特許第5740691号(P5740691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740691
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年6月24日
(54)【発明の名称】物品の整列搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 63/02 20060101AFI20150604BHJP
   B65G 15/42 20060101ALI20150604BHJP
   B65G 19/24 20060101ALI20150604BHJP
   B65B 25/14 20060101ALN20150604BHJP
【FI】
   B65B63/02
   B65G15/42 Z
   B65G19/24
   !B65B25/14 A
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-525349(P2012-525349)
(86)(22)【出願日】2011年6月23日
(86)【国際出願番号】JP2011064431
(87)【国際公開番号】WO2012011360
(87)【国際公開日】20120126
【審査請求日】2014年6月5日
(31)【優先権主張番号】特願2010-166032(P2010-166032)
(32)【優先日】2010年7月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591040708
【氏名又は名称】株式会社瑞光
(74)【代理人】
【識別番号】100102060
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 喜信
(72)【発明者】
【氏名】藤田 幸彦
【審査官】 日下部 由泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−264737(JP,A)
【文献】 特開2000−024031(JP,A)
【文献】 特開平05−262419(JP,A)
【文献】 特開平02−043132(JP,A)
【文献】 特表2001−519304(JP,A)
【文献】 特公昭47−047434(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 25/14
B65B 63/02
B65G 15/42
B65G 17/00
B65G 19/24
B65G 47/08
B65G 47/14
B65G 47/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非圧縮状態の所定数の物品からなる物品群を集合位置において整列させる計数機と、
前記集合位置において整列した物品群を受取位置に排出する排出機と、
前記物品群の底面を支え前記受取位置と渡し位置との間を往復することで、前記物品群を前記受取位置で受け取って前記渡し位置まで搬送し前記受取位置に戻る少なくとも1つの搬送台と、
前記搬送台に固定され前記物品群の第1の側面に接して前記第1の側面を支持する第1支持部と、
前記搬送台の往復する方向に移動可能に前記搬送台に取り付けられ、前記物品群の前記第1の側面とは反対側の第2の側面に接した状態で、前記第1の側面に向かって移動することで前記物品群を圧縮する第2支持部と、
前記搬送台を往復移動させるための第1モータと、
前記搬送台の往復移動中に前記搬送台に対して前記第2支持部を往復移動させるための第2モータと、
前記第1および第2モータの回転を制御することにより前記第1支持部と前記第2支持部との間の距離を制御する制御装置とを備えた物品の整列搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、前記搬送台が前記受取位置から前記渡し位置まで前記物品群を搬送する間に前記物品群を圧縮するために、前記第2支持部が前記第1支持部に対し近づくように前記第2モータの回転を前記制御装置が制御し、かつ、
前記搬送台が前記渡し位置から前記受取位置まで戻る間に、前記集合位置の前記物品群を前記第1支持部と前記第2支持部との間に受け入れ可能とするために、前記第2支持部が前記第1支持部に対し遠ざかるように前記第2モータの回転を前記制御装置が制御する、物品の整列搬送装置。
【請求項3】
