特許第5740838号(P5740838)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740838
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】フェニルピラゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4155 20060101AFI20150611BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20150611BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20150611BHJP
   A61K 31/422 20060101ALI20150611BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20150611BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20150611BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20150611BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20150611BHJP
【FI】
   A61K31/4155
   A61K31/5377
   A61K31/4439
   A61K31/422
   A61K31/454
   A61K31/553
   A61K31/496
   A61K9/20
   A61P43/00 113
   A61P25/28
   A61P25/18
   A61P25/08
   A61P3/04
   A61P3/06
   A61P3/10
   A61P25/20
   A61P25/24
   A61P25/00
   A61P37/08
【請求項の数】2
【全頁数】73
(21)【出願番号】特願2010-109320(P2010-109320)
(22)【出願日】2010年5月11日
(65)【公開番号】特開2010-285423(P2010-285423A)
(43)【公開日】2010年12月24日
【審査請求日】2013年5月9日
(31)【優先権主張番号】特願2009-115082(P2009-115082)
(32)【優先日】2009年5月12日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002819
【氏名又は名称】大正製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 年男
(72)【発明者】
【氏名】田続 誠
(72)【発明者】
【氏名】民田 智子
(72)【発明者】
【氏名】増田 誠治
(72)【発明者】
【氏名】野沢 大
(72)【発明者】
【氏名】太田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】藤野 彩
(72)【発明者】
【氏名】柏 修平
(72)【発明者】
【氏名】茶木 茂之
(72)【発明者】
【氏名】島崎 聡立
【審査官】 井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第4543344(JP,B2)
【文献】 特許第5375639(JP,B2)
【文献】 国際公開第2002/040461(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/094962(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/059778(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/103057(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/009741(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/009739(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/103045(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00 − 33/44
C07D 231/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン、
4−{[1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン、
4−({1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}カルボニル)モルホリン、
4−({1−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}カルボニル)モルホリン、
4−[(1−{4−[3−(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)カルボニル]モルホリン、
アゼチジン−1−イル−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)メタノン、
4−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)カルボニル]−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール、
[(2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル][1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン、
[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](1,4−オキサゼパン−4−イル)メタノン、
(4−メチルピペラジン−1−イル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン、
[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](ピロリジン−1−イル)メタノン、
(1−{4−[3−(3−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノン、
(1−{4−[3−(2−エチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノン、
(1−{4−[3−(2,2−ジフルオロピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(4−{2−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(4−{4−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]ブトキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(3−フルオロ−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(2−メチル−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(3−ブロモ−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
(2−ヒドロキシモルホリン−4−イル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノンからなる群より選ばれるフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有し、さらに一つ又は二つ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含み、該医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤が、乳糖、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、デンプン、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、又はステアリン酸である、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防又は治療用の経口用製剤。
【請求項2】
フェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩の投与量が1日当たり0.001〜500mgである、請求項1に記載の経口用製剤。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ヒスタミンは肥満細胞、肺、肝臓、及び胃粘膜などで普段は細胞内の顆粒に貯蔵されており、細胞表面の抗体に抗原が結合するなどの外部刺激を受けて細胞外へ放出される。例えば、肥満細胞が外部から進入した抗原で刺激されると、ヒスタミンは肥満細胞から放出され、血管や平滑筋上に存在するヒスタミンH1(H1)受容体を刺激することによりアレルギー反応を引きおこす。また、胃粘膜上のECL細胞(enterochromaffin−like cell)から放出されたヒスタミンは壁細胞上のヒスタミンH2(H2)受容体を刺激し、胃酸分泌を促進する。これらの事実に基づき、アレルギー疾患治療薬、又は胃潰瘍治療薬としてH1受容体拮抗物質、又はH2受容体拮抗物質の開発が行われ、現在は医薬品として広く使用されている。
【0002】
さらに、ヒスタミンは神経伝達物質として中枢神経及び末梢神経に存在する3番目のヒスタミン受容体(ヒスタミンH3(H3)受容体)に作用し、種々の生理機能を発揮することが明らかになった。この受容体は1999年にクローニングされ、その遺伝子配列およびアミノ酸配列が明らかになったが、H1受容体及びH2受容体とのアミノ酸配列相同性は、それぞれ22%、及び21.4%と低いものであった(非特許文献1参照)。H3受容体はシナプス前膜に存在し、ヒスタミンの合成と遊離を制御するオートレセプターとして機能することが示された(非特許文献2参照)。また、H3受容体は、ヒスタミンの放出を制御するとともに、アセチルコリン、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンといった他の神経伝達物質の放出をも制御することが明らかとなった(非特許文献3参照)。また、H3受容体は、アゴニストの不在下で活性であることが示唆されており、この活性は、逆作動物質として作用する化合物により阻害されることができる。これらの事実は、H3受容体拮抗物質、又は逆作動物質が、H3受容体により制御される神経伝達物質の放出を増大し、放出異常に関連した各種疾患の治療薬になりうることを示唆している。
【0003】
動物モデルを用いた実験により、H3受容体拮抗物質、又は逆作動物質が、認知症、アルツハイマー病(非特許文献4及び5参照)、注意欠陥・多動性症(非特許文献6参照)、統合失調症(非特許文献7参照)、てんかん、中枢性痙攣などの治療薬として利用できる可能性を示している。
【0004】
また、H3受容体が摂食行動に関与することが示されており(非特許文献8参照)、H3受容体拮抗物質、又は逆作動物質の適応疾患として摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症などの代謝系疾患も想定される。
また、ヒスタミンは脳内の日周リズムを調節し、覚醒と睡眠のバランスを保つ役割があることが示されており(非特許文献9及び10参照)、H3受容体拮抗物質、又は逆作動物質の適応疾患として睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病など睡眠障害に伴う疾患も想定される。
【0005】
さらに、H3受容体は鼻粘膜の交感神経に存在していることが示され、H3受容体拮抗物質とH1受容体拮抗物質の併用により鼻閉が顕著に改善されることが報告されている(非特許文献11参照)。このことは、H3受容体拮抗物質、又は逆作動物質は単独で、又はH1受容体拮抗物質との併用でアレルギー性鼻炎等の治療に有用である可能性を示している。
H3受容体拮抗物質、又は逆作動物質については、複数のレビューにまとめられており(非特許文献12〜15参照)、これらを参照することができる。初期にはヒスタミン自身をリード化合物としたイミダゾール系化合物が数多く報告されたが、薬物代謝酵素チトクロムP450(CYP)の阻害作用等の懸念が示され、医薬品として開発するには至っていない。
最近になって、非イミダゾール系のH3受容体拮抗物質あるいは逆作動物質が数多く報告されている(特許文献1〜15参照)。しかし、本発明に開示された構造を有する化合物についての報告はない。
【0006】
【特許文献1】WO2002012190国際公開公報
【特許文献2】WO2002040461国際公開公報
【特許文献3】WO2005007644国際公開公報
【特許文献4】WO2005097751国際公開公報
【特許文献5】WO2005097778国際公開公報
【特許文献6】WO2005118547国際公開公報
【特許文献7】WO2006014136国際公開公報
【特許文献8】WO2006023462国際公開公報
【特許文献9】WO2006045416国際公開公報
【特許文献10】WO2006046131国際公開公報
【特許文献11】WO2006059778国際公開公報
【特許文献12】WO2006061193国際公開公報
【特許文献13】WO2006107661国際公開公報
【特許文献14】WO2006103057国際公開公報
【特許文献15】WO2007094962国際公開公報
【0007】
【非特許文献1】Lovenberg T.W.ら、Molecular pharmacology, 55, 1101-1107, 1999
【非特許文献2】Arrang J-M.ら、Nature, 302, 832-837, 1983
【非特許文献3】Brown R.E. ら、Progress in Neurobiology, 63, 637-672, 2001
【非特許文献4】Huang Y-W.ら、Behavioural Brain Research, 151, 287-293, 2004
【非特許文献5】Komater V.A.ら、Behavioural Brain Research, 159, 295-300, 2005
【非特許文献6】Passani M.B.ら、Neuroscience and Biobehavioral Reviews, 24, 107-113, 2000
【非特許文献7】Fox G.B.ら、J. Pharmacol. Exp. Ther., 313, 176-190, 2005
【非特許文献8】Hancock A.A. ら、Curr. Opin. Investig. Drug, 4, 1190-1197
【非特許文献9】Huang Z-L.ら、Prog. Natr. Acad. Sci., 103, 4687-4692, 2006
【非特許文献10】Babier A.J.ら、Br. J. Pharmacol., 143, 649-661, 2004
【非特許文献11】McLeod R.L.ら、Am. J. Rhinol., 13, 391-399, 1999
【非特許文献12】Schwartz J.C.ら、Trends in Pharmacol. Sci., 7, 24-28, 1986
【非特許文献13】Passani M.B.ら、Trends in Pharmacol. Sci., 25, 618-625, 2004
【非特許文献14】Leurs R.ら、Nature Drug Discovery, 4, 107-122, 2005
【非特許文献15】Leurs R.ら、Drug Discovery Today, 10, 1613-1627, 2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、フェニルピラゾール誘導体、更に詳しくは、ヒスタミンH3受容体への強力な結合阻害作用を有し、ヒスタミンH3受容体に起因する障害、例えば、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎等の疾患の予防又は治療に有用であるフェニルピラゾール誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意研究を行った結果、フェニルピラゾール誘導体であって、ピラゾールの4位に特定の置換基を有する化合物が、ヒスタミンH3受容体に対して強力な阻害活性を有することを見出し、本発明を完成した。
以下に、本発明のフェニルピラゾール誘導体(以下、「本発明化合物」という)の態様をあげる。
【0010】
[1]式(1)
【0011】
【化1】


{式(1)中、
1及びR2は、同一又は異なって、C1〜C6アルキル若しくはC3〜C8環状アルキルを示し、
又は、R1及びR2は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4〜7員の飽和複素環(該飽和複素環基は、ハロゲン又はC1〜C6アルキルで置換されても良い)を形成し、
nは、0〜2の整数を示し、
Tは、水素原子、ハロゲン又はC1〜C6アルキルを示し、
Rは、式(I)〜(VIII)
【0012】
【化2】
【0013】
(式(I)〜(VIII)中、Z1及びZ2は、同一又は異なって、−CH2−、−O−又は−NR11−を示し、
pは、0〜3の整数を示し、
qは、0〜1の整数を示し、
r及びsは、同一又は異なって、0〜2の整数を示し、
3は、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ又はオキソを示し(ここで、Z1が−CH2−のとき、その水素原子はR3で置換されても良い)、
4及びR5は、同一又は異なって、水素原子、C1〜C6アルキル(該C1〜C6アルキルは、ハロゲン;C3〜C8環状アルキル;C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ、ヒドロキシC1〜C6アルコキシ、C〜Cアルコキシカルボニル又はカルボキシで置換されても良い)、C3〜C8環状アルキル(該C3〜C8環状アルキルは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ又はヒドロキシで置換されても良い)、又は、式−(CH2m−Ar1(式中、Ar1は、アリール(該アリールは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)又はヘテロアリール(該ヘテロアリールは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)を示し、mは、0〜2の整数を示す)を示し、
6は、ハロゲン、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ヒドロキシ又はオキソを示し(ここで、Z2が−CH2−のとき、その水素原子はR6で置換されても良い)、
7は、水素原子又はC1〜C6アルキルを示し、
8は、C1〜C6アルキル(該C1〜C6アルキルは、ハロゲン;C3〜C8環状アルキル;C1〜C6アルコキシ又はヒドロキシで置換されても良い)、C3〜C8環状アルキル(該C3〜C8環状アルキルは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ又はヒドロキシで置換されても良い)、C1〜C6アルコキシ(該C1〜C6アルコキシは、ハロゲン;C3〜C8環状アルキル;C1〜C6アルコキシ又はヒドロキシで置換されても良い)又は、式−(CH2l−Ar2(式中、Ar2は、アリール(該アリールは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)又はヘテロアリール(該ヘテロアリールは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)を示し、lは、0〜2の整数を示す)を示し、
Gは、−CO−又は−SO2−を示し、
9は、C1〜C6アルキル、C3〜C8環状アルキル、C1〜C6アルコキシ、アリール(該アリールは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)又はヘテロアリール(該ヘテロアリールは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)を示し、
10は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、アミノ、C1〜C6アルキルアミノ、C2〜C12ジアルキルアミノ、4〜7員の飽和複素環(該飽和複素環は、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)、アリール(該アリールは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)又はヘテロアリール(該ヘテロアリールは、ハロゲン;C1〜C6アルキル;C1〜C6アルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)を示し、
11は、水素又はC1〜C6アルキルを示す。)
を示す。}
で表されるフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【0014】
[2]前記式(1)において、
nは1であり、
Tは、水素原子又はハロゲンを示し、
1及びR2は、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した5〜6員の飽和複素環(該飽和複素環基はC1〜C6アルキルで置換されても良い)を形成する、上記[1]に記載のフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【0015】
[3]前記式(1)においてRが式(I)である、上記[1]又は[2]に記載のフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【0016】
[4]前記式(1)においてRが式(II)である、上記[1]又は[2]に記載のフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【0017】
[5]前記式(1)においてRが式(III)である、上記[1]又は[2]に記載のフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【0018】
[6]下記式で示される、
【0019】
【化3】
【0020】
{式中、Zは、−CH−又は−O−を示し、
pは、0〜3の整数を示し、
rは、0〜2の整数を示し、
Tは、水素原子又はハロゲンを示し、
