特許第5740500号(P5740500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740500
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】発電装置及び発電方法
(51)【国際特許分類】
   F03B 13/08 20060101AFI20150604BHJP
   B01D 61/00 20060101ALI20150604BHJP
   B01D 61/58 20060101ALI20150604BHJP
   C02F 1/44 20060101ALI20150604BHJP
   C02F 3/12 20060101ALI20150604BHJP
   E02B 9/00 20060101ALI20150604BHJP
【FI】
   F03B13/08
   B01D61/00 500
   B01D61/58
   C02F1/44 F
   C02F3/12 S
   E02B9/00 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-42560(P2014-42560)
(22)【出願日】2014年3月5日
(62)【分割の表示】特願2013-126839(P2013-126839)の分割
【原出願日】2013年6月17日
(65)【公開番号】特開2015-1227(P2015-1227A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2014年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000192590
【氏名又は名称】株式会社神鋼環境ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 進
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭56−121873(JP,A)
【文献】 実開平06−070898(JP,U)
【文献】 特開2010−007654(JP,A)
【文献】 特開2003−181481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03B 13/08
C02F 1/44
C02F 3/12
E02B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海水よりも浸透圧が低い淡水を海面より低い位置まで落下させる落下部と、前記淡水の落下力によって発電機を動かして発電する発電部と、落下した淡水と海水とを隔てるように配され且つ海面よりも低い位置に配された正浸透膜を含む浸透部とを備え、
前記浸透部が、前記正浸透膜を介して、落下した淡水の水分を正浸透によって海水側へ移動させるように構成されており、
前記落下部で落下させる淡水は、下水が浄化されてなる浄化水であり、
さらに、前記下水中の有機物を微生物の生物反応によって分解させる生物反応部と、生物反応後の下水に含まれる固形物を固液分離によって減少させることにより前記浄化水を得る分離部とを備え、
前記分離部が、生物反応後の下水に含まれる固形物を濾過膜によって膜濾過し膜を透過した透過水を前記浄化水として得る膜濾過部を有し、
前記膜濾過部が、前記濾過膜を含み該濾過膜による膜濾過によって前記浄化水を得るように構成された濾過膜ユニットを有し、
前記濾過膜ユニットが、前記生物反応部にて下水に浸漬されており、
前記濾過膜ユニットの濾過膜の透過側を吸引することによって濾過膜を透過させた前記浄化水を前記落下部へ送るように構成され、しかも、
前記落下部にて前記浄化水が落下することによってサイフォン作用を生じさせ、該サイフォン作用によって前記濾過膜の透過側を吸引し、該吸引によって前記濾過膜を透過させた前記浄化水を前記膜濾過部にて得るように構成されている、発電装置。
【請求項2】
前記落下部によって落下した浄化水を貯める貯水部をさらに備え、
落下した後に前記貯水部に貯まった前記浄化水における前記水分を前記浸透部の前記正浸透膜を介して海水側へ移動させるように構成されている、請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
海水よりも浸透圧が低い淡水を海面より低い位置まで落下させる落下工程と、前記淡水の落下力によって発電機を動かして発電する発電工程と、落下した淡水と海水とを隔てるように配され且つ海面よりも低い位置に配された正浸透膜を介して、落下した淡水の水分を正浸透によって海水側へ移動させる浸透工程とを含み、
前記落下工程で落下させる淡水として、下水が浄化されてなる浄化水を用い、