請求項2において、前記少なくとも1つの搬送台は第1搬送台と第2搬送台とを包含し、前記各搬送台ごとに前記第1および第2モータが設けられ、
前記第1搬送台は1つの物品群の底面を支え前記受取位置と第1渡し位置との間を往復することで、前記1つの物品群を前記受取位置で受け取って前記第1渡し位置まで搬送し、
前記第2搬送台は他の物品群の底面を支え前記受取位置と第2渡し位置との間を往復することで、前記他の物品群を前記受取位置で受け取って前記第2渡し位置まで搬送する物品の整列搬送装置。
【請求項4】
請求項3において、前記各第1モータの第1出力軸に取り付けられた第1駆動ホイールと、
前記各第2モータの第2出力軸に取り付けられた第2駆動ホイールと、
前記各第1駆動ホイールごとに設けられた第1従動ホイールと、
前記各第2駆動ホイールごとに設けられた第2従動ホイールと、
前記各第1駆動ホイールと前記第1従動ホイールとの間に巻回され前記搬送台を移動させるための動力を伝達する第1ベルトと、
前記各第2駆動ホイールと前記第2従動ホイールとの間に巻回され前記第2支持部を移動させるための動力を伝達する第2ベルトとを更に備え、
前記第1搬送台およびその第2支持部に動力を伝達するための前記第1および第2ベルトが巻回された前記第1および第2従動ホイールが前記第2搬送台を移動させるための前記第1モータの前記第1出力軸に回転自在に取り付けられ、
前記第2搬送台およびその第2支持部に動力を伝達するための前記第1および第2ベルトが巻回された前記第1および第2従動ホイールが前記第1搬送台を移動させるための前記第1モータの前記第1出力軸に回転自在に取り付けられている物品の整列搬送装置。
【請求項5】
請求項4において、前記計数機は物品を前記搬送台の往復方向に沿って上流から下流に移動させながら前記物品を整列させ、
前記排出機は前記集合位置から前記受取位置に向かうに従い前記計数機の前記物品の搬送方向に向かって斜めに傾いた案内レールと、前記案内レールの延びる方向に沿って斜めに移動することで前記物品群を前記受取位置に向かって押し出すプッシャーとを備えた物品の整列搬送装置。
【請求項6】
請求項1において、前記計数機は物品を前記搬送台の往復方向に沿って上流から下流に移動させながら前記物品を整列させ、
前記排出機は前記集合位置から前記受取位置に向かうに従い前記計数機の前記物品の搬送方向に向かって斜めに傾いた案内レールと、前記案内レールの延びる方向に沿って斜めに移動することで前記物品群を前記受取位置に向かって押し出すプッシャーとを備えた物品の整列搬送装置。
【請求項7】
請求項1において、前記第2モータの出力軸に取り付けられた駆動ホイールと、
前記駆動ホイールごとに設けられた従動ホイールと、
前記駆動ホイールと前記従動ホイールとの間に巻回され前記第2支持部を移動させるための動力を伝達するベルトと、
前記ベルトと前記第2支持部とを連結し、前記第2モータの回転で前記ベルトを介して前記第2支持部を往復移動させる可動ブラケットと、
前記搬送台に形成され、前記搬送台の往復する方向に延びるスリットとを更に備え、
ここにおいて、前記駆動ホイール、前記従動ホイールおよび前記ベルトが前記搬送台よりも下方の位置に配置され、
前記第2支持部が前記搬送台の上方に配置され、
前記ブラケットが前記スリットを上下に貫通していることで、前記搬送台の下方の前記ベルトと前記搬送台の上方の前記第2支持部とを連結している物品の整列搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品のような物品が多数個整列した状態で、これを圧縮すると共に搬送する物品の整列搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
体液を吸収する吸収性物品のようなサニタリー製品(物品)は所定数集められて梱包される。この際、前記物品は多数個の物品が1つに集められた物品群の状態で搬送され、圧縮された後に梱包される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】JP2006−264737 A(要約)
【0004】
前記特許文献1には、計数機から排出された所定数の物品からなる物品群が圧縮されて次工程に搬送される技術が開示されている。しかし、物品群を圧縮する機構については示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、一般的には物品群の圧縮は、エアシリンダのようなシリンダが用いられる。しかし、シリンダによる圧縮では物品群の圧縮量の制御が困難であり、また、搬送する物品の数量の変更も困難である。
