特許第5740467号(P5740467)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5740467ディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740467
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】ディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブ
(51)【国際特許分類】
   F02M 45/08 20060101AFI20150604BHJP
   F02M 47/00 20060101ALI20150604BHJP
   F02M 61/10 20060101ALI20150604BHJP
   F02M 51/00 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
   F02M45/08 A
   F02M47/00 E
   F02M61/10 A
   F02M51/00 F
   F02M61/10 R
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-506058(P2013-506058)
(86)(22)【出願日】2010年10月26日
(65)【公表番号】特表2013-525672(P2013-525672A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】KR2010007363
(87)【国際公開番号】WO2011132832
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2012年10月18日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0036790
(32)【優先日】2010年4月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594006932
【氏名又は名称】ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI HEAVY INDUSTRIES CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】パク,ドゥク−ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウン−ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュ−テ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,カン−ユン
(72)【発明者】
【氏名】ホ,クァン−チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン−ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン−ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ウン
(72)【発明者】
【氏名】ノ,ボム−ヨン
【審査官】 赤間 充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−019615(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/109092(WO,A1)
【文献】 特開2006−144710(JP,A)
【文献】 特開昭60−036772(JP,A)
【文献】 特開2007−239735(JP,A)
【文献】 特表2013−521432(JP,A)
【文献】 特開2008−261224(JP,A)
【文献】 特開2003−161220(JP,A)
【文献】 特開2005−320904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 39/00〜71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディーゼル機関でシリンダーに燃料を噴射する燃料噴射バルブにおいて、
燃料噴射バルブに流入する燃料の圧力を、必要なエンジンの出力が少ない低負荷時と、必要なエンジンの出力が多い高負荷時との二段に区分するように、所定の低負荷時に作動し、低圧用ニードルバルブのみを開放する低圧用ソレノイドバルブと、所定の高負荷時に前記低圧用ソレノイドバルブと共に作動し、低圧用ニードルバルブ及び高圧用ニードルバルブを同時に開放する高圧用ソレノイドバルブとからなる区分手段と、
