【文献】
吉本浩二, 外2名,”色判別アプリケーション “ColorAttendant””,FUJITSU,富士通株式会社,2008年11月10日,第59巻, 第6号,p.677-681
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0025】
[第1実施形態]まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る画像処理システム1の全体構成の一例を示す。
図1に示すように、本実施形態に係る画像処理システム1はサーバ10(画像処理装置)、データベース16、及びユーザ端末20を含む。サーバ10及びユーザ端末20は、例えばインターネット等を含んで構成される通信ネットワーク2に接続されており、サーバ10とユーザ端末20との間で相互にデータ通信が可能である。
【0026】
サーバ10は制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14、及び光ディスクドライブ部15を含む。制御部11は例えば1又は複数のCPUを含み、補助記憶部13に記憶されたオペレーションシステム又はプログラムに従って情報処理を実行する。主記憶部12は例えばRAMであり、補助記憶部13は例えばハードディスク又はソリッドステートドライブである。通信部14は通信ネットワーク2を介してデータ通信を行うためのものである。光ディスクドライブ部15は、光ディスク(情報記憶媒体)に記録されたプログラムやデータを読み出すためのものである。
【0027】
プログラムやデータは光ディスク(情報記憶媒体)を介して補助記憶部13に供給される。すなわち、光ディスクに記憶されたプログラムやデータが光ディスクドライブ部15によって読み出され、補助記憶部13に記憶される。なお、サーバ10は、光ディスク以外の情報記憶媒体(例えばメモリカード)に記憶されたプログラム又はデータを読み出すための構成要素を含むようにしてもよい。そして、光ディスク以外の情報記憶媒体(例えばメモリカード)を介してプログラムやデータが補助記憶部13に供給されるようにしてもよい。また、プログラム及びデータは通信ネットワーク2を介して補助記憶部13に供給されるようにしてもよい。
【0028】
サーバ10はデータベース16にアクセスできるようになっている。データベース16はサーバ10内に構築されるようにしてもよいし、サーバ10とは別のサーバ内に構築されるようにしてもよい。後述するように、データベース16には複数の画像が記憶されている。
【0029】
ユーザ端末20はユーザによって使用される情報処理装置である。例えば、ユーザ端末20は携帯電話(スマートフォンを含む)、携帯情報端末、又はパーソナルコンピュータ等である。なお以下では、ユーザ端末20が携帯電話(スマートフォン)であることとして説明する。
【0030】
ユーザ端末20は制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、通信部24、表示部25、撮影部26、及び操作部27を含む。制御部21、主記憶部22、補助記憶部23、及び通信部24はサーバ10の制御部11、主記憶部12、補助記憶部13、及び通信部14と同様である。
【0031】
プログラム及びデータは通信ネットワーク2を介して補助記憶部23に供給される。なお、ユーザ端末20は光ディスクドライブ部を備えるようにしてもよい。そして、プログラムやデータが光ディスク(情報記憶媒体)を介して補助記憶部23に供給されるようにしてもよい。また、ユーザ端末20は、光ディスク以外の情報記憶媒体(例えばメモリカード)に記憶されたプログラム又はデータを読み出すための構成要素を含むようにしてもよい。そして、光ディスク以外の情報記憶媒体(例えばメモリカード)を介してプログラムやデータが補助記憶部23に供給されるようにしてもよい。
【0032】
表示部25は例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、各種画面を表示する。撮影部26は例えばデジタルカメラ等である。撮影部26は静止画を撮影することが可能である。撮影部26は動画を撮影することも可能である。例えば、撮影部26は所定時間(例えば1/60秒)ごとに撮影を行う。すなわち、撮影部26は、1秒ごとのフレーム数が所定数(例えば60)である動画を撮影する。撮影部26によって撮影された静止画又は動画は補助記憶部13に保存される。
【0033】
操作部27はユーザが操作を行うためのものである。例えば、表示部25に表示される画面内の位置をユーザが指示するためのポインティングデバイスが操作部27として備えられる。例えば、表示部25の上に重ねて設けられるタッチパネルがユーザ端末20に備えられる。なお、タッチパネルの代わりに、例えばマウス、スティック、又はタッチパッド等がユーザ端末20に備えられるようにしてもよい。
【0034】
本実施形態に係る画像処理システム1は、色弱者であるユーザが画像の色を把握できるように補助するための機能を備えている。以下、この機能について説明する。なお以下では、色弱者であるユーザが衣料品店で衣服の色を確認したい場合を想定する。
【0035】
衣服の色を把握したい場合にユーザが行う手順を説明する。衣服の色を把握したい場合、ユーザは撮影部26を用いて衣服を撮影する。撮影部26によって撮影された画像は色確認画面に表示される。
図2は、ユーザ端末20の表示部25に表示される色確認画面の一例を示す。
図2に示す色確認画面30には衣服32の撮影画像が表示されている。なお、実際の撮影画像には背景も含まれるが、ここでは省略している。
【0036】
色確認画面30においてユーザは色を確認したい位置を指定する。例えば
図3に示すように、ユーザはタッチパネルに指Fを接触させることによって、色を確認したい位置を指定する。色を確認したい位置が指定された場合、ユーザの指定位置Pの色に関する通知欄40が色確認画面30に表示される。
【0037】
通知欄40には色グループ名42、色マップ44、マーカ46、参考画像48、及び類似度50が表示されている。
【0038】
色グループ名42は、ユーザの指定位置Pの色が属する色グループ名を示している。本実施形態の場合、15種類の色グループが定義されており(後述の
図4参照)、指定位置Pの色が15種類の色グループのいずれに属するのかが判定される。指定位置Pの色が属する色グループの名称が色グループ名42として表示される。
【0039】
色マップ44は色のマップを示している。
図3に示す例では色マップ44がドーナツ形状を有している。なお、色マップ44の形状はドーナツ形状に限られず、他の形状であってもよい。
【0040】
色マップ44上には「赤」、「黄」、「緑」、「水」、「青」、及び「紫」の文字が所定間隔で付されている。
図3では省略されているが、「赤」の文字が付された部分は赤色になっている。また、「黄」の文字が付された部分は黄色になっている。そして、「赤」の文字が付された部分と、「黄」の文字が付された部分と、の間の部分は赤色から黄色へと徐々に変化するようになっている。
【0041】
同様に、「緑」の文字が付された部分は緑色になっている。そして、「黄」の文字が付された部分と、「緑」の文字が付された部分と、の間の部分は黄色から緑色へと徐々に変化するようになっている。また、「水」の文字が付された部分は水色になっている。そして、「緑」の文字が付された部分と、「水」の文字が付された部分と、の間の部分は緑色から水色へと徐々に変化するようになっている。
【0042】
同様に、「青」の文字が付された部分は青色になっている。そして、「水」の文字が付された部分と、「青」の文字が付された部分と、の間の部分は水色から青色へと徐々に変化するようになっている。また、「紫」の文字が付された部分は紫色になっている。そして、「青」の文字が付された部分と、「紫」の文字が付された部分と、の間の部分は青色から紫色へと徐々に変化するようになっている。さらに、「紫」の文字が付された部分と、「赤」の文字が付された部分と、の間の部分は紫色から赤色へと徐々に変化するようになっている。
【0043】
また、色マップ44上にはマーカ46が表示されている。マーカ46はユーザの指定位置Pの色を示している。マーカ46は指定位置Pの色に対応する色マップ44上の位置に表示される。
【0044】
参考画像48は、ユーザの指定位置Pの色をユーザに想起させるような画像である。言い換えれば、参考画像48は、指定位置Pの色と類似の色を有する物が撮影又は描画された画像である。例えば、指定位置Pの色が「赤」の場合、リンゴ、トマト、及び蟹の画像が参考画像48として表示される。すなわち、赤色を有すると一般的に理解されている物が撮影又は描画されてなる画像が参考画像48として表示される。
【0045】
なお、指定位置Pの色が「青」の場合、例えば海の画像等が参考画像48として表示される。指定位置Pの色が「緑」の場合、例えば蛙の画像等が参考画像48として表示される。指定位置Pの色が「黒」の場合、例えば山盛りの黒胡麻の画像等が参考画像48として表示される。
