を除外した部分は半透過領域60で、透過率が25〜50%である。半透過領域60は、
図1の半透過領域と同様な方法によって形成することができる。
【0077】
図7,
図8に示す実施形態においては、説明を容易にするために、複数の透過領域のうちの2つの透過領域50を中心に説明するが、
図1に示したような3つの領域を備えるマスク7、8を用いることも可能である。
【0079】
図9A乃至
図9Eは、
図7及び
図8の光マスクを利用して下部配向膜を光配向する方法を説明するための図面である。
図10A乃至
図10Eは、
図7及び
図8の光マスクを利用して上部配向膜を光配向する方法を説明するための図面である。
図11は、
図7及び
図8の光マスクを利用して光配向した後の液晶表示装置の液晶配向方向による領域を区分した図面である。
【0080】
まず、
図9Aに示したように、下部配向膜(図示せず)に、
図7のマスク7と
図8のマスク8の透過領域50が重畳するように配置する。次に、
図9Bに示したように、
図8のマスク8を下方(−Y軸方向)に移動して、
図7の透過領域50と
図8の半透過領域60とが一部重畳するように配置する。次に、左側から右側に線偏光を1回照射(+X軸方向)(6e)する。このことにより、下方に向かって遮断領域40、半透過領域60、及び透過領域50の順に光が照射された領域が形成される。
【0081】
次に、
図9Cに示したように、照射された領域に遮断領域40、半透過領域60、及び透過領域50が、最初とは反対になるように整列する(最初に光配向したものは図示せず)。つまり、
図9Aで透過領域50と対応する部分を、
図9Cではマスク7、8の遮断領域40及び半透過領域60が重畳するように整列する。
【0082】
その後、
図9Dに示したように、
図8のマスク8を上方向(+Y軸方向)に移動して、
図7の透過領域50と
図8の半透過領域60とが一部重畳するように配置する。そして、右側から左側に線偏光を1回照射(6f)する。このことにより、下方に向かって透過領域50、半透過領域60、及び遮断領域40の順に光が照射された領域が形成される。
【0083】
図9B及び
図9Dに示したように2回にわたって線偏光を照射すると、
図9Eに示したようにそれぞれ異なる方向に線偏光が照射された第5照射領域(H)及び第6照射領域(J)が形成される。それぞれの照射領域は、配向極角が異なる第5配向極角領域(H1、J1)及び第6配向極角領域(H2、J2)を含む。
【0084】
次に、
図10Aに示したように、上部配向膜(図示せず)に
図7のマスク7と
図8のマスク8の透過領域50が重畳するように配置する。この時、下部配向膜を光配向した方向と垂直方向になるようにマスクを配置した後、光配向を行う。つまり、半透過領域60、遮断領域40、及び透過領域50が横方向(X軸及び−X軸方向)に交互に配置される。
【0085】
そして、
図10Bに示したように、
図8のマスク8を右側方向(+X軸方向)に移動して、
図7のマスク7の透過領域50と
図8のマスク8の半透過領域60とが一部重畳するように配置する。次に、上から下の方向(−Y軸方向)に線偏光を照射(6g)する。このことにより、右側方向に向かって半透過領域60、透過領域50、及び遮断領域60の順に光が照射された領域が形成される。
【0086】
次に、
図10Cに示したように、1次照射された領域の上に遮断領域40、半透過領域60、及び透過領域50が最初とは反対になるように整列する(最初に光配向したものは図示せず)。
【0087】
つまり、
図10Aで透過領域50と対応する部分を、
図10Cではマスク7、8の遮断領域40及び半透過領域60が重畳するように整列する。
【0088】
その後、
図10Dに示したように、
図8のマスク8を左側方向(−X軸方向)に移動して、
図7のマスク7の透過領域50と
図8のマスク8の半透過領域60とが一部重畳するように配置する。そして、下から上の方向(+Y軸方向)に線偏光を照射(6h)する。このことにより、右側(+X軸方向)に向かって遮断領域40、透過領域50、及び半透過領域60の順に光が照射された領域が形成される。
【0089】
したがって、
図10Eに示したように、互いに異なる方向に線偏光が照射された第7照射領域(K)及び第8照射領域(L)が形成される。それぞれの照射領域は、配向極角が異なる第7配向極角領域(K1、L1)及び第8配向極角領域(K2、L2)を含む。
【0090】
次に、上部母基板及び下部母基板を組み立てれば、
図11に示したように多様な方向(De、Df、Dg、Dh)に液晶分子を配向することができる。
【0091】
図11を参照すると、小領域のうち、Df、Dgは上下部基板の配向極角が異なり、De、Dhは上下部基板の配向極角が同一である。したがって、Df、Dg領域の配向方位角は45°となるが、De、Dhの配向方位角は45°より小さいか、または大きい。
【0092】
以上の光配向方法を利用した液晶表示装置における光配向について具体的に説明する。光配向は、
図12乃至
図23に示したような多様な配置の液晶表示装置に使用することができる。
【0093】
図12は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の1つの画素に対する等価回路図である。
【0094】
