特許第5740505号(P5740505)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740505
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】媒体搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 29/52 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
   B65H29/52
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-53946(P2014-53946)
(22)【出願日】2014年3月17日
(62)【分割の表示】特願2012-5686(P2012-5686)の分割
【原出願日】2012年1月13日
(65)【公開番号】特開2014-131944(P2014-131944A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2014年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100069615
【弁理士】
【氏名又は名称】金倉 喬二
(72)【発明者】
【氏名】酒井 雅人
(72)【発明者】
【氏名】黒田 輝昭
(72)【発明者】
【氏名】石森 啓太
【審査官】 西本 浩司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−189237(JP,A)
【文献】 実開昭62−120755(JP,U)
【文献】 実開昭61−101548(JP,U)
【文献】 特開2000−352887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/36 − 5/38
B65H 29/52 − 29/70
G03G 15/00,15/20,13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する第1の搬送部材と、
前記第1の搬送部材の媒体搬送方向における下流側に配置され、前記第1の搬送部材から搬送される媒体を案内する第1の規制部と、
前記第1の規制部の媒体搬送方向における下流側に配置された第2の搬送部材と、
前記第1の規制部と対向して配置され、前記第1の規制部と共に媒体を搬送する搬送路を形成するガイド部とを有し、
前記第1の規制部は、
搬送される媒体を案内するための第1のガイド面を有し、媒体搬送方向に伸びる第1の案内部と、
媒体搬送方向における前記第1の案内部の下流側に配置され、搬送される媒体を案内するための第2のガイド面を有し、媒体搬送方向と略直交する方向に伸びる第2の案内部とを有し、
媒体搬送方向と略直交する方向において、前記第2のガイド面の幅は、第1のガイド面の幅よりも大きく形成され、
前記第1の搬送部材が媒体を搬送するために形成する第1のニップ部の媒体搬送方向における下流端と、前記第2の搬送部材が媒体を搬送するために形成する第2のニップ部の媒体搬送方向における上流端とを結んだ仮想直線を第1の直線としたとき、
媒体搬送方向における前記第1の案内部の上流端において、前記第1の案内部と前記ガイド部は、前記第1の直線を挟むように配置され、
媒体搬送方向における前記第1の案内部の下流端において、前記第1の直線と前記ガイド部は、前記第2の案内部を挟むように配置されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の案内部は、前記第1の規制部の媒体搬送方向における下流端に配置されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の媒体搬送装置において、
前記第1の規制部から搬送される媒体を前記第2の搬送部材へと案内する第2の規制部を有し、
前記第2の規制部と前記第1の規制部との間で段差部を形成し、
前記第1の規制部は、
前記段差部を通過する媒体に対して前記前記第2の規制部よりも突出して配置されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の媒体搬送装置において、
前記第1の規制部は、前記第2の規制部側に、壁部を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の規制部と対向して配置され、前記第2の規制部と共に媒体を搬送する搬送路を形成する第2のガイド部を有し、
前記第2の搬送部材が媒体を搬送するために形成する第2のニップ部の媒体搬送方向における上流端と、前記第2の案内部とを結んだ仮想直線を第2の直線としたとき、
前記第2の直線は、前記第2の規制部と前記第2のガイド部との間に位置することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記第1の案内部は、媒体搬送方向における前記第1の搬送部材の上流端から下流側に向かって前記第1の直線に近づくよう傾斜して配置されることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項7】
