特許第5740576号(P5740576)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740576
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】取水器とその取付方法
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/08 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
   E04D13/08 301P
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-208082(P2010-208082)
(22)【出願日】2010年9月16日
(65)【公開番号】特開2012-62697(P2012-62697A)
(43)【公開日】2012年3月29日
【審査請求日】2013年8月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000157212
【氏名又は名称】丸一株式会社
(72)【発明者】
【氏名】仁科 貴志
【審査官】 西村 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−009155(JP,A)
【文献】 特開2009−052317(JP,A)
【文献】 特開2009−287204(JP,A)
【文献】 特開2001−115613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/08
E03B 3/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水排水経路としての竪樋9と、
竪樋9途中に設置されて排水を分流する取水器1において、
筒状体から成り、竪樋9からの排水を外部に分流させる為の横穴部23及び、竪樋9の軸方向の長さを位置決めする位置決め部21を構成した本体部2と、
前記取水器1の上部に取り付ける筒状のアダプター部3と、
前記本体部2上部に延出して構成し竪樋9をガイドするガイド部22と、
ガイド部22の周囲であって、且つ本体部2の側面に構成した開放部分と、
から構成し
前記開放部分の下端から本体部2の下端までの高さ幅を、竪樋9をカットする幅よりも幅狭としたことを特徴とする取水器。
【請求項2】
前記本体部2のガイド部22を側面から覆うように着脱自在に配置される雨水中の異物を分離する分離装置4を構成したことを特徴とする前記請求項1に記載の取水器。
【請求項3】
竪樋9の一部を切断除去し、アダプター部3を予め上側竪樋91に差し込み、更に下側竪樋92に本体部2を差し込んでから、上側竪樋91を取水器1のガイド部22に沿わせることによって、上側竪樋91と下側竪樋92とを同軸上に配置し、アダプター部3を下方にスライドさせて本体部2上部に取り付ることによって、取付が完了する前記請求項1又は請求項2のいずれか一つに記載の取水器の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレの水や園芸用の水として利用するために雨水をタンクに貯水する技術において、特に、雨水排水経路から雨水タンクへと分流させる取水器に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
現在、環境問題に対応するために、雨水を貯水してトイレの排水や園芸用の水として再利用することによって、環境負荷を減らそうという動きが活発になっている。
この、雨水再利用の一つの手法として、屋根に降った雨水を雨樋によって集め、地中の雨水桝へと排水する雨水排水経路の途中を分流させ、この分流配管を雨水タンクへと接続し、雨樋中の排水を雨水タンクによって貯水するシステムがある。(図4参照)このようなシステムであれば、簡単な構造であるため一般家庭でも気軽に設置することができ、更には、貯水した雨水を再利用することによって地球環境にも良い、というものである。(以上のシステムを以下、雨水排水システムと記載する。)
【0003】
通常、このような雨水排水システムは、使用者が適宜選択して、住宅建築時より後、つまり住宅施工完了後に使用者によって取り付ける手法が主流である。このような後付けシステムの場合、当然に誰でも、住宅設備施工業者や素人でも、簡単に取り付けることができる必要がある。
