特許第5740377号(P5740377)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740377
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】温水空調装置
(51)【国際特許分類】
   F24D 3/00 20060101AFI20150604BHJP
   F24D 3/10 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
   F24D3/00 Z
   F24D3/10 Z
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-219359(P2012-219359)
(22)【出願日】2012年10月1日
(65)【公開番号】特開2014-70856(P2014-70856A)
(43)【公開日】2014年4月21日
【審査請求日】2013年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】水田 祐美子
(72)【発明者】
【氏名】川原 達也
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−19844(JP,A)
【文献】 特開2007−255769(JP,A)
【文献】 実開平2−4118(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 3/00 − 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源機から温水配管を通じて熱交換器へ供給される温水により室内の暖房や乾燥を行う温水空調装置であって、
熱源機から熱交換器への温水供給動作を開始した際に、入水側の温水配管接続部から熱交換器へ延びる入水管路内の水温が所定の基準時間以上継続して判定基準水温より低い状態であれば、入水側の温水配管接続部に戻り側の温水配管が接続され、出水側の温水配管接続部に往き側の温水配管が接続された誤接続状態であると判定する接続判定手段を備え、
接続判定手段は、熱源機による熱交換器への温水供給動作を開始する前の初期室温が低ければ前記判定基準水温を低く設定し、前記初期室温が高ければ前記判定基準水温を高く設定することを特徴とする、温水空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱源機で加熱生成される温水を用いて室内の暖房や乾燥等を行う温水空調装置、特に、熱源機から延びる温水配管が温水空調装置に対し、正常に接続されているか否かを判定する接続判定手段を備えた温水空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱源機から供給される温水の熱を利用して室内の暖房や乾燥を行う温水空調装置では、放熱効率を考慮し、熱交換器内へ温水を一方向に流通させるように構成されたものが一般的である。従って、熱源機から延びる往き側の温水配管と戻り側の温水配管とが装置本体の入水側および出水側の温水配管接続部に対してそれぞれ逆側へ誤接続されると、運転した際に熱交換器に対して温水が出口側から流れ込むため、放熱効率が低下する問題がある。
【0003】
この問題を解消するため、従来の温水空調装置において、図3に示すように、温水循環動作を開始してから所定時間後の入水管路(熱交換器と入水側の温水配管接続部とを繋ぐ管路)内の水温Tを検知し、その水温Tが基準水温Sより低ければ、熱交換器で放熱された後の温水が入水管路内へ流れ込んでいる状態であるとして、温水配管の誤接続と判定するものが知られている(例えば、特許文献1から4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−19844号公報
【特許文献2】特開2009−19845号公報
【特許文献3】特開2008−304072号公報
【特許文献4】特開平8−49865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、室温が高いと、その分、熱交換器からの放熱量も少なくなり、温水配管が誤接続されているときの入水管路内の水温と基準水温との差が小さくなる。そのため、上記従来の温水空調装置では、正確に温水配管の接続状態を判定できない虞があった。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温水配管の接続状態を判定する接続判定手段を備えた温水空調装置において、接続判定精度の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、熱源機から温水配管を通じて熱交換器へ供給される温水により室内の暖房や乾燥を行う温水空調装置であって、熱源機から熱交換器への温水供給動作を開始した際に、入水側の温水配管接続部から熱交換器へ延びる入水管路内の水温が所定の基準時間以上継続して判定基準水温より低い状態であれば、入水側の温水配管接続部に戻り側の温水配管が接続され、出水側の温水配管接続部に往き側の温水配管が接続された誤接続状態であると判定する接続判定手段を備え、接続判定手段は、熱源機による熱交換器への温水供給動作を開始する前の初期室温が低ければ前記判定基準水温を低く設定し、前記初期室温が高ければ前記判定基準水温を高く設定することを特徴とするものである。