請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の案内部は、前記第2の規制部側に、媒体の搬送方向における上流側から下流側に向けて湾曲する第1のRが形成されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記第1の案内部は、媒体の搬送方向に略直交する方向に湾曲し、外側湾曲面が媒体に向けられた第2のRが形成されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の案内部は、媒体の搬送方向に略直交する方向に、搬送される媒体との間で開口を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項10】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の案内部は、媒体の搬送方向に略直交する方向に凸部と凹部とが形成されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項11】
請求項10に記載の媒体搬送装置において、
前記凸部は、媒体の搬送方向に略直交する方向に湾曲し、外側湾曲面が媒体に向けられた第3のRが形成されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項12】
請求項1に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の案内部は、媒体の搬送方向に略直交する方向に凸部と凹部とが形成され、
前記第1の案内部は、媒体の搬送方向に略直交する方向に湾曲し、外側湾曲面が媒体に向けられた第2のRが形成され、
前記凸部は、媒体の搬送方向に略直交する方向における半径が、前記第2のRの半径より大きい半径を有する第3のRが形成されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記第1の搬送部材と前記第1の規制部は、媒体搬送方向において隣り合って配置されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項14】
請求項2から請求項13のいずれか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の搬送部材は、媒体搬送方向において、前記第2の規制部の下流側に隣り合って配置されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項15】
請求項3から請求項14のいずれか1項に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の規制部は、媒体搬送方向において、前記第1の規制部の下流側に隣り合って配置されていることを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の媒体搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
請求項16に記載の画像形成装置において、
媒体上にトナー像を形成する現像装置を有し、
前記第1の搬送部材は、
定着装置を構成する部材であって、媒体搬送方向における前記現像装置の下流側に配置され、
前記第1の規制部は、
前記トナー像が形成される面の反対面側に配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体を搬送する媒体搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の媒体搬送装置および画像形成装置は、媒体を搬送する搬送路に媒体を案内するための部材として搬送ガイドを設けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−95587号公報(段落「0012」〜段落「0017」、図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、搬送ガイドの表面に搬送される媒体が押し当てられると媒体に擦れが発生することがあるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、搬送される媒体に生じる擦れを低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、本発明は、媒体を搬送する第1の搬送部材と、前記第1の搬送部材の媒体搬送方向における下流側に配置され、前記第1の搬送部材から搬送される媒体を案内する第1の規制部と、前記第1の規制部の媒体搬送方向における下流側に配置された第2の搬送部材と、前記第1の規制部と対向して配置され、前記第1の規制部と共に媒体を搬送する搬送路を形成するガイド部とを有し、前記第1の規制部は、搬送される媒体を案内するための第1のガイド面を有し、媒体搬送方向に伸びる第1の案内部と、媒体搬送方向における前記第1の案内部の下流側に配置され、搬送される媒体を案内するための第2のガイド面を有し、媒体搬送方向と略直交する方向に伸びる第2の案内部とを有し、媒体搬送方向と略直交する方向において、前記第2のガイド面の幅は、第1のガイド面の幅よりも大きく形成され、前記第1の搬送部材が媒体を搬送するために形成する第1のニップ部の媒体搬送方向における下流端と、前記第2の搬送部材が媒体を搬送するために形成する第2のニップ部の媒体搬送方向における上流端とを結んだ仮想直線を第1の直線としたとき、媒体搬送方向における前記第1の案内部の上流端において、前記第1の案内部と前記ガイド部は、前記第1の直線を挟むように配置され、媒体搬送方向における前記第1の案内部の下流端において、前記第1の直線と前記ガイド部は、前記第2の案内部を挟むように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