【0006】
したがって、本発明の目的は、物品群の圧縮量の制御が容易で、かつ、物品群を構成する物品の数量が変わっても容易に対応し得る物品の整列搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の物品の整列搬送装置は、非圧縮状態の所定数の物品からなる物品群を集合位置において整列させる計数機と、前記集合位置において整列した物品群を受取位置に排出する排出機と、前記物品群の底面を支え前記受取位置と渡し位置との間を往復することで、前記物品群を前記受取位置で受け取って前記渡し位置まで搬送し前記受取位置に戻る少なくとも1つの搬送台と、前記搬送台に固定され前記物品群の第1の側面に接して前記第1の側面を支持する第1支持部と、前記搬送台の往復する方向に移動可能に前記搬送台に取り付けられ、前記物品群の前記第1の側面とは反対側の第2の側面に接した状態で、前記第1の側面に向かって移動することで前記物品群を圧縮する第2支持部と、前記搬送台を往復移動させるための第1モータと、前記搬送台の往復移動中に前記搬送台に対して前記第2支持部を往復移動させるための第2モータと、前記第1および第2モータの回転を制御することにより前記第1支持部と前記第2支持部との間の距離を制御する制御装置とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
今、計数機が集合位置に物品を集めると排出機によって前記集合位置の物品群が受取位置に搬送され、当該物品群を搬送台が受け取る。物品群を受け取った搬送台が物品群の渡し位置まで移動しながら、第2支持部が第1支持部に向かって移動することで物品群を圧縮する。
【0009】
ここで、本発明は物品群を圧縮する第2支持部をエアシリンダではなくモータによって移動させている。したがって、モータを電気(電子)制御することにより、第1支持部に対する第2支持部の変位量を緻密に、かつ、正確に制御することができる。
【0010】
また、レイアウト上の問題等で受取位置から渡し位置に搬送台が移動し前記渡し位置から前記物品群を排出する場合がある。この場合、受取位置から渡し位置まで搬送台が搬送される間に物品群の圧縮が行われる。したがって、サイクルタイムが短い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1Aは本発明の物品の整列搬送装置の一実施例を示す概略平面図、図1Bは同概略正面図である。
図2図2Aは第1および第2搬送台の概略平面図、図2Bは同概略正面図である。
図3図3は第1搬送台の概略斜視図である。
図4図4Aは同概略平面図、図4BはIVB−IVB線断面図、図4CはIVC−IVC 線断面図である。
図5図5は同横断面図である。
図6図6Aは第2搬送台の概略平面図、図6BはVIB−VIB線断面図、図6CはVIC−VIC線断面図である。
図7図7A図7Fはそれぞれ物品群の搬送手順を示す平面図である。
図8図8A図8Fはそれぞれ物品群の搬送手順を示す平面図である。
図9図9は排出機の他の例を示す平面図である。
図10図10は同正面図である。
図11図11は同側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好ましい実施例においては、前記搬送台が前記受取位置から前記渡し位置まで前記物品群を搬送する間に前記物品群を圧縮するために、前記第2支持部が前記第1支持部に対し近づくように前記第2モータの回転を前記制御装置が制御し、かつ、前記搬送台が前記渡し位置から前記受取位置まで戻る間に、前記集合位置の前記物品群を前記第1支持部と前記第2支持部との間に受け入れ可能とするために、前記第2支持部が前記第1支持部に対し遠ざかるように前記第2モータの回転を前記制御装置が制御する。
【0013】
本発明の更に好ましい実施例においては、前記少なくとも1つの搬送台は第1搬送台と第2搬送台とを包含し、前記各搬送台ごとに前記第1および第2モータが設けられ、前記第1搬送台は1つの物品群の底面を支え前記受取位置と第1渡し位置との間を往復することで、前記1つの物品群を前記受取位置で受け取って前記第1渡し位置まで搬送し、前記第2搬送台は他の物品群の底面を支え前記受取位置と第2渡し位置との間を往復することで、前記他の物品群を前記受取位置で受け取って前記第2渡し位置まで搬送する。
この場合、一方の搬送台が渡し位置で先行の物品群を下流に排出すると同時に他方の搬送台が受取位置で次の物品群を受け取ることができる。
