(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、同一の部品には同一の符号を付してある。同一の符号を付した部品の構造、機能及び動作はいずれも同一である。したがって、同一の符号を付した部品についてはその説明を繰返さない。
【0018】
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態に係る燃料の微粒化促進装置の概略構成図である。
図1に示すように、燃焼機関100は筒内直噴型のディーゼルエンジンであって、所定方向(
図1上では上下方向)に伸びる直線を法線とする各断面(以下、この断面を「横断面」と呼ぶ)形状が概ね一様にその直線とその断面との交点を中心とする円形をなす壁面を有するシリンダブロック101を備える。シリンダブロック101は、この壁面によりシリンダCを規定する。ディーゼルエンジン100はさらに、ガスケット104を介してシリンダCの一方の端部を覆うようにシリンダブロック101に組付けられシリンダCにそれぞれ導通する複数の貫通孔が設けられたシリンダヘッド102と、横断面形状がシリンダCの横断面形状に対応する概ね円形の部分を有しその部分でシリンダヘッド101のシリンダCを形成する壁面(以下、この壁面を「シリンダ内壁」と呼ぶ)と摺接するようにシリンダC内に往復自在に挿入されたピストン103とを備えており、シリンダブロック101、シリンダヘッド102及びピストン103が燃焼室CCを形成している。なお、シリンダブロック101及びシリンダ102は、電気的には筐体接地される。
【0019】
ピストン103のシリンダヘッド102側には、ピストンチャンバと称する窪みが設けられており、その反対側は、コネクティングロッドを介してこのディーゼルエンジン100の出力軸であるクランクシャフトに連結される。コネクティングロッド及びクランクシャフト、並びにそれらの連結機構については周知であり、ここでは説明を行わない。
【0020】
シリンダヘッド102の貫通孔のうち少なくとも1つは、図示しない排気管に連通するよう設けられており、この貫通孔が吸気ポートINを形成している。シリンダヘッド102にはさらに、吸気ポートINからこのシリンダヘッド102の外壁まで貫通するガイド孔が設けられている。このガイド孔には棒状のバルブステム121が往復自在に嵌められ、バルブステム121の吸気ポートIN側には傘型のバルブヘッド122が設けられている。バルブステム121とバルブヘッド122は、吸気ポートINの燃焼室側端部を開閉する吸気バルブ120を構成している。
【0021】
シリンダヘッド102の貫通孔のうち別の少なくとも1つは、図示しない排気管に連通するよう設けられており、この貫通孔が排気ポートEXを形成している。シリンダヘッド102にはさらに、排気ポートEXからこのシリンダヘッド102の外壁まで貫通するガイド孔が設けられている。このガイド孔には棒状のバルブステム126が往復自在に嵌められ、バルブステム126の排気ポートEX側には傘型のバルブヘッド127が設けられている。バルブステム126とバルブヘッド127は、排気ポートEXの燃焼室側端部を開閉する排気バルブ125を構成している。吸気バルブ120と排気バルブ125とはそれぞれ、カムまたはソレノイド等を有する図示しない動弁機構により駆動する。
【0022】
シリンダヘッド102の貫通孔のうちさらに別の1つには、インジェクタ130が設置されている。インジェクタ130の燃焼室CCを臨む先端部分131にはノズルが設けられており、内部に図示しない電磁弁が組み込まれている。インジェクタ130は、図示しない油送管、蓄圧容器及びサプライポンプを介して燃料タンクから燃料の導入を受けるよう接続されており、油送管、蓄圧容器及びサプライポンプ、並びにこれらを制御するECU(エンジン制御ユニット)、EDU(駆動ユニット)とともに、燃料噴射システムを構成している。燃料噴射システム自体の詳細の動作については周知であり、ここでは説明しないが、この燃料噴射システムが駆動すると、先端部分131のノズルから燃料を噴射する。なお、本実施形態においては、インジェクタ130の少なくとも先端部分131は金属等の導電体からなるものである。
