(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740585
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】エアコン吹き出し口用取付具
(51)【国際特許分類】
B60N 3/10 20060101AFI20150604BHJP
【FI】
B60N3/10 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-51459(P2013-51459)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-177169(P2014-177169A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2014年5月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】593079944
【氏名又は名称】株式会社ビートソニック
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(74)【代理人】
【識別番号】100100859
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 昌也
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 永治
【審査官】
太田 良隆
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−182270(JP,A)
【文献】
特開平08−244516(JP,A)
【文献】
米国特許第04784360(US,A)
【文献】
実開昭61−175607(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/08−3/12
B60R 7/00−7/14
B60H 1/00−3/06
F16B 2/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載物品用ホルダー類をエアコン吹き出し口のルーバーに取り付けるエアコン吹き出し口用取付具であって、長尺の本体と奥側スライド片と手前側スライド片を備え、
本体の上下両面又は左右両面のうち、一方の面に第1ラチェット歯を長手方向に沿って形成し、他方の面に第2ラチェット歯を長手方向に沿って形成し、基端部に車載物品用ホルダー類の取付部を設け、
奥側スライド片には第1ラチェット歯に弾力的に係合する爪歯と、爪歯と第1ラチェット歯の係合を解除する解除部材と、エアコン吹き出し口のルーバーの奥側端部に掛止可能なフック部を設け、
手前側スライド片には第2ラチェット歯に弾力的に係合する爪歯と、爪歯と第2ラチェット歯の係合を解除する解除部材と、エアコン吹き出し口のルーバーの手前側端部に掛止可能なフック部を設け、
奥側スライド片を、第1ラチェット歯と爪歯が係合しているとき本体の基端側へはスライド可能で、本体の先端側へはスライド不能に本体に組み付け、
手前側スライド片を、第2ラチェット歯と爪歯が係合しているとき本体の先端側へはスライド可能で、本体の基端側へはスライド不能に本体に組み付け、
奥側スライド片のフック部をルーバーの奥側端部に掛止し、手前側スライド片のフック部でルーバーの手前側端部を掛止するようにしたことを特徴とする車載物品用ホルダー類をエアコン吹き出し口のルーバーに取り付けるエアコン吹き出し口用取付具。
【請求項2】
左右両側面と前記フック部を垂設した底面を有し、左右両側面のうち一方の側面に外側へ撓ませることができる可撓部を形成し、可撓部の内面に前記爪歯を形成し、可撓部の外面に前記解除部材として摘みを形成した2つのスライドブロックを備え、
前記取付具本体の左右両面のうち、一方の面に第1ラチェット歯を形成し、他方の面に第2ラチェット歯を形成し、
前記奥側スライド片として、前記2つのスライドブロックのうちの一方のスライドブロックの爪歯を第1ラチェット歯に係合し、
前記手前側スライド片として、前記2つのスライドブロックのうちの他方のスライドブロックの爪歯を第2ラチェット歯に係合したことを特徴とする請求項1に記載のエアコン吹き出し口用取付具。
【請求項3】
前記取付具本体に、長手方向と直交する溝状の切欠部を形成し、該切欠部から取付具本体を破断することにより短くできるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエアコン吹き出し口用取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカップホルダーやスマートフォン用ホルダー等の車載物品用ホルダー類をエアコン吹き出し口のルーバーに取り付けるエアコン吹き出し口用取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