さらに、前記下水中の有機物を微生物の生物反応によって分解させる生物反応工程と、生物反応後の下水に含まれる固形物を固液分離によって減少させることにより前記浄化水を得る分離工程とを含み、
前記分離工程が、生物反応後の下水に含まれる固形物を濾過膜によって膜濾過し膜を透過した透過水を前記浄化水として得る膜濾過工程を含み、
前記膜濾過工程では、前記濾過膜を含み該濾過膜による膜濾過によって前記浄化水を得るように構成された濾過膜ユニットを生物反応後の下水に浸漬し、前記濾過膜の透過側を吸引することによって濾過膜を透過させた前記浄化水を得て、
前記落下工程にて前記浄化水を落下させることによってサイフォン作用を生じさせ、該サイフォン作用によって前記濾過膜の透過側を吸引しつつ、前記膜濾過工程にて該吸引によって前記濾過膜を透過させた前記浄化水を得る、発電方法。
【請求項4】
前記落下工程によって落下した前記浄化水を貯める貯水工程をさらに含み、
前記浸透工程では、前記貯水工程によって貯まった前記浄化水における前記水分を前記正浸透膜を介して海水側へ移動させる、請求項3に記載の発電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電装置及び発電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発電装置としては、様々なものが知られており、例えば、水を下方へ落下させ、落下させる水の力によって発電機を動かして発電するように構成されたものが知られている。
【0003】
この種の発電装置としては、例えば、海水を上方へくみ上げるポンプと、該ポンプを作動させる電気を発電する風力発電機と、くみ上げた海水を一時的に貯める池と、池から海水を海へ落下させたときの力によって発電する水力発電機とを備えたものが提案されている(特許文献1)。
【0004】
上記の発電装置においては、風力発電機による発電が気候の影響を受けるため、ポンプへの電気の供給が比較的不安定であるものの、風力発電機によって作った電気によってポンプを作動させて海水を池にくみ上げ、くみ上げた海水が落下する力によって水力発電機を動かすため、安定的に発電することができる。また、上記の発電装置においては、くみ上げた海水を海面へ落下させるため、落下後の海水を海へ放流できる。
【0005】
また、上記の発電装置は、海へと流れ出る河川水や湖水などの淡水を落下させて発電するようにも構成されている。上記の発電装置においては、海水の代わりに淡水を用いても、同様に、安定的に発電することができ、また、落下後の淡水をそのまま海へ放流できる。
【0006】
しかしながら、上記の発電装置においては、海抜が比較的低いところに存在する淡水を発電のために利用することができるものの、淡水をくみ上げても、海面までしか淡水を落下させないため、落下の高低差を必ずしも十分に確保できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−274769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点等に鑑み、海抜が比較的低いところに存在し得る淡水を比較的十分な高低差で落下させることによって発電することができる発電装置及び発電方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係る発電装置は、海水よりも浸透圧が低い淡水を海面より低い位置まで落下させる落下部と、前記淡水の落下力によって発電機を動かして発電する発電部と、落下した淡水と海水とを隔てるように配され且つ海面よりも低い位置に配された正浸透膜を含む浸透部を備え、
前記浸透部が、前記正浸透膜を介して、落下した淡水の水分を正浸透によって海水側へ移動させるように構成されており、
前記落下部で落下させる淡水は、下水が浄化されてなる浄化水であり、
さらに、前記下水中の有機物を微生物の生物反応によって分解させる生物反応部と、生物反応後の下水に含まれる固形物を固液分離によって減少させることにより前記浄化水を得る分離部とを備え、
前記分離部が、生物反応後の下水に含まれる固形物を濾過膜によって膜濾過し膜を透過した透過水を前記浄化水として得る膜濾過部を有し、
前記膜濾過部が、前記濾過膜を含み該濾過膜による膜濾過によって前記浄化水を得るように構成された濾過膜ユニットを有し、
前記濾過膜ユニットが、前記生物反応部にて下水に浸漬されており、
前記濾過膜ユニットの濾過膜の透過側を吸引することによって濾過膜を透過させた前記浄化水を前記落下部へ送るように構成され、しかも、
前記落下部にて前記浄化水が落下することによってサイフォン作用を生じさせ、該サイフォン作用によって前記濾過膜の透過側を吸引し、該吸引によって前記濾過膜を透過させた前記浄化水を前記膜濾過部にて得るように構成されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成からなる発電装置においては、落下部によって前記淡水を海面より低い位置まで落下させるため、淡水を海面よりも低い位置まで落下させる分、淡水を落下させるための高低差を大きくできる。従って、淡水を比較的十分な高低差で落下させて、淡水の落下力によって発電部によって発電することができる。