【0004】
ここで、従来例として図4及び図11乃至図15に示した雨水排水システムがある。
この雨水排水システムは、雨樋、雨水タンク、取水器、から成る。
雨樋は、雨水などの液体を雨水桝へと運ぶのに用いる設備であり、本従来例では、軒樋、集水器、竪樋から構成される。当該軒樋は、屋根の軒下に並列的に配置されて、屋根から流れ落ちる雨水を受け止めるよう配置され、更に軒樋の下流に配置された集水器によって、軒樋からの雨水(排水)を一箇所に集め、集水器に接続されたエルボや縦管状の竪樋を通して最終的には雨水桝へと排水される。
雨水タンクは、蛇口を有した箱体であって、内部に上記した雨樋からの雨水を貯水するタンクである。尚、使用者は、雨水タンクに構成された蛇口により内部の雨水を利用することとなる。
取水器は、竪樋中に設置されて、竪樋内の排水を分流する装置であって、本従来例では、竪樋内部に設置され、横引き状に前記雨水タンクへと配管して成る部材である。本従来例では、筒状体であって、上下の開放端が竪樋と接続され、取水した排水を分流するための横穴状に開口した横穴部を構成してなる。また、下方内周面には、下側竪樋の位置決めを行う位置決め部を段差として構成して成る。
【0005】
上記の様な従来の雨水排水システムを取り付ける場合、以下のような手順となる。
竪樋の途中箇所を、図12のように一部切断除去する。図13に示したように切断除去した竪樋の上側(以下、上側竪樋と記載)に取水器を嵌め込み、上限までスライドさせて、図14に示したように切断除去した竪樋の下側(以下、下側竪樋と記載)と上側竪樋を同軸状に配置し、取水器を下側竪樋に嵌め込む。そして、図15に示したように取水器の位置決め部に下側竪樋が当接するまで下側にスライドさせる。その後、ホースによって取水器の横穴部から庭やベランダなどに設置した雨水タンクまで接続し、本雨水排水システムの取付は終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−107523
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したような雨水排水システムに用いられる取水器を取り付ける際、以下のような問題があった。
従来例のような構造の取水器によると、竪樋のカット寸法は以下の通りとなる。
カット寸法をLとして(取水器全高−上側竪樋の差し込み代)≦L<取水器全高となる。
つまり、「取水器全高−上側竪樋の差し込み代」分カットすることが一番良く、その状態から「取水器の上側竪樋の差し込み代」幅までが、竪樋カットの誤差許容範囲となる。なぜならば、それ以上カットしてしまうとカット幅が取水器全高より大きくなってしまい、竪樋と取水器の取付が不可能になってしまう。
しかしながら、竪樋のカット幅が取水器の全高より小さいため、取水器を上側竪樋に取り付ける際には無理矢理嵌めなければならず、使用者は、取水器を傾斜させて上側竪樋に差し込むか、上側竪樋を無理矢理側方に軸ズレさせてから取水器を差し込むか、の二つの手法によって取り付けていた。
このような手法で取り付けると、上側竪樋を無理に側方に軸ズレさせる為、竪樋を破損させてしまうことがあった。
また、竪樋の施工時に、上側と下側に軸ズレが生じたまま施工された際には、取水器を取り付けようと竪樋をカットすると、その際に既に軸ズレが生じてしまう。このようになると、取水器を上側竪樋に差し込んだ後、下側竪樋に差し込む際、元々軸ズレが生じているので上側、下側竪樋を同軸上に配置させることが特に取付の素人である使用者にとっては非常に難しくなる。
また、差し込み代が外観視できない為、使用者がカットしづらいという問題もある。また、上述したように、竪樋のカット寸法の許容誤差は取水器の上側竪樋への差し込み代分しか無いが、どの程度差し込み代があるか使用者(取付者)は外観視できない為判別できず、適切な長さに竪樋をカットすることが困難であった。また、間違ってカット寸法を許容誤差以上カットしてしまうと、取水器を竪樋に取り付けると空間が出来てしまい、取水器を取り付けられないばかりか、切断された竪樋の修理まで行わなければ成らず、このような事態は一番避けなければならない。
【0008】
以上のことから、本願発明は以下の課題を解決することを目的とする。
1.取水器を竪樋に取付時、上側竪樋と下側竪樋を軸ズレさせなくても簡単に竪樋に取り付けることが出来る取水器。