【0046】
なお、
図3に示す例では三つの参考画像48が通知欄40に表示されるようになっているが、三つよりも多い数の参考画像48を通知欄40に表示するようにしてもよいし、三つよりも少ない数の参考画像48を通知欄40に表示するようにしてもよい。
【0047】
類似度50は、ユーザの指定位置Pの色と、参考画像48の色と、の間の類似度を示している。例えば、指定位置Pの色が「赤」であり、かつ、リンゴの画像が参考画像48として表示されている場合、類似度50は、指定位置Pの色(赤)と、参考画像48の色(赤)と、の類似度を示すことになる。
【0048】
上記の通知欄40によれば、色グループ名42、色マップ44、及びマーカ46が表示されるため、ユーザは指定位置Pの色を把握できるようになる。また、上記の通知欄40によれば、指定位置Pの色をユーザに想起させるような参考画像48が表示されるため、ユーザは指定位置Pの色をより把握し易くなる。さらに、上記の通知欄40によれば、指定位置Pの色と、参考画像48の色と、の間の類似度50が表示されるため、ユーザは指定位置Pの色と参考画像48の色との間の類似の程度(言い換えれば相違の程度)をより把握し易くなる。また、ユーザは複数の参考画像48のうちのいずれが指定位置Pの色に最も近いのかも把握できるようになる。
【0049】
以上のように、画像処理システム1によれば、上記の通知欄40を色確認画面30に表示することによって、ユーザが画像の色を把握し易くなるように補助することが可能になる。以下、以上に説明した機能を実現するための構成について説明する。
【0050】
まず、データベース16に記憶されるデータについて説明する。
図4及び
図5はデータベース16に記憶されるデータの一例を示す。
【0051】
図4は色グループテーブルの一例を示す。複数の色グループに関する情報が色グループテーブルに登録される。色グループテーブルは「ID」、「色名」、「色コード」、及び「代表色」フィールドを含む。「ID」フィールドは、色グループを一意に識別するための識別情報(色グループID)を示す。「色名」フィールドは色グループの名称を示す。「色コード」フィールドは色グループの代表色の色コードを示し、「代表色」フィールドは色グループの代表色の色値(例えばRGB値)を示す。なお、色値はRGB値に限られず、例えばCIELAB色空間又はHSV色空間における色値が用いられる場合もある。
【0052】
図4に示す例の場合、16進数の色コードが均一に分けられるようにして、15種類の代表色(すなわち15種類の色グループ)が設定されている。ある色が色グループの代表色に類似している場合、その色はその色グループに属することになる。例えば、色グループIDが「01」である色グループの代表色に類似する色は、色グループIDが「01」である色グループに属することになる。
【0053】
なお、色グループの種類数は15種類に限られない。色グループの種類数は14種類以下であってもよいし、16種類以上であってもよい。ただし、色グループの種類が多すぎると、色グループの名前でユーザが色を判別できないようになってしまったり、各色グループ間の色(画像)の相違が小さくなってしまったりするため、色グループの種類数は10〜15種類程度が好ましい。
【0054】
図5は画像テーブルの一例を示す。データベース16に記憶された複数の画像に関する情報が画像テーブルに登録される。本実施形態の場合、参考画像48として通知欄40に表示され得る画像がデータベース16に記憶されている。すなわち、各色グループに属する色をユーザに想起させるような代表的な画像がデータベース16に記憶されており、それらの画像に関する情報が画像テーブルに登録されている。
【0055】
画像テーブルは「ID」、「画像」、「説明」、及び「色特徴量」フィールドを含む。「ID」フィールドは画像を一意に識別するための識別情報(画像ID)を含む。「画像」フィールドは画像を特定する情報を示す。例えば、画像へのリンク情報(URL等)が「画像」フィールドに登録される。
【0056】
「説明」フィールドは画像の説明文を示す。例えば、トマトの画像の場合には「トマトの画像です」等の説明文が「説明」フィールドに登録される。「色特徴量」フィールドは画像の色特徴量を示す。例えば、n色に減色された場合の画像のn色の色特徴量が「色特徴量」フィールドに登録される。
【0057】
図6は、画像処理システム1で実現される機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックを示す機能ブロック図である。
図6に示すように、画像処理システム1は対象画像取得部60、色情報取得部62、検索部64、類似度情報取得部66、及び通知部68を含む。
【0058】
これらの機能ブロックはサーバ10又はユーザ端末20によって実現される。例えば、対象画像取得部60及び色情報取得部62はユーザ端末20によって実現される。すなわち、ユーザ端末20の制御部21がプログラムに従って処理を実行することによって、制御部21がそれらの機能ブロックとして機能するようになる。また、検索部64、類似度情報取得部66、及び通知部68はサーバ10によって実現される。すなわち、サーバ10の制御部11がプログラムに従って処理を実行することによって、制御部11がそれらの機能ブロックとして機能するようになる。
【0059】
対象画像取得部60について説明する。対象画像取得部60は処理の対象となる画像(対象画像)を取得する。例えば、撮影部26によって撮影された画像の色をユーザが把握できるように補助する場合、撮影部26によって撮影された画像が「対象画像」に相当する。また例えば、Webページに表示された画像の色をユーザが把握できるように補助する場合、Webページに表示された画像が「対象画像」に相当する。
【0060】
色情報取得部62について説明する。色情報取得部62は対象画像の注目位置又は注目領域の色情報を取得する。「注目位置」又は「注目領域」とは、ユーザが色を確認したいと考えている位置又は領域である。
【0061】
例えば、色情報取得部62は、表示部25に表示された対象画像内の位置又は領域の指定を受け付ける。そして、色情報取得部62は、表示部25に表示された対象画像内の、ユーザによって指定された位置又は領域に基づいて、注目位置又は注目領域を設定する。
【0062】
例えば、色情報取得部62は注目位置の色値(例えばRGB値)を取得する。または、色情報取得部62は注目領域内の画素の色値(例えばRGB値)の平均値を注目領域の色値として取得する。
【0063】
本実施形態の場合、色情報取得部62は、ユーザの指定位置Pから所定距離(例えば15ピクセル)以内の領域を注目領域として設定する。また、色情報取得部62は注目領域内の画素の色値の平均値を取得する。
【0064】
検索部64について説明する。検索部64は、データベース16(画像記憶手段)に予め記憶された複数の画像のうちから、色情報取得部62によって取得された色情報と類似する色情報を有する画像を検索する。例えば、検索部64は、色情報取得部62によって取得された色に近い色を有する画像を検索する。後述するように、検索部64によって検索された画像が参考画像48として色確認画面30に表示されることになる。
【0065】
類似度情報取得部66について説明する。類似度情報取得部66は、データベース16に予め記憶された画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報と、の類似度に関する類似度情報を取得する。
【0066】
本実施形態の場合、類似度情報取得部66は、検索部64によって検索された画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報(注目位置又は注目領域の色情報)と、の類似度に関する類似度情報を取得する。
【0067】
通知部68について説明する。通知部68は、類似度情報取得部66によって取得された類似度情報に基づく通知をユーザに対して実行する。例えば、通知部68は、類似度情報取得部66によって取得された類似度情報をユーザに提示する。
【0068】
また、通知部68は、検索部64によって検索された画像自体と検索部64によって検索された画像に関する情報との少なくとも一方を、類似度情報取得部66によって取得された類似度情報とともにユーザに提示する。
【0069】
本実施形態の場合、通知部68は通知欄40を色確認画面30に表示させる。すなわち、通知部68は、検索部64によって検索された画像を参考画像48として色確認画面30に表示させる。また通知部68は、類似度情報取得部66によって取得された類似度を類似度50として色確認画面30に表示させる。
【0070】
なお、画像処理システム1では、色情報取得部62によって取得された色情報が複数の色グループのうちのいずれに属するかが判定される。そして、通知部68は、色情報取得部62によって取得された色情報が属する色グループをユーザに提示する。本実施形態の場合、通知部68は、色情報取得部62によって取得された色情報が属する色グループの名称を色グループ名42として色確認画面30に表示させる。