【0011】
本発明に係る発電装置は、前記落下部によって落下した浄化水を貯める貯水部をさらに備え、
落下した後に前記貯水部に貯まった前記浄化水における前記水分を前記浸透部の前記正浸透膜を介して海水側へ移動させるように構成されていることが好ましい。
【0012】
本発明に係る発電方法は、海水よりも浸透圧が低い淡水を海面より低い位置まで落下させる落下工程と、前記淡水の落下力によって発電機を動かして発電する発電工程と、落下した淡水と海水とを隔てるように配され且つ海面よりも低い位置に配された正浸透膜を介して、落下した淡水の水分を正浸透によって海水側へ移動させる浸透工程とを含み、
前記落下工程で落下させる淡水として、下水が浄化されてなる浄化水を用い、
さらに、前記下水中の有機物を微生物の生物反応によって分解させる生物反応工程と、生物反応後の下水に含まれる固形物を固液分離によって減少させることにより前記浄化水を得る分離工程とを含み、
前記分離工程が、生物反応後の下水に含まれる固形物を濾過膜によって膜濾過し膜を透過した透過水を前記浄化水として得る膜濾過工程を含み、
前記膜濾過工程では、前記濾過膜を含み該濾過膜による膜濾過によって前記浄化水を得るように構成された濾過膜ユニットを生物反応後の下水に浸漬し、前記濾過膜の透過側を吸引することによって濾過膜を透過させた前記浄化水を得て、
前記落下工程にて前記浄化水を落下させることによってサイフォン作用を生じさせ、該サイフォン作用によって前記濾過膜の透過側を吸引しつつ、前記膜濾過工程にて該吸引によって前記濾過膜を透過させた前記浄化水を得ることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る発電方法は、前記落下工程によって落下した前記浄化水を貯める貯水工程をさらに含み、
前記浸透工程では、前記貯水工程によって貯まった前記浄化水における前記水分を前記正浸透膜を介して海水側へ移動させることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
上述の通り、本発明の発電装置及び発電方法は、海抜が比較的低いところに存在し得る淡水を比較的十分な高低差で落下させることによって発電することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】発電装置を模式的に表した模式図。
図2】発電装置を模式的に表した模式図。
図3】発電装置を模式的に表した模式図。
図4】発電装置を模式的に表した模式図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る発電装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1図2、及び図3は、本実施形態の発電装置の概略を表した概略図である。
【0017】
本実施形態の発電装置1は、例えば図1に示すように、海水よりも浸透圧が低い淡水を海面より低い位置まで落下させる落下部2と、前記淡水の落下力によって発電機を動かして発電する発電部3とを備えたものである。
【0018】
前記淡水は、海水よりも浸透圧が低い水であれば、特に限定されない。
前記淡水は、通常、海水よりも20〜30kg/cm2低い浸透圧を有する。
なお、淡水及び海水の浸透圧は、それぞれ、純水に対する浸透圧差である。
【0019】
前記淡水としては、例えば、下水、下水が下水処理場で浄化されてなる浄化水、河川水、湖水、地下水などが挙げられる。
なお、本実施形態の発電装置1においては、例えば、河川水、湖水、地下水といった浄化水以外の淡水が、浄化されることなくそのまま発電のために落下され得る。
【0020】
前記淡水は、落下する前に、通常、海面よりも高い位置に存在する。また、海抜が比較的低いところに存在する。前記淡水が落下する前の海抜は、通常、0m〜+20mである。
【0021】
前記淡水としては、発電のために比較的利用しやすいという点で、下水、下水が下水処理場で浄化されてなる浄化水、河川水、又は、湖水が好ましい。
前記淡水として、特に、浄化水が採用されることにより、海や河川へ放流される浄化水を発電のためにも利用できるという利点がある。
【0022】
以下、下水Zが下水処理場にて浄化されて浄化水Aとされ、斯かる浄化水Aが落下させる淡水として採用された発電装置1について、詳しく説明する。
【0023】
前記発電装置1は、下水処理場にて下水Zが浄化されてなる浄化水Aを海面S1より高い位置から海面S1より低い位置まで落下させる落下部2と、前記浄化水Aの落下力によって発電機3aを動かして発電する発電部3とを備えたものである。
