(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光路長変調器は、前記ビーム断面上での一次元位置に応じて反射距離をステップ状に変化させて反射することで、前記光路長を変化させることを特徴とする請求項1に記載の干渉計。
前記光路長変調器は、広帯域光を入射しコム光(光周波数コム)を生成する分光デバイスと、前記コム光を受光し、反射距離をステップ状に変化させて反射することで前記ステップの深さに応じてコム光の光路長をシフトさせる位相シフトミラーとを備えたことを特徴とする請求項2に記載の干渉計。
前記光路長変調器は、前記ビーム断面上での一次元位置に応じて反射距離をステップ状に変化させて反射することで、前記光路長を変化させることを特徴とする請求項4に記載の干渉計。
前記光路長変調器は、広帯域光を入射しコム光を生成する分光デバイスと、前記コム光を受光し反射距離をステップ状に変化させて反射することで前記ステップの深さに応じてコム光の光路長をシフトさせる位相シフトミラーとを備えたことを特徴とする請求項5に記載の干渉計。
【背景技術】
【0002】
物体等の表面形状や光透過物体等の内部構造を測定するために、マイケルソン型の距離測定装置(干渉計)がたとえば使用される(非特許文献1参照)。
マイケルソン型の距離測定装置として、
図12に示すように白色光源を用いたものが知られている。
図12の距離測定装置91では、白色光源911からの白色光WLはビームスプリッタ912を透過して測定対象913に照射される一方、ビームスプリッタ912により反射されて可動ミラー914に照射される。
【0003】
測定対象913の反射光LR1はビームスプリッタ912により反射され、可動ミラー914の反射光LR2はビームスプリッタ912を透過する。これらの反射光LR1,LR2は、合波される。合波光LR3は干渉プロファイル測定器915に入射され、干渉プロファイル測定器915は白色光の干渉プロファイルを測定する。
【0004】
図12では、可動ミラー914が走査機構917により距離走査され、測定対象913から干渉プロファイル測定器915までの距離と、可動ミラー914から干渉プロファイル測定器915までの距離とが等しいときに干渉が生じる。この干渉は、
図13(A)に示す白色光源911が出力する白色光WLのパワースペクトルの逆フーリエ変換に依る。
【0005】
図13(B)に示すように、この干渉波形の幅は、白色光源911の帯域幅(
図13(B)中のΔω)と反比例の関係にあるので、白色光源911を用いると分解能は高くなる。なお、合波光LR3は、可動ミラー914の走査距離(ΔL)を関数とした白色光源の自己相関関数である。
図13(B)において2π/Δωは自己相関関数の半値幅である。
【0006】
また、
図14に示すようにコム光源921を用いた距離測定装置も知られている。
図14の距離測定装置92では、
図12の可動ミラー914に代えて固定ミラー924が用いられ、白色光用の干渉プロファイル測定器915に代えて、コム光の干渉プロファイルを測定する干渉プロファイル測定器925が用いられる。ビームスプリッタ922は、
図12のビームスプリッタ912と基本的に同じであり、コム光源921が出射するコム光CMBの伝播光路は
図12と同じである。
図14では、測定対象923からの反射コム光をCMB_R1で示し、固定ミラー924からの反射コム光をCMB_R2で示し、これらの合波光をCMB_R3で示してある。
【0007】
距離測定装置92では、固定ミラー924を距離走査しない代わりに、
図15(A)に示すコム光CMBをコム間隔ΔΩで走査する。干渉プロファイル測定器925は、このとき生じる干渉プロファイルを、コム数に応じた分解能で測定することができる。
図15(B)に示すように、干渉波形の幅は、コム光CMBの帯域幅(
図15(B)中の2π/Δτ)と反比例の関係にある。ここで、Δτは自己相関関数の半値幅である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図12に示した距離測定装置91では、白色光を用いているため高い分解能を得ることができる反面、可動ミラー914を走査するため、測定に長時間を要し、また可動機構があるために装置が大型化する。さらに、
図12に示した距離測定装置92では、機械的なメンテナンスが必要となり、加えて製造コストも高くなる。
【0010】
なお、従来、