【0014】
本発明の更に好ましい実施例においては、前記各第1モータの第1出力軸に取り付けられた第1駆動ホイールと、前記各第2モータの第2出力軸に取り付けられた第2駆動ホイールと、前記各第1駆動ホイールごとに設けられた第1従動ホイールと、前記各第2駆動ホイールごとに設けられた第2従動ホイールと、前記各第1駆動ホイールと前記第1従動ホイールとの間に巻回され前記搬送台を移動させるための動力を伝達する第1ベルトと、前記各第2駆動ホイールと前記第2従動ホイールとの間に巻回され前記第2支持部を移動させるための動力を伝達する第2ベルトとを更に備え、前記第1搬送台およびその第2支持部に動力を伝達するための前記第1および第2ベルトが巻回された前記第1および第2従動ホイールが前記第2搬送台を移動させるための前記第1モータの前記第1出力軸に回転自在に取り付けられ、前記第2搬送台およびその第2支持部に動力を伝達するための前記第1および第2ベルトが巻回された前記第1および第2従動ホイールが前記第1搬送台を移動させるための前記第1モータの前記第1出力軸に回転自在に取り付けられている。
この場合、従動ホイールを回転自在に支持する支持軸を第1モータの出力軸が兼ねる。そのため、装置の構造が簡易になる。
【0015】
本発明の別の好ましい実施例においては、前記計数機は物品を前記搬送台の往復方向に沿って上流から下流に移動させながら前記物品を整列させ、前記排出機は前記集合位置から前記受取位置に向かうに従い前記計数機の前記物品の搬送方向に向かって斜めに傾いた案内レールと、前記案内レールの延びる方向に沿って斜めに移動することで前記物品群を前記受取位置に向かって押し出すプッシャーとを備えている。
この場合、案内レールに沿って集合位置から受取位置に向かって物品群が斜めに搬送される。したがって、計数機は停止することなく物品を搬送することができる。
【0016】
本発明の更に別の好ましい実施例においては、前記第2モータの出力軸に取り付けられた駆動ホイールと、前記駆動ホイールごとに設けられた従動ホイールと、前記駆動ホイールと前記従動ホイールとの間に巻回され前記第2支持部を移動させるための動力を伝達するベルトと、前記ベルトと前記第2支持部とを連結し、前記第2モータの回転で前記ベルトを介して前記第2支持部を往復移動させる可動ブラケットと、前記搬送台に形成され、前記搬送台の往復する方向に延びるスリットとを更に備え、ここにおいて、前記駆動ホイール、前記従動ホイールおよび前記ベルトが前記搬送台よりも下方の位置に配置され、前記第2支持部が前記搬送台の上方に配置され、前記ブラケットが前記スリットを上下に貫通していることで、前記搬送台の下方の前記ベルトと前記搬送台の上方の第2支持部とを連結している。
【0017】
第2支持部を移動させる第2モータを搬送台に搭載すると、搬送台の有効スペースが小さくなる。また、第2モータを制御する通信線や駆動するための給電ケーブルを可動させる必要があったり、あるいは、トロリーが必要になる。
これに対し、本実施例では第2モータも第1モータと同様に床面上などに置いた定置型とすることができる。したがって、搬送台の有効スペースが大きく、また、電気の配線構造が簡易である。
【0018】
本発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明からより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、本発明の範囲は請求の範囲によって定まる。添付図面において、複数の図面における同一の部品番号は、同一または相当部分を示す。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の一実施例が図面に基づいて説明される。
なお、物品としては、たとえば使い捨てオムツやパンツまたは生理用品(使い捨て着用物品)などのサニタリー製品が対象となる。
【0020】
図1Aに示すように、本物品の整列搬送装置は計数機3および排出機4を包含する集積部と、第1および第2搬送台L1,R1を含む圧縮搬送部とを包含する。
前記計数機3は前記搬送台L1,R1の往復方向Xに沿って物品Cを上流から下流に移動させながら前記物品Cを整列させて集合させる。
【0021】
前記計数機3はエンドレスのベルト30に所定間隔で多数取り付けられた仕切板33を有し、駆動ローラ34の回転により前記仕切板33が物品Cの搬送方向X0に回転する。前記各仕切板33,33の間には集合位置Pの上流において一対の搬送ベルト35から物品Cが次々に投入される。したがって、集合位置Pにおいては物品Cが所定数集まった図7Aのような物品群Wが整列した状態で集合する。