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ又はオキソを示し(ここで、Zが−CH−のとき、その水素原子はRで置換されても良い)、
は、C〜Cアルキルを示す}
[1]に記載のフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【0021】
[7]下記式で示される、
【0022】
【化4】
【0023】
{式中、Zは、−O−又は−NR11−(R11は、水素又はC〜Cアルキル)を示し、
pは、0〜3の整数を示し、
rは、0〜2の整数を示し、
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ又はオキソを示す}、
[1]に記載のフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【0024】
[8] 4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン、
4−{[1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン、
4−({1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}カルボニル)モルホリン、
4−({1−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}カルボニル)モルホリン、
4−[(1−{4−[3−(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)カルボニル]モルホリン、
アゼチジン−1−イル−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)メタノン、
4−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)カルボニル]−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール、
[(2R,6S)−2,6−ジメチルモルホリン−4−イル][1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン、
[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](1,4−オキサゼパン−4−イル)メタノン、
(4−メチルピペラジン−1−イル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノン、
[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](ピロリジン−1−イル)メタノン、
(1−{4−[3−(3−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノン、
(1−{4−[3−(2−エチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノン、
(1−{4−[3−(2,2−ジフルオロピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(4−{2−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(4−{4−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]ブトキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(3−フルオロ−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(2−メチル−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
[1−(3−ブロモ−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノン、
(2−ヒドロキシモルホリン−4−イル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノンからなる群より選ばれる、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【0025】
[9] 1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−tert−ブチル−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−tert−ブチル−1−{4−[3−(2,5−ジメチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−tert−ブチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−tert−ブチル−1−{4−[3−(ジエチルアミノ)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4−フルオロフェニル)−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
N−(4−メチルフェニル)−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 4−フルオロベンジルアミド、
1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 ジメチルアミド、
1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミド、
N−(2−ヒドロキシエチル)−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド、
tert−ブチル N−(2−ヒドロキシエチル)−N−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}グリシナート、
N−(2−ヒドロキシエチル)−N−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}グリシン、
N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドからなる群より選ばれる、上記[1]、[2]及び[4]のいずれか1項に記載のフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。
【発明の効果】
【0026】
本発明の化合物は、優れたヒスタミンH3受容体拮抗物質又は逆作動物質である。また、本発明の化合物は、社会性認知試験で認知機能増強作用を示した。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書で用いられる用語は、以下に定義される通りである。
本発明において、「ハロゲン」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
【0028】
「C1〜C6アルキル」とは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル又はn−ヘキシル等の基を示す。
【0029】
「C3〜C8環状アルキル」とは、炭素数3〜8個の環状のアルキル基を示し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル基を示す。
【0030】
「C1〜C6アルコキシ」とは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基を示し、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ又はn−ヘキシルオキシ等の基を示す。
【0031】
「C〜Cアルコキシカルボニル」とは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基が結合したカルボニル基を示し、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペンチルオキシカルボニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオキシカルボニル又はn−ヘキシルオキシカルボニル等の基を示す。
【0032】
「ヒドロキシC1〜C6アルコキシ」とは、ヒドロキシ基で置換された炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルコキシ基を示し、2−ヒドロキシエトキシ、2−ヒドロキシ−n−プロポキシ、3−ヒドロキシ−n−プロポキシ、2−ヒドロキシ−1−メチルエトキシ又は6−ヒドロキシ−n−ヘキシルオキシ等の基を示す。
【0033】
「C1〜C6アルキルアミノ」とは、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、イソペンチルアミノ、ネオペンチルアミノ又はn−ヘキシルアミノ等の基を示す。
【0034】
「C2〜C12ジアルキルアミノ」とは、2つの炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されたアミノ基を示し、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノ、N,N−イソプロピルメチルアミノ、ジ−n−ブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、N,N−sec−ブチルエチルアミノ、N,N−tert−ブチルメチルアミノ、ジ−n−ペンチルアミノ、N,N−イソペンチルメチルアミノ、N,N−ネオペンチルメチルアミノ又はジ−n−ヘキシルアミノ等の基を示す。
【0035】
「4〜7員の飽和複素環」とは、1−アゼチジル、1−ピロリジル、ピペリジノ、モルホリノ又は1−アゼパニル等の基を示す。
【0036】
「隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した4〜7員の飽和複素環」とは、1−アゼチジル、1−ピロリジル、ピペリジノ、モルホリノ又は1−アゼパニル等の基を示す。
【0037】
「アリール」とは、フェニル基又はナフチル基を示す。
「ヘテロアリール」とは、5員〜6員の単環式又は9員〜10員の双環式の芳香族複素環からなる基を示し、例えば、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル又はベンゾトリアゾリル等の基が挙げられる。さらに詳しくは、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリダジン−3−イル、ピリダジン−4−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラジン−2−イル、キノリン−2−イル、キノリン−4−イル、キノリン−6−イル、キノリン−8−イル、イソキノリン−1−イル、イソキノリン−6−イル、キナゾリン−2−イル、キナゾリン−5−イル、キノキサリン−2−イル、キノキサリン−6−イル、ピロール−3−イル、フラン−2−イル、フラン−3−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル、イミダゾール−2−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−3−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、イソチアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、インドール−2−イル、インドール−5−イル、インドール−7−イル、ベンゾフラン−3−イル、ベンゾチオフェン−3−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、インダゾール−5−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル又はベンゾトリアゾール−4−イル等の基を示す。
【0038】
本発明化合物の好ましい態様を以下に示す。
nは1が好ましい。
Tは、水素原子又はハロゲンが好ましい。
【0039】
Rの好ましい態様の1つは、下記式(I)である。
【0040】
【化5】
式(I)中、Zは、−CH−、−O−又は−NR11−(R11は、水素又はC〜Cアルキルを示す)を示し、
pは、0〜3の整数を示し、
rは、0〜2の整数を示し、
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ又はオキソを示す(ここで、Zが−CH−のとき、その水素原子はRで置換されても良い)。
【0041】
式(I)の構造の好ましい態様は下式で示される。
【0042】
【化6】
(ここで、R、R11、p及びrは、上記で定義した通りである。)
は、好ましくはハロゲン、C〜Cアルキル及びヒドロキシである。
11は、好ましくはC〜Cアルキルである。
式(Ia)において、pは、好ましくは1〜2の整数を示す。
式(Ib)及び式(Ic)において、pは、好ましくは2〜3の整数を示す。

式(I)の構造のさらに好ましい態様は下式で示される。
【0043】
【化7】
【0044】
Rの他の好ましい態様は、下記式(II)である。
【0045】
【化8】

式(II)中、R及びRは、好ましくは、同一又は異なって、水素原子、C〜Cアルキル(該C〜Cアルキルは、ハロゲン;C〜C環状アルキル;C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、又はヒドロキシC〜Cアルコキシで置換されても良い)、又は、式−(CH−Ar(式中、Arは、アリール(該アリールは、ハロゲン;C〜Cアルキル;C〜Cアルコキシ;ヒドロキシ又はシアノで置換されても良い)を示し、mは、0〜2の整数を示す)を示す。

Rの他の好ましい態様は、下記式(III)である。
【0046】
【化9】
式(III)中、Zは、−CH−、−O−又は−NR11−(R11は、水素又はC〜Cアルキルを示す)を示し、
qは、0〜1の整数を示し、
sは、0〜2の整数を示し、
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ又はオキソを示す(ここで、Zが−CH−のとき、その水素原子はRで置換されても良い)。
【0047】
式(III)の構造の好ましい態様は下式で示される。
【0048】
【化10】
(ここで、R、s及びqは、上記で定義したとおりである。)
sは、好ましくは0〜1の整数を示す。
【0049】
また、−NRの好ましい態様は、R及びRが、隣接する窒素原子と一緒になって互いに結合した5〜6員の飽和複素環(例えば、1−ピロリジル、ピペリジノ)(該飽和複素環基はC〜Cアルキルで置換されても良い)である。1−ピロリジルの場合は、2位で1つのC〜Cアルキルで置換されるのが好ましい。
【0050】
−NRのより好ましい態様は、下記式で示される基である。
【0051】
【化11】
【0052】
−NRのさらに好ましい態様は、下記式で示される基である。
【0053】
【化12】
【0054】
さらに、医薬の有用性を判断するには、主活性のみならず、副作用及び毒性の点など種々な観点から評価する必要がある。具体的には、H3受容体の阻害をターゲットとした場合、脳機能の調節機構にオピオイド受容体が関与しており、μ、δ及びκ受容体にも親和性を有すると、依存性、不快感(dysphoria)、うつ様症状などの副作用が考えられ、また、σ1受容体に対して拮抗作用を有する場合には、アセチルコリン遊離およびNMDA受容体機能に影響を与え、十分な認知機能増強作用が発揮できないとの報告がある(J.Pharmacol.Exp.Ther.,2002,Arp,301(1),249−257及びNeuropsychopharmacology,2007,Mar,32(3),514−521参照)。従って、オピオイド受容体に親和性を有さず、H3受容体に選択的に作用する化合物が望まれる。
【0055】
オピオイド受容体への親和性が低い点で好ましいのは、フェニルピラゾール誘導体のピラゾールの4位に特定の置換基を有し、かつ、他の置換基がさらに下記のように限定された化合物:
【0056】
【化13】

{式中、Zは、−O−又は−NR11−(R11は、水素又はC〜Cアルキル)を示し、
pは、0〜3の整数を示し、
rは、0〜2の整数を示し、
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ又はオキソを示す}、
で示されるフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩である。
【0057】
上記式において、好ましい態様は下記の通りである:Zは、好ましくは−O−である。Rは、好ましくは、ハロゲン、C〜Cアルキル及びヒドロキシである。rは、好ましくは0である。
【0058】
細胞毒性が低い点で好ましいのは、フェニルピラゾール誘導体のピラゾールの4位に特定の置換基を有し、かつ、他の置換基がさらに下記のように限定した化合物:
【0059】
【化14】

{式中、Zは、−CH−又は−O−を示し、
pは、0〜3の整数を示し、
rは、0〜2の整数を示し、
Tは、水素原子又はハロゲンを示し、
は、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ又はオキソを示し(ここで、Zが−CH−のとき、その水素原子はRで置換されても良い)、
は、C〜Cアルキルを示す}
で示されるフェニルピラゾール誘導体、又はその医薬上許容される塩である。
【0060】
上記式において、下記の通りである:Zは、好ましくは−O−である。Rは、好ましくはメチルである。Rは、好ましくは、C〜Cアルキル及びヒドロキシである。rは、好ましくは0である。
【0061】
本発明において、医薬上許容される塩とは、硫酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸などの無機酸との塩、酢酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、エタンスルホン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、ガラクタル酸、ナフタレン−2−スルホン酸などの有機酸との塩、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオンなどの1種又は複数の金属イオンとの塩、アンモニア、アルギニン、リシン、ピペラジン、コリン、ジエチルアミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、2−アミノエタノール、ベンザチンなどのアミンとの塩等が挙げられる。
【0062】
本発明の化合物は、各種溶媒和物としても存在し得る。また、医薬としての適用性の面から水和物の場合もある。
本発明の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオマー、平衡化合物、これらの任意の割合の混合物、ラセミ体等を全て含む。
本発明の化合物には、一つ以上の水素原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が放射性同位元素や安定同位元素と置換された化合物も含まれる。これらの標識化合物は、例えば代謝や薬物動態研究、受容体のリガンドとして生物学的分析等に有用である。
【0063】
本発明の化合物は、一つ又は二つ以上の医薬的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合せて医薬的製剤とすることができる。上記担体、賦形剤及び希釈剤として、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、デンプン、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾソルベート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の各種油等が挙げられる。
【0064】
また、上記の担体、賦形剤又は希釈剤に必要に応じて一般に使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、pH調整剤、溶解剤等の添加剤を混合し、常用の製剤技術によって錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、液剤、乳剤、懸濁剤、軟膏剤、注射剤、皮膚貼付剤等の経口又は非経口用医薬として調製することができる。本発明の化合物は、成人患者に対して1回の投与量として0.001〜500mgを1日1回又は数回に分けて経口又は非経口で投与することが可能である。なお、この投与量は治療対象となる疾病の種類、患者の年齢、体重、症状等により適宜増減することが可能である。
本発明の化合物を医薬として使用する場合、好ましくは、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎の予防剤又は治療剤である。特に好ましくは、認知症の予防剤又は治療剤である。
【0065】
本発明の化合物における望ましいプロファイルとしては、薬効が優れていること、体内動態が優れていること(経口吸収性が良い・特定の組織に蓄積性を有さない)、物性が優れていること、低毒性であること、等が挙げられる。
本発明の化合物は、下記の方法により製造することができる。
【0066】
(本発明の化合物を製造する方法)
本発明の化合物は、公知の有機化学的手法によって製造することができ、例えば、下記の反応式による方法に従って製造できる。下記反応式1〜10において、R、R1〜R10、T、G、Z1、Z2、p、q、r、s及びnは前記と同義である。また、X1〜X3は、同一又は異なって、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子又はメタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等の有機スルホニルオキシ基等の脱離基を示し、Y1〜Y4は、同一又は異なって、ハロゲン原子又は有機スルホニルオキシ基等の脱離基、又は水酸基を示し、Z3は炭素原子又は酸素原子を示し、tは0又は1の整数を示す。
【0067】
以下、反応式1で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、化合物(2)から本発明の化合物(1)を製造するための工程である。
(反応式1)
【0068】
【化15】
【0069】
(工程1)
