(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記共通端子部は複数の端子(32)を有しており、当該端子の個数は、前記筐体が収容可能な前記測定モジュールの最大の個数に等しいことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の測定装置。
前記端末機器は、複数の通信規格に対応した複数のアンテナ部(30−1a〜30−Ma,30−1b〜30−Mb)を有する端末機器(30,30−1〜30−M)であり、
前記測定モジュールは、
前記複数のアンテナ部を接続可能な複数の端子(21−1a〜21−Ma,21−1b〜21−Mb)を有する端末機器接続部(21)と、
前記複数の通信規格に対応した試験信号を生成し、該試験信号を前記端末機器接続部に接続された前記端末機器に出力する信号生成部(22)と、
前記試験信号が入力された前記端末機器からの応答信号、または、前記端末機器からの送信信号を解析する信号解析部(23)と、
前記複数の通信規格のうちのいずれかに対応した前記試験信号を前記信号生成部に生成させるとともに、前記信号解析部に前記複数の通信規格のうちのいずれかに対応した解析処理を行わせる制御部(25)とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の測定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来の測定システムには、ハブが故障した場合に複数の測定モジュールが全て使用できなくなる虞があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、ハブを介して複数の測定モジュールを1台以上の外部制御装置に接続できる一方で、ハブを介さずに各測定モジュールに1台ずつ外部制御装置を接続することも可能な測定装置、測定システム、及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の測定装置は、外部制御装置の制御により、端末機器に対して測定を行う測定モジュールと、
複数の前記測定モジュール
を収容可能であり、
各前記測定モジュールと前記外部制御装置が情報の授受を行うためのインタフェース部を有する筺体と、前記筐体内に配置され、前記インタフェース部を介して前記外部制御装置と情報の授受を行うためのハブとを備え、前記インタフェース部は、
各前記測定モジュールに接続されるモジュール側端子部と、前記ハブに接続され、前記モジュール側端子部にコネクタ接続可能な入力側端子部と、前記ハブに接続され、前記外部制御装置をコネクタ接続可能な出力側端子部とを有し、
各前記測定モジュールは、前記モジュール側端子部と前記外部制御装置との間がコネクタ接続された
場合には、前記ハブを介さずに当該外部制御装置に1対1で通信可能に接続され
、各前記測定モジュールは、前記モジュール側端子部と前記入力側端子部との間がコネクタ接続されるとともに、前記出力側端子部と前記外部制御装置との間がコネクタ接続された
場合には、前記ハブを介して当該外部制御装置に複数対1で通信可能に接続される構成を有している。
【0011】
この構成により、ハブを介して複数の測定モジュールを1台以上の外部制御装置に接続できる一方で、ハブを介さずに各測定モジュールに1台ずつ外部制御装置を接続することも可能となる。
【0012】
また、本発明の請求項2の測定装置は、前記モジュール側端子部及び前記入力側端子部はそれぞれ複数の端子を有しており、前記モジュール側端子部の前記端子の個数は、前記筐体が収容可能な前記測定モジュールの最大の個数に等しく、前記入力側端子部の前記端子の個数は、前記筐体が収容可能な前記測定モジュールの最大の個数以上である構成を有している。
【0013】
この構成により、1つの測定装置に最大数の測定モジュールが設置され、それらの全てがハブを介して外部制御装置に接続されていても、他の測定装置の測定モジュールを当該1つの測定装置の入力側端子部に接続し、同一の外部制御装置で制御することが可能となる。
【0014】
また、本発明の請求項3の測定装置は、外部制御装置の制御により、端末機器に対して測定を行う測定モジュールと、
複数の前記測定モジュール
を収容可能であり、
各前記測定モジュールと前記外部制御装置が情報の授受を行うためのインタフェース部を有する筺体と、前記筐体内に配置され、前記インタフェース部を介して前記外部制御装置と情報の授受を行うためのハブとを備え、前記インタフェース部は、