【0008】
このものでは、熱源機による熱交換器への温水供給動作を開始する前の初期室温が高くなるに従って判定基準水温が高く設定されるから、室温に合わせて正確に温水配管の誤接続を判定することができる。
【0009】
上記温水空調装置において、接続判定手段は、前記初期室温が低ければ前記基準時間を短く設定し、前記初期室温が高ければ前記基準時間を長く設定することを特徴とするものであるのが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、室温に合わせて正確に温水配管の誤接続を判定することができるから、接続判定精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る温水空調装置の温水循環システムを示す概略構成図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る温水空調装置の接続判定動作を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る温水空調装置の温水循環動作開始後における入水管路内の水温変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る温水空調装置は、浴室内へ温風を循環供給させることで暖房や乾燥を行う浴室暖房乾燥機1であり、温水を加熱生成する暖房用の熱源機2に対して、往き側の温水配管(以下、「往き配管」という)21および戻り側の温水配管(以下、「戻り配管」という)22を介して接続されている。
【0017】
尚、熱源機2は、図示しないガス配管から供給されるガスを燃焼させるバーナ23と、そのガスの燃焼熱を回収する吸熱熱交換器24と、バーナ23へのガスの供給量を調整するガス量調整弁25と、吸熱熱交換器24内で加熱生成された温水を往き配管L1側へ送り出して浴室暖房乾燥機1との間で循環させる循環ポンプ26と、熱源機2全体の動作を制御する熱源制御回路29とを備えている。また、熱源制御回路29は、浴室暖房乾燥機1からの出湯指示を受けて、循環ポンプ26を作動させると共にバーナ23を点火させ、図示しない出湯温センサの検知温度が予め設定された出湯温度になるようにガス量調整弁25の開度を調整する出湯動作の実行部を備えており、電気配線を通じて浴室暖房乾燥機1の端末制御回路19に接続されている。
【0018】
浴室暖房乾燥機1のケーシング10には、入水側の温水配管接続部(以下、「入水側接続部」という)11と、出水側の温水配管接続部(以下、「出水側接続部」という)12とが設けられており、この入水側接続部11に往き配管21が接続され、出湯側接続部12に戻り配管22が接続される。
【0019】
また、ケーシング10内には、熱源機2から供給される温水の熱を放出する放熱熱交換器14と、放熱熱交換器14に対する温水の供給を遮断可能な熱動弁15と、放熱熱交換器14から放出される熱を浴室内へ送出する循環ファン16と、放熱熱交換器14へ供給される温水の温度を検知する入水温センサ17と、室温を検知する室温センサ18と、浴室暖房乾燥機1全体の動作を制御する端末制御回路19とが組み込まれている。
【0020】
放熱熱交換器14は、ケーシング10の通気路100内に蛇行曲成された一つの放熱管140で構成されており、その一端は入水管路141を介して入水側接続部11に繋がり、他端は出水管路142を介して出水側接続部12へ繋がっている。
【0021】
熱動弁15は、入水管路141に設けられており、往き配管21が入水側接続部11に接続され、戻り配管22が出水側接続部12に接続された正常接続状態において開放されると、熱源機2から送り出された温水が、往き配管21を通って入水管路141へ導かれ、放熱管140内へ送り込まれる。さらに、放熱管140内へ送り込まれた温水は、出水管路142を通って戻り配管22へ送り込まれ、熱源機2へ帰還する。
【0022】
循環ファン16は、通気路100の側壁相互間に回動可能な状態で軸支されており、その軸端に接続されたファンモータ160を作動させることで、浴室内の空気がケーシング10の空気取込口101から通気路100内へ導入され、放熱熱交換器14の配設部を通って再び吹出口102から浴室内へ導出される。
【0023】
入水温センサ17は、入水管路141における熱動弁15と放熱熱交換器14との間に設けられており、上述した正常接続状態においては、熱動弁15側から入水管路141内へ流れ込む温水の温度を入水温Twとして検知する。一方、往き配管21が出水側接続部12に接続され、戻り配管22が入水側接続部11に接続された誤接続状態においては、放熱熱交換器14側から入水管路141内へ流れ込む温水の温度を入水温Twとして検知する。
【0024】
室温センサ18は、通気路100における放熱熱交換器14の配設部より上流側に設けられており、循環ファン16によって空気取込口101から通気路100内へ導入される空気の温度を室温Taとして検知する。
【0025】