図12に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置は、複数のゲート線(GL)、複数対のデータ線(DLa、DLb)、及び複数の維持電極線(SL)を含む信号線と、これに接続された複数の画素(PX)とを含む。液晶表示装置を構造的に見れば、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、及びその間に挿入されている液晶層3を含む。
【0095】
各画素(PX)は一対の副画素(PXa、PXb)を含み、副画素(PXa、PXb)は、スイッチング素子(Qa、Qb)、液晶キャパシタ(Clca、Clcb)、及びストレージキャパシタ(storage capacitor)(Csta、Cstb)を含む。
【0096】
スイッチング素子(Qa、Qb)は、下部表示板100に設けられている薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、その制御端子はゲート線(GL)と接続されており、入力端子はデータ線(DLa、DLb)と接続されており、出力端子は液晶キャパシタ(Clca、Clcb)及びストレージキャパシタ(Csta、Cstb)と接続されている。
【0097】
液晶キャパシタ(Clca、Clcb)は、副画素電極191a、191bと共通電極270とを二端子とし、二端子の間の液晶層3部分を誘電体として形成される。
【0098】
液晶キャパシタ(Clca、Clcb)の補助的な役割を果たすストレージキャパシタ(Csta、Cstb)は、下部表示板100に具備された維持電極線(SL)と副画素電極191a、191bとが絶縁体を介して重畳して形成され、維持電極線(SL)には共通電圧Vcomなどの定められた電圧が印加される。
【0099】
2つの液晶キャパシタ(Clca、Clcb)に充電される電圧は、互いに若干の差が生じるように設定されている。例えば、液晶キャパシタ(Clca)に印加されるデータ電圧が、液晶キャパシタ(Clcb)に印加されるデータ電圧に比べ、常に低いかまたは高いように設定する。このように2つの液晶キャパシタ(Clca、Clcb)の電圧を適切に調節すれば、側面から見る映像を、正面で見る映像に最大限近くすることができるので、液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。
【0100】
それでは、
図13及び
図14を参照して、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置についてさらに詳細に説明する。
【0101】
図13は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の配置図であり、
図14は、
図13のXIV−XIV線に沿った断面図である。
【0102】
図13及び
図14に示すように、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、互いに対向する下部表示板100と上部表示板200、及びこれら2つの表示板100、200の間に挿入されている液晶層3を含む。
【0103】
最初に、下部表示板100について説明する。
【0104】
絶縁基板110の上に、複数のゲート線(gate line)121及び複数の維持電極線(storage electrode line)131、135が形成されている。
【0105】
ゲート線121は、ゲート信号を伝達し、主に図の左右方向に延びている。各ゲート線121は、上方に突出した複数の第1ゲート電極(gate electrode)124a及び第2ゲート電極124bと、下方に突出した突出部122とを含む。
【0106】
維持電極線131、135は、ゲート線121と実質的に平行に延びた幹線(stem)131と、環状の維持電極(storage electrode)135とを含む。維持電極135の一部分は幅が拡張されており、維持電極線131、135の形状及び配置は種々の形態に変更することができる。
【0107】
ゲート線121及び維持電極線131、135の上にはゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されており、ゲート絶縁膜140の上には非晶質または結晶質シリコンなどからなる複数の半導体154a、154bが形成されている。
【0108】
半導体154a、154bの上にはそれぞれ複数対のオーミックコンタクト部材(ohmic contact)163a、163b、165a、165bが形成されており、オーミックコンタクト部材163a、163b、165a、165bは、シリサイド(silicide)またはn型不純物が高濃度にドーピングされているn+水素化非晶質シリコンなどの物質で形成することができる。
【0109】
オーミックコンタクト部材163a、163b、165a、165b及びゲート絶縁膜140の上には、複数対のデータ線(data line)171a、171b及び複数対の第1ドレイン電極175aと第2ドレイン電極(drain electrode)175bが形成されている。
【0110】