【0024】
前記発電装置1は、落下した浄化水Aと海水Sとを隔てるように配され且つ海面S1よりも低い位置に配された正浸透膜5aを含む浸透部5をさらに備え、
前記浸透部5が、前記正浸透膜5aを介して、落下した浄化水Aの水分を正浸透によって海水S側へ移動させるように構成されているものである。
【0025】
また、前記発電装置1は、例えば図1及び図2に示すように、落下部2によって落下した浄化水Aを貯める貯水部4を備えている。
さらに、前記発電装置1は、例えば図2に示すように、微生物の生物反応によって下水Z中の有機物を分解させる生物反応部7と、生物反応後の下水Zに含まれる固形物を固液分離によって減少させることにより生物反応後の下水Zが浄化された浄化水Aを得る分離部6とを備えている。
そして、前記発電装置1は、分離部6によって得られた浄化水Aを落下部2へ供給し、落下部2にて落下する浄化水Aの落下力によって発電部3の発電機3aを動かすように構成されている。また、前記発電装置1は、落下した後に貯水部4に貯まった浄化水Aにおける水分を浸透部5の正浸透膜5aを介して海水S側へ移動させるように構成されている。
【0026】
前記発電装置1によれば、落下部2によって浄化水Aを海面S1より高い位置から海面S1より低い位置まで落下させるため、浄化水Aを比較的十分な高低差で落下させることができる。従って、例えば、落下させるための浄化水Aを上方へくみ上げることをしなくとも、浄化水Aの落下力によって発電部3において発電することもできる。
しかも、本実施形態の発電装置1によれば、浸透部5の正浸透膜5aによって、落下させた浄化水A中の水分を正浸透によって海水S側へ移動させることができる。即ち、正浸透現象を利用することにより、例えば、落下した浄化水Aをくみ上げなくとも、海面S1より低い位置にある浄化水A中の水分を正浸透現象によって海水S側へ移動させることができる。従って、浄化水A中の水分を海水S側へ移動させる分、貯水部4における浄化水Aの水面を低くできることから、低くなった浄化水Aの水面高さまで浄化水Aを十分に落下させることができる。これにより、落下させる浄化水Aの高低差を十分に確保することができる。
このように、前記発電装置1によれば、浄化水Aを比較的十分な高低差で落下させることによって発電することができ、しかも浄化水Aを海へ放流することができる。
【0027】
前記下水Z(下水処理前)は、人為的に集められ少なくとも有機物を含む水である。前記有機物としては、水溶性有機物又は水不溶性有機物などが挙げられる。
前記下水Zは、さらに、水溶性無機物や水不溶性無機物などの無機物を含み得る。
前記下水Zとしては、例えば、し尿を含む排水、生活排水、各種工場から排出される産業排水、若しくは雨水などの1種、又は、これらが複合された下水が挙げられる。
【0028】
前記下水処理場は、下水Zを下水処理することによって得られた浄化水Aを河川や海へ放流するために、通常、比較的海抜の低いところに設置されている。
具体的には、前記下水処理場は、例えば、海抜+1m〜+5mに設置されている。
【0029】
前記下水処理場は、浄化水Aとの浸透圧差を利用した正浸透現象を生じさせる海水Sをより簡便に入手できるという点で、海辺に設置されていることが好ましい。
【0030】
前記下水処理場にて行う下水処理としては、微生物によって下水Z中の有機物を減らす生物反応処理、固液分離によって下水Z中に浮遊する固形物を減らす分離処理などが挙げられる。
前記下水処理においては、下水Zに対して生物反応処理を施し、さらに、生物反応処理後の下水Zに分離処理を施すことによって浄化水Aが得られる。
【0031】
前記生物反応部7は、図2に示すように、微生物によって下水Z中の有機物を分解するために下水Zを貯める生物反応槽7aを有する。
前記生物反応槽7aは、例えば、空気などの酸素含有ガスを槽内の下水Zに送るための散気管を有する。
そして、前記生物反応槽7aは、供給された下水Zを内部に貯め、該下水Zへ散気管から気泡状の酸素含有ガスを送り、活性汚泥法等によって下水Z中の有機物を分解するように構成されている。
【0032】
前記分離部6は、生物反応処理後の下水Zに含まれる固形物を濾過膜によって膜濾過し膜を透過した透過水を浄化水Aとして得る膜濾過部6aを有する。
【0033】
前記膜濾過部6aは、生物反応処理後の下水Zを膜濾過する濾過膜を含み、濾過膜を透過した透過水を浄化水Aとして得るように構成されている。
詳しくは、本実施形態の発電装置1は、例えば図2に示すように、浄化前の下水Zを膜濾過する濾過膜を含む膜濾過部6aを備えている。また、膜濾過部6aの濾過膜は、下水Zに浸漬されている。そして、膜濾過部6aは、生物反応処理後に、濾過膜を透過した透過水を浄化水Aとして得て該浄化水Aを落下部2へ送るように構成されている。
【0034】