前記所定の低負荷時に開放される低圧用ノズルホールと、前記所定の高負荷時に開放される高圧用ノズルホールとを備えるノズルと、
前記所定の低負荷時に低圧用ノズルホールのみを開放して燃料を噴射するように、前記所定の低負荷時に作動する低圧用ソレノイドバルブに、燃料通路を介して連結される低圧用ニードルバネと、前記低圧用ニードルバネに連結される低圧用圧力ブースタスピンドルと、前記低圧用圧力ブースタスピンドルに連結される低圧用ニードルバルブと、低圧用燃料を低圧用燃料排出口に排出させる低圧用シャトルバルブと、前記低圧用ソレノイドバルブと結合する低圧用リフティングブッシュバルブとからなる低圧用噴射手段と、
前記所定の高負荷時に前記低圧用ノズルホール及び前記高圧用ノズルホールを同時に開放し、燃料を噴射する高圧用噴射手段と、を含み、
前記低圧用噴射手段は、
燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力が前記低圧用ニードルバルブと前記高圧用ニードルバルブにおいて待機すると共に、低圧用シャトルバルブと高圧用シャトルバルブを通過した燃料の圧力が、低圧用圧力ブースタスピンドルと高圧用圧力ブースタスピンドルに加わって前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力に対する相対圧として作用し、前記低圧用ニードルバルブと前記高圧用ニードルバルブにおける燃料の圧力を前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力以上まで待機させ、前記所定の低負荷となった時、前記低圧用ソレノイドバルブが作動すると、前記低圧用圧力ブースタスピンドルに加わっていた相対圧が前記低圧用リフティングブッシュバルブを通じて前記低圧用燃料排出口に排出されながら、前記低圧用ニードルバルブと連動して前記低圧用ノズルホールが開放され、燃料の噴射が行われることを特徴とするディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブ。
【請求項2】
前記高圧用噴射手段は、
前記所定の高負荷時に作動される高圧用ソレノイドバルブと燃料通路で連結される高圧用ニードルバネと、
前記高圧用ニードルバネと連結される高圧用圧力ブースタスピンドルと、
前記高圧用圧力ブースタスピンドルと連結される高圧用ニードルバルブと、
前記高圧用ソレノイドバルブと結合する高圧用リフティングブッシュバルブと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブ。
【請求項3】
前記高圧用噴射手段は、
前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力が前記低圧用ニードルバルブと前記高圧用ニードルバルブにおいて待機すると共に、前記低圧用シャトルバルブと前記高圧用シャトルバルブを通過した燃料の圧力が、前記低圧用圧力ブースタスピンドルと前記高圧用圧力ブースタスピンドルに加わって前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力に対する相対圧として作用し、前記低圧用ニードルバルブと前記高圧用ニードルバルブにおける燃料の圧力を前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力以上まで待機させ、前記所定の高負荷となった時、前記低圧用ソレノイドバルブが作動すると、低圧用圧力ブースタスピンドルに加わっていた相対圧が前記低圧用リフティングブッシュバルブを通じて前記低圧用燃料排出口に排出されながら、前記低圧用ニードルバルブと連動して前記低圧用ノズルホールが1次に開放され、前記高圧用ソレノイドバルブが作動すると、前記高圧用圧力ブースタスピンドルに加わっていた相対圧が高圧用リフティングブッシュバルブを通じて高圧用燃料排出口に排出されながら、前記高圧用ニードルバルブと連動して前記高圧用ノズルホールが2次に開放され、燃料の噴射が行われることを特徴とする請求項2に記載のディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二段燃料噴射機構を備える燃料噴射バルブに関する。より詳細には、大型エンジンや中型エンジンに燃料ポンプから排出された燃料の圧力に応じて、シリンダーに燃料を噴射する燃料噴射バルブのノズルホールの個数を変化させ、低負荷及び高負荷の領域を任意のタイミングで開放するよう、2つのソレノイドバルブを低負荷時点と高負荷時点とで連続的に作動させることで低圧及び高圧に柔軟に対処し、噴射後噴射流路に残っている残存燃料量を減らしてより優れた燃焼性能及びより高い燃費を出すことのできるディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、従来のディーゼルエンジンは、開放圧力(opening pressure)より高い圧力の燃料が流入すると開かれ、開放圧力より低い圧力の燃料が流入すると閉じる、一つのニードルバルブとバネとを備えている。
