(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動制御手段によって、前記特定入賞口に対して遊技球が通過可能な第2位置に、前記流下規制部材が移動した場合に、前記遊技球が通過可能な幅に開口幅が変更され、前記特別遊技に移行可能な状態であることを示すチャンス演出を実行するチャンス演出実行手段と、を有する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の遊技機。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を、パチンコ遊技機である遊技機1に適用した実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0025】
図1に示すように、遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2と、外枠Woと、前枠Wfと、ガラス枠を有している。外枠Woは、遊技機1の外枠を構成し、前枠Wfは、外枠Woの前面に取り付けられている。そして、ガラス枠は、前記前枠Wfに開閉可能にヒンジで取り付けられている。
【0026】
遊技盤2の縁には、外側誘導レール3及び内側誘導レール4が略円形に配置されている。そして、前記遊技盤2上には、遊技領域Rが、前記外側誘導レール3及び内側誘導レール4によって区画されている。当該遊技領域Rには、複数の誘導釘が遊技盤2表面に設けられており、遊技球を誘導する。
【0027】
又、遊技機1は、発射装置40と、上側球受け皿42と、下側球受け皿43と、スピーカ45と、装飾ランプ等からなるランプ装置と、遊技者によって操作可能な遊技ボタンスイッチと、を当該遊技機1の前面に有している。発射装置40は、操作レバー41を用いた遊技者の発射操作に応じて、遊技球を前記遊技領域Rへ向けて弾発発射するための装置である。上側球受け皿42は、発射装置40へ供給する遊技球と、払い出された遊技球とを受けるための受け皿である。下側球受け皿43は、上側球受け皿42の満杯時に遊技球を受けるための受け皿である。スピーカ45は、遊技機1における遊技の進行状況に応じて、効果音等を発する。
【0028】
前記遊技領域Rの中心線上には、上部から下部に向かって順に、図柄表示装置10と、左始動入賞口20と、左大入賞口25と、アウト口27が配設されている。そして、左始動入賞口20の右上には、ゲート23が配設されており、当該ゲート23の下方に、右始動入賞口21が配設されている。又、前記図柄表示装置10の表示枠体における右下部には、右大入賞口31を含む特別入賞装置30が配設されており、当該右大入賞口31は、右始動入賞口21の左側に位置している。特別入賞装置30の構成等については、後に図面を参照しつつ詳細に説明する。そして、前記図柄表示装置10の左側下部付近には風車22が設けられている。前記左始動入賞口20、右始動入賞口21、左大入賞口25、右大入賞口31等の各種入賞口は、遊技盤2に形成された遊技領域R内を流下する遊技球が入賞(入球)して入賞(入球)が検出された場合、一の入賞球の検出に対して所定個数の賞品球(遊技球)が遊技者に払い出される。尚、一の入賞球の検出に対する賞品球(遊技球)の払出個数は、前記入賞口(入賞装置)毎に設定されている。
【0029】
前記図柄表示装置10は、図柄等が表示可能なものであって、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成されている。当該図柄表示装置10は、当該図柄表示装置の外枠として配設された表示枠体の内側に、特別図柄表示部11と、普通図柄表示部とを有している。又、図柄表示装置10は、特別図柄保留球数及び普通図柄保留球数を表示する。特別図柄保留球数は、特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示中に、前記左始動入賞口20、右始動入賞口21に対する入賞検出に基づいた保留数(遊技球の入賞回数)を意味し、特別図柄に対する当否判定の保留を意味する。普通図柄保留球数は、図柄表示装置10における普通図柄の変動表示中に、前記ゲート23に対する入球検出に基づいた保留数(遊技球が通過した回数)を意味する。
【0030】
そして、図柄表示装置10の特別図柄表示部11は、当否判定の結果を表示する為の特別図柄を変動表示可能な表示手段であり、左特別図柄と、中特別図柄と、右特別図柄とを、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、当否判定の結果に基づき左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄を停止表示する。特別図柄表示部11は、特別図柄に加え、背景画像(キャラクタ、背景、文字等を含む)を表示可能に構成されており、当該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。又、本実施形態では、遊技機1は、入賞順を記憶し入賞順に変動を開始するように構成されている。
【0031】
又、特別図柄は、上述したように左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄を含んでおり、それぞれ『0、1、2、3、4、5、6、7、8、9』の10通りの数字図柄によって構成されている。当該特別図柄は、大当たり後も低確率状態での遊技となる普通図柄(0、2、4、6、8)と、大当たり後、高確率遊技となる確変図柄(1、3、5、7、9)で構成されている。本実施形態においては、遊技の当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たりの特別図柄組合せ(例えば、『1、1、1』(いわゆる‘1’のゾロ目)や『2、2、2』(いわゆる‘2’のゾロ目)等、同一数字の組合せ)で特別図柄が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。遊技者に有利な特典は、本実施形態では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
【0032】
図柄表示装置10における普通図柄表示部は、記号或いは絵(キャラクター)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。当該普通図柄表示部に変動及び停止表示される普通図柄は、『○』と『×』の2種類からなり、小当たり(普通図柄当たり)の場合には、小当たり普通図柄『○』で停止表示される。一方、小当たり外れ(普通図柄外れ)の場合には、小当たり外れ普通図柄『×』で停止表示される。
【0033】
又、前記特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示中に、前記左始動入賞口20に遊技球が入賞しても、直ちに新たな特別図柄の変動表示を開始することができない為、遊技機1は、特別図柄の変動表示中における前記左始動入賞口20に対する入賞検出数を特別図柄保留球数として記憶し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示を一旦保留すると共に、前記特別図柄保留球数の記憶値を図柄表示装置10に表示する。そして、当該遊技機1は、前記特別図柄表示部11における前記特別図柄の変動開始によって、或いは変動終了による当否判定結果の表示によって、前記特別図柄保留球数の記憶値を減算すると共に、図柄表示装置10における特別図柄保留球数の表示個数を減らす。尚、前記左始動入賞口20への入賞検出数記憶値の上限値は、当該変動中の記憶を除いて4に設定されている。
【0034】
尚、特別図柄保留球数が設定上限数まで記憶されている時には、前記左始動入賞口検出スイッチがそれ以上遊技球の入賞を検出しても、特別図柄保留球数としては記憶されない無効球とされる。当該無効球については、遊技機1は、特別図柄の変動及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞品球(賞品遊技球)を所定数払い出す。
【0035】
そして、図柄表示装置10の表示枠体における上部及び左下部には、駆動役物15が、それぞれ、表示枠体の背面側に収納可能に配設されており、駆動モータの駆動制御によって動作する。従って、当該駆動役物15は、特別図柄の変動期間における演出内容に応じた駆動制御に従って、遊技者の興奮を高める役割を果たしうる。
【0036】
前記左始動入賞口20は、前記図柄表示装置10の下方に配設されており、上方から遊技球が入球(入賞)可能に構成されている。左始動入賞口20は、左始動入賞口検出センサ(検出スイッチ)を、左始動入賞口20から延びる入賞球用通路に有しており、当該左始動入賞口20に入球した遊技球を検出可能に構成されている。前記左始動入賞口20への入賞検出は、乱数値の取得の起因および前記特別図柄の変動表示開始の起因とされ、更には、遊技者にとって有利となる大当たり状態となるか否かを判定する当否判定手段の判定を行うための判定条件の成立を意味している。
【0037】
前記左大入賞口25は、左始動入賞口20の下方に配設されており、左大入賞口25の開口部を開閉する開閉板26を備えている。開閉板26は、遊技盤2背面に設けられた左大入賞口ソレノイドによって開閉する。当該左大入賞口25は、通常、開閉板26が閉じた状態とされており、当否判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技(特別遊技)時に、所定ラウンド開放される。左大入賞口25内には、入賞球数カウントスイッチが配設されており、左大入賞口25に入賞した入賞球を検出する。左大入賞口25は、左大入賞口検出センサ(検出スイッチ)を、左大入賞口25から延びる入賞球用通路に有しており、左大入賞口25に入球(入賞)した遊技球を検出可能に構成されている。
【0038】
前記ゲート23は、前記図柄表示装置10の右側上方に配設されており、当該ゲート23を通過した遊技球が遊技領域Rのさらに下方へ流下可能に構成されている。そして、ゲート23は、ゲート検出センサ(検出スイッチ)を有しており、当該ゲート23を通過した遊技球を検出可能に構成されている。前記ゲート23は、ゲート23を通過する遊技球が検出された場合に、前記普通図柄表示部における普通図柄の変動を開始させる。又、遊技機1は、前記普通図柄の変動表示中に、前記ゲート23を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、最高4回まで普通図柄保留球数として記憶すると共に、図柄表示装置10における普通図柄保留球数値を表示する。そして、遊技機1は、普通図柄の変動開始によって、普通図柄保留球数を減らし、図柄表示装置10における普通図柄保留球数の表示個数を減らす。
