【実施例】
【0019】
以下、本発明の一実施例が図面に基づいて説明される。
なお、物品としては、たとえば使い捨てオムツやパンツまたは生理用品(使い捨て着用物品)などのサニタリー製品が対象となる。
【0020】
図1Aに示すように、本物品の整列搬送装置は計数機3および排出機4を包含する集積部と、第1および第2搬送台L1,R1を含む圧縮搬送部とを包含する。
前記計数機3は前記搬送台L1,R1の往復方向Xに沿って物品Cを上流から下流に移動させながら前記物品Cを整列させて集合させる。
【0021】
前記計数機3はエンドレスのベルト30に所定間隔で多数取り付けられた仕切板33を有し、駆動ローラ34の回転により前記仕切板33が物品Cの搬送方向X0に回転する。前記各仕切板33,33の間には集合位置Pの上流において一対の搬送ベルト35から物品Cが次々に投入される。したがって、集合位置Pにおいては物品Cが所定数集まった
図7Aのような物品群Wが整列した状態で集合する。
【0022】
なお、物品群Wの集合方法は上記JP2006−264737Aに詳細に記述されており、その記述がここに組み込まれる。
【0023】
図1Aにおいて、前記集合位置Pには前記排出機4が設けられている。
この排出機4は前記集合位置Pにおいて整列した状態で集合した物品群Wを下流の受取位置P0に向かって排出する。
【0024】
前記排出機4は案内レール41およびプッシャー42を備える。前記案内レール41は前記集合位置Pから前記受取位置P0に向かうに従い前記計数機3の前記物品Cの搬送方向X0の下流に向かって斜めに傾いている。前記プッシャー42は前記案内レール41の延びる方向に沿って斜めに移動することで前記物品群Wを前記受取位置P0に向かって押し出す。前記プッシャー42の搬送方向X0の速度成分は、前記仕切板33の速度と同じ速度に設定される。なお、受取位置P0に押し出される物品群Wの各物品C,Cは非圧縮の状態である。
【0025】
前記一対の搬送台L1,R1は物品群Wの底面Wb(
図4B)を支える3つの台板51と、
図7Aの前記物品群Wの第1および第2の側面S1,S2に接して、これを支持する第1および第2の支持部10,20を備える。なお、
図7Aに示す受取位置P0においては、物品群Wの第1の側面S1に対して第1支持部10からの圧縮力が作用していない状態であり、また、物品群Wの第2の側面S2に対して第2支持部20からの圧縮力が作用していない状態である。
【0026】
図7A〜
図7Fに示すように、前記第1搬送台L1は前記受取位置P0と第1渡し位置P1との間を往復することで、前記物品群Wを前記受取位置P0で受け取って前記第1渡し位置P1まで搬送する。
一方、
図7A〜
図7Eに示すように、前記第2搬送台R1は前記受取位置P0と第2渡し位置P2との間を往復することで、前記物品群Wを前記受取位置P0で受け取って前記第2渡し位置P2まで搬送する。
【0027】
図2Aおよび
図2Bに示すように、前記第1および第2搬送台L1,R1の構造は本質的に互いに同様な構造であり、以下、第1搬送台L1について説明する。
なお、第2搬送台R1の構造は
図6A〜
図6Cに図示されている。また、
図1Aに示すように、第1渡し位置P1と第2渡し位置P2との間に受取位置P0が配置されている。
【0028】
図3に示すように、前記台板51は3つに分割されており、第1搬送台L1による物品群の圧縮方向X11に沿って延びる一対のスリット52を有する。なお、前記3つに分割された台板51は前記圧縮方向X11に直交し物品群の進入方向Yおよび排出方向Yに延びる第1および第2連結部材53,54によって互いに一体となるように組み立てられている。
【0029】
前記第1搬送台L1は前記第1および第2連結部材53,54に固定された摺動部(被案内部)55を有する。この摺動部55は物品群Wの搬送方向X1に沿って延びる搬送用のレール50に沿って摺動する。なお、
図3において、レール50の表面には網点が施されている。
【0030】
前記第1支持部10は
図4Aおよび
図4Bの第1クランプK1
Lおよび固定ブラケット56を介して、第1ベルト14に連結されている。前記第1ベルト14の回転により、第1搬送台L1は第1支持部10と共に後述する第1駆動装置によりX方向に往復移動される。
なお、各図において第1ベルト14および後述する第2ベルト24の表面には図を分かり易くするために網点が施されている。
【0031】
前記第1支持部10と第2支持部20とは互いに対面しており、前記第1支持部10は第1搬送台L1に固定されているのに対し、前記第2支持部20は第1搬送台L1に対して前記圧縮方向X11(