このようにした本発明は、搬送される媒体に生じる擦れを低減させることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施例におけるガイドの斜視図
図2】第1の実施例における画像形成装置の構成を示す説明図
図3】第1の実施例における定着装置の構成を示す断面図
図4】第1の実施例におけるガイドの断面図
図5】第1の実施例におけるガイドの正面図
図6】第1の実施例におけるガイドの上面図
図7】第1の実施例における段差部の説明図
図8】第1の実施例におけるガイドおよび分岐ガイドの配置の説明図
図9】第1の実施例における媒体搬送の説明図
図10】第2の実施例におけるガイドの斜視図
図11】第2の実施例におけるガイドの正面図
図12】第2の実施例におけるガイドの断面図
図13】第2の実施例におけるガイドの上面図
図14】第2の実施例における定着装置の構成を示す断面図
図15】第2の実施例における媒体搬送の説明図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明による媒体搬送装置および画像形成装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0009】
図2は第1の実施例における画像形成装置の構成を示す説明図ある。
図2において、画像形成装置としてのプリンタ1の内部下方には、カセット3が配置され、そのカセット3の内部には、印刷前の媒体Pが収容されている。カセット3に収容された媒体Pは、ピックアップローラ2により図中カセット3の右上方向に向けて送り出される。
【0010】
カセット3の媒体搬送方向における下流側には、ピックアップローラ2により搬送された媒体Pを1枚ずつ分離して搬送するフィードローラ17aおよびリタードローラ17b、さらにフィードローラ17aおよびリタードローラ17bの媒体搬送方向における下流側には、フィードローラ17aおよびリタードローラ17bにより搬送された媒体Pを案内する供給用搬送路4が備えられている。
【0011】
カセット3から送り出された媒体Pは、供給用搬送路4により図中垂直上方向に搬送され、レジストローラ5に到達する。媒体搬送方向におけるレジストローラ5の下流のプリンタ1の中央部には、無端ベルト状に構成された転写ベルト6が備えられ、その転写ベルト6は複数のローラに巻き掛けられて支持され、図示しない駆動手段により図中反時計方向に回転して媒体Pを搬送する。
【0012】
転写ベルト6の上方には、4色の現像剤としてのトナーによるトナー像を形成する4台の現像装置7が備えられ、その4台の現像装置7は、媒体搬送方向における上流側から下流側に向けて直列に配設され、また露光装置としての4つのLED(Light Emitting Diode)ヘッド8がそれぞれの現像装置7に隣接するように配設されている。
LEDヘッド8は、図示しない印刷制御部からの画像データに基づいて選択的に記録光を現像装置7へ照射し、現像装置7では照射された記録光に応じたトナー像が形成される。
【0013】
レジストローラ5に到達した媒体Pは、現像装置7と同期をとって転写ベルト6上へと送り出され、転写ベルト6の回転とともに、各現像装置7と転写ベルト6を介して対向配置されたそれぞれの転写ローラ18によって各現像装置7のトナー像が転写ベルト6上の媒体Pに順次転写される。これにより、媒体Pの表面にはトナー像が形成される。
【0014】
媒体搬送方向における転写ベルト6の下流側には、定着装置9が備えられ、転写ベルト6上で転写されたトナー像を担持した媒体Pは、定着装置9へと送られ、定着装置9の定着ベルトと加圧ローラとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
媒体搬送方向における定着装置9の下流側には、媒体Pの搬送方向を切り替えるガイド部101が備えられ、そのガイド部101は、図示しない駆動手段によって図中実線で示される位置と破線で示される位置とに切り替えることにより媒体Pの搬送方向を切り替える。
ガイド部101を実線で示す位置にすることにより、搬送される媒体Pを媒体搬送方向におけるガイド部101の下流側に設けられた排出用搬送路11へ案内し、搬送ローラ対191および排出ローラ対192によって排出トレイ13へと案内する(第1の経路)。
【0015】