【0039】
右始動入賞口21は、前記ゲート23の下方に配設されており、遊技盤2前面が開口した入球口と、当該入球口の下側に配設された球受可動部材とを有している。当該球受可動部材が、遊技盤2背面に配設された右始動口ソレノイドによって遊技盤2盤面から突出及び後退可能に設けられている。当該球受可動部材が遊技盤2表面から後退した通常状態である場合、前記球受可動部材は、遊技領域Rを流下してくる遊技球が前記右始動入賞口21の入球口に対する入球を妨げる為、右始動入賞口21への入賞を困難とする。一方、前記球受可動部材が遊技盤2面から突出した状態である場合、当該球受可動部材は、遊技領域Rを流下してくる遊技球を前記球受可動部材で受け、入球口へ導くことができる為、右始動入賞口21への入賞を容易とする。
【0040】
発射装置40は、操作レバー41の操作により駆動する発射モータを、遊技機1裏側に有し、当該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射する。前記発射装置40により発射された遊技球は、前記遊技盤2表面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して、遊技領域Rに誘導される。前記遊技領域Rに誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口27から遊技盤2裏側へ排出される。
【0041】
前記遊技機1の裏側には、複数の制御基板や装置等が配設されている。制御基板の主なものとしては、主制御基板50と、サブ制御基板60と、表示制御基板65と、音声制御基板70と、払出制御基板75と、発射制御基板80と、電源基板等を有している。又、装置としては、貸球払出装置76と、賞球払出装置77と、外部端子と、球無し検出スイッチと、球貯留タンクと、球誘導樋とを有している。又、各制御基板は、単独で又は複数まとめてケースに収納された状態で遊技機1の裏側に配置されている。
【0042】
図1、
図2に示すように、図柄表示装置10の表示枠体における右下部には、特別入賞装置30が配設されている。ここで、当該特別入賞装置30の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0043】
特別入賞装置30は、図柄表示装置10の表示枠体における右側面に沿って下方に伸びた後、図柄表示装置10の表示枠体における下面に沿って遊技機1の中央側に伸びた逆L字形を描くように構成されている。当該特別入賞装置30は、図柄表示装置10の表示枠体における右側面に形成された右大入賞口31を介して入賞した遊技球を、当該特別入賞装置30内部に形成されたV入賞口33又はカウント入賞口34の何れかに入賞させるように構成されている。
【0044】
右大入賞口31は、
図1、
図2に示すように、図柄表示装置10の表示枠体における右側面に配置されており、特別入賞装置30における遊技球の入り口として機能する。
図1〜
図5に示すように、特別入賞装置30は、右大入賞口31の開口縁に、開閉部材31Aを有しており、遊技盤2の背面に設けられている右大入賞口ソレノイドによって、略垂直に起立した状態と、右側へ水平近くまで回動した開放状態との間を変位可能に構成されている。従って、当該遊技機1は、通常、開閉部材31Aを起立した状態とすることで、遊技球が右大入賞口31及び特別入賞装置30に入賞困難な状態とし、開閉部材31Aを開放状態とすることによって、右大入賞口31に遊技球が入賞し、特別入賞装置30内部に入賞可能な状態とし得る。前記右大入賞口31には、入球した遊技球を検出する右大入賞口検知センサ(検出スイッチ)が設けられている。
【0045】
そして、特別入賞装置30は、右大入賞口31を介して入賞した遊技球が流下する遊技球流路32を内部に有している。遊技球流路32は、特別入賞装置30の形状に応じた略逆L字状をなす遊技球の流路であり、右大入賞口31を一端側に、V入賞口33及びカウント入賞口34を他端側に有するように構成されている。従って、遊技球は、右大入賞口31を介して、特別入賞装置30内部に入ると、遊技球流路32に沿って案内され、V入賞口33とカウント入賞口34の何れかに入賞する。
【0046】
又、特別入賞装置30は、遊技球流路32の内、左右方向に伸びた部分の下方に、V入賞口33及びカウント入賞口34を有している。
図1〜
図4に示すように、V入賞口33、カウント入賞口34は、遊技球流路32の下側において左右に並んで配設されており、最も左斜め下方(即ち、遊技機1の中央寄りの位置)に、カウント入賞口34が形成されている。V入賞口33には、入球した遊技球を検出するV入賞口検知センサ(検知スイッチ)が設けられており、カウント入賞口34には、入球した遊技球を検出するカウント入賞口検知センサ(検知スイッチ)が設けられている。当該遊技機1においては、V入賞口33に対する遊技球の入賞を検出すると、当該遊技機1での遊技状態を確率変動状態(確変状態)とするように構成されている。
【0047】
図3〜
図5に示すように、特別入賞装置30は、流下規制部材35と、ステッピングモータ36とを有している。流下規制部材35は、V入賞口33の上方において左右方向に伸びるように形成されたスリット孔32Aに沿って、スライド移動可能に配設されている。即ち、流下規制部材35は、V入賞口33の上方部分を閉塞し、遊技球のV入賞口33に対する入賞を困難とした閉鎖位置(例えば、
図3参照)と、V入賞口33の上方部分を開放し、遊技球のV入賞口33に対する入賞を可能とした開放位置(
図4参照)との間をスライド移動し得る。
図5に示すように、ステッピングモータ36は、流下規制部材35をスリット孔32Aに沿ってスライド移動させる駆動源として機能し、入力されたパルス信号に基づいて、所定のステップ単位で回転するように構成されている。従って、当該遊技機1においては、ステッピングモータ36に入力するパルス信号を制御することによって、流下規制部材35を、スリット孔32Aに沿って、段階的に移動させ得る(
図27参照)。
【0048】
次に、遊技機1における制御系について、
図6を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、当該遊技機1の裏側には、遊技系統の制御を行う主制御基板50と、サブ制御基板60と、及び当該主制御基板50の制御下で図柄表示装置10における特別図柄の可変表示を行う表示制御基板65と、音声制御を行う音声制御基板70と、払出制御基板75と、発射制御基板80と、ランプやLED等の発光体の制御を行うランプ制御基板等が配設されている。
【0049】
主制御基板50は、遊技情報に従って遊技を制御すると共に、遊技情報を記憶する記憶手段を備えた遊技制御装置に相当し、CPU51、RAM、ROMおよび複数のカウンタを有するマイクロコンピュータを少なくとも備えている。当該主制御基板50は、サブ制御基板60、払出制御基板75と接続され、又、中継回路を介して左始動入賞口20、や左大入賞口25と接続されている。前記主制御基板50のCPU51は、後述する各種制御プログラムを実行して、遊技に関する制御を行う。
【0050】
CPU51は、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや小当たり(右始動入賞口21の拡開開放を行う普通図柄当たり)に係る乱数等も生成し、又、各制御基板に対して制御コマンドを出力可能に構成されている。
【0051】
そして、主制御基板50のRAMは、左始動入賞口検出スイッチや右始動入賞口検出スイッチで検出された特別図柄保留球数及び普通図柄変動開始スイッチで検出された普通図柄用保留球数の記憶領域や、CPU51で生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51の作業領域を備えている。主制御基板50のROMは、遊技上の制御プログラム(例えば、
図7〜
図20参照)や制御データと共に、大当たりや小当たりの数値等を記憶している。尚、主制御基板50は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
【0052】
サブ制御基板60は、サブCPU61、ROM、RAM、複数のカウンタを有するマイクロコンピュータと、前記主制御基板50とを結ぶ入出力回路と、表示制御基板65、音声制御基板70やランプ制御基板とを結ぶ入出力回路を備えている。当該サブ制御基板60は、中継回路を介して、右始動入賞口21と、ゲート23と、右大入賞口31やV入賞口33、カウント入賞口34を有する特別入賞装置30と接続されている。前記サブ制御基板60において、サブCPU61は、前記主制御基板50から出力された制御信号、サブ制御基板60に係る制御プログラムに従って遊技の制御を行う。前記主制御基板50からの制御信号には、前記特別図柄表示部11に対する変動データや前記ランプ装置に対する制御信号等が含まれる為、サブCPU61は、その制御信号の内容に合わせて遊技の制御を行う。
【0053】
前記サブ制御基板60のROMは、当該サブ制御基板60に係る制御プログラム(
図21〜
図26、
図28、
図29参照)やデータ定数、前記特別図柄表示部11での演出のデータ等を記憶している。又、サブ制御基板60のRAMは、各種データの記憶領域とサブCPU61による作業領域を有している。前記ランプ制御基板は、装飾ランプ等のランプ装置と接続されており、前記サブ制御基板60を介して、ランプ制御基板に送信された制御信号によって、ランプ装置の作動を制御する。前記サブ制御基板60は、電源基板から電源供給を受けて作動する。
【0054】
表示制御基板65は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、当該マイクロコンピュータとサブ制御基板60を結ぶ入力回路と、前記マイクロコンピュータと図柄表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板60から出力される制御信号に基づいて、前記図柄表示装置10における表示の制御を行う。前記表示制御基板65のROMは、表示制御用のプログラムを記憶している。前記表示制御基板65は、前記サブ制御基板60からの制御信号に基づいて、ROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部11に出力される。
【0055】
音声制御基板70は、配線等の電気的接続手段により、前記サブ制御基板60と接続されており、主制御基板50から出力された制御信号に基づいてスピーカ45から発する音声を制御する。即ち、音声制御基板70は、前記サブ制御基板60から出力される制御信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは、音声信号を増幅してスピーカ45に出力する。