図3)およびその反対方向に往復移動可能に設けられている。
【0032】
前記第2支持部20は、
図4Aおよび
図4Bの第2クランプK2
Lおよび可動ブラケット61を介して、第2ベルト24に連結されている。前記第2ベルト24の回転により、第2支持部20は第1搬送台L1の第1駆動装置とは異なる第2駆動装置によりX方向に往復移動される。
【0033】
前記スリット52は第1搬送台L1の前記X方向の全域に設けられている。したがって、前記第2支持部20は前記第1搬送台L1の往復方向Xの概ね全域にわたって、つまり、第1搬送台L1の一方の端部から前記第1支持部10に接する位置までの間を往復移動可能となっている。
【0034】
図4Bおよび
図4Cに示すように、前記第1支持部10は前記物品群Wの第1の側面S1に接して前記第1の側面S1を支持する。
一方、前記第2支持部20は前記物品群Wの前記第1の側面S1とは反対側の第2の側面S2に接した状態で、
図7D〜
図7Eのように、前記第1の側面S1に向かって移動することで前記物品群Wを圧縮する。
【0035】
図3および
図5において、前記第2支持部20は前記スリット52を上下に貫通する可動ブラケット61を介して
図4Cの可動梁62に固定されている。前記可動梁62には別の摺動部63が固定されている。この別の摺動部63は前記レール50に摺動する。
【0036】
つぎに、前記第1搬送台L1および第2支持部20の駆動装置について説明する。
【0037】
図1Aにおいて、第1搬送台L1(第2搬送台R1)は第1モータM1
L(第2モータM1
R)によって往復移動される。一方、第1搬送台L1(第2搬送台R1)上の第2支持部20は第2モータM2
L(第2モータM2
R)によって第1搬送台L1(第2搬送台R1)上を往復移動される。
【0038】
前記第1および第2モータとしてはサーボモータを採用することができ、前記搬送台L1,R1に搭載されていない定置型である。なお、前記第1および第2搬送台L1,R1の駆動装置は、互いに同様な構造であり、代表して第1搬送台L1について説明し、第2搬送台R1の駆動装置の構造については説明を省略する。
【0039】
図2Aの前記第1モータM1
Lの第1出力軸11には第1駆動ホイール12が取り付けられている。前記第1駆動ホイール12には無端状の前記第1ベルト14が巻回されている。この第1ベルト14には前記第1クランプK1
Lを介して第1連結部材53(
図2B)が連結されている。したがって、第1モータM1
Lの駆動により、第1出力軸11,第1駆動ホイール12および第1ベルト14が回転し、前記第1連結部材53(
図2B)に固定された第1搬送台L1および第1支持部10がX方向に往復移動する。
【0040】
前記第1ベルト14は前記第1駆動ホイール12ごとに設けられた第1従動ホイール13と前記第1駆動ホイール12とに巻回されている。前記第1従動ホイール13は、右側の第2搬送台R1を往復移動するための第1モータM1
Rの第1出力軸11に回転自在に取り付けられている。
【0041】
図1Aの前記第2モータM2
Lの第2出力軸21には第2駆動ホイール22が取り付けられている。前記第2駆動ホイール22には無端状の第2ベルト24が巻回されている。
図2Aの第2ベルト24には第2クランプK2
Lを介して可動梁62(
図2B)が連結されている。したがって、
図1の第2モータM2
Lの駆動により、第2出力軸21,第2駆動ホイール22および第2ベルト24が回転し、
図4Bの第2クランプK2
Lおよび可動梁62および可動ブラケット61と共に第2支持部20がX方向に往復移動する。
【0042】
図1Aの前記第2ベルト24は前記第2駆動ホイール22ごとに設けられた第2従動ホイール23と前記第2駆動ホイール22とに巻回されている。前記第2従動ホイール23は右側の第2搬送台R1を往復移動するための第1モータM1
Rの第1出力軸11に回転自在に取り付けられている。
【0043】
前記各駆動ホイール12,22、前記各従動ホイール13,23および前記各ベルト14,24は前記搬送台L1,R1よりも下方の位置に配置されている。一方、前記第2支持部20が前記搬送台L1,R1の上方に配置されている。
図3の前記可動ブラケット61は前記スリット52を上下に貫通していることで、前記搬送台L1,R1(
図1A)の下方の前記ベルト24と前記搬送台の上方の第2支持部20とを連結している。
【0044】
図1Aにおいて、本物品の整列搬送装置は前記第1渡し位置P1および第2渡し位置P2に搬送された物品群W(
図4B)を矢印Y方向に向かって排出する第1および第2排出機101,102を備えている。
【0045】