データ線171a、171bはデータ信号を伝達し、主に図の上下方向に延びてゲート線121及び維持電極線の幹線131と交差する。データ線171a、171bは第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bに向かって延び、U字状に曲がった第1ソース電極173a及び第2ソース電極(source electrode)173bを含み、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bは、それぞれ第1ゲート電極124a及び第2ゲート電極124bを中心に第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bと対向する。
【0111】
第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bは、それぞれ第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bによって一部取り囲まれた一端から上方に延びており、反対側の他端は他の層との接続のために面積が拡大されたパッド部を構成することができる。
【0112】
しかし、第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bをはじめとするデータ線171a、171bの形状及び配置は、種々の形態に変更することができる。
【0113】
第1ゲート電極124a、第1ソース電極173a、及び第1ドレイン電極175aは、第1半導体154aと共にそれぞれ第1薄膜トランジスタ(thin film transistor、TFT)(Qa)を形成し、第2ゲート電極124a、124b、第2ソース電極173b、及び第2ドレイン電極175bは、第2半導体154bと共にそれぞれ第2薄膜トランジスタ(Qb)を形成する。
【0114】
第1薄膜トランジスタ(Qa)及び第2薄膜トランジスタ(Qb)のチャネルは、それぞれ第1ソース電極173aと第1ドレイン電極175aとの間の第1半導体154a、及び第2ソース電極173bと第2ドレイン電極175bとの間の第2半導体154bに形成される。
【0115】
オーミックコンタクト部材163a、163b、165a、165bは、その下の半導体154a、154bと、その上のデータ線171a、171b及びドレイン電極175a、175bとの間にだけ存在し、これらの間の接触抵抗を低くする。半導体154a、154bには、ソース電極173a、173bとドレイン電極175a、175bとの間をはじめとして、データ線171a、171b及びドレイン電極175a、175bによって覆われずに露出した部分がある。
【0116】
データ線171a、171b、ドレイン電極175a、175b、及び露出した半導体154a、154b部分の上には、窒化ケイ素または酸化ケイ素などからなる下部保護膜180pが形成されている。
【0117】
下部保護膜180pの上にはカラーフィルタ230が形成されており、カラーフィルタ230は画素の長さ方向に沿って長く形成されている。カラーフィルタ230は、フォトエッチング工程を利用するか、またはインクジェット印刷方法を利用して形成することができ、インクジェット印刷方法によって形成する場合、カラーフィルタを閉じるための隔壁などをさらに形成することができる。
【0118】
カラーフィルタ230の上には上部保護膜180qが形成されている。上部保護膜180qは無機絶縁物または有機絶縁物などで形成することができ、上部表面を平坦に形成することができる。無機絶縁物の例としては、窒化ケイ素及び酸化ケイ素が挙げられる。有機絶縁物は感光性(photosensitivity)を有してもよく、その誘電定数(dielectric constant)は約4.0以下であることが好ましい。上部保護膜180qの上には複数の画素電極(pixel electrode)191が形成されている。
【0119】
各画素電極191は、間隙95を間において互いに分離されている第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含む。間隙95は維持電極135と重畳して、間隙95による光漏れを防止する。間隙95はテクスチャの形態によって屈曲した形状とすることができ、この屈曲した部分によって2つの副画素電極191a、191bは間隙95を間において上部と下部とが噛み合った形態を有する。
【0120】
第1副画素電極191aは、ほぼ四角形状で、下部角が第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bの境界線に沿って凹むように形成されている。
【0121】
第1副画素電極191aは第1ドレイン電極175aに向かって突出した突出部195aを含み、突出部195aはコンタクトホール185aによって第1ドレイン電極175aと物理的、電気的に接続されている。
【0122】
そして、第2副画素電極191bは、データ線171a、171bに沿って延びた一対の枝196を含む。枝196は、第1副画素電極191aとデータ線171a、171bとの間に位置し、第1副画素電極191aの下端で接続部197に接続される。したがって、第1副画素電極191bは、第2副画素電極191b、枝196、及び接続部197によって取り囲まれている。第2副画素電極191bの2つのいずれか一つの枝は突出部195bを含み、突出部195bはコンタクトホール185bによって第2ドレイン電極175bと物理的、電気的に接続されている。