各前記測定モジュールに選択的に接続される共通端子部と、前記ハブに接続され、前記外部制御装置をコネクタ接続可能な出力側端子部とを有し、
各前記測定モジュールは、前記共通端子部と前記外部制御装置との間がコネクタ接続された
場合には、前記ハブを介さずに当該外部制御装置に1対1で通信可能に接続され、
各前記測定モジュールは、前記出力側端子部と前記外部制御装置との間がコネクタ接続された
場合には、前記ハブを介して当該外部制御装置に複数対1で通信可能に接続される構成を有している。
【0015】
この構成により、各測定モジュールが共通端子部及びハブのいずれかに選択的に接続されることにより、ハブを介して複数の測定モジュールを1台以上の外部制御装置に接続できる一方で、ハブを介さずに各測定モジュールに1台ずつ外部制御装置を接続することも可能となる。
【0016】
また、本発明の請求項4の測定装置は、
各前記測定モジュールを前記共通端子部及び前記ハブのいずれかに選択的に接続する切替部をさらに備える構成を有している。
【0017】
この構成により、各測定モジュールが共通端子部及びハブのいずれかに選択的に接続されることにより、ハブを介して複数の測定モジュールを1台以上の外部制御装置に接続できる一方で、ハブを介さずに各測定モジュールに1台ずつ外部制御装置を接続することも可能となる。
【0018】
また、本発明の請求項5の測定装置は、前記共通端子部は複数の端子を有しており、当該端子の個数は、前記筐体が収容可能な前記測定モジュールの最大の個数に等しい構成を有していても良い。
【0019】
また、本発明の請求項6の測定装置は、前記端末機器は、複数の通信規格に対応した複数のアンテナ部を有する端末機器であり、前記測定モジュールは、前記複数のアンテナ部を接続可能な複数の端子を有する端末機器接続部と、前記複数の通信規格に対応した試験信号を生成し、該試験信号を前記端末機器接続部に接続された前記端末機器に出力する信号生成部と、前記試験信号が入力された前記端末機器からの応答信号、または、前記端末機器からの送信信号を解析する信号解析部と、前記複数の通信規格のうちのいずれかに対応した前記試験信号を前記信号生成部に生成させるとともに、前記信号解析部に前記複数の通信規格のうちのいずれかに対応した解析処理を行わせる制御部とを備える構成を有している。
【0020】
この構成により、ソフトウエア的に測定機能を変更することが可能な測定モジュールを、測定内容に応じて任意の数だけ筺体内に配置することが可能となる。
【0021】
また、本発明の請求項7の測定システムは、上記のいずれかの測定装置を複数備え、1つの前記測定装置が備える
各前記測定モジュールは、当該1つの前記測定装置が備える前記モジュール側端子
部と当該1つの測定装置以外の測定装置が備える前記入力側端子部との間がコネクタ接続されるとともに、当該1つの測定装置以外の測定装置が備える前記出力側端子部と前記外部制御装置との間がコネクタ接続された
場合には、当該1つの測定装置以外の測定装置が備える前記ハブを介して当該外部制御装置に複数対1で通信可能に接続される構成を有している。
【0022】
この構成により、測定装置を複数備える測定システムにおいて、1つの測定装置のモジュール側端子部または前記共通端子部と他の測定装置の入力側端子部とがコネクタ接続されることにより、1つの測定装置の測定モジュールを他の測定装置のハブを介して外部制御装置と接続することが可能となる。これにより、1つの測定装置のハブが故障している場合には、他の測定装置のハブを利用することが可能となる。
【0023】
また、本発明の請求項8の測定方法は、外部制御装置の制御により、端末機器に対して測定を行う測定モジュールと、
複数の前記測定モジュール
を収容可能であり、
各前記測定モジュールと前記外部制御装置が情報の授受を行うためのインタフェース部を有する筺体と、前記筐体内に配置され、前記インタフェース部を介して前記外部制御装置と情報の授受を行うためのハブとを備え、前記インタフェース部は、
各前記測定モジュールに接続されるモジュール側端子部と、前記ハブに接続され、前記モジュール側端子部にコネクタ接続可能な入力側端子部と、前記ハブに接続され、前記外部制御装置をコネクタ接続可能な出力側端子部とを有する測定装置を用いた測定方法であって、前記筐体に前記測定モジュールを収容するモジュール収容段階と、前記モジュール側端子部と前記入力側端子部との間をコネクタ接続するとともに、前記出力側端子部と前記外部制御装置との間をコネクタ接続することにより、前記ハブを介して
各前記測定モジュールと当該外部制御装置を複数対1で通信可能に接続する第1の接続段階と、前記モジュール側端子部と前記外部制御装置との間をコネクタ接続することにより、前記ハブを介さずに
