(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明においては、少なくとも、口部、胴部及び底部を有するポリエステル樹脂製容器において、胴部の最大幅を有する位置において、結晶化度が28乃至42%、特に35乃至39%の範囲にあることが第一の特徴であり、及びTMA測定による熱収縮が50μm未満、特に28μm未満の範囲にあり、耐熱性に優れていることが第二の特徴である。
すなわち、前述した通り、加工量の最も大きい胴部の最大幅を有する位置において、結晶化度が上記範囲にあることにより、本発明のポリエステル樹脂製容器は、容器の成形工程において、常に低い結晶化度が維持されていることから賦形性に優れており、所望の形状を再現性良く容器に施すことが可能になるため外観特性に優れている。更に、本発明のポリエステル樹脂製容器は、柔らかく、潰したり、折り曲げたり、或いは折りたたんだりすることが容易にできると共に、耐衝撃性にも優れている。
【0011】
図1は、後述する実施例1で作成されたボトルについて、胴部の最大幅部における縦方向の試験片についてのTMA測定による変化量を示す図であり、この
図1及び後述する実施例及び比較例の結果(表2)から明らかなように、本発明のボトル(実施例1)は、従来の一段ブロー成形によるボトル(比較例1)、二段ブロー成形方法によるボトル(比較例2)、及び前記特許文献2記載の方法によるボトル(比較例3)の全てのボトルに比して、熱収縮量が低減されており、耐熱性に優れていることが明らかである。
【0012】
本発明のポリエステル樹脂製容器は、胴部の横断面形状が略角形、特に略長方形であることが好適であり、この際、胴部の最大幅部の周方向の配向値Hmax及び胴部の最小幅部の周方向の配向値Hminの比Hmax/Hminが、1.0乃至1.4、特に1.0乃至1.1の範囲にあることが好ましい。
図2は、後述する実施例1で作成されたボトルについて、胴部の最大幅部の周方向の配向値Hmax及び胴部の最小幅部の周方向の配向値Hminを、外面からの距離に対してプロットしたものであり、この
図2及び後述する実施例及び比較例の結果(表2)から明らかなように、本発明のボトル(実施例1)は、従来の一段ブロー成形によるボトル(比較例1)、二段ブロー成形方法によるボトル(比較例2)、及び前記特許文献2記載の方法によるボトル(比較例3)の全てのボトルに比して、Hmax及びHminの値が近似しており、可及的に1.0に近いことが明らかであり、容器全体が熱に曝された場合でも局所的に収縮することがないため、容器のゆがみを発生することが有効に防止されており、優れた耐熱性を有している。
【0013】
図3乃至5に本発明のポリエステル樹脂製容器の一例を示す。本発明のポリエステル樹脂製容器20は、口部21、肩部22、胴部23及び底部24から成っており、胴部23には、減圧吸収時の内圧の変化に対応するための複数のパネル部25が形成されている。また首部以外の部分の横断面は四隅が面取りされた略長方形の形状となっており、前述した胴部23の最大幅Wmaxを有する胴部横断面における対角線位置の部分は、
図4中、
Bで表わされ、胴部の最小幅Wminを有する容器の側面の胴部の部分は、
図4中、
Aで表わされている。
【0014】
また本発明のポリエステル樹脂製容器の製造方法においては、一次ブロー成形後、一次成形品内部から排気・除圧することにより一次成形品を収縮させることにより、結晶化を促進させることなく成形歪を緩和しているため、結晶化度が低く、柔らかい二次成形品を得ることができる。この柔らかい二次成形品は、金型の成形面に対する追従性が良好であり、二次ブロー成形工程において、容器の角隅やパネル部等の細部の凹凸を、再現性良く賦形することが可能となるのである。
【0015】
(プリフォーム)
本発明のポリエステル樹脂製容器に用いられる熱可塑性ポリエステルとしては、特にエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルを好適に用いることができる。
本発明に用いるエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレンテレフタレート単位を占めるものであり、ガラス転移点(Tg)が50乃至90℃、特に55乃至80℃で、融点(Tm)が200乃至275℃、特に220乃至270℃にある熱可塑性ポリエステルが好適である。
【0016】
ホモポリエチレンテレフタレートが耐熱性及び機械的強度等の点で好適であるが、エチレンテレフタレート単位以外のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用し得る。
テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
用いるエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルは、少なくともフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、用途に応じて、射出グレード或いは押出グレードのものが使用される。その固有粘度(I.V.)は一般的に0.6乃至1.4dL/g、特に0.63乃至1.3dL/gの範囲にあるものが望ましい。
【0017】
本発明のポリエステル製樹脂容器においては、上述したポリエステル樹脂の単層構成のプリフォームからなる単層ボトル以外にも、他の熱可塑性樹脂との組み合わせで多層構成のプリフォームを用いることもできる。
上記ポリエステル樹脂以外としては、リサイクルポリエステル(PCR(使用済みボトルを再生した樹脂)、SCR(生産工場内で発生した樹脂)又はそれらの混合物)等も用いることができる。
【0018】
本発明に用いるプリフォームは、従来公知の口部、胴部及び閉塞底部から成る有底プリフォームを使用することができる。口部には、キャップや王冠など、使用する蓋の構造に合わせて環状突起或いは螺子等の蓋締結機構が設けられている。
ポリエステル樹脂のプリフォームへの成形は、従来公知の方法により成形することができ、射出成形又は圧縮成形により成形することができる。
本発明のポリエステル樹脂製容器は、耐熱性用途に適していることから、プリフォームの口部は、熱結晶化されていることが望ましく、これらの部分をそれ自体公知の手段で選択的に加熱することにより行うことができる。ポリエステル等の熱結晶化は、固有の結晶化温度で顕著に生じるので、一般にプリフォームの対応する部分を、結晶化温度に加熱すればよい。加熱は、赤外線加熱或いは誘電加熱等により行うことができ、一般に延伸すべき胴部を熱源から断熱材により遮断して、選択的加熱を行うのがよい。
上記の熱結晶化は、プリフォームの延伸温度への予備加熱と同時に行っても或いは別個に行ってもよい。口部熱結晶化は、プリフォーム口部を、他の部分と熱的に絶縁した状態で、一般に140乃至220℃、特に160乃至210℃の温度に加熱することにより行うことができる。プリフォーム口部の結晶化度は25%以上であるのがよい。
尚、内容物充填後の殺菌処理条件によっては、必ずしも口部を熱結晶化しなくてもよい。
【0019】
(製造方法)
本発明のポリエステル樹脂製容器の製造方法を、添付図面に沿って説明する。
一次ブロー成形工程に賦されるに先立って、プリフォーム10を、その開口部側が下方に位置するようにしてマンドレル5に支持し、型開き状態にあるキャビティ型3a,3bの間に配置させている(
図6参照)。
【0020】
[一次ブロー成形工程]
一次ブロー成形工程において、プリフォーム10は、胴部がガラス転移点以上の延伸可能な温度となるように加熱しておくが、プリフォーム10が射出成形や圧縮成形によって成形された直後の状態にあれば、成形時の余熱で上記温度となっていることがあり、このような場合には、プリフォーム10を加熱することなく、そのままの状態で一次ブロー成形工程に供することも可能である。
キャビティ型3a,3bの間に配置されたプリフォーム10は、その開口部側が固定型2a,2bによって型閉め位置で固定される。同時に、又はこれと前後して、ベース型4が、その型閉め位置に下動すると共に、ベース型4の内部を貫通して上下動可能に設けられたプレスロッド6を下動させて、プレスロッド6の先端がプリフォーム10に近接又は当接する位置で待機させる(
図6参照)。
【0021】
次に、
図7に示すように、キャビティ型3a,3bを型開きの状態で待機させたままで、マンドレル5の内部を貫通して上下動可能に設けられたストレッチロッド7を上動させると共に、図示しないブローエアー供給源と弁機構を介して、プリフォーム10の内部にマンドレル5の内部を通してブローエアーを吹き込んでブロー成形を開始する。これによって、プリフォーム10が延伸されて一次成形体11となる。この際、延伸されるプリフォーム10の先端側がプレスロッド6とストレッチロッド7とで挟持されるように、ストレッチロッド7と同期させてプレスロッド6を上動させることによって、プリフォーム10の延伸方向がずれてしまわないように規制することができる。
【0022】
図に示した具体例においては、一次ブロー成形を、型(ブロー成形型)に賦形させずに行う、所謂フリーブロー成形によってプリフォーム10を延伸させて一次成形体11を成形しているが、勿論、金型を用いた通常のブロー成形をすることもできる。
