特許第5740777号(P5740777)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5740777
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20150611BHJP
【FI】
   A63F5/04 512Z
   A63F5/04 512D
   A63F5/04 516F
【請求項の数】2
【全頁数】56
(21)【出願番号】特願2014-83547(P2014-83547)
(22)【出願日】2014年4月15日
【審査請求日】2014年10月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪井 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】石原 孝洋
(72)【発明者】
【氏名】片山 慎
(72)【発明者】
【氏名】菅野 翔太
【審査官】 古屋野 浩志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−000385(JP,A)
【文献】 特開2011−015863(JP,A)
【文献】 特開2014−094169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に関するコマンドを決定し、決定されたコマンドを送信する主制御基板と、
前記主制御基板から前記コマンドを受信し、受信したコマンドに応じて処理を実行する副制御基板と、
を備え、
前記主制御基板と前記副制御基板との前記コマンドを含む情報の伝達が、該主制御基板から該副制御基板への一方向のみに制限された遊技機であって、
前記主制御基板は、
遊技に使用するための遊技媒体をベットするベット手段と、
遊技媒体をベットした後、スタートスイッチの操作に基づき、ストップスイッチに対する複数の操作態様のうちの所定の操作態様である正解操作態様が入賞条件として設定された選択当選役と他の当選役とが重複した選択当選種別を含む複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する当選種別抽選手段と、
前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選種別抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された該ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、
前記当選種別抽選で決定した小役の入賞に基づいて、該小役に対応する遊技媒体を払い出す払出制御手段と、
前記遊技機の内部の状態を、外部信号を通じて外部に出力する外部出力手段と、
前記当選種別抽選の結果を示す当選種別コマンドを含む複数のコマンドを決定するコマンド決定手段と、
決定されたコマンドを前記副制御基板に送信するコマンド送信手段と、
を備え、
前記副制御基板は、
前記コマンドを受信するコマンド受信手段と、
前記選択当選種別の当選に応じて前記正解操作態様を報知する補助演出を含む演出を実行する演出実行手段と、
前記補助演出を行う特定遊技状態を含む複数の遊技状態から1の遊技状態を遊技状態抽選により決定する副遊技状態遷移手段と、
を備え、
前記演出実行手段は、前記遊技状態抽選の結果が特定遊技状態であれば、特定の操作態様が入賞条件として設定された特定の当選役と他の当選役とが重複した特定の当選種別の当選に応じて該特定の操作態様を報知し、
前記主制御基板は、前記特定の当選種別が当選した遊技において前記特定の操作態様による操作がなされたことに応じ、前記特定遊技状態を繰り返し可能なセット数である継続セット数を決定するセット数決定手段をさらに備え、
前記外部出力手段は、前記継続セット数の決定に応じて、前記継続セット数のそれぞれのセットに対応する特定遊技状態が開始されると同時または開始される前にそれぞれのセットに対応する特定遊技状態への移行を示す外部信号を出力し、
前記コマンド決定手段は、前記継続セット数の決定に応じて、前記継続セット数を示すコマンドを決定することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記外部出力手段は、前記セット数決定手段が前記継続セット数を決定したタイミングで前記継続セット数分の特定遊技状態への移行を示す外部信号を一度に出力することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者に遊技上の利益を付与するか否かを抽選により決定する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技者によるメダル(遊技媒体)のベットおよびスタートスイッチの操作に応じて、当選役の抽選を行うとともに、種々の図柄が記された複数の回転リールが回転する。そして、抽選結果と遊技者によるストップスイッチの操作に応じて回転リールが順次停止され、払い出しの対象となるラインである有効ライン上に、当選役に対応する図柄組み合わせが表示されると、所定枚数のメダルが払い出されるなど、当選役に応じた遊技上の利益(以下、単に遊技利益という)が遊技者に付与されることとなる。
【0003】
また、スロットマシンでは、遊技の進行に際し、遊技者の有利度合いを異にする複数の遊技状態が設けられている。例えば、ストップスイッチの操作態様が、複数の操作態様のうちの所定の操作態様であること、すなわち、所定の操作順または所定の操作タイミングあるいはこれらの組み合わせであることが入賞条件として設定された遊技利益の大きい当選役(以下、選択当選役という)と他の当選役とが重複した当選種別(以下、選択当選種別という)に当選したときに、その選択当選役の入賞条件となる操作態様(以下、正解操作態様という)が報知されることで(以下、このような所定の当選役の入賞条件となる操作態様を報知する演出を単に補助演出という)、当該選択当選役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ライン上に容易に表示させることができる、所謂、AT(アシストタイム)遊技が実行されるAT遊技状態を設けているスロットマシンもある。また、リプレイ役の当選確率を予め高くし、ほぼ毎遊技、上記選択当選役またはリプレイ役に当選するように設定しておき、通常遊技状態では、補助演出を行わないことで遊技者のメダルを減少させ、AT遊技状態では、補助演出を行うことで当選した選択当選役を入賞させるようにして、遊技者のメダルを増加させる遊技性も取り入れられている。
【0004】
また、スロットマシンでは、内部の遊技状態が例えばAT遊技状態に遷移すると、その旨を外部に伝達するために外部信号が出力される。ただし、スロットマシンでは、AT遊技状態を管理する基板(副制御基板)と、AT遊技状態に遷移したことを示す外部信号を出力する基板(主制御基板)とが異なる場合があり、また、副制御基板から主制御基板への情報の伝達は制限されているので、例えば、AT遊技状態が開始したことを副制御基板から主制御基板に信号等によって直接伝達することができない。そこで、主制御基板においては、AT遊技状態の開始や終了を、選択当選種別に当選した際、遊技者が正解操作態様による操作を行ったか否かに基づいて判断する手法がとられる場合がある。例えば、特許文献1に示すように、主制御基板では、選択当選種別に当選した遊技のうち、正解操作態様による操作が行われた遊技が複数回連続すると、AT遊技状態が開始した旨の外部信号を出力し、その後、選択当選種別に当選した遊技のうち、正解操作態様による操作が行われない遊技が複数回連続すると、AT遊技状態が終了した旨の外部信号を出力する。
【0005】
また、特許文献2に示すように、AT遊技状態等の特定遊技状態への移行を遊技者が容易に把握することができないように設計されたスロットマシンにおいて、別体に設けられた外部表示器を通じて特定遊技状態に移行したことを遊技者に把握されてしまわないように、主制御基板が、外部信号を、特定遊技状態への移行を認識してから意図的に遅延させて出力する技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−121452号公報
【特許文献2】特開2010−051365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した特許文献1、2の技術は、いずれも、副制御基板における遊技状態の移行を主制御基板が把握した上で、その結果を、外部信号を通じて単純に結果伝達を行っているに過ぎなかった。したがって、外部表示器は、遊技者が、スロットマシンを通じて遊技状態の移行を把握した後、その結果を確認するための表示手段という役割に留まっていた。
【0008】
また、近年、外部表示器の高機能化が進み、外部表示器には、特定遊技状態の当選回数や当選頻度、それらを総合的にとらえたスランプチャートといった、遊技状態の様々な分析結果が表示されるようになってきた。しかし、その表示は、あくまで、スロットマシンを通じて把握できる遊技状態の遷移結果を事後的に表示しているに過ぎず、外部表示器自体によって何らかの遊技性が生じるものではなかった。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑み、外部信号を契機に外部表示器を積極的に演出に利用して演出効果および遊技の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技に関するコマンドを決定し、決定されたコマンドを送信する主制御基板と、主制御基板からコマンドを受信し、受信したコマンドに応じて処理を実行する副制御基板と、を備え、主制御基板と副制御基板とのコマンドを含む情報の伝達が、主制御基板から副制御基板への一方向のみに制限された遊技機であって、主制御基板は、遊技に使用するための遊技媒体をベットするベット手段と、遊技媒体をベットした後、スタートスイッチの操作に基づき、ストップスイッチに対する複数の操作態様のうちの所定の操作態様である正解操作態様が入賞条件として設定された選択当選役と他の当選役とが重複した選択当選種別を含む複数種類の当選種別のいずれかを当選種別抽選により決定する当選種別抽選手段と、スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、当選種別抽選手段の抽選結果に基づいて、操作されたストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、当選種別抽選で決定した小役の入賞に基づいて、小役に対応する遊技媒体を払い出す払出制御手段と、遊技機の内部の状態を、外部信号を通じて外部に出力する外部出力手段と、当選種別抽選の結果を示す当選種別コマンドを含む複数のコマンドを決定するコマンド決定手段と、決定されたコマンドを副制御基板に送信するコマンド送信手段と、を備え、副制御基板は、コマンドを受信するコマンド受信手段と、選択当選種別の当選に応じて正解操作態様を報知する補助演出を含む演出を実行する演出実行手段と、補助演出を行う特定遊技状態を含む複数の遊技状態から1の遊技状態を遊技状態抽選により決定する副遊技状態遷移手段と、を備え、演出実行手段は、遊技状態抽選の結果が特定遊技状態であれば、特定の操作態様が入賞条件として設定された特定の当選役と他の当選役とが重複した特定の当選種別の当選に応じて特定の操作態様を報知し、主制御基板は、特定の当選種別が当選した遊技において特定の操作態様による操作がなされたことに応じ、特定遊技状態を繰り返し可能なセット数である継続セット数を決定するセット数決定手段をさらに備え、外部出力手段は、継続セット数の決定に応じて、継続セット数のそれぞれのセットに対応する特定遊技状態が開始されると同時または開始される前にそれぞれのセットに対応する特定遊技状態への移行を示す外部信号を出力し、コマンド決定手段は、継続セット数の決定に応じて、継続セット数を示すコマンドを決定することを特徴とする。
【0011】
外部出力手段は、セット数決定手段が継続セット数を決定したタイミングで継続セット数分の特定遊技状態への移行を示す外部信号を一度に出力してもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外部信号を契機に外部表示器を積極的に演出に利用して演出効果および遊技の興趣を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
図2】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。
図3】リールの図柄配列を示す図である。
図4】スロットマシンの概略的な電気的構成を示したブロック図である。
図5】有効ラインおよび仮想ラインを説明するための説明図である。
図6】当選役を説明するための説明図である。
図7】当選役を説明するための説明図である。
図8】主制御基板における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
図9】ボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示す図である。
図10】ボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示す図である。
図11】副制御基板における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
図12】遊技状態抽選テーブルを示す図である。
図13】擬似ボーナス遊技当選時における処理の流れを示した説明図である。
図14】外部信号の変位を説明するための説明図である。
図15】擬似ボーナス遊技当選時における他の処理の流れを示した説明図である。
図16】通常AT遊技当選時における処理の流れを示した説明図である。
図17】主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
図18】リール停止処理を示したフローチャートである。
図19】外部信号出力処理を示したフローチャートである。
図20】副制御基板のサブ処理を示したフローチャートである。
図21】コマンド受信処理を示したフローチャートである。
図22】遊技状態終了判定処理を示したフローチャートである。
図23】遊技状態開始判定処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技者が遊技可能なスロットマシン(遊技機)の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、スロットマシンの各基板における具体的な処理(役構成や遊技状態の変移)および本実施形態で特徴的な処理を説明し、これらを実現するためのフローチャートを詳述する。
【0016】
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、スロットマシン100は、略矩形状の箱体である筐体102と、筐体102の前面開口部に対して回動可能な連結部材により開閉可能に取り付けられた前面上扉104と、前面上扉104の下方に位置し、前面上扉104同様、筐体102の前面開口部に対して開閉可能に取り付けられた前面下扉106と、前面下扉106の下部に位置し、メダル排出口108aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部108とを備えている。また、スロットマシン100は、ホールコンピュータ112と外部表示器(データカウンタ)114とを含む別体の外部装置110に接続され、外部表示器114は、遊技者が視認可能となるようにスロットマシン100の上方に配置されている。
【0017】
前面下扉106の上部には操作部設置台122が形成され、操作部設置台122には、メダル投入部124、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップスイッチ130、演出スイッチ132等が配設されている。
【0018】
操作部設置台122の右側に位置するメダル投入部124は、メダル投入口124aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付け、前面下扉106の背面に設けられたメダルセレクタ(図示せず)にメダルを送る。メダルセレクタには、メダルの投入が可能な投入期間外に投入されたメダルや規格外のメダルをメダル排出口108aに導くブロッカー(図示せず)と、投入期間内に投入された規格内のメダルの通過を検出する投入メダル検出部124bとが設けられている。ここで、メダル排出口108aに導かれたメダルは受け皿部108に排出される。遊技者により、1遊技を開始するために必要なメダルの投入数である規定投入数を超えてメダルが投入されると、その規定投入数を超えた分のメダルが、所定枚数(例えば50枚)を上限としてスロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)される。上記1遊技については後程詳述する。
【0019】
また、ここでは、規定投入数は「3」または「2」に設定されている。なお、1遊技を実行するために必要なメダル数を、複数の規定投入数から任意に選択できる場合、その複数の規定投入数の中の最大のものを最大規定投入数といい、最小のものを最小規定投入数という。仮に、規定投入数が1〜3の間で選択可能な場合、最大規定投入数は「3」となり、最小規定投入数は「1」となる。ここでは、規定投入数が「3」に固定されているので、最大規定投入数および最小規定投入数は「3」となる。
【0020】
ベットスイッチ126は、クレジットされているメダルのうち規定投入数のメダルを投入(ベット)する、押圧式のボタンスイッチである。規定投入数以上のメダルがクレジットされている状態で、ベットスイッチ126を押圧すると、1遊技が開始可能となるとともに、クレジットされているメダルが規定投入数分だけ減枚される。
【0021】
操作部設置台122の左側に位置するスタートスイッチ128は、傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による1遊技の開始操作を検出する。また、スタートスイッチ128は、押圧操作を検出可能なボタンスイッチによって構成することも可能である。
【0022】
前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓136が設けられ、筐体102内の図柄表示窓136に対応した位置には、リールユニット134が設けられている。リールユニット134には、図3のリールの図柄配列に示すように、21に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列された3つの回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられ、遊技者は、図柄表示窓136を通じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cを視認することができる。リールユニット134は、スタートスイッチ128の操作を契機として、左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始する。
【0023】
操作部設置台122の中央に位置するストップスイッチ130は、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに対応して設けられた、遊技者の押圧操作を検出可能なボタンスイッチであり、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれを停止させようとする遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ130に係る3つのボタンスイッチを特にストップボタンスイッチとよび、その位置に応じて左から順にストップボタンスイッチ130a、ストップボタンスイッチ130b、ストップボタンスイッチ130cとする。
【0024】
演出スイッチ132は、押圧式のボタンスイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。かかる演出スイッチ132は、主として演出中に用いられ、遊技者の操作によって演出態様を異ならせることができる。
【0025】
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な映像を表示する液晶表示部138が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ142が設けられる。
【0026】
また、図2に示すように、前面上扉104の裏面における液晶表示部138の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ140が設けられている。さらに、筐体102内におけるリールユニット134の下方には、メダル排出口108aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)264が設けられている。メダル払出装置264は、メダルを貯留するメダル貯留部264aと、メダル貯留部264aに貯留されたメダルをメダル排出口108aから排出するための払出制御部264bと、メダル排出口108aから排出されるメダルを検出する払出メダル検出部264cとを備えている。具体的に払出制御部264bは、当該払出制御部264bの本体外装に回転可能に支持され、メダル貯留部264aから落下したメダルが上方より1枚ずつ嵌入するメダル嵌入孔を円周方向に複数配してなるディスク(図示せず)と、かかるディスクを回転するディスクモータ(図示せず)とを備え、このディスクを回転させて、メダル嵌入孔に嵌入したメダルを、押出機構を通じて1枚ずつ外部に排出するとともに、排出により空いたメダル嵌入孔に次のメダルを順次嵌入させることで、メダルを1枚ずつ連続排出する。
【0027】
また、図1図2では図示していないが、各回転リール134a、134b、134cの内側には、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれに施された図柄のうち、図柄表示窓136に対応する(有効ラインの対象となり得る)各回転リール134a、134b、134cの上段、中段、下段の図柄を背面から個々に独立して照射するリールバックライト144(図4参照)が設けられている。また、図柄表示窓136の裏面上部にも左リール134a、中リール134b、右リール134c全ての正面を直接照射するリール上方ライト146が設けられている。
【0028】
また、図1に示すように、操作部設置台122において、図柄表示窓136とストップスイッチ130との間に設けられた段部122aの略水平面には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が設けられている。また、図柄表示窓136と操作部設置台122との間には、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158が設けられている。これらメインクレジット表示部152およびサブクレジット表示部156にはクレジット枚数が表示され、メイン払出表示部154およびサブ払出表示部158にはメダルの払出枚数が表示される。なお、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158には、演出に伴う様々な数値を表示することもできる。