前記膜濾過部6aは、例えば、濾過膜を含み膜濾過によって浄化水Aを得るように構成された濾過膜ユニットを有する。
【0035】
前記濾過膜ユニットは、該ユニットの外側から内側へ向けて濾過膜を透過した透過水(浄化水A)がユニットの上方側へ抜き出されるように構成されている。
また、前記濾過膜ユニットは、生物反応槽7aに貯められた下水Zに浸漬されている。
そして、前記濾過膜ユニットは、膜濾過によって、生物反応槽7a内の下水Zに含まれる固形物が減少した浄化水Aを得るように構成されている。
【0036】
前記濾過膜としては、例えば、限外濾過膜(UF膜)、精密濾過膜(MF膜)などが挙げられる。
【0037】
前記濾過膜ユニットとしては、通常、一般的なものが採用される。
【0038】
前記落下部2は、例えば図2に示すように、分離部6から供給された浄化水Aを自由落下させ、浄化水Aの落下力が発電部3の発電機3aに加えられるように構成されている。
なお、自由落下とは、重力のはたらきにまかせた落下である。
【0039】
前記落下部2は、海面S1より高い位置から海面S1より低い位置まで浄化水Aを自由落下させるように構成されている。
なお、海面S1より高い位置は、海抜がプラスである位置であり、海面S1より低い位置は、海抜がマイナスである位置である。
【0040】
前記落下部2は、具体的には例えば、地面が掘り下げられることによって、海面S1より低い位置まで浄化水Aを自由落下させるように構成されている。
【0041】
前記落下部2は、例えば、浄化水Aを内部空間内で自由落下させるための落下用配管2aを有する。落下用配管2aは、通常、両端部以外が気密に形成されている。
前記落下用配管2aの上側の端部は、例えば、海面S1より高い位置に配された分離部6に取り付けられ、落下用配管2aの下側の端部は、貯水部4に貯まる浄化水Aの水面の上側に配されている。
そして、前記落下部2は、分離部6から供給された浄化水Aを落下用配管2a内に送ることにより、海面S1より高い位置から海面S1より低い位置まで浄化水Aを自由落下させるように構成されている。また、前記落下部2は、落下用配管2aの途中に取り付けられた発電部3の発電機3aに対して、浄化水Aの落下力を与えるように構成されている。
【0042】
前記落下部2によって浄化水Aが落下する高低差は、通常、5〜30mである。
【0043】
前記発電装置1は、濾過膜ユニットが生物反応部7にて下水Zに浸漬されており、濾過膜ユニットの濾過膜の透過側を吸引することによって濾過膜を透過させた浄化水Aを落下部2へ送るように構成されていることが好ましい。
また、前記発電装置1は、落下部2にて浄化水Aが落下することによってサイフォン作用を生じさせ、該サイフォン作用によって濾過膜の透過側を吸引し、該吸引によって濾過膜を透過させた浄化水Aを膜濾過部6aにて得るように構成されていることが好ましい。
【0044】
具体的には、前記発電装置1においては、膜濾過部6aが濾過膜ユニットを有し、落下部2が落下用配管2aを有することが好ましい。
また、前記発電装置1は、図2に示すように、濾過膜ユニットの外側から内側へ向けて濾過膜を透過した透過水(浄化水A)が、濾過膜ユニットの上方側へ抜き出されて落下部2へ送られるように構成されていることが好ましい。
さらに、前記発電装置1においては、生物反応槽7a内の液面が、落下部2において落下する浄化水Aの最も低い位置よりも高い位置に配されていることが好ましい。
斯かる構成により、落下部2による浄化水Aの落下に伴って、落下用配管2aの内部にてサイフォン作用が生じる。そして、斯かるサイフォン作用によって濾過膜ユニットの上方側へ浄化水Aを抜き出すことができる。従って、濾過膜ユニットの上方側へ浄化水Aを抜き出すためのポンプ等を使わなくとも、濾過膜ユニットにおける浄化水Aの膜濾過を行うことができるという利点がある。
【0045】
前記発電部3は、浄化水Aの落下経路の途中に配された発電機3aを有する。
そして、発電部3は、浄化水Aの落下する力によって発電機3aを動かし、発電機3aによって発電するように構成されている。
なお、前記発電部3において発電された電気は、浄化水Aを浸透部5へ送る浄化水供給用ポンプP(後述)の動力源、生物反応槽7aの下水Zへ散気管から酸素含有ガスを送るための動力源、又は、発電装置における他の動力源等の用途で使用され得る。
【0046】
前記発電機3aは、例えば図1に示すように、前記落下用配管2aの途中に取り付けられ、浄化水Aの落下力によって動かされ発電するように構成されている。
【0047】
前記発電機3aとしては、例えば、水力発電などに用いられる一般的なものが採用される。
【0048】
前記発電機3aは、海面よりも低い位置に配されていることが好ましい。