端末制御回路19には、浴室暖房乾燥機1による浴室の暖房温度や暖房時間の設定、運転モードの切替等を指示するコントローラ3が電気配線を通じて接続されている。
【0026】
端末制御回路19は、熱動弁15を開いて放熱熱交換器14内へ温水を循環供給させる温水循環動作の実行部、入水温センサ17の検知温度(入水温)Twが所定温度T3に達したか否かを判定する入水温判定部、温水循環動作を開始する前の室温センサ18の検知温度(初期室温)Taを記憶する室温記憶部、温水循環動作を開始してから入水温Twが所定温度T3に達するまでの立ち上がり時間Stを計測する立ち上がり時間計測部、立ち上がり時間Stを記憶する立ち上がり時間記憶部、循環ファン16の回転数を制御する風量調整部、初期室温Taが基準室温T1,T2以上であるか否かを判定する室温判定部、立ち上がり時間Stが所定時間S3以下であるか否かを判定する立ち上がり時間判定部、所定の基準時間S4以上継続して入水温Twが判定基準水温T4より低い状態であるか否かを判定する接続判定部、接続判定を開始してから予め設定された接続判定時間S5が経過したか否かを判定する終了判定部、基準時間S4以上継続して入水温Twが判定基準水温T4より低い場合に接続エラー信号を出力するエラー出力部を備えている。
【0027】
また、端末制御回路19は、初期室温Taに応じて判定基準水温T4を変更する基準水温調整部、初期室温Taに応じて基準時間S4を変更する第1判定時間調整部、立ち上がり時間Stに応じて基準時間S4を変更する第2判定時間調整部を備えている。
【0028】
基準水温調整部は、初期室温Taが第1の基準室温T1(例えば、15℃)より低ければ、判定基準水温T4を第1判定温度a1(例えば、50℃)に設定する一方、第1の基準室温T1以上であり且つ第2の基準室温T2(ここでは、25℃)より低い場合は、判定基準水温T4を第1判定温度a1より高い第2判定温度a2(例えば、55℃)に設定し、第2の基準室温T2以上であれば、判定基準水温T4を第2判定温度a2より高い第3判定温度a3(例えば、60℃)に設定するように構成されている。
【0029】
第1判定時間調整部は、初期室温Taが第2の基準室温T2より低ければ、基準時間S4を第1判定時間b1(例えば、2秒)に設定する一方、第2の基準室温T2以上であれば、基準時間S4を第1判定時間b1より長い第2判定時間b2(例えば、5秒)或いは第2判定時間b2より長い第3判定時間b3(例えば、10秒)に設定するように構成されている。
【0030】
第2判定時間調整部は、立ち上がり時間Stが所定時間S3(例えば、120秒)より長ければ、基準時間S4を第2判定時間b2に設定する一方、所定時間S3以上であれば、基準時間S4を第3判定時間b3に設定するように構成されている。
【0031】
端末制御回路19による往き配管21および戻り配管22の接続判定動作を、図2の作動フローチャートに従って説明する。コントローラ3から運転開始の指示を受けると、まず、循環ファン16を一定時間(例えば、5秒間)作動させて浴室内の空気を攪拌させ、そのときの室温センサ18の検知温度Taを初期室温として記憶する。そして、循環ファン16を一旦停止させ、その上で熱動弁15を開放させて温水循環動作を開始すると共に、熱源機2の熱源制御回路29に対して出湯指示信号を送信する(ST1〜ST5)。
【0032】
尚、図示しないが、この出湯指示信号を受信した熱源機2の熱源制御回路29は、上述した出湯動作を実行し、浴室暖房乾燥機1の放熱熱交換器14に対して所定の出湯温度(ここでは、80℃)に調整された温水の供給を開始させる。
【0033】
次に、端末制御回路19では、入水温センサ17の検知温度Twが温水循環動作を開始した時点から所定温度T3(ここでは、60℃)に達するまでの立ち上がり時間Stの計測を行う。そして、入水温センサ17の検知温度Twが所定温度T3に達すれば、最大回転数(ここでは、1600r/min)にて循環ファン16を作動させ、放熱熱交換器14からの放熱量を増加させる(ST6〜ST8)。
【0034】
ここで、ST2のステップで記憶された初期室温Taが第2の基準室温T2(ここでは、25℃)より低く、さらに第1の基準室温T1(ここでは、15℃)よりも低い場合は、基準時間S4を第1判定時間b1(ここでは、2秒)に設定すると共に、判定基準水温T4を第1判定温度a1(ここでは、50℃)に設定する。一方、初期室温Taが第2の基準室温T2未満で且つ第1の基準室温T1以上である場合は、基準時間S4を第1判定時間b1に設定すると共に、判定基準水温T4を第1判定温度a1より高い第2判定温度a2(ここでは、55℃)に設定する(ST9〜ST12)。
【0035】
また、初期室温Taが第2の基準室温T2以上であり、且つ、ST6のステップで記憶された立ち上がり時間Stが所定時間S3(ここでは、120秒)より長ければ、基準時間S4を第1判定時間b1より長い第2判定時間b2(ここでは、5秒)に設定すると共に、判定基準水温T4を第2判定温度a2より高い第3判定温度a3(ここでは、60℃)に設定する。一方、初期室温Taが第2の基準室温T2以上であって、立ち上がり時間Stが所定時間S3以内である場合は、基準時間S4を第2判定時間b2より長い第3判定時間b3(ここでは、10秒)に設定すると共に、判定基準水温T4を第3判定温度a3に設定する(ST9,ST13〜ST15)。