工程1は、化合物(2)と公知の化合物(3)とのカップリング反応により化合物(4)を得るための工程である。化合物(2)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該カップリング反応は、塩基の存在下、溶媒中又は無溶媒でフェノールとアルキルハライドとを反応させる一般的な方法により実施できる。また、必要に応じて、例えば、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム等の添加物を加えることができる。本反応で用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、tert−ブトキシカリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;水又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、2−ブタノンが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは、15℃〜100℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0070】
(工程2)
工程2は、化合物(4)と化合物(5)とをカップリング反応により縮合して化合物(6)を得るための工程である。化合物(5)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該カップリング反応は、塩基の存在下又は非存在下、溶媒中又は無溶媒でアミンとアルキルハライドとを反応させる一般的な方法により実施できる。また、必要に応じて、例えば、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム等の添加物を加えることができる。本反応で用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、tert−ブトキシカリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;水又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは、15℃〜100℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0071】
(工程3a)
工程3aは、化合物(6)と化合物(7)とをカップリング反応により縮合して本発明の化合物(1)を得るための工程である。化合物(7)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該カップリング反応は、塩基の存在下、リガンド及び触媒を用いて、溶媒中でアゾール化合物の窒素原子の芳香化を行う一般的な方法により実施でき、例えば、(Kunzら,Synlett,2003年,15巻,2428−2439頁)に記載の方法又はそれに準じた方法に従って実施できる。本反応で用いられる触媒としては、縮合反応に一般的に用いられる銅触媒、例えば、銅(0)、ヨウ化銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、臭化銅(I)トリストリフェニルホスフィン錯体、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)ベンゼン錯体等が挙げられる。本反応で用いられるリガンドとしては、銅触媒を用いた縮合反応に一般的に用いられるリガンド、例えば、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン、2−アミノピリジン、1,10−フェナンスロリン、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム、エチレングリコール等が挙げられる。本反応で用いられる塩基としては、例えば、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム、tert−ブトキシカリウム、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムメトキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられ、これらのうち、炭酸カリウム、炭酸セシウムが好ましい。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;水又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは、40℃〜120℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0072】
(反応式2)
【0073】
【化16】
【0074】
(工程4)
また、化合物(6)は、化合物(2)と化合物(8)とのカップリング反応により得ることもできる。化合物(8)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該カップリング反応は、Y1がハロゲン原子等の脱離基である場合、工程1と同様の方法により実施できる。
1が水酸基である場合、該カップリング反応としてはミツノブ反応が挙げられ、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の有機リン化合物とアゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジtertブチル等のアゾ化合物とを組み合わせた試薬、或いはシアノメチルトリブチルホスホラン等のリンイリド試薬の存在下溶媒中で行う方法が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、テトラヒドロフラン、トルエンが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜120℃、好ましくは、15℃〜80℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0075】
以下、反応式3で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、化合物(1−1)から本発明の化合物(1−2)及び(1−3)を製造するための工程である。
(反応式3)
【0076】
【化17】
【0077】
(工程5)
工程5は、化合物(1−1)のエトキシカルボニル基を加水分解によりカルボン酸に変換して化合物(9)を得るための工程である。該加水分解反応は、一般的なエステルの加水分解反応により実施することができ、例えば、強酸存在下溶媒中又は無溶媒で反応させる方法、塩基存在下溶媒中で反応させる方法等、(T.W.Greene and P.G.M.Wuts著 Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley and Sons社)に記載の方法又はそれに準じた方法に従って実施できる。本反応における反応温度は、通常0℃〜120℃、好ましくは、15℃〜80℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0078】
(工程6a)
工程6aは、化合物(9)と化合物(10)又は(11)とをカップリング反応により縮合し、本発明の化合物(1−2)又は(1−3)をそれぞれ得るための工程である。化合物(10)及び化合物(11)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該カップリング反応は、一般的なカルボン酸のアミド化の方法により実施でき、例えば、カルボン酸をカルボン酸クロリドやカルボン酸ブロミド等のカルボン酸ハライドに導いた後にアミンと反応させる方法、カルボン酸とクロル炭酸エステル等から得られる混合酸無水物をアミンと反応させる方法、カルボン酸を1−ベンゾトリアゾリルエステルやスクシンイミジルエステル等の活性エステルに導いた後にアミンと反応させる方法、カルボン酸を脱水縮合剤存在下アミンと反応させる方法等が挙げられる。これらの反応は、全て塩基の存在下又は非存在下、溶媒中で行うことができる。本反応で用いられる脱水縮合剤としては、例えば、3−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジフェニルホスホリルアジド、カルボニルジイミダゾール等が挙げられ、必要に応じて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシスクシンイミド等の活性化剤を用いることができる。本反応で用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;水又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、トルエン、テトラヒドロフラン又はN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜120℃、好ましくは、15℃〜40℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0079】
(反応式4)
【0080】
【化18】
【0081】
(工程7a)
また、本発明の化合物(1−2)及び(1−3)は、化合物(1−1)と化合物(10)又は(11)とのカップリング反応によりそれぞれ得ることもできる。該カップリング反応は、一般的なカルボン酸エステルのエステル−アミド交換反応により実施でき、例えば、カルボン酸エステルを溶媒中又は無溶媒で1級乃至2級アミンと反応させる方法が挙げられる。また、必要に応じて、例えば、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム、トリメチルアルミニウム等の添加物を加えることができる。本反応で溶媒を用いる場合、溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン、キシレン等の炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;水又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドが好ましい。本反応における反応温度は、通常15℃〜150℃、好ましくは、15℃〜100℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0082】
以下、反応式5で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、化合物(9)から本発明の化合物(1−4)及び(1−5)を製造するための工程である。
(反応式5)
【0083】
【化19】
【0084】
(工程6b)
工程6bは、化合物(9)をアンモニアと反応させて本発明の化合物(1−4)を得るための工程である。該反応は、工程6aと同様の方法により実施できる。具体例としては、例えば、カルボン酸を脱水縮合剤存在下アンモニア水と反応させる方法により実施できる。
【0085】
(工程8)
工程8は、化合物(1−4)のカルバモイル基をニトリル基に変換して本発明の化合物(1−5)を得るための工程である。本工程は、カルバモイル基をニトリル基に変換する一般的な反応により実施でき、例えば、脱水剤の存在下、溶媒中又は無溶媒で反応させることにより実施できる。また、必要に応じて、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、塩化ナトリウム等の添加物を加えることができる。本反応で用いられる脱水剤としては、例えば、5酸化リン、5塩化リン、3塩化リン、塩化ホスホリル、塩化チオニル、塩化オキサリル、無水トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。本反応で溶媒を用いる場合、溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;アセトニトリル又はこれらの混合溶媒が挙げられる。本反応における反応温度は、通常0℃〜120℃、好ましくは、15℃〜80℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0086】
以下、反応式6で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、化合物(6)から本発明の化合物(1−6)、(1−7)及び(1−8)を製造するための工程である。
(反応式6)
【0087】
【化20】
【0088】
(工程3b)
工程3bは、化合物(6)と化合物(7−1)とをカップリング反応により縮合して本発明の化合物(1−6)を得るための工程である。該反応は、工程3aと同様の方法により実施できる。
【0089】
(工程9)
工程9は、化合物(1−6)のニトロ基を還元して化合物(12)を得るための工程である。本工程は、ニトロ基をアミノ基に変換する一般的な還元反応により実施でき、例えば、パラジウム−炭素、白金、ラネーニッケル、ロジウム−アルミナ等の触媒を用いた水素添加による接触還元反応、亜鉛、鉄、スズ又は塩化スズ(II)を用いた酸性条件下での還元反応、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物を用いた還元反応等が挙げられる。具体例としては、例えば、パラジウム−炭素を触媒とし、メタノール溶媒中水素添加による接触還元反応を行うことにより実施できる。
【0090】
(工程10a)
工程10aは、化合物(12)と化合物(13)とをカップリング反応により縮合して本発明の化合物(1−7)を得るための工程である。化合物(13)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該カップリング反応は、GがCO、Y2が水酸基である場合、工程6aと同様の方法により実施できる。
2がハロゲン原子である場合、該カップリング反応は、塩基の存在下又は非存在下、溶媒中又は無溶媒で化合物(12)と化合物(13)とを反応させることにより実施できる。本反応で用いられる塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、テトラヒドロフラン、トルエンが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜120℃、好ましくは、15℃〜80℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0091】
(工程11)
工程11は、化合物(1−7)と化合物(14)とを反応させて本発明の化合物(1−8)を得るための工程である。化合物(14)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該反応は、一般的なアミド又はスルホンアミドのアルキル化の方法により実施でき、例えば、塩基の存在下、溶媒中で化合物(1−7)と化合物(14)とを反応させることにより実施できる。また、必要に応じて、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド、18−クラウン−6−エーテル等の添加物を加えることができる。本反応で用いられる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、tert−ブトキシカリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、n−ブチルリチウム等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル;水又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは、15℃〜100℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0092】
以下、反応式7で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、化合物(12)から本発明の化合物(1−8)を製造するための工程である。
(反応式7)
【0093】
【化21】
【0094】
(工程12)
工程12は、化合物(12)の1級アミノ基のアルキル化反応により化合物(15)を得るための工程である。該アルキル化反応は、1級アミノ基を2級アミノ基へ変換する一般的なアルキル化方法によって実施でき、例えば、塩基の存在下アルキルハライドやアルキルメタンスルホネート等のアルキル化剤を用いて反応させる方法、アルデヒドを用いた還元的アミノ化反応による方法、カルボン酸及びその誘導体を用いて酸アミドとした後にボラン等の金属水素化物で還元する方法、アルコールとの脱水縮合による方法等が挙げられる。
【0095】
(工程10b)
工程10bは、化合物(15)と化合物(13)とをカップリング反応により縮合して本発明の化合物(1−8)を得るための工程である。該カップリング反応は、工程10aと同様の方法により実施できる。
【0096】
以下、反応式8で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、化合物(12)から本発明の化合物(1−9)及び(1−10)を製造するための工程である。
(反応式8)
【0097】
【化22】
【0098】
(工程10c)
工程10cは、化合物(12)と化合物(16)とをカップリング反応により縮合して本発明の化合物(1−9)を得るための工程である。化合物(16)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該カップリング反応は、工程10aと同様の方法により実施できる。
【0099】
(工程13a)
工程13aは、化合物(1−9)の分子内環化反応によって本発明の化合物(1−10)を得るための工程である。該分子内環化反応は、文献記載の方法(例えば、Journal of Medicinal Chemistry、2002年、45巻、3972−3983頁)又はそれに準じた方法により実施できる。本反応で用いられる塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、tert−ブトキシカリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;アセトン、2−ブタノン等のケトン類;ジメチルスルホキシド;アセトニトリル又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、テトラヒドロフラン、トルエンが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは、15℃〜80℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0100】
以下、反応式9で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、化合物(12)から本発明の化合物(1−11)を製造するための工程である。
(反応式9)
【0101】
【化23】
【0102】
(工程14)
工程14は、化合物(12)と化合物(17)との縮合反応により本発明の化合物(1−11)を得るための工程である。化合物(17)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該縮合反応は、一般的なアミンと酸無水物との縮合方法により実施でき、例えば、酸の存在下又は非存在下、化合物(12)と化合物(17)とを加熱下溶媒中又は無溶媒で反応させる方法等が挙げられる。本反応で用いられる酸としては、硫酸、塩酸等が挙げられる。本反応で用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;トルエン、ベンゼン等の炭化水素類;クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類又はこれらの混合溶媒が挙げられ、これらのうち、トルエン又はテトラヒドロフランが好ましい。本反応における反応温度は、通常0℃〜150℃、好ましくは、40℃〜120℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。また、本工程の反応中間体である化合物(18)は、更に分子内脱水環化反応を行うことにより化合物(1−11)へと変換することができる。該脱水環化反応は、一般的な脱水縮合の方法により実施でき、例えば、無水酢酸存在下溶媒中又は無溶媒で加熱する方法等が挙げられる。
【0103】
以下、反応式10で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、化合物(12)から本発明の化合物(1−12)を製造するための工程である。
(反応式10)
【0104】
【化24】
【0105】
(工程10d)
工程10dは、化合物(12)と化合物(19)とをカップリング反応により縮合して化合物(20)を得るための工程である。化合物(19)は、公知化合物であるか、公知化合物から容易に合成できる化合物である。該カップリング反応は、工程10aと同様の方法により実施できる。
【0106】
(工程15)
工程15は、化合物(20)を化合物(21)へと変換するための工程である。該変換の方法としては、例えば、溶媒中水素化リチウムアルミニウムと反応させる方法等が挙げられる。
【0107】
(工程16)
工程16は、化合物(21)と化合物(22)とを分子間環化反応により縮合して本発明の化合物(1−12)を得るための工程である。該分子間環化反応は、例えば、(Journal of American Chemical Society,1955年,77巻,633頁)に記載の方法又はそれに準じた方法に従って実施できる。また、本工程の反応中間体である化合物(23)は、更に分子内環化反応を行うことにより化合物(1−12)へと変換することができる。該環化反応は、一般的な水酸基のアルキルハライドによるアルキル化の方法により実施でき、例えば、水素化ナトリウム存在下溶媒中又は無溶媒で加熱する方法等が挙げられる。
【0108】
以下、反応式11で示される本発明の化合物の製造方法について説明する。この製造工程は、本発明の化合物(1−2)においてR=2−ヒドロキシエチル基、R=tert−ブトキシカルボニルメチル基である化合物(1−13)から、本発明の化合物(1−14)及び(1−15)を製造するための工程である。
【0109】
(反応式11)
【0110】
【化25】
【0111】
(工程17)
工程17は、化合物(1−13)のtert−ブトキシカルボニル基を加水分解によりカルボン酸に変換して本発明の化合物(1−14)を得るための工程である。該加水分解反応は、一般的なエステルの加水分解反応により実施することができ、例えば、強酸存在下溶媒中又は無溶媒で反応させる方法、塩基存在下溶媒中で反応させる方法等、(T.W.Greene and P.G.M.Wuts著 Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、John Wiley and Sons社)に記載の方法又はそれに準じた方法に従って実施できる。具体例としては、クロロホルム等の溶媒中トリフルオロ酢酸を加えて反応させる方法、メタノール等の溶媒中水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応させる方法等が挙げられる。本反応における反応温度は、通常0℃〜120℃、好ましくは、15℃〜80℃であり、反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは、1〜12時間である。