【0056】
払出制御基板75は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータを有し、配線等による電気的接続手段によって、主制御基板50と、貸球払出装置76と、賞球払出装置77と接続されている。払出制御基板75は、前記主制御基板50から出力される制御信号を受信して、貸球払出装置76による遊技球の貸出、賞球払出装置77による賞球の払出に係る制御を実行する。前記払出制御基板75は、電源基板から供給される電源によって作動する。前記払出制御基板75のROMは、制御用のプログラムを記憶している。前記払出制御基板75のRAMは、種々の入賞口への入賞検出に基づいて、前記賞球払出装置77により払い出される賞品球(遊技球)の払出個数を、一の入賞球の検出に対する払出個数毎に記憶可能となっている。発射制御基板80は、前記発射装置40における発射モータの制御を行う。
【0057】
電源基板は、遊技機1外部より供給された主電源から遊技機1に適する所定電圧の遊技機用電源を生成して、主制御基板50やサブ制御基板60、払出制御基板75等に供給する。前記主電源は、遊技店側で所定の電圧(例えば、直流(AC)24V)に変換されて供給される。
【0058】
続いて、遊技機1において、主制御基板50で実行される制御処理について、図面を参照しつつ詳細に説明する。上述したように、遊技機1における制御処理の一部は、主制御基板50のCPU51によって、各種制御プログラム(
図7〜
図20参照)を実行することによって実現される。
【0059】
先ず、遊技機1における主制御基板50のメイン処理について、
図7を参照しつつ説明する。遊技機1に対する電源投入時には、主制御基板50のCPU51は、初期設定等を含むメインプログラムを実行する。
【0060】
図7に示すように、メイン処理では、CPU51は、先ず、初期設定処理を実行する(S1)。初期設定処理(S1)においては、CPU51は、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等を実行する。尚、電源投入時のみに必要な処理は、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。
【0061】
続くS2においては、CPU51は、割込み禁止処理(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)、割込み許可処理(S4)を実行し、その後、再び割込み禁止処理(S2)に処理を戻す。割込み許可処理(S4)の後、割込み禁止処理へ処理を戻すループ処理の過程で、CPU51は、割込み処理を実行する(S5)。
【0062】
前記割込み禁止処理(S2)では、CPU51は、4msec毎に割込み処理(S5)が入ってきても、割込み許可となるまで、割込み処理の実行を禁止する。次の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)では、CPU51は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)毎に、種々の乱数に対して1加算し、乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻して、再び加算を行う。更新された乱数は、前記主制御基板50のRAMに記憶される。割込み許可処理(S4)では、CPU51は、4msec毎に入ってくる割込み処理(S5)の実行を許可する。
【0063】
次に、メイン処理で実行される割込み処理(S5)の処理内容について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図8に示すように、割込み処理(S5)においては、CPU51は、コマンド出力処理(S11)、入力処理(S12)、タイマ減算処理(S13)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S14)、入賞検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別動作処理(S17)、保留球数処理(S18)、電源断監視処理(S19)、その他の処理(S20)を順に実行する。
【0064】
上述したように、CPU51は、コマンド出力処理(S11)を実行し、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)を、各制御基板に送信し、S12に処理を移行する。S12においては、CPU51は、入力処理を実行し、遊技機1に取り付けられている各種センサが検知した場合の信号入力を行う。その後、CPU51は、タイマ減算処理(S13)を実行し、遊技機1に配設されている各種タイマの減算処理を行い、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S14)に処理を移行する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S14)では、CPU51は、前記メイン処理におけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同様の処理を実行する。
【0065】
続くS15に移行すると、CPU51は、入賞検出処理を実行する。入賞検出処理(S15)においては、CPU51は、始動入賞口(即ち、左始動入賞口20、右始動入賞口21)への入賞を検出し、各種乱数値の取得を行う。ここで、入賞検出処理(S15)の処理内容について、
図9を参照しつつ詳細に説明する。
図9は、入賞検出処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0066】
図9に示すように、入賞検出処理(S15)では、CPU51は、始動入賞口(即ち、左始動入賞口20、右始動入賞口21)への入賞を検出したか否かを判断する(S31)。始動入賞口への入賞を検出した場合(S31:YES)、CPU51は、S32に処理を移行し、始動入賞口への入賞を検出しなかった場合(S31:NO)、CPU51は、入賞検出処理を終了する。尚、図示は省略するが、右始動入賞口21への入賞検出処理は、左始動入賞口20と同様の処理として実行される。
【0067】
S32に移行すると、CPU51は、特別図柄保留球数が4以上であるか否かを判断する。4以上である場合(S32:YES)、CPU51は、入賞検出処理(S15)を終了する。一方、特別図柄保留球数が4未満である場合(S32:NO)、CPU51は、特別図柄保留球数に「1」加算し(S33)、大当たり乱数値、大当たり種別判定乱数(大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値等を取得して、主制御基板50のRAMの対応する領域に記憶する(S34)。その後、CPU51は、入賞検出処理(S15)を終了する。
【0068】
ここで、S34等で取得される大当たり乱数値、大当たり種別判定乱数(大当たり図柄乱数値)、リーチ乱数値等の各種乱数値について説明する。大当たり乱数値は、特別図柄の大当たりを抽選する乱数値であり、0〜629の数値範囲をとる。大当たり乱数値は、遊技機1の電源投入時、0からスタートし、特別図柄主要乱数更新処理毎に1加算される。大当たり種別判定乱数は、大当たり種別(ラウンド数等の諸条件)の選択に使用する乱数値であり、0〜9の数値範囲をとる。又、大当たり種別判定乱数が奇数値を示す場合、遊技機1における遊技は確変になる。リーチ乱数値は、当否判定の結果がはずれの場合に、リーチをするか否かの判定に使用する乱数値であり、0〜126の数値範囲をとる。尚、大当たりの場合は、必ずリーチを行うので、このリーチ乱数値が使用されることはない。演出乱数用カウンタは、第1〜第6変動パターンテーブル内で変動パターンを選択する際に用いられるものであり、0〜198の数値範囲の演出乱数を備える。この演出乱数は、電源投入時、0から始まり、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理毎に1ずつ加算され、数値が198に至ると、次に0にされて再び加算を繰り返すようになっている。
【0069】
上述したように、割込み処理において、入賞検出処理(S15)を終了すると、CPU51は、普通動作処理を実行する(
図8参照)。普通動作処理(S16)に移行すると、CPU51は、普通図柄判定用乱数に基づいて、球受可動部材を突出又は後退した状態に駆動制御し、右始動入賞口21への入賞の容易性を変更する。具体的には、CPU51は、先ず、右始動入賞口21の球受可動部材が開放中か否かを確認し、開放中である場合には、普通図柄保留球数が0でないことを条件に、主制御基板50のRAMに記憶されている小当たり乱数値をロードし、現在確変中(高確率状態)であるか否かを確認する。
【0070】
確変中ではない低確率状態である場合、CPU51は、取得した小当たり乱数値に基づいて、低確率状態での大当たりであるか否かを判断し、右始動入賞口21を開放時間1秒、開放回数1回で開放する。その後、CPU51は、普通動作処理(S16)を終了する。
【0071】
確変中(高確率状態)である場合、CPU51は、取得した小当たり乱数値に基づいて、高確率状態での大当たりであるか否かを判断し、高確率状態での大当たりである場合に、右始動入賞口21を開放時間2秒、開放回数3回で開放する。その後、CPU51は、普通動作処理(S16)を終了する。
【0072】
尚、右始動入賞口21が開放中であると判断された場合、CPU51は、右始動入賞口21の開放処理時間が経過(終了)したか否かを判断して、右始動入賞口21の球受可動部材を後退状態にする。その後、CPU51は、普通動作処理(S16)を終了する。
【0073】
上述したように、割込み処理において、普通動作処理(S16)を終了すると、CPU51は、特別動作処理を実行する(
図8参照)。ここで、特別動作処理(S17)の処理内容について、
図10を参照しつつ詳細に説明する。
【0074】
図10に示すように、特別動作処理(S17)に移行すると、CPU51は、特別動作ステータスが1〜4の何れであるかを判断する(S41、S43、S45)。前記特別動作ステータスが1の場合(S41:YES)、CPU51は、特別図柄待機処理(S42)を実行する。前記特別動作ステータスが2の場合(S43:YES)、CPU51は、変動中処理(S44)を実行する。前記特別動作ステータスが3の場合(S45:YES)、CPU51は、特別図柄確定処理(S46)を実行する。特別動作ステータスが4の場合(S45:NO)、CPU51は、特別電動役物処理(S47)を実行する。特別図柄待機処理(S42)、変動中処理(S44)、特別図柄確定処理(S46)、特別電動役物処理(S47)の何れかを実行した後、CPU51は、特別動作処理(S17)を終了し、割込み処理における保留球数処理(S18)に処理を移行する。
