【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第
1特徴構成は、
販売対象植物を栽培する栽培ハウスに施設で発生した二酸化炭素を供給し、その二酸化炭素を栽培ハウス内の販売対象植物に吸収させることで施設から排出される二酸化炭素を削減し且つ販売対象植物の育成速度を増加させる二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムであって、
前記栽培ハウスを備えた植物利用型処理設備に関する情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、
前記植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額と栽培ハウス内で育成した販売対象植物の販売額とを合算した仮想収益と、前記植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用との差を評価値として演算するシミュレート手段と、
前記シミュレート手段による演算結果を出力する出力手段が備えられている点にある。
【0008】
上記構成によれば、植物利用型処理設備に関する情報の入力を入力手段で受け付けると、植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額と栽培ハウス内で育成した販売対象植物の販売額とを合算した仮想収益と、植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用との差を評価値としてシミュレート手段で演算し、その演算結果を出力手段で出力する。
【0009】
つまり、植物利用型処理設備の導入に伴う二酸化炭素取引(所謂、排出権取引)に係る費用の削減分と販売対象植物の販売額とを仮想収益とし、植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用を損失とした現状からの差益を評価値として演算することで、事業者に対して植物利用型処理設備を用いた二酸化炭素削減方法の適用効果を現状からの差益として分り易く示すことができ、これにより、事業者が施設から排出される二酸化炭素の削減に取り組むのを後押しすることができる。
なお、前記出力手段が出力する演算結果は、前記評価値に限らずそれを更に演算処理したもの等であってもよい。
【0010】
本発明の第
2特徴構成は、前記入力手段が、植物を用いずに二酸化炭素を処理する植物非利用型処理設備に関する情報の入力も受け付けるように構成され、
前記シミュレート手段が、前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、前記植物非利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額からなる第2仮想収益と、前記植物非利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンスに要する費用との差を第2評価値として演算するように構成されている点にある。
【0011】
上記構成によれば、植物非利用型処理設備に関する情報の入力を入力手段で受け付けると、植物非利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を金銭に換算した二酸化炭素削減額からなる第2仮想収益と、植物非利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用との差を第2評価値としてシミュレート手段で演算し、その演算結果を出力手段で出力する。
【0012】
つまり、植物非利用型処理設備の導入に伴う二酸化炭素取引に要する費用の削減分を仮想収益とし、植物非利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンスに要する費用を損失とした現状からの差益を第2評価値として演算することで、事業者に対して植物非利用型処理設備を用いた二酸化炭素削減方法の適用効果も示すことができ、これにより、事業者は植物非利用型処理設備と対比させて植物利用型処理設備を用いた二酸化炭素方法の適用効果を一層分り易く把握することができる。
なお、前記出力手段が出力する演算結果は、前記評価値や第2評価値に限らず、それらを処理したもの(例えば、評価値と第2評価値の差)等であってもよい。
【0013】
本発明の第
3特徴構成は、
販売対象植物を栽培する栽培ハウスに施設で発生した二酸化炭素を供給し、その二酸化炭素を栽培ハウス内の販売対象植物に吸収させることで施設から排出される二酸化炭素を削減し且つ販売対象植物の育成速度を増加させる二酸化炭素削減方法の適用効果をシミュレートするシミュレートシステムであって、
前記施設に関する情報と前記栽培ハウスを備えた植物利用型処理設備に関する情報の入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段で受け付けた情報に基づいて、
前記施設で発生する二酸化炭素発生量から前記植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を差し引いた設備導入後の施設からの二酸化炭素排出量を金銭に換算した二酸化炭素排出額と、前記植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用とを合算した仮想費用と、栽培ハウス内で育成した販売対象植物の販売額との差を評価値として演算し、更に、前記施設で発生する二酸化炭素発生量を金銭に換算した二酸化炭素排出額を現在評価値として演算するシミュレート手段と、
前記シミュレート手段による演算結果を出力する出力手段が備えられている点にある。
【0014】
上記構成によれば、植物利用型処理設備に関する情報と施設の関する情報の入力を入力手段で受け付けると、植物利用型処理設備の導入後の二酸化炭素排出額(つまり、前記施設で発生する二酸化炭素発生量から前記植物利用型処理設備の稼働による二酸化炭素処理量を差し引いた設備導入後の施設からの二酸化炭素排出量を金銭に換算した額)と植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス及び販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用とを合算した仮想費用と、販売対象植物の販売額との差をシミュレート手段で評価値として演算するとともに、植物利用型処理設備の導入前の二酸化炭素排出額(施設で発生する二酸化炭素発生量を金銭に換算した額)をシミュレート手段で現在評価値として演算し、その演算結果を出力手段で出力する。
【0015】
つまり、植物利用型処理設備の導入後の二酸化炭素排出額と植物利用型処理設備の導入・稼働・メンテナンス、及び、販売対象植物の育成・収穫・販売に要する費用とを仮想の損失とし、販売対象物の販売額を収益とした評価値を演算し、併せて、植物利用型処理設備の導入前の二酸化炭素排出額を現状の損失とした現状評価値を演算することで、事業者に対して植物利用型処理設備を用いた二酸化炭素削減方法の適用効果を現状との差として分り易く示すことができ、これにより、事業者が施設から排出される二酸化炭素の削減に取り組むのを後押しすることができる。
【0016】
本発明の第
4特徴構成は、前記シミュレート手段は、前記評価値として、販売対象植物としての薔薇をプリザーブドフラワーとして販売したときの評価値と、販売対象植物としての薔薇を生花として販売したときの評価値を算出可能に構成されている点にある。
【0017】
上記構成によれば、販売対象物としての評価の高い薔薇を、販売単価の高いプリザーブドフラワー(所謂、ブリザーブドフラワー)として販売した場合と、販売単価はプリザーブドフラワーを下回るも育成・収穫・販売に要する費用の少ない生花として販売した場合とを比較する形態で、施設から排出される二酸化炭素の削減に取り組み易い方法を探索することが可能になる。