【0112】
(工程18)
工程18は、化合物(1−14)の分子内環化反応により本発明の化合物(1−15)を得るための工程である。該分子内環化反応は、酸性条件下或いは脱水剤共存下溶媒中又は無溶媒でカルボン酸とアルコールを脱水縮合させる方法等、カルボン酸をエステルに変換する通常の方法により実施できる。
【実施例】
【0113】
以下に実施例及び試験例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例中記載の各機器データは以下の測定機器にて測定した。
MSスペクトル:島津LCMS-2010EV又はmicromass Platform LC
NMRスペクトル:JNM-ECA600 (日本電子)
IRスペクトル:Spectrum One (Perkin Elmer)
融点:Thermoplus TG8120(リガク)
熱質量測定装置(Thermogravimetry):Thermoplus TG8120(リガク)
(実施例1)
【0114】
1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 エチルの製造
(1)1−(3−クロロプロポキシ)−4−ヨードベンゼンの製造
【0115】
【化26】
【0116】
4−ヨードフェノール(20.0g)及び1−ブロモ−3−クロロプロパン(18.6g)の2−ブタノン(200mL)溶液に炭酸カリウム(25.1g)を加え、100℃にて5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して橙色油状の表題化合物(28.4g)を得た。
【0117】
(2)(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの製造
【0118】
【化27】
【0119】
実施例1−(1)で得られた1−(3−クロロプロポキシ)−4−ヨードベンゼン(2.79g)、(R)−2−メチルピロリジン(0.961g)、ヨウ化ナトリウム(0.282g)及び炭酸カリウム(2.60g)のアセトニトリル(2.8mL)懸濁液を、シールドチューブ中、100℃にて5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1)にて精製して黄色油状の表題化合物(3.27g)を得た。
【0120】
(3)1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 エチルの製造
【0121】
【化28】
【0122】
実施例1−(2)で得られた(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジン(1.60g)、1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチル(0.779g)、(rac−trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.263g)、ヨウ化銅(0.088g)及び炭酸セシウム(3.02g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)懸濁液を120℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて精製して黄色油状の表題化合物(1.11g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 (t, J=7.3 Hz, 3 H), 1.39 - 1.45 (m, 1 H), 1.65 - 1.73 (m, 1 H), 1.74 - 1.82 (m, 1 H), 1.89 - 2.06 (m, 3 H), 2.12 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.18 - 2.23 (m, 1 H), 2.26 - 2.34 (m, 1 H), 2.95 - 3.02 (m, 1 H), 3.18 (td, J=8.6, 2.5 Hz, 1 H), 4.03 - 4.10 (m, 2 H), 4.33 (q, J=7.3 Hz, 2 H), 6.99 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.58 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 8.07 (s, 1 H), 8.30 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 358(M+H)+
(実施例2)
【0123】
1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
(1)1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩の製造
【0124】
【化29】
【0125】
実施例1−(3)で得られた1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 エチル(1.11g)に室温にて濃塩酸(7.0mL)を加え、80℃にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して淡茶色固体の表題化合物(1.08g)を得た。
【0126】
(2)1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0127】
【化30】
【0128】
実施例2−(1)で得られた1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩(1.08g)のN,N−ジメチルホルムアミド(11mL)懸濁液に室温にて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(0.539g)を加え、5分間撹拌した。反応混合物に1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.679g)を加え、室温にて30分撹拌し、アンモニア水(25%、0.702g)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水及び飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=20:1)にて精製して無色固体の表題化合物(0.504g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.36 - 1.46 (m, 1 H), 1.65 - 1.83 (m, 2 H), 1.87 - 2.06 (m, 3 H), 2.11 (q, J=9.0 Hz, 1 H), 2.17 - 2.24 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.93 - 3.03 (m, 1 H), 3.13 - 3.20 (m, 1 H), 4.02 - 4.10 (m, 2 H), 5.60 (br. s, 2 H), 6.94 - 7.02 (m, 2 H), 7.52 - 7.60 (m, 2 H), 7.91 (s, 1 H), 8.29 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 329(M+H)+
(実施例3)
【0129】
1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの製造
【0130】
【化31】
【0131】
実施例2−(2)で得られた1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(0.466g)のN,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)溶液に塩化チオニル(1.0mL)を氷冷下滴下し、0℃にて30分撹拌した。反応混合物に水及び飽和重曹水を加えてpH8に調節し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、得られた結晶をヘキサン:ジイソプロピルエーテル=1:1で洗浄して無色固体の表題化合物(0.253g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.46 (m, 1 H), 1.65 - 1.83 (m, 2 H), 1.88 - 2.06 (m, 3 H), 2.11 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.16 - 2.24 (m, 1 H), 2.25 - 2.34 (m, 1 H), 2.93 - 3.03 (m, 1 H), 3.12 - 3.23 (m, 1 H), 4.02 - 4.11 (m, 2 H), 6.95 - 7.02 (m, 2 H), 7.50 - 7.57 (m, 2 H), 7.95 (s, 1 H), 8.18 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 311(M+H)+
(実施例4)
【0132】
1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
(1)(2S)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの製造
【0133】
【化32】
【0134】
実施例1−(2)と同様の方法により、(R)−2−メチルピロリジンの代わりに(S)−2−メチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
【0135】
(2)1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩の製造
【0136】
【化33】
【0137】
実施例1−(3)及び実施例2−(1)と同様の方法により、(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例4−(1)で得られた(2S)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
【0138】
(3)1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0139】
【化34】
【0140】
実施例2−(2)と同様の方法により、1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩の代わりに実施例4−(2)で得られた1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩を用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H) 1.37 - 1.44 (m, 1 H) 1.57 - 1.72 (m, 2 H) 1.87 - 1.94 (m, 1 H) 1.95 - 2.03 (m, 1 H) 2.08 - 2.13 (m, 2 H) 2.16 - 2.22 (m, 1 H) 2.25 - 2.32 (m, 1 H) 2.94 - 3.00 (m, 1 H) 3.19 - 3.24 (m, 1 H) 4.02 - 4.08 (m, 2 H) 6.97 (d, J=8.7 Hz, 2 H) 7.56 (d, J=8.7 Hz, 2 H) 7.93 (s, 1 H) 8.30 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 329(M+H)+
(実施例5)
【0141】
1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの製造
【0142】
【化35】
【0143】
実施例3と同様の方法により、1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの代わりに実施例4−(3)で得られた1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.4 Hz, 3 H) 1.38 - 1.44 (m, 1 H) 1.59 - 1.82 (m, 2 H) 1.88 - 1.95 (m, 1 H) 1.96 - 2.04 (m, 2 H) 2.08 - 2.13 (m, 1 H) 2.16 - 2.23 (m, 1 H) 2.25 - 2.34 (m, 1 H) 2.93 - 3.01 (m, 1 H) 3.14 - 3.20 (m, 1 H) 4.04 - 4.09 (m, 2 H) 6.99 (d, J=9.2 Hz, 2 H) 7.54 (d, J=9.2 Hz, 2 H) 7.95 (s, 1 H) 8.18 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 311(M+H)+
(実施例6)
【0144】
4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリンの製造

(1)4−(1H−ピラゾール−4−イルカルボニル)モルホリンの製造
【0145】
【化36】
【0146】
1H−ピラゾール−4−カルボン酸(1.05g)、1−{3−(ジメチルアミノ)プロピル}−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(2.5g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(1.6g)及びモルホリン(1.2g)のクロロホルム(18mL)懸濁液を室温にて一晩撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=100:0〜95:5)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=100:0〜90:10)にて精製し、得られた無色固体を酢酸エチルで洗浄して無色固体の表題化合物(1.00g)を得た。
【0147】
(2)4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリンの製造
【0148】
【化37】
【0149】
実施例1−(2)で得られた(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジン(0.30g)、実施例6−(1)で得られた4−(1H−ピラゾール−4−イルカルボニル)モルホリン(0.19g)、(rac−trans−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.049g)、ヨウ化銅(0.017g)及び炭酸セシウム(0.57g)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)懸濁液を120℃にて1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)にて精製し、得られた結晶をイソプロピルエーテルにて洗浄して白色固体の表題化合物(0.20g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.46 (m, 1 H), 1.64 - 1.82 (m, 2 H), 1.87 - 2.05 (m, 3 H), 2.11 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.16 - 2.23 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.94 - 3.02 (m, 1 H), 3.13 - 3.20 (m, 1 H), 3.67 - 3.81 (m, 8 H), 4.01 - 4.10 (m, 2 H), 6.94 - 7.01 (m, 2 H), 7.52 - 7.58 (m, 2 H), 7.78 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 399(M+H)+
(実施例7)
【0150】
4−{[1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリンの製造
【0151】
【化38】
【0152】
実施例6−(2)と同様の方法により、(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例4−(1)で製造した(2S)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.46 (m, 1 H), 1.64 - 1.82 (m, 2 H), 1.87 - 2.05 (m, 3 H), 2.11 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.16 - 2.23 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.94 - 3.02 (m, 1 H), 3.13 - 3.20 (m, 1 H), 3.67 - 3.81 (m, 8 H), 4.01 - 4.10 (m, 2 H), 6.94 - 7.01 (m, 2 H), 7.52 - 7.58 (m, 2 H), 7.78 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 399(M+H)+
(実施例8)
【0153】
4−({1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}カルボニル)モルホリンの製造
【0154】
【化39】
【0155】
実施例1−(2)及び実施例6−(2)と同様の方法により、(R)−2−メチルピロリジンの代わりにピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.75 - 1.82 (m, 4 H), 1.98 - 2.05 (m, 2 H), 2.49 - 2.56 (m, 4 H), 2.59 - 2.67 (m, 2 H), 3.67 - 3.81 (m, 8 H), 4.06 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 6.94 - 7.01 (m, 2 H), 7.52 - 7.58 (m, 2 H), 7.77 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 385(M+H)+
(実施例9)
【0156】
4−({1−[4−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}カルボニル)モルホリンの製造
【0157】
【化40】
【0158】
実施例1−(2)及び実施例6−(2)と同様の方法により、(R)−2−メチルピロリジンの代わりにピペリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.41 - 1.48 (m, 2 H), 1.55 - 1.63 (m, 4 H), 1.96 - 2.03 (m, 2 H), 2.34 - 2.50 (m, 6 H), 3.70 - 3.80 (m, 8 H), 4.05 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 6.98 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.56 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.78 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 399(M+H)+
(実施例10)
【0159】
4−[(1−{4−[3−(2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)カルボニル]モルホリンの製造
【0160】
【化41】
【0161】
実施例1−(2)及び実施例6−(2)と同様の方法により、(R)−2−メチルピロリジンの代わりに2,2−ジメチルピペリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.97 (s, 6 H), 1.60 - 1.66 (m, 2 H), 1.71 - 1.80 (m, 2 H), 1.90 - 1.98 (m, 2 H), 2.54 (t, J=7.1 Hz, 2 H), 2.76 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 3.68 - 3.80 (m, 8 H), 4.06 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 6.95 - 7.00 (m, 2 H), 7.53 - 7.58 (m, 2 H), 7.78 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 413(M+H)+
(実施例11)
【0162】
N−tert−ブチル−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
(1)N−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0163】
【化42】
【0164】
実施例6−(1)と同様の方法により、モルホリンの代わりに2−メチルプロパン−2−アミンを用いて表題化合物を得た。
【0165】
(2)1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの製造
【0166】
【化43】
【0167】
実施例1−(2)と同様の方法により、(R)−2−メチルピロリジンの代わりに2−メチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
【0168】
(3)N−tert−ブチル−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0169】
【化44】
【0170】