浄化水Aの自由落下の距離が長くなるほど、落下する浄化水の落下速度が大きくなることから、発電機3aが海面よりも低い位置に配されていることによって、発電機3aが海面以上の高さに配されているよりも、発電のためのより十分な力を発電機3aへ与えることができるという利点がある。即ち、より大きな落下力によって発電することができるという利点がある。
【0049】
前記発電装置1は、落下部2によって落下した浄化水Aが貯水部4に貯まるように構成されている。また、前記発電装置1は、分離部6から供給される浄化水が貯水部4に貯まった浄化水へ落下するように構成されている。
【0050】
前記貯水部4は、例えば図1及び図2に示すように、落下した浄化水Aを貯める貯水槽4aを有する。
前記貯水槽4aは、落下した浄化水Aを海面S1よりも低い位置で貯めるように構成されている。即ち、前記貯水槽4aは、貯められる浄化水Aの水面が海面S1よりも低くなるように構成されている。従って、前記発電装置1においては、貯水槽4a内の浄化水Aの水面高さまで、浄化水Aが自由落下することとなる。
【0051】
前記貯水部4の貯水槽4aは、例えば、海と隣接する土地の地面を掘り下げることにより形成された空間内に配されている。
前記貯水槽4aは、内部に貯まる浄化水Aに正浸透膜5aが十分浸漬される深さに形成されている。
【0052】
前記浸透部5は、海面S1よりも低い位置に配され且つ落下した浄化水Aと海水Sとを隔てるように配された正浸透膜5a(半透膜)を有する。また、前記浸透部5は、正浸透膜5aの一方の面側が浄化水Aと接し、正浸透膜5aの他方の面側が海水Sと接するように構成されている。
そして、前記浸透部5は、正浸透膜5aを介して、落下した浄化水Aの水分を正浸透によって海水S側へ移動させるように構成されている。
【0053】
前記浄化水Aは、海水Sよりも含有イオン量が少なく、海水Sよりも低い浸透圧を有することから、前記浸透部5においては、浄化水Aと海水Sとの浸透圧の差による正浸透現象によって、浸透膜を介して浄化水A中の水分が海水S側へ移動する。
なお、浄化水Aの浸透圧は、通常、0.5〜1.5kg/cm2である。また、海水Sの浸透圧は、通常、25〜30kg/cm2である。
【0054】
即ち、前記浸透部5によれば、例えば、落下した浄化水Aをくみ上げること等をしなくとも、落下した浄化水Aを海へ放流することができる。
従って、前記浸透部5によれば、浄化水A中の水分を海水S側へ移動させる分、貯水部4における浄化水Aの水面を低くできることから、貯水部4において低くなった浄化水Aの水面高さまで、浄化水Aを十分に落下させることができる。これにより、落下させる浄化水Aの高低差を十分に保つことができる。
【0055】
前記浸透部5は、例えば図1及び図2に示すように、海面下に配されている、即ち、前記浸透部5は、例えば、海の中に浸かるように配されている。
【0056】
前記浸透部5の正浸透膜5aの位置は、落下した浄化水Aの水分を正浸透によって海水S側へ移動させる力の方が、海水Sの水圧よりも大きくなる位置であれば、特に限定されない。即ち、前記浸透部5の正浸透膜5aの位置は、海水Sの水圧に逆らって正浸透現象が生じるのであれば、特に限定されず、落下した浄化水Aと海水Sとの浸透圧差が海水Sの水圧よりも高く、浄化水Aの水分が正浸透現象によって海水へ放流されるのであれば、特に限定されない。
前記浸透部5における正浸透膜5aの下端の位置は、通常、海面S1よりも5m〜30m低い位置である。
【0057】
前記浸透部5は、例えば、正浸透膜5aを含む正浸透膜ユニットを有しており、正浸透膜ユニットに含まれる正浸透膜5aによって浄化水A中の水分が海水S側へ移動するように構成されている。
前記正浸透ユニットとしては、一般的なものが採用される。
【0058】
前記浸透部5は、貯水槽4aから供給された浄化水Aの水分を正浸透膜5aの正浸透によって海水S側に移動させ、正浸透に伴い水分が減少することによって浸透圧が高まった浄化水Aを、貯水槽4a内の浄化水Aへ送るように構成されている。
【0059】
具体的には、前記浸透部5は、例えば図1及び図2に示すように、貯水槽4aからの浄化水Aを正浸透膜5aの浄化水側へ供給し、正浸透膜5aによる正浸透現象後の浄化水Aを貯水槽4aへ戻す循環用配管5bを有する。
そして、前記浸透部5は、循環用配管5bによって貯水槽4a内の浄化水Aを内部に受け入れ、正浸透によって浸透圧が上がった浄化水Aを、循環用配管5bによって貯水槽4a内の浄化水Aへ戻すように構成されている。
【0060】
また、前記浸透部5は、例えば図1に示すように、海からの海水Sを正浸透膜5aの海水側へ供給し、正浸透膜5aによる正浸透現象後の海水を海へ放流する放流用配管5cを有する。
そして、前記浸透部5は、放流用配管5cによって海水Sを内部に受け入れ、正浸透によって浸透圧が下がった海水を、放流用配管5cによって海Sへ放流するように構成されている。
なお、前記発電装置1は、例えば図3に示すように、必要に応じて、放流用配管5cに海水Sを送るための海水供給用ポンプP”を備える。