【0023】
燃料噴射システムが燃料を噴射すると、燃料は気化しないまま噴出し、液滴、霧、または、液柱の状態でノズルから噴出する。このような状態の燃料を微粒化するために、このディーゼルエンジン100は、以下に説明する構成を有する。
【0024】
シリンダヘッド102の別の貫通孔に、高圧導体及び接地導体を誘電体で被覆してなる放電用線路140を挿入しシリンダヘッド102に接合する。放電用線路140の燃焼室CC側の端部には、高圧電極及び接地電極からなる電極対150を設け、他方側の端部は、高圧電極と接地電極との間の作動流体を絶縁破壊させるのに十分な電圧を発生する放電用電圧発生装置160を接続する。
【0025】
放電用線路140及び電極対150は、燃焼室CC内の環境に耐えうるだけの熱的耐久性及び機械的耐久性を備えていることが望ましい。そのため、放電用線路140及び電極対150は、具体的には内燃機関用のスパークプラグであってもよい。この場合プラグボディ及びプラグボディが螺入されるシリンダヘッド102が放電用線路140の接地導体となる。放電用線路140及び電極対150として点火プラグを用いる場合、その形式は、一般的な単極ギャップ型のものであってもいわゆる多極プラグであってもよい。また、沿面放電タイプやセミ沿面放電タイプと称されるものであってもよい。放電用電圧発生装置160としては、具体的には自動車用の12V電源に接続された点火コイルを用いてもよく、その他の種々の形式の電圧発生装置を適宜選択して用いてもよい。放電用電圧装置160が発生する電圧は、直流電圧、交流電圧のいずれであってもよい。
【0026】
そして、シリンダヘッド102の別の貫通孔に、電磁波伝送線路141を挿入しシリンダヘッド102に接合する。電磁波伝送線路141の燃焼室CC側の端部にはアンテナ151を設け、他方側の端部は、所定周波数の電磁波を発生する電磁波発生装置161を接続する。
【0027】
電磁波発生装置161は、電力の供給を受けて発振し所定周波数の電磁波を発生する発振器とその電源とを備える。発振器は、帰還型、弛緩型のいずれであってもよい。また、いわゆる高周波発電機であってもよい。なお、2.45GHz発振のマグネトロンは、安価でかつ高出力であり発振器として好適である。電源は、使用する発振器に合わせて適宜選択すればよい。例えばインバータ方式のパルス電源装置を用いてもよい。電磁波伝送線路141は、同軸線路、平行線路、導波管のいずれの形式のものであってよい。
図1においては、アンテナ151としてモノポールアンテナを例示しているが、電磁波伝送線路141及びアンテナ151は、電磁波発生装置161が発生する電磁波を良好に伝送し放射するものであればよい。具体的にはアンテナ151は、線状アンテナ、面状アンテナ、立体アンテナ、進行波アンテナ、EHアンテナ、磁界アンテナ、誘電体アンテナのいずれであってもよく、アンテナアレイを構成するものであっても、ダイバーシチアンテナを構成するものであってもよい。また、アンテナ151への給電方式は電流給電であっても、電圧給電であってもよい。
【0028】
なお、電極対150及びアンテナ151はいずれも、インジェクタ130からの噴霧が直撃しない位置に配置されることが望ましい。例えば、インジェクタ130がマルチノズルのものである場合、ノズルからの噴霧の間に設置していてもよい。
【0029】
放電用電圧発生装置160及び電磁波発生装置161は、所定の入力信号170を受ける制御装置171に接続する。制御装置171は、具体的にはCPU(中央演算ユニット)、並びに、メモリ及び不揮発性記憶装置等、並びに、信号の入出力インタフェースを備えたコンピュータであり、メモリ及び不揮発性記憶装置等に記憶されたコンピュータプログラムに従い動作し、入力信号170を演算処理して放電用電圧発生装置160に対する制御信号と、電磁波発生装置161に対する制御信号とを発生し出力する機能を備える。入力信号170は、ECUが発する燃料噴射の指令信号であってもよい。または、ディーゼルエンジン100に設置された各種センサが出力する信号であってもよい。