【0123】
第2副画素電極191bが占める面積は、第1副画素電極191aが占める面積より大きくしてもよく、この時、第2副画素電極191bは第1副画素電極191aの面積より1.0倍から2.2倍程度の大きさで形成することができる。
【0124】
第2副画素電極191bの上部境界線は、前段のゲート線の突出部122と重畳して保持容量を形成することができる。
【0125】
画素電極191の上には配向膜11が形成されている。
【0126】
次に、上部表示板200について説明する。
【0127】
上部表示板200は、透明な絶縁基板210の上には光漏れを遮断する遮光部材(light blocking member)220が形成されている。遮光部材220は、データ線171a、171bに沿って形成されており、薄膜トランジスタと対応する部分を含む。本発明の実施形態においては、ゲート線121と重畳する遮光部材を形成しなかったが、ゲート線121と対応する遮光部材をさらに形成することも可能である。
【0128】
本発明の実施形態においては、遮光部材を上部基板に形成したが、下部基板に形成することも可能である。
【0129】
遮光部材220の上には共通電極270が全面に形成されており、共通電極270の上に配向膜21が形成されている。
【0130】
以上、説明した本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、既に説明した光配向法によって配向膜が配向されており、
図15、
図16、
図24、
図25を参照して詳細に説明する。
【0131】
図15、
図16、
図24、及び
図25は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の光配向を説明するために、
図13の画素電極及び小領域を示した図面である。
【0132】
図15は、
図3及び
図4に示した光配向法を利用して配向したもので、画素を中心に説明する。なお、図では説明を容易にするために画素電極のみを示し、その他の構成を省略している。
【0133】
図15に示したように、複数の画素(Px)はそれぞれ第1副画素電極及び第2副画素電極を含む。各画素は、
図3及び
図4に示した光配向法によって配向されて、多様な方向に配向された複数の小領域(Da〜Dd)を含む。
【0134】
複数の小領域のうちの方位角が45°のDaは第1副画素電極191aの周縁に配置し、Ddは第2副画素電極191bの中間に配置する。そして、方位角が45°より大きいかまたは小さいDbは第1副画素電極191bの中間に配置し、Dcは第2副画素電極191bの周縁に配置する。
【0135】
図16に示したように、Daを第1副画素電極191aの中間に配置し、Ddを第2副画素電極191bの周縁に配置することもできる。このとき、Dbは第1副画素電極191aの周縁に配置し、Dcを第2副画素電極191baの中間に配置することとなる。これは、
図15に示す例におけるマスクの位置と異なるように配置して形成することができ、また、
図15とは異なって隣接する2つの画素にわたってマスクを対応させて形成することができる。
【0136】
液晶表示装置において、透過率は配向方位角が45°の時に最大であるので、Da及びDdをDb及びDcより広い面積を有するように形成することが好ましい。
【0137】
本発明によって
図1のマスクを使用すれば、
図24及び
図25に示したような循環型配向を得ることができる。
【0138】
つまり、
図24に示したように、Da乃至Ddを1つのグループ(F)とする時、1つの画素(Px)は4個のグループを含み、4個のグループは循環型配向をなす。
【0139】
この時、各グループ(F)に含まれる小領域(Da〜Dd)は、それぞれ異なる方位角を有するように配向される。
【0140】
そして、
図25に示したように、第1副画素電極191aまたは第2副画素電極191bでそれぞれ循環型配向をなすことができる。この時、第1副画素電極191aまたは第2副画素電極191bはそれぞれ4個のグループ(F)を含み、4個のグループは循環型配向をなす。
【0141】
図17は、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
【0142】
大部分の層間構造は
図13及び
図14の液晶表示装置と同一なので、異なる部分についてのみ具体的に説明する。
【0143】
図17に示すように、基板上に第1ゲート電極124a、第2ゲート電極124b、及び突出部122を含むゲート線121と、維持電極135を含む維持電極線131とが形成されている。
【0144】
ゲート線121は、
図13の実施形態とは異なって、突出部122が上方に突出して対応する画素電極191と重畳する。そして、図の上下方向に延びた導電体126をさらに含む。
【0145】
維持電極135は、
図13の実施形態とは異なって、環状に接続されず、下部が分離されている。
【0146】
ゲート線121及び維持電極線131の上にはゲート絶縁膜(図示せず)が形成されており、ゲート絶縁膜の上には半導体154a、154b及びオーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されている。