一方、ガイド部101を破線で示す位置にすることにより、搬送される媒体Pを媒体搬送方向におけるガイド部101の下流側に設けられた反転用搬送路12へ案内し、図示しない駆動手段によって切替部103を図中実線で示す位置とした状態で搬送ローラ対193、194を経て中間トレイ15へと案内する。
その後、切替部103を図示しない駆動手段によって図中破線で示す位置とした状態で搬送ローラ対194を反転させて媒体Pを中間トレイ15から両面印刷用搬送路16へと案内し、搬送ローラ対195、196、197、198、およびレジストローラ5を経て媒体搬送方向における最上流に配置された現像装置7へと搬送する(第2の経路)。
【0016】
媒体Pに対して両面印刷を行わない場合、片面にトナー像が印刷された媒体Pは、第1の経路を経て排出トレイ13に排出され、媒体Pに対して両面印刷を行う場合、片面にトナー像が印刷された媒体Pは、第2の経路を経て反転され裏面にトナー像を印刷した後、第1の経路を経て排出トレイ13に排出される。
また、媒体搬送方向における定着装置9の下流には、第1の規制部としてのガイド27が配置され、さらに媒体搬送方向におけるガイド27の下流側には、搬送部材としての搬送ローラ対191(以下、本実施例では「第2の搬送部材」という。)が配置されている。
【0017】
搬送ローラ対191とガイド27との間には、媒体搬送方向におけるガイド27の最下流部側の端部から搬送される媒体を搬送ローラ対191へと案内するための第2の規制部としての分岐ガイド102が備えられている。その分岐ガイド102は、搬送される媒体Pを案内するためのガイド部100および上述したガイド部101を有している。
このように、第1の規制部としてのガイド27と、搬送部材としての搬送ローラ対191と、第2の規制部としての分岐ガイド102とにより媒体搬送装置を構成している。
【0018】
図3は第1の実施例における定着装置の構成を示す断面図である。
図3において、定着装置9は、媒体Pに熱を供給し、さらに図中矢印Cが示す方向に回転して媒体Pを搬送するための無端の定着ベルト22と、定着ベルト22の外側に配設され加圧するための加圧ローラ25と、定着ベルト22の内側に配設され定着ベルト22を介して加圧ローラ25との間で第1の接触部(以下、「ニップ部」という。)N1を形成する定着パッド29と、定着ベルト22の内側に配設され定着ベルト22を介して加圧ローラ25との間で第2のニップ部N2を形成する定着ローラ21と、定着ベルト22の内側に配設された定着ベルト22を張架し加熱する面状ヒータ23aを有する加熱部材23とを備えている。
定着ベルト22の温度は、温度検知手段31により検出され、図示しない制御部により所定の温度に保たれている。
【0019】
ここで、定着ローラ21は、図示しない駆動手段によって図中矢印Xが示す方向に回転軸21aを中心として回転駆動され、定着ベルト22と回転軸25aを中心として定着ローラ21に従動回転する加圧ローラ25との間に媒体Pを挟持して媒体P上のトナー26を媒体P上に定着させるとともに、媒体Pを図中矢印が示す媒体搬送方向における下流側へと搬送する。従って、定着ローラ21と、定着ベルト22と、加圧ローラ25とによって媒体Pを搬送する第1の搬送部材24を構成する。
【0020】
第1の規制部としてのガイド27は、媒体搬送方向における定着ローラ21および加圧ローラ25の下流側に配置されている。また、ガイド27の定着ローラ21および加圧ローラ25側の端部には、第1のニップ部N1と第2のニップ部N2とからなる定着ニップ部Nを通過した媒体Pが加圧ローラ25に巻き付くことを防止するための分離部27aが形成されている。
【0021】
ガイド27と対向する位置には、第3の規制部としてのガイド30が設けられている。ガイド30は、案内部301および案内部302を有し、案内部30の媒体搬送方向における上流側には、媒体搬送方向における定着ローラ21の下流側に搬送された媒体を定着ベルト22から分離するための分離爪301aが配置されている。
また、ガイド27は、媒体搬送方向における定着ニップ部Nの下流側であって、かつ媒体の非定着面側、すなわちトナーが定着される面の反対面側に設けられている。
【0022】
図1は第1の実施例におけるガイドの斜視図、図4は第1の実施例におけるガイドの断面図であり、図4図1におけるA―A断面図である。
図1に示すように、第1の規制部としてのガイド27は、図中矢印Bが示す媒体搬送方向に伸びる(延在する)第1の案内部としての複数のガイドリブ28を有する。また、ガイド27は、図中矢印Bが示す媒体搬送方向と略直交する方向に伸びる第2の案内部としてのガイドリブ29を有し、そのガイドリブ29は、搬送される媒体と略直交する方向に伸びるように形成されている。
【0023】
また、図4に示すように、第1の規制部としてのガイド27の第1の案内部としてのガイドリブ28は、搬送される媒体を案内する第1のガイド部であって第1のガイド面としてのガイド面28a有している。このガイド面28aは、図中矢印Bが示す媒体の搬送方向における下流側よりも上流側の方が搬送される媒体に対して離れる位置になるように媒体の搬送方向に対して傾斜するように形成されている。ここで、ガイドリブ28は、搬送される媒体の媒体搬送方向と直交する方向の幅の範囲内に3つ以上配置するのが好ましい。安定して媒体を搬送するためである。
【0024】