【0029】
また、筐体102内の任意の位置には、電源スイッチ148が設けられている。電源スイッチ148は、ロッカースイッチ等、押圧操作を検出可能なスイッチで構成され、当該スロットマシン100を管理する管理者側が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
【0030】
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部124を通じたメダルの投入、ベットスイッチ126の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じて、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、回転リール134a、134b、134cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ128の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
【0031】
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、主として、主制御基板200と、副制御基板202とによって制御されている。ここでは、遊技の進行に関わるプログラムのうち、遊技に供する当選役の抽選やその入賞といったような、特に重要な処理を主制御基板200で実行し、それ以外の例えば演出に関する処理を副制御基板202で実行している。また、図4に示したように、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。ただし、このような制限がなければ、電気的に双方向通信も技術的に可能である。
【0032】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む各種半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。ただし、メインRAM200cには不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、意図的にメインRAM200cの初期化処理を実行しない限り、データが消去されることなく保持される。
【0033】
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、主遊技状態遷移手段312、コマンド決定手段314、コマンド送信手段316、セット数決定手段318、外部出力手段320等の機能部を有する。
【0034】
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。ここで、ベットは、ベットスイッチ126の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部124を通じてメダルを投入する場合と、リプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。当選種別抽選手段304は、メダルのベットおよびスタートスイッチ128の操作に基づき、小役、リプレイ役、および、ボーナス役を含む複数種類の当選役から選択された1からなるまたは複数重複してなる複数種類の当選種別、ならびに、ハズレのうちいずれかを当選種別抽選により決定する。
【0035】
リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、複数の回転リール134a、134b、134cを回転制御し、回転している回転リール134a、134b、134cにそれぞれ対応した複数のストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作に応じ、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cをそれぞれ停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ128の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ130の操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ130の操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ130の操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、回転リール134a、134b、134cを多彩な態様で回転させるリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。
【0036】
判定手段308は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたか否か判定する。ここで、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選種別抽選で決定した当選種別を構成するいずれか1の当選役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。主遊技状態遷移手段312は、ボーナス役の当選や入賞に基づいて、主制御基板200で管理する遊技状態を遷移させる。
【0037】
コマンド決定手段314は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、主遊技状態遷移手段312、セット数決定手段318等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定する。コマンド送信手段316は、コマンド決定手段314が決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。セット数決定手段318は、副制御基板202で管理する遊技状態が所定の遊技状態(特定遊技状態)に遷移したことに基づき、その特定遊技状態の継続セット数(1または複数)を抽選により決定する。特定遊技状態や継続セット数については副制御基板202の説明において詳述する。外部出力手段320は、スロットマシン100の内部の状態を、信号(外部信号)により、ホールコンピュータ112を介して外部表示器114に出力する(以下、単に外部表示器114に出力と表現する)。
【0038】
主制御基板200では、投入メダル検出部124b、ベットスイッチ126、スタートスイッチ128およびストップスイッチ130から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308が上述した種々の処理を実行する。また、主制御基板200には、メインクレジット表示部152およびメイン払出表示部154が接続されており、払出制御手段310が両表示部152、154に対してメダルのクレジット枚数や払出枚数の表示を制御する。
【0039】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部258が接続されている。このリール駆動制御部258は、スタートスイッチ128の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される各回転リール134a、134b、134cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ262を駆動するとともに、ストップスイッチ130の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路260の検出信号に基づいて、ステッピングモータ262の駆動を停止する。
【0040】
また、主制御基板200には、メダル払出装置264が接続されている。主制御基板200には払出メダル検出部264cの検出信号が入力されるようになっており、払出制御手段310は、その検出信号に応じてメダルの払出枚数を計数しながら払出制御部264bからのメダルの排出を制御する。
【0041】
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
【0042】
(主制御基板200で用いられるテーブル)
スロットマシン100においては、遊技の進行に際し、主制御基板200および副制御基板202それぞれにおいて複数の遊技状態が設けられており、主制御基板200で管理する遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ128の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別またはハズレに対応するか判定する。
【0043】
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役がある。このような当選役に対応する図柄組み合わせが、有効ライン上に揃った状態を表示(入賞)といい、当選役を含む当選種別に当選し、その当選役に対応する図柄組み合わせが表示されるまでの状態を内部当選状態とする。当選役のうちのリプレイ役は、そのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度1遊技を実行できる役であり、小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることにより、主制御基板200で管理する遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる当選役である。以下に、当選役および遊技者に付与される遊技利益について説明する。
【0044】
図5は、有効ラインおよび仮想ラインを説明するための説明図であり、図6および図7は、当選役を説明するための説明図であり、図8は、主制御基板200における遊技状態の遷移を説明するための説明図である。
【0045】
図5(a)は、本実施形態における有効ラインを示している。本実施形態において、有効ラインは1本であり、具体的に、図柄表示窓136に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール134a、中リール134b、右リール134cのそれぞれ中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを有効ラインAとして設定している。また、図5(b)は、仮想ラインを示している。仮想ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示するラインであり、本実施形態では、4つの仮想ラインを想定している。具体的に、左リール134aの上段、中リール134bの上段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB1、左リール134aの下段、中リール134bの下段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインB2、左リール134aの上段、中リール134bの中段、右リール134cの下段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC1、左リール134aの下段、中リール134bの中段、右リール134cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインを仮想ラインC2として設定している。ただし、仮想ラインB1、B2、C1、C2は、見かけ上、図柄が直線的に表示されるというだけで、あくまで当選役の入賞を判定するのは有効ラインAのみである。
【0046】
また、本実施形態においては、当選役として、図6に示すように、当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ」、「ATリプレイ」、「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」(以下、かかる5つのリプレイを単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)、「チェリー」、「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」、「特殊ベル9」、「特殊ベル10」、「特殊ベル11」、「特殊ベル12」、「特殊ベル13」(以下、当選役「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」、「特殊ベル9」、「特殊ベル10」、「特殊ベル11」、「特殊ベル12」、「特殊ベル13」の15個のベルを単に当選役「ベル」と略す場合がある)、「ビッグボーナス(以下、BBという)」が設けられている。このうち、当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ」、「ATリプレイ」、「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」が上記リプレイ役に相当し、当選役「チェリー」、「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」、「特殊ベル9」、「特殊ベル10」、「特殊ベル11」、「特殊ベル12」、「特殊ベル13」が上記小役に相当し、当選役「BB」が上記ボーナス役に相当する。
【0047】
(リプレイ役)
当選種別抽選の結果、当選役「リプレイ」(当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ」、「ATリプレイ」、「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」のいずれか)が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様(ここでは操作順)で操作した場合には、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される図柄が有効ラインA上に表示可能となり、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、上記したように、遊技者によるベットを行わずして再度1遊技を実行できる。例えば、当選種別抽選の結果、当選役「通常リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「通常リプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「リプレイA」図柄が、図7(a)のように有効ラインA上に表示可能となる。また、当選役「特殊リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「特殊リプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、図7(b)のように、中リール134bに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。また、当選役「特殊リプレイ」に対応する図柄組み合わせのうちの左リール134aの図柄は「ANY」となっている。ここで「ANY」は、対応する有効ラインA上にいずれの図柄が停止してもよいことを示す。したがって、ここでは、当選役「特殊リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作され、中リール134bおよび右リール134cが停止した状態で、左リール134aに対応する有効ラインA上に表示される図柄がいずれであっても、当選役「特殊リプレイ」の入賞には影響を及ぼさず、すなわち、中リール134bに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示され、右リール134cに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示された時点で、左リール134aの停止態様に拘わらず、当選役「特殊リプレイ」の入賞が確定することとなる。図7(b)の例では、左リール134aに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示され、有効ラインA上と仮想ラインC1上の両ラインに「BAR」図柄が直線的に表示されている。また、当選役「ATリプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「ATリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、図7(c)のように、左リール134aに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「リプレイA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。かかる図柄組み合わせにより、遊技者は、当選役「ATリプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。
【0048】
また、当選役「ビッグリプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合に、図6に示した当選役「ビッグリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「赤7」図柄が引き込み範囲内に存在していれば、図7(d)のように、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。このように有効ラインA上に「赤7」図柄が直線的に表示されることで、遊技者は、当選役「ビッグリプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。また、当選役「レギュラーリプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、図6に示した当選役「レギュラーリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、図7(e)のように、左リール134aに記される「リプレイA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「赤7」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。当選役「レギュラーリプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合、例えば、遊技者は、まず、中リール134bおよび右リール134cに記される「赤7」図柄を有効ラインA上に表示させ、その後、左リール134aに記される「赤7」図柄を有効ラインA上に表示させれば当選役「ビッグリプレイ」の入賞可能性がある状況下で、「赤7」図柄を狙っても、有効ラインA上に「リプレイA」図柄しか表示させることができない。図7(e)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが「リプレイA」、「赤7」、「赤7」となっているが、仮想ラインC2上に表示された図柄組み合わせは「赤7」、「赤7」、「白7」となり、遊技者は、当選役「レギュラーリプレイ」が含まれる当選種別に当選したことを把握することとなる。
【0049】
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、各回転リール134a、134b、134cの回転方向と反対の方向の図柄4つ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、当選役に対応する図柄が各回転リール134a、134b、134c中に複数あり、いずれも各回転リール134a、134b、134cの引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。このように、単に「停止制御」や「表示可能」と言った場合、当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を停止させるのみならず、引込範囲内で当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を引き込んで停止するといった処理を含む。なお、ストップスイッチ130が押圧操作されたときに、当選した当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別を構成する当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様にも応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
【0050】
そして、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「リプレイ」に対応する1または複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。例えば、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので、停止制御によって必ず有効ラインA上に表示することができる。このように、当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件となる操作態様で操作した場合には、これら当選役「リプレイ」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。なお、無作為な操作タイミングでストップスイッチ130を操作したとき、該当する当選役の所定の回転リール134a、134b、134cに対応する1または複数の図柄が有効ラインA上に表示される確率を「PB」と言い、0(0%)〜1(100%)の数値で表す。例えば、上記のように当選役「リプレイ」に対応する1または複数の図柄は、いずれの回転リール134a、134b、134cにおいても有効ラインA上に必ず表示させることができるように配列されているので、回転リール134a、134b、134cのいずれにおいてもPB=1となる。このようにして、当選役「リプレイ」に対応する1または複数の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、メダルを投入することなく次回の1遊技を開始することが可能となる。
【0051】
なお、詳しくは後述するが、当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合の停止制御は、その当選態様(例えば、当選役「通常リプレイ」が単独で当選したか、他の当選役(例えば、当選役「特殊リプレイ」)と重複当選したか、さらには他のいずれかの当選役と重複当選したか等)によって異なるように設定されている。したがって、その当選態様および遊技者の操作態様に応じて、重複当選した当選役「リプレイ」(当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ」、「ATリプレイ」、「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」)のいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることとなる。
【0052】