【0003】
燃料ポンプで形成された高圧の燃料が燃料バルブに流入する場合において、燃料バルブ中で開放圧力より高い圧力が形成されると、燃料の圧力がバネのニードルバルブへの付勢力を超えることでニードルバルブが持ち上げられ、ノズルの端部に形成された複数のノズルホールを通じて燃料がシリンダーに噴射される。このような従来の方法は、予め定められた一つの開放圧力にしたがってすべてのノズルホールが開放される、一つのメカニズムを有している。よって、開放圧力に達した後は、開放圧力より更に高い圧力が燃料バルブに流入しても、所定数のノズルホールを通じて持続的に噴射するしかない。エンジンの低速又は低負荷運転が続く場合には、噴射が行われない一方、圧力が開放圧力より高い場合には、圧力の大きさに関係なく、すべてのノズルホールを通じて噴射が行われるため、圧力に応じる噴射形態が均一でなく、圧力に応じて柔軟に噴射量を調節することができなかった。また、加工された複数のノズルホールが同時に開閉するため、噴射終了後、閉じられているニードルバルブとノズルとの間における残存燃料がノズルホールを通じてシリンダーに流れ込み、媒煙を発生するとともに燃費面でも問題があった。
【0004】
図15は、従来の燃料バルブの代表的な形態である、Wartsila-Sulzer方式、MAN-B&W方式、及び中型エンジン用の4ストローク方式の燃料バルブを示している。Wartsila-Sulzer方式の燃料バルブにおいては、燃料の圧力が開放圧力を超えるものの、更に高圧でない場合は、燃料がノズルに加工されたノズルホールを通じてシリンダー内に噴射されるのでなく、シリンダーに流れ込むような形態となっている。しかしながら、燃料噴射が終了しても、閉じられているニードルバルブとノズルホールとの空間(SAC volume)が大きいことから、この空間に残っている残存燃料がシリンダーに流れ込んでしまい、上述した有害ガスの発生のような問題が生じる。また、MAN-B&W方式の燃料バルブは、SAC volumeを減らすために、スライド方式のニードルバルブを採択しているが、開放圧力を超える圧力に応じては柔軟に対処することはできない。すなわち、SAC volumeは固定されているが、噴射終了後のSAC volumeはニードルバルブとノズルホールとの空間であるため、本発明はそれを最小化することができる。
【0005】
図15に示された従来の方式の燃料バルブにおいては、一定の圧力で開放するために、バネの付勢力を高めており、燃料バルブ以外の装置によって燃料圧力を高めることで開放圧力を調整しているが、本発明は燃料バルブ内で圧力を高め、低負荷においても高圧で噴射することができる。
【0006】
さらに、図15に示された従来の方式の燃料バルブは、燃料バルブ自体では噴射時間(timing)を決定することができず、既に流入した燃料の一定の圧力により噴射することになっている。すなわち、燃料の噴射時間と最大圧力を、燃料が流入する前に、燃料ポンプや他の手段によって調整している。しかし、本発明は、燃料バルブ自体で噴射時間を高圧形成の以前/以後に調整し、最適燃焼を行うことにより有害ガスの排出を減らすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来技術の問題点を解決するために工夫したものであり、より優れた噴射性能を達成するために、燃料バルブの開放圧力より大きい圧力で噴射するようなバルブ構造とし、燃料の噴射時点をバルブ自体で調整するようにし、ソレノイドバルブによって噴射時点を低負荷時と高負荷時に各々形成して噴射時点に確実な差を持たせ、燃料バルブに流入する圧力と内部バネの開放圧力より大きい圧力とで段階的にノズルのノズルホールを開放することで、低速運転や低負荷時には高圧で燃料を噴射して容易に気化させ、高速運転や高負荷時には低圧用ニードルバルブと高圧用ニードルバルブを同時に開放して複数のノズルホールから多量の燃料を早く噴射してエンジンの燃焼性能を向上させ、更には、段階的で、かつ、順次にノズルホールを開放して、噴射後に閉じられているニードルバルブとノズルホールとの空間を最小化することで、燃料の無駄使いを防ぐとともに、有害ガス(例えば、smoke,NOx)を減らす、ディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブを提供することを他の課題をする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明によるディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブは、ディーゼル機関でシリンダーに燃料を噴射する燃料噴射バルブにおいて、燃料噴射バルブに流入する燃料の圧力を、必要なエンジンの出力が少ない低負荷時と、必要なエンジンの出力が多い高負荷時との二段に区分するように、所定の低負荷時に作動し、低圧用ニードルバルブのみを開放する低圧用ソレノイドバルブと、所定の高負荷時に前記低圧用ソレノイドバルブと共に作動し、低圧用ニードルバルブ及び高圧用ニードルバルブを同時に開放する高圧用ソレノイドバルブとからなる区分手段と、前記所定の低負荷時に開放される低圧用ノズルホールと、前記所定の高負荷時に開放される高圧用ノズルホールとを備えるノズルと、前記所定の低負荷時に低圧用ノズルホールのみを開放して燃料を噴射するように、前記所定の低負荷時に作動する低圧用ソレノイドバルブに、燃料通路を介して連結される低圧用ニードルバネと、前記低圧用ニードルバネに連結される低圧用圧力ブースタスピンドルと、前記低圧用圧力ブースタスピンドルに連結される低圧用ニードルバルブと、低圧用燃料を低圧用燃料排出口に排出させる低圧用シャトルバルブと、前記低圧用ソレノイドバルブと結合する低圧用リフティングブッシュバルブとからなる低圧用噴射手段と、前記所定の高負荷時に前記低圧用ノズルホール及び前記高圧用ノズルホールを同時に開放し、燃料を噴射する高圧用噴射手段と、を含み、前記低圧用噴射手段は、燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力が前記低圧用ニードルバルブと前記高圧用ニードルバルブにおいて待機すると共に、低圧用シャトルバルブと高圧用シャトルバルブを通過した燃料の圧力が、低圧用圧力ブースタスピンドルと高圧用圧力ブースタスピンドルに加わって前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力に対する相対圧として作用し、前記低圧用ニードルバルブと前記高圧用ニードルバルブにおける燃料の圧力を前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力以上まで待機させ、前記所定の低負荷となった時、前記低圧用ソレノイドバルブが作動すると、前記低圧用圧力ブースタスピンドルに加わっていた相対圧が前記低圧用リフティングブッシュバルブを通じて前記低圧用燃料排出口に排出されながら、前記低圧用ニードルバルブと連動して前記低圧用ノズルホールが開放され、燃料の噴射が行われる。
【0009】
本発明の他の特徴によるディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブにおいて、前記高圧用噴射手段は、前記所定の高負荷時に作動される高圧用ソレノイドバルブと燃料通路で連結される高圧用ニードルバネと、前記高圧用ニードルバネと連結される高圧用圧力ブースタスピンドルと、前記高圧用圧力ブースタスピンドルと連結される高圧用ニードルバルブと、前記高圧用ソレノイドバルブと結合する高圧用リフティングブッシュバルブと、を含む。
【0010】
本発明の更に他の特徴によるディーゼルエンジン用二段燃料噴射バルブにおいて、前記高圧用噴射手段は、前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力が前記低圧用ニードルバルブと前記高圧用ニードルバルブにおいて待機すると共に、前記低圧用シャトルバルブと前記高圧用シャトルバルブを通過した燃料の圧力が、前記低圧用圧力ブースタスピンドルと前記高圧用圧力ブースタスピンドルに加わって前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力に対する相対圧として作用し、前記低圧用ニードルバルブと前記高圧用ニードルバルブにおける燃料の圧力を前記燃料主通路を通じて注入された燃料の圧力以上まで待機させ、前記所定の高負荷となった時、前記低圧用ソレノイドバルブが作動すると、低圧用圧力ブースタスピンドルに加わっていた相対圧が前記低圧用リフティングブッシュバルブを通じて前記低圧用燃料排出口に排出されながら、前記低圧用ニードルバルブと連動して前記低圧用ノズルホールが1次に開放され、前記高圧用ソレノイドバルブが作動すると、前記高圧用圧力ブースタスピンドルに加わっていた相対圧が高圧用リフティングブッシュバルブを通じて高圧用燃料排出口に排出されながら、前記高圧用ニードルバルブと連動して前記高圧用ノズルホールが2次に開放され、燃料の噴射が行われる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による燃料噴射バルブは、燃料噴射バルブの内部装置によって、流入する燃料の圧力を上昇させて燃料の噴射圧力を高める。