【0071】
ここで、以上に説明した機能ブロックを実現するための処理について説明する。
図7は、色確認画面30内の位置がユーザによって指定された場合に画像処理システム1で実行される処理の一例について説明するためのフロー図である。
【0072】
色確認画面30内の位置がユーザによって指定された場合、ユーザ端末20の制御部21はユーザの指定位置Pを取得する(S101)。例えば、タッチパネルから供給される位置情報に基づいて、制御部21は指定位置Pを取得する。
【0073】
ステップS101の処理が実行された後、制御部21は注目領域を設定する(S102)。例えば、制御部21は、ユーザの指定位置Pから所定距離(例えば15ピクセル)内の領域を注目領域として設定する。
【0074】
ステップS102の処理が実行された後、制御部21(色情報取得部62)は注目領域の色情報を取得する(S103)。例えば、制御部21は注目領域内の画素の色値(RGB値)の平均値を取得する。そして制御部21は、ステップS103で取得された色情報をサーバ10に送信する(S104)。
【0075】
ユーザ端末20から送信された色情報がサーバ10で受信された場合、サーバ10の制御部11は、ステップS103で取得された色情報が属する色グループを判断する(S105)。例えば、制御部11は、複数の色グループの各々について、該色グループの代表色の色値(RGB値)と、ステップS103で取得された色値(RGB値)と、の間のユークリッド距離を算出する。そして、制御部11は、上記のユークリッド距離が最も小さい色グループを、ステップS103で取得された色情報が属する色グループと判断する。
【0076】
また制御部11は、データベース16に記憶された複数の画像のうちから、参考画像48として表示すべき画像を検索する(S106)。すなわち、制御部11は、ステップS103で取得された色情報と同一又は類似の色情報を有する画像を検索する。具体的には、制御部11は、ステップS103で取得された色情報に近い色情報を有する画像を検索する。
【0077】
例えば、制御部11は、データベース16に記憶された複数の画像の各々について、該画像(比較対象画像)の色特徴量と、ステップS103で取得された色情報(すなわち、注目領域の色情報)の色特徴量と、を比較する。例えば、色特徴量の比較にはEMD(Earth Mover's Distance)と呼ばれる尺度が用いられる。
【0078】
EMDは輸送問題の解に基づく尺度である。ここで、「輸送問題」とは、輸送元(p)と輸送元の需要量(w
p)との分布をP={(p
1,w
p1),(p
2,w
p2),・・・,(p
m,w
pm)}とし、輸送先(q)と輸送先の需要量(w
q)との分布をQ={(q
1,w
q1),(q
2,w
q2),・・・,(q
n,w
qn)}とし、輸送元p
i(1≦i≦m)と輸送先q
j(1≦j≦n)との間の輸送コストをd
ijとした場合に輸送元と輸送先との間の総輸送コストの最小値を求める問題である。具体的には、上記の輸送問題は下記の式(1)に示す関数の最小値を求める問題である。ただし、上記の式(1)に示す関数の最小値を求める場合には下記の式(2)〜(5)に示す制約条件を満たす必要がある。
【0080】
なお、上記の式(2)は、輸送元p
iから輸送先q
jへの一方通行の輸送量が正であることを示している。上記の式(3)は、輸送元p
iの需要量w
piを超えて輸送を行えないことを示している。上記の式(4)は、輸送先q
jの需要量w
qjを超えて受け入れることができないことを示している。上記の式(5)は、総輸送量の上限を示しており、総輸送量が輸送元の需要量の総和又は輸送先の需要量の総和の小さい方に制限されることを示している。
【0081】
以上の場合、P,Q間のEMDは下記の式(6)で表される。
【0083】
本実施形態の場合、ステップS103で取得された色情報(すなわち、注目領域の色情報)の色特徴量の分布が分布Pに相当する。分布Pは1個の色特徴量のみを有することになる。
【0084】
また本実施形態の場合、比較対象画像(データベース16に記憶された画像)の色特徴量の分布が分布Qに相当する。より具体的には、n色に減色した比較対象画像のn色の色特徴量の分布が分布Qに相当する。n色に減色した比較対象画像のn色の色特徴量は、画像テーブルの「色特徴量」フィールドから取得される。
【0085】
ステップS106では、データベース16に記憶された複数の画像の各々について、上記のような分布P,QのEMDが算出される。そして、データベース16に記憶された複数の画像のうちで、EMDが小さい画像から順に、所定数(本実施形態の場合には三つ)の画像が、参考画像48として表示すべき画像として選択される。
【0086】
なお、ステップS103で取得された色情報と同一又は類似の色情報を有する画像を検索するための方法は上記に説明した方法に限られず、様々な方法を採用することが可能である。
【0087】
ステップS106の処理が実行された後、制御部11(類似度情報取得部66)は、ステップS103で取得された色情報と、ステップS106で検索された画像が有する色情報と、の類似度に関する類似度情報を取得する(S107)。例えば、制御部11は、上記のEMDをパーセント値に変換してなる値を類似度情報として取得する。
【0088】
なお、制御部11は、ステップS103で取得された色値(RGB値)と、ステップS106で検索された画像の代表色の色値(RGB値)と、の類似度を類似度情報として取得するようにしてもよい。色値(RGB値)の類似度を算出する場合には、色値(RGB値)をベクトルとみなして二つのベクトルがなす角度の余弦を算出し、該余弦を類似度として用いるようにすればよい。ただし、この場合、データベース16に記憶される画像の代表色を特定できるようにしておく必要がある。
【0089】
その後、制御部11(通知部68)は、通知欄40を表示するために必要な各種情報をユーザ端末20に送信する(S108)。例えば、制御部11は下記の情報をユーザ端末20に送信する。
・ステップS105で判断された色グループを示す色グループ情報
・ステップS106で検索された画像に関する参考画像情報(例えばリンク情報)
・ステップS107で取得された類似度情報
【0090】
サーバ10から送信された上記の情報がユーザ端末20で受信された場合、ユーザ端末20の制御部21は上記の情報に基づいて通知欄40を色確認画面30に表示する(S109)。例えば、制御部21はサーバ10から受信された色グループ情報に基づいて通知欄40に色グループ名42を表示する。また、制御部21は、ステップS103で取得された色情報に基づいて、通知欄40の色マップ44上にマーカ46を表示する。さらに、制御部21はサーバ10から受信された参考画像情報及び類似度情報に基づいて通知欄40に参考画像48及び類似度50を表示する。
【0091】
以上に説明した第1実施形態に係る画像処理システム1では通知欄40が色確認画面30に表示される。第1実施形態に係る画像処理システム1によれば、色確認画面30に表示された画像(例えば衣服32)の色をユーザが把握できるように補助することが可能になる。
【0092】
[第2実施形態]次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る画像処理システム1の全体構成は第1実施形態と同様である(
図1参照)。
【0093】
第2実施形態に係る画像処理システム1は、ユーザが任意の画像をデータベース16に登録できるようになっている点で第1実施形態と異なっている。
【0094】
任意の画像をデータベース16に登録する場合にユーザが行う手順について説明する。ここでは、自分が所有している衣服の画像をユーザがデータベース16に登録する場合について説明する。
【0095】
自分が所有している衣服の画像をデータベース16に登録する場合、ユーザは撮影部26を用いて自分の衣服を撮影する。あるいは、ユーザは、自分が所有している衣服の画像が掲載されているWebページから該画像を入手する。その後、ユーザは衣服画像を登録対象画像(すなわち、データベース16に登録する画像)として指定する。任意の画像が登録対象画像として指定された場合、該画像をデータベース16に登録するための登録画面がユーザ端末20の表示部25に表示される。
【0096】
図8は登録画面の一例を示す。
図8に示すように、登録画面70は登録対象画像欄72、説明欄74、及び登録ボタン76を含んでいる。登録対象画像欄72には、ユーザがデータベース16に登録したいと考えている画像(登録対象画像)が表示される。説明欄74は登録対象画像に関する説明文を入力するための欄である。
【0097】
登録画面70においてユーザは登録対象画像に関する説明文を説明欄74に入力し、その後、登録ボタン76を押下する。登録ボタン76が押下された場合、ユーザIDと、登録対象画像と、説明欄74に入力された説明文との組合せがサーバ10に送信される。
【0098】