【0022】
なお、物品群Wの集合方法は上記JP2006−264737Aに詳細に記述されており、その記述がここに組み込まれる。
【0023】
図1Aにおいて、前記集合位置Pには前記排出機4が設けられている。
この排出機4は前記集合位置Pにおいて整列した状態で集合した物品群Wを下流の受取位置P0に向かって排出する。
【0024】
前記排出機4は案内レール41およびプッシャー42を備える。前記案内レール41は前記集合位置Pから前記受取位置P0に向かうに従い前記計数機3の前記物品Cの搬送方向X0の下流に向かって斜めに傾いている。前記プッシャー42は前記案内レール41の延びる方向に沿って斜めに移動することで前記物品群Wを前記受取位置P0に向かって押し出す。前記プッシャー42の搬送方向X0の速度成分は、前記仕切板33の速度と同じ速度に設定される。なお、受取位置P0に押し出される物品群Wの各物品C,Cは非圧縮の状態である。
【0025】
前記一対の搬送台L1,R1は物品群Wの底面Wb(図4B)を支える3つの台板51と、図7Aの前記物品群Wの第1および第2の側面S1,S2に接して、これを支持する第1および第2の支持部10,20を備える。なお、図7Aに示す受取位置P0においては、物品群Wの第1の側面S1に対して第1支持部10からの圧縮力が作用していない状態であり、また、物品群Wの第2の側面S2に対して第2支持部20からの圧縮力が作用していない状態である。
【0026】
図7A図7Fに示すように、前記第1搬送台L1は前記受取位置P0と第1渡し位置P1との間を往復することで、前記物品群Wを前記受取位置P0で受け取って前記第1渡し位置P1まで搬送する。
一方、図7A図7Eに示すように、前記第2搬送台R1は前記受取位置P0と第2渡し位置P2との間を往復することで、前記物品群Wを前記受取位置P0で受け取って前記第2渡し位置P2まで搬送する。
【0027】
図2Aおよび図2Bに示すように、前記第1および第2搬送台L1,R1の構造は本質的に互いに同様な構造であり、以下、第1搬送台L1について説明する。
なお、第2搬送台R1の構造は図6A図6Cに図示されている。また、図1Aに示すように、第1渡し位置P1と第2渡し位置P2との間に受取位置P0が配置されている。
【0028】
図3に示すように、前記台板51は3つに分割されており、第1搬送台L1による物品群の圧縮方向X11に沿って延びる一対のスリット52を有する。なお、前記3つに分割された台板51は前記圧縮方向X11に直交し物品群の進入方向Yおよび排出方向Yに延びる第1および第2連結部材53,54によって互いに一体となるように組み立てられている。
【0029】
前記第1搬送台L1は前記第1および第2連結部材53,54に固定された摺動部(被案内部)55を有する。この摺動部55は物品群Wの搬送方向X1に沿って延びる搬送用のレール50に沿って摺動する。なお、図3において、レール50の表面には網点が施されている。
【0030】
前記第1支持部10は図4Aおよび図4Bの第1クランプK1Lおよび固定ブラケット56を介して、第1ベルト14に連結されている。前記第1ベルト14の回転により、第1搬送台L1は第1支持部10と共に後述する第1駆動装置によりX方向に往復移動される。
なお、各図において第1ベルト14および後述する第2ベルト24の表面には図を分かり易くするために網点が施されている。
【0031】
前記第1支持部10と第2支持部20とは互いに対面しており、前記第1支持部10は第1搬送台L1に固定されているのに対し、前記第2支持部20は第1搬送台L1に対して前記圧縮方向X11(図3)およびその反対方向に往復移動可能に設けられている。
【0032】
前記第2支持部20は、図4Aおよび図4Bの第2クランプK2Lおよび可動ブラケット61を介して、第2ベルト24に連結されている。前記第2ベルト24の回転により、第2支持部20は第1搬送台L1の第1駆動装置とは異なる第2駆動装置によりX方向に往復移動される。
【0033】
前記スリット52は第1搬送台L1の前記X方向の全域に設けられている。したがって、前記第2支持部20は前記第1搬送台L1の往復方向Xの概ね全域にわたって、つまり、第1搬送台L1の一方の端部から前記第1支持部10に接する位置までの間を往復移動可能となっている。
【0034】
図4Bおよび図4Cに示すように、前記第1支持部10は前記物品群Wの第1の側面S1に接して前記第1の側面S1を支持する。