車載物品用ホルダー類をエアコン吹き出し口のルーバーに取り付ける取付具の一形式として、特開2006−182270号公報には、スライド片と長尺の本体を備えた取付具が開示されている。この取付具の本体の上面にはラチェット歯が長手方向に沿って形成し、基端部に車載物品用ホルダー類の取付部が設けられ、先端部にフック部が設けられている。
スライド片にはラチェット歯に係合する爪歯と、爪歯とラチェット歯の係合を解除する解除部材及びフック部が設けられている。
このスライド片は本体に、ラチェット歯と爪歯が係合しているとき先端側へはスライド可能で、基端側へはスライド不能に組み付けられている。
【0003】
この取付具によれば、本体をエアコン吹き出し口に差し込んで、本体先端部のフック部をルーバーの奥側端部に掛止する。次に、スライド片を本体の先端側へスライドさせ、スライド片のフック部をルーバーの手前側端部に掛止し、本体のフック部とスライド片のフック部でルーバーを挟持する。本体をルーバーに取り付けると、本体の取付部がエアコン吹き出し口から車内に突出するので、取付部に車載物品用ホルダー類を取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−182270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来のエアコン吹き出し口用取付具は、スライド片を本体のラチェット歯に沿ってスライドさせることにより、本体の先端部のフック部とスライド片のフック部との間隔を車種によって異なるルーバーの幅に合わせて調整できる。そのため、特定の車種に限定されることなく車載物品用ホルダー類をエアコン吹き出し口に取り付けることができる。
【0006】
ところで、エアコン吹き出し口の開口端面からルーバーまでの間隔は車種によって異なり、ルーバーがエアコン吹き出し口の奥に配置されている車両もあれば、エアコン吹き出し口の開口端面近くに配置されている車両もある。
【0007】
この種のエアコン吹き出し口用取付具を用いて車載物品用ホルダー類をエアコン吹き出し口に取り付ける場合、エアコン吹き出し口の開口端面からルーバーまでの間隔に比べてエアコン吹き出し口用取付具の本体が長いと、エアコン吹き出し口から突出する本体の取付部から車載物品用ホルダー類が宙吊りになる。そのため車両走行時の振動で揺れて安定しないので、車載物品の使い勝手が悪くなる。
【0008】
車載物品用ホルダー類を取付具を用いてエアコン吹き出し口に安定して取り付けるには、取付具の本体に取り付けた車載物品用ホルダー類の端部をエアコン吹き出し口の下端面に当接させる。こうすることにより、車載物品用ホルダー類が揺れ難くなるので安定する。
しかし、車載物品用ホルダー類の端部がエアコン吹き出し口の下端面に当接するようにエアコン吹き出し口に車載物品用ホルダー類を取り付けるには、本体の先端部のフック部とホルダー類を取り付ける取付部が設けられている基端部との間隔がルーバーの奥側端部とエアコン吹き出し口の下端面の間の間隔に適合していなければならない。
【0009】
上記した従来のエアコン吹き出し口用取付具は本体の先端部に設けたフック部とホルダー類を取り付ける取付部が設けられている基端部との間隔が一定であって可変調整できないので、車種によっては、車載物品用ホルダー類を取付具でエアコン吹き出し口に取り付けたとき、ホルダー類がエアコン吹き出し口から宙吊りになり、揺れて安定しない。
本発明は係る問題点に鑑み、車種の違いに拘わらず、車載物品用ホルダー類をエアコン吹き出し口に安定して取り付けることができるエアコン吹き出し口用取付具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、車載物品用ホルダー類をエアコン吹き出し口のルーバーに取り付けるエアコン吹き出し口用取付具であって、長尺の本体と奥側スライド片と手前側スライド片を備え、
本体の上下両面又は左右両面のうち、一方の面に第1ラチェット歯を長手方向に沿って形成し、他方の面に第2ラチェット歯を長手方向に沿って形成し、基端部に車載物品用ホルダー類の取付部を設け、
奥側スライド片には第1ラチェット歯に弾力的に係合する爪歯と、爪歯と第1ラチェット歯の係合を解除する解除部材と、エアコン吹き出し口のルーバーの奥側端部に掛止可能なフック部を設け、
手前側スライド片には第2ラチェット歯に弾力的に係合する爪歯と、爪歯と第2ラチェット歯の係合を解除する解除部材と、エアコン吹き出し口のルーバーの手前側端部に掛止可能なフック部を設け、
奥側スライド片を、第1ラチェット歯と爪歯が係合しているとき本体の基端側へはスライド可能で、本体の先端側へはスライド不能に本体に組み付け、
手前側スライド片を、第2ラチェット歯と爪歯が係合しているとき本体の先端側へはスライド可能で、本体の基端側へはスライド不能に本体に組み付け、