各前記測定モジュールと当該外部制御装置を1対1で通信可能に接続する第2の接続段階と
、の少なくともいずれか一方の接続段階を含む。
【0024】
この構成により、第1の接続段階でハブを介して複数の測定モジュールを1台以上の外部制御装置に接続できる一方で、第2の接続段階でハブを介さずに各測定モジュールに1台ずつ外部制御装置を接続することが可能となる。
【0025】
また、本発明の請求項9の測定方法は、外部制御装置の制御により、端末機器に対して測定を行う測定モジュールと、
複数の前記測定モジュール
を収容可能であり、
各前記測定モジュールと前記外部制御装置が情報の授受を行うためのインタフェース部を有する筺体と、前記筐体内に配置され、前記インタフェース部を介して前記外部制御装置と情報の授受を行うためのハブとを備え、前記インタフェース部は、
各前記測定モジュールに選択的に接続される共通端子部と、前記ハブに接続され、前記外部制御装置をコネクタ接続可能な出力側端子部とを有する測定装置を用いた測定方法であって、前記筐体に前記測定モジュールを収容するモジュール収容段階と、
各前記測定モジュールを前記共通端子部及び前記ハブのいずれかに選択的に接続する切替段階と、前記出力側端子部と前記外部制御装置との間をコネクタ接続することにより、
前記複数の測定モジュールのうち前記切替段階で前記ハブと接続され
た測定モジュールと
前記外部制御装置とを前記ハブを介して複数対1で通信可能に接続する第3の接続段階と、
前記共通端子部と前記外部制御装置との間をコネクタ接続することにより、前記複数の測定モジュールのうち前記切替段階で
前記共通端子部と接続された測定モジュールと
前記外部制御装置
とを
前記ハブを介さずに1対1で通信可能に接続する第4の接続段階と
、の少なくともいずれか一方の接続段階を含む。
【0026】
この構成により、第3の接続段階でハブを介して複数の測定モジュールを1台以上の外部制御装置に接続できる一方で、第4の接続段階でハブを介さずに各測定モジュールに1台ずつ外部制御装置を接続することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、ハブを介して複数の測定モジュールを1台以上の外部制御装置に接続できる一方で、ハブを介さずに各測定モジュールに1台ずつ外部制御装置を接続することも可能な測定装置、測定システム、及び測定方法を提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る測定装置、測定システム、及び測定方法の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態の測定装置及び測定方法は、例えば、複数の通信規格に対応した複数のアンテナ部を有する端末機器に対して、送信電波の出力レベルや受信感度などに関する測定を行うものである。
【0030】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態としての測定装置1の構成について説明する。
【0031】
図1及び
図2に示すように、本実施形態の測定装置1は、外部制御装置100(100a,100b,100c,100d)の制御により、測定対象に対して各種の測定を行う測定モジュール10(10−1〜10−4)と、測定モジュール10を複数収容可能であり、各測定モジュール10と外部制御装置100が情報の授受を行うためのインタフェース部11を有する筺体としてのシャーシ12と、シャーシ12内に配置され、インタフェース部11を介して外部制御装置100と情報の授受を行うためのハブ13とを備える。
【0032】
シャーシ12は、測定モジュール10を複数収容できるスロット14を有している。
【0033】
外部制御装置100は、例えばパーソナルコンピュータにより構成され、制御対象の測定モジュール10にIPアドレスを割り当てて、当該測定モジュール10に対して各種制御を行うようになっている。外部制御装置100には、操作者が各種指示を操作入力する操作部110や、解析結果を表示する表示部120が接続されている。操作部110から出力される各種指示は、インタフェース部11を介して測定モジュール10に入力されるようになっている。
【0034】
図1,2に示すように、インタフェース部11は、スロット14に挿入された測定モジュール10に接続されるモジュール側端子部としての端子15(15−1〜15−4)と、端子15にコネクタ接続可能な入力側端子部としての端子16(16−1〜16−4)と、外部制御装置100をコネクタ接続可能な出力側端子部としての端子17(17a,17b)とを有する。