ガイドリブ29には、図2に示す第2の規制部としての分岐ガイド102(ガイド部101およびガイド部100)側に媒体の搬送方向における上流側から下流側に向けて曲線状に湾曲し、外側湾曲面が媒体に向けられた第1のRとしてのR部29aが形成されている。また、ガイドリブ29の媒体の搬送方向における上流側にも外側湾曲面が媒体に向けて湾曲するR部29gが形成されている。
また、ガイド27は、媒体搬送方向における最下流側であって図2に示す分岐ガイド102側に、図3に示すようにガイド部100のガイド面100aから上方に伸びる壁部29bが形成されている。本実施例において、この壁部29bは、ガイドリブ29に形成されている。
【0025】
図5は第1の実施例におけるガイドの正面図であり、図5(a)は図1におけるガイド27を矢印Bが示す媒体搬送方向から見た図である。また、図5(b)は図5(a)における部位50を拡大した図である。
図5(b)に示すように、ガイドリブ28の媒体との接触面であるガイド面側には媒体搬送方向における上流側から下流側にかけて外側湾曲面が媒体に向けられた第2のRとしてのR部28bが各ガイドリブ28に形成されている。
【0026】
図6は第1の実施例におけるガイドの上面図であり、図6(a)はガイド27を図5の矢印Eが示す方向から(ガイド30側から)見たときのガイドリブ28とガイドリブ29の拡大詳細図である。また、図6(b)は図5における矢印Eが示す方向と平行であって媒体搬送方向(図1に示す矢印Bが示す方向)と略直交する面における図6(a)の断面Bにおけるガイドリブ28のB―B断面図である。
【0027】
図6に示すように、ガイド面28aは平面部28cと、平面部28cにおける媒体搬送方向に対して直交する方向における両端側に形成されるR部28bとによって構成される(図6(a)の白網掛け部)。ガイド面28aは媒体が搬送される過程において媒体と接することになる面である。
【0028】
また、第2のガイド面としてのガイド面29cは、稜線部29dと、稜線部29dから媒体搬送方向における下流側に向かって形成されるR部29aおよび上流側に向かって形成されるR部29gとによって構成される(図6(a)のグレー網掛け部)。また、ここでいう稜線部29dは、R部29aとR部29gとの境界であって図4に示すようにR部29aとR部29gは滑らかに接続されている。ここで、ガイド面29cは媒体が搬送される過程において媒体と接することになる面である。
図6からも明らかなように、媒体搬送方向に直交する方向において、第2のガイド面29cの幅は第1のガイド面28aの幅よりも大きく形成されている。
【0029】
図7は第1の実施例における段差部の説明図である。
図7において、ガイド部100は、搬送される媒体Pを案内するガイド面100a、ガイド部101は、搬送される媒体Pを案内するガイド面101aを有し、第2のガイド部110は、ガイド面100aとガイド面101aとからなる。
【0030】
第2のガイド部110を形成するガイド面100aは、ガイド27との間に段差部120が形成されるように配置されている。この段差部120は、搬送ローラ対191のニップ部の図中矢印Bが示す媒体搬送方向における最上流側の点Q1とガイド27の頂部Q2とを結んだ直線の線分L1よりも第2のガイド部110が突出しないように配置されることで形成される。
このように段差部120を形成するのは、ガイド27から第2のガイド部110へと搬送される媒体の先端が第2のガイド部110に当接することにより引っ掛かりが発生しないようにするためである。
【0031】
また、頂部Q2は、ガイドリブ29の第2のガイド面29c(図6に示すR部29a、R部29gまたは稜線部29d)上に存在する。ここで、ガイド面28aは、媒体の搬送方向における下流側よりも上流側の方が線分L1に対して離れる位置になるように線分L1に対して傾斜している。
さらに、本実施例では、図8に示すように、第1の搬送部材24のニップ部N2の図中矢印Bが示す媒体搬送方向における最下流側の点Q3と搬送ローラ対191のニップ部の媒体搬送方向における最上流側の点Q1とを結んだ直線の線分を線分L2としたとき、ガイド27の頂部Q2は線分L2よりも突出する位置関係となっている。
【0032】
ここで、ガイド面28aは媒体搬送方向における下流側よりも上流側の方が線分L2に対して離れる位置になるように線分L2に対して傾斜している。
また、図7に示す線分L1(第2の搬送部材191のニップ部の点Q1からガイド27の頂部Q2までの距離)および図8に示す線分L2(第1の搬送部材24のニップ部の点Q3から第2の搬送部191のニップ部の点Q1までの距離)の長さは、搬送される媒体の搬送方向における長さより短くなるように構成されている。
このように構成されたプリンタは、CPU(Central Processing Unit)等の制御部を備え、メモリ等の記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいて制御部によりプリンタ全体の動作が制御される。
【0033】
上述した構成の作用について説明する。
プリンタが行う印刷動作を図2および図3に基づいて説明する。