つぎに、本物品の整列搬送装置を制御する制御装置100について説明する。
制御装置100は前記第1および第2モータの回転を以下のように制御することにより前記第1支持部10と前記第2支持部20との間の距離を制御して物品群Wを圧縮する。このモータによる物品群Wの圧縮の制御についても、左側の第1搬送台L1の第1および第2モータM1
L,M2
Lを例にとって説明する。
【0046】
前記第1モータM1
Lは第1支持部10および第1搬送台L1を所定の第1速度V1で往復移動させる。一方、第2モータM2
Lは第2支持部20を所定の第2速度V2で往復移動させる。第1速度V1は第2速度V2よりも大きく、したがって、
図7Dおよび
図7Eに示すように第1支持部10および第1搬送台L1の移動距離D1は、第2支持部20の移動距離D2よりも大きい。これにより、第1搬送台L1が受取位置P0から第1渡し位置P1まで移動する際に、物品群Wが圧縮される。
【0047】
この場合、前記第1および第2モータM1
L,M2
Lは互いに同時に回転し始め、かつ、同時に回転を停止してもよいが、始動および停止の時刻が互いに若干異なっていてもよい。
すなわち、制御装置100は前記搬送台L1が前記受取位置P0から前記渡し位置P1まで前記物品群Wを搬送する間に前記物品群Wを圧縮するために、前記第2支持部20が前記第1支持部10に対し近づくように前記第1および第2モータM1
L、M2
L(
図1)の回転を制御する。
【0048】
つぎに、前記モータの別の制御方法について説明する。
第1速度V1と第2速度V2とは互いに同じ速度で、モータの作動している時間が互いに異なっていてもよい。たとえば、第1モータM1
Lが回転した後、第2モータM2
Lが回転を始め、第2モータM2
Lが回転を停止した後に第1モータM1
Lが回転を停止してもよい。この場合、モータの回転している時間の差により、D1>D2となり、これにより第1搬送台L1が受取位置P0から第1渡し位置P1へ移動する際に物品群Wが圧縮される。
【0049】
すなわち、
図7Eの物品群Wの圧縮代ΔWは、下記の(1)式で表される。
ΔW=D1−D2=(V1
m・T1)・G−(V2
m・T2)・G……(1)
但し、V1
m:第1モータM1
Lの平均回転速度
V2
m:第2モータM2
Lの平均回転速度
T1:第1モータM1
Lの回転時間
T2:第2モータM2
Lの回転時間
G:定数(減速比)
【0050】
制御方法としては、第1モータM1
Lおよび第2モータM2
Lの始動から停止までの回転数(回転角度)を予め設定し、前記回転数の差により圧縮代ΔWを制御してもよい。
【0051】
つぎに、本物品の整列搬送装置による物品群Wの搬送および圧縮方法について説明する。
図4Aの集合位置Pに所定数の物品Cが集合すると、排出機4のプッシャー42が案内レール41の長手方向に沿って移動し、物品群Wを第1または第2搬送台L1,R1上に移載する。
【0052】
以下、
図7Aに示すように、第2搬送台R1上に非圧縮状態の物品群Wが載っている状態から後の動作について説明する。
【0053】
図7Aの第1および第2搬送台L1,R1は、それぞれ、第1渡し位置P1および受取位置P0から
図7Bの受取位置P0および第2渡し位置P2へ(右側へ)移動する。この移動中に
図7Aの第2搬送台R1の第2支持部20が
図7Bのように第1支持部10に近づき、先行の物品群W
1が圧縮される。
【0054】
この際、
図7Aの第1搬送台L1の第2支持部20が
図7Bのように第1支持部10から遠ざかり次の物品群W
2の受け入れを可能にする。
すなわち、制御装置100は、前記搬送台L1が前記渡し位置P1から前記受取位置P0まで戻る間に前記集合位置Pの前記物品群Wを前記第1支持部10と前記第2支持部20との間に受け入れ可能とするために、前記第2支持部20が前記第1支持部10に対し遠ざかるように前記第1および第2モータM1
L、M2
Lの回転を制御する。
なお、前記モータの制御は前記圧縮の際の制御と同様であり、その説明を省略する。
【0055】
図7Cに示すように、前記圧縮された先行の物品群W
1は第2渡し位置P2において第2排出機102(
図1A)に押されて第2渡し位置P2から排出される。この排出と同時に、前記受取位置P0の第1搬送台L1には集合位置P(
図1A)から次の物品群W
2が搬入される。
【0056】
次に、
図7Dの第1および第2搬送台L1,R1は、それぞれ、受取位置P0および第2渡し位置P2から
図7Eの第1渡し位置P1および受取位置P0へ(左側へ)移動する。この移動中に、
図7Dの第1搬送台L1の第2支持部20が