【0035】
図1に示した例では、モジュール側端子部の端子15の個数、及び、入力側端子部の端子16の個数は、シャーシ12が収容可能な測定モジュール10の最大の個数に等しくなっている。なお、入力側端子部の端子16の個数はシャーシ12が収容可能な測定モジュール10の最大の個数以上であっても良い。
【0036】
ハブ13は、例えばスイッチングハブであり、端子16及び端子17に常に接続されている。
【0037】
測定モジュール10は、スロット14に挿入された後に、ネジ14a及びネジ穴14bによりネジ止めされて固定されるようになっている。
【0038】
図3は、
図2に示した測定装置1の背面パネルの一部を示している。
図3に示すように、端子15,16,17は例えばイーサネット(登録商標)用のコネクタである。また、インタフェース部11は、外部制御装置100と測定モジュール10とを通信可能に接続するための端子として、例えばUSBコネクタや、測定機器で汎用的に用いられているGPIB用のコネクタを有していても良い。なお、以下では、全ての端子15〜17がイーサネット(登録商標)用のコネクタであるものとして説明する。
【0039】
図1に示すように、測定モジュール10は、端子15と外部制御装置100との間が、イーサネット(登録商標)用のケーブル18によりコネクタ接続された状態で、ハブ13を介さずに外部制御装置100に1対1で通信可能に接続されるようになっている。
【0040】
また、測定モジュール10は、端子15と対応する入力側端子部16との間がそれぞれケーブル18によりコネクタ接続された状態で、ハブ13を介して外部制御装置100に複数対1で通信可能に接続されるようになっている。
【0041】
なお、端子15と端子16とは、端子15−1と端子16−1、端子15−2と端子16−2、端子15−3と端子16−3、端子15−4と端子16−4の組み合わせで、ケーブル18によりコネクタ接続可能となっている。
【0042】
なお、
図1に示した構成はあくまで一例であり、例えば端子15の全てに外部制御装置100が接続されていても良く、あるいは、端子15と端子16が互いに全てケーブル18で接続され、複数の外部制御装置100b,100c,100dが外部のハブ19を介して接続されていても良い。
【0043】
また、
図1,2は、シャーシ12がスロット14を4つ有する構成を図示しているが、シャーシ12のスロット数はこれに限定されるものではなく、5以上であっても良いし、3以下であっても良い。端子15,16の個数についても同様である。
【0044】
また、スロット14に挿入される測定モジュール10の個数は、スロット数と等しくなくても良く、スロット数未満であっても良い。また、表示部120は、各測定モジュール10がハブ13を介して外部制御装置100に接続されるようになっているか否かを表示するようになっていることが好ましい。
【0045】
上記のように構成された本実施形態の測定装置1において、1つの外部制御装置100により1つの測定モジュール10が制御される場合には、異なる測定モジュール間の接続がないため、複数の測定モジュール10に同一のIPアドレスが割り振られたとしても競合が起こることはない。
【0046】
このため、各測定モジュール10に対して1つの外部制御装置100が割り当てられる場合には、全ての測定モジュール10のIPアドレスを同一とすることにより、1つの外部制御装置100で用いられる制御プログラムを、変更することなく他の外部制御装置100でも用いることができる。
【0047】
なお、ケーブル18と端子15,16との対応関係を操作者が間違えないように、端子15,16の周辺部とケーブル18は適宜色分けされていることが好ましい。あるいは、複数のケーブル18が端子15用と端子16用とでそれぞれ束ねられていることが好ましい。
【0048】
図4は、測定モジュール10の詳細な構成を示すブロック図である。なお、説明を簡略化するために、
図4に示した例では、測定対象としての端末機器30(30−1〜30−M:Mは自然数)が2つのアンテナ部を有するとしているが、アンテナ部の個数はこれに限定されるものではない。
【0049】
測定モジュール10は、端末機器接続部21、信号生成部22、信号解析部23、切替部24、制御部25、及びシャーシ接続部(筺体接続部)26を有し、シャーシ接続部26を介してシャーシ12と着脱可能に構成されている。なお、測定モジュール10は、シャーシ接続部26を介してインタフェース部11から電力が供給されるようになっている。
【0050】