つまり、低負荷においても高圧で噴射することができ、2つのソレノイドバルブを低圧用及び高圧用に連続的に作動させ、圧力に応じて噴射時点を遅らせたり早めたりすることができる。
【0016】
また、本発明による燃料噴射バルブは、ソレノイドバルブを通じて、二段のノズルホールから段階的に燃料を噴射することで、圧力差に応じて燃料の排出断面積を減らして噴射状態を調整し、最高圧では多量の燃料を一気に速やかに噴射することで、低圧のみならず、高圧においても優れた燃焼性能を有するとともに、ノズル内の流路が全体的に狭くなり、噴射終了後に流路に残ってシリンダーに流れこむ残存燃料を減少させ、有害ガス(例えば、smoke,NOx)を減らし、燃費を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明による実施例を示す断面図である。
図2図2は、本発明による実施例において、燃料注入前の状態を示す断面図である。
図3図3は、本発明による実施例において、バルブ開放前の状態を示す断面図である。
図4図4は、低負荷時に、第1のソレノイドバルブの作動によって、第1の圧力で噴射される状態を示す断面図である。
図5図5は、高負荷時に、第2のソレノイドバルブの作動によって、第2の圧力で噴射される状態を示す断面図である。
図6図6は、1次及び2次の燃料噴射時に、ニードルバルブのストロークによる燃料噴射過程のうち、待機状態を示す断面図である。
図7図7は、1次及び2次の燃料噴射時に、ニードルバルブのストロークによる燃料噴射過程のうち、燃料が満たされている状態を示す断面図である。
図8図8は、1次及び2次の燃料噴射時に、ニードルバルブのストロークによる燃料噴射過程のうち、低圧用ノズルホールによる噴射状態を示す断面図である。
図9図9は、1次及び2次の燃料噴射時に、ニードルバルブのストロークによる燃料噴射過程のうち、低圧用ノズルホール及び高圧用ノズルホールによる噴射状態を示す断面図である。
図10図10は、2つのソレノイドバルブを連続的に作動させることによる1次及び2次の燃料噴射過程のうち、燃料が満たされている状態を示す断面図である。
図11図11は、2つのソレノイドバルブを連続的に作動させることによる1次及び2次の燃料噴射過程のうち、低圧用燃料排出口に燃料が排出される状態を示す断面図である。
図12図12は、2つのソレノイドバルブを連続的に作動させることによる1次及び2次の燃料噴射過程のうち、高圧用燃料排出口に燃料排出になる状態を示す断面図である。
図13図13は、従来の燃料バルブにおいて、負荷の変化による圧力の変化を示すグラフである。
図14図14は、本発明による燃料バルブにおいて、負荷の変化による圧力の変化を示すグラフである。
図15】従来の燃料噴射バルブを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知機能又は公知構成に関する具体的な説明が本発明の要旨の理解の妨げになると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0019】
図1及び2は、本発明による燃料噴射バルブの断面図であり、図3は、本発明による燃料噴射バルブにおいて、負荷圧力でも噴射されないようにソレノイドが作動される前であって、圧力ブースターに圧力を供給して相対圧を高めている状態を示す断面図である。図4は、低圧用ソレノイドバルブが作動され、相対圧を排出させ、1次の燃料噴射を行った状態を示す断面図であり、図5は、高速及び高負荷時の圧力で高圧用ソレノイドバルブが作動され、2次の燃料噴射を行った状態を示す断面図であり、図6〜9は、所定のストロークを有する低圧用及び高圧用のニードルバルブを通じて1次の燃料噴射及び2次の燃料噴射が行われる状態を示す断面図であり、図10〜12は、2つのソレノイドバルブを連動に作動させ、1次の燃料噴射及び2次の燃料噴射を行うように、相対圧を排出させる状態を示す断面図である。図13は、従来の燃料バルブにおいて、低負荷時の噴射グラフであり、図14は、本発明による燃料バルブにおいて、低負荷時にも高圧で1次の燃料噴射を行った後、2次の燃料噴射が行われることを示すグラフであり、図15は、従来の燃料噴射バルブを示す概略図である。