まず、図3に示す定着装置9の定着ベルト22が定着ローラ21の回転により図中矢印Cが示す方向に回転駆動されると、面状ヒータ23aに電力が供給され発熱部材23が加熱され、さらに回転する定着ベルト22が加熱される。
制御部は、温度検知手段31により定着ベルト22の表面温度を検知し、これを基に面状ヒータ23aの供給電力を制御して定着ベルト22の表面を適正な温度に維持する。
【0034】
カセット3からピックアップローラ2により給紙された媒体Pはフィードローラ17aおよびリタードローラ17bで分離された後、搬送ローラ対198を経てレジストローラ5へと搬送される。
媒体Pはさらにレジストローラ5から転写ベルト6により搬送され、現像装置7によりトナー像が形成された後、転写ローラ18によりトナー像が媒体P上に転写される。
【0035】
図3に示すように、トナー26が転写された媒体Pは、定着装置9の定着ベルト22に形成された定着ニップ部Nを通過して搬送され、媒体P上のトナー26が定着ベルト22および加圧ローラ25による加熱および加圧により媒体Pに定着される。トナー26が定着された媒体Pは、図中矢印が示す媒体搬送方向における定着ニップ部Nの下流側に配置されたガイド27へと搬送される。
【0036】
ガイド27へと搬送された媒体Pは、図9に示すように、ガイド面28aと当接しながら図中矢印Dが示す方向へ搬送される。ここで、ガイド面28aは、矢印Dが示す媒体搬送方向における下流側よりも上流側の方が媒体に対して離れる位置になるように媒体搬送方向に対して傾斜しているため、上流側から媒体Pをガイド面28aに確実に案内することができる。
また、図5に示すように、ガイドリブ28のガイド面28aは、媒体搬送方向に伸びており、かつ第2のRとしてのR部28bが形成されているため、媒体搬送時の搬送抵抗を低くすることができ、媒体の擦れを低減することができる。
【0037】
さらに、媒体Pがガイド27の下流側に搬送され、搬送ローラ対191により挟持された状態にあるときは、媒体Pは図5および図6に示すガイドリブ29のガイド面29cと当接した状態で搬送される。ここで、媒体搬送方向と直交する方向における第2のガイド面29cの幅は第1のガイド面28aの幅よりも大きく形成されているため、媒体Pのコシによって媒体Pがガイド27に押し付けられる押圧力がガイド面29cの媒体搬送方向と直交する方向における幅方向に分散され、媒体に与える接触圧を低減することができる。また、図4に示すように、ガイドリブ29にはR部29aが形成されているため、媒体Pを引っ掛かりなく搬送することができる。
【0038】
このとき、図7に示すように、第2のガイド部110とガイド27との間には、段差部120が形成されており、第2のガイド部110は、媒体Pが搬送ローラ対191により搬送され段差部120を通過するとき、段差部120において搬送される媒体Pに対してガイド27よりも離れた位置(すなわち、線分L1よりも第2のガイド部110が低い位置)に配置されているため、搬送ローラ対191に挟持された媒体Pを安定してガイドリブ29に当接させることができ、媒体Pがガイドリブ29に押し付けられる接触圧を低減した状態から接触圧の変動を防止することができる。
【0039】
また、図8に示すように、線分L2に対してガイドリブ29の頂部Q2が突出した位置になるため、第1の搬送部材24および第2の搬送部材としての搬送ローラ対191により媒体Pが挟持されている状態においても媒体Pを安定してガイドリブ29に当接させることができ、ガイドリブ29への接触圧を低減した状態で接触圧の変動を防止することができる。
【0040】
また、ガイド27には、図4に示すように、壁部29bが形成されているため、図中矢印Bが示す媒体Pの搬送方向の最下流側の後端部がガイドリブ29の下流側の図7に示す第2のガイド部110に搬送されたとき、壁部29bが媒体搬送方向の上流側において媒体Pの後端部の動きを規制するため、媒体Pの後端が再びガイドリブ29と当接して擦れが発生することを低減させることができる。
このようにしてガイド27および第2のガイド部110を通過した媒体Pは、搬送ローラ対191でさらに搬送され、排出ローラ対192を経て排出トレイ13へ排出される。
【0041】
このように、本実施例では、媒体搬送方向におけるガイドの上流側に媒体搬送方向に伸びるガイドリブを形成し、また媒体搬送方向におけるガイドの下流側に媒体搬送方向と略直交する方向に伸びるガイドリブを形成したことにより、ガイドに押し当てられて搬送される媒体に擦れが発生することを低減することができる。
特に、媒体に両面印刷を行った場合、搬送される媒体に擦れが発生することを低減することにより印刷品質を向上させることができる。
【0042】
本実施例においては、図5および図6に示すR部28bの曲率半径を0.5mmとした。しかし、これに限られたものでなく、R部28bの曲率半径は0.2〜0.8mmの範囲であれば同様の効果が得られる。
また、本実施例においては、図4および図6に示すR部29a、R部29gの曲率半径を1.0mmとした。しかし、これに限られたものでなく、R部29a、R部29gの曲率半径は0.5〜1.5mmの範囲であれば同様の効果が得られる。
【0043】