奥側スライド片のフック部をルーバーの奥側端部に掛止し、手前側スライド片のフック部でルーバーの手前側端部を掛止するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエアコン吹き出し口用取付具において、左右両側面と前記フック部を垂設した底面を有し、左右両側面のうち一方の側面に外側へ撓ませることができる可撓部を形成し、可撓部の内面に前記爪歯を形成し、可撓部の外面に前記解除
部材として摘みを形成した
2つのスライドブロックを備え、
前記取付具本体の左右両面のうち、一方の面に第1ラチェット歯を形成し、他方の面に第2ラチェット歯を形成し、
前記奥側スライド片として、前記
2つのスライドブロックのうちの一方のスライドブロックの爪歯を第1ラチェット歯に係合し、
前記手前側スライド片として、前記
2つのスライドブロックのうちの他方のスライドブロックの爪歯を第2ラチェット歯に係合したことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のエアコン吹き出し口用取付具において、前記取付具本体に、長手方向と直交する溝状の切欠部を形成し、該切欠部から取付具本体を破断することにより短くできるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明に係るエアコン吹き出し口用取付具によれば、奥側と手前側の一対のスライド片を本体に沿ってスライドさせることができるので、各スライド片に設けたフック部とフック部との間隔をルーバーの幅に合わせて調整できる。
【0014】
両スライド片の本体基端部からの間隔を調整できるので、ルーバーがエアコン吹き出し口の開口端面近くに配置されている場合、両スライド片を本体の基端部側へスライドさせ、ルーバーがエアコン吹き出し口の開口端面から奥側に配置されている場合、両スライド片を本体の先端部側へスライドさせることにより、本体の基端部に設けた取付部のエアコン吹き出し口の開口端面からの突出寸法を車種の違いに拘わらず一定にできる。
従って、取付部のエアコン吹き出し口の開口端面からの突出寸法を、取付部に車載物品用ホルダー類を取り付けたとき車載物品用ホルダー類の端部がエアコン吹き出し口の下端面に当接するように設定することにより、車載物品用ホルダー類を車種の違いに拘わらず安定してエアコン吹き出し口に取り付けることができる。
【0015】
奥側スライド片を第1ラチェット歯と爪歯が係合しているとき本体の先端側へはスライド不能に本体に組み付け、手前側スライド片を第2ラチェット歯と爪歯が係合しているとき本体の基端側へはスライド不能に本体に組み付けたので、ルーバーを挟持している両スライド片のフック部の間隔が車両走行時の振動で広がるおそれはない。そのため、車両走行時、本体がルーバーから不用意に外れるのを確実に防止できる。
【0016】
請求項2に記載の発明に係るエアコン吹き出し口用取付具によれば、スライドブロックを奥側スライド片と手前側スライド片に共用でき、部品点数を少なくしてコストを低減できる。
【0017】
請求項3に記載の発明に係るエアコン吹き出し口用取付具によれば、本体が長すぎるために、エアコン吹き出し口に挿入したときエアコン吹き出し口の奥にある障害物に当たるような場合、切欠き部から本体を切断して短くできるので、障害物に当たらなくできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具を示す斜視図である。
【
図2】同エアコン吹き出し口用取付具を示す平面図である。
【
図3】同エアコン吹き出し口用取付具の取付方法を示す説明図である。
【
図4】同エアコン吹き出し口用取付具の取付方法を示す説明図である。
【
図5】同エアコン吹き出し口用取付具の取付方法を示す説明図である。
【
図6】同エアコン吹き出し口用取付具の取付方法を示す説明図である。
【
図7】本発明の第2実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具を示す斜視図である。
【実施例1】
【0019】
以下に本発明を図面に基づき説明する。
図1及び
図2には本発明の第1実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具10が示されている。当該取付具10はプラスチック成型品の本体11と奥側スライドブロック12及び手前側スライドブロック13を備えている。本体11は断面形状が略矩形の棒状に成形され、その左側面には長手方向に沿って第1ラチェット歯11aが形成されている。また、本体の右側面にはその長手方向に沿って第2ラチェット歯11bが形成されている。第1ラチェット歯11aと第2ラチェット歯11bはそれぞれの歯の向きが逆に形成されている。すなわち、第1ラチェット歯11aは本体11の先端部11cの側に傾斜面を有するように形成されている。一方、第2ラチェット歯11bは本体11の基端部の11d側に傾斜面を有するように形成されている。