【0020】
図1を参照すると、本発明によるディーゼルエンジン用燃料噴射バルブは、高圧パイプと連結されている燃料バルブブロック(Fuel valve block、110)と、燃料バルブの全体を囲むノズルホルダー(Nozzle holder,100)と、燃料通路ブッシュ181と連結され、高圧で作動される高圧ニードルバネ133と、高圧ニードルバネ133と結合し、低速及び低負荷時の圧力から高圧力まで待機させる高圧用圧力ブースタスピンドル141と、高圧用圧力ブースタスピンドル141と結合する高圧用ニードルバルブ121と、高圧用圧力ブースタスピンドルを囲む低圧ニードルバネ132と、低圧ニードルバネ132と結合し、高圧用圧力ブースタスピンドル141が貫通する低圧用圧力ブースタスピンドル143と、低圧用圧力ブースタスピンドル141と結合する低圧用ニードルバルブ120と、燃料をシリンダーに噴射する低圧用ノズルホール(Low pressure nozzle hole,160)と、高速及び高負荷時の圧力で燃料をシリンダーに噴射する高圧用ノズルホール(High pressure nozzle hole,161)が加工されたノズル(Nozzle,140)と、低圧及び高圧での噴射時点を調整する低圧用ソレノイドバルブ(Solenoid valve,202)及び高圧用ソレノイドバルブ(Solenoid valve,201)と、低圧用ソレノイドバルブ202及び高圧用ソレノイドバルブ201と結合するリフティングブッシュバルブ(Lifting bush valve,180,181,182)、燃料を圧力差によって区分する低圧用シャトルバルブ150,151及び高圧用シャトルバルブ(Shuttle valve,155)とを含む。
【0021】
燃料バルブに流入する燃料の圧力を低負荷と高負荷との二段に区分し、二段の作動を低圧用ソレノイドバルブ202及び高圧用ソレノイドバルブ201によって、圧力によって段階的に行う。つまり、燃料バルブに流入する燃料の圧力にブースタスピンドルにより生成した相対圧を加えて、低負荷でも高圧で噴射するとともに、燃料噴射ノズルが圧力に応じて段階的に開放されるようにする。
【0022】
また、燃料が燃料主通路170を通じて高圧用圧力ブースタスピンドル141及び低圧用圧力ブースタスピンドル143に到達する前に、低圧用シャトルバルブ150及び高圧用シャトルバルブ151によって、燃料主通路170に燃料圧力及び燃料相対圧力を加え、ブースタスピンドルに圧力を加える。低圧用燃料排出口171及び高圧用燃料排出口172に圧力が排出されると、このような圧力差が解消し、供給される燃料及び排出された燃料を遮断しまたは流すことができる。
【0023】
すなわち、低圧用ニードルバルブ120及び高圧用ニードルバルブ121は、待機圧力に比べ、高圧用圧力ブースタスピンドル141,低圧用圧力ブースタスピンドル143,低圧ニードルバネ132,高圧ニードルバネ133を利用して開放圧力を高め、開放圧力より大きい弾性力を有する高圧用ソレノイドバルブバネ131と低圧用ソレノイドバルブバネ134が低圧用リフティングブッシュ180と高圧用リフティングブッシュ182を支持するため、開放時点を2つのソレノイドバルブ201,202により調節して噴射することができる。
【0024】
この際、圧力を上昇させる低圧用圧力ブースタスピンドル141と高圧用圧力ブースタスピンドル143の相対圧が存在するため、低圧では開放されず、圧力が保たれている。この相対圧は、所望の高圧まで調節することができる。
【0025】
ノズル140内部の低圧用ニードルバルブ120において燃料が待機し、低圧用ソレノイドバルブを作動させ、相対圧が低圧用シャトルバルブ150を通じて低圧用燃料排出口171に排出されると、低圧用ニードルバルブ120が開かれ、低圧用ノズルホール160を通じて1次的噴射が行われる。さらに、低圧用ニードルバルブ120が開かれる空間に、高圧用ニードルバルブ121に圧力を待機させておいて、高圧用ソレノイドバルブを作動させ、高圧用シャトルバルブ151を通じて高圧用燃料排出口172に排出されると、高圧用ニードルバルブ121が開かれ、高圧用ノズルホール161を通じて燃料が噴射される。
【0026】
図2を参照すると、本発明の望ましい実施例による2つのソレノイドバルブを備える二段燃料噴射バルブは、燃料主通路170を通じて、低圧用ニードルバルブ120と高圧用ニードルバルブ121において燃料が待機する。これと同時に、低圧用シャトルバルブ150と高圧用シャトルバルブ151を通過した燃料の圧力は、低圧用圧力ブースタスピンドル143と高圧用圧力ブースタスピンドル141に加わり相対圧として作用し、低圧用ニードルバルブ120と高圧用ニードルバルブ121において注入口から流入した燃料圧以上まで待機させる。