なお、上述したように、当選役「ビッグリプレイ」や当選役「レギュラーリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合には、これら当選役に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。ただし、図3を参照して理解できるように、「赤7」図柄や「白7」図柄は、各回転リール134a、134b、134cに1つずつしか配列されていないので、当選役「ビッグリプレイ」や当選役「レギュラーリプレイ」に対応する複数の図柄組み合わせのうち1の図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、有効ラインAまたは仮想ラインB1、B2、C1、C2上に「赤7」図柄や「白7」図柄が停止するとは限らない。すなわち、当選役「ビッグリプレイ」や当選役「レギュラーリプレイ」が含まれる当選種別に当選した場合に、入賞条件となる操作順で操作したとしても、ストップスイッチ130を無作為な位置で停止操作すると、「赤7」図柄や「白7」図柄が有効ラインAまたは仮想ラインB1、B2、C1、C2上に表示されない場合があり、入賞した当選役が、当選役「ビッグリプレイ」や当選役「レギュラーリプレイ」であることを容易に把握できない場合がある。
【0053】
(小役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「チェリー」が含まれる当選種別「チェリー」に当選した場合には、図6に示した、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせのうち、例えば、図7(f)のように、左リール134aに記される「白7」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。また、右リール134cについては「ANY」となっているので、いずれの図柄が有効ラインA上に表示されてもよい。図7(f)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「白7」、「チェリー」、「リプレイA」となっているが、仮想ラインC2上に表示された図柄組み合わせは「チェリー」、「チェリー」、「スイカA」となっており、遊技者は、当選役「チェリー」が含まれる当選種別「チェリー」に当選したことを容易に把握できる。ただし、各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている。そのため、当選役「チェリー」が含まれる当選種別「チェリー」に当選したとしても、所謂取りこぼしが生じることがあり、遊技者は、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
【0054】
また、当選種別抽選の結果、当選役「ベル」(当選役「通常ベル」、「共通ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル2」、「特殊ベル3」、「特殊ベル4」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」、「特殊ベル7」、「特殊ベル8」、「特殊ベル9」、「特殊ベル10」、「特殊ベル11」、「特殊ベル12」、「特殊ベル13」のいずれか)が含まれる当選種別に当選した場合には、その当選役に対応する1または複数の図柄組み合わせのうち、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される1または複数の図柄が有効ラインA上に表示可能となり、当選役「ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示された場合には、各当選役に対応した枚数のメダルが遊技者に払い出される。例えば、当選種別抽選の結果、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選し、入賞条件(後述する当選役「通常ベル」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせのうち、図6に示した、各回転リール134a、134b、134cそれぞれに記される「ベル」図柄が、図7(g)のように有効ラインA上に表示可能となる。また、当選種別抽選の結果、当選役「共通ベル」が含まれる当選種別に当選した場合には、図6に示した、当選役「共通ベル」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、図7(h)のように、左リール134aに記される「リプレイA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。図7(h)の例では、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせは「リプレイA」、「ベル」、「チェリー」となっているが、仮想ラインC1上に表示された図柄組み合わせは「ベル」、「ベル」、「ベル」となっており、遊技者は、当選役「共通ベル」が含まれる当選種別に当選したことを容易に把握できる。ここで、当選役「通常ベル」および当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄同士は、各回転リール134a、134b、134c内で最大図柄4つ分しか離隔していないので、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。ただし、当選役「通常ベル」は、当選役「共通ベル」より、払出枚数が多くなるように設定されている(例えば、当選役「通常ベル」=9枚、当選役「共通ベル」=1枚)。
【0055】
また、当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル13」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル13」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、図6に示した、当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル13」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、例えば、「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、図7(i)のように、左リール134aに記される「スイカA」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「ベル」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「リプレイA」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。各回転リール134a、134b、134cにおいては、当選役「特殊ベル1」に対応する複数の図柄組み合わせを構成する1または複数の図柄が、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)。したがって、当選役「特殊ベル1」が含まれる当選種別に当選し、特定の条件(当選役「特殊ベル1」に対応付けられた操作順での操作)を満たした場合には、当選役「特殊ベル1」に対応するいずれかの図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。
【0056】
また、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル13」に対応する複数の図柄組み合わせのうち、当選役「特殊ベル2」に対応する図柄組み合わせを例に挙げると、図6に示すように、かかる図柄組み合わせを構成する左リール134aの図柄は「赤7」または「スイカB」であり、中リール134bの図柄は、「赤7」または「リプレイA」であり、右リール134cの図柄は「ベル」である。したがって、左リール134aについては、図3における21図柄のうち図柄番号3〜11までの間といった図柄9つ分に相当する範囲で停止制御が実行されれば「赤7」または「スイカB」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。また、中リール134bについては、図3における21図柄のうち図柄番号1〜11までの間または図柄番号21といった図柄12個分に相当する範囲で停止制御が実行されれば「赤7」または「リプレイA」図柄を有効ラインA上に表示させることができる。また、右リール134cについては、上記の停止制御により、「ベル」図柄が必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。したがって、例えば、上記の当選役「特殊ベル2」が含まれる当選種別に当選した場合において、遊技者が無作為に操作した場合に当選役「特殊ベル2」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、12/49(9/21×12/21×21/21)となる。同様の計算により、当選役「特殊ベル3」〜「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、それぞれ、9/49、16/49、12/49となる。ここで、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル5」の当選確率(当選範囲値の数)は等しく、また、遊技者は当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル5」のいずれの当選役が当選しているか把握できないので、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル5」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、平均して1/4((12/49+9/49+16/49+12/49)/4)となる。以下の説明では、当選役によって正確には異なるものの、説明の便宜上、確率PBについて平均値を用い「約」を付けて説明する。よって、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル5」に対応するいずれかの図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、約1/4であり、当選役「特殊ベル6」〜「特殊ベル13」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる確率PBは、約1/8となる。したがって、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル13」に当選したとしても、遊技者は、当選役「特殊ベル2」〜「特殊ベル13」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
【0057】
なお、詳しくは後述するが、本実施形態においては、当選役「通常ベル」が単独で当選することがなく、必ず他の当選役(例えば、当選役「特殊ベル1」および当選役「特殊ベル6」)と重複当選するので、その重複当選の当選態様によって停止制御が異なるように設定されている。したがって、各回転リール134a、134b、134cにおいては、「ベル」図柄が、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている(図3および図6参照)ものの、当選役「通常ベル」が含まれる当選種別に当選しても、その操作態様によっては、取りこぼすことがあり、遊技者は、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
【0058】
(ボーナス役)
また、当選種別抽選の結果、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、図6に示した、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせである、図7(j)のように、左リール134aに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、中リール134bに記される「BAR」図柄が有効ラインA上に表示可能となり、右リール134cに記される「チェリー」図柄が有効ラインA上に表示可能となる。そして、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、ボーナス遊技フラグがONすることで、遊技状態がボーナス遊技状態に設定され、次の1遊技(以下、単に次遊技という)以降、メダルが所定枚数(例えば26枚)払い出されるまで、ボーナス遊技状態にて遊技を実行することが可能となる。なお、各回転リール134a、134b、134cにおいては、それぞれ「BAR」、「BAR」、「チェリー」図柄が、上記の停止制御によっても、有効ラインA上に表示されない場合があるように配列されている(図3および図6参照)。そのため、当選役「BB」が含まれる当選種別「BB」に当選したとしても、遊技者は、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを必ずしも有効ラインA上に表示させられるとは限らない。
【0059】
なお、いずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その1遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該1遊技の終了後に内部当選フラグがOFFされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した1遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「BB」(ボーナス役)が含まれる当選種別「BB」に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。
【0060】
ここで、主制御基板200で管理している遊技状態の遷移と合わせて具体的に説明すると、BB内部当選フラグが成立すると、BB内部当選フラグの成立状況に応じて、図8の(1)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス役が含まれる当選種別「BB」に当選していないボーナス非成立遊技状態から、ボーナス遊技状態の準備状態に相当するボーナス成立遊技状態となり、ボーナス成立遊技状態に基づいて左リール134a、中リール134b、右リール134cそれぞれの停止制御がなされる。このとき、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(ボーナス成立遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においても当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。そして、遊技者が、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、図8の(2)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移する。また、ボーナス遊技状態において、メダルが所定枚数払い出されると、図8の(3)に示すように、主制御基板200で管理している遊技状態が、ボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態に遷移する。ただし、図8の(4)に破線の矢印で示すように、ボーナス非成立遊技状態における当選役「BB」が成立した遊技で、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させた場合、ボーナス成立遊技状態を経由せず、直接、ボーナス遊技状態に遷移する。
【0061】
なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがOFFされる。
【0062】
(当選種別抽選テーブル)
図9および図10は、当選種別抽選乱数を判定する場合に用いられる当選種別抽選テーブルを示す図であり、図9は、上述したボーナス成立遊技状態において用いられるボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示し、図10は、ボーナス非成立遊技状態において用いられるボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを示している。当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。区画化された各当選領域にはそれぞれ所定の当選範囲値(置数)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の当選範囲値を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた当選範囲値を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域から、順次、当選範囲値を取得し、その当選範囲値を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を抽選結果としている。当該抽選の手順は、他の抽選においても適用できる。
【0063】
図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルによれば、当選領域1には、当選種別「通常リプレイ」が対応付けられており、当該当選種別「通常リプレイ」の当選に応じて当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
【0064】
また、当選種別抽選テーブルによれば、複数の当選役が重複した当選種別に当選することがある。例えば、当選領域2には、当選役「通常リプレイ」、「特殊リプレイ」が重複した当選種別「特殊リプレイ」が対応付けられ、当選領域3には、当選役「通常リプレイ」、「ATリプレイ」が重複した当選種別「ATリプレイ」が対応付けられ、当選領域4には、当選役「通常リプレイ」、「ビッグリプレイ」が重複した当選種別「ボーナスリプレイ1」が対応付けられ、当選領域5には、当選役「通常リプレイ」、「レギュラーリプレイ」が重複した当選種別「ボーナスリプレイ2」が対応付けられている。このように、複数の当選役が重複して当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
【0065】
以下の説明において、左リール134a、中リール134b、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順1」とし、左リール134a、右リール134c、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順2」とし、中リール134b、左リール134a、右リール134cの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順3」とし、中リール134b、右リール134c、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順4」とし、右リール134c、左リール134a、中リール134bの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順5」とし、右リール134c、中リール134b、左リール134aの順に回転リールを停止させるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を「打順6」とする。
【0066】
例えば、ボーナス成立遊技状態において、当選領域2に対応する当選種別「特殊リプレイ」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが最初に停止(第1停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、当選役「特殊リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。したがって、当選種別「特殊リプレイ」に当選すると、図7(b)に示したように、有効ラインA上と仮想ラインC1上の両ラインに「BAR」図柄を直線的に表示することができる。
【0067】
このように、複数の当選役が重複した当選種別には、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じ、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて、または、当選役が小役であった場合、その小役に対応するメダルの払出枚数に基づいて、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示するかが設定されており、リール制御手段306は、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順と操作タイミングに応じて停止制御する図柄を決定する。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に、遊技者によって、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかが操作されると、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cに対応する回転リール134a、134b、134cにおける、その操作タイミングで引込範囲内に存在している図柄のうち、まだ、入賞の可能性が残っている全ての当選役に対応する図柄組み合わせの当該回転リール134a、134b、134cの図柄が停止制御の対象となり、さらに、操作されたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて設定された優先度に基づき、リール制御手段306は、いずれか1の図柄を有効ラインA上に停止制御する。本実施形態では、有効ラインA上に表示可能な図柄組み合わせの種類に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示可能となる当選役の図柄組み合わせの種類が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定され、当選役(小役)に対応するメダルの払出枚数に基づいて優先度を設定する場合、有効ラインA上に表示されている図柄組み合わせに対応する小役の払出枚数が多いほど優先度が高くなるように優先度が設定される。
【0068】
なお、上記した通り、当選種別「特殊リプレイ」に当選した場合には、その図柄配列上、いずれのタイミングでストップボタンスイッチ130a、130b、130cを押圧操作したとしても、重複するいずれかの当選役に対応する図柄組み合わせが、必ず、有効ラインA上に表示されることとなる。したがって、遊技者が、左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれを最初に停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cを操作したとしてもリプレイ役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することは可能であるが、その停止順により表示される図柄の組み合わせが異なることとなる。
【0069】
このようなリプレイ役が重複した当選種別に当選した場合、副制御基板202は、補助演出を通じて重複当選した複数の当選役のいずれかに対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。すなわち、本来、回転リール134a、134b、134cの制御を行っていない副制御基板202が、回転リール134a、134b、134cの停止態様を間接的に操作することが可能となる。また、主制御基板200では、遊技者によって行われた停止操作(ここでは操作順)を判定することで、主制御基板200で管理している遊技状態と並行して副制御基板202で管理している遊技状態(AT遊技状態等)や様々な内部状態が変化したことを把握することが可能となる。例えば、所定の当選種別に当選した際、副制御基板202が補助演出を通じ、遊技者に、内部状態の移行を示す所定の打順による停止操作を行わせ、主制御基板200は、所定の当選種別に当選した際にそのような停止操作が行われたことをもって、内部状態の移行を把握することができる。また、主制御基板200では、このような遊技者によって行われた停止操作(操作態様)に代えて、または、加えて、遊技者の操作により有効ラインA上に表示された(入賞した)当選役に基づいて、副制御基板202で管理している遊技状態や様々な内部状態が変化したことを把握することも可能である。このような副制御基板202で管理している遊技状態や様々な内部状態が変化したことを把握する対象を停止操作または入賞当選役のいずれにするか、または両方にするかは、仕様等により適宜選択することができる。そして、主制御基板200の外部出力手段320は、内部状態の変化を外部信号として外部に出力する。
【0070】
また、当選領域3に対応する当選種別「ATリプレイ」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、図7(c)に示したように、当選役「ATリプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
【0071】
また、当選領域4に対応する当選種別「ボーナスリプレイ1」が当選種別抽選により決定され、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、図7(d)に示したように、当選役「ビッグリプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。
【0072】
また、当選領域5に対応する当選種別「ボーナスリプレイ2」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「通常リプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bまたは右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3〜打順6)、図7(e)に示したように、当選役「レギュラーリプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御がなされる。
【0073】
また、当選領域6には、当選種別「チェリー」が対応付けられており、当該当選種別「チェリー」の当選に応じて、図7(f)に示したように、当選役「チェリー」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。また、当選領域7には、当選種別「共通ベル」が対応付けられており、当選種別「共通ベル」の当選に応じて、図7(h)に示したように、当選役「共通ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
【0074】
また、当選領域8には、当選役「通常ベル」、「特殊ベル1」、「特殊ベル6」が重複した当選種別「打順ベル中1」が対応付けられている。かかる重複当選においても、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cが操作される順番が設定されている。
【0075】
例えば、ボーナス成立遊技状態において、当選領域8に対応する当選種別「打順ベル中1」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、左リール134a、中リール134b、右リール134cのうち、中リール134bが第1停止、左リール134aが2番目に停止(第2停止)するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3)、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bが第1停止、右リール134cが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順4)、または、右リール134cが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順5または打順6)、当選役「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
【0076】
このように、当選領域8に当選した場合、遊技者が、正解操作態様となる打順3によって操作すると、払出枚数9枚の当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=9枚)、打順4〜6によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル1」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=1枚)、打順1、2によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせを約1/8の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約1/8枚)。したがって、期待獲得枚数は、打順3による操作、打順4〜6による操作、打順1、2による操作の順に少なくなっていく。
【0077】
また、当選種別抽選テーブルの当選領域9〜15には、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル1」と、当選役「特殊ベル6」に相当する当選役「特殊ベル7」〜当選役「特殊ベル13」のいずれか1の当選役が重複した当選種別「打順ベル中2」〜当選種別「打順ベル中8」が対応付けられている。そして、当選領域9〜11は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順3に設定され、当選領域12〜15は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順4に設定されている。かかる当選領域9〜15における操作態様と期待獲得枚数との関係は、上述した当選領域8における操作態様と期待獲得枚数との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0078】
また、当選領域16には、当選役「通常ベル」、「特殊ベル2」、「特殊ベル5」、「特殊ベル6」が重複した当選種別「打順ベル右1」が対応付けられている。かかる重複当選においても、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件が設定されている。
【0079】
例えば、ボーナス成立遊技状態において、当選領域16に対応する当選種別「打順ベル右1」が当選種別抽選により決定され、左リール134aが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順1または打順2)、当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、中リール134bが第1停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3または打順4)、または、右リール134cが第1停止、中リール134bが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順6)、当選役「特殊ベル2」に対応する図柄組み合わせまたは当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。この場合、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル2」に対応する図柄組み合わせまたは当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせのいずれかを約1/2(約1/4(当選役「特殊ベル2」)+約1/4(当選役「特殊ベル5」))の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約1/2枚)。ただし、中リール134bが第1停止、左リール134aが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順3)、中リール134bの停止態様に応じて、有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる当選役を変化させる場合がある。具体的に、中リール134bの図柄番号1〜11までの間または図柄番号21のいずれかの図柄(図3参照)が有効ラインA上に位置しているときにストップボタンスイッチ130bが操作されると、リール制御手段306は、当選役「特殊ベル2」に対応する図柄組み合わせのうち中リール134bに対応する「赤7」図柄または「リプレイA」図柄(当選役「特殊ベル6」と共通の図柄)が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。その後、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、攻略性抑制の観点から、当選役「特殊ベル2」ではなく、当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせのうち左リール134aに対応する「リプレイA」図柄が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。一方、中リール134bの図柄番号12〜21までのいずれかの図柄(図3参照)が有効ラインA上に位置しているときにストップボタンスイッチ130bが操作されると、リール制御手段306は、当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせのうち中リール134bに対応する「リプレイB」図柄または「ハズレ」図柄が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。その後、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130aの操作に応じて、当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせのうち左リール134aに対応する「ハズレ」図柄または「スイカA」図柄が有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御する。したがって、この場合、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせまたは当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせのいずれかを約3/8(約1/8(当選役「特殊ベル6」)+約1/4(当選役「特殊ベル5」))の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約3/8枚)。また、右リール134cが第1停止、左リール134aが第2停止するようにストップボタンスイッチ130a、130b、130cが順次操作された場合(打順5)、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
【0080】
このように、当選領域16に当選した場合、遊技者が、正解操作態様となる打順5によって操作すると、払出枚数9枚の当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを必ず有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=9枚)、打順4、6によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル2」または当選役「特殊ベル5」に対応する図柄組み合わせを約1/2の確率で有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=約1/2枚)、打順3によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせを約3/8の確率で有効ラインA上に表示でき(期待獲得枚数=約3/8枚)、打順1、2によって操作すると、払出枚数1枚の当選役「特殊ベル6」に対応する図柄組み合わせを約1/8の確率で有効ラインA上に表示できる(期待獲得枚数=約1/8枚)。したがって、期待獲得枚数は、当選領域8に当選した場合同様、打順5による操作、打順4、6による操作、打順3による操作、打順1、2による操作の順に少なくなっていく。
【0081】
また、当選種別抽選テーブルの当選領域17〜23には、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル2」〜当選役「特殊ベル5」のいずれか2の当選役と、当選役「特殊ベル6」に相当する当選役「特殊ベル7」〜当選役「特殊ベル13」のいずれか1の当選役が重複した当選種別「打順ベル右2」〜当選種別「打順ベル右8」が対応付けられている。そして、当選領域17〜19は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順5に設定され、当選領域20〜23は、当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が打順6に設定されている。かかる当選領域17〜23における操作態様と期待獲得枚数との関係は、上記、当選領域16における操作態様と期待獲得枚数との関係と対応しているため、ここでは、詳細な説明を省略する。
【0082】
そして、当選種別抽選テーブルの当選領域8〜23全てにおいて、当選役「通常ベル」と、当選役「特殊ベル1」〜当選役「特殊ベル5」のいずれか1または2の当選役と、当選役「特殊ベル6」〜当選役「特殊ベル13」のいずれか1の当選役が重複当選するようになっており(以下、当選領域8〜23における当選種別「打順ベル中1」、「打順ベル中2」、「打順ベル中3」、「打順ベル中4」、「打順ベル中5」、「打順ベル中6」、「打順ベル中7」、「打順ベル中8」、「打順ベル右1」、「打順ベル右2」、「打順ベル右3」、「打順ベル右4」、「打順ベル右5」、「打順ベル右6」、「打順ベル右7」、「打順ベル右8」を合わせて当選種別「打順ベル」と略す場合がある)、期待獲得枚数が当選役「特殊ベル1」〜当選役「特殊ベル13」より多い当選役「通常ベル」を入賞させるための停止操作が当選領域によって異なるように設定されている。なお、当選領域8〜23の当選確率(当選範囲値の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域8〜23を設けることにより、選択当選役としての当選役「通常ベル」を入賞させることが極めて難しくなっている。ただし、このようなストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作順に応じて遊技者の遊技利益が異なる当選種別に当選した場合においても、遊技者は、副制御基板202による補助演出を通じて当選役「通常ベル」を入賞し得る正解操作態様を把握することで、当選役「通常ベル」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させ、通常遊技状態より多くのメダルを獲得することが可能となる。
【0083】
このように、補助演出を実行することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易いAT遊技状態と、補助演出を行わないことで、遊技の進行に応じてメダルが減り易い遊技状態(通常遊技状態)とを実現することができる。また、後述するように、通常遊技状態では、補助演出が実行されないのに加え、期待獲得枚数をさらに低減するため、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が、打順1または打順2に遊技上制限されている(通常遊技状態では打順1および打順2以外の打順3〜6で操作を行うと後述するペナルティを科すようにすることで、遊技者の操作を打順1または打順2に制限している)。具体的に、通常遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した場合においても、打順1または打順2によって、当選役「特殊ベル6」〜「特殊ベル13」にしか入賞させることができない(当選役「通常ベル」および当選役「特殊ベル1」〜「特殊ベル5」を入賞させることができない)。そうすると、通常遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した遊技において、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は約1/8枚となり、遊技の進行に応じてメダルが減り易くなる。一方で、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が制限されることなく、かつ、補助演出が実行されるAT遊技状態では、当選種別「打順ベル」が当選した遊技において、当選役「通常ベル」を入賞させることができるので、規定投入数「3」に対して期待獲得枚数は9枚となり、当選種別「打順ベル」の当選確率を調整することで、遊技の進行に応じてメダルが増え易くなる遊技を実現することができる。
【0084】
また、当選領域24には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかるハズレはメダルの払い出し等が行われることはないが、BB内部当選フラグが持ち越された当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させたり、特定の図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることで遊技の開始、終了条件や遊技利益の抽選契機に利用することができる。
【0085】
次に、図10のボーナス非成立遊技状態用当選種別抽選テーブルと、図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルとを比較すると、前者は当選種別「BB」の抽選を行っているのに対し、後者では当選種別「BB」の抽選をしておらず、一方、後者は、当選種別「ハズレ」を抽選しているのに対し、前者では抽選していない。これは、後者では、既に当選種別「BB」に当選しているので重ねて当選種別「BB」を当選させることができず、また、後者では、後述するようにリプレイ役や小役が優先される状況下において、当選種別「ハズレ」が抽選された遊技で、当選している当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能とするためである。また、図示はしていないが、後者は、前者に対して当選種別「通常リプレイ」の当選確率が高く設定されている。
【0086】
主制御基板200で管理している遊技状態としては、上記ボーナス非成立遊技状態およびボーナス成立遊技状態以外にボーナス遊技状態が存在するが、かかるボーナス遊技状態では、後述するように、当選種別抽選の結果に拘わらず、全ての抽選結果において、対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能な小役に強制的に設定されるので、当選種別抽選テーブルは設定されていない。
【0087】
(遊技状態の遷移)
以下、主制御基板200における遊技状態(ボーナス非成立遊技状態、ボーナス成立遊技状態、ボーナス遊技状態)の遷移について詳述する。なお、本実施形態では、規定投入数が遊技状態に応じて異なっており、ボーナス非成立遊技状態、および、ボーナス成立遊技状態では、規定投入数が3枚に設定されているのに対し、ボーナス遊技状態では、規定投入数が2枚に設定されている。
【0088】
(ボーナス非成立遊技状態)
ボーナス非成立遊技状態は、主制御基板200で管理される複数の遊技状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。また、ボーナス非成立遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率が約1/7.3に設定される。そして、図8を用いて説明したように、ボーナス非成立遊技状態において、当選種別「BB」に当選すると、ボーナス成立遊技状態に移行する。本実施形態では、当選種別「BB」の当選確率が例えば約1/3に設定され、比較的少ない遊技で当選種別「BB」に当選するので、ボーナス非成立遊技状態の滞在期間は短くなる。
【0089】
(ボーナス成立遊技状態)
ボーナス成立遊技状態は、ボーナス非成立遊技状態のみから移行し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで継続する遊技状態である。この間、BB内部当選フラグが成立した状態に維持される。また、ボーナス成立遊技状態では、当選種別「通常リプレイ」の当選確率がボーナス非成立遊技状態より高く、例えば約1/3.8に設定される。
【0090】
本実施形態では、後述するように、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態を維持しつつ、副制御基板202によるAT遊技状態(後述する通常AT遊技状態や擬似ボーナス遊技状態等)を実現する。したがって、ボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に容易に遷移しないように、ボーナス成立遊技状態における当選種別抽選の当選確率を調整している。
【0091】
ボーナス成立遊技状態において、図9に示したボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを参照して理解できるように、当選種別抽選手段304は、BB内部当選フラグが持ち越されている遊技においても、リプレイ役や小役を抽選している。したがって、リプレイ役や小役が当選種別抽選により決定されると、リプレイ役や小役の当選フラグと、BB内部当選フラグとがいずれも成立していることとなる。ここで、本実施形態では、リプレイ役>小役>ボーナス役の順に優先順位が定められている。すなわち、リプレイ役や小役が含まれる当選種別に当選した遊技において、リール制御手段306は、リプレイ役や小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御し、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせは、遊技者が狙ったとしても、有効ラインA上に表示されることはない。