実施例1−(3)と同様の方法により、(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例11−(2)で得られた1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンを、1H−ピラゾール−4−カルボン酸 エチルの代わりに実施例11−(1)で得られたN−tert−ブチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドをそれぞれ用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.11 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.47 (s, 9 H), 1.75 - 1.82 (m, 1 H), 1.90 - 1.96 (m, 1 H), 1.98 - 2.05 (m, 2 H), 2.11 - 2.17 (m, 1 H), 2.20 - 2.25 (m, 1 H), 2.29 - 2.36 (m, 1 H), 2.96 - 3.02 (m, 1 H), 3.17 - 3.21 (m, 1 H), 4.03 - 4.09 (m, 2 H), 5.63 (br. s., 1 H), 6.98 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.55 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.82 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 385(M+H)+
(実施例12)
【0171】
N−tert−ブチル−1−{4−[3−(2,5−ジメチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0172】
【化45】
【0173】
実施例11−(2)及び実施例11−(3)と同様の方法により、2−メチルピロリジンの代わりに2,5−ジメチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.11 (d, J=6.0 Hz, 6 H), 1.33 - 1.41 (m, 2 H), 1.47 (s, 9 H), 1.77 - 1.85 (m, 2 H), 1.91 - 2.04 (m, 2 H), 2.55 - 2.64 (m, 2 H), 2.73 - 2.77 (m, 2 H), 4.04 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 5.61 (s, 1 H), 6.97 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.56 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.82 (s, 1 H), 8.21 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 399(M+H)+
(実施例13)
【0174】
N−tert−ブチル−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0175】
【化46】
【0176】
実施例11−(2)及び実施例11−(3)と同様の方法により、2−メチルピロリジンの代わりにピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.46 (s, 9 H), 1.76 - 1.81 (m, 4 H), 1.98 - 2.05 (m, 2 H), 2.49 - 2.56 (m, 4 H), 2.58 - 2.67 (m, 2 H), 4.05 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 5.60 (s, 1 H), 6.92 - 7.01 (m, 2 H), 7.50 - 7.58 (m, 2 H), 7.81 (s, 1 H), 8.20 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 371(M+H)+
(実施例14)
【0177】
N−tert−ブチル−1−{4−[3−(ジエチルアミノ)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0178】
【化47】
【0179】
実施例11−(2)及び実施例11−(3)と同様の方法により、2−メチルピロリジンの代わりにジエチルアミンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.55 (q, J=7.0 Hz, 4 H), 2.59 - 2.63 (m, 2 H), 4.05 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 5.60 (s, 1 H), 6.97 (d, 2 H), 7.55 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.82 (s, 1 H), 8.20 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 373(M+H)+
(実施例15)
【0180】
N−(4−フルオロフェニル)−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
(1)1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩の製造
【0181】
【化48】
【0182】
実施例1−(3)及び実施例2−(1)と同様の方法により、(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例11−(2)で得られた1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
【0183】
(2)N−(4−フルオロフェニル)−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド
【0184】
【化49】
【0185】
実施例2−(2)と同様の方法により、1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩の代わりに実施例15−(1)で得られた1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩を、アンモニア水の代わりに4−フルオロアニリンをそれぞれ用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.40 - 2.35 (m, 9 H), 2.97 - 3.03 (m, 1 H), 3.17 - 3.23 (m, 1 H), 4.05 - 4.12 (m, 2 H), 6.99 - 7.02 (m, 2 H), 7.15 - 7.20 (m, 2 H), 7.48 (s, 1H), 7.56 - 7.62 (m, 2 H), 8.00 (s, 1 H), 8.37 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 423(M+H)+
(実施例16)
【0186】
N−(4−フルオロフェニル)−1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0187】
【化50】
【0188】
実施例1−(2)、1−(3)、実施例2−(1)及び実施例15−(2)と同様の方法により、2−メチルピロリジンの代わりにピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.77 - 1.83 (m, 4 H), 2.00 - 2.07 (m, 2 H), 2.52 - 2.58 (m, 4 H), 2.66 (t, J=7.6 Hz, 2 H), 4.07 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 6.99 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.06 (t, J=8.5 Hz, 2 H), 7.47 (s, 1H), 7.54 - 7.61 (m, 2 H), 7.58 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 8.00 (s, 1 H), 8.37 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 409(M+H)+
(実施例17)
【0189】
N−(4−メチルフェニル)−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0190】
【化51】
【0191】
実施例15−(2)と同様の方法により、4−フルオロアニリンの代わりに4−メチルアニリンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.12 (br. s., 3 H), 1.46 (br. s., 1 H), 1.66 - 1.87 (m, 2 H), 1.89 - 2.39 (m, 9 H), 3.01 (br. s., 1 H), 3.21 (br. s., 1 H), 4.04 - 4.12 (m, 2 H), 7.00 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.18 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.42 (s, 1 H), 7.49 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.60 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.99 (br. s., 1 H), 8.36 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 419(M+H)+
(実施例18)
【0192】
1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 4−フルオロベンジルアミドの製造
【0193】
【化52】
【0194】
実施例15−(2)と同様の方法により、4−フルオロアニリンの代わりに4−フルオロベンジルアミンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.41 (dddd, J=12.5, 10.4, 8.7, 6.0 Hz, 1 H), 1.65 - 1.72 (m, 1 H), 1.73 - 1.82 (m, 1 H), 1.87 - 1.95 (m, 1 H), 1.95 - 2.05 (m, 2 H), 2.11 (q, J=9.2 Hz, 1 H), 2.16 - 2.22 (m, 1 H), 2.25 - 2.32 (m, 1 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 3.14 - 3.20 (m, 1 H), 4.02 - 4.09 (m, 2 H), 4.59 (d, J=6.0 Hz, 2 H), 6.05 - 6.10 (m, 1 H), 6.95 - 6.99 (m, 2 H), 7.01 - 7.06 (m, 2 H), 7.30 - 7.35 (m, 2 H), 7.55 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.88 (s, 1 H), 8.28 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 437(M+H)+
(実施例19)
【0195】
1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)−プロポキシ]−フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 ジメチルアミドの製造
【0196】
【化53】
【0197】
実施例15−(2)と同様の方法により、4−フルオロアニリンの代わりにジメチルアミンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.45 (m, 1 H), 1.64 - 1.72 (m, 1 H), 1.73 - 1.82 (m, 1 H), 1.87 - 1.95 (m, 1 H), 1.95 - 2.06 (m, 2 H), 2.11 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.16 - 2.23 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 3.03 - 3.33 (m, 7 H), 4.02 - 4.09 (m, 2 H), 6.94 - 7.01 (m, 2 H), 7.54 - 7.59 (m, 2 H), 7.86 (s, 1 H), 8.17 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 357(M+H)+
(実施例20)
【0198】
1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミドの製造
【0199】
【化54】
【0200】
実施例15−(2)と同様の方法により、4−フルオロアニリンの代わりにジエタノールアミンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.47 (m, 1 H), 1.65 - 1.83 (m, 4 H), 1.87 - 2.06 (m, 3 H), 2.12 (q, J=9.0 Hz, 1 H), 2.16 - 2.23 (m, 1 H), 2.26 - 2.36 (m, 1 H), 2.94 - 3.02 (m, 1 H), 3.13 - 3.21 (m, 1 H), 3.70 (br. s., 4 H), 3.83 - 4.08 (m, 6 H), 6.90 - 6.99 (m, 2 H), 7.50 - 7.56 (m, 2 H), 7.99 (s, 1 H), 8.32 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 417(M+H)+
(実施例21)
【0201】
アゼチジン−1−イル−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)メタノンの製造
【0202】
【化55】
【0203】
実施例15−(2)と同様の方法により、4−フルオロアニリンの代わりにシクロブチルアミンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.45 (m, 1 H), 1.65 - 1.72 (m, 1 H), 1.73 - 1.81 (m, 1 H), 1.88 - 1.95 (m, 1 H), 1.95 - 2.05 (m, 2 H), 2.10 (q, J=8.9 Hz, 1 H), 2.17 - 2.22 (m, 1 H), 2.25 - 2.32 (m, 1 H), 2.36 - 2.43 (m, 2 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 3.17 (td, J=8.6, 2.5 Hz, 1 H), 4.02 - 4.09 (m, 2 H), 4.17 - 4.24 (m, 2 H), 4.41 - 4.48 (m, 2 H), 6.95 - 6.99 (m, 2 H), 7.54 - 7.58 (m, 2 H), 7.85 (s, 1 H), 8.22 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 369(M+H)+
(実施例22)
【0204】
4−[(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)カルボニル]−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾールの製造
【0205】
【化56】
【0206】
実施例2−(2)と同様の方法により、アンモニア水の代わりに3,3−ジフルオロピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.38 - 1.48 (m, 1 H), 1.65 - 1.84 (m, 2 H), 1.88 - 1.96 (m, 1 H), 1.97 - 2.07 (m, 2 H), 2.09 - 2.16 (m, 1 H), 2.17 - 2.25 (m, 1 H), 2.27 - 2.35 (m, 1 H), 2.39 - 2.56 (m, 2 H), 2.95 - 3.03 (m, 1 H), 3.14 - 3.23 (m, 1 H), 3.87 - 4.14 (m, 6 H), 6.99 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.58 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.92 (br. s., 1 H), 8.26 (br. s., 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 419(M+H)+
(実施例23)
【0207】
(4−フルオロフェニル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノンの製造
(1)1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 メトキシメチルアミドの製造
【0208】
【化57】
【0209】
実施例2−(2)と同様の方法により、アンモニア水の代わりにN,O−ジメチルヒドロキシルアミンを用いて表題化合物を得た。
【0210】
(2)(4−フルオロフェニル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノンの製造
【0211】
【化58】
【0212】
実施例23−(1)で得られた1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 メトキシメチルアミド(0.25g)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に、4−フルオロフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液(1.0M 4.0mL)を氷浴下滴下して加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮し、得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=5:1〜4:1)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=95:5)にて精製して淡青色固体の表題化合物(0.11g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.39 - 1.47 (m, 1 H), 1.64 - 1.84 (m, 2 H), 1.90 - 1.96 (m, 1 H), 1.99 - 2.06 (m, 2 H), 2.12 - 2.21 (m, 1 H), 2.24 (s, 1 H), 2.34 (s, 1 H), 2.97 - 3.03 (m, 1 H), 3.17 - 3.23 (m, 1 H), 4.04 - 4.10 (m, 2 H), 7.00 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.17 - 7.22 (m, 2 H), 7.61 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.93 (dd, J=8.7, 5.5 Hz, 2 H), 8.08 (s, 1 H), 8.34 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 408(M+H)+
(実施例24)
【0213】
[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](フェニル)メタノンの製造
【0214】
【化59】
【0215】
実施例23−(2)と同様の方法により、4−フルオロフェニルマグネシウムブロミドの代わりにフェニルマグネシウムブロミドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.38 - 1.45 (m, 1 H), 1.64 - 1.73 (m, 1 H), 1.74 - 1.81 (m, 1 H), 1.87 - 2.07 (m, 3 H), 2.11 (q, J=9.0 Hz, 1 H), 2.18 - 2.23 (m, 1 H), 2.27 - 2.32 (m, 1 H), 2.96 - 3.01 (m, 1 H), 3.15 - 3.19 (m, 1 H), 4.04 - 4.10 (m, 2 H), 7.00 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.49 - 7.53 (m, 2 H), 7.57 - 7.63 (m, 3 H), 7.89 (d, J=6.9 Hz, 2 H), 8.11 (s, 1 H), 8.35 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 390(M+H)+
(実施例25)
【0216】
(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノンの製造
(1)(1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン−2−イルメタノンの製造
【0217】
【化60】
【0218】
4−ヨードピラゾール(1.0g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.6M 4.8mL)を−10℃にて滴下して加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を−10℃に冷却し、ピコリン酸エチル(0.86g)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1〜1:2)にて精製して無色固体の表題化合物(0.090g)を得た。
【0219】
(2)(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(ピリジン−2−イル)メタノンの製造
【0220】
【化61】
【0221】