一方、前記第2支持部20は前記物品群Wの前記第1の側面S1とは反対側の第2の側面S2に接した状態で、図7D図7Eのように、前記第1の側面S1に向かって移動することで前記物品群Wを圧縮する。
【0035】
図3および図5において、前記第2支持部20は前記スリット52を上下に貫通する可動ブラケット61を介して図4Cの可動梁62に固定されている。前記可動梁62には別の摺動部63が固定されている。この別の摺動部63は前記レール50に摺動する。
【0036】
つぎに、前記第1搬送台L1および第2支持部20の駆動装置について説明する。
【0037】
図1Aにおいて、第1搬送台L1(第2搬送台R1)は第1モータM1L(第2モータM1R)によって往復移動される。一方、第1搬送台L1(第2搬送台R1)上の第2支持部20は第2モータM2L(第2モータM2R)によって第1搬送台L1(第2搬送台R1)上を往復移動される。
【0038】
前記第1および第2モータとしてはサーボモータを採用することができ、前記搬送台L1,R1に搭載されていない定置型である。なお、前記第1および第2搬送台L1,R1の駆動装置は、互いに同様な構造であり、代表して第1搬送台L1について説明し、第2搬送台R1の駆動装置の構造については説明を省略する。
【0039】
図2Aの前記第1モータM1Lの第1出力軸11には第1駆動ホイール12が取り付けられている。前記第1駆動ホイール12には無端状の前記第1ベルト14が巻回されている。この第1ベルト14には前記第1クランプK1Lを介して第1連結部材53(図2B)が連結されている。したがって、第1モータM1Lの駆動により、第1出力軸11,第1駆動ホイール12および第1ベルト14が回転し、前記第1連結部材53(図2B)に固定された第1搬送台L1および第1支持部10がX方向に往復移動する。
【0040】
前記第1ベルト14は前記第1駆動ホイール12ごとに設けられた第1従動ホイール13と前記第1駆動ホイール12とに巻回されている。前記第1従動ホイール13は、右側の第2搬送台R1を往復移動するための第1モータM1Rの第1出力軸11に回転自在に取り付けられている。
【0041】
図1Aの前記第2モータM2Lの第2出力軸21には第2駆動ホイール22が取り付けられている。前記第2駆動ホイール22には無端状の第2ベルト24が巻回されている。図2Aの第2ベルト24には第2クランプK2Lを介して可動梁62(図2B)が連結されている。したがって、図1の第2モータM2Lの駆動により、第2出力軸21,第2駆動ホイール22および第2ベルト24が回転し、図4Bの第2クランプK2Lおよび可動梁62および可動ブラケット61と共に第2支持部20がX方向に往復移動する。
【0042】
図1Aの前記第2ベルト24は前記第2駆動ホイール22ごとに設けられた第2従動ホイール23と前記第2駆動ホイール22とに巻回されている。前記第2従動ホイール23は右側の第2搬送台R1を往復移動するための第1モータM1Rの第1出力軸11に回転自在に取り付けられている。
【0043】
前記各駆動ホイール12,22、前記各従動ホイール13,23および前記各ベルト14,24は前記搬送台L1,R1よりも下方の位置に配置されている。一方、前記第2支持部20が前記搬送台L1,R1の上方に配置されている。図3の前記可動ブラケット61は前記スリット52を上下に貫通していることで、前記搬送台L1,R1(図1A)の下方の前記ベルト24と前記搬送台の上方の第2支持部20とを連結している。
【0044】
図1Aにおいて、本物品の整列搬送装置は前記第1渡し位置P1および第2渡し位置P2に搬送された物品群W(図4B)を矢印Y方向に向かって排出する第1および第2排出機101,102を備えている。
【0045】
つぎに、本物品の整列搬送装置を制御する制御装置100について説明する。
制御装置100は前記第1および第2モータの回転を以下のように制御することにより前記第1支持部10と前記第2支持部20との間の距離を制御して物品群Wを圧縮する。このモータによる物品群Wの圧縮の制御についても、左側の第1搬送台L1の第1および第2モータM1L,M2Lを例にとって説明する。
【0046】
前記第1モータM1Lは第1支持部10および第1搬送台L1を所定の第1速度V1で往復移動させる。一方、第2モータM2Lは第2支持部20を所定の第2速度V2で往復移動させる。第1速度V1は第2速度V2よりも大きく、したがって、図7Dおよび図7Eに示すように第1支持部10および第1搬送台L1の移動距離D1は、第2支持部20の移動距離D2よりも大きい。これにより、第1搬送台L1が受取位置P0から第1渡し位置P1まで移動する際に、物品群Wが圧縮される。