【0075】
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S42)の処理内容について、
図11を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄待機処理(S42)に移行すると、CPU51は、
図11に示すように、特別図柄保留球数が0か否かを判断する(S51)。特別図柄保留球数が0でない場合(S51:NO)、CPU51は、特別図柄大当たり判定処理(S52)を実行する。特別図柄保留球数が0である場合(S51:YES)、CPU51は、S60に処理を移行する。
【0076】
特別図柄大当たり判定処理(S52)の処理内容について、
図12を参照しつつ詳細に説明する。
図12に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S52)に移行すると、CPU51は、先ず、主制御基板50のRAMから、取得している大当たり乱数値をロードし(S71)、大当たり判定値テーブルのアドレスをセットする(S72)。
【0077】
その後、CPU51は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、現在確変中(高確率状態)であるか否かを確認する(S73)。確変中ではない低確率状態である場合(S73:NO)、CPU51は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、低確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S74)。具体的には、CPU51は、ロードした大当たり乱数値が3、397(奇数)の何れかであった場合に、低確率状態での大当たりであると判断する。低確率状態での大当たりである場合(S74:YES)、CPU51は、大当たりフラグをONにセットして、主制御基板50のRAMに形成された送信バッファに、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の何れかを示す当たりコマンドを格納し(S76)、その後、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。一方、低確率状態での大当たりでない場合(S74:NO)、CPU51は、「特別図柄外れ」のコマンドを、主制御基板50のRAMに形成された送信バッファにセットし、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。
【0078】
確変中(高確率状態)である場合(S73:YES)、CPU51は、ロードした大当たり乱数値に基づいて、高確率状態での大当たりであるか否かを判断する(S75)。具体的には、CPU51は、ロードした大当たり乱数値が3、397、33、53、59、113、173、227、281、337、449、503(奇数)の何れかであった場合に、高確率状態での大当たりであると判断する。高確率状態での大当たりである場合(S75:YES)、CPU51は、大当たりフラグをONにセットし、主制御基板50の送信バッファに、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の何れかを示す当たりコマンドを格納する(S76)。その後、CPU51は、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。一方、高確率状態での大当たりでない場合(S75:NO)、CPU51は、「特別図柄外れ」のコマンドを、主制御基板50のRAMに形成された送信バッファにセットし、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了する。尚、特別図柄表示部11における特別図柄の組み合わせが大当たりとなる抽選確率は、低確率時は1/315であり、最高確率時は6/315の2種類である。
【0079】
特別図柄待機処理(S42)において、特別図柄大当たり判定処理(S52)を終了すると、CPU51は、変動パターン選択処理(S53)を実行し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動パターンを設定する。ここで、変動パターン選択処理(S53)の処理内容について、
図13を参照しつつ詳細に説明する。
【0080】
図13に示すように、変動パターン選択処理(S53)に移行すると、CPU51は、主制御基板50のRAMを参照して、通常状態であるか否かを判断する(S81)。通常状態である場合(S81:YES)、CPU51は、S82に処理を移行する。通常状態でなく確変中である場合(S81:NO)、CPU51は、S87に処理を移行する。
【0081】
S82に移行すると、CPU51は、主制御基板50のRAMを参照して、大当たりフラグがONであるか否かを判断する。大当たりフラグがONである場合(S82:YES)、CPU51は、通常状態中の当たりに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第1変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S83)。その後、CPU51は、S92に処理を移行する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S82:NO)、CPU51は、S84に処理を移行する。
【0082】
S84では、CPU51は、主制御基板50のRAMを参照して、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致しているか否かを判断する。リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致している場合(S84:YES)、CPU51は、通常状態中のリーチハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第2変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S85)。その後、CPU51は、S92に処理を移行する。一方、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致していない場合(S84:NO)、CPU51は、通常状態中のハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第3変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S86)。その後、CPU51は、S92に処理を移行する。
【0083】
S87に移行すると、CPU51は、主制御基板50のRAMを参照して、大当たりフラグがONであるか否かを判断する。大当たりフラグがONである場合(S87:YES)、CPU51は、確変中の当たりに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第4変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S88)。その後、CPU51は、S92に処理を移行する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S87:NO)、CPU51は、S89に処理を移行する。
【0084】
S89では、CPU51は、主制御基板50のRAMを参照して、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致しているか否かを判断する。リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致している場合(S89:YES)、CPU51は、確変中のリーチハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第5変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S90)。その後、CPU51は、S92に処理を移行する。一方、リーチ乱数とリーチ成立乱数値が一致していない場合(S89:NO)、CPU51は、確変中のハズレに係る複数の変動パターンにより構成されたテーブル(第6変動パターンテーブル)から、変動パターンカウンタ値に基づいて、変動パターンを選択する(S91)。その後、CPU51は、S92に処理を移行する。
【0085】
S92においては、CPU51は、選択した変動パターンに応じたコマンドを、主制御基板50の送信バッファにセットし、続いて、その他の処理(S93)を実行する。その後、CPU51は、変動パターン選択処理(S53)を終了し、特別図柄選択処理(S54)に処理を移行する。
【0086】
S54に移行すると、CPU51は、特別図柄選択処理を実行し、前記特別図柄表示部11で停止表示する特別図柄を決定する。ここで、特別図柄選択処理(S54)の処理内容について、
図14を参照しつつ詳細に説明する。
【0087】
図14に示すように、特別図柄選択処理(S54)に移行すると、CPU51は、主制御基板50のRAMに形成された大当たりフラグがONであるか否かを判断する(S101)。大当たりフラグがONである場合(S101:YES)、CPU51は、S102に処理を移行する。大当たりフラグがONでない場合(S101:NO)、CPU51は、S103に処理を移行する。
【0088】
S102においては、CPU51は、左始動入賞口20(右始動入賞口21)への入賞検出時に取得した大当たり図柄乱数値を、主制御基板50の送信バッファに格納する。この時、CPU51は、左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が大当たり図柄乱数値と同じ特別図柄(ゾロ目)になるように格納する。その後、CPU51は、その他の処理(S113)を実行し、特別図柄選択処理(S54)を終了する。
【0089】
S103に移行すると、CPU51は、主制御基板50のRAMから、左特別図柄を示す特別図柄データ(1)と、中特別図柄を示す特別図柄データ(2)と、右特別図柄を示す特別図柄データ(3)を取得し、S104に処理を移行する。
【0090】