図12において、可動ミラー914を固定ミラーとし、干渉プロファイル測定器915の手前に回折格子を設けた距離測定装置が存在する。しかし、この距離測定装置では干渉プロファイル測定器915におけるデータの演算処理(フーリエ変換等)に長時間を要してしまう。
【0011】
図14に示した距離測定装置92では、固定ミラー924を走査しないので可動走査機構が不要であり、メンテナンスも不要となる反面、コム光源921を周波数により走査しているため、測定に長時間を要するし、白色光を用いた
図12の測定装置のような高分解能を得ることができない。
【0012】
本発明の目的は、光源として所定帯域光(白色光等の広帯域光を含む)を生成する光源を使用し、可動走査機構を持たず、かつフーリエ変換等の演算をしないことで短時間での測定が可能であり、しかも高分解能の測定に対応できる干渉計を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、伝播方向に垂直な断面上での一次元位置に応じて光路長が変化した変調光を生成することができる光路長変調器(この光路長変調器の前段または後段にコム光発生用の分光器を設けてもよい)を用いて、深さ方向の一次元断層、あるいは深さ方向の二次元断層の測定にも適した干渉計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の干渉計は、(1)から(6)を要旨とする。
(1)
広帯域光を生成する光源と、
伝播方向に垂直な
ビーム断面上での一次元位置(たとえば断面上に想定したXY
座標のX方向の位置)に応じて光路長が変化した変調光を生成する光路長変
調器と、
前記光源が生成した広帯域光を測定対象に照射し反射させる光学系と、
前記光路長変調器が生成した変調光と前記測定対象からの反射光とを受光
し、深さ方向の2以上の点を前記一次元位置に対応させて同時に検出する一次元光検出器
と、からなることを特徴とする干渉計
。
【0015】
(2)
前記光路長変調器は、前記ビーム断面上での一次元位置に応じて反射距離をステップ状に変化させて反射することで、前記光路長を変化させることを特徴とする(1)に記載の干渉計。
【0016】
(3)
前記光路長変調器は、広帯域光を入射しコム光(光周波数コム)を生成する分光デバイスと、前記コム光を受光し、反射距離をステップ状に変化させて反射することで前記ステップの深さに応じてコム光の光路長をシフトさせる位相シフトミラーとを備えたことを特徴とする(2)に記載の干渉計。
分光デバイスとして、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)または共振器を使用することができる。
【0017】
(4)
広帯域光を生成する光源と、
伝播方向に垂直な
ビーム断面上での一次元位置に応じて光路長が変化した変調光を生成する光路長変調器と、
前記光源が生成した広帯域光を測定対象に照射し反射させる光学系と、
前記光路長変調器が生成した変調光と前記測定対象からの反射光とを受光
し、深さ方向の2以上の点を前記一次元位置に対応させて同時に検出する二次元光検出器とからなることを特徴とする干渉計。
【0018】
(5)
前記光路長変調器は、前記ビーム断面上での一次元位置に応じて反射距離をステップ状に変化させて反射することで、前記光路長を変化させることを特徴とする(4)に記載の干渉計。
【0019】
(6)
前記光路長変調器は、広帯域光を入射しコム光を生成する分光デバイスと、前記コム光を受光し反射距離をステップ状に変化させて反射することで前記ステップの深さに応じてコム光の光路長をシフトさせる位相シフトミラーとを備えたことを特徴とする(5)に記載の干渉計。
【発明の効果】
【0020】
本発明の干渉計によれば、光源として所定帯域光(白色光等の広帯域光を含む)を生成する光源を使用でき、また可動走査機構を持たないように構成でき、かつフーリエ変換等の演算をしないことで短時間での測定ができ、しかも高分解能の測定ができる。
【0021】
本発明の干渉計は、断層像の測定や、深さ方向の一次元断層、あるいは深さ方向の二次元断層の測定も可能である。
【0022】
本発明の干渉計では、所定帯域光(白色光,スーパコンティニューム光等の広帯域光を含む)を周波数に応じてコム光として空間分離し当該空間分離したコム光の位相をそれぞれシフトすることもできる。これにより、測定対象までの距離が長い場合等、長距離の測定も可能となる。