この場合、サーバ10では、ユーザ端末20から送信された登録対象画像がデータベース16に保存される。また、該画像に関する情報が画像テーブルに登録される。
【0099】
図9は第2実施形態における画像テーブルの一例を示す。
図9に示す画像テーブルは「ID」、「画像」、「種別」、「登録ユーザ」、「説明」、及び「色特徴量」フィールドを含んでいる。「ID」、「画像」、「説明」、及び「色特徴量」フィールドは第1実施形態における画像テーブルと同様である(
図5参照)。
【0100】
「種別」フィールドは、画像がユーザによって登録された画像であるか否かを示す。例えば、値「0」又は「1」が「種別」フィールドに登録される。値「0」はユーザによって登録された画像でないことを示す。すなわち、値「0」は画像処理システム1の開発者又は管理者によって予め登録された画像であることを示す。第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ユーザに色を想起させるための画像が画像処理システム1の開発者又は管理者によって予めデータベース16に登録されている。値「0」はこのような画像であることを示す。一方、値「1」はユーザによって登録された画像であることを示す。「登録ユーザ」フィールドは画像を登録したユーザのユーザIDを示す。
【0101】
ユーザ端末20から送信された登録対象画像に関する情報を画像テーブルに新たに登録する場合、新たなレコードが画像テーブルに追加される。この場合、登録対象画像の画像IDが決定され、該画像IDが「ID」フィールドに登録される。また、登録対象画像のリンク情報が「画像」フィールドに登録される。
【0102】
さらに、値「1」が「種別」フィールドに登録される。また、ユーザ端末20から登録対象画像とともに受信されたユーザID及び説明文が「登録ユーザ」及び「説明」フィールドに登録される。さらに、登録対象画像の色特徴量が「色特徴量」フィールドに登録される。例えば、登録対象画像をn色に減色してなる画像が別途生成され、減色後の該画像についてn色の色特徴量が取得される。そして、該色特徴量が「色特徴量」フィールドに登録される。
【0103】
第1実施形態と同様に、第2実施形態に係る画像処理システム1も、ユーザが画像の色を確認できるように補助するための機能を有している。すなわち、第2実施形態に係る画像処理システム1においても、例えば
図3に示すような色確認画面30が表示される。
【0104】
上述したように、第2実施形態に係る画像処理システム1では、ユーザが任意の画像をデータベース16に登録できるようになっている。その結果、ユーザがデータベース16に登録した画像が通知欄40に参考画像48として表示される。すなわち、ユーザがデータベース16に登録した画像のうちで、ユーザの指定位置Pの色に近い色を有する画像が参考画像48として表示されるようになる。例えば、ユーザが所有する衣服の画像がデータベース16に記憶されている場合には、指定位置Pの色に近い色を有する衣服の画像が参考画像48として表示されるようになる。その結果、ユーザは色確認画面30に表示される画像の色をより把握し易くなる。
【0105】
なお、第2実施形態の場合、参考画像48自体を表示する代わりに参考画像48の説明文を表示するようにしてもよい。ユーザが所有している紺色のズボンの画像を参考画像48として表示する代わりに、「紺色のズボン」等の説明文を表示するようにしてもよい。この場合、紺色のズボンはユーザが所有しているものであるため、説明文だけを表示するようにしてもユーザは色を想起することができる。
【0106】
なお、第2実施形態に係る画像処理システム1で実現される機能ブロックは第1実施形態と同様である(
図6参照)。また、第2実施形態に係る画像処理システム1で実行される処理も第1実施形態と同様である(
図7参照)。
【0107】
ただし、
図7のステップS104では、ユーザIDと、ステップS103で取得された色情報と、の組合せがサーバ10に送信される。
【0108】
またステップS106では、データベース16に記憶された、下記の条件(A1)又は(A2)のいずれか一方を満足する画像のうちから、ステップS103で取得された色情報と同一又は類似の色情報を有する画像が検索される。具体的には、下記の条件(A1)又は(A2)のいずれか一方を満足する画像のうちから、ステップS103で取得された色情報に近い色情報を有する画像が検索される。
(A1)値「0」が「種別」フィールドに登録されている。
(A2)ステップS104で受信されたユーザIDが「登録ユーザ」フィールドに登録されている。
【0109】
第2実施形態に係る画像処理システム1によれば、ユーザ自らが登録した画像が参考画像48として表示されるため、ユーザは色確認画面30に表示される画像(例えば衣服32)の色をより把握し易くなる。
【0110】
ところで、以上では、画像処理システム1の開発者又は管理者によって予め用意された画像もデータベース16に記憶されていることとして説明したが、画像処理システム1の開発者又は管理者によって予め用意された画像はデータベース16に記憶されないようにしてもよい。すなわち、ユーザによって登録された画像のみがデータベース16に記憶されるようにしてもよい。
【0111】
[第3実施形態]次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る画像処理システム1の全体構成は第1実施形態と同様である(
図1参照)。
【0112】
第3実施形態に係る画像処理システム1は、色確認画面30に表示される画像の色と相性の良い色を有する画像をユーザに提示するようになっている。この点で第3実施形態に係る画像処理システム1は第1実施形態及び第2実施形態と異なっている。
【0113】
以下では、ユーザが所有している衣服であって、かつ、色確認画面30に表示された画像(衣服32)の色と相性の良い色を有する衣服をユーザに提示する場合を想定して、第3実施形態に係る画像処理システム1について説明する。
【0114】
第3実施形態の場合、ユーザは自分が所有する衣服の画像をデータベース16に登録しておく。自分が所有する衣服の画像をデータベース16に登録する場合にユーザが行う手順について説明する。自分が所有している衣服の画像をデータベース16に登録する場合、ユーザは撮影部26を用いて自分の衣服を撮影する。あるいは、ユーザは、自分が所有している衣服の画像が掲載されているWebページ等から該画像を入手する。その後、ユーザは衣服画像を登録対象画像(すなわち、データベース16に登録する画像)として指定する。衣服画像が登録対象画像として指定されると、該衣服画像をデータベース16に登録するための登録画面が表示部25に表示される。
【0115】
図10は登録画面の一例を示している。
図10に示すように、登録画面70は登録対象画像欄72、説明欄74、及び登録ボタン76を含んでいる。登録対象画像欄72、説明欄74、及び登録ボタン76は第2実施形態における登録画面70と同様である(
図8参照)。
【0116】
登録画面70においてユーザは衣服の代表位置を指定する。後述するように、ユーザによって代表位置として指定された位置の色が衣服の色として登録されることになる。なお、ユーザによって代表位置が指定されると、該代表位置を示すマーカ78が表示される。また、ユーザは衣服に関する説明文を説明欄74に入力する。その後、ユーザは登録ボタン76を押下する。登録ボタン76が押下された場合、ユーザIDと、登録対象画像と、代表位置として指定された位置の色情報と、説明欄74に入力された説明文と、の組合せがサーバ10に送信される。なお、ここでは、ユーザが代表位置を指定することとしたが、代表位置は自動的に決定されるようにしてもよい。
【0117】
上記情報の組合せがサーバ10において受信された場合、サーバ10では、ユーザ端末20から送信された登録対象画像がデータベース16に保存される。また、該画像に関する情報が画像テーブルに登録される。
【0118】
図11は第3実施形態における画像テーブルの一例を示す。
図11に示す画像テーブルは「ID」、「画像」、「種別」、「登録ユーザ」、「説明」、「色」、及び「色特徴量」フィールドを含んでいる。「ID」、「画像」、「種別」、「登録ユーザ」、「説明」、及び「色特徴量」フィールドは第2実施形態における画像テーブルと同じである(
図9参照)。
【0119】
「色」フィールドは、画像に写されている衣服の色を示す。例えば、衣服の代表位置として指定された位置の色が属する色グループの色グループIDが「色」フィールドに登録される。なお、衣服の代表位置として指定された位置の色値(例えばRGB値)が「色」フィールドに登録されるようにしてもよい。
【0120】
第1実施形態及び第2実施形態と同様に、第3実施形態に係る画像処理システム1も、ユーザが画像の色を確認できるように補助するための機能を有している。すなわち、第3実施形態に係る画像処理システム1においても色確認画面30が表示されるようになっている。
【0121】
図12は第3実施形態における色確認画面30の一例を示す。なお、通知欄40は第1実施形態と同様である(
図3参照)。
【0122】