S104では、CPU51は、特別図柄データ(1)、特別図柄データ(2)、特別図柄データ(3)として取得した3つの乱数値が一致しているか否かを判断する。3つの乱数値が一致している場合(S104:YES)、CPU51は、S105に処理を移行する。3つの乱数値が一致していない場合(S104:NO)、CPU51は、S108に処理を移行する。
【0091】
S105においては、CPU51は、左始動入賞口20(右始動入賞口21)への入賞検出時に取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S105:YES)、CPU51は、特別図柄データ(1)に係る乱数値に1加算したものを中特別図柄として、主制御基板50の送信バッファに格納する(S106)。その後、CPU51は、その他の処理(S113)を実行し、特別図柄選択処理(S54)を終了する。この時、左特別図柄、右特別図柄は同じ特別図柄であり、中特別図柄のみ異なる図柄となる為、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示す。
【0092】
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S105:NO)、CPU51は、特別図柄データ(1)に係る乱数値に1加算したものを右特別図柄として、主制御基板50の送信バッファに格納する(S107)。その後、CPU51は、その他の処理(S113)を実行し、特別図柄選択処理(S54)を終了する。この場合、左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄が強制的に全て異なる特別図柄となる為、所謂「リーチなし外れ」の組み合わせを示す。
【0093】
S108においては、CPU51は、左特別図柄に係る特別図柄データ(1)と、右特別図柄に係る特別図柄データ(3)が一致しているか否かを判断する。特別図柄データ(1)と特別図柄データ(3)が一致している場合(S108:YES)、CPU51は、S109に処理を移行する。特別図柄データ(1)と特別図柄データ(3)が一致していない場合(S108:NO)、CPU51は、S111に処理を移行する。
【0094】
S109に移行すると、CPU51は、左始動入賞口20(右始動入賞口21)への入賞検出時に取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S109:YES)、CPU51は、S103で取得した特別図柄データ(1)〜(3)を、主制御基板50の送信バッファにそのまま格納する(S110)。その後、CPU51は、その他の処理(S113)を実行し、特別図柄選択処理(S54)を終了する。この場合、送信バッファには、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示すデータが格納される。
【0095】
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S109:NO)、CPU51は、S107に処理を移行し、所謂「リーチなし外れ」の組み合わせを示す特別図柄データを、主制御基板50の送信バッファに格納する。その後、CPU51は、その他の処理(S113)を実行し、特別図柄選択処理(S54)を終了する。
【0096】
S111においては、CPU51は、左始動入賞口20(右始動入賞口21)への入賞検出時に取得したリーチ乱数値が予め設定されたリーチ成立乱数値と一致しているか否かを判断する。リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致している場合(S111:YES)、CPU51は、右特別図柄に係る特別図柄データ(3)を、左特別図柄に係る特別図柄データ(1)と同値とし、中特別図柄に係る特別図柄データ(2)を、特別図柄データ(1)に1加算した値として、主制御基板50の送信バッファに格納する(S112)。その後、CPU51は、その他の処理(S113)を実行し、特別図柄選択処理(S54)を終了する。
【0097】
一方、リーチ乱数値がリーチ成立乱数値と一致していない場合(S111:NO)、CPU51は、S110に処理を移行し、所謂「リーチ外れ」の組み合わせを示す特別図柄データを、主制御基板50の送信バッファに格納する。その後、CPU51は、その他の処理(S113)を実行し、特別図柄選択処理(S54)を終了する。
図11に示すように、特別図柄選択処理(S54)を終了した後、CPU51は、特別図柄乱数シフト処理(S55)に処理を移行する。
【0098】
特別図柄乱数シフト処理(S55)では、主制御基板50のRAMにおける特別図柄保留球数のデータ記憶領域において、ロード順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄変動保留のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、CPU51は、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄変動保留のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトを実行する。
【0099】
具体的には、特別図柄乱数シフト処理(S55)に移行すると、CPU51は、先ず、当否判定の判定結果に基づく特別図柄の変動表示が実行されたことにより、前記主制御基板50のRAMに記憶されていた特別図柄保留球数から1減算する。その後、CPU51は、各保留に対応するデータを、各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトする。続いて、CPU51は、最上位(ロード順位が最後、本実施形態では4個目)の保留に対応するRAMアドレスに0をセットする。その後、CPU51は、特別図柄乱数シフト処理(S55)を終了し、S56に処理を移行する。
【0100】
図11に示すように、S56に移行すると、CPU51は、特別図柄変動開始処理を実行し、その後、特別図柄の変動開始に必要な変動コマンドをセットする(S57)。次いで、CPU51は、特別動作ステータスを2に設定して(S58)、待機中を解除する(S59)。その後、CPU51は、特別図柄待機処理(S42)を終了する。
【0101】
特別図柄待機処理(S42)において、特別図柄保留球数が0と判断された場合(S51:YES)、CPU51は、特別図柄表示部11が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中であるか否を判断する(S60)。待機画面(待ち受け画面)中である場合(S60:YES)、CPU51は、特別図柄待機処理(S42)を終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合(S60:NO)、CPU51は、待機画面設定処理(S61)を実行し、特別図柄表示部11を待機画面(待ち受け画面)にすると共に、待機中をセットする。待機画面設定処理(S61)は、この設定処理(S61)がなされてから所定時間の間、前記左始動入賞口20(右始動入賞口21)に対する入球検出がない場合に、待ち受け画面をセットするコマンドを出力する処理である。その後、CPU51は、この特別図柄待機処理(S42)を終了する。
【0102】
次に、特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S44)の処理内容について、
図15を参照しつつ詳細に説明する。変動中処理(S44)に移行すると、CPU51は、先ず、特別図柄の変動時間(変動態様の変動時間)が終了したか否か(即ち、動作タイマの値が0であるか否か)を判断する(S121)。変動時間が終了している場合(S121:YES)、CPU51は、変動停止コマンドをセットし(S122)、特別動作ステータスを3にセットする(S123)。その後、CPU51は、その他の処理(S124)を実行し、変動中処理(S44)を終了する。一方、変動時間中である場合(S121:NO)、CPU51は、そのまま変動中処理(S44)を終了する。
【0103】
続いて、特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S46)の処理内容について、
図16を参照しつつ詳細に説明する。特別図柄確定処理(S46)に移行すると、CPU51は、先ず、主制御基板50のRAMを参照して、大当たりフラグがONか否か(即ち、大当たりか否か)を判断する(S131)。大当たりフラグがONである場合(S131:YES)、CPU51は、ラウンドカウンタをセットして(S132)、特別動作ステータスを4にセットする(S133)。その後、CPU51は、特別図柄確定処理(S46)を終了する。一方、大当たりフラグがONでない場合(S131:NO)、CPU51は、特別動作ステータスを1にセットし(S134)、その後、特別図柄確定処理(S46)を終了する。
【0104】
特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S47)の処理内容について、
図17を参照しつつ詳細に説明する。特別電動役物処理(S47)に移行すると、CPU51は、先ず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判断する(S141)。大当たり終了フラグがONである場合(S141:YES)、CPU51は、S154に処理を移行する。一方、大当たり終了フラグがONでない場合(S141:NO)、CPU51は、S142に処理を移行する。
【0105】
S142においては、CPU51は、現在、大入賞口(即ち、左大入賞口25、右大入賞口31)が開放中か否かを判断する。大入賞口(即ち、左大入賞口25、右大入賞口31)が閉鎖中である場合(S142:NO)、CPU51は、大入賞口(即ち、左大入賞口25、右大入賞口31)の開放時間か否かを判断する(S143)。一方、大入賞口が開放中である場合(S142:YES)、CPU51は、S147に処理を移行する。
【0106】
大入賞口の開放時間である場合(S143:YES)、CPU51は、右大入賞口31の開放ラウンドであるか否かを判断する。右大入賞口31の開放ラウンドである場合(S143)、CPU51は、右大入賞口開放処理を実行し(S145)、特別入賞装置30の右大入賞口31に配設されている開閉部材31Aを所定の時間間隔で開閉動作させ、右大入賞口31への入賞(即ち、特別入賞装置30内への入賞)を可能とする。右大入賞口開放処理(S145)を終了すると、CPU51は、そのまま、特別電動役物処理(S47)を終了する。
【0107】