分光デバイスを用いて生成されたコム光を使用することで、コム光を構成する各モードのコヒーレンス長の範囲ないであれば、光路長変調器を介して伝播する光の光路長と、測定対象に入射し反射する光の光路長が違っていても、測定に必要な干渉光を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の干渉計の第1実施形態の説明図である。
図1の干渉計(マッハツェンダー型)を使用することで、表面点までの距離や、深さ方向の一次元断層像を測定することができる。
【0025】
図1において干渉計1は、白色光源11と、ビームスプリッタ(BS)121,122,123と、光路長変調器13と、干渉プロファイル測定器14と、レンズ系151,152,153,154とを備えている。なお、本明細書におけるレンズ系(後述するレンズ系も含む)は、説明の便宜上、簡略化等してあり、必ずしも設計上のレンズ系とは一致しない。
【0026】
光路長変調器13は、
図2(A)に示すように、分光デバイス131と、シリンドリカルレンズ132と、位相シフトミラー133とから構成され、白色光源11からの広帯域光(ここでは白色光WL)を、ビームスプリッタ121およびレンズ系151(シリンドリカルレンズ)を介して入射し、周波数に応じて空間分離したコム光CMBを生成する。
【0027】
分光デバイス131は、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)であり、異なる周波数のコム(CMB)を空間的に分離して生成することができる。
【0028】
位相シフトミラー133は、
図2(B)に示すように階段状に構成されたミラーであり、コム光CMBを受光し、周波数に応じて反射距離をステップ状に変化させて反射することで、反射距離に応じて位相がシフトしたコム光CMB_Rを生成することができる。このコム光CMB_Rは、ビームスプリッタ123に照射される。
【0029】
一方、白色光源11からの白色光WLは、ビームスプリッタ121,レンズ系152(球面レンズ),ビームスプリッタ122を介して測定対象18にも照射される。そして、測定対象18の反射光(散乱光)OB_Rは、ビームスプリッタ122,レンズ系153(球面レンズ),レンズ系154(シリンドリカルレンズ)を介してビームスプリッタ123に照射される。
【0030】
図1では、測定対象18は、移動ステージ19に搭載されており、水平方向に1軸移動または2軸移動することができる。
ビームスプリッタ123は、光路長変調器13の出射したコム光(位相シフトミラー133の反射光)CMB_Rと、測定対象18の反射光OB_Rとを合波し、これを合波光CMPとして干渉プロファイル測定器14に出射する。
干渉プロファイル測定器14は、本実施形態では一次元イメージセンサであり、合波光CMPを受光し、干渉プロファイルp(x)を測定する。
【0031】
図3は、距離を深さ方向に線測定(二次元測定)することができる本発明の干渉計の第2実施形態の説明図である。
図3の干渉計(マッハツェンダー型)では、深さ方向の二次元断層像を測定することができる。
【0032】
図3において干渉計2は、白色光源21と、ビームスプリッタ221,222,223と、光路長変調器23と、干渉プロファイル測定器24と、レンズ系251,252,253とを備えている。
【0033】
光路長変調器23は、
図4に示すように、分光デバイス231と、シリンドリカルレンズ232と、シリンドリカルレンズ234,234と、位相シフトミラー233とから構成され、白色光源21からの白色光WLを、ビームスプリッタ221およびレンズ系251(シリンドリカルレンズ)を介して入射し、周波数に応じて空間分離したコム光CMB_Rを生成する。
【0034】
分光デバイス231は、第1実施形態と同様のVIPAであり、異なる周波数のコム(CMB)を空間的に分離して生成することができる。
位相シフトミラー233は、第1実施形態の位相シフトミラー133と同じ構成をなし、コム光CMBを受光し、周波数に応じて反射距離をステップ状に変化させて反射することで、反射距離に応じて位相がシフトしたコム光CMB_Rを生成することができる。このコム光CMB_Rは、位相シフトミラー233により二次元のコム光に拡張され、ビームスプリッタ223に照射される。
【0035】
一方、白色光源21からの白色光WLは、ビームスプリッタ221,レンズ系252(シリンドリカルレンズ),ビームスプリッタ222を介して測定対象28に照射される。そして、測定対象28の反射光(散乱光)OB_Rは、ビームスプリッタ222,レンズ系253(シリンドリカルレンズ)を介してビームスプリッタ223に照射される。