【0092】
ここで、図9のボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルを参照すると、ボーナス成立遊技状態では、リプレイ役、小役、ハズレのいずれかに当選するようになっている。本実施形態では、ハズレの当選確率を、例えば、1/65536とすることで、ほぼ、リプレイ役または小役のいずれかに当選することになる。そうすると、上記の如く、リプレイ役または小役に対応する図柄組み合わせが優先され、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができない。また、リプレイ役や小役が含まれる当選種別に当選していないハズレの遊技でのみ当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能であるが、当選種別抽選においてハズレであったことを把握することができないようにすることで、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されないようにしている。また、当選種別抽選がハズレであったとしても、遊技者が無作為に操作した場合に、各回転リール134a、134b、134cに1図柄または連続2図柄しか記されていない当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが表示される可能性は少ない。こうして、遊技者が当選役「BB」の入賞を意図的に回避しなければならない状況を減らし、遊技者の煩わしい操作負担を軽減しつつ、ボーナス成立遊技状態を容易に維持させることが可能となる。
【0093】
また、ボーナス成立遊技状態では、上述したように、ほぼ、リプレイ役または小役のいずれかに当選することになっており、リプレイ役が約1/3.8の高確率で当選することで、遊技者のメダルの消費を抑え、また、AT遊技状態が実現されると、補助演出によって正解操作態様が報知されるので、遊技者は、メダルを獲得することが可能となる。ここでは、リプレイ役が、既に、約1/3.8といった高確率で当選するので、リプレイ役の当選確率が高くなるRT(リプレイタイム)等を実行することなく、AT遊技状態のみを速やかに開始することが可能となる。
【0094】
(ボーナス遊技状態)
ボーナス遊技状態は、ボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことを契機に移行し、メダルが所定枚数(例えば、26枚)払い出されるまで継続する遊技状態である。かかるボーナス遊技状態では、当選種別抽選テーブルが設定されておらず、当選種別抽選手段304による当選種別抽選の結果が全てハズレとなるようになっている。ただし、かかる当選種別抽選の結果に拘わらず、全ての抽選結果において、対応する図柄組み合わせが、必ず有効ラインA上に表示可能な小役に強制的に設定される。したがって、ボーナス遊技において、遊技者は、必ず、メダルの所定枚数の払出を受けることができる。ただし、本実施形態では、払出枚数を規定投入数(ここでは2枚)と等しくしているため、ボーナス遊技によって得られるメダル数は±0枚である。また、本実施形態では、ボーナス遊技終了後のボーナス非成立遊技状態において補助演出が実行されないので、遊技者のメダルは減ることが多くなる。
【0095】
一方、ボーナス成立遊技状態では、AT遊技状態において補助演出が実行されるため、メダルの増加が期待できる。したがって、遊技者は、遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に移行するのを回避し、長期に亘ってボーナス成立遊技状態を維持しようとする。こうして、主制御基板200が管理する遊技状態をボーナス成立遊技状態に維持しつつ、ボーナス成立遊技状態中において、副制御基板202によるAT遊技状態を実現することができる。
【0096】
(副制御基板202)
図4に戻って説明すると、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
【0097】
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、副遊技状態遷移手段334、演出決定手段336、演出実行手段338等の機能部を有する。
【0098】
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに基づいて、遊技者に有利な特定遊技を含む複数の遊技状態から1の遊技状態を遊技状態抽選により決定し、遊技状態を遷移させる。ここで、特定遊技とは、遊技者に対し遊技が有利に進行する、例えば、補助演出を実行する通常AT遊技や擬似ボーナス遊技をいう。また、特定遊技を実行している状態を特定遊技状態という。ここで、通常AT遊技と擬似ボーナス遊技は、いずれも補助演出を実行する所謂AT遊技であるが、擬似ボーナス遊技は、所謂ボーナス遊技に見立てた遊技であり、本実施形態では、期待獲得枚数が相対的に多いビッグボーナス遊技と、期待獲得枚数が相対的に少ないレギュラーボーナス遊技とが設けられている。本実施形態においては、ビッグボーナス遊技は、当選種別「ボーナスリプレイ1」の当選時に当選役「ビッグリプレイ」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されたことを契機に開始される。また、レギュラーボーナス遊技は、当選種別「ボーナスリプレイ2」の当選時に当選役「レギュラーリプレイ」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されたことを契機に開始される。また、通常AT遊技は、当選種別「ATリプレイ」の当選時に当選役「ATリプレイ」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されたことを契機に開始される。したがって、当選役「ATリプレイ」、「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」は、特定遊技状態への移行を示す開始当選役として機能し、このような開始当選役と他の当選役とが重複した当選種別「ATリプレイ」、「ボーナスリプレイ1」、「ボーナスリプレイ2」を開始当選種別とする。また、開始当選役の入賞条件として設定された操作態様を開始操作態様という。開始当選種別は、上記当選種別「ATリプレイ」、「ボーナスリプレイ1」、「ボーナスリプレイ2」に限らず、後述するように、選択当選種別も開始当選種別として機能し、その場合、選択当選役も開始当選役として機能する。そして、副遊技状態遷移手段334は、特定遊技状態を含む副制御基板202で管理される遊技状態を遷移させる。
【0099】
演出決定手段336は、演出スイッチ132から検出信号を受信するとともに、当選種別コマンドに基づいて液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出決定手段336は、液晶表示部138に表示される画像データや、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ140から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。演出実行手段338は、決定した遊技の演出を実行する。かかる各機能部については、後程詳述する。
【0100】
演出は、上述したリール演出のような主制御基板200によって実行される演出と、副制御基板202によって実行される演出がある。副制御基板202によって実行される演出は、遊技の進行に伴い、液晶表示部138、スピーカ140、演出用ランプ142、リールバックライト144、リール上方ライト146、サブクレジット表示部156、サブ払出表示部158等を通じて提供される視覚的および聴覚的な表現手段であり、当該遊技にストーリー性を与えたり、当選種別の抽選結果をよりダイナミックな画像で示唆したりすることができる。このような演出では、例えば、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技の当選を示唆する演出を複数遊技に亘って行い、遊技者の期待感を高めることができる。また、たとえ、いずれの当選種別にも当選していなかったとしても、恰も当選しているかのような演出を通じて遊技者に高配当の期待感を持たせ、遊技者を飽きさせないようにすることが可能となる。また、演出には、上述したように、図9に示すボーナス成立遊技状態用当選種別抽選テーブルの当選領域8〜23の当選種別「打順ベル」に当選した場合に、期待獲得枚数が最大となる(当選役「通常ベル」を入賞し得る)正解操作態様を報知する補助演出も含まれる。
【0101】
本実施形態では、副制御基板202における副制御基板202内で演出動画を処理しているが、液晶表示部138に表示される静止画や動画を含む画像は、データ容量やその表示に伴う処理負荷が膨大となるため、別途、液晶制御基板を介在させて演出動画を処理する場合もある。
【0102】
(遊技状態の遷移)
図11は、遊技状態の遷移を説明するための説明図である。以下、副制御基板202において副遊技状態遷移手段334により遷移される遊技状態(通常遊技状態、通常AT遊技状態、擬似ボーナス遊技状態)について詳述する。
【0103】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、副制御基板202で管理される複数の遊技状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。通常遊技状態が実行される際、主制御基板200では、ボーナス成立遊技状態となっているので、リプレイ役や小役の当選確率が高く設定されていることになるが、補助演出の実行頻度が通常AT遊技状態や擬似ボーナス遊技状態より低く、ほぼ補助演出が行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。
【0104】
また、通常遊技状態では、遊技上、期待獲得枚数を低減すべく、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作が正当な操作態様(打順1または打順2)に制限され、遊技者は、そのような正当な操作態様以外の変則操作態様(打順3〜打順6)で操作を行うと、例えば、所定の遊技数を消化するまで、通常AT遊技や擬似ボーナス遊技の当選確率が低く設定されたり、所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達等)遊技上の特典が与えられる条件下で遊技数の消化計数が一時的に停止する等、遊技が不利に進行するペナルティが科されることとなる。
【0105】
また、通常遊技状態では、ノーマル通常遊技状態とチャンス通常遊技状態とが設けられ、副遊技状態遷移手段334は、ノーマル通常遊技状態における所定の契機で遊技状態をチャンス通常遊技状態に移行させ(1)、所定の遊技数が消化されるとノーマル通常遊技状態に戻す(2)。また、副遊技状態遷移手段334は、ノーマル通常遊技状態およびチャンス通常遊技状態において、遊技状態を通常AT遊技状態もしくは擬似ボーナス遊技状態(ビッグボーナス遊技状態またはレギュラーボーナス遊技状態)に移行させることができる(3)。ただし、チャンス通常遊技状態の方がノーマル通常遊技状態より通常AT遊技状態に移行し易いように設定されている。例えば、チャンス通常遊技状態およびノーマル通常遊技状態のいずれの遊技状態においても、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて通常AT遊技状態へ移行するか否かが抽選(遊技状態抽選)により決定される場合に、当選種別毎に対応付けられた通常AT遊技状態へ移行する確率がノーマル通常遊技状態よりチャンス通常遊技状態の方が高くなっている。具体的に、当選種別抽選により当選種別「チェリー」が決定された場合、ノーマル通常遊技状態における通常AT遊技状態へ移行する確率に対し、チャンス通常遊技状態における通常AT遊技状態へ移行する確率の方が約20倍高い。したがって、遊技者は、ノーマル通常遊技状態より、チャンス通常遊技状態に滞在することを望むこととなる。また、通常AT遊技状態や擬似ボーナス遊技状態に移行することなく通常遊技状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達)、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を通常AT遊技状態へ移行させる。
【0106】
(通常AT遊技状態)
通常AT遊技状態は、当選役「ATリプレイ」を有効ラインA上に表示させ、通常遊技状態または擬似ボーナス遊技状態から移行する遊技状態であり、副制御基板202による補助演出が行われる。通常AT遊技状態では、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態となっているので、リプレイ役や小役の当選確率が高く設定されており、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、通常遊技状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。また、通常AT遊技は、その抽選と実行が同じ副制御基板202で行われるので、通常AT遊技に当選すると、直ちに通常AT遊技を開始することができる。
【0107】
また、通常AT遊技状態では、通常遊技状態のようなペナルティを科していない。当該通常AT遊技状態では、選択当選役が重複当選している場合に、正解操作態様を報知することで、正解操作態様の操作により選択当選役を入賞させ、遊技者にメダルを獲得させることを目的としている。したがって、正解操作態様に対応している変則操作態様をペナルティにすることができないからである。
【0108】
当該通常AT遊技状態への移行が決定されると、通常AT遊技状態の少なくとも1セット目の継続遊技数が決定され、それに伴って、通常AT遊技状態の継続セット数が決定される。ここで、継続遊技数は、当該通常AT遊技状態を維持可能な(上限の)遊技数であり、継続セット数は、継続遊技数に到達するまでの通常AT遊技状態を1セットとした場合の通常AT遊技状態を繰り返し可能な(上限の)セット数である。そして、通常AT遊技の遊技数が継続遊技数に到達すると、通常AT遊技状態が終了し、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態をノーマル通常遊技状態に移行する(4)。ただし、決定された通常AT遊技状態の継続セット数が2以上であれば、副遊技状態遷移手段334は、所定の条件を満たした後、遊技状態を再度、通常AT遊技状態に移行する(5)。このように通常AT遊技状態は、セット数が継続セット数に到達するまで繰り返し実行される。また、通常AT遊技状態において、副遊技状態遷移手段334は、通常AT遊技状態の継続遊技数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると、例えば、当選種別「特殊リプレイ」が当選した遊技において、遊技者に打順3〜6による操作を実行させ、当選役「特殊リプレイ」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示して遊技者にその旨報知するとともに、当選した上乗せにかかる遊技数を加えて継続遊技数を更新する。また、副遊技状態遷移手段334は、通常AT遊技状態においても遊技状態を擬似ボーナス遊技状態(ビッグボーナス遊技状態またはレギュラーボーナス遊技状態)に移行させることができる(6)。
【0109】
(擬似ボーナス遊技状態)
擬似ボーナス遊技状態は、当選役「ビッグリプレイ」や当選役「レギュラーリプレイ」を有効ラインA上に表示させ、通常遊技状態または通常AT遊技状態から移行する遊技状態であり、通常AT遊技状態同様、副制御基板202による補助演出が行われる。当該擬似ボーナス遊技状態への移行が決定されると、擬似ボーナス遊技状態の少なくとも1セット目の継続遊技数が決定され、それに伴って、擬似ボーナス遊技状態の継続セット数(通常AT遊技状態の継続セット数と区別するために、ボーナス継続セット数と呼ぶ場合がある。これに対して通常AT遊技状態の継続セット数をAT継続セット数と呼ぶ場合がある。)が決定される。擬似ボーナス遊技状態では、ビッグボーナス遊技状態とレギュラーボーナス遊技状態とが設けられ、ビッグボーナス遊技状態は、レギュラーボーナス遊技状態より、擬似ボーナス遊技状態開始時に設定される継続遊技数が多い。したがって、遊技者は、レギュラーボーナス遊技状態よりビッグボーナス遊技状態で遊技するのを望むことになる。そして、擬似ボーナス遊技の遊技数が継続遊技数に到達すると、擬似ボーナス遊技状態が終了し、擬似ボーナス遊技状態開始前の遊技状態に戻る。したがって、擬似ボーナス遊技状態開始前の遊技状態が通常AT遊技状態であれば、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を通常AT遊技状態に戻し(7)、通常遊技状態(ノーマル通常遊技状態またはチャンス通常遊技状態)であれば、ノーマル通常遊技状態に戻す(8)。
【0110】
擬似ボーナス遊技状態では、通常AT遊技状態同様、主制御基板200においてボーナス成立遊技状態となっているので、リプレイ役や小役の当選確率が高く設定されており、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。
【0111】
上述したように、主制御基板200が管理する遊技状態は、ほぼ、ボーナス成立遊技状態に滞在しており、ボーナス成立遊技状態であることを条件に、副制御基板202では、遊技状態を、通常遊技状態、通常AT遊技状態、擬似ボーナス遊技状態の間で遷移させる。しかし、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示される可能性があり、主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移する場合もある。副制御基板202では、主制御基板200における遊技状態を把握することが可能なので、ボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態に遷移した場合、副制御基板202の遊技状態を一旦停止し、かつ、補助演出を行わないようにする。そして、主制御基板200においてボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態に遷移すると、副制御基板202の遊技状態を再開する。
【0112】
(副制御基板202で用いられるテーブル)
サブROM202bには、複数の遊技抽選テーブル等が格納されている。副遊技状態遷移手段334は、現在の遊技状態に基づいて対応する遊技状態抽選テーブルをサブROM202bから抽出するとともに、抽出した遊技状態抽選テーブルに基づき、所定の遊技の当選に対応するか否か判定する。
【0113】
図12は、遊技状態抽選テーブルを示す図であり、図12(a)は、ノーマル通常遊技状態に用いられ、図12(b)は、チャンス通常遊技状態に用いられ、図12(c)は、通常AT遊技状態に用いられる。かかる遊技状態抽選テーブルは、本来、同一の遊技状態であっても、当選種別抽選の抽選結果毎に異なるが、ここでは、説明の便宜上、当選種別抽選の抽選結果の影響を受けないとする。各遊技状態抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、区画化された各当選領域にはそれぞれ所定の当選範囲値と遊技が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の当選範囲値を合計すると演出抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、特定遊技やハズレのそれぞれに当選する確率は、当選領域に対応付けられた当選範囲値を演出抽選乱数の総数で除算した値となる。例えば、図12(a)のノーマル通常遊技状態用遊技状態抽選テーブルでは、5つの当選領域が区画されており、それぞれ、チャンス通常遊技、通常AT遊技、ビッグボーナス遊技、レギュラーボーナス遊技、ハズレが割り当てられ、当選領域毎の当選範囲値に応じて、各遊技の当選確率が異なることとなる。図12(a)、図12(b)、図12(c)のいずれの遊技状態抽選テーブルにおいても、ビッグボーナス遊技、レギュラーボーナス遊技、ハズレの当選領域がある。また、チャンス通常遊技状態からノーマル通常遊技状態には所定の遊技数の消化により移行するので、図12(b)のチャンス通常遊技状態用遊技状態抽選テーブルにおいてノーマル通常遊技が抽選により決定されることはない。同様に、通常AT遊技状態からノーマル通常遊技状態には所定の遊技数の消化により移行するので、図12(c)の通常AT遊技状態用遊技状態抽選テーブルにおいてノーマル通常遊技やチャンス通常遊技が抽選により決定されることはない。
【0114】
ところで、上述したように、主制御基板200では、所定の当選種別に当選した際に遊技者が実行した停止操作を判定し、その判定結果に応じて副制御基板202の遊技状態が遷移したことを間接的に把握し、その旨の外部信号を出力している。例えば、副制御基板202で擬似ボーナス遊技状態への移行が決定された場合、主制御基板200は、所定の当選役(擬似ボーナス遊技状態の開始当選役)に対応する図柄組み合わせ(例えば、当選役「ビッグリプレイ」)を有効ラインA上に表示することができる停止操作(開始操作態様)を判定することによって擬似ボーナス遊技状態の開始を把握する。具体的に、主制御基板200においては、当選種別「ボーナスリプレイ1」や当選種別「ボーナスリプレイ2」(以下、当選種別「ボーナスリプレイ1」、「ボーナスリプレイ2」を合わせて当選種別「ボーナスリプレイ」と略す場合がある)が所定の当選確率で当選するように設定され、当選した擬似ボーナス遊技の種別、例えば、ビッグボーナス遊技に対応する当選種別「ボーナスリプレイ1」が当選すると、副制御基板202が、補助演出を行い、遊技者に所定の操作態様(ここでは、打順3〜6)による操作を実行させる。こうして、主制御基板200は、ビッグボーナス遊技に当選したことを把握するとともに、当選役「ビッグリプレイ」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができる。
【0115】
しかし、当選種別「ボーナスリプレイ」は、常に所定の当選確率で当選しており、擬似ボーナス遊技の当選有無に拘わらず、所定の操作を実行することで、有効ラインA上に、当選役「ビッグリプレイ」または当選役「レギュラーリプレイ」に対応する図柄組み合わせを表示することができる。すなわち、遊技者が、副制御基板202が報知する操作態様に従わなかったり、操作を間違えたりしても、当選役「ビッグリプレイ」または当選役「レギュラーリプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されてしまうことがある。すると、外部出力手段320は、実際には擬似ボーナス遊技に当選していない場合であっても、本来出力すべきではない、擬似ボーナス遊技状態への移行を示す外部信号を外部に出力してしまい、擬似ボーナス遊技の総数や種類が外部に表示された数と実際の数とで異なる結果が生じ得る。そこで、主制御基板200では、当選種別「ボーナスリプレイ」に当選した遊技において所定の停止操作が実行されたか否か判定するのみならず、当選種別「打順ベル」に当選した遊技において、補助演出によって遊技者が正解操作態様による停止操作が実行されたか否か判定することで、外部信号の正確性を担保している。したがって、当選種別「ボーナスリプレイ」に加え、当選種別「打順ベル」も開始当選種別として機能する。