図12に示すように、第3実施形態における色確認画面30にはおすすめ画像80が表示される。すなわち、ユーザがデータベース16に登録した衣服画像のうちに、色確認画面30に表示された衣服画像の色(ユーザの指定位置Pの色)と相性が良い色を有する衣服の画像が存在している場合に、該衣服画像がおすすめ画像80として表示される。なお、
図12に示す例では一つのおすすめ画像80のみが表示されるようになっているが、複数のおすすめ画像80が表示されるようにしてもよい。
【0123】
第3実施形態に係る画像処理システム1によれば、このおすすめ画像80が表示されることによって、ユーザは、自分が所有する衣服のうちの、色確認画面30に表示された衣服画像の色と相性が良い色を有する衣服を把握できるようになっている。
【0124】
以上のような機能を実現するための構成について説明する。
図13は、第3実施形態における画像処理システム1で実現される機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックを示す機能ブロック図である。
図13に示すように、画像処理システム1は対象画像取得部60、色情報取得部62、検索部64、類似度情報取得部66、第1通知部68A、模範組合せデータ記憶部90、判定部92、及び第2通知部94を含む。
【0125】
なお、対象画像取得部60、色情報取得部62、検索部64、及び類似度情報取得部66は第1実施形態と同様である(
図6参照)。また、第1通知部68Aは第1実施形態における通知部68と同様である(
図6参照)。ここではこれらの機能ブロックの説明を省略する。
【0126】
模範組合せデータ記憶部90、判定部92、及び第2通知部94はサーバ10又はユーザ端末20において実現される。例えば、模範組合せデータ記憶部90はデータベース16又は補助記憶部13によって実現される。また、判定部92及び第2通知部94はサーバ10によって実現される。すなわち、サーバ10の制御部11がプログラムに処理を実行することによって、制御部11が判定部92及び第2通知部94として機能するようになる。
【0127】
模範組合せデータ記憶部90について説明する。模範組合せデータ記憶部90は、色情報の模範組合せに関する模範組合せデータを記憶する。すなわち、模範組合せデータは、相性が良い色の組合せを示すデータである。
【0128】
図14は模範組合せデータの一例を示す。
図14に示す模範組合せデータは、相性が良い色グループの組合せを示している。なお、模範組合せデータは、相性が良い色の組合せを色値(例えばRGB値)によって示すようなデータであってもよい。
【0129】
判定部92について説明する。判定部92は、データベース16(画像記憶手段)に記憶された画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報と、の組合せが模範組合せであるか否かを模範組合せデータに基づいて判定する。
【0130】
例えば、判定部92は、データベース16に記憶された画像が有する色情報が属する色グループと、色情報取得部62によって取得された色情報が属する色グループと、の組合せが模範組合せであるか否かを判定する。
【0131】
第2通知部94について説明する。第2通知部94は、データベース16に記憶された画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報と、の組合せが模範組合せであると判定された場合にユーザに通知する。
【0132】
例えば、データベース16に記憶された画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報と、の組合せが模範組合せであると判定された場合に、第2通知部94は該画像をユーザに提示する。例えば
図12に示すように、第2通知部94は該画像をおすすめ画像80としてユーザに提示する。
【0133】
なお、データベース16に記憶された画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報と、の組合せが模範組合せであると判定された場合に、第2通知部94は該画像に関する情報をユーザに提示するようにしてもよい。例えば、第2通知部94は該画像に関する説明文をユーザに提示するようにしてもよい。
【0134】
次に、第3実施形態に係る画像処理システム1で実行される処理の一例について説明する。
図15は、色確認画面30内の位置がユーザによって指定された場合に画像処理システム1で実行される処理の一例について説明するためのフロー図である。
【0135】
図15におけるステップS201〜S207の処理は
図7におけるステップS101〜S107と同様である。ただし、ステップS204ではユーザIDが色情報とともにサーバ10に送信される。
【0136】
ステップS207の処理が実行された後、サーバ10の制御部11は、データベース16に記憶された複数の画像のうちから、おすすめ画像80として表示すべき画像を検索する(S208)。例えば、制御部11は下記の条件(B1)〜(B3)のすべてを満足する画像を検索する。
(B1)値「1」が「種別」フィールドに登録されている。
(B2)ステップS204で受信されたユーザIDが「登録ユーザ」フィールドに登録されている。
(B3)ステップS205で判断された色グループの色グループと、「色」フィールドに登録された色グループと、の組合せが模範組合せである。
【0137】
上記の条件(B1)〜(B3)のすべてを満足する画像が複数存在している場合には、それらの画像のうちのいずれかが選択される。なお、色確認画面30には複数のおすすめ画像80が表示されるようにしてもよい。この場合、上記の条件(B1)〜(B3)のすべてを満足する画像のうちから複数の画像を選択するようにすればよい。
【0138】
なお、上記の条件(B1)〜(B3)の他に、衣服のカテゴリーに関する条件を加えるようにしてもよい。例えば、色確認画面30に表示される画像がトップスの画像である場合(すなわち、衣服32のカテゴリーがトップスである場合)、「画像に写されている衣服のカテゴリーがボトムスである」との条件が条件(B4)として設けられるようにしてもよい。同様に、色確認画面30に表示される画像がボトムスの画像である場合(すなわち、衣服32のカテゴリーがボトムスである場合)、「画像に写されている衣服のカテゴリーがトップスである」との条件が条件(B4)として設けられるようにしてもよい。
【0139】
ただし、この場合、データベース16に記憶された画像に対応づけてカテゴリー情報を記憶しておく必要がある。例えば、画像に写されている被写体(衣服)のカテゴリーを示す「カテゴリー」フィールドを画像テーブルに追加する必要がある。また、色確認画面30に表示されている画像に写されている被写体(衣服32)のカテゴリーをユーザに入力させたり、自動的に判別したりする必要がある。
【0140】
ステップS208の処理が実行された後、制御部11は、通知欄40及びおすすめ画像80を表示するために必要な各種情報をユーザ端末20に送信する(S209)。例えば、制御部11は下記の情報をユーザ端末20に送信する。
・ステップS205で判断された色グループを示す色グループ情報
・ステップS206で検索された画像に関する参考画像情報(例えばリンク情報)
・ステップS207で取得された類似度情報
・ステップS208で検索された画像に関するおすすめ画像情報(例えばリンク情報)
【0141】
サーバ10から送信された上記の情報がユーザ端末20で受信された場合、ユーザ端末20の制御部21は上記の情報に基づいて通知欄40及びおすすめ画像80を色確認画面30に表示する(S210)。
【0142】
例えば、制御部21はサーバ10から受信された色グループ情報に基づいて色グループ名42を通知欄40に表示する。また、制御部21は、ステップS203で取得された色情報に基づいて、通知欄40の色マップ44上にマーカ46を表示する。さらに、制御部21はサーバ10から受信された参考画像情報及び類似度情報に基づいて参考画像48及び類似度50を通知欄40に表示する。また、制御部21はサーバ10から受信されたおすすめ画像情報に基づいておすすめ画像80を色確認画面30に表示する。
【0143】
以上に説明した第3実施形態に係る画像処理システム1によれば、例えば、ユーザが所有している衣服であって、かつ、色確認画面30に表示された衣服32の色と相性の良い色を有する衣服をユーザが把握できるように補助することが可能になる。
【0144】
[第4実施形態]次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る画像処理システム1の全体構成は第1実施形態と同様である(
図1参照)。
【0145】
第4実施形態に係る画像処理システム1は、色確認画面30に表示された画像の色と相性の良い色を有する画像をユーザが把握できるように補助する点で第3実施形態と共通する。
【0146】