2.もし、上側竪樋と下側竪樋の軸ズレが発生していたとしても、上側竪樋をガイドさせることにより、より簡単に竪樋に取水器を取り付けることができる取水器。
3.取水器の差込み代が見えないため、取り付け時に使用者が現物合わせでカットしようとしても困難である為、これを解決した取水器。
4.竪樋のカット幅の誤差許容範囲が、取水器の上側竪樋の差込代分しかない為、これ以上の差込代を確保した取水器。
5.取水器の上側竪樋の差し込み代を、取水器の下側竪樋の差込代より大きくした取水器。
6.素人である使用者に簡単に取り付けられる取水器とその取付方法。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の本発明は、雨水排水経路としての竪樋9と、竪樋9途中に設置されて排水を分流する取水器1において、筒状体から成り、竪樋9からの排水を外部に分流させる為の横穴部23及び、竪樋9の軸方向の長さを位置決めする位置決め部21を構成した本体部2と、前記取水器1の上部に取り付ける筒状のアダプター部3と、前記本体部2上部に延出して構成し竪樋9をガイドするガイド部22と、ガイド部22の周囲であって、且つ本体部2の側面に構成した開放部分と、から構成し、前記開放部分の下端から本体部2の下端までの幅を、竪樋9をカットする幅よりも幅狭としたことを特徴とする取水器である。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、前記本体部2のガイド部22を側面から覆うように着脱自在に配置される雨水中の異物を分離する分離装置4を構成したことを特徴とする前記段落0009に記載の取水器である。
【0012】
請求項3に記載の本発明は、竪樋9の一部を切断除去し、アダプター部3を予め上側竪樋91に差し込み、更に下側竪樋92に本体部2を差し込んでから、上側竪樋91を取水器1のガイド部22に沿わせることによって、上側竪樋91と下側竪樋92とを同軸上に配置し、アダプター部3を下方にスライドさせて本体部2上部に取り付ることによって、取付が完了する前記段落0009又は段落0011のいずれか一つに記載の取水器の取付方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明は、前記本体部2に一部切り欠き開放するように構成し竪樋9をガイドするガイド部22とを構成したことにより、竪樋9のカット部分に軸ズレが発生していても、竪樋9をガイド部22にガイドさせることによって、円滑且つ簡単、容易に竪樋9と取水器セットすることができる。また、ガイド部22が本体部2側面に開放されて構成されているから、仮に上下の竪樋9に軸ズレが発生していなくても、取水器1の本体部2を側面に開放されているガイド部22から差し込むことにより、無理に取水器1本体を傾斜させたり、上下竪樋9を無理矢理軸ズレさせたりしないでも、簡単且つ円滑に取り付けることができる。
請求項1に記載の本発明は、上記ガイド部22を本体部2上方に構成したことにより、側面から本体を竪樋9に差し込むことができ、より容易に取り付けることができる。
請求項2に記載の本発明は、前記本体部2に着脱自在に配置される雨水中の異物を分離する分離装置4を構成したことにより、雨水中の落ち葉などのゴミを分離することが出来、雨水タンク6内へゴミを混入させることがない。また、分離装置4を脱着自在に配置しているので、使用者が適宜分離装置4を取水器1から取り外して内部のゴミを廃棄することができ、衛生的である。
請求項3に記載の本発明は、竪樋9の一部を切断除去し、アダプター部3を予め上側竪樋91に差し込み、更に下側竪樋92に本体部2を差し込んでから、上側竪樋91を取水器1のガイド部22に沿わせることによって、上側竪樋91と下側竪樋92とを同軸上に配置し、アダプター部3を下方にスライドさせて本体部2上部に取り付ることによって、取付が完了する取付方法により、使用者が失敗無く、更に簡単に竪樋9に取り付けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の取水器の斜視図である。
図2】本発明の取水器の断面斜視図である。
図3】本発明の取水器の断面図である。
図4】雨水排水システムを示す図である。
図5】本発明の取水器を取り付ける際の手順図である。
図6】本発明の取水器を取り付ける際の手順図である。