【0116】
しかし、副制御基板202において遊技状態が遷移すると、主制御基板200が、停止操作を通じて遷移した遊技状態を把握し、外部出力手段320がその旨外部信号を通じて出力するといった仕様では、外部信号は、副制御基板202での遊技状態の移行結果を報知しているだけとなる。したがって、外部表示器114は、遊技者が、遊技機を通じて遊技状態の移行を把握した後、その結果を確認するための表示手段という役割に留まっていた。また、近年、外部表示器114の高機能化が進み、外部表示器114には、特定遊技状態の当選回数や当選頻度、それらを総合的にとらえたスランプチャートといった、遊技状態の様々な分析結果が表示されるようになってきた。しかし、その表示はあくまで、遊技機を通じて把握できる遊技状態の遷移結果を事後的に表示しているに過ぎず、外部表示器114自体によって何らかの遊技性が生じるものではなかった。
【0117】
例えば、副制御基板202において擬似ボーナス遊技状態に当選した場合に、併せて、擬似ボーナス遊技状態の継続遊技数と、その継続セット数(ボーナス継続セット数)とが決定されたとする。ここで、決定されたボーナス継続セット数が2以上であれば、遊技者は、擬似ボーナス遊技を複数セット分実行することが可能となる。このとき、副制御基板202では、例えば、液晶表示部138を通じて、決定されたボーナス継続セット数を示唆する演出を行うことができる。したがって、遊技者は、液晶表示部138での演出を通じて、擬似ボーナス遊技の当選とともに、そのボーナス継続セット数を把握することが可能となる。しかし、主制御基板200では、上記の停止操作により擬似ボーナス遊技の当選を把握することはできるものの、ボーナス継続セット数まで把握することができない。したがって、主制御基板200は、1セット目の擬似ボーナス遊技が開始される際に、停止操作により擬似ボーナス遊技の1セット分の当選を把握し、擬似ボーナス遊技状態への移行を示す外部信号によって、外部表示器114を通じ、擬似ボーナス遊技の1セット分の当選を報知する。そして、主制御基板200は、2セット目の擬似ボーナスの開始を待って、停止操作により擬似ボーナス遊技のさらに1セット分(2セット目)の当選を把握し、2セット目の擬似ボーナス遊技状態への移行を示す外部信号によって、外部表示器114を通じ、擬似ボーナス遊技の2セット目の当選を報知する。このように、外部表示器114は、遊技状態の移行結果の事後的な表示しか行っていなかった。
【0118】
そこで、本実施形態では、主制御基板200のセット数決定手段318がボーナス継続セット数を決定し、外部出力手段320が外部信号を積極的に利用した演出を行う。こうして、外部表示器114を通じた演出効果および遊技の興趣を高める。以下、本実施形態における、擬似ボーナス遊技当選時の処理の流れを詳述する。
【0119】
(遊技段階の遷移)
図13は、擬似ボーナス遊技当選時における処理の流れを示した説明図である。図13では図中下方向に遊技が進行する。ここでは、擬似ボーナス遊技状態に当選した際、ボーナス継続セット数として「2」が決定され、副制御基板202における遊技状態が通常遊技状態→擬似ボーナス遊技状態→通常遊技状態→擬似ボーナス遊技状態→通常遊技状態と遷移する例を挙げて説明する。
【0120】
副制御基板202において、遊技状態が通常遊技状態である場合に、擬似ボーナス遊技状態(例えば、ビッグボーナス遊技状態)への移行が決定された(当選した)とする(a)。擬似ボーナス遊技状態への移行が決定されると、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、正解操作態様を報知する。そして、遊技者が報知された正解操作態様に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて正解当選役(当選役「通常ベル」)に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示するとともに、正解カウンタを1に設定する(b)。ここで、正解カウンタは、当選種別「打順ベル」に当選した際に遊技者が補助演出にしたがって正解操作態様による操作が行われた遊技が何回連続したか計数するためのカウンタである。さらに、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、正解操作態様を報知し、遊技者が報知された正解操作態様に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示するとともに、正解カウンタを2に更新する(c)。
【0121】
続いて、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「ボーナスリプレイ1」の当選に応じて、打順3〜6を報知する。そして、遊技者が報知された打順3〜6に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて当選役「ビッグリプレイ」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示する(d)。主制御基板200のセット数決定手段318は、正解カウンタが2以上であること、および、ビッグボーナス遊技に関する開始操作態様による操作に基づいて、遊技状態がビッグボーナス遊技状態に移行したことを把握する。そして、セット数決定手段318は、現在、ボーナス継続セット数が設定されていないことを条件に(初当たりの場合に)、当該ボーナス継続セット数(例えば「2」)を決定する。ここでは、正解カウンタが2以上となった後でビッグボーナス遊技の当選を把握する例を挙げて説明したが、その順番は問わない。
【0122】
続いて、外部出力手段320は、ボーナス継続セット数に相当する分、擬似ボーナス遊技状態への移行を示す外部信号を出力する(e)。
【0123】
図14は、外部信号の変位を説明するための説明図である。従来では、擬似ボーナス遊技に当選すると、外部出力手段320は、図14(a)に示すように、擬似ボーナス遊技状態の開始時に擬似ボーナス遊技状態への移行を示す外部信号をONし、擬似ボーナス遊技状態の終了時に同外部信号をOFFしていた。また、擬似ボーナス遊技状態が2セット分当選した場合であっても、外部出力手段320は、そのセット毎に外部信号をON、OFFしていた。本実施形態においては、主制御基板200のセット数決定手段318がボーナス継続セット数を決定するので、主制御基板200内にボーナス継続セット数の情報を有している。したがって、外部出力手段320は、図14(b)に示すように、外部信号をON、OFF、ONと順次変位させ、擬似ボーナス遊技が一度開始、終了し、再度開始したかの如く外部表示器114に伝達することができる。外部信号の1回目のOFFと2回目のONのタイミングは、1遊技中であってもよいし、複数の遊技に跨がってもよい。こうして、外部信号が積極的に利用され、外部表示器114の擬似ボーナス遊技の総数に、ボーナス継続セット数である「2」が追加される。このとき、コマンド決定手段314は、決定されたボーナス継続セット数を示すコマンドを決定し、コマンド送信手段316は、例えば、停止コマンドとして副制御基板202に送信する。こうして、副制御基板202は、当該ボーナス継続セット数が「2」であることを把握することができる。
【0124】
こうして、遊技者は、当選役「ビッグリプレイ」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されたことで、少なくとも、擬似ボーナス遊技状態への移行を把握できる。しかし、その表示のみでは、遊技者は、決定されたボーナス継続セット数を把握することができない。ただし、本実施形態においては、上述したように、外部表示器114において、擬似ボーナス遊技状態の2セット目以降の開始タイミングに拘わらず(独立して)、擬似ボーナス遊技の総数が変化し、その変化分を通じて決定されたボーナス継続セット数を把握することができる。したがって、遊技者は、単に擬似ボーナス遊技に当選したことのみならず、外部表示器114を通じ、そのボーナス継続セット数が2であることを把握して歓喜することとなる。
【0125】
その後、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334は、ボーナス継続セット数を「2」に設定し、擬似ボーナス遊技状態を開始し、演出実行手段338は、補助演出を実行する。このように擬似ボーナス遊技状態が開始されると、遊技者は、補助演出に従うことで正解操作態様の操作により選択当選役を有効ラインA上に表示できるようになる。
【0126】
図13に戻って、副遊技状態遷移手段334は、擬似ボーナス遊技の遊技数が規定の継続遊技数に到達すると補助演出を終了するとともに、ボーナス継続セット数を1減算し(2→1)、遊技状態を、一旦、通常遊技状態に移行する(f)。そうすると、当選種別「打順ベル」が当選した場合においても補助演出が実行されないので、遊技者は、正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができず、主制御基板200では、その停止操作に応じて失敗カウンタを1に設定する(g)。ここで、失敗カウンタは、当選種別「打順ベル」に当選した際に遊技者が正解操作態様による操作を行わなかった遊技が何回連続したか計数するためのカウンタである。さらに、当選種別「打順ベル」が当選した場合において補助演出が実行されないので、遊技者は、正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができず、主制御基板200では、その停止操作に応じて失敗カウンタを2に更新する(h)。
【0127】
こうして、主制御基板200では、擬似ボーナス遊技の1セット分が終了したことを把握し、ボーナス継続セット数を1減算する(2→1)(i)。ここで、本来なら外部出力手段320が、擬似ボーナス遊技状態が終了した旨の外部信号を出力するのだが、既に、擬似ボーナス遊技の1セット目の終了に相当する外部信号の出力を完了しているので、ここでは、擬似ボーナス遊技状態の終了に関する外部信号を出力しない(図13中、破線の四角で示す)。
【0128】
ここで、副制御基板202において、遊技状態が通常遊技状態である場合に、ボーナス継続セット数が1以上残っていると、副遊技状態遷移手段334は、再度の擬似ボーナス遊技状態への移行を決定する。そうすると、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、正解操作態様を報知する。そして、遊技者が報知された正解操作態様に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて正解当選役(当選役「通常ベル」)に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示するとともに、正解カウンタを1に設定する(j)。さらに、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、正解操作態様を報知し、遊技者が報知された正解操作態様に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示するとともに、正解カウンタを2に更新する(k)。
【0129】
続いて、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「ボーナスリプレイ1」の当選に応じて、打順3〜6を報知する。そして、遊技者が報知された打順3〜6に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて当選役「ビッグリプレイ」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示する(l)。主制御基板200のセット数決定手段318は、正解カウンタが2以上であること、および、ビッグボーナス遊技に関する開始操作態様による操作に基づいて、遊技状態がビッグボーナス遊技に移行したことを把握する。ここで、本来なら外部出力手段320が、擬似ボーナス遊技が開始した旨の外部信号を出力するのだが、既に、擬似ボーナス遊技の2セット目の開始に相当する外部信号の出力を完了しているので、ここでは、擬似ボーナス遊技状態の開始に関する外部信号を出力しない(図13中、破線の四角で示す)。また、ボーナス継続セット数が1以上あるので、当該擬似ボーナス遊技に関するボーナス継続セット数は、既に副制御基板202に伝達されていると判定し、コマンド決定手段314も、ボーナス継続セット数を示すコマンドを決定しない。すなわち、ボーナス継続セット数を示すコマンドは送信されない。
【0130】
その後、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334は、ボーナス継続セット数が1であることをもって、擬似ボーナス遊技状態を開始し、演出実行手段338は、補助演出を実行する。
【0131】
続いて、副遊技状態遷移手段334は、1セット目同様、擬似ボーナス遊技の遊技数が規定の継続遊技数に到達すると補助演出を終了するとともに、ボーナス継続セット数を1減算し(1→0)、遊技状態を通常遊技状態に移行する(m)。そうすると、当選種別「打順ベル」が当選した場合においても補助演出が実行されないので、遊技者は、正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができず、主制御基板200では、その停止操作に応じて失敗カウンタを1に設定する(n)。さらに、当選種別「打順ベル」が当選した場合において補助演出が実行されないので、遊技者は、正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができず、主制御基板200では、その停止操作に応じて失敗カウンタを2に更新する(o)。
【0132】
こうして、主制御基板200では、擬似ボーナス遊技の2セット目が終了したことを把握し、ボーナス継続セット数を1減算する(1→0)。そして、外部出力手段320は、擬似ボーナス遊技状態が終了した旨の外部信号を出力する(p)。こうして、実際に実行された擬似ボーナス遊技の総数と、外部表示器114で加算された擬似ボーナスの総数との整合をとりつつ、外部信号を積極的に利用した演出を行い、外部表示器114を通じた演出効果および遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0133】
図13の例では、セット数決定手段318がボーナス継続セット数を決定したタイミングで、外部出力手段320がボーナス継続セット数(例えば「2」)に相当する外部信号を一度に出力する例を挙げた。しかし、ボーナス継続セット数を報知するタイミングはかかる場合に限らず、任意のタイミングで別々に報知することができる。
【0134】
図15は、擬似ボーナス遊技当選時における他の処理の流れを示した説明図である。図15でも図中下方向に遊技が進行する。ここでも、図13同様、擬似ボーナス遊技が当選した際、ボーナス継続セット数として「2」が決定され、副制御基板202における遊技状態が通常遊技状態→擬似ボーナス遊技状態→通常遊技状態→擬似ボーナス遊技状態→通常遊技状態と遷移する例を挙げて説明する。ただし、図13を用いて既に説明した処理については、実質的に処理が等しいので重複説明を省略する。
【0135】
図15では、セット数決定手段318がボーナス継続セット数を決定したタイミングで、外部出力手段320は、ボーナス継続セット数のうち、1セット目の擬似ボーナス遊技状態(ここではビッグボーナス遊技状態)への移行を示す外部信号を出力する(q)。具体的に、外部出力手段320は、擬似ボーナス遊技に当選した旨の外部信号をONし、擬似ボーナス遊技状態が開始した旨の外部信号のみを出力する。こうして、外部表示器114の擬似ボーナス遊技の総数に、ボーナス継続セット数のうちの1セット目である「1」のみが追加される。ただし、コマンド決定手段314は、決定されたボーナス継続セット数「2」全てを示すコマンドを副制御基板202に送信する。こうして、副制御基板202は、当該ボーナス継続セット数が「2」であることを把握することができる。
【0136】
そして、外部出力手段320は、セット数決定手段318がボーナス継続セット数を決定したタイミング以降であり、2セット目の擬似ボーナス遊技状態が開始されるまでの任意のタイミングで、ボーナス継続セット数のうち、残りの2セット目について、擬似ボーナス遊技状態への移行を示す外部信号を出力する(r)。具体的に、外部出力手段320は、擬似ボーナス遊技状態の外部信号をOFF、ONと順次変位させ、擬似ボーナス遊技状態が一旦終了し、再度開始したかの如く外部表示器114に伝達する。ここでは、任意のタイミングを、2セット目の擬似ボーナス遊技状態が開始されるまでとしているが、2セット目の擬似ボーナス遊技状態の開始タイミングを主制御基板200で予め明確に把握することができない場合、1セット目の擬似ボーナス遊技状態が終了する可能性がある遊技、例えば、選択され得る継続遊技数の最小値までとしてもよい。また、任意のタイミングを、当選種別抽選における、当選種別「特殊リプレイ」等、所定の当選種別の当選時とし、遊技者は、所定の当選種別の当選時にボーナス継続セット数の残りがあることを把握できるとしてもよい。
【0137】
こうして、外部表示器114の擬似ボーナス遊技の総数に、ボーナス継続セット数のうちの2セット目である「1」が追加され、結果的に「2」追加されたことになる。ここで、コマンド送信手段316は、セット数決定手段318が擬似ボーナス遊技のボーナス継続セット数を決定したタイミングで、既にボーナス継続セット数を示すコマンドを副制御基板202に送信しているので、ここでは、ボーナス継続セット数に関するコマンドを送信しない。
【0138】
図15の例において、遊技者は、当選役「ビッグリプレイ」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されたことで、少なくとも、擬似ボーナス遊技状態への移行を把握し、外部表示器114においても1セット分の擬似ボーナス遊技状態の権利を得たことを把握できる。また、図15の例では、外部表示器114において、任意のタイミングで擬似ボーナス遊技の総数がさらに変化し(1追加された状態が2追加された状態に変化し)、その変化分を通じて決定されたボーナス継続セット数を把握することができる。したがって、遊技者は、単に擬似ボーナス遊技に当選したのみならず、擬似ボーナス遊技状態の途中で、外部表示器114を通じ、そのボーナス継続セット数が2であることを把握して歓喜することとなる。
【0139】
ただし、上述したように、遊技者が、副制御基板202が報知する操作態様に従わなかったり、操作を間違えたりしても、当選役「ビッグリプレイ」または当選役「レギュラーリプレイ」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されてしまうことがある。したがって、当選役「ビッグリプレイ」または当選役「レギュラーリプレイ」に関する開始操作態様による操作に加え、正解カウンタが2以上であることを擬似ボーナス遊技状態への移行を把握する条件に含めたとしても、セット数決定手段318が、誤って、擬似ボーナス遊技が開始されたと認識し、ボーナス継続セット数を決定する場合がある。そこで、本実施形態では、以下の対応をとっている。
【0140】
まず、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334では、擬似ボーナス遊技に当選した後、擬似ボーナス遊技状態の開始操作態様を報知した遊技において受信したボーナス継続セット数を示すコマンドに示されたボーナス継続セット数のみを信用し、そのボーナス継続セット数を設定する。その後は、設定されたボーナス継続セット数分の擬似ボーナス遊技を消化するまで、副制御基板202からのコマンドに基づく新たなボーナス継続セット数の設定は行わない。こうして、主制御基板200に対し、不正にボーナス継続セット数を決定させたとしても、副制御基板202の擬似ボーナス遊技状態の進行に影響を与えることがない。
【0141】
また、主制御基板200のセット数決定手段318は、一度、ボーナス継続セット数を決定すると、そのボーナス継続セット数分に相当する外部信号を出力するまで、新たなボーナス継続セット数を決定しない。こうして、擬似ボーナス遊技中に、ボーナス継続セット数が不正に再決定される事態を回避することができる。かかる構成を用いると、ボーナス継続セット数の不正決定によって、正当な決定を受け付けないおそれがあるが、そもそもボーナス継続セット数の不正決定によっては、補助演出が行われないので、ボーナス継続セット数に相当する外部信号が早期に出力完了することとなり、すぐにボーナス継続セット数の正当な決定を受け付けることが可能となるので、問題は生じない。
【0142】
また、図13図15の例では、セット数決定手段318がボーナス継続セット数を決定したタイミングや、次セット目の擬似ボーナス遊技状態が開始されるまでの任意のタイミングで、外部出力手段320が継続決定されたボーナス継続セット数(例えば「2」)に相当する外部信号を出力している。しかし、敢えて、外部信号によって積極的な演出をしない場合、従来通り、擬似ボーナス遊技状態の新たなセットが開始される度に、擬似ボーナス遊技状態の開始と同時に1セットに相当する外部信号を出力するとしてもよい。こうして、外部表示器114によって、2以上のボーナス継続セット数を把握できる状況とできない状況を作ることができ、より遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0143】
また、図13図15の例では、通常遊技状態において擬似ボーナス遊技状態に移行する例を挙げているが、通常AT遊技状態において擬似ボーナス遊技状態に移行する場合も、同様の処理が実行される。また、通常遊技状態において擬似ボーナス遊技状態に移行する場合のみならず、通常遊技状態において通常AT遊技状態に移行する場合も、同様の処理が実行される。以下、通常AT遊技状態への移行について説明する。
【0144】
図16は、通常AT遊技当選時における処理の流れを示した説明図である。図16でも図中下方向に遊技が進行する。ここでは、通常AT遊技が当選した際、継続セット数(AT継続セット数)として「2」が決定され、副制御基板202における遊技状態が通常遊技状態→通常AT遊技状態→通常遊技状態→通常AT遊技状態→通常遊技状態と遷移する例を挙げて説明する。
【0145】
副制御基板202において、遊技状態が通常遊技状態である場合に、通常AT遊技状態への移行が決定された(当選した)とする(a)。通常AT遊技状態への移行が決定されると、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、正解操作態様を報知する。そして、遊技者が報知された正解操作態様に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて正解当選役(当選役「通常ベル」)に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示するとともに、正解カウンタを1に設定する(b)。さらに、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、正解操作態様を報知し、遊技者が報知された正解操作態様に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示するとともに、正解カウンタを2に更新する(c)。