一方、左大入賞口25の開放ラウンドである場合(S143:NO)、CPU51は、左大入賞口開放処理(S146)を実行し、左大入賞口25の開閉板26を所定の時間間隔で動作させることで、左大入賞口25を開放する。その後、CPU51は、特別電動役物処理(S47)を終了する。一方、大入賞口の開放時間となっていない場合(S143:NO)、CPU51は、そのまま、特別電動役物処理(S47)を終了する。
【0108】
大入賞口(即ち、左大入賞口25、右大入賞口31)が開放中であると判断された場合(S142:YES)に移行するS147においては、CPU51は、大入賞口に10個遊技球が入賞したか否か(S147)、若しくは、ラウンド終了時間(例えば、30秒)経過したか否か(S148)の何れかであるか否かを判断する。10個の入賞でもなく、ラウンド終了時間も経過していない場合(S147:NO、S148:NO)、CPU51は、そのまま特別電動役物処理(S47)を終了する。一方、大入賞口に遊技球が10個入賞した、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合(S147:YES又はS148:YES)、CPU51は、大入賞口閉鎖処理(S149)を実行し、大入賞口(即ち、左大入賞口25、右大入賞口31)の閉鎖を指示するコマンドを出力バッファにセットする。その後、CPU51は、ラウンドカウンタの値から1減算する(S150)。
【0109】
続くS151においては、CPU51は、主制御基板50のRAMを参照し、ラウンドカウンタが0か否かを判断する。ラウンドカウンタが0である場合(S151:YES)、CPU51は、大当たり終了処理(S152)を実行し、大当たり終了フラグをONにセットする(S153)。その後、CPU51は、特別電動役物処理(S47)を終了する。一方、ラウンドカウンタが0でない場合(S201:NO)、CPU51は、そのまま特別電動役物処理(S47)を終了する。
【0110】
特別電動役物処理(S47)において、大当たり終了フラグがONである場合(S141:YES)に移行するS154においては、CPU51は、大当たり終了設定処理を実行する。ここで、大当たり終了設定処理の処理内容について、
図18を参照しつつ詳細に説明する。
【0111】
図18に示すように、大当たり終了設定処理(S154)に移行すると、CPU51は、まず、大当たり終了フラグをOFFにセットし(S161)、続いて、大当たりフラグをOFFにセットする(S162)。続くS163においては、CPU51は、特別入賞装置30内のV入賞口33に対して、遊技球が入賞したか否かを判断する。V入賞口33への入賞を検出した場合(S163:YES)、CPU51は、確変フラグをONにセットし(S164)、S166に処理を移行する。V入賞口33への入賞を検出していない場合(S163:NO)、CPU51は、確変フラグをOFFにセットし(S165)、S166に処理を移行する。S166では、CPU51は、特別動作ステータスを1にセットし、大当たり終了設定処理(S154)を終了する.その後、CPU51は、大当たり終了設定処理(S154)の終了と同時に、特別電動役物処理(S47)及び特別動作処理(S17)を終了する。
【0112】
図8に示すように、特別動作処理(S17)を終了すると、CPU51は、保留球数処理(S18)を実行する。保留球数処理(S18)においては、
図19に示すように、CPU51は、先ず、現在の保留球数をロードし(S171)、保留球数を出力バッファにセットする(S172)。保留球数を、主制御基板50の送信バッファにセットした後、CPU51は、保留球数処理(S18)を終了し、電源断監視処理(S19)に処理を移行する。
【0113】
電源断監視処理(S19)では、CPU51は、
図20に示すように、先ず、電源断信号が入力されたか否か(例えば、電源断状態が12ms継続したか否か)を判断する(S181)。電源断信号が入力された場合(S181:YES)、CPU51は、現在の遊技状態等を示すデータを、主制御基板50のRAMに格納し(S182)、電源断フラグをONにセットする(S183)。その後、CPU51は、処理の進行を無限ループさせることで、遊技機1を待機状態にする。一方、電源断信号が入力されていない場合(S181:NO)、CPU51は、そのまま電源断監視処理(S19)を終了する。
【0114】
図8に示すように、電源断監視処理(S19)を終了すると、CPU51は、その他の処理(S20)を実行して、遊技機1での遊技を制御する上で必要なその他の処理を行った後、割り込み処理(S5)を終了する。
【0115】
次に、サブ制御基板60のサブCPU61によって実行されるサブ制御基板60のメイン処理プログラムについて、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る遊技機1における制御処理の他の一部は、サブ制御基板60のサブCPU61によって、各種制御プログラム(
図21〜
図26、
図28、
図29参照)を実行することによって実現される。
【0116】
先ず、遊技機1におけるサブ制御基板60のメイン処理について、
図21を参照しつつ説明する。サブ制御基板60におけるメイン処理においては、サブ制御基板60のサブCPU61は、先ず、初期化処理を実行する(S201)。当該初期化処理(S201)では、サブCPU61は、スタックの設定、定数設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。その後、サブCPU61は、S202に処理を移行する。
【0117】
S202においては、サブCPU61は、電源断信号がONであり、且つ、サブ制御基板60のRAMの記憶内容が正常であるか判断する。電源断信号は、電源基板に電源を投入すると、電源基板からサブ制御基板60に送信される。電源断信号がONであり、RAMの記憶内容が正常である場合(S202:YES)、サブCPU61は、そのまま、S204に処理を移行する。一方、RAMの記憶内容が正常でない場合(S202:NO)、サブCPU61は、サブ制御基板60のRAMを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値をリセットする(S203)。その後、サブCPU61は、S204に処理を移行する。尚、S201〜S203に係る処理は、電源投入後の最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されない
【0118】
S201〜S203の処理を終了すると、サブCPU61は、割込み禁止処理(S204)、乱数シード更新処理(S205)、コマンド送信処理(S206)、割込み許可処理(S207)を実行し、その後、再び、割込み禁止処理(S204)に処理を戻す。割込み許可処理(S207)の後、割込み禁止処理(S204)へ処理を戻す過程で、サブCPU61は、所定の条件の下で、受信割込み処理(S208)、10msタイマ割り込み処理(S209)、2msタイマ割り込み処理(S210)を実行する。
【0119】
割込み禁止処理(S204)では、サブCPU61は、割込み許可となるまで、受信割込み処理(S208)、10msタイマ割り込み処理(S209)、2msタイマ割り込み処理(S210)の実行を禁止する。その後、サブCPU61は、S205に処理を移行する。
【0120】
S205に移行すると、サブCPU61は、乱数シード更新処理を実行する。乱数シード更新処理(S205)では、サブCPU61は、サブ制御基板60に設けられている各種カウンタや、予告内容を決定する為の予告乱数値を含む各種乱数値を更新する。乱数値は、設定最大値に至ると、最小値に戻り、再び更新処理(加算処理)の対象となる。
【0121】
S206においては、サブCPU61は、コマンド送信処理を実行する。コマンド送信処理(S206)では、サブCPU61は、表示制御基板65、音声制御基板70、払出制御基板75、発射制御基板80、ランプ制御回路に対して、各種コマンドを送信する。その後、サブCPU61は、割込み許可処理(S207)を行い、その後、S204〜S207の処理を無限ループで繰り返す。
【0122】
S204〜S207の処理を無限ループで繰り返す際に、主制御基板50からストローブ信号(STB信号)を受信すると、サブCPU61は、10msタイマ割込み処理(S209)、2msタイマ割込み処理(S210)に優先して、受信割込み処理(S208)を実行する。又、サブCPU61は、10msec周期の割込みパルスがサブ制御基板60に入力される度に、10msタイマ割込み処理(S209)を実行する。尚、サブCPU61は、2msタイマ割込み処理(S210)間の残余時間に割り込んで、10msタイマ割り込み処理(S209)を実行する。更に、サブCPU61は、2msec周期の割込みパルスがサブ制御基板60に入力される度に、2msタイマ割込み処理(S210)を実行する。尚、サブCPU61は、10msタイマ割込み処理(S209)より優先して、2msタイマ割り込み処理(S210)を実行する。
【0123】
続いて、受信割込み処理(S208)の処理内容について、
図22を参照しつつ詳細に説明する。
図22に示すように、受信割込み処理(S208)に移行すると、先ず、サブCPU61は、ストローブ信号(STB信号)がONであるか否かを判断する(S211)。STB信号がONである場合(S211:YES)、サブCPU61は、主制御基板50からサブ制御基板60に対して送信された制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、サブ制御基板60のRAMに格納する(S212)。その後、サブCPU61は、受信割込み処理(S208)を終了する。一方、STB信号がONでない場合(S211:NO)、サブCPU61は、そのまま受信割込み処理(S208)を終了する。
【0124】
次に、10msタイマ割込み処理(S209)について、
図23を参照しつつ詳細に説明する。
図23に示すように、10msタイマ割込み処理(S209)に移行すると、サブCPU61は、サブ制御基板60に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に、メインコマンド解析処理(S221)、ランプデータの作成やランプ演出の時間管理等を行うランプ処理(S222)、その他の受信コマンドに対応するその他の処理(S223)を実行する。その他の処理(S223)を終了すると、サブCPU61は、10msタイマ割込み処理(S209)を終了する。
【0125】
メインコマンド解析処理(S221)では、サブCPU61は、当該遊技機1において、変動期間内に行われる予告演出の内容を設定する処理等を行う。続いて、当該メインコマンド解析処理(S221)の処理内容について、
図24を参照しつつ詳細に説明する。
【0126】