実施例1−(3)と同様の方法により、(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例11−(2)で得られた1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンを、1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルの代わりに実施例25−(1)で得られた(1H−ピラゾール−4−イル)−ピリジン−2−イルメタノンをそれぞれ用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.38 - 1.45 (m, 1 H), 1.63 - 1.72 (m, 1 H), 1.74 - 1.82 (m, 1 H), 1.89 - 1.96 (m, 1 H), 1.97 - 2.05 (m, 2 H), 2.09 - 2.14 (m, 1 H), 2.17 - 2.24 (m, 1 H), 2.27 - 2.33 (m, 1 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 3.16 - 3.20 (m, 1 H), 4.04 - 4.10 (m, 2 H), 7.00 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.48 - 7.51 (m, 1 H), 7.65 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.87 - 7.91 (m, 1 H), 8.18 - 8.20 (m, 1 H), 8.54 (s, 1 H), 8.74 - 8.76 (m, 1 H), 9.04 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 391(M+H)+
(実施例26)
【0222】
[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](ピリジン−4−イル)メタノンの製造
【0223】
【化62】
【0224】
実施例25−(1)及び実施例25−(2)と同様の方法により、ピコリン酸エチルの代わりにイソニコチン酸エチルを、1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例1−(2)で得られた(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンをそれぞれ用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.38 - 1.44 (m, 1 H), 1.65 - 1.72 (m, 1 H), 1.73 - 1.81 (m, 1 H), 1.88 - 1.95 (m, 1 H), 1.96 - 2.05 (m, 2 H), 2.11 (q, J=9.0 Hz, 1 H), 2.17 - 2.23 (m, 1 H), 2.26 - 2.32 (m, 1 H), 2.95 - 3.01 (m, 1 H), 3.17 (td, J=8.5, 2.8 Hz, 1 H), 4.04 - 4.10 (m, 2 H), 7.00 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.60 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.67 (d, J=6.0 Hz, 2 H), 8.10 (s, 1 H), 8.35 (s, 1 H), 8.83 (d, J=6.0 Hz, 2 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 391(M+H)+
(実施例27)
【0225】
1−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]エタノンの製造
【0226】
【化63】
【0227】

実施例23−(2)と同様の方法により、4−フルオロフェニルマグネシウムブロミドの代わりにメチルマグネシウムヨージドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.38 - 1.45 (m, 1 H), 1.64 - 1.72 (m, 1 H), 1.74 - 1.81 (m, 1 H), 1.88 - 1.94 (m, 1 H), 1.96 - 2.04 (m, 2 H), 2.08 - 2.14 (m, 1 H), 2.17 - 2.23 (m, 1 H), 2.26 - 2.32 (m, 1 H), 2.48 (s, 3 H), 2.95 - 3.00 (m, 1 H), 3.15 - 3.19 (m, 1 H), 4.03 - 4.09 (m, 2 H), 6.99 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.58 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 8.05 (s, 1 H), 8.28 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 328(M+H)+
(実施例28)
【0228】
1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4−ニトロ−1H−ピラゾールの製造
【0229】
【化64】
【0230】
実施例1−(3)と同様の方法により、1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルの代わりに4−ニトロ−1H−ピラゾールを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.36 - 1.47 (m, 1 H), 1.65 - 1.83 (m, 2 H), 1.87 - 1.95 (m, 1 H), 1.96 - 2.06 (m, 2 H), 2.11 (q, J=9.0 Hz, 1 H), 2.16 - 2.24 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.91 - 3.03 (m, 1 H), 3.12 - 3.23 (m, 1 H), 4.02 - 4.13 (m, 2 H), 6.96 - 7.07 (m, 2 H), 7.53 - 7.63 (m, 2 H), 8.23 (s, 1 H), 8.51 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 331(M+H)+
(実施例29)
【0231】
4−クロロ−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ブチルアミドの製造
(1)1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミンの製造
【0232】
【化65】
【0233】
実施例28で得られた1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−4−ニトロ−1H−ピラゾール(0.67g)のメタノール(10mL)溶液に10%パラジウムカーボン(0.067g)を加え、水素雰囲気下室温にて4時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、濾液を減圧下濃縮し、得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=3:1〜1:1)にて精製して黄色固体の表題化合物(0.258g)を得た。
【0234】
(2)4−クロロ−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ブチルアミドの製造
【0235】
【化66】
【0236】
実施例29−(1)で得られた1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミン(0.256g)及びピリジン(0.135g)のクロロホルム(2.6mL)溶液に4−クロロブチリルクロリド(0.132g)を加え、室温にて30分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して淡黄色固体の表題化合物(0.224g)を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.36 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.54 - 1.67 (m, 1 H), 1.82 - 2.21 (m, 6 H), 2.30 - 2.52 (m, 3 H), 2.97 - 3.13 (m, 2 H), 3.33 - 3.45 (m, 2 H), 3.52 - 3.72 (m, 3 H), 4.00 - 4.16 (m, 2 H), 7.02 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.54 - 7.74 (m, 3 H), 8.42 (s, 1 H), 10.19 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 405(M+H)+
(実施例30)
【0237】
1−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピロリジン−2−オンの製造
【0238】
【化67】
【0239】
実施例29−(2)で得られた4−クロロ−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ブチルアミド(0.224g)のテトラヒドロフラン(2.0mL)懸濁液に水素化ナトリウム(鉱油混合物、55% 0.111g)を加え、室温にて30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=100:1)にて精製し、得られた結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄して淡黄色固体の表題化合物(0.127g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.36 - 1.46 (m, 1 H), 1.64 - 1.84 (m, 2 H), 1.87 - 2.07 (m, 3 H), 2.07 - 2.16 (m, 1 H), 2.16 - 2.33 (m, 4 H), 2.57 (t, J=8.0 Hz, 2 H), 2.94 - 3.02 (m, 1 H), 3.13 - 3.22 (m, 1 H), 3.80 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 4.00 - 4.09 (m, 2 H), 6.92 - 6.99 (m, 2 H), 7.54 - 7.61 (m, 2 H), 7.65 (s, 1 H), 8.43 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 369(M+H)+
(実施例31)
【0240】
1−[1−(4−{3−[(2S)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピロリジン−2−オンの製造
【0241】
【化68】
【0242】
実施例28、実施例29−(1)、29−(2)及び実施例30と同様の方法により、(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例4−(1)で得られた(2S)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.36 - 1.46 (m, 1 H), 1.64 - 1.84 (m, 2 H), 1.87 - 2.07 (m, 3 H), 2.07 - 2.16 (m, 1 H), 2.16 - 2.33 (m, 4 H), 2.57 (t, J=8.0 Hz, 2 H), 2.94 - 3.02 (m, 1 H), 3.13 - 3.22 (m, 1 H), 3.80 (t, J=7.3 Hz, 2 H), 4.00 - 4.09 (m, 2 H), 6.92 - 6.99 (m, 2 H), 7.54 - 7.61 (m, 2 H), 7.65 (s, 1 H), 8.43 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 369(M+H)+
(実施例32)
【0243】
1−{1−[4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)フェニル]−1H−ピラゾール−4−イル}ピロリジン−2−オンの製造
【0244】
【化69】
【0245】
実施例1−(2)、実施例28、実施例29−(1)、29−(2)及び実施例30と同様の方法により、2−メチルピロリジンの代わりにピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.72 - 1.82 (m, 4 H), 2.02 (q, J=6.9 Hz, 2 H), 2.19 - 2.28 (m, 2 H), 2.47 - 2.66 (m, 8 H), 3.76 - 3.84 (m, 2 H), 4.06 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 6.96 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.58 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.65 (s, 1 H), 8.44 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 355(M+H)+
(実施例33)
【0246】
(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)カルバミン酸 2−クロロエチルの製造
【0247】
【化70】
【0248】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりにクロロギ酸2−クロロエチルを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.91 - 2.38 (m, 7 H), 2.49 - 3.51 (m, 4 H), 3.67 - 3.97 (m, 4 H), 4.02 - 4.16 (m, 2 H), 4.36 - 4.51 (m, 3 H), 6.70 (s, 1 H), 6.87 - 6.97 (m, 2 H), 7.51 - 7.61 (m, 3 H), 8.09 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 407(M+H)+
(実施例34)
【0249】
3−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)−1,3−オキサゾリジン−2−オンの製造
【0250】
【化71】
【0251】
実施例30と同様の方法により、4−クロロ−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ブチルアミドの代わりに実施例33で得られた(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)カルバミン酸 2−クロロエチルを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.45 (m, 1 H), 1.64 - 1.82 (m, 2 H), 1.87 - 2.05 (m, 3 H), 2.11 (q, J=8.9 Hz, 1 H), 2.16 - 2.23 (m, 1 H), 2.25 - 2.32 (m, 1 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 3.14 - 3.20 (m, 1 H), 3.97 - 4.08 (m, 4 H), 4.52 - 4.57 (m, 2 H), 6.93 - 6.98 (m, 2 H), 7.54 - 7.57 (m, 2 H), 7.59 (s, 1 H), 8.18 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 371(M+H)+
(実施例35)
【0252】
5−クロロペンタノイル酸 (1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)アミドの製造
【0253】
【化72】
【0254】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりに5−クロロバレリルクロリドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.28 - 1.42 (m, 3 H), 1.54 - 1.79 (m, 5 H), 1.83 - 2.32 (m, 7 H), 3.06 (br. s., 2 H), 3.24 - 3.48 (m, 2 H), 3.54 - 3.68 (m, 3 H), 4.04 (br. s., 2 H), 7.01 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.60 - 7.74 (m, 3 H), 8.39 (s, 1 H), 10.09 (s, 1 H)
MS (ESI) (Positive) m/z; 419(M+H)+
(実施例36)
【0255】
1−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)ピペリジン−2−オンの製造
【0256】
【化73】
【0257】
実施例30と同様の方法により、4−クロロ−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ブチルアミドの代わりに実施例35で得られた5−クロロペンタノイル酸 (1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)アミドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.36 - 1.45 (m, 1 H), 1.63 - 1.82 (m, 2 H), 1.85 - 2.05 (m, 7 H), 2.10 (q, J=8.9 Hz, 1 H), 2.16 - 2.22 (m, 1 H), 2.24 - 2.32 (m, 1 H), 2.58 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 3.14 - 3.20 (m, 1 H), 3.72 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 4.00 - 4.08 (m, 2 H), 6.95 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.54 - 7.59 (m, 2 H), 7.70 (s, 1 H), 8.49 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 383(M+H)+
(実施例37)
【0258】
N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]アセトアミドの製造
【0259】
【化74】
【0260】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりにアセチルクロリドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.38 - 1.47 (m, 1 H), 1.64 - 1.73 (m, 1 H), 1.74 - 1.83 (m, 1 H), 1.88 - 2.06 (m, 3 H), 2.12 (q, J=8.9 Hz, 1 H), 2.15 - 2.24 (m, 4 H), 2.26 - 2.33 (m, 1 H), 2.95 - 3.02 (m, 1 H), 3.18 (td, J=8.6, 2.5 Hz, 1 H), 4.01 - 4.09 (m, 2 H), 6.96 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.18 (s, 1 H), 7.55 (d, J=2.3 Hz, 2 H), 7.57 (s, 1 H), 8.37 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 343(M+H)+
(実施例38)
【0261】
N−メチル−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]アセトアミドの製造
【0262】
【化75】
【0263】
実施例37で得られたN−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]アセトアミド(0.34g)のテトラヒドロフラン(3.5mL)溶液に水素化ナトリウム(鉱油混合物、55% 0.048g)を加え、氷冷下ヨードメタン(0.225g)を滴下して加え、室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:1〜酢酸エチル)にて精製し、得られた結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄して白色固体の表題化合物(0.187g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.47 (m, 1 H), 1.60 - 1.83 (m, 2 H), 1.86 - 2.07 (m, 5 H), 2.07 - 2.15 (m, 1 H), 2.16 - 2.24 (m, 1 H), 2.25 - 2.34 (m, 2 H), 2.93 - 3.03 (m, 1 H), 3.14 - 3.21 (m, 1 H), 3.24 (s, 2 H), 3.40 (s, 1 H), 4.00 - 4.10 (m, 2 H), 6.92 - 7.01 (m, 2 H), 7.50 - 7.60 (m, 8/3 H), 7.66 (s, 1/3 H), 7.77 (s, 2/3 H), 8.42 (s, 1/3 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 357(M+H)+
(実施例39)
【0264】
N−エチル−N−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)アセトアミドの製造
【0265】
【化76】
【0266】
実施例38と同様の方法により、ヨードメタンの代わりにヨードエタンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.15 (t, J=7.1 Hz, 3 H・5/6), 1.24 - 1.32 (m, 1 H), 1.34 (t, J=7.3 Hz, 3 H・1/6), 1.38 - 1.46 (m, 1 H), 1.66 - 1.74 (m, 1 H), 1.74 - 1.83 (m, 1 H), 1.89 - 2.34 (m, 8 H), 2.30 (s, 1 H), 2.96 - 3.03 (m, 1 H), 3.19 (td, J=8.6, 2.5 Hz, 1 H), 3.69 (q, J=6.9 Hz, 2 H・5/6), 3.78 (q, J=7.0 Hz, 2 H・1/6), 4.03 - 4.11 (m, 2 H), 6.95 - 7.01 (m, 2 H), 7.54 - 7.65 (m, 3 H), 7.77 (s, 1 H・5/6), 8.41 (s, 1 H・1/6)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 371(M+H)+