一次成形体11の大きさは、一次成形体11に偏肉が生じないようにするという観点から、プリフォーム10の胴部が、縦1.2〜5.2倍、横2〜7倍となるように十分に延伸される大きさに成形するのが好ましい。
【0023】
[収縮工程]
図8に示すように、収縮工程では、一次ブロー成形工程で得られた一次成形体11内のブローエアー圧を除圧させることにより、一次成形体11を収縮させて二次成形体12とする。
すなわち、一次ブロー工程で形成された直後の一次成形体11は、通常、ブロー成形に賦される際にプリフォーム10が有していた熱と、延伸速度等の条件によっては延伸によって発生する熱可塑性樹脂の剪断発熱とにより、用いたポリエステル樹脂のガラス転移点以上の高い温度を保っている。このような高い温度下においては、プリフォーム10を延伸した際に発生した残留応力により生じる収縮力につり合って形状を保つのに十分な内圧が、一次成形体11内に残っているため、一次成形体11を除圧する。
一次成形体11内を除圧するには、図示しない弁機構を介して、一次ブロー工程直後の陽圧状態となっている一次成形体11の内部を大気解放する他、例えば、図示しない真空ポンプに接続して一次成形体11内を強制的に排気するようにしてもよい。このとき、ブロー成形直後の一次成形体11内の圧力よりも低くなるように除圧され、キャビティ型3a,3bの製品姿部に収まる大きさにまで収縮していれば、その時点で、一次成形体11が収縮してなる二次成形体12を、次の二次ブロー成形工程に供することができる。
【0024】
この収縮工程では、一次成形体11内を除圧させることにより、一次成形体11を収縮させているので、一次成形体が無理なく自然に収縮して二次成形体12となっていく。このため、一次成形体11に生じたブロー成形による残留歪みを低減させて、そのような残留歪みがそのまま二次成形体12に引き継がれないようにすることが可能となる。
また二次成形体12の大きさは、二次成形体12の最大周長部の周長が、キャビティ型3a,3bの製品姿部の最大周長に対し僅かに小さくなっているのが好ましい。このようにすると、後述する二次ブロー工程での二次成形体12の延伸量が少なくて済み、新たな残留歪みが多量に発生せずに済むので好ましい。具体的には、二次成形体12の最大周長部の周長は、キャビティ型3a,3bの製品姿部の最大周長の85〜99%とするのが好ましい。
尚、
図8に示す例では、一次成形体11の径方向(幅方向)について収縮させた例を示しているが、一次成形体11の高さ方向についても適宜収縮させるようにしてもよい。
【0025】
本発明においては、一次成形体11を収縮させるに際して、外部から熱を加えることなく、一次成形体11内を除圧させるだけで二次成形体12とするのが好ましい。外部からの加熱により収縮させると、二次成形体12の結晶化度が高くなり、二次成形体12が硬くなってしまうが、外部から熱を加えることなく収縮させることでこれを防止して、次工程の二次ブロー成形工程において、ブロー成形型1の内面形状を賦形する際の成形面に対する追従性が良好となる。
【0026】
[二次ブロー成形工程]
型閉め動作が完了し、プレスロッド6をベース型4内に後退させ、図示しないブローエアー供給源と弁機構を介して、二次成形体12の内部にマンドレル5の内部を通してブローエアーを吹き込み、二次成形体12をブロー成形型1の内面に密着させて、ブロー成形型1の内面形状を賦形して最終成形品である容器Mとする(
図9参照)。
【0027】
尚、ブロー成形型1の型閉め動作がなされる際には、二次成形体12の内部を密閉するのが好ましい。このようにすれば、二次成形体12が押圧変形する際に、二次成形体12内が適度に加圧されるので、その加圧とキャビティ型3a,3bの移動とが相乗的に功を奏し、二次成形体12の肉が全体に回り込むこととなり、成形面に対する追従性がより良好になる。
【0028】
次いで、クーリングブローなどの後処理を経てから容器M内を排気後、ストレッチロッド7を後退させる。その後、固定型2a,2b、キャビティ型3a,3b、ベース型4をそれぞれ型開き位置に移動してブロー成形型1の型開きを行ってから、成形された容器Mを取り出す(
図10参照)。
【0029】
上記製造方法によれば、一次ブロー工程、収縮工程、二次ブロー工程の各工程を経ることで、ブロー成形型内面に形成された、容器の角隅やパネル部等の細部の凹凸に対応する形状を良好に賦形することができ、外観特性に優れたポリエステル樹脂製Mを効率よく量産することができる。