【0061】
前記浸透部5は、例えば図3に示すように、海岸線Kよりも内陸側であって、且つ、海抜がマイナスの位置に配されていてもよい。即ち、前記浸透部5は、海岸線Kよりも内陸側の地中に配されていてもよい。
詳しくは、前記発電装置1は、図3に示すように、海水Sを正浸透膜5aの海水側へ供給するための海水供給用ポンプP”を備え、海水供給用ポンプP”によって放流用配管5cを介して海水Sを内陸側へ引き込み、引き込んだ海水によって浸透部5の正浸透膜5aにて正浸透現象を生じさせるように構成されていてもよい。そして、上記と同様に、正浸透現象によって浸透圧が下がった海水を、放流用配管5cによって海Sへ放流するように構成されている。
なお、前記浸透部5は、図2に示すように、供給された海水が下側から上側へ移動するように構成されていてもよく、図3に示すように、供給された海水が上側から下側へ移動するように構成されていてもよい。また、海水供給用ポンプP”は、放流用配管5cの海水排出側の端部より上側に配されていてもよく、下側に配されていてもよい。
【0062】
本実施形態の発電装置1は、さらに、貯水部4の貯水槽4aに貯まった浄化水Aを浸透部5へ送る浄化水供給用ポンプPと、貯水部4の貯水槽4aに貯まった浄化水Aをくみ上げて海へ放流する放流用ポンプP’とを備えていることが好ましい。
【0063】
前記浄化水供給用ポンプPは、貯水槽4a内に貯まった浄化水Aを加圧して浸透部5へ供給するように構成されている。
前記浄化水供給用ポンプPによれば、落下した浄化水Aを貯水部4から浸透部5へより確実に供給することができる。
なお、前記浄化水供給用ポンプPは、例えば、貯水槽4a内に貯まった浄化水Aに浸かるように配されていてもよく、貯水槽4aの外部に配されていてもよい。
【0064】
前記放流用ポンプP’は、貯水槽4a内に貯まった浄化水Aをくみ上げて海へ放流するように構成されている。
前記放流用ポンプP’によれば、浸透部5にて浸透圧が高まった浄化水Aが貯水槽4aに戻されることによって海水Sとの浸透圧の差が小さくなった貯水槽4a内の浄化水Aを、海へ放流することができる。従って、海水Sとの浸透圧の差が小さくなった貯水槽4a内の浄化水Aを減らす分、貯水槽4a内における浄化水Aと海水Sとの浸透圧の差が減少することを抑えることができる。これにより、浸透部5による正浸透現象を十分に保つことができる。
【0065】
なお、本発明の発電装置は、例えば図4に示すように、前記分離部6として、生物反応処理後の下水Zに含まれる固形物を沈殿させることによって上澄み液を浄化水Aとして得る沈殿部6bを備えていてもよい。
【0066】
前記沈殿部6bは、例えば図4に示すように、生物反応処理後の下水Zに含まれる固形物を沈殿させるための沈殿槽を有し、沈殿槽において下水Z中の固形物を沈殿させ、沈殿後の上澄み液を浄化水Aとして得るように構成されている。
そして、前記沈殿部6bの沈殿槽は、得られた浄化水Aを落下部2へ送るように構成されている。
【0067】
前記分離部6としては、落下した浄化水Aによって浸透部5の正浸透膜5aが目詰まりすることを効率的に抑制できるという点で、砂ろ過処理や膜処理などの後処理がさらに必要とされ得る沈殿部6bよりも、膜濾過部6aが好ましい。
前記膜濾過部6aの濾過膜ユニットは、生物反応槽7aの外部に配されていてもよいが、設置スペースを小さくできるという点、装置の運転動力を小さくできるという点で、生物反応槽7a内の下水に浸漬していることが好ましい。即ち、前記生物反応部7及び前記膜濾過部6aは、膜分離活性汚泥法(MBR Membrane Bio−reactor)によって下水Zを浄化するように構成されていることが好ましい。
なお、前記膜濾過部6aの濾過膜ユニットが生物反応槽7aの外部に配された場合には、濾過膜ユニットは、該ユニットの内側から外側へ向けて濾過膜を透過した透過水(浄化水A)を得るようにも構成され得る。また、濾過膜ユニットは、濾過膜を透過した透過水(浄化水A)がユニットの下方側へ抜き出されるようにも構成され得る。
【0068】
続いて、本発明に係る発電方法の一実施形態について説明する。
【0069】
本実施形態の発電方法は、海水Sよりも浸透圧が低い淡水を海面S1より低い位置まで落下させる落下工程と、前記淡水の落下力によって発電機3aを動かして発電する発電工程とを含むものである。
斯かる発電方法においては、落下工程によって前記淡水を海面S1より低い位置まで落下させるため、淡水を海面S1よりも低い位置まで落下させる分、淡水を落下させるための高低差を大きくできる。従って、淡水を比較的十分な高低差で落下させて、淡水の落下力によって発電工程において発電することができる。
【0070】
本実施形態の発電方法は、さらに、落下した淡水と海水Sとを隔てるように配され且つ海面Sよりも低い位置に配された正浸透膜5aを介して、落下した淡水の水分を正浸透によって海水S側へ移動させる浸透工程を含む