【0146】
続いて、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「ATリプレイ」の当選に応じて、打順3〜6を報知する。そして、遊技者が報知された打順3〜6に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて当選役「ATリプレイ」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示する(d)。主制御基板200のセット数決定手段318は、正解カウンタが2以上であること、および、通常AT遊技に関する開始操作態様による操作に基づいて、遊技状態が通常AT遊技に移行したことを把握する。そして、セット数決定手段318は、現在、AT継続セット数が設定されていないことを条件に(初当たりの場合に)、当該AT継続セット数(例えば「2」)を決定する。ここでは、正解カウンタが2以上となった後で通常AT遊技の当選を把握する例を挙げて説明したが、その順番は問わない。
【0147】
続いて、外部出力手段320は、AT継続セット数に相当する分、通常AT遊技に当選した旨の外部信号を出力する(e)。具体的に、外部出力手段320は、通常AT遊技状態への移行を示す外部信号をON、OFF、ONと順次変位させ、通常AT遊技が一度開始、終了し、再度開始したかの如く外部表示器114に伝達する。こうして、外部信号が積極的に利用され、外部表示器114の通常AT遊技の総数に、AT継続セット数である「2」が追加される。また、コマンド決定手段314は、決定されたAT継続セット数を示すコマンドを決定し、コマンド送信手段316は、副制御基板202に送信する。こうして、副制御基板202は、当該AT継続セット数が「2」であることを把握することができる。
【0148】
このとき、遊技者は、当選役「ATリプレイ」に対応する図柄組合せが有効ラインA上に表示されたことで、少なくとも、通常AT遊技状態への移行を把握できる。しかし、その表示のみでは、遊技者は、決定されたAT継続セット数を把握することができない。ただし、本実施形態においては、外部表示器114において、通常AT遊技の総数が変化し、その変化分を通じて決定されたAT継続セット数を把握することができる。したがって、遊技者は、単に通常AT遊技に当選したのみならず、外部表示器114を通じ、そのAT継続セット数が2であることを把握して歓喜することとなる。
【0149】
その後、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334は、AT継続セット数を「2」に設定し、通常AT遊技状態を開始し、演出実行手段338は、補助演出を実行する。このように通常AT遊技状態が開始されると、遊技者は、補助演出に従うことで正解操作態様の操作により選択当選役を有効ラインA上に表示できるようになる。
【0150】
続いて、副遊技状態遷移手段334は、通常AT遊技の遊技数が規定の継続遊技数に到達すると補助演出を終了するとともに、AT継続セット数を1減算し(2→1)、遊技状態を一旦、通常遊技状態に移行する(f)。そうすると、当選種別「打順ベル」が当選した場合においても補助演出が実行されないので、遊技者は、正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができず、主制御基板200では、その停止操作に応じて失敗カウンタを1に設定する(g)。さらに、当選種別「打順ベル」が当選した場合において補助演出が実行されないので、遊技者は、正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができず、主制御基板200では、その停止操作に応じて失敗カウンタを2に更新する(h)。
【0151】
こうして、主制御基板200では、通常AT遊技の1セット分が終了したことを把握し、AT継続セット数を1減算する(2→1)(i)。ここで、本来なら外部出力手段320が、通常AT遊技が終了した旨の外部信号を出力するのだが、既に、通常AT遊技の1セット目の終了に相当する外部信号の出力を完了しているので、ここでは、通常AT遊技の終了に関する外部信号を出力しない(図16中、破線の四角で示す)。
【0152】
ここで、副制御基板202において、遊技状態が通常遊技状態である場合に、AT継続セット数が1以上であると、副遊技状態遷移手段334は、再度の通常AT遊技状態への移行を決定する。そうすると、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、正解操作態様を報知する。そして、遊技者が報知された正解操作態様に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて正解当選役(当選役「通常ベル」)に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示するとともに、正解カウンタを1に設定する(j)。さらに、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「打順ベル」の当選に応じて、正解操作態様を報知し、遊技者が報知された正解操作態様に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示するとともに、正解カウンタを2に更新する(k)。
【0153】
続いて、副制御基板202の演出実行手段338は、当選種別「ATリプレイ」の当選に応じて、打順3〜6を報知する。そして、遊技者が報知された打順3〜6に従って停止操作を行うと、主制御基板200は、その停止操作に応じて当選役「ATリプレイ」に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示する(l)。主制御基板200のセット数決定手段318は、正解カウンタが2以上であること、および、通常AT遊技に関する開始操作態様による操作に基づいて、遊技状態が通常AT遊技に移行したことを把握する。ここで、本来なら外部出力手段320が、通常AT遊技が開始した旨の外部信号を出力するのだが、既に、通常AT遊技の2セット目の開始に相当する外部信号の出力を完了しているので、ここでは、通常AT遊技の開始に関する外部信号を出力しない(図16中、破線の四角で示す)。また、AT継続セット数が1以上あるので、当該通常AT遊技に関するAT継続セット数は、既に副制御基板202に伝達されていると判定し、コマンド決定手段314も、AT継続セット数を示すコマンドを決定しない。
【0154】
その後、副制御基板202の副遊技状態遷移手段334は、AT継続セット数が1であることをもって、通常AT遊技状態を開始し、演出実行手段338は、補助演出を実行する。
【0155】
続いて、副遊技状態遷移手段334は、1セット目同様、通常AT遊技の遊技数が規定の継続遊技数に到達すると補助演出を終了するとともに、AT継続セット数を1減算し(1→0)、遊技状態を通常遊技状態に移行する(m)。そうすると、当選種別「打順ベル」が当選した場合においても補助演出が実行されないので、遊技者は、正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができず、主制御基板200では、その停止操作に応じて失敗カウンタを1に設定する(n)。さらに、当選種別「打順ベル」が当選した場合において補助演出が実行されないので、遊技者は、正解当選役に対応する図柄組合せを有効ラインA上に表示することができず、主制御基板200では、その停止操作に応じて失敗カウンタを2に更新する(o)。
【0156】
こうして、主制御基板200では、通常AT遊技の2セット目が終了したことを把握し、AT継続セット数を1減算する(1→0)。そして、外部出力手段320は、通常AT遊技が終了した旨の外部信号を出力する(p)。こうして、実際に実行された通常AT遊技の総数と、外部表示器114で加算された通常AT遊技の総数との整合をとりつつ、外部信号を積極的に利用した演出を行い、外部表示器114を通じた演出効果および遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0157】
また、擬似ボーナス遊技の場合同様、通常AT遊技においても、AT継続セット数を報知するタイミングは、セット数決定手段318がAT継続セット数を決定したタイミングに限らず、通常AT遊技状態の2セット目以降の開始タイミングに拘わらず(独立して)、任意のタイミングで報知することができる。
【0158】
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0159】
(主制御基板200のメイン処理)
図17は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ126、スタートスイッチ128、ストップボタンスイッチ130a、130b、130c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
【0160】
(ステップS100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、回転リール134a、134b、134cの回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各回転リール134a、134b、134cが回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
【0161】
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ126の操作、または、メダル投入部124へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド決定手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
【0162】
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ128に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ128の操作待ち状態に移行する。そして、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ128の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ128が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、図9および図10に示した複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する。また、コマンド決定手段314は、スタートスイッチ128の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。また、主遊技状態遷移手段312は、ボーナス非成立遊技状態において当選種別「BB」に当選したことに基づき遊技状態をボーナス非成立遊技状態からボーナス成立遊技状態へ遷移させる。
【0163】
(ステップS400)
スタートスイッチ128が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ262を駆動して左リール134a、中リール134b、右リール134cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール134a、中リール134b、右リール134cの回転を開始し、左リール134a、中リール134b、右リール134cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。また、リール制御手段306は、リール演出を実行する場合もある。
【0164】
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cを有効化し、遊技者によるストップボタンスイッチ130a、130b、130cの操作を受け付けると、その操作に対応する回転リール(左リール134a、中リール134b、右リール134cのいずれか)を停止制御する。また、コマンド決定手段314は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップボタンスイッチ130a、130b、130cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、コマンド送信手段316は、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。かかるリール停止処理S500は後程詳述する。
【0165】
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図5(a)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド決定手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、主遊技状態遷移手段312は、ボーナス成立遊技状態において当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたことに基づき、遊技状態をボーナス成立遊技状態からボーナス遊技状態へ遷移させる。また、外部出力手段320は、判定手段308によって判定された結果に基づき、スロットマシン100の外部信号を出力する。
【0166】
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、主遊技状態遷移手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からボーナス非成立遊技状態へ遷移させる。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド決定手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、コマンド送信手段316は、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
【0167】
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
【0168】
(リール停止処理S500)
図18は、上記ステップS500のリール停止処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。したがって、ここでは、特に、通常AT遊技状態および擬似ボーナス遊技状態の開始および終了について述べる。
【0169】
(ステップS501)
まず、セット数決定手段318は、当選種別抽選において当選種別「ATリプレイ」に当選したか否か判定する。その結果、当選種別「ATリプレイ」に当選していれば、ステップS502に処理を移し、当選種別「ATリプレイ」に当選していなければ、ステップS505に処理を移す。
【0170】
(ステップS502)
ステップS501において当選種別「ATリプレイ」に当選していると判定されれば、セット数決定手段318は、遊技者が打順3〜6による操作を行ったか否か判定し、打順3〜6による操作を行っていれば、ステップS503に処理を移し、打順3〜6による操作を行っていなければ、すなわち、打順1、2による操作を行っていれば、ステップS504に処理を移す。
【0171】
(ステップS503)
ステップS502において遊技者が打順3〜6による操作を行ったと判定されれば、セット数決定手段318は、ATリプレイフラグをONする。ここで、ATリプレイフラグは、当選種別「ATリプレイ」に当選した際に遊技者が補助演出にしたがって打順3〜6による操作を行ったか否か判定するためのフラグであり、打順3〜6による操作が行われていればONに設定され、打順1、2による操作が行われていればOFFに設定される。
【0172】
(ステップS504)
ステップS502において遊技者が打順1、2による操作を行ったと判定されれば、セット数決定手段318は、ATリプレイフラグをOFFする。
【0173】
(ステップS505)
まず、セット数決定手段318は、当選種別抽選において当選種別「ボーナスリプレイ」に当選したか否か判定する。その結果、当選種別「ボーナスリプレイ」に当選していれば、ステップS506に処理を移し、当選種別「ボーナスリプレイ」に当選していなければ、ステップS509に処理を移す。
【0174】
(ステップS506)
ステップS505において当選種別「ボーナスリプレイ」に当選していると判定されれば、セット数決定手段318は、遊技者が打順3〜6による操作を行ったか否か判定し、打順3〜6による操作を行っていれば、ステップS507に処理を移し、打順3〜6による操作を行っていなければ、すなわち、打順1、2による操作を行っていれば、ステップS508に処理を移す。
【0175】
(ステップS507)
ステップS506において遊技者が打順3〜6による操作を行ったと判定されれば、セット数決定手段318は、ボーナスリプレイフラグをONする。ここで、ボーナスリプレイフラグは、当選種別「ボーナスリプレイ」に当選した際に遊技者が補助演出にしたがって打順3〜6による操作を行ったか否か判定するためのフラグであり、打順3〜6による操作が行われていればONに設定され、打順1、2による操作が行われていればOFFに設定される。
【0176】
(ステップS508)
ステップS506において遊技者が打順1、2による操作を行ったと判定されれば、セット数決定手段318は、ボーナスリプレイフラグをOFFする。
【0177】
(ステップS509)
続いて、セット数決定手段318は、当選種別抽選において当選種別「打順ベル」に当選したか否か判定する。その結果、当選種別「打順ベル」に当選していれば、ステップS510に処理を移し、当選種別「打順ベル」に当選していなければ、ステップS513に処理を移す。
【0178】
(ステップS510)
ステップS509において当選種別「打順ベル」に当選していると判定されれば、セット数決定手段318は、遊技者が正解操作態様による操作を行ったか否か判定し、正解操作態様による操作を行っていれば、ステップS511に処理を移し、正解操作態様による操作を行っていなければ、ステップS512に処理を移す。
【0179】
(ステップS511)
ステップS510において遊技者が正解操作態様による操作を行ったと判定されれば、セット数決定手段318は、正解カウンタに1を加算し、失敗カウンタを0にリセットする。
【0180】
(ステップS512)
ステップS510において遊技者が正解操作態様による操作を行っていないと判定されれば、セット数決定手段318は、失敗カウンタに1を加算し、正解カウンタを0にリセットする。
【0181】
(ステップS513)
続いて、セット数決定手段318は、ATリプレイフラグ、ボーナスリプレイフラグ、正解カウンタ、および、失敗カウンタに基づいて継続セット数を決定し、それに伴って、外部出力手段320は外部信号を出力し、コマンド決定手段314はコマンドを決定して、当該リール停止処理S500を終了する。かかる外部信号出力処理S513について以下に詳述する。
【0182】
(外部信号出力処理S513)
図19は、上記ステップS513の外部信号出力処理を示したフローチャートである。
【0183】
(ステップS513−1)
まず、セット数決定手段318は、副制御基板202が管理する遊技状態が通常AT遊技状態であることを示す外部信号がOFF状態であり、ATリプレイフラグがONであり、かつ、正解カウンタが2以上であるか否か判定する。その結果、外部信号がOFFであり、ATリプレイフラグがONであり、かつ、正解カウンタが2以上であれば、ステップS513−2に処理を移し、外部信号がONである、ATリプレイフラグがOFFである、または、正解カウンタが2未満であれば、ステップS513−5に処理を移す。
【0184】
(ステップS513−2)
ステップS513−1において外部信号がOFFであり、ATリプレイフラグがONであり、かつ、正解カウンタが2以上であると判定されれば、セット数決定手段318は、副制御基板202が管理する遊技状態が通常AT遊技状態に移行したことを把握し、AT継続セット数を決定する。
【0185】
(ステップS513−3)
続いて、外部出力手段320は、セット数決定手段318が決定したAT継続セット数に相当する分、通常AT遊技状態への移行を示す外部信号を出力する。かかる外部信号は、AT継続セット数に相当する分を一度に連続して出力してもよいし、以降の遊技に分散して別々に出力してもよい。ただし、少なくともAT継続セット数の1セット目に相当する外部信号はすぐに出力し、通常AT遊技状態が継続していることを示すべく最終的に外部信号のON状態を維持する。また、外部信号を分散する場合、外部出力手段320は、当該ステップS513−3において2セット目以降の通常AT遊技状態それぞれについて外部信号を出力する遊技数を決定し、その遊技数に到達すると外部信号をOFF/ONする。
【0186】
(ステップS513−4)
次に、コマンド決定手段314は、AT継続セット数を示すコマンドを決定し、コマンド送信手段316は、決定されたコマンドを停止コマンドとして副制御基板202に送信する。
【0187】
(ステップS513−5)
ステップS513−1において外部信号がONである、ATリプレイフラグがOFFである、または、正解カウンタが2未満であると判定されれば、セット数決定手段318は、外部信号がON状態であり、かつ、失敗カウンタが2以上であるか否か判定する。その結果、外部信号がONであり、かつ、失敗カウンタが2以上であれば、ステップS513−6に処理を移し、外部信号がOFFである、または、失敗カウンタが2未満であれば、ステップS513−9に処理を移す。
【0188】
(ステップS513−6)
ステップS513−5において外部信号がON状態であり、かつ、失敗カウンタが2以上であると判定されれば、セット数決定手段318は、AT継続セット数が1であるか否か判定する。その結果、AT継続セット数が1であると判定されれば、ステップS513−7に処理を移し、AT継続セット数が1以外である、すなわち、2以上であると判定されれば、ステップS513−8に処理を移す。
【0189】
(ステップS513−7)
ステップS513−6においてAT継続セット数が1であると判定されれば、外部出力手段320は、通常AT遊技状態がAT継続セット数分全て終了したと判定し、AT継続セット数を0にリセットするとともに外部信号をOFFする。
【0190】
(ステップS513−8)
ステップS513−6においてAT継続セット数が2以上であると判定されれば、セット数決定手段318は、AT継続セット数分が終了していないと判定し、AT継続セット数から1を減算する。また、コマンド決定手段314は、AT継続セット数が1以上残っていることを示すコマンドを決定し、コマンド送信手段316は、決定されたコマンドを停止コマンドとして副制御基板202に送信する。外部信号については、ステップS513−3に基づいて既に出力されているので、ここでは外部信号をOFFしない。