【0027】
この際、所定の低負荷となった時、低圧用ソレノイドバルブ202を作動させ、低圧用圧力ブースタスピンドル141に作用した相対圧が低圧用リフティングブッシュバルブ180を通じて低圧用燃料排出口171に排出しながら、低圧用ニードルバルブ120と連動して、1次的に低圧用ノズルホール160が開放される。さらに、所定の高負荷となった時は、高圧用ソレノイドバルブ201を作動させ、高圧用圧力ブースタスピンドル143に作用した相対圧が高圧用リフティングブッシュバルブ182によって高圧用燃料排出口172に排出しながら、高圧用ニードルバルブ121と連動して、高圧用ノズルホール161が加工されたノズルから噴射される。
【0028】
以下、本発明の実施例による作用を添付した図面を参照しながら説明する。一方、本願発明において、「低圧」とは、燃料噴射が開始する時の開放圧力をいい、「高圧」とは、燃料バルブ内の圧力が上記開放圧力を超える圧力になった時、再度(2次的)ノズルホールを開放するよう、バネと相対圧によって設定された圧力をいう。
【0029】
図3,7及び10に示されたように、燃料噴射が始まる前は、燃料ポンプから高圧パイプを通じて燃料バルブに流入した燃料が燃料バルブの流路に満たされているが、その圧力が低圧用ニードルバネ132及び高圧用ニードルバネ133の弾性力、並びに、低圧用圧力ブースタスピンドル143及び高圧用圧力ブースタスピンドル141の力を超えず、排出されないまま圧力が上昇しながら待機している。
【0030】
低負荷の燃料噴射時点になり、図4,8及び11に示されたように、低圧用ソレノイドバルブ202において設定された開放圧力と噴射時点に合わせて作動すると、低圧用相対圧が低圧用燃料排出口171を通じて排出され、低圧用ニードルバルブ120に作用する圧力が上昇して開かれ、低圧用ノズルホール160を通じて燃料の噴射が始まる。
【0031】
図5,9及び12に示されたように、低圧用ソレノイドバルブに続き、高圧用ソレノイドバルブ201において設定された開放圧力と噴射時点に合わせて作動すると、高圧用相対圧が高圧用燃料排出口172を通じて排出され、高圧用ニードルバルブ121に作用する圧力が上昇して開かれ、高圧用ノズルホール161を通じて燃料の噴射が始まり、燃料の圧力によって続いて噴射される。
【0032】
燃料噴射が終了する時点では、燃料バルブ内の圧力は、減少しつつ、低圧用ニードルバネ132及び高圧用ニードルバネ133の弾性力より順次に又は同時に減少すると、低圧用ニードルバルブ120及び高圧用ニードルバルブ121を下へ押圧し、低圧用ノズルホール160及び高圧用ノズルホール161が閉じられる。これで、燃料噴射の1サイクルが終わる。
【0033】
図13は、従来の燃料バルブにおいて、低負荷時の噴射グラフである。一方、図14は、本発明による燃料バルブにおいて、初期の低負荷においても高圧で噴射し、二段の高圧の噴射が行われることを示しており、低負荷においても高圧で燃料を噴射することで、効率及び燃費が改善される。
【0034】
以上、本発明に従った望ましい実施形態について説明したが、本発明は、この実施形態に限定されず、本発明の技術分野に属する通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲及び要旨を外れずに種々の変形及び変更が可能であることは自明である。
【符号の説明】
【0035】
100 ノズルホルダー
101 燃料バルブブロック
120 低圧用ニードルバルブ
121 高圧用ニードルバルブ
131 高圧用ソレノイドバルブバネ
134 低圧用ソレノイドバルブバネ
132 低圧用ニードルバネ
133 高圧用ニードルバネ
140 ノズル
141 高圧用圧力ブースタスピンドル
143 低圧用圧力ブースタスピンドル
150,151 低圧用シャトルバルブ
155 高圧用シャトルバルブ
160 低圧用ノズルホール
161 高圧用ノズルホール
170 燃料主通路
171 低圧用燃料排出口
172 高圧用燃料排出口
177 空気排出口
180 低圧用リフティングブッシュバルブ
181 燃料通路ブッシュ
182,183 高圧用リフティングブッシュバルブ
200 ガバナーケーブル
201 高圧用ソレノイドバルブ
202 低圧用ソレノイドバルブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15