測定対象の端末機器30の各アンテナ部30−1a〜30−Ma,30−1b〜30−Mbは、例えば無線通信アンテナとRF回路を有している。ここで、端末機器30の複数の通信規格としては、セルラ(LTE、W−CDMA、GSM(登録商標)、CDMA2000、1xEV−DO、TD−SCDMA等)、WLAN(IEEE802.11a/b/g/n等)、Bluetooth(登録商標)、GNSS(GPS、Galileo、GLONASS、Compass等)、FMラジオ放送、及びテレビ放送(DVB−H、DMB、ワンセグ等)が挙げられる。
【0051】
端末機器接続部21は、端末機器30の複数のアンテナ部30−1a〜30−Ma,30−1b〜30−Mbと、測定モジュール10とを電気的に接続するための複数の端子21−1a〜21−Ma,21−1b〜21−Mbを有する。
【0052】
より具体的には、端子21−1a〜21−Ma,21−1b〜21−Mbは、全二重通信(または半二重通信)を行うアンテナ部と接続可能な全二重通信用端子と、半二重通信を行うアンテナ部と接続可能な半二重通信用端子を含む。
【0053】
信号生成部22は、ベースバンド信号生成部22a、及びRF変調部22bを有する。ベースバンド信号生成部22aは、所定のクロックを基に、I成分ベースバンド信号と、該I成分ベースバンド信号と位相がπ/2ずれた直交成分信号であるQ成分ベースバンド信号を生成するようになっている。
【0054】
これらのベースバンド信号には、端末機器30に対して測定モジュール10が擬似基地局として働くために必要な制御情報が含まれている。制御情報は、例えば、端末機器30と擬似基地局でやり取りする位置登録、着呼、切断、その他の試験に必要な指示を含む。
【0055】
RF変調部22bは、ベースバンド信号生成部22aから受けたベースバンド信号を、各通信規格の周波数に対応したローカル信号と混合することで、各通信規格の周波数に対応した試験信号を生成し、生成した試験信号を端末機器接続部21に接続された端末機器30に向けて出力するようになっている。
【0056】
信号解析部23は、RF変調部22bからのローカル信号を受けて、端末機器30からの応答信号または送信信号(以下、端末送信信号と記す)を直交復調してI成分ベースバンド信号及びQ成分ベースバンド信号に変換した後、それらのベースバンド信号を復号して、測定のための解析を行うようになっている。例えば、信号解析部23は、変調精度測定、隣接チャネル漏洩電力測定、及び電力測定などが行えるものであると良い。
【0057】
即ち、信号解析部23は、上記試験信号に対する端末機器30からの応答信号、または、端末機器30からの端末送信信号を受信し、この応答信号または端末送信信号を用いて端末機器30の通信機能に関する上述の測定を行うようになっている。
【0058】
切替部24は、端末機器接続部21を介して、複数の端末機器30のアンテナ部30−1a〜30−Ma,30−1b〜30−Mbを信号生成部22及び信号解析部23に選択的に接続するか、あるいは、信号生成部22及び信号解析部23のいずれか一方に選択的に接続するようになっている。
【0059】
制御部25は、信号生成部22、信号解析部23、及び切替部24に複数の通信規格のうちのいずれかに対応した処理を行わせるようになっている。具体的には、制御部25は、複数の通信規格のうちのいずれかに対応した試験信号を信号生成部22に生成させるとともに、信号解析部23に複数の通信規格のうちのいずれかに対応した解析処理を行わせるようになっている。なお、制御部25には、外部制御装置100がインタフェース部11及びシャーシ接続部26を介して接続可能となっている。
【0060】
また、制御部25は、端末機器30の通信規格に対応した、信号生成部22、信号解析部23、及び切替部24に対する制御を行うためのプログラムを予めメモリ25aに記憶している。なお、制御部25は、新たなプログラム、あるいはバージョンを変更したプログラムを外部から受けて、メモリ25aへの追加または更新を行うこともできるようになっている。
【0061】
さらに、メモリ25aには、測定モジュール10内部の配線の損失の補正値が予め記憶されており、信号解析部23が当該補正値を用いて解析結果を補正することができるようになっている。
【0062】
また、測定モジュール10は、信号生成部22からの試験信号に対する端末機器30の受信機能を測定する図示しない受信信号解析部を備えていても良い。さらに、測定モジュール10は、測定値が所定の基準を満たしているか否かを判定する図示しない判定部を備えていても良い。この判定は、例えば、予め定められた閾値と測定値との大小関係を評価すること、あるいは、アンテナ部30−maとアンテナ部30−mb(m=1,・・・,M)の出力レベルや受信感度の差を評価することにより行われる。