ただし、第4実施形態に係る画像処理システム1では、データベース16に記憶された複数の画像のうちのいずれかを基準画像としてユーザが予め選択するようになっている。そして、基準画像が有する色と、色確認画面30に表示された画像の色と、の相性が良い場合にユーザに通知が行われるようになっている。この点で第4実施形態に係る画像処理システム1は第3実施形態とは異なっている。
【0147】
以下では、ユーザが所有している衣服であって、かつ、色確認画面30に表示された衣服32の色と相性の良い色を有する衣服をユーザが把握できるように補助する場合を想定して、第4実施形態に係る画像処理システム1について説明する。
【0148】
第3実施形態と同様、第4実施形態に係る画像処理システム1においても、ユーザは自分が所有する衣服の画像をデータベース16に登録しておく。任意の衣服画像をデータベース16に登録するためにユーザが行う手順は第3実施形態と同様である。
【0149】
図16は第4実施形態における画像テーブルの一例を示す。
図16に示す画像テーブルは「ID」、「画像」、「種別」、「登録ユーザ」、「説明」、「色」、「色特徴量」、及び「選択状態」フィールドを含んでいる。「ID」、「画像」、「種別」、「登録ユーザ」、「説明」、「色」、及び「色特徴量」フィールドは第3実施形態における画像テーブルと同様である(
図11参照)。
【0150】
「選択状態」フィールドは、画像がユーザによって基準画像として選択されているか否かを示す。例えば、値「0」又は「1」が「選択状態」フィールドに登録される。値「0」は、画像が基準画像として選択されていないことを示し、値「1」は、画像が基準画像として選択されていることを示す。
【0151】
データベース16に記憶されたユーザの衣服画像のうちのいずれかを基準画像として選択するためにユーザが行う手順について説明する。
【0152】
基準画像を選択する場合、基準画像を選択するための選択画面がユーザ端末20の表示部25に表示される。
図17は選択画面の一例を示す。
図17に示すように、選択画面100には、データベース16に記憶されたユーザの衣服画像102の一覧が表示される。ユーザは選択画面100に表示される衣服画像102のうちのいずれかを基準画像として選択する。
【0153】
選択画面100に表示される衣服画像102のうちのいずれかが選択されると、ユーザIDと、選択された衣服画像の画像IDと、の組合せがサーバ10に送信される。そして、この組合せがサーバ10で受信された場合、画像テーブルが更新される。すなわち、まず、受信されたユーザIDが「登録ユーザ」フィールドに登録されているレコードの「選択状態」フィールドの値が「0」に初期化される。その後、受信された画像IDが「ID」フィールドに登録されているレコードの「選択状態」フィールドの値が「1」に更新される。
【0154】
第4実施形態に係る画像処理システム1においても色確認画面30が表示される。
図18は第4実施形態における色確認画面30の一例を示す。
図18に示すように、第4実施形態における色確認画面30には通知欄40、基準画像110、及びメッセージ112が表示される。通知欄40は第1実施形態と同様である(
図3参照)。
【0155】
基準画像110は選択画面100において基準画像として選択された画像である。また、メッセージ112は、基準画像として選択された画像が有する色と、ユーザの指定位置Pの色と、の相性が良いことをユーザに伝える内容のメッセージである。
【0156】
基準画像が有する色と、ユーザの指定位置Pの色と、の相性が良い場合に基準画像110及びメッセージ112は表示される。すなわち、上記の相性が良くない場合には基準画像110及びメッセージ112は表示されない。
【0157】
第4実施形態に係る画像処理システム1によれば、基準画像110及びメッセージ112が表示されることによって、ユーザは、基準画像の色と、色確認画面30に表示された画像の色と、の相性が良いことを把握できるようになっている。例えば、基準画像に写された衣服の色と、色確認画面30に表示された衣服32の色と、の相性が良いことをユーザが把握できるようになっている。
【0158】
第4実施形態に係る画像処理システム1で実現される機能ブロックは第3実施形態と同様である(
図13参照)。このため、
図13を参照しながら、第4実施形態に係る画像処理システム1で実現される機能ブロックについて説明する。なお、対象画像取得部60、色情報取得部62、検索部64、類似度情報取得部66、第1通知部68A、及び模範組合せデータ記憶部90は第3実施形態と同様である。ここではこれらの機能ブロックの説明を省略する。
【0159】
判定部92について説明する。判定部92は、基準画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報と、の組合せが模範組合せであるか否かを判定する。
【0160】
例えば、判定部92は、基準画像が有する色情報が属する色グループと、色情報取得部62によって取得された色情報が属する色グループと、の組合せが模範組合せであるか否かを判定する。
【0161】
第2通知部94について説明する。第2通知部94は、基準画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報と、の組合せが模範組合せである場合にユーザに通知する。例えば
図18に示すように、第2通知部94は基準画像110及びメッセージ112を色確認画面30に表示する。
【0162】
なお、基準画像110及びメッセージ112の両方を色確認画面30に表示する必要はなく、第2通知部94は基準画像110及びメッセージ112の一方を色確認画面30に表示するようにしてもよい。また第2通知部94は、基準画像110又はメッセージ112を色確認画面30に表示する代わりに、所定画像(例えばアイコン)を色確認画面30に表示したり、所定のエフェクトを色確認画面30に施したりするようにしてもよい。
【0163】
次に、第4実施形態に係る画像処理システム1で実行される処理の一例について説明する。
図19は、色確認画面30内の位置がユーザによって指定された場合に画像処理システム1で実行される処理の一例について説明するためのフロー図である。
【0164】
図19におけるステップS301〜S307の処理は
図7におけるステップS101〜S107と同様である。ただし、ステップS304ではユーザIDが色情報とともにサーバ10に送信される。
【0165】
ステップS307の処理が実行された後、サーバ10の制御部11は、基準画像として選択されている画像が有する色情報と、ステップS303で取得された色情報と、の組合せが模範組合せであるか否かを判定する(S308)。
【0166】
例えば、制御部11は、基準画像として選択されている画像が有する色が属する色グループと、ステップS305で判断された色グループと、の組合せが模範組合せであるか否かを判定する。ここで、「基準画像として選択されている画像が有する色が属する色グループ」とは、画像テーブルの「色」フィールドに登録された色グループである。
【0167】
ステップS308の処理が実行された後、制御部11は、通知欄40、基準画像110、及びメッセージ112を表示するために必要な各種情報をユーザ端末20に送信する(S309)。例えば、制御部11は下記の情報をユーザ端末20に送信する。
・ステップS305で判断された色グループを示す色グループ情報
・ステップS306で検索された画像に関する参考画像情報(例えばリンク情報)
・ステップS307で取得された類似度情報
・基準画像として選択されている画像に関する基準画像情報(例えばリンク情報)
・ステップS308における判定結果に関する判定結果情報、又は、ステップS308における判定結果に応じたメッセージ情報
【0168】
サーバ10から送信された上記の情報がユーザ端末20で受信された場合、ユーザ端末20の制御部21は上記の情報に基づいて通知欄40、基準画像110、及びメッセージ112を色確認画面30に表示する(S310)。
【0169】
例えば、制御部21はサーバ10から受信された色グループ情報に基づいて色グループ名42を通知欄40に表示する。また、制御部21は、ステップS303で取得された色情報に基づいて、通知欄40の色マップ44上にマーカ46を表示する。さらに、制御部21はサーバ10から受信された参考画像情報及び類似度情報に基づいて参考画像48及び類似度50を通知欄40に表示する。
【0170】
また、制御部21はサーバ10から受信された基準画像情報に基づいて基準画像110を色確認画面30に表示する。さらに、制御部21はサーバ10から受信された判定結果情報(又はメッセージ情報)に基づいてメッセージ112を色確認画面30に表示する。
【0171】
以上に説明した第4実施形態に係る画像処理システム1によれば、例えば、ユーザが所有している衣服であって、かつ、色確認画面30に表示された衣服32の色と相性の良い色を有する衣服をユーザが把握できるように補助することが可能になる。
【0172】