【0147】
オーミックコンタクト部材の上には、ゲート線121と交差する第1データ線171a及び第2データ線171bが形成されている。第1データ線171aと第2データ線171bは、C字状に形成された第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bを含む。
【0148】
第1ドレイン電極175aと第2ドレイン電極175bの一端部は、それぞれ第1ソース電極173aと第2ソース電極173bによって取り囲まれており、他端部は他の層との接触のために拡張されている。第1ドレイン電極175aは導電体126と重畳する。
【0149】
第1データ線171a、第2データ線171b、第1ドレイン電極175a、及び第2ドレイン電極175bは、オーミックコンタクト部材と同一の平面パターンを有する。オーミックコンタクト部材は、ソース電極173a、173bとドレイン電極175a、175bとの間の露出した部分を除いて、半導体154a、154bの大部分と同一の平面パターンを有する。これは、層が異なるデータ線、オーミックコンタクト部材、及び半導体を1つの厚さが異なる感光膜を利用して形成するためである。しかし、
図13に示したように、各層によって異なる感光膜を利用して形成することも可能である。
【0150】
第1データ線171a、第2データ線171b、第1ドレイン電極175a、及び第2ドレイン電極175bの上には、保護膜(図示せず)が形成されている。
【0151】
保護膜の上には画素電極191が形成されており、画素電極191は間隙95を間において分離されている第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含む。
【0152】
第2副画素電極191bは、
図13の実施形態とは異なって、第1副画素電極191aを中心に上部に位置する上部第2副画素電極191bbと下部に位置する下部第2副画素電極191baとで形成され、第1副画素電極191aは、上部第2副画素電極191bb、下部第2副画素電極191ba、及び枝196によって取り囲まれている。
【0153】
第1ドレイン電極175aは、下部第2副画素電極191baを横切って維持電極135の分離された部分を経て、コンタクトホール185aによって第1副画素電極191aと接続し、第2ドレイン電極175bは、下部第2副画素電極191baとコンタクトホール185bによって接続される。
【0154】
上述した
図17の薄膜トランジスタ表示板を含む液晶表示装置も、既に説明した光配向法によって配向することができ、
図18を参照して詳細に説明する。
【0155】
図18は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の光配向を説明するために、
図17の画素電極及び小領域を示した図面である。
【0156】
図18は、
図10A乃至
図11Eに示した光配向法を利用して配向したもので、画素を中心に説明する。なお、図では説明を容易にするために画素電極のみを示して他の構成を省略している。
【0157】
図18に示したように、複数の画素(Px)は、それぞれ第1副画素電極及び第2副画素電極を含む。そして、各画素は、
図10A及び
図11Eに示した光配向法によって配向されて、多様な方向に配向された複数の小領域(De〜Dh)を含む。
【0158】
複数の小領域のうち、方位角が45°のDfは第1副画素電極191aの中間に配置し、Dgは第2副画素電極191bの周縁に配置する。そして、45°でないDeは第1副画素電極191aの周縁に配置し、Dhは第2副画素電極191bの中間に配置している。
【0159】
図11のR部分に各画素を対応させて、第1副画素電極191aと第2副画素電極191bの周縁にそれぞれDf、Dhが位置し、第1副画素電極191aと第2副画素電極191bの中間にDe、Dgが位置するように配置できる。
【0160】
上述の実施形態においては、第1副画素電極及び第2副画素電極にそれぞれ異なるデータ線を接続して電圧を異ならせる構造について説明したが、以下の実施形態においては、1つのデータ線を利用して第1副画素電極及び第2副画素電極の電圧を異ならせる構造について説明する。
【0161】
図19は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の1つの画素に対する等価回路図である。
【0162】
図19を参照すると、ゲート線121、降圧キャパシタ用維持電極線132、降圧ゲート線125、及びデータ線171を含む信号線と、これに接続された画素(PX)とを含む。
【0163】
画素(PX)は、第1スイッチング素子(Qa)、第2スイッチング素子(Qb)、第3スイッチング素子(Qc)、第1液晶キャパシタ(Clca)、第2液晶キャパシタ(Clcb)、第1ストレージキャパシタ(Csta)、第2ストレージキャパシタ(Cstb)、及び降圧キャパシタ(Cstd)を含む。ここで、第1スイッチング素子(Qa)と第1薄膜トランジスタ(Qa)、第2スイッチング素子(Qb)と第2薄膜トランジスタ(Qb)、及び、第3スイッチング素子(Qc)と第3薄膜トランジスタ(Qc)は、それぞれ同一の符号を付けた。