【0063】
以下、本実施形態の測定装置1を用いた端末機器30の測定方法について説明する。
まず、操作者により、シャーシ12のスロット14に測定モジュール10が収容されることにより、インタフェース部11に測定モジュール10のシャーシ接続部26が接続される(モジュール収容段階)。
【0064】
次に、操作者により、外部制御装置100と測定モジュール10とがケーブル18により接続される(接続段階)。
【0065】
例えば、
図1のように外部制御装置100aで測定モジュール10−1を制御し、外部制御装置100bで測定モジュール10−2〜10−4を制御する構成においては、モジュール側端子部の端子15−1を介して測定モジュール10−1と外部制御装置100aがコネクタ接続される。
【0066】
さらに、モジュール側端子部の端子15−2〜15−4がそれぞれ入力側端子部の端子16−2〜16−4にコネクタ接続されるとともに、出力側端子部の端子17a(あるいは17b)が外部のハブ19を介して外部制御装置100bにコネクタ接続される。
【0067】
次に、各外部制御装置100により、測定モジュール10にIPアドレスが割り当てられる。
図1に示した例では、1つの外部制御装置100bが複数の測定モジュール10−2〜10−4を制御するため、複数の測定モジュール10−2〜10−4に異なるIPアドレスが割り当てられる必要がある。
【0068】
図1の構成では、例えば、外部制御装置100aにより測定モジュール10−1にIPアドレスとして"192.168.1.1"が割り当てられ、外部制御装置100bにより測定モジュール10−2〜10−4にIPアドレスとして"192.168.1.2","192.168.1.3",及び"192.168.1.4"がそれぞれ割り当てられる。なお、測定モジュール10−1のIPアドレスは、測定モジュール10−2〜10−4のIPアドレスのいずれかと同一であっても制御上問題はない。
【0069】
そして、以下に述べるように、各測定モジュール10により端末機器30に対する測定が行われる。ここでは、1つの測定装置1が、複数の端末機器30に対して、異なる通信規格(例えば、セルラ、WLAN、GNSS、及びFMラジオ放送)に関する検査を行う場合を例に挙げて説明する。なお、操作者は、外部制御装置100の操作部110を用いて、複数の通信規格の中から検査対象とする通信規格を選択できるようになっている。
【0070】
まず、測定装置1が備える各測定モジュール10の制御部25は、対応する外部制御装置100から検査の対象とする通信規格(セルラ、WLAN、GNSS、及びFMラジオ放送)を指示する指示信号が送信されたことを確認し、各測定モジュール10−1〜10−4の測定機能をそれぞれセルラ、WLAN、GNSS、及びFMラジオ放送に対応したものに設定する。
【0071】
そして、操作者により、複数の端末機器30が、測定装置1の各測定モジュール10の各端子21−1a〜21−Ma,21−1b〜21−Mbに接続される。
【0072】
測定モジュール10の制御部25は、信号生成部22及び切替部24に指示信号を送出して、測定モジュール10の各端子に接続された端末機器30のアンテナ部に向けて、それぞれセルラ、WLAN、GNSS、及びFMラジオ放送に対応した試験信号を出力する。
【0073】
次に、制御部25は、信号解析部23及び切替部24に指示信号を送出して、上記試験信号に対する各端末機器30のアンテナ部からの応答信号または端末送信信号を解析し、その解析結果をメモリ25aに記憶する。このとき制御部25は、予めメモリ25aに記憶されている内部配線の損失の補正値を信号解析部23に通知しているものとする。
【0074】
測定が終了した端末機器30は、操作者により、測定モジュール10の各端子21−1a〜21−Ma,21−1b〜21−Mbから順次取り外される。端末機器30が取り外された端子には、操作者により新たな端末機器が順次取り付けられると良い。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、ハブ13を介して複数の測定モジュール10を1台以上の外部制御装置100に接続できる一方で、ハブ13を介さずに各測定モジュール10に1台ずつ外部制御装置100を接続することも可能となる。
【0076】