図7Eのように第1支持部10に近づき、前記物品群W
2が圧縮される。
【0057】
なお、この際、
図7Dの第2搬送台R1の第2支持部20が
図7Eのように第1支持部10から遠ざかり次の物品群W3の受け入れを可能にする。
【0058】
その後、
図7に示すように、前述と同様、第1搬送台L1上の物品群W
2が第1排出機101(
図1A)に押されて第1渡し位置P1から排出されると共に、更に次の物品群W
3が第2搬送台R1上に搬入される。以下、前記
図7A〜
図7Eの動作が繰り返し行われる。
【0059】
こうして、物品群Wの圧縮と搬送が同時に行われ、かつ、物品群Wの受取位置P0への搬入と、第1または第2渡し位置P1,P2からの排出とが同時に行われる。そのため、計数機3(
図1A)からの受け取り、搬送、圧縮および渡し位置からの排出のサイクルタイムが短くなる。
【0060】
なお、
図7A〜
図7Fに示すように、搬送台L1,R1に対する第2支持部20の位置は、搬送台L1,R1が受取位置P0または渡し位置P1,P2のいずれに到着しているかにより異なる。すなわち、
図1Aの第2搬送台R1の第2支持部20の位置は、前記第2渡し位置P2において
図6A〜
図6Cに示すように第1支持部10に近づいた位置となるが、
図1A〜
図2Bにおいては、第1および第2搬送台L1,R1の構造を分かり易くするために、2つの搬送台を互いに対称に図示している。
【0061】
つぎに、
図8Aの物品群Wの幅が小さい場合について説明する。
この場合、
図8Aに示すように、第1支持部10と第2支持部20との間の距離が前記
図7の物品群Wの幅が大きい場合とは異なる。
【0062】
すなわち、物品群Wの幅が小さい場合は、受取位置P0において第2支持部20が第1支持部10に近づいた位置に予め移動されると共に、渡し位置P1,P2において第2支持部20が第1支持部10に更に近づいた位置に移動される。
なお、第2支持部20のこれらの位置は物品群Wごとに予め初期設定されてもよい。
【0063】
このように、本物品の整列搬送装置は、第1および第2モータにより搬送台L1,R1と第2支持部20の移動を行うので、前記物品群Wの幅が変わった場合にも容易に対応し得る。
【0064】
なお、前記実施例では搬送台にスリットを設けて搬送台の下方のベルトと上方の第2支持部とを連結したが、前記スリットを設ける代わりに前記第2支持部および可動梁を搬送台の幅よりも大きく形成して、当該可動梁と前記第2支持部とを搬送台の側方において連結してもよい。この場合も、第2支持部を移動させる第2モータを床面上に直接またはモータ台等を介して床面に対して固定した定置型とすることができる。
【0065】
図9〜
図11は排出機4の他の例を示す。
この排出機4はプッシャー42をX方向に移動するための第1排出モータM41とプッシャー42をY方向に移動するための第2排出モータM42とを備える。
【0066】
本排出機4は固定レール43に案内される第1スライダ44が前記第1排出モータM41によりX方向に往復移動される。前記第1スライダ44には前記第2排出モータM42が搭載されている。
【0067】
前記第1スライダ44には第2スライダ45が搭載されている。
図10および
図11に示すように、前記第2スライダ45は移動レール46に案内され、前記第2排出モータM42によりY方向に往復移動される。
【0068】
図11に示すように、前記第2スライダ45およびプッシャー42は一対のホイール47,47に巻回された無端状のチェーン48と共に一対のホイール47,47のまわりを長円形のループに沿って回転移動する。
かかるプッシャー42のループ状の移動経路は前記
図1の実施例において採用されてもよい。
【0069】
前記ループ状の移動経路を持つプッシャー42は先行の物品群W
1の背面をY方向に押して排出した後に、Y方向とは逆方向に戻る際に後続の物品群W
2との干渉を避ける。
また、プッシャー42は物品群Wを排出する際に排出端でのY方向の速度が減速され、したがって、物品群Wの押し出し位置の精度が高くなる。
【0070】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、搬送台L1,R1は1台のみでよいし、あるいは、
図1の計数機3に対し集合位置Pの反対側に更に一対設けてもよい。
前記第1および第2ベルトとしてはタイミングベルトを採用することができるが、他のベルトを用いてもよい。
また、前記各ホイールとしては歯付プーリを採用することができるが、他のホイールを用いてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。