【0164】
第1スイッチング素子(Qa)及び第2スイッチング素子(Qb)はそれぞれゲート線121及びデータ線171に接続されており、第3スイッチング素子(Qc)は降圧ゲート線125に接続されている。
【0165】
第1スイッチング素子(Qa)及び第2スイッチング素子(Qb)は、下部表示板に設けられた薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、その制御端子はゲート線121と接続されており、入力端子はデータ線171と接続されており、出力端子は、第1液晶キャパシタ(Clca)及び第2液晶キャパシタ(Clcb)と、第1ストレージキャパシタ(Csta)及び第2ストレージキャパシタ(Cstb)とそれぞれ接続されている。
【0166】
第3スイッチング素子(Qc)も下部表示板100に設けられた薄膜トランジスタなどの三端子素子であって、制御端子は降圧ゲート線125と接続されており、入力端子は第2液晶キャパシタ(Clcb)と接続されており、出力端子は降圧キャパシタ(Cstd)と接続されている。
【0167】
第1液晶キャパシタ(Clca)及び第2液晶キャパシタ(Clcb)は、それぞれ第1スイッチング素子(Qa)及び第2スイッチング素子(Qb)と接続された第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bと、上部表示板の共通電極とが重畳して形成される。第1ストレージキャパシタ(Csta)及び第2ストレージキャパシタ(Cstb)は、維持電極135をはじめとする維持電極線131と、第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bとが重畳して形成される。
【0168】
降圧キャパシタ(Cstd)は、第3スイッチング素子(Qc)の出力端子と維持電極線131に接続されており、下部表示板に設けられた維持電極線131と第3スイッチング素子(Qc)の出力端子とが絶縁体を介して重畳して形成される。
【0169】
まず、ゲート線121にゲートオン電圧(Von)が印加されると、これに接続された第1薄膜トランジスタ(Qa)及び第2薄膜トランジスタ(Qb)が導通する。
【0170】
これにより、データ線171のデータ電圧は、導通した第1スイッチング素子(Qa)及び第2スイッチング素子(Qb)を通じて第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bに同一に印加される。第1液晶キャパシタ(Clca)及び第2液晶キャパシタ(Clcb)は、共通電極の共通電圧Vcomと第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bの電圧の差に応じて充電されるので、第1液晶キャパシタ(Clca)の充電電圧と第2液晶キャパシタ(Clcb)の充電電圧も互いに同一である。この時、降圧ゲート線125にはゲートオフ電圧(Voff)が印加される。
【0171】
ゲート線121にゲートオフ電圧(Voff)が印加されると同時に、降圧ゲート線125にゲートオン電圧(Von)が印加されると、ゲート線121に接続された第1スイッチング素子(Qa)及び第2スイッチング素子(Qb)は遮断され、第3スイッチング素子(Qc)は導通する。これにより、第2スイッチング素子(Qb)の出力端子と接続された第2副画素電極191bの電荷が降圧キャパシタ(Cstd)に流れて、第2液晶キャパシタ(Clcb)の電圧が下降する。
【0172】
本実施形態に係る液晶表示装置がフレーム反転(frame inversion)で駆動され、現在フレームでデータ線171に共通電圧Vcomを基準として極性が正(+)のデータ電圧が印加される場合を例として説明する。この場合、直前フレームが終了した後に降圧キャパシタ(Cstd)には負(−)の電荷が集まるようになる。現在フレームで第3スイッチング素子(Qc)が導通すると、第2副画素電極191bの正(+)の電荷が第3スイッチング素子(Qc)を通じて降圧キャパシタ(Cstd)に流れて、降圧キャパシタ(Cstd)には正(+)の電荷が集まり、第2液晶キャパシタ(Clcb)の電圧は下降するようになる。次のフレームにおいては、反対に、第2副画素電極191bに負(−)の電荷が充電された状態で第3スイッチング素子(Qc)が導通することによって、第2副画素電極191bの負(−)の電荷が降圧キャパシタ(Cstd)に流れて降圧キャパシタ(Cstd)には負(−)の電荷が集まり、第2液晶キャパシタ(Clcb)の電圧も下降するようになる。
【0173】
このように本実施形態によれば、データ電圧の極性に関係なく、第2液晶キャパシタ(Clcb)の充電電圧を第1液晶キャパシタ(Clca)の充電電圧より常に低くすることができる。したがって、第1液晶キャパシタ(Qlca)及び第2液晶キャパシタ(Clcb)の充電電圧を異ならせることによって、液晶表示装置の側面視認性を向上させることができる。
【0174】
以上の回路を含む液晶表示装置の薄膜トランジスタ表示板について、
図20乃至
図23を参照して具体的に説明する。
【0175】
図20は、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板である。