【0036】
図3では、測定対象28は、移動ステージ29に搭載されており、水平方向に2軸移動することができる。
ビームスプリッタ223は、光路長変調器23から出射したコム光(シリンドリカルレンズ234の出射光)CMB_Rと、測定対象28の反射光OB_Rとを合波し、これを合波光CMPとして干渉プロファイル測定器24に出射する。
干渉プロファイル測定器24は、本実施形態では二次元イメージセンサであり、合波光CMPを受光し、干渉プロファイルp(x)を測定する。
【0037】
図5は、本発明の干渉計の第3実施形態の説明図である。
図1の干渉計(マッハツェンダー型)は、分光デバイスを有する光路長変調器13を使用したが、本実施形態では、光路長変調器33に、分光デバイスを使用していない。
図5の干渉計は、第1実施形態の干渉計1と同様、測定対象28の空間情報(表面点までの一次元距離や、深さ方向の一次元断層像)を取得することができるし、各深さにおける測定対象38の属性(エネルギー構造情報,屈折率,透過率,反射率等)を取得することができる。
【0038】
図5において干渉計3は、白色光源31と、ビームスプリッタ321,322,323と、光路長変調器33と、光検出器34と、レンズ系352,353,354とを備えている。
【0039】
光路長変調器33は、
図6に示すように、変調ミラー333と2つのシリンドリカルレンズ334から構成され、白色光源31からの広帯域光(ここでは白色光)を、ビームスプリッタ321を介して入射し、変調ミラー333により位相変調する。
【0040】
変調ミラー333は、第1実施形態および第2実施形態でも使用した階段状に構成されたミラーであり、白色光WLを受光し、反射距離をステップ状に変化させて反射することで、反射距離に応じて、白色光WLを(A),(B)に示したように時間シフトさせることができる。
【0041】
一方、白色光源31からの白色光は、ビームスプリッタ321,レンズ系352(球面レンズ),ビームスプリッタ322を介して測定対象38にも照射される。そして、測定対象38の反射光(散乱光)は、ビームスプリッタ322,レンズ系353(球面レンズ),レンズ系354(シリンドリカルレンズ)を介してビームスプリッタ323に照射される。
【0042】
図5では、測定対象38は、移動ステージ39に搭載されており、水平方向に1軸移動または2軸移動することができる。ビームスプリッタ323は、変調ミラー333の反射光と、測定対象38の反射光とを合波し、これを光検出器34に出射する。光検出器34は、本構成例では一次元イメージセンサである。
【0043】
図7は、本発明の干渉計の第4実施形態の説明図である。
図3の干渉計(マッハツェンダー型)は、表面点までの距離や、深さ方向の一次元断層像を、分光デバイスを使用した光路長変調器23を使用したが、本実施形態では、光路長変調器43に、分光デバイスを使用してない。
図7の干渉計は、第2実施形態の干渉計2と同様、測定対象48の空間情報(表面点までの二次元距離や、深さ方向の二次元断層像)を取得することができる。
【0044】
図7において干渉計4は、白色光源41と、ビームスプリッタ421,422,423と、光路長変調器43と、光検出器44と、レンズ系452,453とを備えている。光路長変調器43は、
図6に示したものと同様のものが使用できる。
【0045】
変調ミラー433は、第1実施形態の変調ミラー133と同じ構成をなし、白色光源41からの白色光WLをビームスプリッタ421を介して受光し、反射距離をステップ状に変化させて反射することで、反射距離に応じて入射した白色光WLの位相をシフすることができる。
【0046】
一方、白色光源41からの白色光WLは、ビームスプリッタ421,レンズ系452(シリンドリカルレンズ),ビームスプリッタ422を介して測定対象48に照射される。そして、測定対象48の反射光(散乱光)は、ビームスプリッタ422,レンズ系453(シリンドリカルレンズ)を介してビームスプリッタ423により反射される。
【0047】
図7では、測定対象48は、移動ステージ49に搭載されており、水平方向に2軸移動することができる。
ビームスプリッタ423は、光路長変調器43の出射光と、測定対象48からの反射光(ビームスプリッタ423からの反射光)とを合波しこれを光検出器44に出射する。
光検出器44は、本実施形態では二次元イメージセンサである。