尚、本発明においては、必ずしも必須ではないが、容器胴部に比較的大きな凹部を形成することもでき、この場合は、二次ブロー成形に先立って、キャビティ型3a,3b(ブロー成形型1)の内面にキャビティ空間内に突出する突状部を形成しておくことにより、二次成形体を押圧変形して凹部を形成し、次いで二次ブロー成形することにより、胴部に比較的大きな凹部を有する容器を成形することができる。
【実施例】
【0030】
(実施例1)
ポリエステル樹脂としてガラス転移点約78℃、融点約255℃、IV0.76、(99モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占める)ポリエチレンテレフタレート(PET)を射出成形し、ブロー成形する胴部の外径がφ30mm,胴部長さ125mm ,胴部肉厚3mmのプリフォームを作成した。
つぎに、一次ブロー成形工程にてプリフォーム胴部を約110℃に加熱後、ストレッチロッドの延伸速度約500mm/secにて延伸しつつ、エア圧約0.1MPa(ゲージ圧)の加圧常温(約25℃)のエアにてフリーブロー成形し、縦2.0倍、横約3.5倍程度の一次成形体まで膨らませた。
なお、この工程では縦方向の延伸はストレッチロッド,プレスロッドにより規制され、延伸長さも規制されている。
【0031】
一次ブロー成形工程後、直ちに(約1秒後、)収縮工程にて、一次ブロー成形直後の内圧が約0.1MPa(ゲージ圧)であった一次成形体を除圧して0.0MPa(ゲージ圧)にし、ブロー成形する胴部外径φ約80mm、胴部長さ250mmの二次成形体とした。
収縮工程後、直ちに(約1秒後、)型閉動作により、二次成形体をブロー成形金型内(金型温度150℃に設定)に納めた。
型閉動作後、直ちに(約1秒後、)二次ブロー成形工程にて、エア圧3.0MPa(ゲージ圧)でブロー成形し、25℃のエアにてクーリングブローを行うことで減圧しつつエアの循環冷却を行った後、除圧して大気圧開放した後、ブロー成形金型を開いて取り出し、最大胴幅110mm,最小胴幅80mm,胴部高さ280mm、の胴部長方角状容器とした。
この容器について、結晶化度を測定した結果、最大胴幅部にて39%であった。
【0032】
なお、結晶化度は容器胴部から切り出した試験片について、密度ρ[g/cm
3]を測定し次式へ代入し求めた。
結晶化度(%)= {ρc・(ρ−ρa)}/{ρ・(ρc−ρa)}×100
ρc : 結晶密度 (1.455 g/cm
3)
ρa : 非晶密度 (1.335 g/cm
3)
なお、密度ρの測定にあたっては硝酸カルシウム水溶液にて作成した密度勾配管法を用いた。
【0033】
この容器について、最大胴幅部の縦方向TMA測定による熱収縮量が27μmであった。
なお、熱収縮量は以下の方法で測定した。
(試験法)TMAによる無荷重変化量測定
ボトル最大胴幅部より40mm(評点間距離20mm)x5mmの試験片を切り出した(縦方向)。試験片をTMA炉にて昇温速度5℃/minで加熱し、温度に対する寸法変化を測定することで評価した。なお無加重状態での測定とする。室温から昇温開始し、75℃を基準温度とし、100℃での収縮量をTMA測定での収縮量とした。
装置:セイコーインスツルメンツ製・DMS6100
TMAチャートは
図1に示す。
【0034】
この容器について、周方向の配向値を測定した結果、最大胴幅部(Hmax)は3.4であり、最小胴幅部(Hmin)は3.3であった。Hmax/Hmin=1.0となる。
なお、配向値はレーザーラマン分光法にて測定した。
ボトルの周方向断面を切りだし試験片とした。試験片のラマンスペクトルを測定し、1620cm
−1付近のベンゼン環骨格振動由来のピーク強度から配向値を下式により算出した。
配向値
=(入射レーザー0°偏光時のピーク強度/入射レーザー90°偏光時のピーク強度)
配向値をボトル胴部の周方向肉厚に対して5点程度測定し、平均値をそのボトルの配向値とした。
装置:日本分光製・レーザーラマン分光光度計NRS−1000
装置測定条件は以下の通り。
使用レーザー532nm 測定波長範囲:1800〜600cm
−1
測定秒数:5sec 積分回数:2回
配向値チャートは
図2に示す。
【0035】
(実施例2)
容器形状の最大胴幅を95mmに変更し正方角にした以外は、実施例1と同様の成形を行った。
この容器について、結晶化度を測定した結果、最大胴幅部にて35%であった。
この容器について、最大胴幅部の縦方向TMA測定による熱収縮量が20μmであった。
この容器について、周方向の配向値を測定した結果、最大胴幅部(Hmax)は3.2であり、最小胴幅部(Hmin)は3.1であった。Hmax/Hmin=1.0となる。