図7】本発明の取水器を取り付けた際の断面図である。
図8】本発明の取水器を取り付けた際の斜視図である。
図9】本発明の取水器を取り付け時を示す斜視図である。
図10】本発明の取水器を取り付け時を示す斜視図である。
図11】従来例を示す断面図である。
図12】従来例の取水器を取り付ける際し手順図である。
図13】従来例の取水器を取り付ける際し手順図である。
図14】従来例の取水器を取り付ける際し手順図である。
図15】従来例の取水器を取り付ける際し手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至図10に示した雨水排水システムは、雨樋、雨水タンク6、取水器1、から成る。
図4に示したように、雨樋は、雨水などの液体を雨水桝へと運ぶのに用いる設備であり、本実施例では、軒樋7、集水器8、竪樋から構成される。当該軒樋7は、屋根の軒下に並列的に配置されて、屋根から流れ落ちる雨水を受け止めるよう配置され、更に軒樋7の下流に配置された集水器8によって、軒樋7からの雨水(排水)を一箇所に集め、集水器8に接続されたエルボや縦管状の竪樋9を通して最終的には雨水桝へと排水される。
雨水タンク6は、蛇口を有した箱体であって、内部に上記した雨樋からの雨水を貯水するタンクである。尚、使用者は、雨水タンク6に構成された蛇口により内部の雨水を利用することとなる。
取水器1は、竪樋9中に設置されて、竪樋9内の排水を分流する装置であって、本体部2、横穴部23、位置決め部21、ガイド部22、アダプター部3、分離装置4、から構成される。
本体部2は、筒状体から成り、その上端から下端に向かって雨水が流入して排出される構成となっている。また、竪樋9の途中箇所に配置されるため、上端には、上側竪樋91に設置される後述するアダプター部3が取り付けられ、下端内周面には、下側竪樋92が嵌合取り付けるための位置決め部21が構成される。
横穴部23は、本体部2側面に構成される横穴部23であって、その下流にはホース5が接続される。当該ホース5は最終的には雨水タンク6に接続されているので、竪樋9から本体部2内に流入した雨水は本体部2上部から流入し、横穴部23によって本流から分流されて、ホース5を介して最終的には雨水タンク6へと排水される。
位置決め部21は、本体部2の下端内周に段状に構成され、本体部2内周に下側竪樋92が挿入された際に、位置決め部21の段に下側竪樋92が当接する事で、容易に竪樋9をセットすることができる。
ガイド部22は、本体部2上部に延出して構成され、本体部2側面が開放されるように構成される。当該ガイド部22は、竪樋9に取水器1を取り付ける際に、上側竪樋91をガイドする為に構成される物であり、また、ガイド部22の周囲に構成される開放部分から、上側竪樋91を側面から差し込み、更にガイド部22に当接させることによって簡単に取水器1に竪樋9を取り付けることができるものである。
アダプター部3は、本体部2の上部に取り付けられる筒状の部材であって、下端が本体部2上部と取り付けられるよう構成されてなる。上側竪樋91に予め取り付けられ、本体部2を下側竪樋92に取り付けた後、当該アダプター部3を下方に降下させ、本体部2上部にセットさせることによって、取水器1は竪樋9に強固に取り付けることができるものである。
分離装置4は、図10図2に示したように、竪樋9内を流下する雨水中のゴミを雨水と分離させるために構成するものであり、筒状であって、内周面から中心方向に向かって傾斜して構成される網部41と、中心部分に構成された、上側竪樋91からの雨水を直接的に下側竪樋92側へと排水する排水口43とを構成してなる。分離装置4は、本体部2とアダプター部3の中間位置に構成され、一方が開放端となっており、当該開放端は上記本体部2のガイド部22に合致して配置構成される。尚、分離装置4は脱着自在に構成されており、本体部2のガイド部22を側面から覆うように構成され、取付完了時には本体部2、アダプター部3とともに筒状に竪樋9に取り付けられるように構成される。脱着自在に取り外すための滑り止めリブ付きの取手42が構成される。当該滑り止めリブ付きの取手42を使用者は適宜引っ張ることで、簡単に分離装置4は本体部2から取り外すことができるので、分離装置4上に分離された排水中のゴミは簡単に捨てることが出来る。
【0016】
上記のように構成した取水器1は以下のように雨水排水システムの竪樋9に取り付けられる。