また、本実施形態によれば、1台の外部制御装置100で複数の測定モジュール10を制御する場合には、それぞれ個別の識別番号(IPアドレス)を与えられた複数の測定モジュール10がハブ13を介して1本のケーブル18で外部制御装置100側に接続されるため、ケーブルの配線が単純となる。
【0077】
また、本実施形態によれば、外部制御装置100と測定モジュール10との接続方法を自由に変更することが可能となる。特に、ハブ13が故障した場合は、各測定モジュール10に1台ずつ外部制御装置100を接続することで、複数の測定モジュールが全て使用できなくなるという事態を回避することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態によれば、入力側端子部の端子16の個数がシャーシ12が収容可能な測定モジュール10の最大の個数以上である場合には、1つの測定装置に最大数の測定モジュール10が設置され、それらの全てがハブ13を介して外部制御装置100に接続されていても、他の測定装置の測定モジュールを当該1つの測定装置の入力側端子部に接続し、同一の外部制御装置100で制御することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態によれば、ソフトウエア的に測定機能を変更することが可能な測定モジュール10を、測定内容に応じて任意の数だけシャーシ12内に配置することができるため、端末機器30の製造ラインの形態に応じた測定装置を構築することが可能となる。
【0080】
また、本実施形態によれば、インタフェース部11を介して外部制御装置100の表示部120を接続可能な構成となっているため、複数の測定モジュール10から出力される解析結果を1つのモニタにまとめて表示することができ、装置の配置エリアの省スペース化や装置の低コスト化を実現することが可能となる。
【0081】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態としての測定装置2について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成及び動作については適宜説明を省略する。
【0082】
図5に示すように、本実施形態の測定装置2におけるインタフェース部31は、スロット14に挿入された測定モジュール10に選択的に接続される共通端子部としての端子32(32−1〜32−4)と、外部制御装置100をコネクタ接続可能な出力側端子部としての端子17(17a,17b)とを有する。
【0083】
図5に示した例では、共通端子部の端子32の個数は、シャーシ12が収容可能な測定モジュール10の最大の個数に等しくなっている。
【0084】
また、本実施形態の測定装置2は、測定モジュール10を端子32及びハブ13のいずれかに選択的に接続する切替部としての切替スイッチ33(33−1〜33−4)を備えている。ハブ13は、測定モジュール10に選択的に接続されるとともに、端子17に常に接続されている。
【0085】
図5に示すように、測定モジュール10は、切替スイッチ33により端子32に選択的に接続されるとともに、端子32と外部制御装置100との間がケーブル18によりコネクタ接続された状態で、ハブ13を介さずに外部制御装置100に1対1で通信可能に接続されるようになっている。
【0086】
また、測定モジュール10は、切替スイッチ33によりハブ13に選択的に接続されるとともに、端子17と外部制御装置100との間がケーブル18によりコネクタ接続された状態で、ハブ13を介して外部制御装置100に複数対1で通信可能に接続するようになっている。
【0087】
言い換えれば、端子17と外部制御装置100との間がケーブル18によりコネクタ接続されることにより、ハブ13に選択的に接続された測定モジュール10が、外部制御装置100と通信可能に接続される。
【0088】
ここで、各切替スイッチ33の方向は、例えばハブ13を介してコネクタ接続された外部制御装置100によって一括して制御されても良く、あるいは、ハブ13を介さずに端子32にコネクタ接続された各外部制御装置100により個別に制御されても良い。
【0089】
なお、
図5に示した構成はあくまで一例であり、例えば端子32の全てに外部制御装置100が接続されていても良い。あるいは、切替スイッチ33により全ての測定モジュール10がハブ13に選択的に接続され、1台以上の外部制御装置100が外部のハブ19を介して接続されていても良い。
【0090】
また、ハブ13に接続された外部制御装置100の表示部120は、切替スイッチ33の方向、即ち各測定モジュール10がハブ13を介して外部制御装置100に接続されるようになっているか否かを表示するようになっていることが好ましい。