【0030】
以上の構成において、放電用線路140、電極対150及び放電用電圧発生装置160からなる電気系統(以下、この系統を「放電系」と呼ぶことがある)は、制御装置171による制御に従い動作し電極対150の高圧電極−接地電極間で放電により電子、イオン等の荷電粒子を生じさせる荷電粒子の供給器を構成する。電磁波伝送線路141、アンテナ151及び電磁波発生装置161からなる電気系統(以下、この系統を「電磁波放射系」と呼ぶことがある)は、制御装置171による制御に従い動作しアンテナ151から電磁波を放射することにより少なくとも放電の生じる部分を包含する空間に所定値以上の強度の電場を形成し荷電粒子にエネルギを与えプラズマを形成させる電磁波照射器を構成する。
【0031】
制御装置171が入力信号170を受けると、制御装置171は、放電系が稼働した状態に対応する制御信号を放電用電圧発生装置160に与える。放電用電圧発生装置160はこの制御信号に応答して、放電用線路140を介して電極対150に対し電圧印加を開始する。この電圧印加により電極対150では放電が開始し、荷電粒子が発生する。
【0032】
制御装置171はさらに、放電により荷電粒子が存在している期間中に電磁波放射系が電磁波の放射を開始するよう、電磁波放射系が稼働した状態に対応する制御信号を電磁波発生装置161に与える。この際、制御装置171は、放電系及び電磁波放射系の動作時間遅れを考慮したタイミングで、制御信号を電磁波発生装置161に与えることが望ましい。電磁波発生装置161は、この制御信号に応答して発振を開始し、電磁波伝送路141に電磁波を印加する。印加された電磁波は、電磁波伝送路141内を進行し、アンテナ151より放射する。
【0033】
放電により生じた荷電粒子は、アンテナより放射された電磁波の照射を受け、いわゆる電子雪崩を誘起する。すなわち、荷電粒子が電磁波のエネルギを受けて加速し第2空間内の物質と衝突する。衝突を受けた物質は電離し荷電粒子となる。この連鎖により、第2空間にプラズマが形成される。このような荷電粒子の供給と電磁波照射との組合せにより、容易にプラズマが始動し、拡大成長する。プラズマの契機となる荷電粒子の準備・供給と、プラズマ形成及び拡大をそれぞれ別々の機構を用いて行う。このプラズマ形成方式は、大規模なプラズマの発生に極めて高い電圧の印加を要する放電によるプラズマ形成方式や、契機となるプラズマを偶発的に生じる荷電粒子に頼るマイクロ波単独でのプラズマ形成方式より、高効率であり、かつ時間応答性に優れ、所望のタイミングに所望のプラズマを得ることができる。
【0034】
プラズマの形成により、燃料噴霧近傍の領域が加熱される。または、電子等の荷電粒子が燃料液滴表面若しくは燃料液柱表面に衝突し、この部分にある燃料分子の化学組成を変化させる。燃料噴霧の近傍に形成されたこのプラズマにより、燃料を加熱し表面張力を低下させる。また、プラズマ形成により、OHラジカル、酸素イオン、オゾン等の酸化力の高い化学種が生成される。または、燃料液滴表面若しくは燃料液柱表面の燃料分子にOHラジカル、酸素イオン、オゾン等の酸化力の高い化学種が直接化学的に作用し、燃料分子を酸化させ、この燃料分子を軽質化させる。炭化水素系燃料は一般的に、分子量が小さいものほど分子間力が低いため、表面張力が低下する。または、燃料の粘性が低下する。または、燃料液滴表面若しくは燃料液柱表面の燃料分子が酸化力の高い化学種と反応することにより、表面の燃料分子に極性が生じ、その結果表面張力が変化する。
【0035】