【0191】
(ステップS513−9)
続いて、セット数決定手段318は、副制御基板202が管理する遊技状態が擬似ボーナス遊技状態であることを示す外部信号がOFF状態であり、ボーナスリプレイフラグがONであり、かつ、正解カウンタが2以上であるか否か判定する。その結果、外部信号がOFFであり、ボーナスリプレイフラグがONであり、かつ、正解カウンタが2以上であれば、ステップS513−10に処理を移し、外部信号がONである、ボーナスリプレイフラグがOFFである、または、正解カウンタが2未満であれば、ステップS513−13に処理を移す。
【0192】
(ステップS513−10)
ステップS513−9において外部信号がOFFであり、ボーナスリプレイフラグがONであり、かつ、正解カウンタが2以上であると判定されれば、セット数決定手段318は、副制御基板202が管理する遊技状態が擬似ボーナス遊技状態に移行したことを把握し、ボーナス継続セット数を決定する。
【0193】
(ステップS513−11)
続いて、外部出力手段320は、セット数決定手段318が決定したボーナス継続セット数に相当する分、擬似ボーナス遊技状態への移行を示す外部信号を出力する。かかる外部信号は、ボーナス継続セット数に相当する分を一度に出力してもよいし、以降の遊技に分散して出力してもよい。ただし、少なくともボーナス継続セット数の1セット目に相当する外部信号はすぐに出力し、擬似ボーナス遊技状態が継続していることを示すべく最終的に外部信号のON状態を維持する。また、外部信号を分散する場合、外部出力手段320は、当該ステップS513−11において2セット目以降の擬似ボーナス遊技状態それぞれについて外部信号を出力する遊技数を決定し、その遊技数に到達すると外部信号をOFF/ONする。
【0194】
(ステップS513−12)
次に、コマンド決定手段314は、ボーナス継続セット数を示すコマンドを決定し、コマンド送信手段316は、決定されたコマンドを停止コマンドとして副制御基板202に送信して、当該外部信号出力処理S513を終了する。
【0195】
(ステップS513−13)
ステップS513−9において外部信号がONである、ボーナスリプレイフラグがOFFである、または、正解カウンタが2未満であると判定されれば、セット数決定手段318は、外部信号がON状態であり、かつ、失敗カウンタが2以上であるか否か判定する。その結果、外部信号がONであり、かつ、失敗カウンタが2以上であれば、ステップS513−14に処理を移し、外部信号がOFFである、または、失敗カウンタが2未満であれば、当該外部信号出力処理S513を終了する。
【0196】
(ステップS513−14)
ステップS513−13において外部信号がON状態であり、かつ、失敗カウンタが2以上であると判定されれば、セット数決定手段318は、ボーナス継続セット数が1であるか否か判定する。その結果、ボーナス継続セット数が1であると判定されれば、ステップS513−15に処理を移し、ボーナス継続セット数が1以外である、すなわち、2以上であると判定されれば、ステップS513−16に処理を移す。
【0197】
(ステップS513−15)
ステップS513−14においてボーナス継続セット数が1であると判定されれば、外部出力手段320は、ボーナス継続セット数分全て終了したと判定し、ボーナス継続セット数を0にリセットするとともに外部信号をOFFして、当該外部信号出力処理S513を終了する。
【0198】
(ステップS513−16)
ステップS513−14においてボーナス継続セット数が2以上であると判定されれば、セット数決定手段318は、ボーナス継続セット数分が終了していないと判定し、ボーナス継続セット数から1を減算する。また、コマンド決定手段314は、ボーナス継続セット数が1以上残っていることを示すコマンドを決定し、コマンド送信手段316は、決定されたコマンドを停止コマンドとして副制御基板202に送信して、当該外部信号出力処理S513を終了する。外部信号については、ステップS513−11に基づいて既に出力されているので、ここでは外部信号をOFFしない。
【0199】
(副制御基板202のサブ処理)
図20は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0200】
(ステップS1100)
電源スイッチ148を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
【0201】
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されるまで待機する。
【0202】
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行し、ステップS1200からの処理を繰り返す。
【0203】
(コマンド受信処理S1300)
図21は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。したがって、ここでは、特に、通常AT遊技状態および擬似ボーナス遊技状態の遷移について述べ、他の遊技状態については説明を省略する。
【0204】
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
【0205】
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
【0206】
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1304に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1307に処理を移す。
【0207】
(ステップS1304)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、当選種別コマンドに示される主制御基板200が管理する遊技状態がボーナス成立遊技状態であることを条件に、当選種別コマンドに示される当選種別および副制御基板202で管理している遊技状態(ノーマル通常遊技状態、チャンス通常遊技状態、通常AT遊技状態、ビッグボーナス遊技状態、レギュラーボーナス遊技状態)に基づき、サブROM202bに保持された図12に示したような遊技状態抽選テーブルおよび演出抽選乱数を参照して、複数の遊技状態(チャンス通常遊技状態、通常AT遊技状態、ビッグボーナス遊技状態、レギュラーボーナス遊技状態)のいずれかに当選しているか否か判定する。そして、副遊技状態遷移手段334は、特定遊技状態(通常AT遊技状態、ビッグボーナス遊技状態、レギュラーボーナス遊技状態)のいずれかに当選していれば、その当選した遊技状態に応じて当選状態(AT当選状態、ボーナス当選状態)に移行させる。
【0208】
(ステップS1305)
続いて、演出決定手段336は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。ここで、当選状態(AT当選状態、ボーナス当選状態)または、特定遊技状態(通常AT遊技状態、ビッグボーナス遊技状態、レギュラーボーナス遊技状態)に移行されており、かつ、当選種別コマンドに示される当選種別が当選種別「打順ベル」である場合、演出決定手段336は、その当選種別「打順ベル」の正解操作態様を報知する補助演出を決定する。また、AT当選状態に移行しており、かつ、当選種別コマンドに示される当選種別が当選種別「ATリプレイ」である場合、演出決定手段336は、打順3〜6のいずれかを報知する補助演出を決定する。また、ボーナス当選状態に移行しており、かつ、当選種別コマンドに示される当選種別が、当選した擬似ボーナス遊技の種別に対応する当選種別(例えば、当選種別「ボーナスリプレイ1」)である場合、演出決定手段336は、打順3〜6のいずれかを報知する補助演出を決定する。
【0209】
(ステップS1306)
次に、演出実行手段338は、演出決定手段336によって決定された演出を実行開始する。例えば、決定された演出が補助演出であれば、演出実行手段338は、当該補助演出を実行する。
【0210】
(ステップS1307)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1308に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1309に処理を移す。
【0211】
(ステップS1308)
上記ステップS1307において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップボタンスイッチ130a、130b、130cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、種々の処理を行うとともに、演出態様を変動させる。また、本実施形態においては、停止コマンドに、継続セット数を示すコマンドが含まれる場合、副遊技状態遷移手段334は、特定遊技状態の種別(通常AT遊技状態、擬似ボーナス遊技状態等)に応じて、それぞれの継続セット数(AT継続セット数、ボーナス継続セット数)を設定する。また、副遊技状態遷移手段334は、停止コマンドに、継続セット数が1以上残っていることを示すコマンドが含まれる場合、副制御基板202で管理している継続セット数が1以上残っていることを条件に、その当選した遊技状態に応じて当選状態(AT当選状態、ボーナス当選状態)に移行させる。
【0212】
(ステップS1309)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1310に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1313に処理を移す。
【0213】
(ステップS1310)
上記ステップS1309において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、当該入賞コマンドに基づく演出を実行する。
【0214】
(ステップS1311)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、副制御基板202で管理される遊技状態の進行状態を把握し、遊技状態の終了判定を行う。かかる遊技状態終了判定処理S1311は後程詳細に説明する。
【0215】
(ステップS1312)
次に、副遊技状態遷移手段334は、副制御基板202で管理される遊技状態の開始判定を行う。かかる遊技状態開始判定処理S1312は後程詳細に説明する。
【0216】
(ステップS1313)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1314に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
【0217】
(ステップS1314)
上記ステップS1313において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出実行手段338は、当該払出コマンドに基づく演出を実行し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。そうすると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部156およびサブ払出表示部158の数値が更新される。
【0218】
(遊技状態終了判定処理S1311)
図22は、上記ステップS1311の遊技状態終了判定処理を示したフローチャートである。かかる遊技状態終了判定処理では、遊技状態の終了判定が実行される。
【0219】
(ステップS1311−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、副制御基板202で管理する遊技状態が通常AT遊技状態であるか否か判定する。その結果、通常AT遊技状態であれば、ステップS1311−2に処理を移し、通常AT遊技状態でなければ、ステップS1311−5に処理を移す。
【0220】
(ステップS1311−2)
上記ステップS1311−1において遊技状態が通常AT遊技状態であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、通常AT遊技カウンタが0であるか否か判定する。ここで、通常AT遊技カウンタは、通常AT遊技の残り継続遊技数を示すカウンタである。その結果、通常AT遊技カウンタが0でなければ、ステップS1311−3に処理を移し、通常AT遊技カウンタが0であれば、ステップS1311−4に処理を移す。
【0221】
(ステップS1311−3)
ステップS1311−2において通常AT遊技カウンタが0ではないと判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、通常AT遊技カウンタから1を減算する。
【0222】
(ステップS1311−4)
ステップS1311−2において通常AT遊技カウンタが0であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態をノーマル通常遊技状態に移行する。
【0223】
(ステップS1311−5)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、副制御基板202で管理する遊技状態が擬似ボーナス遊技状態であるか否か判定する。その結果、擬似ボーナス遊技状態であれば、ステップS1311−6に処理を移し、擬似ボーナス遊技状態でなければ、当該遊技状態終了判定処理S1311を終了する。
【0224】
(ステップS1311−6)
上記ステップS1311−5において遊技状態が擬似ボーナス遊技状態であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、擬似ボーナス遊技カウンタが0であるか否か判定する。ここで、擬似ボーナス遊技カウンタは、擬似ボーナス遊技の残り継続遊技数を示すカウンタである。その結果、擬似ボーナス遊技カウンタが0でなければ、ステップS1311−7に処理を移し、擬似ボーナス遊技カウンタが0であれば、ステップS1311−8に処理を移す。
【0225】
(ステップS1311−7)
ステップS1311−6において擬似ボーナス遊技カウンタが0ではないと判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、擬似ボーナス遊技カウンタから1を減算し、当該遊技状態終了判定処理S1311を終了する。
【0226】
(ステップS1311−8)
ステップS1311−6において擬似ボーナス遊技カウンタが0であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、擬似ボーナス遊技状態開始前の遊技状態に遊技状態に移行し(戻し)、当該遊技状態終了判定処理S1311を終了する。
【0227】
(遊技状態開始判定処理S1312)
図23は、上記ステップS1312の遊技状態開始判定処理を示したフローチャートである。かかる遊技状態開始判定処理では、遊技状態の開始判定が実行される。
【0228】
(ステップS1312−1)
まず、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がAT当選状態であり、AT継続セット数が1以上であり、かつ、入賞コマンドに示される入賞役が当選役「ATリプレイ」であるか否か判定する。その結果、AT当選状態であり、AT継続セット数が1以上であり、当選役「ATリプレイ」であれば、ステップS1312−2に処理を移し、AT当選状態ではない、AT継続セット数が0である、または、当選役「ATリプレイ」でなければ、ステップS1312−4に処理を移す。
【0229】
(ステップS1312−2)
上記ステップS1312−1において遊技状態がAT当選状態であり、AT継続セット数が1以上であり、かつ、入賞コマンドに示される入賞役が当選役「ATリプレイ」であると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を通常AT遊技状態に移行し(AT当選状態ではなくなり)、通常AT遊技状態の継続遊技数(例えば40回)を通常AT遊技カウンタに設定する。
【0230】
(ステップS1312−3)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、AT継続セット数から1を減算する。
【0231】
(ステップS1312−4)
次に、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態がボーナス当選状態であり、ボーナス継続セット数が1以上であり、かつ、入賞コマンドに示される入賞役が当選役「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」のいずれかであるか否か判定する。その結果、ボーナス当選状態であり、ボーナス継続セット数が1以上であり、当選役「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」のいずれかであれば、ステップS1312−5に処理を移し、ボーナス当選状態ではない、ボーナス継続セット数が0である、または、当選役「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」のいずれでもなければ、当該遊技状態開始判定処理S1312を終了する。
【0232】
(ステップS1312−5)
上記ステップS1312−4において遊技状態がボーナス当選状態であり、ボーナス継続セット数が1以上であり、かつ、入賞コマンドに示される入賞役が当選役「ビッグリプレイ」、「レギュラーリプレイ」のいずれかであると判定されれば、副遊技状態遷移手段334は、遊技状態を擬似ボーナス遊技状態に移行し(ボーナス当選状態ではなくなり)、擬似ボーナス遊技状態の継続遊技数(例えば50回)を擬似ボーナス遊技カウンタに設定する。
【0233】
(ステップS1312−6)
続いて、副遊技状態遷移手段334は、ボーナス継続セット数から1を減算し、該遊技状態開始判定処理S1312を終了する。
【0234】
以上、説明した処理により、外部信号を契機に外部表示器114を積極的に演出に利用して演出効果および遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0235】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0236】
例えば、上述した実施形態においては、特定遊技状態を繰り返す場合、1セット目の特定遊技状態の遊技数が設定された継続遊技数に到達すると、一旦、特定遊技状態開始前の遊技状態(例えば、通常遊技状態)に移行させた後、改めて特定遊技状態に移行する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、遊技状態を移行させることなく、特定遊技状態を継続セット数分連続して繰り返すこともできる。
【0237】
また、上述した実施形態においては特定遊技状態として所謂AT遊技状態を挙げて説明したが、特定遊技状態として、リプレイ役の当選確率が通常遊技状態より高く設定されたRT遊技状態が同時に進行される所謂ART遊技状態を用いることもできる。
【0238】
また、上述した実施形態においては、開始当選種別として、当選種別「ATリプレイ」、「ボーナスリプレイ1」、「ボーナスリプレイ2」、「打順ベル」を挙げて説明したが、操作態様によって他と識別可能な当選種別であれば他の当選種別を用いることもでき、いずれの当選種別を用いるか、また、その回数、組み合わせ、順番は任意に設定することができる。また、開始当選種別が当選した際の、開始操作態様や開始当選役も任意に設定することができる。
【0239】
また、上述した実施形態においては、主制御基板200が、選択当選種別に当選した遊技のうち、正解操作態様による操作が行われたか否かに基づいて、副制御基板202で管理されている遊技状態を把握する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、遊技者による停止操作(操作態様)に代えて、または、加えて、遊技者の操作により有効ラインA上に表示された(入賞した)当選役が選択当選役であるか否かに基づいて副制御基板202で管理されている遊技状態を把握することもできる。本実施形態において、正解操作態様による操作が行われた場合、必ず、選択当選役に入賞するので(PB=1)、このような置き換えが可能となる。
【0240】
また、上述した実施形態においては、外部信号として、通常AT遊技状態への移行を示す外部信号と、擬似ボーナス遊技状態への移行を示す外部信号の2つを例示したが、擬似ボーナス遊技状態をビッグボーナス遊技状態とレギュラーボーナス遊技状態とに分ける等、さらに細分化した外部信号を用いることができる。
【0241】
また、上述した実施形態において、通常AT遊技状態および擬似ボーナス遊技状態は、設定された継続遊技数に到達することで終了する旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得る各遊技状態(通常AT遊技状態、擬似ボーナス遊技状態)は、補助演出により正解操作態様を報知する遊技数であるナビ回数に到達したこと、設定された払出枚数に到達したこと、または設定された獲得枚数(払出枚数−投入枚数)に到達したこと等、補助演出を受け得る様々な遊技機会の消化により終了するとしてもよい。また、上述した実施形態においては、補助演出を受け得る各遊技状態において、継続遊技数の上乗せ抽選が行われ、当選することで継続遊技数が延長される旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得る様々な遊技機会の数を増減したり、変更したりする等、その遊技状態の終了条件を変更する様々な抽選を行うことができる。
【0242】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【符号の説明】
【0243】
100 スロットマシン(遊技機)
114 外部表示器
126 ベットスイッチ
128 スタートスイッチ
130 ストップスイッチ
134a、134b、134c 回転リール
200 主制御基板
202 副制御基板
302 ベット手段
304 当選種別抽選手段
306 リール制御手段
310 払出制御手段
314 コマンド決定手段
316 コマンド送信手段
318 セット数決定手段
320 外部出力手段
332 コマンド受信手段
334 副遊技状態遷移手段
338 演出実行手段
【要約】
【課題】外部信号を契機に外部表示器を積極的に演出に利用して演出効果および遊技の興趣を高める。
【解決手段】
演出実行手段は、遊技状態抽選の結果が特定遊技状態であれば、開始操作態様が入賞条件として設定された開始当選役と他の当選役とが重複した開始当選種別の当選に応じて開始操作態様を報知し、セット数決定手段は、開始当選種別が当選した遊技において開始操作態様による操作がなされたことに応じ、特定遊技状態を繰り返し可能なセット数である継続セット数を決定し、外部出力手段は、継続セット数のそれぞれのセットに対応する特定遊技状態が開始されると同時または開始される前にそれぞれのセットに対応する特定遊技状態への移行を示す外部信号を出力し、コマンド決定手段は、継続セット数を示すコマンドを決定する。
【選択図】図13
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