図24に示すように、メインコマンド解析処理(S221)に移行すると、サブCPU61は、受信コマンドがあるか否かを判断する(S231)。受信コマンドがある場合(S231:YES)、サブCPU61は、S232に処理を移行する。一方、受信コマンドがない場合(S231:NO)、サブCPU61は、そのままメインコマンド解析処理(S221)を終了する。
【0127】
S232においては、サブCPU61は、受信コマンドが小当たりコマンドであるか否かを判断する。受信コマンドが小当たりコマンドである場合(S232:YES)、サブCPU61は、小当たりコマンド処理(S233)に処理を移行する。一方、受信コマンドが小当たりコマンドではない場合(S232:NO)、サブCPU61は、S234に処理を移行する。
【0128】
ここで、小当たりコマンド処理(S233)の処理内容について、
図25を参照しつつ詳細に説明する。
図25は、小当たりコマンド処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0129】
小当たりコマンド処理(S233)に移行すると、サブCPU61は、まず、小当たり乱数値に基づいて、小当たりに当選しているか否かを判断する(S241)。小当たりに当選している場合(S241:YES)、サブCPU61は、ポイント獲得演出を設定する。ここで、ポイント獲得演出とは、1回分の小当たり当選に相当するポイントを獲得した旨を示す演出であり、後述するように、流下規制部材35が開放位置に向かって一段階移動したことを示唆する。ポイント獲得演出を設定した後、サブCPU61は、S243に処理を移行する。一方、小当たりに当選していない場合(S241:NO)、サブCPU61は、そのまま小当たりコマンド処理(S233)を終了し、同時に、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
【0130】
S243に移行すると、サブCPU61は、流下規制部材位置変更処理を実行し、サブ制御基板60のRAMに記憶されている小当たりカウンタ(小当たりの当選回数)に基づいて、特別入賞装置30内における流下規制部材35の位置を変更する。上述したように、当該遊技機1は、ステッピングモータ36に入力するパルス信号を制御することによって、流下規制部材35を、スリット孔32Aに沿って、段階的に移動させる。具体的に説明すると、本実施形態において、流下規制部材35は、閉鎖位置に相当する初期位置Ps、第1位置Pa、第2位置Pb、第3位置Pc、第4位置Pdと、開放位置である第5位置Peに位置し得る(
図27参照)。
【0131】
初期位置Psは、小当たりカウンタが0の場合(即ち、小当たり当選回数が0回)における流下規制部材35の位置であり、流下規制部材35がV入賞口33の直上を閉鎖する位置である。従って、流下規制部材35が初期位置Psに位置する場合、V入賞口33に対する遊技球の入賞が困難な状態となる(例えば、
図3参照)。
【0132】
そして、第1位置Paは、小当たりカウンタが1の場合(即ち、小当たり当選回数が1回)における流下規制部材35の位置であり、
図27に示すように、初期位置Psよりもやや右側の位置である。そして、第2位置Pbは、小当たりカウンタが2の場合(即ち、小当たり当選回数が2回)における流下規制部材35の位置であり、第1位置Paよりもやや右側の位置である。第3位置Pcは、小当たりカウンタが3の場合(即ち、小当たり当選回数が3回)における流下規制部材35の位置であり、第2位置Pbよりもやや右側の位置である。又、第4位置Pdは、小当たりカウンタが4の場合(即ち、小当たり当選回数が4回)における流下規制部材35の位置であり、第3位置Pcよりもやや右側の位置を示す。
【0133】
従って、当該流下規制部材35は、小当たり当選回数が1回から4回まで順次増加する毎に、第1位置Pa、第2位置Pb、第3位置Pc、第4位置Pdの順に、スリット孔32Aに沿って右側へ段階的にスライド移動する。尚、第1位置Pa〜第4位置Pdに位置する場合、V入賞口33の上方において、流下規制部材35の左端部との間に形成される開口幅は、少なくとも遊技球の直径よりも短くなるように設定されている。つまり、流下規制部材35が第1位置Pa〜第4位置Pdに位置する場合、流下規制部材35の一部がV入賞口33の直上に位置して、入賞困難な状態を形成する。
【0134】
図27に示すように、第5位置Peは、小当たりカウンタが5の場合(即ち、小当たり回数が所定回数である5回)における流下規制部材35の位置であり、流下規制部材35がスリット孔32Aの右端まで移動した位置を示す。この第5位置Peに位置する場合、流下規制部材35は、V入賞口33の上方に位置することはなく、V入賞口33の上方を開放し遊技球が入賞可能な開放位置に位置する。尚、この第5位置Peに位置する場合、V入賞口33の上方において、流下規制部材35の左端部との間に形成される開口幅は、少なくとも遊技球の直径よりも長くなるように設定されている。
【0135】
つまり、流下規制部材位置変更処理(S243)においては、サブCPU61は、サブ制御基板60のRAMに形成された小当たりカウンタの値に基づいて、ステッピングモータ36の駆動制御を行い、第1位置Pa〜第5位置Peの内、当該小当たりカウンタの値に対応する位置に、流下規制部材35をスライド移動させる。流下規制部材位置変更処理(S243)を終了すると、サブCPU61は、S244に処理を移行する。
【0136】
S244においては、サブCPU61は、特別入賞装置30内のV入賞口33に向かって遊技球が通過可能な開口幅であるか否かを判断する。即ち、サブCPU61は、流下規制部材35の位置が、
図27における第5位置Peであるか否かを判断する。V入賞口33に向かって遊技球が通過可能な開口幅である場合(S244:YES)、サブCPU61は、S245に処理を移行する。一方、V入賞口33に向かって遊技球が通過不能な開口幅(即ち、流下規制部材35の位置が初期位置Ps及び第1位置Pa〜第4位置Pdの何れかの位置)である場合(S244:NO)、サブCPU61は、そのまま小当たりコマンド処理(S233)を終了すると同時に、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
【0137】
S245に移行すると、サブCPU61は、流下規制部材35の位置が開放位置である第5位置Peに位置することに基づいて、確変確定演出を設定する。ここで、確変確定演出は、V入賞口33に対して遊技球が入賞可能な状態(即ち、流下規制部材35が第5位置Pe)であることを報知すると共に、遊技球を、右大入賞口31を介して、特別入賞装置30内に入賞させると、確変を獲得できることを示唆する。確変確定演出を設定した後、サブCPU61は、小当たりコマンド処理(S233)を終了すると同時に、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
【0138】
図24に示すように、メインコマンド解析処理(S221)において、S234に移行すると、サブCPU61は、受信コマンドが大当たりラウンドコマンドであるか否かを判断する。受信コマンドが大当たりラウンドコマンドである場合(S234:YES)、サブCPU61は、大当たりラウンド処理(S235)に処理を移行する。一方、受信コマンドが大当たりラウンドコマンドではない場合(S2345:NO)、サブCPU61は、S236に処理を移行する。
【0139】
S235に移行すると、サブCPU61は、大当たりラウンド処理を実行することにより、大当たりラウンド中の演出設定や、大当たりラウンド中における流下規制部材35の開閉動作制御を行う。大当たりラウンド処理(S235)の処理内容について、
図26を参照しつつ詳細に説明する。
【0140】
大当たりラウンド処理(S235)では、サブCPU61は、まず、大当たりラウンドコマンドに基づいて、当該大当たりラウンドが右大入賞口開放ラウンドであるか否かを判断する(S251)。右大入賞口開放ラウンドである場合(S251:YES)、サブCPU61は、S252に処理を移行し、大当たりラウンドに対する演出内容として、右大入賞口開放ラウンドであることを示す演出を設定する。その後、サブCPU61は、S253に処理を移行する。一方、右大入賞口開放ラウンドではなく、左大入賞口開放ラウンドである場合(S251:NO)、サブCPU61は、S254に処理を移行する。
【0141】
S253においては、サブCPU61は、流下規制部材開閉処理を実行し、右大入賞口開放ラウンド中における流下規制部材35の開閉動作制御を行う。ここで、流下規制部材開閉処理(S253)の処理内容について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図28は、流下規制部材開閉処理のフローチャートである。
【0142】
流下規制部材開閉処理(S253)に移行すると、サブCPU61は、まず、特別入賞装置30内において、流下規制部材35が開放位置(即ち、第5位置Pe)に位置するか否かを判断する(S261)。流下規制部材35が開放位置(第5位置Pe)に位置する場合(S261:YES)、サブCPU61は、流下規制部材35の位置を開放位置に維持したままにして、そのまま流下規制部材開閉処理(S253)を終了すると共に、大当たりラウンド処理(S235)を終了する。一方、流下規制部材35が閉鎖位置(初期位置Ps、第1位置Pa〜第4位置Pdの何れか)に位置し、開放位置に位置していない場合(S261:NO)、サブCPU61は、S262に処理を移行する。
【0143】
S262においては、サブCPU61は、今回の大当たりラウンドに係る大当たり乱数値等に基づいて、大当たり図柄が確変図柄であるか否かを判断する。大当たり図柄が確変図柄である場合(S262:YES)、サブCPU61は、S263に処理を移行する。一方、大当たり図柄が確変図柄ではない場合(S262:NO)、サブCPU61は、S264に処理を移行する。
【0144】
S263に移行すると、サブCPU61は、大当たり図柄が確変図柄であることに基づいて、閉鎖位置(初期位置Ps、第1位置Pa〜第5位置Peの何れか)に位置する流下規制部材35を、開放位置である第5位置へ移動させるように設定する。その後、サブCPU61は、流下規制部材開閉処理(S253)を終了すると同時に、大当たりラウンド処理(S235)を終了する。そして、サブCPU61は、
図24に示すように、大当たりラウンド処理(S235)の終了に伴って、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
【0145】