なお、第4実施形態に係る画像処理システム1では衣服のカテゴリーを考慮するようにしてもよい。例えば、基準画像として選択された画像がトップスの画像である場合には、色確認画面30に表示される画像がボトムスの画像である場合(すなわち、衣服32のカテゴリーがボトムスである場合)に限って、基準画像110やメッセージ112を表示するようにしてもよい。同様に、基準画像として選択された画像がボトムスの画像である場合には、色確認画面30に表示される画像がトップスの画像である場合(すなわち、衣服32のカテゴリーがトップスである場合)に限って、基準画像110やメッセージ112を表示するようにしてもよい。
【0173】
ただし、この場合、データベース16に記憶された画像に対応づけてカテゴリー情報を記憶しておく必要がある。例えば、画像に写されている被写体(衣服)のカテゴリーを示す「カテゴリー」フィールドを画像テーブルに追加する必要がある。また、色確認画面30に表示されている画像に写されている被写体(衣服32)のカテゴリーをユーザに入力させたり、自動的に判別したりする必要がある。
【0174】
[第5実施形態]次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る画像処理システム1の全体構成は第1実施形態と同様である(
図1参照)。
【0175】
第4実施形態と同様、第5実施形態に係る画像処理システム1では、データベース16に記憶された複数の画像のうちのいずれかを基準画像としてユーザが予め選択するようになっている。特に、第5実施形態に係る画像処理システム1では、基準画像として選択された画像が有する色と、色確認画面30に表示された画像の色と、の間の類似度に基づく通知がユーザに対して行われるようになっている。この点で第5実施形態に係る画像処理システム1は第1実施形態〜第4実施形態とは異なっている。
【0176】
上述したように、第5実施形態に係る画像処理システム1では、データベース16に記憶された複数の画像のうちのいずれかを基準画像としてユーザが予め選択するようになっている。基準画像を選択するためにユーザが行う手順は第4実施形態と同様である(
図17参照)。
【0177】
なお、第5実施形態の場合、画像処理システム1の開発者又は管理者によって予め登録された画像のみがデータベース16に記憶されていてもよいし、ユーザによって登録された任意の画像のみがデータベース16に記憶されていてもよいし、それらの両方の画像がデータベース16に記憶されていてもよい。
【0178】
図20は第5実施形態における色確認画面30の一例を示す。
図20に示すように、第5実施形態における色確認画面30には通知欄120が表示される。通知欄120には色グループ名42、色マップ44、マーカ46、基準画像122、及び類似度124が表示される。色グループ名42、色マップ44、及びマーカ46は第1実施形態における通知欄40と同様である(
図3参照)。
【0179】
基準画像122は基準画像として選択されている画像である。類似度124は、基準画像として選択されている画像が有する色と、色確認画面30に表示されている画像の色(ユーザの指定位置Pの色)と、の間の類似度を示している。ユーザはこの類似度124を参照することによって、基準画像として選択されている画像が有する色と、色確認画面30に表示されている画像の色と、の間の類似度を把握できるようになる。
【0180】
なお、類似度124を表示する代わりに、基準画像として選択されている画像が有する色と、色確認画面30に表示されている画像の色と、の間の類似度に応じたメッセージを色確認画面30に表示するようにしてもよい。例えば、類似度が基準類似度よりも高いか否かを判定するようにし、類似度が基準類似度よりも高い場合にその旨を示すメッセージを色確認画面30に表示するようにしてもよい。なお、類似度が基準類似度よりも高い場合に、その旨を示す所定画像を色確認画面30に表示したり、所定のエフェクトを色確認画面30に施したりするようにしてもよい。このようにしても、メッセージ(あるいは画像又はエフェクト)によって、ユーザは、基準画像として選択されている画像が有する色と、色確認画面30に表示されている画像の色と、の間の類似度が高いことを把握できるようになる。
【0181】
図21は、第5実施形態に係る画像処理システム1で実現される機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックを示す機能ブロック図である。
図21に示すように、第5実施形態に係る画像処理システム1は対象画像取得部60、色情報取得部62、類似度情報取得部66、及び通知部68を含む。なお、対象画像取得部60及び色情報取得部62は第1実施形態と同様である(
図6参照)。ここではこれらの機能ブロックの説明を省略する。
【0182】
類似度情報取得部66について説明する。類似度情報取得部66は、基準画像が有する色情報と、色情報取得部62によって取得された色情報と、の類似度に関する類似度情報を取得する。
【0183】
通知部68について説明する。通知部68は、類似度情報取得部66によって取得された類似度情報をユーザに通知する。例えば
図20に示すように、通知部68は色確認画面30に類似度124を表示する。
【0184】
なお、通知部68は、上記の類似度が基準類似度よりも高い場合にユーザに通知するようにしてもよい。例えば、上記の類似度が基準類似度よりも高い場合に、通知部68は所定のメッセージ又は画像を色確認画面30に表示するようにしてもよい。あるいは、上記の類似度が基準類似度よりも高い場合に、通知部68は、色確認画面30を光らせる等のエフェクトを色確認画面30に施すようにしてもよい。
【0185】
次に、第5実施形態に係る画像処理システム1で実行される処理の一例について説明する。
図22は、色確認画面30内の位置がユーザによって指定された場合に画像処理システム1で実行される処理の一例について説明するためのフロー図である。なお、
図22は、
図20に示すような色確認画面30を表示する場合の処理を示している。
【0186】
図22におけるステップS401〜S405の処理は
図7におけるステップS101〜S105と同様である。ただし、ステップS404ではユーザIDが色情報とともにサーバ10に送信される。
【0187】
ステップS405の処理が実行された後、サーバ10の制御部11(類似度情報取得部66)は、基準画像として選択されている画像が有する色情報と、ステップS403で取得された色情報と、の間の類似度に関する類似度情報を取得する(S406)。例えば制御部11は、基準画像として選択されている画像の色特徴量と、注目領域の色特徴量(ステップS403で取得された色情報の色特徴量)と、を比較する。
図7におけるステップS106と同様、例えばEMDと呼ばれる尺度が色特徴量の比較に用いられる。
【0188】
この場合、注目領域の色特徴量(ステップS403で取得された色情報の色特徴量)の分布が上記の分布Pに相当する。なお上述したように分布Pは1個の色特徴量のみを有することになる。また、基準画像の色特徴量の分布が分布Qに相当する。より具体的には、基準画像をn色に減色した場合のn色の色特徴量の分布が分布Qに相当する。ステップS405において、制御部11は上記のような分布P,QのEMDを算出し、算出されたEMDをパーセント値に変換してなる値を類似度情報として取得する。
【0189】
ステップS406の処理が実行された後、制御部11は、通知欄120を表示するために必要な各種情報をユーザ端末20に送信する(S407)。例えば、制御部11は下記の情報をユーザ端末20に送信する。
・ステップS405で判断された色グループに関する色グループ情報
・基準画像として選択されている画像に関する基準画像情報(例えばリンク情報)
・ステップS406で取得された類似度情報
【0190】
サーバ10から送信された上記の情報がユーザ端末20で受信された場合、ユーザ端末20の制御部21は上記の情報に基づいて通知欄120を色確認画面30に表示する(S408)。
【0191】
例えば、制御部21はサーバ10から受信された色グループ情報に基づいて色グループ名42を通知欄120に表示する。また、制御部21は、ステップS403で取得された色情報に基づいて、通知欄120の色マップ44上にマーカ46を表示する。さらに、制御部21はサーバ10から受信された基準画像情報及び類似度情報に基づいて基準画像122及び類似度124を通知欄120に表示する。以上で
図22に示す処理の説明を終了する。
【0192】
なお、ここで、基準画像として選択されている画像が有する色情報と、ステップS403で取得された色情報と、の間の類似度が高い場合にメッセージを色確認画面30に表示する場合の処理について説明しておく。
【0193】
この場合、ステップS406の処理が実行された後に、制御部11は、ステップS406で取得された類似度が基準類似度よりも高いか否かを判定する。そして、類似度が基準類似度よりも高い場合に、制御部11はその旨を示すメッセージ情報をユーザ端末20に送信する。また、ユーザ端末20の制御部21は、受信されたメッセージ情報に基づいてメッセージを色確認画面30に表示する。