【0048】
図8は、本発明の干渉計の第5実施形態の説明図である。
図8の干渉計(マイケルソン型)では、表面点までの距離や、深さ方向の一次元断層像を測定することができる。
【0049】
図8において干渉計5は、白色光源51と、ビームスプリッタ52と、光路長変調器53と、干渉プロファイル測定器54と、レンズ系551,552,553,554とを備えている。
本実施形態でも、第1実施形態および第2実施形態と同様、白色光源51に代えて、広帯域光を発生できる光源を使用することができる。
光路長変調器53は、白色光源51からの白色光WLをビームスプリッタ52,レンズ系551(シリンドリカルレンズ)を介して入射し、コム光CMB_Rを出射するもので、第1分光デバイス531と、シリンドリカルレンズ532と、位相シフトミラー533とから構成される。第1分光デバイス531は、VIPAであり、異なる周波数のモードを空間的に分離して生成することができる。
【0050】
位相シフトミラー533は、階段状に構成されたミラーであり、コム光CMBを受光し、周波数に応じて反射距離をステップ状に変化させて反射することで、反射距離に応じて位相がシフトしたコム光CMB_Rを生成することができる。本実施形態では、位相シフトミラー533は、反射したコム光CMB_Rが第1分光デバイス531に逆経路で出射するように配置されている。位相シフトミラー533側から第1分光デバイス531に入射されたコム光CMB_Rは、白色光に戻され、WL_Pとして、ビームスプリッタ55に入射される。
【0051】
一方、白色光源51からの白色光WLはビームスプリッタ52を透過して、レンズ系552(シリンドリカル)により測定対象58に照射される。そして、測定対象58の反射光OB_Rは、レンズ系552を介してビームスプリッタ52により反射される。
【0052】
ビームスプリッタ52は、光路長変調器53の出射光(第1分光デバイス531を戻されてくる白色光WL_P)と、測定対象58の反射光OB_Rとを合波し合波光CMPとして出射する。
【0053】
第2分光デバイス56は、第1分光デバイス531と同一特性を有しており、合波光CMPからコム光CMB’を生成する。
干渉プロファイル測定器54は、本実施形態では二次元イメージセンサであり、コム光CMB’を受光し、干渉プロファイルp(x)を測定する。
なお、
図8では、測定対象58は、移動ステージ59に搭載されており、一次元または二次元平面を移動することができる。
【0054】
図9は、距離を深さ方向に線測定(二次元測定)することができる本発明の干渉計の第6実施形態の説明図である。
図9の干渉計(マイケルソン型)では、深さ方向の二次元断層像を測定することができる。
図9において干渉計6は、白色光源61と、ビームスプリッタ62と、光路長変調器63と、干渉プロファイル測定器64と、レンズ系651,652,653,654,655とを備えている。
【0055】
本実施形態でも、第1,第2および第3実施形態と同様、白色光源61に代えて、広帯域光を発生できる光源を使用することができる。
光路長変調器63は、白色光源61からの白色光WLをビームスプリッタ62,レンズ系651(シリンドリカルレンズ)を介して入射し、コム光CMB_Rを出射するもので、第1分光デバイス631と、シリンドリカルレンズ632と、位相シフトミラー633とから構成される。第1分光デバイス631は、VIPAであり、異なる周波数のモード(CMB)を空間的に分離して生成することができる。
【0056】
位相シフトミラー633は、階段状に構成されたミラーであり、コム光CMBを受光し、周波数に応じて反射距離をステップ状に変化させて反射することで、反射距離に応じて位相がシフトしたコム光CMB_Rを生成することができる。本実施形態では、位相シフトミラー633は、反射したコム光CMB_Rが第1分光デバイス631に逆経路で出射するように配置されている。位相シフトミラー633側から第1分光デバイス631に入射されたコムCMB_Rは、白色光に戻され、WL_Pとして、ビームスプリッタ62に入射される。
【0057】
一方、白色光源61からの白色光WLはビームスプリッタ62を透過して、レンズ系652(シリンドリカル)により測定対象68に照射される。そして、測定対象68の反射光(散乱光)OB_Rは、レンズ系652を介してビームスプリッタ62により反射される。
【0058】