【0036】
そして、このように設定された基準時間S4および判定基準水温T4に基づき、入水温センサ17の検知温度Twが基準時間S4以上継続して判定基準水温T4より低い状態であるか否かの判定を実行する。具体的には、予め設定された接続判定時間S5(ここでは、60秒)が経過するまでの間に、基準時間S4以上継続して入水温センサ17の検知温度Twが判定基準水温T4より低い状態とならなかった場合は、往き配管21および戻り配管22が正常接続状態であるとして接続判定動作を終了する。一方、予め設定された接続判定時間S5が経過するまでの間に、基準時間S4以上継続して入水温センサ17の検知温度Twが判定基準水温T4より低い状態となった場合は、往き配管21および戻り配管22が誤接続状態であるとして、ケーシング10に設けられた誤接続報知ランプ191を点灯させると共に、コントローラ3に対して接続エラー信号を出力し、コントローラ3の図示しない音声出力部や表示部から温水配管の接続エラーを報知させて接続判定動作を終了する(ST16〜ST19)。
【0037】
初期室温Taが高いと、その分、放熱熱交換器14からの放熱量も少なくなるため、往き配管21および戻り配管22が正常に接続されている場合と誤接続されている場合とで、入水温Twの差が小さくなる。しかしながら、上記実施の形態によれば、初期室温Taが低ければ、判定基準水温T4が低く設定される一方、初期室温Taが高ければ、判定基準水温T4が高く設定されるから、室温に合わせて正確に温水配管の誤接続を判定することができる。よって、接続判定精度が向上する。
【0038】
また、放熱熱交換器14からの放熱量が少ないと、その分、入水温Twの変化度合も小さくなる。しかしながら、上記実施の形態によれば、初期室温Taが低ければ、基準時間S4が短く設定される一方、初期室温Taが高ければ、基準時間S4が長く設定されるから、室温に合わせてより正確に温水配管の誤接続を判定することができる。よって、接続判定精度が一層向上する。
【0039】
また、放熱熱交換器14へ供給される温水の流量が多い程、立ち上がり時間Stは短くなるが、その分、室温の影響も受け難くなり、放熱熱交換器14からの放熱量も少なくなる。しかしながら、上記実施の形態によれば、温水循環動作を開始してから入水温センサ17の検知温度Twが所定温度T3に達するまでの立ち上がり時間Stが長ければ、基準時間S4が短く設定される一方、立ち上がり時間Stが短ければ、基準時間S4が長く設定されるから、浴室暖房乾燥機1へ供給される温水の流量に合わせてより正確に温水配管の誤接続を判定することができる。よって、接続判定精度がより一層向上する。
【0040】
尚、上記実施の形態では、初期室温Taが第1の基準室温T1より低ければ、判定基準水温T4を第1判定温度a1に設定する一方、初期室温Taが第1の基準室温T1以上であれば、判定基準水温T4を第1判定温度a1より高い第2判定温度a2や第3判定温度a3に設定するものを説明したが、初期室温Taと放熱熱交換器14からの放熱量との関係式に基づき、初期室温Taが高くなるに従って判定基準水温T4が高く算出設定される構成としてもよい。このようにすることで、誤接続の判定基準を精度良く設定できる。
【0041】
また、上記実施の形態では、初期室温Taが第2の基準室温T2より低ければ、基準時間S4を第1判定時間b1に設定する一方、初期室温Taが第2の基準室温T2以上であれば、基準時間S4を第1判定時間b1より長い第2判定時間b2や第3判定時間b3に設定する構成のものを説明したが、初期室温Taと放熱熱交換器14からの放熱量との関係式に基づき、初期室温Taが高くなるに従って基準時間S4が長く算出設定される構成としてもよい。このようにすることで、誤接続の判定基準をより精度良く設定できる。
【0042】
さらに、上記実施の形態によれば、温水循環動作を開始してから入水温センサ17の検知温度Twが所定温度T3に達するまでの立ち上がり時間Stが所定時間S3より長ければ、基準時間S4を第2判定時間b2に設定する一方、立ち上がり時間Stが所定時間S3以下であれば、基準時間S4を第2判定時間b2より長い第3判定時間b3に設定する構成のものを説明したが、入水温Twが所定温度に達するまでの立ち上がり時間Stと放熱熱交換器14からの放熱量との関係式に基づき、温水循環動作を開始してから入水温センサ17の検知温度Twが所定温度T3に達するまでの立ち上がり時間Stが短くなるに従って第2判定時間b2が長く算出設定される構成としてもよい。このようにすることで、誤接続の判定基準をより一層精度良く設定できる。
【0043】
本発明は、浴室暖房乾燥機に限らず、浴室乾燥機や室内暖房用のファンヒータ等、温水配管が誤接続されることで放熱効率の低下を招く恐れのある温水空調装置に適用できる。
【符号の説明】
【0044】
1 浴室暖房乾燥機(温水空調装置)
11 入水側接続部(入水側の温水配管接続部)
12 出水側接続部(出水側の本水配管接続部)
14 放熱熱交換器(熱交換器)
141 入水管路
17 入水温センサ
18 室温センサ
2 熱源機
21 往き配管(往き側の温水配管)
22 戻り配管(戻り側の温水配管)
図1
図2
図3