【0091】
次に、本実施形態の測定装置2を用いた端末機器30の測定方法について説明する。
まず、操作者により、シャーシ12のスロット14に測定モジュール10が収容されることにより、切替スイッチ33に測定モジュール10のシャーシ接続部26が接続される(モジュール収容段階)。
【0092】
次に、外部制御装置100により、切替スイッチ33の方向が制御される(切替段階)。
図5に示した例では、切替スイッチ33−1が測定モジュール10−1を端子32−1に接続し、切替スイッチ33−2〜33−4が測定モジュール10−2〜10−4をハブ13に接続するようになっている。
【0093】
次に、操作者により、外部制御装置100と測定モジュール10とがケーブル18により接続される(接続段階)。
【0094】
例えば、
図5のように外部制御装置100aで測定モジュール10−1を制御し、外部制御装置100bで測定モジュール10−2〜10−4を制御する構成においては、共通端子部の端子32−1を介して測定モジュール10−1と外部制御装置100aがコネクタ接続される。さらに、端子32−2〜32−4がハブ13と外部のハブ19を介して外部制御装置100bにコネクタ接続される。
【0095】
次に、外部制御装置100により、測定モジュール10にIPアドレスが割り当てられる。そして、第1の実施形態で述べたように、各測定モジュール10により端末機器30に対する測定が行われる。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、各測定モジュール10が共通端子部としての端子32及びハブ13のいずれかに選択的に接続されることにより、ハブ13を介して複数の測定モジュール10を1台以上の外部制御装置100に接続できる一方で、ハブ13を介さずに各測定モジュール10に1台ずつ外部制御装置100を接続することも可能となる。
【0097】
また、本実施形態によれば、第1の実施形態と比較して、操作者によるケーブル接続の手間を減らすことができる。
【0098】
(第3の実施形態)
続いて、本発明の第3の実施形態としての測定システム3について図面を参照しながら説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同様の構成及び動作については適宜説明を省略する。
【0099】
図6に示すように、本実施形態の測定システム3は、2つ以上の測定装置1(1a,1b)を備える。例えば、測定装置1aのモジュール側端子部としての端子15−1aが、測定装置1bの入力側端子部としての端子16−1bにケーブル18を介してコネクタ接続される。また、測定装置1bのモジュール側端子部としての端子15−2bが入力側端子部としての端子16−2bにケーブル18を介してコネクタ接続される。さらに、測定装置1bの出力側端子部としての端子17aが外部制御装置100にケーブル18を介してコネクタ接続される。
【0100】
つまり、
図6に示した構成の測定システム3においては、測定装置1aの測定モジュール10−1aと、測定装置1bの測定モジュール10−2bとが、測定装置1bのハブ13を介して外部制御装置100に複数対1で通信可能に接続されることとなる。
【0101】
なお、
図6では複数の測定装置1a,1bがいずれも第1の実施形態の測定装置1である場合を例に挙げたが、複数の測定装置の少なくとも1つが第2の実施形態の測定装置2であっても良い。
【0102】
この場合には、例えば
図7に測定システム3'として示すように、測定装置2の切替スイッチ33−1により測定モジュール10−1が共通端子部としての端子32−1に接続され、端子32−1と測定装置1bの入力側端子部としての端子16−1bがケーブル18を介してコネクタ接続される。
【0103】
これにより、測定装置2の測定モジュール10−1と、測定装置1bの測定モジュール10−2bとが、測定装置1bのハブ13を介して外部制御装置100に複数対1で通信可能に接続されることとなる。
【0104】
以上説明したように、本実施形態によれば、測定装置を複数備える測定システムにおいて、1つの測定装置の入力側端子部と、他の測定装置のモジュール側端子部または前記共通端子部とがコネクタ接続されることにより、異なる測定装置間で1つの測定装置のハブ13を介して外部制御装置100と接続することが可能となる。もちろん、ハブ13を介さずに測定装置ごとに外部制御装置100を接続することも可能である。
【0105】
これにより、端末機器30の製造ラインの形態に応じた測定システムを構築することが可能となる。