以上説明したように、第1の実施例では、媒体搬送方向におけるガイドの上流側に媒体搬送方向に伸びるガイドリブを形成し、また媒体搬送方向におけるガイドの下流側に媒体搬送方向と略直交する方向に伸びるガイドリブを形成したことにより、ガイドに押し当てられて搬送される媒体に擦れが発生することを低減することができるという効果が得られる。
また、媒体に両面印刷を行った場合の印刷品質を向上させることができるという効果が得られる。
【実施例2】
【0044】
第1の実施例では、媒体搬送方向におけるガイドの上流側に媒体搬送方向に伸びるガイドリブを形成し、また媒体搬送方向におけるガイドの下流側に媒体搬送方向と略直交する方向に伸びるガイドリブを形成したことにより、ガイドに押し当てられて媒体に擦れが発生することを低減するようにした。
【0045】
しかし、媒体搬送方向におけるガイドの下流側に媒体搬送方向と略直交する方向に伸びるガイドリブを形成すると、そのガイドリブに媒体から発生する蒸気より水滴が付着し、媒体に形成された画像に乱れが発生する場合がある。このような現象は定着装置の定着ニップ部の媒体搬送方向における下流側にガイドが配置されている場合に発生し易い。
第2の実施例の構成は、媒体から発生する蒸気の逃げ道を備えつつ、媒体との接触圧を低減することができるガイドを備えたものとしている。
【0046】
図10は第2の実施例におけるガイドの斜視図、図11は第2の実施例におけるガイドの正面図、図12は第2の実施例におけるガイドの断面図、図14は第2の実施例における定着装置の構成を示す断面図である。なお、図11(a)は媒体搬送方向における上流側から見たガイドの正面図であり、図11(b)は図11(a)における部位51の拡大図である。また、上述した第1の実施例と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10から図12において、ガイド271に形成される第2の案内部としてのガイドリブ291の形状が第1の実施例の図5に示すガイドリブ29の形状と異なっている。なお、その他の構成は、第1の実施例の構成と同様である。
【0047】
ガイドリブ291には、図10の図中矢印Bが示す媒体搬送方向における上流側からガイド271を見たとき、図12に示すように、凸部および凹部が媒体搬送方向と略直交する方向に連続して形成され、搬送される媒体Pとの間で開口291cが形成される。
図11に示すように、ガイドリブ291を媒体搬送方向における上流側から見たとき、凸部としての山部291hと、凹部としての谷部291iとが媒体搬送方向と略直交する方向に連続して形成されている。開口291cは、1つの谷部291iと、その谷部291iを挟む2つの山部291hとで構成される。
【0048】
山部291hは、ガイドリブ28の媒体搬送方向における下流側に形成され、図11に示すように、媒体搬送方向に対して略直交する方向に伸びる直線部291dと、その直線部291dの媒体搬送方向に対して略直交する方向における両端部から谷部291iに向かって伸びるように湾曲して形成され、外側湾曲面が媒体に向けられた第3のRとしてのR部291eおよびR部291fとが形成されている。
【0049】
図13は第2の実施例におけるガイドの上面図であり、図13(a)はガイド271を図11の矢印Eが示す方向から(ガイド30側から)見たときのガイドリブ28とガイドリブ291の拡大詳細図である。また、図13(b)は図11における矢印Eが示す方向と平行であって媒体搬送方向(図10に示す矢印Bが示す方向)と略直交する面における図13(a)の断面Cにおけるガイドリブ28のC―C断面図である。
図13に示すように、ガイド面28aは平面部28cと、平面部28cにおける媒体搬送方向に対して垂直方向における両端側に形成されるR部28bとによって構成される(図13(a)の白網掛け部)。ガイド面28aは媒体が搬送される過程において媒体と接することになる面である。
【0050】
また、第2のガイド面としてのガイド面291xは、図11に示す直線部291dを含む稜線部291vと、稜線部291vから媒体搬送方向における下流側に向かって形成されるR部291aおよび上流側に向かって形成されるR部291g(図14参照)と、直線部291dの媒体搬送方向と直交する方向における一端側に形成されるR部291eおよび他端側に形成されるR部291fとによって構成される(図13(a)のグレー網掛け部)。また、ここでいう直線部291dおよび稜線部291vは、R部291aとR部291gとの境界であって図14に示すようにR部291aとR部291gは滑らかに接続されている。ここで、ガイド面291xは媒体が搬送される過程において媒体と接することになる面である。
図13からも明らかなように、媒体搬送方向に直交する方向において、第2のガイド面291xの幅は第1のガイド面28aの幅よりも大きく形成されている。
【0051】
ここで、R部291eおよびR部291fの半径は、ガイドリブ28に形成されたR部28bの半径よりも大きくなるように形成されている。また、山部291hおよび谷部291iの媒体搬送方向における上流側にはR部291gが形成され、下流側にはR部291aが形成されている。
なお、第1の実施例と同様に、ガイド271には、媒体搬送方向における最下流側であって図2に示す分岐ガイド102側に、図14に示すようにガイド部100のガイド面100aから上方に伸びる壁部291bが形成されている。本実施例において、この壁部291bは、ガイドリブ291に形成されている。