(実施例40)
【0267】
4−シアノ−N−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)ベンズアミドの製造
【0268】
【化77】
【0269】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりに4−シアノベンゾイルクロリドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.38 - 1.47 (m, 1 H), 1.66 - 1.74 (m, 1 H), 1.74 - 1.83 (m, 1 H), 1.89 - 2.06 (m, 3 H), 2.12 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.19 - 2.24 (m, 1 H), 2.27 - 2.33 (m, 1 H), 2.96 - 3.02 (m, 1 H), 3.18 (td, J=8.7, 2.8 Hz, 1 H), 4.03 - 4.11 (m, 2 H), 6.99 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.60 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.72 (s, 1 H), 7.81 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.92 (s, 1 H), 7.99 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 8.55 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 430(M+H)+
(実施例41)
【0270】
4−メトキシ−N−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)ベンズアミドの製造
【0271】
【化78】
【0272】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりに4−メトキシベンゾイルクロリドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.39 - 1.46 (m, 1 H), 1.65 - 1.82 (m, 2 H), 1.89 - 2.06 (m, 3 H), 2.12 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.18 - 2.24 (m, 1 H), 2.27 - 2.33 (m, 1 H), 2.96 - 3.02 (m, 1 H), 3.19 (td, J=8.6, 2.5 Hz, 1 H), 3.88 (s, 3 H), 4.03 - 4.10 (m, 2 H), 6.96 - 7.01 (m, 4 H), 7.60 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.69 (s, 1 H), 7.74 (s, 1 H), 7.85 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 8.55 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 435(M+H)+
(実施例42)
【0273】
4−ヒドロキシ−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ベンズアミドの製造
【0274】
【化79】
【0275】
実施例29−(1)で得られた1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イルアミン(0.191g)、4−ヒドロキシ安息香酸(0.097g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(0.107g)及び3−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.18g)のクロロホルム(6.4mL)懸濁液を室温にて4日撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム〜クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製し、無色アモルファスの表題化合物(0.137g)を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.00 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.24 - 1.32 (m, 1 H), 1.58 - 1.70 (m, 2 H), 1.80 - 1.95 (m, 3 H), 2.04 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.09 - 2.15 (m, 1 H), 2.20 - 2.29 (m, 1 H), 2.87 - 2.96 (m, 1 H), 3.08 (td, J=8.4, 3.0 Hz, 1 H), 4.05 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 6.87 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.03 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.68 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.83 (s, 1 H), 7.86 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 8.53 (s, 1 H), 10.14 (br. s., 1 H), 10.32 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 421(M+H)+
(実施例43)
【0276】
N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリジン−3−カルボキサミドの製造
【0277】
【化80】
【0278】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりにニコチノイルクロリド塩酸塩を用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.47 (m, 1 H), 1.65 - 1.83 (m, 2 H), 1.87 - 2.06 (m, 3 H), 2.11 (q, J=9.0 Hz, 1 H), 2.17 - 2.24 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.94 - 3.02 (m, 1 H), 3.14 - 3.21 (m, 1 H), 4.02 - 4.10 (m, 2 H), 6.95 - 7.00 (m, 2 H), 7.43 - 7.48 (m, 1 H), 7.56 - 7.62 (m, 2 H), 7.73 (s, 1 H), 7.96 (s, 1 H), 8.19 - 8.23 (m, 1 H), 8.54 (s, 1 H), 8.76 - 8.80 (m, 1 H), 9.08 - 9.12 (m, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 406(M+H)+
(実施例44)
【0279】
N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリジン−4−カルボキサミドの製造
【0280】
【化81】
【0281】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりにイソニコチノイルクロリド塩酸塩を用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.38 - 1.46 (m, 1 H), 1.65 - 1.82 (m, 2 H), 1.87 - 2.06 (m, 3 H), 2.11 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.17 - 2.23 (m, 1 H), 2.26 - 2.33 (m, 1 H), 2.95 - 3.01 (m, 1 H), 3.15 - 3.20 (m, 1 H), 4.02 - 4.09 (m, 2 H), 6.95 - 6.99 (m, 2 H), 7.56 - 7.60 (m, 2 H), 7.71 (d, J=4.6 Hz, 3 H), 8.02 (s, 1 H), 8.54 (s, 1 H), 8.77 - 8.84 (m, 2 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 406(M+H)+
(実施例45)
【0282】
2−(4−ヒドロキシフェニル)−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]アセトアミドの製造
【0283】
【化82】
【0284】
実施例42と同様の方法により、4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに4−ヒドロキシフェニル酢酸を用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.11 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.44 (dddd, J=17.0, 4.0, 2.5, 2.2 Hz, 1 H), 1.66 - 1.75 (m, 1 H), 1.75 - 1.84 (m, 1 H), 1.88 - 2.03 (m, 3 H), 2.11 - 2.25 (m, 2 H), 2.29 - 2.38 (m, 1 H), 2.97 - 3.05 (m, 1 H), 3.15 - 3.21 (m, 1 H), 3.63 (s, 2 H), 4.02 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 6.77 - 6.82 (m, 2 H), 6.86 - 6.92 (m, 2 H), 7.12 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.34 (s, 1 H), 7.43 - 7.51 (m, 3 H), 8.32 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 435(M+H)+
(実施例46)
【0285】
N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−(ピリジン−3−イル)アセトアミドの製造
【0286】
【化83】
【0287】
実施例42と同様の方法により、4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに3−ピリジル酢酸を用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.36 - 1.46 (m, 1 H), 1.63 - 1.82 (m, 2 H), 1.86 - 2.05 (m, 3 H), 2.10 (q, J=9.2 Hz, 1 H), 2.15 - 2.22 (m, 1 H), 2.24 - 2.33 (m, 1 H), 2.92 - 3.02 (m, 1 H), 3.13 - 3.20 (m, 1 H), 3.72 (s, 2 H), 3.99 - 4.08 (m, 2 H), 6.91 - 6.98 (m, 2 H), 7.30 - 7.41 (m, 2 H), 7.49 - 7.57 (m, 3 H), 7.72 (d, J=7.8 Hz, 1 H), 8.36 (s, 1 H), 8.53 - 8.61 (m, 2 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 420(M+H)+
(実施例47)
【0288】
N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−(ピリジン−4−イル)アセトアミドの製造
【0289】
【化84】
【0290】
実施例42と同様の方法により、4−ヒドロキシ安息香酸の代わりに4−ピリジル酢酸を用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.45 (m, 1 H), 1.65 - 1.72 (m, 1 H), 1.72 - 1.81 (m, 1 H), 1.86 - 2.04 (m, 3 H), 2.10 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.15 - 2.22 (m, 1 H), 2.24 - 2.32 (m, 1 H), 2.93 - 3.00 (m, 1 H), 3.13 - 3.19 (m, 1 H), 3.71 (s, 2 H), 3.99 - 4.07 (m, 2 H), 6.91 - 6.96 (m, 2 H), 7.28 (d, J=6.0 Hz, 2 H), 7.39 (s, 1 H), 7.50 - 7.55 (m, 3 H), 8.36 (s, 1 H), 8.59 - 8.62 (m, 2 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 420(M+H)+
(実施例48)
【0291】
N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタンスルホンアミドの製造
【0292】
【化85】
【0293】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりにメタンスルホニルクロリドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.38 - 1.47 (m, 1 H), 1.64 - 1.83 (m, 2 H), 1.87 - 2.06 (m, 3 H), 2.07 - 2.34 (m, 3 H), 2.95 - 3.02 (m, 4 H), 3.14 - 3.21 (m, 1 H), 4.02 - 4.08 (m, 2 H), 6.94 - 6.98 (m, 2 H), 7.51 - 7.55 (m, 2 H), 7.59 - 7.61 (m, 1 H), 7.92 - 7.94 (m, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 379(M+H)+
(実施例49)
【0294】
N−メチル−N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタンスルホンアミドの製造
【0295】
【化86】
【0296】
実施例38と同様の方法により、N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]アセトアミドの代わりに実施例48で得られたN−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタンスルホンアミドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.08 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.45 (m, 1 H), 1.64 - 1.82 (m, 2 H), 1.87 - 2.03 (m, 3 H), 2.11 (q, J=9.0 Hz, 1 H), 2.17 - 2.23 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.83 (s, 3 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 3.14 - 3.20 (m, 1 H), 3.30 (s, 3 H), 4.01 - 4.09 (m, 2 H), 6.94 - 6.99 (m, 2 H), 7.51 - 7.56 (m, 2 H), 7.65 (s, 1 H), 7.91 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 393(M+H)+
(実施例50)
【0297】
4−シアノ−N−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)ベンゼンスルホンアミドの製造
【0298】
【化87】
【0299】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりに4−シアノベンゼンスルホニルクロリドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.17 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.49 - 1.57 (m, 1 H), 1.73 - 1.81 (m, 1 H), 1.84 - 1.93 (m, 1 H), 1.96 - 2.12 (m, 3 H), 2.31 - 2.41 (m, 2 H), 2.50 - 2.58 (m, 1 H), 3.02 - 3.09 (m, 1 H), 3.31 (td, J=8.9, 3.2 Hz, 1 H), 4.00 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 5.55 (br. s., 1 H), 6.88 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.31 (s, 1 H), 7.43 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.72 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.76 (s, 1 H), 7.88 (d, J=8.7 Hz, 2 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 466(M+H)+
(実施例51)
【0300】
N−[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]ピリジン−3−スルホンアミドの製造
【0301】
【化88】
実施例29−(2)と同様の方法により、4−クロロブチリルクロリドの代わりにピリジン−3−スルホニルクロリドを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.40 - 1.48 (m, 1 H), 1.67 - 1.74 (m, 1 H), 1.76 - 1.85 (m, 1 H), 1.89 - 2.06 (m, 3 H), 2.16 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.20 - 2.27 (m, 1 H), 2.31 - 2.38 (m, 1 H), 2.99 (dd, J=8.3, 4.1 Hz, 1 H), 3.17 - 3.23 (m, 1 H), 3.99 - 4.06 (m, 2 H), 6.90 - 6.95 (m, 2 H), 7.32 (s, 1 H), 7.41 (dd, J=8.0, 4.8 Hz, 1 H), 7.44 - 7.48 (m, 2 H), 7.80 (s, 1 H), 8.00 - 8.04 (m, 1 H), 8.76 - 8.79 (m, 1 H), 9.01 (d, J=1.8 Hz, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 442(M+H)+
(実施例52)
【0302】
1−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)ピロリジン−2,5−ジオンの製造
【0303】
【化89】
【0304】
実施例29−(1)と同様の方法によって得られた1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イルアミン(0.186g)及びコハク酸無水物(0.074g)のトルエン(12mL)溶液を加熱還流下4時間撹拌した。反応混合物を氷浴にて冷却し、析出した結晶を濾取し、トルエンで洗浄して無色粉末のN−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)スクシナミック酸(0.191g)を得た。得られたN−(1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)スクシナミック酸(0.108g)の無水酢酸(5.4mL)懸濁液を加熱還流下30分間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮して得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製し、得られた固体をジイソプロピルエーテルで洗浄して無色粉末の表題化合物(0.044g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.4 Hz, 3 H), 1.38 - 1.47 (m, 1 H), 1.65 - 1.73 (m, 1 H), 1.74 - 1.83 (m, 1 H), 1.88 - 2.06 (m, 3 H), 2.12 (q, J=8.7 Hz, 1 H), 2.17 - 2.24 (m, 1 H), 2.26 - 2.34 (m, 1 H), 2.89 (s, 4 H), 2.95 - 3.03 (m, 1 H), 3.18 (td, J=8.7, 2.8 Hz, 1 H), 4.03 - 4.10 (m, 2 H), 6.98 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.60 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 8.32 (s, 1 H), 8.53 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 383(M+H)+