図20の層間構造は
図13及び
図14と大部分同一なので、異なる部分についてのみ具体的に説明する。
【0176】
図20に示すように、基板上に複数のゲート線121、複数の降圧ゲート線125、複数の維持電極線131、及び降圧キャパシタ用維持電極線132が形成されている。
【0177】
ゲート線121及び降圧ゲート線125は、主に図の左右方向に延びて、ゲート信号を伝達する。ゲート線121は幅が拡張されたゲート電極124を含み、降圧ゲート線125は上方に突出した第3ゲート電極124cを含む。ゲート電極124は第1ゲート電極及び第2ゲート電極が1つに接続されたもので、
図13の実施形態と同様に分離して形成することができる。
【0178】
維持電極線131及び降圧キャパシタ用維持電極線132も主に図の左右方向に延び、維持電極線131は環状の維持電極135を含む。降圧キャパシタを構成する降圧キャパシタ用維持電極線132は、維持電極線131と分離して形成することができるが、同一の共通電圧が印加されるので、接続(図示せず)することも可能である。
【0179】
ゲート線121、降圧ゲート線125、維持電極線131、及び降圧キャパシタ用維持電極線132の上には、ゲート絶縁膜(図示せず)が形成されている。
【0180】
ゲート絶縁膜の上には半導体154が形成されている。説明を容易にするために、半導体154のうちのゲート電極124と重畳する部分の一部を第1半導体154aとし、それ以外の部分を第2半導体154bとする。そして、第3ゲート電極124cと重畳する部分を第3半導体154cとする。
【0181】
半導体154の上には複数の線状オーミックコンタクト部材及び島型オーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されている。
【0182】
線状オーミックコンタクト部材及び島型オーミックコンタクト部材の上には、複数のデータ線171、複数の第1ドレイン電極175a、複数の第2ドレイン電極175b、及び複数の第3ドレイン電極175cが形成されている。
【0183】
データ線171は、データ信号を伝達し、主に図の上下方向に延びてゲート線121及び降圧ゲート線125と交差する。各データ線171はゲート電極124と重畳するソース電極173を含む。ソース電極173は第1ドレイン電極175aを取り囲む第1ソース電極173aと、第2ドレイン電極175bを取り囲む第2ソース電極175bとが1つに形成されたもので、反対方向に入口を有し、ほぼX字状をなす。
【0184】
第1ドレイン電極175a及び第2ドレイン電極175bの一端部は、それぞれのソース電極173a、173bによって取り囲まれている。第1ドレイン電極175aの他端部は、他の層と接続するために幅が拡張されている。第2ドレイン電極175bは他の層と接続するために幅が拡張された部分を有し、第2ドレイン電極175bの他端部は第3スイッチング素子(Qc)の第3ソース電極173cとなる。
【0185】
第3ドレイン電極175cの一端部はU字状をなす第3ソース電極173cによって取り囲まれており、他端部177は幅が拡張されており、降圧キャパシタ用維持電極線132と重畳して降圧キャパシタ(Cstd)を形成する。
【0186】
ゲート電極124、第1ソース電極173a、第1ドレイン電極175a、及び第1半導体154aは第1薄膜トランジスタを形成し、ゲート電極124、第2ソース電極173b、第2ドレイン電極175b、及び第2半導体154bは第2薄膜トランジスタを形成し、第3ゲート電極124c、第3ソース電極173c、第3ドレイン電極175c、及び第3半導体154cは第3薄膜トランジスタを形成する。
【0187】
薄膜トランジスタのチャネルは、第1ソース電極173aと第1ドレイン電極175aとの間の半導体154a、第2ソース電極173bと第2ドレイン電極175bとの間の半導体154b、及び第3ソース電極173cと第3ドレイン電極173cとの間の半導体154cに形成される。
【0188】
第1半導体154a〜第3半導体154cを含む半導体154、154cは、第1ソース電極173a〜第3ソース電極173cと第1ドレイン電極175a〜第3ドレイン電極175cとの間のチャネル領域を除いては、第1ソース電極173a〜第3ソース電極173c、第1ドレイン電極175a〜第3ドレイン電極、及びデータ線171と実質的に同一の平面形状を有する。
【0189】
半導体154、154cと第1ソース電極173a〜第3ソース電極173c、第1ドレイン電極175a〜第3ドレイン電極、及びデータ線171の形状は、各層によって別途の感光膜を形成した後にパターニングすれば、
図3及び
図4に示したように異なる形状とすることもできる。
【0190】
第1ソース電極173a〜第3ソース電極173c、及び第1ドレイン電極175a〜第3ドレイン電極175cの上には、コンタクトホール185a、185bを有する保護膜(図示せず)が形成されている。
【0191】
保護膜の上には第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含む画素電極191が形成されている。
【0192】