【0020】
本体11の先端部11cは先細りに成形され、基端部11dにはカップホルダーやスマートフォン用ホルダー等の車載物品用ホルダー類を着脱可能に取り付けることができる円形の取付部11eが成形されている。この取付部11eは矩形プレート部11fに凸設した軸部11gに一体成形されている。取付部11eは軸部11gより大径を有する。
【0021】
奥側スライドブロック12と手前側スライドブロック13は互いに同一の形状と寸法を有する、各スライドブロック12,13は左右両側面12a,12b,13a,13bと底面12c,13cから成る断面コ字形に成形されている。一方の側面12a,13aには上下2本のスリット12d,12eが形成されている。このスリット12d,12eは側面12aの一端から中間部まで延びている。両スリット12d,12eによって側面12aの外側へ撓ませることができる可撓部12fが区画形成され、可撓部12fの内面には本体の第1ラチェット歯11a又は第2ラチェット歯11bに弾力的に係合する爪歯12g,13gが形成されている。可撓部12f,13fの外面には解除摘み12h,13hが一体成形されている。底面12c,13cにはフック部12k,13kが垂設されている。奥側スライドブロック12は爪歯12gが第1ラチェット歯11aに係合するように本体11に取り付けられる。また、手前側スライドブロック13は爪歯13gが第2ラチェット歯11bに係合するように本体11に取り付けられる。
【0022】
第1実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具10の構造は以上の通りであって、
図3乃至
図6に当該取付具10の使用方法を示す。
図3に示すように、取付具10の取付部11eに車載物品用ホルダー類(図示略)が着脱可能に取り付けられるフックプレート20を取り付ける。このフックプレート20はベースプレート21を備え、ベースプレート21の上部に取付部11eが着脱可能に係合する係合溝が形成され、該係合溝に取付部11eを係合することによりフックプレート20が取付具10の本体11に取り付けられる。ベースプレート21の下部には取付具10をエアコン吹き出し口30に取り付けたとき、エアコン吹き出し口30の下端面31に当接する支持片22が、軸23を介して揺動可能に設けられている。ベースプレート21の前面には車載物品用ホルダー類の係合溝(図示略)に着脱可能に係合するフック片24が設けられている。
【0023】
図3に示すエアコン吹き出し口30はルーバー32,33,34がエアコン吹き出し口30の開口端面の近くに設けられている。このエアコン吹き出し口30に取付具10を取り付けるには、予め奥側スライドブロック12を本体11の基端部11d側に片寄せ、エアコン吹き出し口30の開口端面からルーバー33の奥側端部までの間隔に合わせて奥側スライドブロック12を本体11の所定位置に固定する。各スライドブロック12,13は解除摘み12h,13hを指で掴んで可撓部12f,13fを外側へ撓ませ、ラチェット歯11a,11bと爪歯12g,13gの係合を解除すれば、本体11の長手方向に沿って奥側へもまた、手前側へもスライドさせることができる。可撓部12f,13fを元に戻してラチェット歯11a,11bと爪歯12g,13gを係合すれば、スライドブロック12,13が本体11に固定される。
【0024】
本体11と両スライドブロック12,13をルーバー32,33の間に挿入し、奥側スライドブロック12のフック部12kをルーバー33の奥側端部に掛止する。手前側スライドブロック13を指で本体11の奥側へスライドさせ、フック部13kをルーバー33の手前側端部に係合する。これにより、取付具10がエアコン吹き出し口30に取り付けられる。取付具10を取り付けるルーバー33は、取り付けたとき、支持プレート22がエアコン吹き出し口30の下端面31に当接するものを選択すると、取付具10をエアコン吹き出し口30に安定して取り付けることができる。
【0025】
図4に示すエアコン吹き出し口40は
図3に示すエアコン吹き出し口30に比べ、ルーバー42,43,44がエアコン吹き出し口40の開口端面から奥側に設けられている。このエアコン吹き出し口40に取付具10を取り付ける場合、予め奥側スライドブロック12を本体11の先端側へ片寄せ、エアコン吹き出し口40の開口端面からルーバー43の奥側端部までの間隔に合わせて奥側スライドブロック12を本体11の所定位置に固定する。本体11と両スライドブロック12,13をルーバー42,43の間に挿入し、奥側スライドブロック12のフック部12kをルーバー43の奥側端部に掛止する。手前側スライドブロック13を指で本体11の奥側へスライドさせ、フック部13kをルーバー43の手前側端部に係合する。これにより、取付具10がエアコン吹き出し口40に取り付けられる。
【0026】