燃料噴霧表面全体において表面張力が低下すると、実質的にはウェーバ数が低下することとなる。自由表面の変形が容易になり、また、表面積増大の確率が高くなる。このため、燃料の拡散係数が高まり、微粒化が促進される。燃料液滴表面若しくは燃料液柱表面の一部分にプラズマを作用させその部分の表面張力を変化させると、燃料液滴表面若しくは燃料液柱表面に表面張力波が生じる。この表面張力波もまた、微粒化促進に資する。なお、表面の一部にプラズマを作用させる場合、表面張力は必ず低下することを要しない。逆に表面張力が局所的に高まった場合も、表面張力波の発生による分散・微粒化が促進することがあり得る。
【0036】
さらに、その他の要因によっても、燃料と周囲雰囲気との相互作用に変化が生じる。燃料液滴表面若しくは燃料液柱表面付近の境界層の温度、化学組成、圧力等がプラズマの作用で変化することにより、この境界層の厚さ、密度、速度勾配が変化する。また、界面における滑り抵抗、界面方向のせん断力の変化も生じる。これらの変化もまた微粒化促進に資する。
【0037】
このようにして表面張力に変化が生じた後、プラズマ形成を継続し、燃料液滴表面または燃料液柱表面付近にさらにプラズマを作用させると、燃料液滴または燃料液柱は分裂し微粒化する。例えば、表面積増大に伴い加熱が促進され、気化が促進される。または、プラズマ発生に伴う衝撃波等圧力の変動により、燃料液滴または燃料液柱は外力を受け変形し、ついには分裂する。すなわち微粒化する。
【0038】
なお、本実施形態では、インジェクタ130の先端部分131を励振させるために、先端部分131を突出させたが、励振させるための構造はこのようなものには限定されない。使用される電磁波の周波数に応じて、この部分が励振するよう、その形状、構造、材質及び他の部材との接合形態等を適宜選択すればよい。
【0039】
〔第2の実施形態〕
インジェクタ130の先端部分131にも別途電磁波給電を行い、先端部分131の部材を励振させてもよい。この場合、インジェクタ130の先端部分131の部材は、電磁波発生装置161から給電を受けてもよい。また、電磁波発生装置161とは別に電磁波の発生源と伝送路とを設け、これらから給電を受けるようにしてもよい。さらに、インジェクタ130の先端部分131の部材に給電を行う場合、この部材がアンテナ151の機能を兼ねるようにしてもよい。また、放電用線路140の高圧側の線路に電磁波を重畳させ、電極対150の高圧側の電極をアンテナ151として用いてもよい。
【0040】
〔第3の実施形態〕
本実施形態においては、インジェクタ130付近の作動流体の流れによってプラズマを燃料噴霧に吹き付ける。具体的には、電極対150とアンテナ151とを囲うように小容量のキャビティ300を設け、キャビティ300内で発生したプラズマをインジェクタからの燃料噴霧の近辺に噴出するように構成した以外は、第1の実施形態と同様である。
【0041】
図2は、本実施形態の概略構成図である。
図2に示すように、本実施形態では、電極対150とアンテナ151とを囲うように小容量のキャビティ300を設ける。キャビティ300を形成する壁面には、インジェクタ130の先端部分131を臨む位置に、燃焼室CCとキャビティ300内部の空間とを連通するよう開口302を設ける。
【0042】
本実施形態において、放電による荷電粒子の供給と電磁波放射によるプラズマの形成及び拡大とは、いずれも第1の実施形態と同様に行われる。この動作において投入されるエネルギの一部はキャビティ300内の作動流体の加熱に供される。キャビティ300内の作動流体が加熱されると、キャビティ300の内部の圧力が上昇し、キャビティ300の内外で圧力差が生じる。キャビティ300の内部と外部とは開口302により連通しているため、キャビティ300内からキャビティ外への流れが生じ、この流れによりキャビティ300内に発生したプラズマは、開口302から噴出する。開口302はインジェクタ130の先端部分131に向けて設けられているため、噴出したプラズマはインジェクタからの燃料噴霧の近辺に導入される。その結果、燃料噴霧は、プラズマ中の荷電粒子や酸化力の高い化学種に曝露される。
【0043】