図17の実施形態の構成のように、第2副画素電極191bは、第1副画素電極191aを中心に上部に位置する第2副画素電極191baと、下部に位置する第2副画素電極191bbとを含む。上部及び下部に位置する第2副画素電極191ba、191bbは枝196によって接続されている。
【0193】
第1副画素電極191aはコンタクトホール185aによって第1ドレイン電極175aと接続し、第2副画素電極191bはコンタクトホール185bによって第2ドレイン電極175bと接続される。
【0194】
上述した液晶表示装置も、
図21に示したように、多様な方向に配向された複数の小領域を含むことができる。
【0195】
図21は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の光配向を説明するために、
図20の画素電極及び小領域を示した図面である。
【0196】
図3及び
図4の光配向法によって光配向すれば、
図21に示したように、第1副画素電極191aにDc及びDdが位置し、第2副画素電極191bにDa、Dbが位置する構成を実現できる。
【0197】
図22は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置用薄膜トランジスタ表示板の配置図である。
図22の層間構成は大部分
図20の実施形態と同一なので、異なる部分についてのみ具体的に説明する。
【0198】
図22に示すように、基板上に、複数のゲート電極124を有する複数のゲート線121、複数の第3ゲート電極124cを有する複数の降圧ゲート線125、及び導電体126が形成されている。
【0199】
ゲート線121と同一の方向に複数の維持電極135を有する維持電極線131が形成されている。
【0200】
図22の実施形態は、
図20の実施形態とは異なって、別途の降圧キャパシタ用維持電極線を含まず、維持電極135からデータ線に沿って延びた一対の枝136を含み、2つのいずれか1つの枝は、端部が拡張された降圧キャパシタ用拡張部137を含む。
【0201】
ゲート線121、降圧ゲート線125、維持電極線131の上にはゲート絶縁膜(図示せず)が形成されている。
【0202】
ゲート絶縁膜の上には第1半導体154a及び第2半導体154bを含む半導体154及び第3半導体154cが形成されている。各半導体の上には複数の線状オーミックコンタクト部材及び島型オーミックコンタクト部材(図示せず)が形成されている。
【0203】
線状オーミックコンタクト部材と島型オーミックコンタクト部材の上には、第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bが接続されたソース電極173を有する複数のデータ線171、複数の第1ドレイン電極175a、複数の第2ドレイン電極175b、及び複数の第3ドレイン電極175cが形成されている。第1ソース電極173a及び第2ソース電極173bは
図3の実施形態と同様に接続されているが、分離して形成することも可能である。第2ドレイン電極175bの一端部は第3薄膜トランジスタの第3ソース電極173cとなる。
【0204】
第3ドレイン電極175cの一端部は第3ソース電極173cによって取り囲まれており、他端部177は幅が拡張されており、降圧キャパシタ用拡張部137と重畳して降圧キャパシタ(Cstd)を形成する。
【0205】
第1ソース電極173a〜第3ソース電極173c、第1ドレイン電極175a〜第3ドレイン電極175cの上には、コンタクトホール185a、185bを有する保護膜(図示せず)が形成されている。
【0206】
保護膜の上には第1副画素電極191a及び第2副画素電極191bを含む画素電極191が形成されている。第2副画素電極191bは、第1副画素電極191aを中心に上部に位置する第2副画素電極191bbと、下部に位置する第2副画素電極191baとを含む。下部及び上部に位置する第2副画素電極191ba、191bbは枝196によって接続されている。
【0207】
第1副画素電極191aはコンタクトホール185aによって第1ドレイン電極175aと接続し、第2副画素電極191bはコンタクトホール185bによって第2ドレイン電極175bと接続される。
【0208】
図22の実施形態に係る薄膜トランジスタ表示板を含む液晶表示装置も、既に説明した光配向法によって配向することができる。
【0209】
図23は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の光配向を説明するために、
図20の画素電極及び小領域を示した図面である。
【0210】
図23に示したように、
図10A乃至
図11Eの光配向法によって光配向すれば、第1副画素電極191aにDg、Dhが位置して、下部第2副画素電極191ba及び上部第2副画素電極191bbを有する第2副画素電極191bにDe、Dfが位置するように構成できる。
【0211】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれらに限定されず、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の種々の変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。