図5に示すエアコン吹き出し口50は、吹き出し口50の下端面51が上端面52より手前側に突出している。このエアコン吹き出し口50に取付具10を取り付けるときは、取付具10をルーバー53,54,55と吹き出し口50の下端面51との間隔に合わせて奥側スライドブロック12を本体に固定しておく。
【0027】
図6に示すエアコン吹き出し口60は、吹き出し口60の下端面61が上端面62より手前側に突出している。また、3本のルーバー63,64,65のうち2本のルーバー64.65が開口端面の外に露出している。このエアコン吹き出し口60に取付具10を取り付けるときも、取付具10を取り付けるルーバー64と吹き出し口60の下端面61との間隔に合わせて奥側スライドブロック12を本体11に固定しておく。
【0028】
第1実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具10によれば、奥側と手前側の一対のスライドブロック12,13を本体11に沿ってスライドさせることができるので、両スライドブロック12,13のフック部12k,13kの間隔をルーバー33,43,54,64の幅に合わせて調整できる。
【0029】
両スライドブロック12,13の本体11の基端部11dからの間隔を調整できるので、
図3に示すように、ルーバー32がエアコン吹き出し口30の開口端面近くに配置されている場合、両スライドブロック12,13を本体11の基端部11d側へスライドさせ、
図4に示すように、ルーバー43がエアコン吹き出し口40の開口端面から奥側に配置されている場合、両スライドブロック12,13を本体11の先端部11c側へスライドさせることにより、本体11の基端部11dに設けた取付部11eのエアコン吹き出し口30,40の開口端面からの突出寸法を車種の違いに拘わらず一定にできる。
従って、取付部11eのエアコン吹き出し口30,40の開口端面からの突出寸法を、取付部11eに車載物品用ホルダー類を取り付けたとき支持プレート22がエアコン吹き出し口30,40の下端面31,41に当接するように設定することにより、車載物品用ホルダー類を車種の違いに拘わらず安定してエアコン吹き出し口30,40に取り付けることができる。
【0030】
奥側スライドブロック12は第1ラチェット歯11aと爪歯12gが係合しているとき本体11の先端部11c側へはスライド不能に本体11に組み付けられ、手前側スライドブロック13は第2ラチェット歯11bと爪歯13gが係合しているとき本体11の基端部11d側へはスライド不能に本体11に組み付けられているので、ルーバー33,43,54,64を挟持している両スライドブロック12,13のフック部12k,13kの間隔が車両走行時の振動で広がるおそれはない。そのため、車両走行時、本体11がルーバー33,43,54,64から不用意に外れるのを確実に防止できる。
【0031】
奥側スライドブロック12と手前側スライドブロック13は互いに同一形状、同一寸法に成形したので、単一種類のスライドブロック12,13を奥側スライドブロック12と手前側スライドブロック13に共用でき、部品点数を少なくしてコストを低減できる。
【実施例2】
【0032】
図7に本発明の第2実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具10Aを示す。当該取付具10Aの本体11には、長手方向と直交する溝状の切欠部11hが形成され、該切欠部11hから本体11を破断することにより短くできるように構成されている。
なお、第2実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具10Aの他の構成は第1実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具10と同じであるので、同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
第2実施例に係るエアコン吹き出し口用取付具10Aによれば、本体11が長すぎるために、エアコン吹き出し口30,40,50,60に挿入したときエアコン吹き出し口30,40,50,60の奥にある障害物に当たるような場合、切欠部11hから本体11を切断して短くできるので、障害物に当たらなくできる。
【符号の説明】
【0034】
10,10A…エアコン吹き出し口用取付具
11…本体
11a…第1ラチェット歯
11b…第2ラチェット歯
11c…先端部
11d…基端部
11e…取付部
11h…切欠部
12…奥側スライドブロック
12a,12b…側面
12c…底面
12f…可撓部
12g…爪歯
12h…解除摘み
12k、13k…フック部
13…手前側スライドブロック
13a,13b…側面
13c…底面
13f…可撓部
13g…爪歯
13h…解除摘み
30,40,50,60…エアコン吹き出し口
32,33,34,42,43,44,53,54,55,63,64,65…ルーバー