【0036】
(比較例1)
ポリエステル樹脂としてガラス転移点約78℃、融点約255℃、IV0.76、(99モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占める)ポリエチレンテレフタレート(PET)を射出成形し、ブロー成形する胴部の外径がφ30mm,胴部長さ125mm,胴部肉厚3mmのプリフォームを作成した。(実施例1と同様のプリフォームである。)
つぎに、一次ブロー成形工程にてプリフォーム胴部を約110℃に加熱後、ストレッチロッドの延伸速度約500mm/secにて延伸しつつ、エア圧約3MPa(ゲージ圧)の加圧エアにてブロー成形し、クーリングブローにて冷却した後エア圧(内圧)を除圧し、ブロー金型から取り出して最大胴幅110mm,最小胴幅80mm,胴部高さ280mm、の胴部長方角状容器とした。
この容器について、結晶化度を測定した結果、最大胴幅部にて39%であった。
この容器について、最大胴幅部の縦方向TMA測定による熱収縮量が189μmであった。
この容器について、周方向の配向値を測定した結果、最大胴幅部(Hmax)は3.8であり、最小胴幅部(Hmin)は2.8であった。Hmax/Hmin=1.4となる。
【0037】
(比較例2)
容器形状の最大胴幅を95mmに変更し正方角にした以外は、比較例1と同様の成形を行った。
この容器について、結晶化度を測定した結果、最大胴幅部にて36%であった。
この容器について、最大胴幅部の縦方向TMA測定による熱収縮量が170μmであった。
この容器について、周方向の配向値を測定した結果、最大胴幅部(Hmax)は3.5であり、最小胴幅部(Hmin)は3.3であった。Hmax/Hmin=1.1となる。
【0038】
(比較例3)
ポリエステル樹脂としてガラス転移点約78℃、融点約255℃、IV0.76、(99モル%以上をエチレンテレフタレート単位が占める)ポリエチレンテレフタレート(PET)を射出成形し、ブロー成形する胴部の外径がφ30mm,胴部長さ125mm,胴部肉厚3mmのプリフォームを作成した。(実施例1と同様のプリフォームである。)
つぎに、一次ブロー成形工程にてプリフォーム胴部を約110℃に加熱後、ストレッチロッドの延伸速度約500mm/secにて延伸しつつ、一次中間体用のブロー金型(プリフォーム胴部の延伸倍率が、縦2.0倍、横4.0倍,金型温度120℃に設定)を用いて3.0MPaのエア圧力にてブロー成形し、クーリングブローにて冷却した後エア圧(内圧)を除圧し、ブロー金型から取り出して一次中間体用のブロー金型の賦形形状とほぼ同じ形状の一次中間体とした。
一次ブロー成形工程後、シュリンクオーブン工程にて、一次中間体の温度が180℃程度になるように再加熱し、樹脂の残留歪みによる熱収縮を起こさせた。
収縮工程後、直ちに二次ブロー成形工程にて、型温150℃に設定された二次ブロー金型にエア圧3.0MPa(ゲージ圧)でブロー成形(その後、クーリングブロー,大気圧開放,型開き)し、最大胴幅110mm,最小胴幅80mm,胴部高さ280mm、の胴部長方角状容器とした。
この容器について、結晶化度を測定した結果、最大胴幅部にて48%であった。
この容器について、最大胴幅部の縦方向TMA測定による熱収縮量が26μmであった。
この容器について、周方向の配向値を測定した結果、最大胴幅部(Hmax)は4.1であり、最小胴幅部(Hmin)は4.2であった。Hmax/Hmin=1.0となる。
【0039】
(比較例4)
容器形状の最大胴幅を95mmに変更し正方角にした以外は、比較例3と同様の成形を行った。
この容器について、結晶化度を測定した結果、最大胴幅部にて44%であった。
この容器について、最大胴幅部の縦方向TMA測定による熱収縮量が25μmであった。
この容器について、周方向の配向値を測定した結果、最大胴幅部(Hmax)は3.9であり、最小胴幅部(Hmin)は3.9であった。Hmax/Hmin=1.0となる。
【0040】
実施例1、2及び比較例1〜4の容器において、ボトルの耐熱性及び減容性(容器の潰しやすさ)を調べた。
耐熱性は、成形後の容器に85℃の熱水を充填し、密栓後さらに75℃温水シャワーを5分行い、容器の変形の有無を目視にて評価した。
減容性は、成形後の容器を潰して、潰しやすさを○△×にて評価した。
以上をまとめると、表1のようになった。
【0041】
【表1】
【0042】
実施例1,2及び比較例1〜4の容器において、結晶化度、TMA測定による収縮量および配向値の比(Hmax/Hmin)を実施例1と同様に測定した結果を表2にまとめた。
【0043】
【表2】