【0052】
上述した構成の作用について説明する。
図14において、プリンタが印刷動作を開始してから定着装置9でトナー26が定着された媒体Pが、図中矢印が示す媒体搬送方向における定着ニップ部Nの下流側に配置されたガイド271を通過して搬送される動作は第1の実施例と同様なので、その説明を省略し、ガイド271により案内されるときの動作を図11図14を参照しながら説明する。
媒体Pがガイド271により案内されるとき、図12に示すように、ガイドリブ291の山部291hと媒体Pとが当接することで媒体Pとガイド271との間に、開口291cが維持される。
【0053】
このため、媒体Pの温度が定着装置9等により上昇することによって蒸気が発生した場合であっても、その蒸気を開口291cからガイド271の外に逃がすことができ、ガイド271に蒸気が滞留してガイド271に結露が発生することを低減させることができる。さらに、結露によりガイド271で案内される媒体Pまたは媒体P上に形成されるトナー像の乱れによる品質低下の発生を低減させることができる。
また、本実施例においては、媒体搬送方向と直交する方向における第2のガイド面291xの幅は第1のガイド面28aの幅よりも大きく形成されている。
【0054】
従って、図15に示すように、ガイド271の媒体搬送方向(図中矢印Bが示す方向)における下流側に媒体Pが搬送され、媒体Pが搬送ローラ対191によって挟持された状態にあるときは、媒体Pはガイドリブ291の第2のガイド面291x(図13(a)参照)と接触した状態で搬送される。
このことにより、媒体のコシによって媒体Pがガイド271に押し付けられる押圧力がガイド面291xの媒体搬送方向と直交する方向における幅方向に分散され、媒体に与える接触圧を低減することができる。これによって媒体の擦れを低減することができる。
【0055】
また、山部291hは、媒体搬送方向に対して略直交する方向に複数配置されているため、媒体Pのコシによりガイド271に押し付けられる接触圧を低減しつつ、開口291cの開口状態を保持することができる。ここで、山部291hは、搬送される媒体の媒体搬送方向と直交する方向の幅の範囲内に3つ以上配置するのが好ましい。
また、図14に示すように、ガイドリブ291の媒体搬送方向における上流側にR部291gが形成され、下流側にR部291aが形成されているため、媒体Pを引っ掛かりなく搬送することができる。
【0056】
さらに、図11(b)に示すように、R部291eおよびR部291fの半径が、R部28bの半径より大きく形成されているため、ガイド面291xと当接する媒体が強く押し当てられた場合でも、ガイド面291xの直線部291dの端部とR部291e(R部291f)との境界付近において媒体への押圧力が集中することによって媒体が擦れることを低減することができる。
本実施例においては、図13および図14に示すR部291a、R部291gの曲率半径を1.0mmとした。しかし、これに限られたものでなく、R部291a、R部291gの曲率半径は0.5〜1.5mmの範囲であれば同様の効果が得られる。
【0057】
また、本実施例においては、図11および図13に示すR部291e、R部291fの曲率半径を2.0mmとした。しかし、これに限られたものでなく、R部291e、R部291fの曲率半径は1.0〜3.0mmの範囲であれば同様の効果が得られる。また、図11に示すR部291eの終端部P1、R部291fの終端部P2と直線部291dとの有効高さ(直線部291dから各R部の終端部(P1またはP2)までの距離)H1、H2を0.7mm以上とした。しかし、これに限られたものでなく、有効高さH1、H2が0.5mm以上であれば同様の効果が得られる。
【0058】
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加え、ガイドリブの媒体搬送方向と略直交する方向に凸部および凹部を連続して形成して搬送される媒体Pとの間で開口を形成するようにしたことにより、ガイドに結露が発生することを低減させることができるという効果が得られる。
なお、第1の実施例および第2の実施例では、画像形成装置をプリンタとして説明したが、それに限られることなく、画像形成装置をファクシミリ装置、複写装置または複合機(MFP)等としても良い。
【符号の説明】
【0059】
1 プリンタ
3 カセット
9 定着装置
21 定着ローラ
22 定着ベルト
24 第1の搬送部材
25 加圧ローラ
27、271 ガイド(第1の規制部)
27a 分離部
28 ガイドリブ(第1の案内部)
28a ガイド面(第1のガイド部)
28b R部(第2のR)
29、291 ガイドリブ(第2の案内部)
29a、291a R部(第1のR)
29b、291b 壁部
29g、291g R部
100、101 ガイド部
102 分岐ガイド(第2の規制部)
110 第2のガイド部
191 搬送ローラ対(搬送部材)
291c 開口
291d 直線部
291e、291f R部(第3のR)
291v 稜線部
291x ガイド面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15