【0047】
この場合、前記第1および第2モータM1L,M2Lは互いに同時に回転し始め、かつ、同時に回転を停止してもよいが、始動および停止の時刻が互いに若干異なっていてもよい。
すなわち、制御装置100は前記搬送台L1が前記受取位置P0から前記渡し位置P1まで前記物品群Wを搬送する間に前記物品群Wを圧縮するために、前記第2支持部20が前記第1支持部10に対し近づくように前記第1および第2モータM1L、M2L図1)の回転を制御する。
【0048】
つぎに、前記モータの別の制御方法について説明する。
第1速度V1と第2速度V2とは互いに同じ速度で、モータの作動している時間が互いに異なっていてもよい。たとえば、第1モータM1Lが回転した後、第2モータM2Lが回転を始め、第2モータM2Lが回転を停止した後に第1モータM1Lが回転を停止してもよい。この場合、モータの回転している時間の差により、D1>D2となり、これにより第1搬送台L1が受取位置P0から第1渡し位置P1へ移動する際に物品群Wが圧縮される。
【0049】
すなわち、図7Eの物品群Wの圧縮代ΔWは、下記の(1)式で表される。
ΔW=D1−D2=(V1m・T1)・G−(V2m・T2)・G……(1)
但し、V1m:第1モータM1Lの平均回転速度
V2m:第2モータM2Lの平均回転速度
T1:第1モータM1Lの回転時間
T2:第2モータM2Lの回転時間
G:定数(減速比)
【0050】
制御方法としては、第1モータM1Lおよび第2モータM2Lの始動から停止までの回転数(回転角度)を予め設定し、前記回転数の差により圧縮代ΔWを制御してもよい。
【0051】
つぎに、本物品の整列搬送装置による物品群Wの搬送および圧縮方法について説明する。
図4Aの集合位置Pに所定数の物品Cが集合すると、排出機4のプッシャー42が案内レール41の長手方向に沿って移動し、物品群Wを第1または第2搬送台L1,R1上に移載する。
【0052】
以下、図7Aに示すように、第2搬送台R1上に非圧縮状態の物品群Wが載っている状態から後の動作について説明する。
【0053】
図7Aの第1および第2搬送台L1,R1は、それぞれ、第1渡し位置P1および受取位置P0から図7Bの受取位置P0および第2渡し位置P2へ(右側へ)移動する。この移動中に図7Aの第2搬送台R1の第2支持部20が図7Bのように第1支持部10に近づき、先行の物品群W1が圧縮される。
【0054】
この際、図7Aの第1搬送台L1の第2支持部20が図7Bのように第1支持部10から遠ざかり次の物品群W2の受け入れを可能にする。
すなわち、制御装置100は、前記搬送台L1が前記渡し位置P1から前記受取位置P0まで戻る間に前記集合位置Pの前記物品群Wを前記第1支持部10と前記第2支持部20との間に受け入れ可能とするために、前記第2支持部20が前記第1支持部10に対し遠ざかるように前記第1および第2モータM1L、M2Lの回転を制御する。
なお、前記モータの制御は前記圧縮の際の制御と同様であり、その説明を省略する。
【0055】
図7Cに示すように、前記圧縮された先行の物品群W1は第2渡し位置P2において第2排出機102(図1A)に押されて第2渡し位置P2から排出される。この排出と同時に、前記受取位置P0の第1搬送台L1には集合位置P(図1A)から次の物品群W2が搬入される。
【0056】
次に、図7Dの第1および第2搬送台L1,R1は、それぞれ、受取位置P0および第2渡し位置P2から図7Eの第1渡し位置P1および受取位置P0へ(左側へ)移動する。この移動中に、図7Dの第1搬送台L1の第2支持部20が図7Eのように第1支持部10に近づき、前記物品群W2が圧縮される。
【0057】
なお、この際、図7Dの第2搬送台R1の第2支持部20が図7Eのように第1支持部10から遠ざかり次の物品群W3の受け入れを可能にする。
【0058】
その後、図7に示すように、前述と同様、第1搬送台L1上の物品群W2が第1排出機101(図1A)に押されて第1渡し位置P1から排出されると共に、更に次の物品群W3が第2搬送台R1上に搬入される。以下、前記図7A図7Eの動作が繰り返し行われる。
【0059】
こうして、物品群Wの圧縮と搬送が同時に行われ、かつ、物品群Wの受取位置P0への搬入と、第1または第2渡し位置P1,P2からの排出とが同時に行われる。そのため、計数機3(図1A)からの受け取り、搬送、圧縮および渡し位置からの排出のサイクルタイムが短くなる。