ビームスプリッタ62は、光路長変調器63の出射光(第1分光デバイス631を戻されてくる白色光WL_P)と、測定対象68の反射光OB_Rとを合波し合波光CMPとして、レンズ系653(シリンドリカルレンズ)を介して第2分光デバイス66に入射される。
【0059】
第2分光デバイス66は、第1分光デバイス631と同一特性を有しており、合波光CMPからコム光CMB’を生成する。
干渉プロファイル測定器64は、本実施形態では二次元イメージセンサであり、レンズ系654,655(シリンドリカルレンズ)を介してコム光CMB’を受光し、干渉プロファイルp(x)を測定する。
【0060】
なお、
図9では、測定対象68は、移動ステージ69に搭載されており、一次元または二次元平面を移動することができる。
【0061】
図10は、本発明の干渉計の第7実施形態の説明図である。
図8の干渉計(マイケルソン型)は、表面点までの距離や、深さ方向の一次元断層像を、第1分光デバイス531を有する光路長変調器53を使用したが、本実施形態では、光路長変調器53に、分光デバイスを使用していない。
図10の干渉計は、第5実施形態の干渉計5と同様、測定対象78の(表面点までの距離や、深さ方向の一次元断層像)を取得することができるし、各深さにおける測定対象78の属性(エネルギー構造情報,屈折率,透過率,反射率等)を取得することができる。
【0062】
図10において干渉計7は、白色光源71と、ビームスプリッタ72と、変調器73と、と、レンズ系,752,753とを備えている。
変調ミラー733は、白色光源71からの白色光をビームスプリッタ72,を介して入射し、白色光を出射するものである。
【0063】
変調ミラー733は、階段状に構成されたミラーであり、白色光を受光し、反射距離をステップ状に変化させて反射することで、反射距離に応じて時間がシフトした光を生成することができる。
本構成例では、変調ミラー733は、反射光が逆経路で出射するように配置されている。変調ミラー733側からの反射光は、ビームスプリッタ75に入射される。
【0064】
一方、白色光源71からの白色光はビームスプリッタ72を透過して、レンズ系752(シリンドリカル)により測定対象78に照射される。そして、測定対象78の反射光は、ビームスプリッタ72により反射される。
【0065】
ビームスプリッタ72は、変調ミラー733の出射光と、測定対象78の反射光とを合波して出射する。
【0066】
光検出器74は、本実施形態では二次元イメージセンサである。
なお、
図10では、測定対象78は、移動ステージ79に搭載されており、一次元または二次元平面を移動することができる。
【0067】
図11は、本発明の干渉計の第8実施形態の説明図である。
図9の干渉計(マイケルソン型)は、表面点までの距離や、深さ方向の二次元断層像を、分光デバイス631を有する光路長変調器63を使用したが、本実施形態では、光路長変調器63に、分光デバイスを使用していない。
図11の干渉計は、第6実施形態の干渉計6と同様、測定対象89の(表面点までの距離や、深さ方向の一次元断層像)を取得することができるし、各深さにおける測定対象89の属性(エネルギー構造情報,屈折率,透過率,反射率等)を取得することができる。
【0068】
図11において干渉計8は、白色光源81と、ビームスプリッタ88と、変調ミラー833と、光検出器84と、レンズ系852とを備えている。
【0069】
変調ミラー833は、白色光源81からの白色光をビームスプリッタ82を介して入射し、時間シフトした光を出射するものである。
【0070】
変調ミラー833は、階段状に構成されたミラーであり、反射距離に応じて時間シフトした光を生成することができる。本実施形態では、変調ミラー833は逆経路で出射するように配置されている。変調ミラー833側からの反射光は、ビームスプリッタ42に入射される。
【0071】
一方、白色光源81からの白色光はビームスプリッタ82を透過して、レンズ系852(シリンドリカル)により測定対象Oに照射される。そして、測定対象Oの反射光(散乱光)は、レンズ系852を介してビームスプリッタ82により反射される。
【0072】
ビームスプリッタ82は、変調ミラー833の出射光と、測定対象Oの反射光とを合波し、レンズ系853(シリンドリカルレンズ),854,855を介して光検出器84に入射される。
【0073】
光検出器84は、本実施形態では二次元イメージセンサである。
【0074】
なお、
図11では、測定対象88は、移動ステージ89に搭載されており、一次元または二次元平面を移動することができる。