【0071】
具体的には、前記発電方法は、例えば、下水処理場にて下水Zが浄化されてなる浄化水Aを落下させる淡水として採用し、該浄化水Aを海面S1より高い位置から海面S1より低い位置まで落下させる落下工程と、前記浄化水Aの落下力によって発電機3aを動かして発電する発電工程とを含む。
そして、前記発電方法においては、例えば、浸透工程にて、正浸透膜5aを介して、落下した浄化水Aの水分を正浸透によって海水S側へ移動させる。
【0072】
前記発電方法においては、落下工程において浄化水Aを海面S1より高い位置から海面S1より低い位置まで落下させるため、浄化水を落下させるための高低差を十分に確保できる。従って、浄化水を十分に落下させて、浄化水の落下力によって発電することができる。
しかも、浸透工程においては、正浸透膜5aによって、落下させた浄化水A中の水分を海水S側へ移動させることができる。即ち、正浸透現象を利用することにより、例えば落下した浄化水Aをくみ上げなくとも、浄化水Aを海へ放流することができる。
このように、前記発電方法においては、下水処理場で浄化され比較的海抜が低いところに存在し得る浄化水Aを、比較的十分な高低差で落下させることによって発電することができ、しかも落下した浄化水Aを海へ放流することができる。
【0073】
本実施形態の発電方法においては、上記の発電装置を用いることができ、上述した操作等が採用される。
【0074】
本実施形態の発電方法は、微生物によって下水Z中の有機物を分解させる生物反応工程をさらに含む
また、本実施形態の発電方法は、生物反応工程後の下水Zに含まれる固形物を固液分離によって減少させることにより浄化された浄化水Aを得る分離工程をさらに含む
また、本実施形態の発電方法は、落下した浄化水Aを貯める貯水工程をさらに含む
【0075】
前記分離工程では、生物反応工程を行った後の浄化前の下水Zに含まれる固形物を、固液分離によって減少させ、下水Zを浄化してなる浄化水Aを得る。
【0076】
前記分離工程は、生物反応工程後の下水Zに含まれる固形物を濾過膜によって膜濾過し濾過膜を透過した透過水を浄化水Aとして得る膜濾過工程を有する
【0077】
前記膜濾過工程では、生物反応処理後の下水Zを濾過膜によって膜濾過し、濾過膜を透過した透過水を浄化水Aとして得る。
【0078】
本実施形態の発電方法においては、膜濾過工程にて、濾過膜ユニットを生物反応後の下水に浸漬し、濾過膜ユニットの濾過膜の透過側を吸引することによって濾過膜を透過させた浄化水Aを得る
また、落下工程にて、得られた浄化水Aを落下させることによってサイフォン作用を生じさせ、該サイフォン作用によって濾過膜の透過側を吸引しつつ、膜濾過工程にて、該吸引によって濾過膜を透過させた浄化水Aを得る
これにより、上述したように、浄化水Aの落下に伴ってサイフォン作用が生じ、斯かるサイフォン作用の吸引力によって、例えば濾過膜ユニットの上方側へ浄化水Aを抜き出すことができる。従って、ポンプ等による吸引力を使わなくとも、濾過膜ユニットにおける浄化水Aの膜濾過を行うことができる
【0079】
本実施形態の発電方法における上記の各工程は、上記の発電装置を用いて、それぞれ個別に行うことができる。
具体的には、前記発電方法においては、例えば、夜間に生物反応槽7a又は沈殿部6b(沈殿槽)に水を貯めておき、夜間に貯められた水を昼間に落下させて発電することができる。これによって、発電工程によって発電する電気量を調整することができる。
又は、本実施形態の発電方法は、上記の各工程を同時に行いながら、実施することもできる。
【0080】
なお、本発明の発電方法は、前記分離工程における膜濾過工程に代えて、生物反応工程後の下水Zに含まれる固形物を沈殿させることによって上澄み液を浄化水Aとして得る沈殿工程を有してもよい。
【0081】
前記沈殿工程では、生物反応処理後の下水Zに含まれる固形物を沈殿させ、沈殿後の上澄み液を浄化水Aとして得る。
【0082】
本実施形態の発電装置及び発電方法は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示の発電装置及び発電方法に限定されるものではない。
また、一般の発電装置及び発電方法において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
【符号の説明】
【0083】
1:発電装置、
2:落下部、 2a:落下用配管、
3:発電部、 3a:発電機、
4:貯水部、 4a:貯水槽、
5、浸透部、 5a:正浸透膜、 5b:循環用配管、 5c:放流用配管、
6:分離部、 6a:膜濾過部、 6b:沈殿部、
7:生物反応部、 7a:生物反応槽、
A:浄化水、 P:浄化水供給用ポンプ、 P’:放流用ポンプ、
S:海水、 S1:海面、 Z:下水。
図1
図2
図3
図4