【0060】
なお、図7A図7Fに示すように、搬送台L1,R1に対する第2支持部20の位置は、搬送台L1,R1が受取位置P0または渡し位置P1,P2のいずれに到着しているかにより異なる。すなわち、図1Aの第2搬送台R1の第2支持部20の位置は、前記第2渡し位置P2において図6A図6Cに示すように第1支持部10に近づいた位置となるが、図1A図2Bにおいては、第1および第2搬送台L1,R1の構造を分かり易くするために、2つの搬送台を互いに対称に図示している。
【0061】
つぎに、図8Aの物品群Wの幅が小さい場合について説明する。
この場合、図8Aに示すように、第1支持部10と第2支持部20との間の距離が前記図7の物品群Wの幅が大きい場合とは異なる。
【0062】
すなわち、物品群Wの幅が小さい場合は、受取位置P0において第2支持部20が第1支持部10に近づいた位置に予め移動されると共に、渡し位置P1,P2において第2支持部20が第1支持部10に更に近づいた位置に移動される。
なお、第2支持部20のこれらの位置は物品群Wごとに予め初期設定されてもよい。
【0063】
このように、本物品の整列搬送装置は、第1および第2モータにより搬送台L1,R1と第2支持部20の移動を行うので、前記物品群Wの幅が変わった場合にも容易に対応し得る。
【0064】
なお、前記実施例では搬送台にスリットを設けて搬送台の下方のベルトと上方の第2支持部とを連結したが、前記スリットを設ける代わりに前記第2支持部および可動梁を搬送台の幅よりも大きく形成して、当該可動梁と前記第2支持部とを搬送台の側方において連結してもよい。この場合も、第2支持部を移動させる第2モータを床面上に直接またはモータ台等を介して床面に対して固定した定置型とすることができる。
【0065】
図9図11は排出機4の他の例を示す。
この排出機4はプッシャー42をX方向に移動するための第1排出モータM41とプッシャー42をY方向に移動するための第2排出モータM42とを備える。
【0066】
本排出機4は固定レール43に案内される第1スライダ44が前記第1排出モータM41によりX方向に往復移動される。前記第1スライダ44には前記第2排出モータM42が搭載されている。
【0067】
前記第1スライダ44には第2スライダ45が搭載されている。図10および図11に示すように、前記第2スライダ45は移動レール46に案内され、前記第2排出モータM42によりY方向に往復移動される。
【0068】
図11に示すように、前記第2スライダ45およびプッシャー42は一対のホイール47,47に巻回された無端状のチェーン48と共に一対のホイール47,47のまわりを長円形のループに沿って回転移動する。
かかるプッシャー42のループ状の移動経路は前記図1の実施例において採用されてもよい。
【0069】
前記ループ状の移動経路を持つプッシャー42は先行の物品群W1の背面をY方向に押して排出した後に、Y方向とは逆方向に戻る際に後続の物品群W2との干渉を避ける。
また、プッシャー42は物品群Wを排出する際に排出端でのY方向の速度が減速され、したがって、物品群Wの押し出し位置の精度が高くなる。
【0070】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、搬送台L1,R1は1台のみでよいし、あるいは、図1の計数機3に対し集合位置Pの反対側に更に一対設けてもよい。
前記第1および第2ベルトとしてはタイミングベルトを採用することができるが、他のベルトを用いてもよい。
また、前記各ホイールとしては歯付プーリを採用することができるが、他のホイールを用いてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は圧縮可能な物品群の搬送に用いることができる。
【符号の説明】
【0072】
3:計数機
4:排出機
10:第1支持部
11:第1出力軸
12:第1駆動ホイール
13:第1従動ホイール
14:第1ベルト
20:第2支持部
21:第2出力軸
22:第2駆動ホイール
23:第2従動ホイール
24:第2ベルト
41:案内レール
42:プッシャー
C:物品
L1:第1搬送台
R1:第2搬送台
M1L, M1R:第1モータ
M2L, M2R:第2モータ
P:集合位置
P0:受取位置
P1,P2:渡し位置
S1:第1の側面
S2:第2の側面
W,W1,W2:物品群
X:往復する方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11