雨水排水システムの竪樋9において、竪樋9を使用者が適宜カットする。このときのカット寸法は取水器1の上側竪樋91への差し込み代がガイド部22の切り欠きによる開放部分より外観視できるので、現物合わせでカットすることができ、使用者にとっては非常にカットしやすく、更には誤ってカット寸法を切ってしまう、といったことが予防できる。
カット切断した上側竪樋91に、予めアダプター部3を差し込んでおき、図5に示したように竪樋9側方から本体部2を上側竪樋91と下側竪樋92の間に差し込む。そして、図6に示したようにガイド部位22を上側縦樋91にガイドさせて上側竪樋21と下側竪樋92と本体部を同軸上に配置させる。そして、図7に示すように下側竪樋92に本体部2を差し込む。この時、本体部2のガイド部22側方の開放された箇所を備えているため、上側竪樋91部分をよけるように差し込むことができ、本体部2を傾斜させて下側竪樋92に差し込んだり、上側竪樋91や下側竪樋92を引っ張って軸ズレさせたりすることなく、簡単に取付の素人でも取り付けることが出来る。
また、本体部2を下側竪樋92に差し込む際、ガイド部22を上側竪樋91にガイドすることで、上側竪樋91と下側竪樋92の軸合わせ・位置あわせが出来、そのまま本体部2を竪樋9に降下させることにより、容易に下側竪樋92に本体部2を取り付けることが出来る。また、本体部2側面は開放されて構成されて側面から竪樋9にセットできるので、カットの誤差許容範囲が上側竪樋91の差し込み代より幅広にできるようになった。
下側竪樋92を本体部2の位置決め部21に当接させて、下側竪樋92と本体部2の取付は完了し、その後、上側竪樋91に予め取り付けてあったアダプター部3を下降させ、本体部2上部に取付固定する。そして図10に示すように分離装置4をアダプター部3と本体部2の隙間に嵌め込むことで取水器1は竪樋9に取付終了する。
【0017】
上記のように取り付けられた雨水排水システムの雨水の流れは以下のようになる。
降雨が始まると、住宅の屋根から雨樋の軒樋7上に雨水が流入し、集水器8から竪樋9に雨水が流入する。竪樋9内に流入した雨水は、アダプター部3から取水器1内部に流入し、分離装置4の網部41で排水中のゴミと排水が分離され、網部41を介して取水器1側面に構成された横穴部23から、取水器1外部へと排出されて、竪樋9本流から分流される。当該分流された排水は、横穴部23から横穴部23に接続されたホース5部を介して雨水タンク6へと排水される。雨水タンク内の雨水は、ある一定量貯水され、使用者が雨水タンク6に構成されたコックや蛇口などを開栓することにより、自由に使用することが出来る。
また、雨水タンク6が排水によって満杯となれば、取水器1内の横穴部23から排水がオーバーフローし、分離装置4の排水口43を介して本体部2下流へと排出され、本体部2の位置決め部21に配置される下側竪樋92側へと排水され、最終的には雨水桝へと排水される。
また、分離装置4内に捕集したゴミ等が蓄積すると、捕集したゴミが邪魔して雨水タンク6側へ排水が流入することが出来ないため、使用者が適宜分離装置4を取水器1から取り外して、捕集ゴミを破棄処分して清掃し、清掃が終了した分離装置4は、そのまま取水器1に取り付けることで、円滑に使用することができる。
【0018】
本発明の実施例は以上のようであるが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、主旨を変更しない範囲において自由に変更が可能である。
例えば、上記実施例では、分離装置4を構成しているが、分離装置4を構成しない構造のものでも構わない。
また、前記実施例では上側竪樋91と下側竪樋92が同軸上に配置されている際の取付方法を記載したが、図9に示したように上側竪樋91と下側竪樋92の軸がずれているような場合でも、上側竪樋91を本体部2のガイド部22にガイドさせることで簡単かつ少ない力で取り付けることが出来る為構わない。
【符号の説明】
【0019】
1 取水器
2 本体部
21 位置決め部
22 ガイド部
23 横穴部
3 アダプター部
4 分離装置
41 網部
42 取手
43 排水口
5 ホース
6 雨水タンク
7 軒樋
8 集水器
9 竪樋
91 上側竪樋
92 下側竪樋
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15