S264においては、サブCPU61は、大当たり図柄が確変図柄ではない為、流下規制部材35の位置を、閉鎖位置(初期位置Ps、第1位置Pa〜第4位置Pdの何れか)に設定する。具体的には、サブCPU61は、閉鎖位置(初期位置Ps、第1位置Pa〜第4位置Pdの何れか)に位置する流下規制部材35を、そのまま維持する若しくは、初期位置Psに戻すことで閉鎖位置を維持する。その後、サブCPU61は、流下規制部材開閉処理(S253)を終了すると同時に、大当たりラウンド処理(S235)を終了する。そして、サブCPU61は、
図24に示すように、大当たりラウンド処理(S235)の終了に伴って、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
【0146】
尚、S264の処理内容としては、流下規制部材35の位置を制御して、V入賞口33に対して、遊技球が入賞困難な状態とすればよく、上記処理内容に限定されるものではない。例えば、流下規制部材35の位置を、右大入賞口31における開閉部材31Aの開閉動作と連動させて、遊技球がV入賞口33に入賞不能なタイミングでのみ、第5位置Peをとるように駆動制御してもよい。又、閉鎖位置に該当する初期位置Ps、第1位置Pa〜第4位置Pdの中で、流下規制部材35の位置を変更するように構成してもよい。
【0147】
再び
図24を参照しつつ、メインコマンド解析処理(S221)の処理内容について詳細に説明する。受信コマンドが大当たりラウンドコマンドではないと判断され(S234:NO)、S236に移行すると、サブCPU61は、受信コマンドが大当たりエンディングコマンドであるか否かを判断する。受信コマンドが大当たりエンディングコマンドである場合(S236:YES)、サブCPU61は、S237に処理を移行する。
【0148】
一方、受信コマンドが大当たりエンディングコマンドではない場合(S236:NO)、サブCPU61は、S239に処理を移行し、その他の受信コマンド(即ち、小当たりコマンド、大当たりラウンドコマンド、大当たりエンディングコマンドを除いた制御コマンド)に対応する処理を実行する。その他の受信コマンドに対応する処理(S239)を終了すると、サブCPU61は、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
【0149】
S237に移行すると、サブCPU61は、大当たりエンディングコマンドに従って、大当たりラウンドを終了すべく、特別入賞装置30のステッピングモータ36を駆動制御して、流下規制部材35の位置を閉鎖位置(初期位置Ps)に設定する。具体的には、サブCPU61は、大当たりラウンドの終了に伴い、流下規制部材35の位置を初期化し、初期位置に戻すと共に、小当たりカウンタの値を0に初期化する。流下規制部材35を閉鎖位置に設定した後、サブCPU61は、S238に処理を移行し、大当たりエンディングコマンドに基づくその他の処理(大当たりラウンドの終了を示す演出設定等)を実行する。その後、サブCPU61は、メインコマンド解析処理(S221)を終了する。
【0150】
続いて、2msタイマ割込み処理(S210)について、
図29を参照しつつ詳細に説明する。
図29に示すように、2msタイマ割込み処理(S210)に移行すると、サブCPU61は、先ず、入力処理を実行する(S271)。入力処理(S271)では、サブCPU61は、操作ボタン等の入力データを作成し、サブ制御基板60のRAMに入力する。その後、サブCPU61は、S272に処理を移行する。
【0151】
S272においては、サブCPU61は、ランプデータ出力処理を実行する。ランプデータ出力処理(S272)では、サブCPU61は、10msタイマ割込み処理(S209)のランプ処理(S222)で作成したランプデータの出力を行う。その後、サブCPU61は、S273に処理を移行する。
【0152】
S273に移行すると、サブCPU61は、駆動出力処理を実行し、可動演出ユニット(図示せず)を構成する駆動モータの駆動パターン等を示す駆動データの作成、及び当該駆動データの出力を行う。その後、サブCPU61は、駆動出力処理(S273)を終了すると共に、2msタイマ割込み処理(S210)を終了する。
【0153】
以上説明したように、本実施形態に係る遊技機1は、図柄表示装置10の表示枠体における右下部に、特別入賞装置30を有しており、右始動入賞口21に遊技球が入賞した場合に発生した大当たり乱数に基づく当否判定の結果に従って、特別入賞装置30の右大入賞口31における開閉部材31Aを回動させ、右大入賞口31を遊技球が入賞容易に開放する。当該遊技機1は、右大入賞口31に入賞した遊技球が前記特別入賞装置30内に配置されたV入賞口33に入賞した場合に、遊技者に有利な確変状態に移行するように構成されている。
【0154】
本実施形態に係る遊技機1の特別入賞装置30は、
図3〜
図5に示すように、右大入賞口31と、遊技球流路32と、V入賞口33と、カウント入賞口34に加え、流下規制部材35と、ステッピングモータ36を有している。流下規制部材35は、ステッピングモータ36の駆動制御に伴い、右大入賞口31から入賞した遊技球がV入賞口33に向かって流下不能なように閉塞した閉鎖位置(例えば、初期位置Ps、第1位置Pa〜第4位置Pd)と、右大入賞口31から入賞した遊技球がV入賞口33に向かって流下可能に開放した開放位置(第5位置Pe)との間を、小当たり当選回数に応じて段階的に移動させ得るように構成されている(
図3〜
図5、
図27参照)。当該遊技機1は、小当たりに当選する毎に(S241:YES)、流下規制部材位置変更処理(S243)を実行し、小当たりの当選回数に応じて、初期位置Ps、第1位置Pa〜第5位置Peに向かって、流下規制部材35の位置を段階的に移動させる。この流下規制部材位置変更処理(S243)を実行する毎に、V入賞口33へ遊技球が入賞可能な状態に近づくことになるため、遊技機1は、V入賞口33への遊技球の入賞に伴う確変状態の付与に対する期待感を高め得る。
【0155】
当該遊技機1によれば、小当たりの当選回数が5回となった場合に、流下規制部材35の位置を、開放位置である第5位置Peに移動させる為、V入賞口33への遊技球の入賞に伴う確変状態の付与に対する期待感を高め得る。又、小当たりの当選回数が所定の5回となった場合に、確変状態へ移行しやすい状況となるため、一回の小当たりの当選は、確変状態に移行しやすい状況(即ち、流下規制部材35が開放位置に位置する状況)までの1ステップという意味合いを有する。従って、当該遊技機1によれば、所定回数(5回目)までの小当たりの当選に対して、従来とは異なる付加価値を付与することができ、小当たりの当選に係る期待感を高めることができる。
【0156】
そして、当該遊技機1によれば、流下規制部材35が、V入賞口33に遊技球が通過可能な開放位置(第5位置Pe)に移動した場合に(S244:YES)、確変確定演出を設定する(S245)為、流下規制部材35が開放位置(第5位置Pe)に変更され、確変状態に移行可能な状態であることを報知することができる。これにより、当該遊技機1によれば、確変確定演出によって、確変状態に移行可能な状態であることを遊技者が把握することができるので、確変状態への移行に対する期待感を更に高め得る。
【0157】
当該遊技機1によれば、当否判定の判定結果が大当たりであった場合に、通常遊技よりも有利な大当たりラウンドに移行する。そして、当該大当たりラウンド処理(S235)において、小当たり当選回数が所定の5回であり、流下規制部材35が開放位置に位置する状態(S261:YES)の場合、当該遊技機1は、大当たり種別乱数に基づく大当たり図柄が確変図柄か否かに関わらず、流下規制部材35の位置を開放位置(第5位置Pe)に維持する為、大当たりラウンド中においても、V入賞口33への遊技球の入賞に伴う確変状態の付与に対する期待感を高め得る。
【0158】
又、大当たりラウンド処理(S235)において、小当たり当選回数が5回未満で、流下規制部材35が閉鎖位置(初期位置Ps、第1位置Pa〜第4位置Pdの何れか)に位置する状態(S261:NO)の場合、当該遊技機1は、大当たり種別判定乱数に基づいて、大当たり図柄が確変図柄であるか否かを判断する(S262)。大当たり種別判定乱数が確変図柄に対応する値である場合(S262:YES)、遊技機1は、流下規制部材35の位置を制御して、遊技球がV入賞口33へ入賞可能な状態とする(S263)。一方、大当たり種別判定乱数が確変図柄に対応する値でない場合(S262:NO)、遊技機1は、流下規制部材35の位置を制御して、遊技球がV入賞口33へ入賞困難な状態とする(S264)。これにより、当該遊技機1によれば、小当たりの当選回数が所定の5回未満の場合における大当たりラウンド中においても、V入賞口33への遊技球の入賞に伴う確変状態への移行に対する期待感を高め得る。
【0159】
そして、当該遊技機1によれば、特別入賞装置30における流下規制部材35を移動させるための駆動源として、ステッピングモータ36を用いているので、従来の遊技機において駆動源として用いられていたソレノイドと異なり、
図27に示すような流下規制部材35の段階的な移動を実現し得る。
【0160】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、本発明に係る遊技機をパチンコ機に適用した例を用いて説明したが、この態様に限定されるものではない。
【0161】
又、上述した実施形態における流下規制部材35を開放位置へ移動させる為に要する小当たり当選回数は、上述した5回に限定されるものではなく、小当たりの当選回数を少なく設定することも可能であるし、多く設定することも可能である。又、流下規制部材35を開放位置へ移動させる為に要する小当たり当選回数は、既定値である必要はなく、種々の条件のもとで変更される構成とすることも可能である。
【0162】
又、上述した実施形態におけるポイント獲得演出(S242)や、確変確定演出(S245)の演出内容は、ポイント獲得演出、確変確定演出が示唆する報知内容を示すものであればよく、図柄表示装置10における映像、スピーカ45から発音される音声、ランプ制御回路による各種ランプの点灯態様等、種々の演出を組み合わせて構成し得る。
【解決手段】遊技機1は、図柄表示装置10の表示枠体に特別入賞装置30を有している。特別入賞装置30は、右大入賞口31、遊技球流路32、V入賞口33、カウント入賞口34、流下規制部材35、ステッピングモータ36を有している。流下規制部材35は、右大入賞口31を経て流下する遊技球がV入賞口33へ入賞困難な閉鎖位置と、当該遊技球がV入賞口33へ入賞可能な開放位置との間を、段階的に移動可能に構成されている。遊技機1は、小当たり当選の回数に応じて、前記閉鎖位置から前記開放位置に向かって段階的に、流下規制部材35の位置を変更させる。遊技機1は、所定回数の小当たり当選に伴い、流下規制部材35が開放位置に位置した場合、確変を獲得可能なことを示す確変確定演出を行う。