以上のように本実施形態では、プラズマ発生時に作動流体にエネルギを熱エネルギとして利用し、プラズマの加速を行う。そのため、エネルギ効率が高い。また、プラズマの定位性に優れており、燃料噴霧とプラズマとの位置関係を適切に保つことが容易になる。
【0044】
なお、本実施形態では、小容量のキャビティを用いて圧力差を発生させることによりプラズマを加速し輸送した。しかし、本発明はこのようなものには限定されない。燃焼室CC内に生じるスキッシュ流若しくはスワール若しくはタンブル等の流れ、圧力振動、衝撃波等、ディーゼルエンジン100の動作中に生じる作動流体の流れや乱れをプラズマの加速・輸送に利用してもよい。
【0045】
〔その他変形例等〕
【0046】
上述の各実施形態では、プラズマは、燃料液滴または燃料液柱の表面に直接作用し、表面張力に変化を与えたが、さらに、燃料が通過する流路表面(例えばノズル表面)にもプラズマが作用するようにしておけば、その部分の燃料に対する濡れ性を変化させることができる。これもまた、燃料の表面張力に変化を与え得る。
【0047】
上述の各実施形態では、放電によりプラズマ形成の契機となる荷電粒子を準備し供給したが、荷電粒子の供給はこのようなものには限定されない。例えば、フィラメントやセラミックヒータ、グロープラグのようなヒータによる加熱で熱電子を放出させてもよい。火打石やマッチなど衝撃や摩擦により荷電粒子を放出させてもよい。レーザ光等を用いた着火装置も荷電粒子の供給に利用できる。ガスタービン機関等の再着火及び保炎に用いられるパイロットバーナや、火薬、導火線等を用いて火炎を形成するようにしてもよい。ディーゼルエンジン100での圧縮着火により燃焼室CC内に形成される火炎もまた、荷電粒子の供給源として利用できる。このように、燃焼機関における着火、燃焼に伴う動作により、荷電粒子が発生する。この荷電粒子を契機としてプラズマを形成するようにしてもよい。また逆に、上述した荷電粒子の供給器または電磁波放射器を、着火の支援、または、着火若しくは燃焼の支援に用いてもよい。
【0048】
上述した荷電粒子の供給器、電磁波放射器、及び、加速器はいずれも必ずしもシリンダヘッド102に設置することを要しない。シリンダボディ101、ピストン103、ガスケット104、吸気バルブ120、排気バルブ125などに設置してもよく、また、ディーゼルエンジン100のその他の部材に設置してもよい。
【0049】
上述した各実施形態では、直噴方式のエンジンのインジェクタ130からの燃料の微粒化を促進した。しかし、本発明はこのようなものには限定されない。インジェクタは、PFI(Port Fuel Injection)方式や副室燃焼方式のエンジンに適用してもよい。
【0050】
上述の各実施形態では、燃焼機関としてディーゼルエンジンを例示したが、本発明はこのようなものには限定されない。ガソリンエンジンをはじめとする火花点火式の内燃機関、HCCI(予混合圧縮自着火)エンジン、SCCI(成層圧縮自着火)エンジン等の自着火エンジンであってもよい。また、ピストン式の内燃機関に限らずロータリエンジン、ガスタービン機関、ラム機関等の内燃機関であってもよい。また、内燃機関に限らす外燃機関の燃焼器や炉などにも適用可能である。また、微粒化対象の燃料は、インジェクタより噴射された直後のものには限定されない。本発明の適用対象となる燃焼機関において作動流体が流通するいずれの部分においても、本発明は適用可能である。これらの場合、荷電粒子の供給器、電磁波放射器及び加速器の配置及び構成は、適用対象となる燃焼機関及び液相の燃料の通過する位置に応じて適宜選択すればよい。
【0051】
なお、今回開示した実施形態は単なる例示であって、本発明の範囲が前述の各実施形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、明細書及び図面の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。