【0194】
なお、ステップS406の処理が実行された後に、ユーザ端末20の制御部21が、ステップS406で取得された類似度が基準類似度よりも高いか否かを判定するようにしてもよい。そして、類似度が基準類似度よりも高い場合に、制御部21はその旨を示すメッセージを色確認画面30に表示するようにしてもよい。
【0195】
以上に説明した第5実施形態に係る画像処理システム1によれば、基準画像として選択されている画像が有する色と、色確認画面30に表示された画像の色と、が類似しているか否かをユーザが把握し易くなるように補助することが可能になる。
【0196】
なお、第5実施形態に係る画像処理システム1は、時間経過とともに色が変化する物が所望の状態になったか否かをユーザが把握し易くなるように補助するためにも用いることができる。例えば、第5実施形態に係る画像処理システム1は、料理を作るユーザを補助するために用いることができる。
【0197】
ここで、肉を焼くユーザを補助する場合を想定する。この場合、ユーザは良い具合に焼くことができた状態の肉の画像を予め撮影し、データベース16に登録しておく。実際に肉を焼く場合、ユーザは上記の画像(良い具合に焼くことができた状態の肉の画像)を基準画像として選択する。そして、ユーザは調理中の肉を被写体として撮影部26を用いて撮影し、色確認画面30に表示される肉画像内の位置を指定する。
【0198】
この場合、基準画像の色と、調理中の肉画像の色と、の間の類似度が色確認画面30に表示される。
図23はこの場合の色確認画面30の一例を示す。この色確認画面30に表示される類似度130を頼りにユーザは肉の焼き具合が良い具合になったか否かを把握できるようになる。
【0199】
ところで、上記に説明した例の場合、肉を撮影してなる画像を時間経過に伴って繰り返し取得するようにしてもよい。すなわち、撮影部26によって動画が撮影されるようにしてもよい。この場合、肉を撮影してなる画像が所定時間(例えば1/60秒)ごとに取得されることになる。この場合、肉画像が取得されるごとに、基準画像(良い具合に焼くことできた肉の画像)の色と、撮影された肉画像の色と、の間の類似度が算出されるようにしてもよい。そして、色確認画面30に表示される類似度130が更新されるようにしてもよい。
【0200】
また、良い具合に焼くことができた肉の画像だけでなく、十分に焼けていない状態の肉の画像や、焼きすぎた状態の肉の画像を「十分に焼けていない状態」や「焼きすぎた状態」等の説明文とともにデータベース16に登録しておくようにしてもよい。そして、これらの画像も基準画像として選択するようにしてもよい。このようにすることによって、調理中の肉がどの状態に近いのかをユーザが把握できるようにしてもよい。
【0201】
なお、第5実施形態に係る画像処理システム1は、肉を焼く場合以外の場合にも利用することができる。例えば、玉ねぎを飴色になるまで煮詰めるような場合にも利用することができる。この場合、ユーザは、飴色になるまで煮詰まった玉ねぎの画像を予め撮影し、データベース16に登録しておく。そして、実際に玉ねぎを飴色になるまで煮詰める場合、ユーザは上記の画像(飴色になるまで煮詰まった玉ねぎの画像)を基準画像として選択する。ユーザは調理中の玉ねぎを撮影部26によって撮影し、色確認画面30に表示される玉ねぎ画像内の位置を指定する。
【0202】
この場合、基準画像の色と、調理中の玉ねぎ画像の色と、の間の類似度130が色確認画面30に表示される。この色確認画面30に表示される類似度130を頼りにユーザは玉ねぎが飴色まで煮詰まったか否かを把握できるようになる。
【0203】
以上の他、例えば紅茶を入れる場合等にも第5実施形態に係る画像処理システム1は利用することが可能である。
【0204】
なお、料理を作る際の各手順に対応する基準画像がデータベース16に記憶されるようにしてもよい。例えば、ユーザが手順Aを実行している場合には手順Aに対応する基準画像が自動的に設定されるようにしてもよい。そして、ユーザが手順Aを完了した場合(すなわち、ユーザが手順Aを完了したことを示す所定操作を行った場合)には、手順Aの次の手順Bに対応する基準画像が自動的に設定されるようにしてもよい。
【0205】
第5実施形態に係る画像処理システム1は料理を作る以外の場合にも用いることができる。例えば、第5実施形態に係る画像処理システム1は、ユーザが果物の食べごろを把握できるように補助するためにも用いることができる。この場合、ユーザは食べごろになった状態の果物を予め撮影し、該撮影画像をデータベース16に登録しておく。そして、果物が食べごろであるか否かを判断したい場合、ユーザは上記の画像(食べごろになった状態の果物の撮影画像)を基準画像として選択する。そして、ユーザは果物を撮影部26によって撮影し、色確認画面30に表示される果物画像内の位置を指定する。
【0206】
この場合、基準画像の色と、色確認画面30に表示された果物画像の色と、の間の類似度130が色確認画面30に表示される。この色確認画面30に表示される類似度130を頼りにユーザは果物が食べごろになったか否かを把握できるようになる。
【0207】
なお、本発明は以上に説明した第1実施形態〜第5実施形態に限定されるものではない。
【0208】
[1]例えば、対象画像内の「注目位置及び注目領域を含む連続領域であって、かつ、注目位置又は前記注目領域の色情報と同一又は類似の色情報を有する領域」をユーザに提示するようにしてもよい。なお以下では、「注目位置及び注目領域を含む連続領域であって、かつ、注目位置又は前記注目領域の色情報と同一又は類似の色情報を有する領域」のことを「同色領域」と記載する。
【0209】
図24はこの場合の色確認画面30の一例を示す。
図24に示す色確認画面30には境界線140が表示されている。境界線140は同色領域の境界線を示している。
【0210】
同色領域を検出するための方法の一例について説明する。
【0211】
まず、制御部21は、注目領域に隣接する画素の色が注目領域の色と同一又は類似であるか否かを判定する。例えば、隣接画素の色値と、注目領域の色値と、の間のユークリッド距離が基準値よりも小さい場合に、制御部21は隣接画素の色と注目領域の色とが同一又は類似していると判定する。なお、ユークリッド距離を用いる代わりに、例えば二乗誤差、マハラノビス距離、又はアースムーバーズ距離等を用いるようにしてもよい。
【0212】
または、隣接画素の色が属する色グループと、注目領域の色が属する色グループと、が同じである場合に、制御部21は隣接画素の色と注目領域の色とが同一又は類似していると判定するようにしてもよい。
【0213】
隣接画素の色と注目領域の色とが同一又は類似していると判定された場合、さらに制御部21は、該隣接画像に隣接する画素の色と、注目領域の色と、が同一又は類似しているか否かを判定する。このようにして制御部21は同色領域を検出する。
【0214】
なお、同色領域を検出するための方法は上記に説明した方法に限られない。例えば、領域分割のための各種手法を用いることも可能である。
【0215】
以上のようにすれば、ユーザが指定した位置の色がどこまで続いているのかをユーザが把握できるように補助することが可能になる。例えば、色弱者は茶色と青とを見分けることが困難である場合がある。このため、例えば茶色と青色とのボーダー模様を有する衣服の場合、色弱者は茶色の領域と青色の領域との境界を認識することができず、ボーダー模様を認識することが困難になってしまう。この点、以上のようにすれば、例えばユーザの指定位置Pの色が茶色である場合、茶色の領域の境界線が提示されることになるため、ユーザは茶色の領域を把握できるようになる。その結果、ユーザがボーダー模様を把握できるように補助することが可能になる。
【0216】
[2]例えば、通知欄40,120に表示される情報の一部を省略するようにしてもよい。例えば、色マップ44及びマーカ46を省略するようにしてもよい。
【0217】
[3]例えば、以上では画像処理システム1がサーバ10及びユーザ端末20を含むこととして説明したが、画像処理システム1はサーバ10を含まないようにしてもよい。すなわち、
図6(
図13,
図21)に示す機能ブロックのすべてがユーザ端末20(画像処理装置)で実現されるようにしてもよい。
【0218】
なお、すべての機能ブロックがユーザ端末20で実現されるようにする場合、ユーザ端末20からデータベース16に直接アクセスするようにしてもよい。あるいは、データベース16がユーザ端末20内に構築されるようにしてもよい。すなわち、データベース16(又は補助記憶部13)に記憶されることとして説明した画像及びデータ(例えば
図4,5,9,11,14,16)がユーザ端末20の補助記憶部23に記憶されるようにしてもよい。
【0219】
また、すべての機能ブロックがユーザ端末20で実現されるようにする場合、サーバ10で実行することとして説明した処理はユーザ端末20で実行されることになる。
【0220】
[4]なお、例えば第2実施形態〜第5実施形態に係る画像処理システム1は色弱者だけでなく、健常者に対しても有用である。