(実施例53)
【0305】
(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノンの製造
【0306】
【化90】
【0307】
実施例2−(2)と同様の方法により、アンモニア水の代わりにcis−2,6−ジメチルモルホリンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.22 (br. s., 6 H), 1.38 - 1.46 (m, 1 H), 1.63 - 1.84 (m, 3 H), 1.87 - 2.06 (m, 3 H), 2.12 (q, J=8.9 Hz, 1 H), 2.17 - 2.25 (m, 1 H), 2.25 - 2.34 (m, 1 H), 2.55 (br. s., 1 H), 2.81 - 3.05 (m, 2 H), 3.18 (td, J=8.7, 2.8 Hz, 1 H), 3.62 (br. s., 2 H), 4.00 - 4.11 (m, 2 H), 4.53 (br. s., 1 H), 6.99 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.57 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.77 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 427(M+H)+
(実施例54)
【0308】
[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](1,4−オキサゼパン−4−イル)メタノンの製造
【0309】
【化91】
【0310】
実施例2−(2)と同様の方法により、アンモニア水の代わりにホモモルホリンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.47 (m, 1 H), 1.65 - 1.73 (m, 1 H), 1.73 - 1.83 (m, 1 H), 1.87 - 1.95 (m, 1 H), 1.96 - 2.06 (m, 4 H), 2.07 - 2.15 (m, 1 H), 2.16 - 2.24 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.95 - 3.02 (m, 1 H), 3.14 - 3.21 (m, 1 H), 3.76 - 3.89 (m, 8 H), 4.02 - 4.09 (m, 2 H), 6.98 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.56 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.75 - 7.86 (m, 1 H), 8.13 - 8.21 (m, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 413(M+H)+
(実施例55)
【0311】
(4−メチルピペラジン−1−イル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノンの製造
【0312】
【化92】
【0313】
実施例2−(2)と同様の方法により、アンモニア水の代わりに4−メチルピペラジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.48 (m, 1 H), 1.62 - 2.07 (m, 5 H), 2.08 - 2.16 (m, 1 H), 2.17 - 2.25 (m, 1 H), 2.26 - 2.37 (m, 4 H), 2.46 (br. s., 4 H), 2.95 - 3.03 (m, 1 H), 3.15 - 3.22 (m, 1 H), 3.78 (br. s., 4 H), 4.02 - 4.11 (m, 2 H), 6.98 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.57 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.79 (s, 1 H), 8.13 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 412(M+H)+
(実施例56)
【0314】
[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](ピロリジン−1−イル)メタノンの製造
【0315】
【化93】
【0316】
実施例2−(2)と同様の方法により、アンモニア水の代わりにピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.38 - 1.47 (m, 1 H), 1.64 - 2.07 (m, 9 H), 2.09 - 2.15 (m, 1 H), 2.17 - 2.24 (m, 1 H), 2.26 - 2.34 (m, 1 H), 2.95 - 3.03 (m, 1 H), 3.15 - 3.22 (m, 1 H), 3.66 (t, J=6.9 Hz, 2 H), 3.75 (t, J=6.6 Hz, 2 H), 4.02 - 4.11 (m, 2 H), 6.96 - 7.01 (m, 2 H), 7.56 - 7.61 (m, 2 H), 7.96 (s, 1 H), 8.28 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 383(M+H)+
(実施例57)
【0317】
(1−{4−[3−(3−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0318】
【化94】
【0319】
実施例1−(2)及び実施例6−(2)と同様の方法により、(R)−2−メチルピロリジンの代わりに3−メチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.04 (d, J=6.9 Hz, 3 H), 1.31 - 1.40 (m, 1 H), 1.97 - 2.07 (m, 4 H), 2.22 - 2.31 (m, 1 H), 2.44 - 2.50 (m, 1 H), 2.55 - 2.61 (m, 1 H), 2.62 - 2.68 (m, 1 H), 2.69 - 2.76 (m, 1 H), 2.83 - 2.89 (m, 1 H), 3.71 - 3.81 (m, 8 H), 4.06 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 6.95 - 7.01 (m, 2 H), 7.53 - 7.59 (m, 2 H), 7.78 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 399(M+H)+
(実施例58)
【0320】
(1−{4−[3−(2−エチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0321】
【化95】
【0322】
実施例1−(2)及び実施例6−(2)と同様の方法により、(R)−2−メチルピロリジンの代わりに2−エチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 0.87 (t, J=7.3 Hz, 3 H), 1.16 - 1.29 (m, 1 H), 1.39 - 1.49 (m, 1 H), 1.67 - 1.82 (m, 3 H), 1.87 - 1.95 (m, 1 H), 1.95 - 2.06 (m, 2 H), 2.08 - 2.14 (m, 1H), 2.13 - 2.19 (m, 1 H), 2.19 - 2.27 (m, 1 H), 2.90 - 3.07 (m, 1 H), 3.11 - 3.26 (m, 1 H), 3.68 - 3.85 (m, 8 H), 3.93 - 4.13 (m, 2 H), 6.93 - 7.05 (m, 2 H), 7.49 - 7.61 (m, 2 H), 7.78 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 413(M+H)+

(実施例59)
【0323】
(1−{4−[3−(2,2−ジフルオロピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−イル)(モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0324】
【化96】
【0325】
実施例1−(2)及び実施例6−(2)と同様の方法により、(R)−2−メチルピロリジンの代わりに2,2−ジフルオロピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.94 - 2.03 (m, 2 H), 2.23 - 2.34 (m, 2 H), 2.66 (t, J=7.1 Hz, 2 H), 2.76 (t, J=7.1 Hz, 2 H), 2.93 (t, J=13.3 Hz, 2 H), 3.68 - 3.83 (m, 8 H), 4.07 (t, J=6.2 Hz, 2 H), 6.94 - 7.02 (m, 2 H), 7.54 - 7.60 (m, 2 H), 7.79 (s, 1 H), 8.15 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 421(M+H)+
(実施例60)
【0326】
[1−(4−{2−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0327】
(1)1−(2−クロロエトキシ)−4−ヨードベンゼンの製造
【0328】
【化97】
4−ヨードフェノール(1.0g)のアセトニトリル(10mL)溶液に炭酸セシウム(3.0g)、1−ブロモ−2−クロロエタン(0.8g)を加え、100℃まで昇温して4時間撹拌した。1−ブロモ−2−クロロエタン(1.0g)を追加して加え、100℃にて4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、不溶物を濾過して濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=11:1)にて精製して黄色油状の表題化合物(0.87g、68%)を得た。
【0329】
(2)(2R)−1−[2−(4−ヨードフェノキシ)エチル]−2−メチルピロリジンの製造
【0330】
【化98】
(2R)−2−メチルピロリジン(0.60g)及び炭酸セシウム(1.2g)のアセトニトリル(3mL)懸濁液に実施例60−(1)で得られた1−(2−クロロエトキシ)−4−ヨードベンゼン(0.87g)を加え、100℃まで昇温して9時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、不溶物を濾過して濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜1:1)にて精製して無色油状の表題化合物(0.80g、78%)を得た。
【0331】
(3)[1−(4−{2−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0332】
【化99】
実施例6と同様の方法により、(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例60−(2)で得られた(2R)−1−[2−(4−ヨードフェノキシ)エチル]−2−メチルピロリジンを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.15 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.41 - 1.51 (m, 1 H), 1.69 - 1.77 (m, 1 H), 1.78 - 1.88 (m, 1 H), 1.90 - 1.98 (m, 1 H), 2.25 - 2.33 (m, 1 H), 2.39 - 2.46 (m, 1 H), 2.52 - 2.60 (m, 1 H), 3.18 - 3.30 (m, 2 H), 3.70 - 3.81 (m, 8 H), 4.09 - 4.19 (m, 2 H), 6.97 - 7.03 (m, 2 H), 7.54 - 7.60 (m, 2 H), 7.79 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 385(M+H)+
(実施例61)
【0333】
[1−(4−{4−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]ブトキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノンの製造
(1)1−(4−クロロブトキシ)−4−ヨードベンゼンの製造
【0334】
【化100】
4−ヨードフェノール(1.0g)のアセトニトリル(10mL)溶液に炭酸セシウム(3.0g)、1−クロロ−4−ヨードブタン(1.2g)を加え、100℃まで昇温して4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、不溶物を濾過して濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=7:3〜1:1)にて精製して褐色油状の表題化合物(1.4g、99%)を得た。
【0335】
(2)(2R)−1−[4−(4−ヨードフェノキシ)ブチル]−2−メチルピロリジンの製造
【0336】
【化101】
(2R)−2−メチルピロリジン(0.8g)及び炭酸セシウム(1.7g)のアセトニトリル(5mL)懸濁液に、実施例61−(1)で得られた1−(4−クロロブトキシ)−4−ヨードベンゼン(1.4g)を加え、100℃まで昇温して9時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、不溶物を濾過して濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1〜1:1)にて精製して無色油状の表題化合物(1.4g、89%)を得た。
【0337】
(3)[1−(4−{4−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]ブトキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0338】
【化102】
実施例6と同様の方法により、(2R)−1−[3−(4−ヨードフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの代わりに実施例61−(2)で得られた(2R)−1−[2−(4−ヨードフェノキシ)エチル]−2−メチルピロリジン(0.8g)を用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.38 - 1.47 (m, 1 H), 1.63 - 1.96 (m, 7 H), 2.03 - 2.12 (m, 2 H), 2.22 - 2.31 (m, 1 H), 2.79 - 2.88 (m, 1 H), 3.14 - 3.21 (m, 1 H), 3.71 - 3.81 (m, 8 H), 4.02 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 6.94 - 7.01 (m, 2 H), 7.53 - 7.59 (m, 2 H), 7.79 (s, 1 H), 8.14 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 413(M+H)+
(実施例62)
【0339】
[1−(3−フルオロ−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0340】
(1)(2R)−1−(3−クロロプロピル)−2−メチルピロリジンの製造
【0341】
【化103】
(R)−2−メチルピロリジン(18.0g)と1−ブロモ−3−クロロプロパン(100.0g)のアセトン(360mL)溶液に、氷浴下水酸化ナトリウム水溶液(5M 50mL)を滴下して加え、80℃まで昇温して4時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1〜1:1)及びシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製して黄色油状の表題化合物(17.8g、52%)を得た。
【0342】
(2)(2R)−1−[3−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジンの製造
【0343】
【化104】
4−ブロモ−2−フルオロフェノール(0.57g)と炭酸セシウム(1.6g)のアセトニトリル(2.5mL)懸濁液に、実施例62−(1)で得られた(2R)−1−(3−クロロプロピル)−2−メチルピロリジン(0.40g)を加え、100℃まで昇温して4時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、不溶物を濾過して濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1〜3:1)にて精製して黄色油状の表題化合物(0.73g、94%)を得た。
【0344】
(3)[1−(3−フルオロ−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0345】
【化105】
実施例62−(2)で得られた(2R)−1−[3−(4−ブロモ−2−フルオロフェノキシ)プロピル]−2−メチルピロリジン(0.72g)とモルホリン−4−イル(1H−ピラゾール−4−イル)メタノン(0.45g)のN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)溶液に、炭酸セシウム(1.6g)とヨウ化銅(0.1g)、(1R,2R)−N,N’−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.36mL)を加え、130℃まで昇温して6時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷し、不溶物を濾過して濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=11:1〜3:1)及びNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=10:0〜100:1)にて精製して無色固体の表題化合物(0.34g,36%)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.47 (m, 1 H), 1.66 - 1.74 (m, 1 H), 1.74 - 1.83 (m, 1 H), 1.87 - 1.96 (m, 1 H), 1.99 - 2.08 (m, 2 H), 2.08 - 2.16 (m, 1 H), 2.18 - 2.27 (m, 1 H), 2.27 - 2.35 (m, 1 H), 2.96 - 3.05 (m, 1 H), 3.13 - 3.21 (m, 1 H), 3.70 - 3.81 (m, 8 H), 4.10 - 4.21 (m, 2 H), 7.02 - 7.09 (m, 1 H), 7.32 - 7.37 (m, 1 H), 7.45 - 7.51 (m, 1 H), 7.76 - 7.81 (m, 1 H), 8.14 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 417(M+H)+
(実施例63)
【0346】
[1−(2−メチル−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0347】
【化106】
実施例62と同様の方法により、4−ブロモ−2−フルオロフェノールの代わりに4−ブロモ−3−メチルフェノールを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.10 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.39 - 1.48 (m, 1 H), 1.67 - 1.74 (m, 1 H), 1.75 - 1.84 (m, 1 H), 1.89 - 1.97 (m, 1 H), 1.98 - 2.06 (m, 2 H), 2.09 - 2.16 (m, 1 H), 2.18 (s, 3 H), 2.20 - 2.25 (m, 1 H), 2.26 - 2.35 (m, 1 H), 2.95 - 3.04 (m, 1 H), 3.15 - 3.22 (m, 1 H), 3.72 - 3.82 (m, 8 H), 4.02 - 4.10 (m, 2 H), 6.80 (dd, J=8.7, 2.8 Hz, 1 H), 6.84 (d, J=2.8 Hz, 1 H), 7.21 (d, J=8.7 Hz, 1 H), 7.81 (s, 1 H), 7.86 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 413(M+H)+
(実施例64)
【0348】
[1−(3−ブロモ−4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル](モルホリン−4−イル)メタノンの製造
【0349】
【化107】
【0350】
実施例6で得られた4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン(0.500g)の酢酸(8.0ml)溶液に臭素(0.200g)を滴下し、室温にて一晩撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、減圧下濃縮し、得られた残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をNH型シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して無色固体の表題化合物(0.175g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.02 - 2.37 (m, 12 H), 3.01 - 3.23 (m, 2 H), 3.71 - 3.79 (m, 8 H), 4.10 - 4.17 (m, 2 H), 6.97 (d, J=8.7 Hz, 1 H), 7.54 (dd, J=8.7, 2.8 Hz, 1 H), 7.78 (s, 1 H), 7.89 (d, J=2.8 Hz, 1 H), 8.12 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 477(M+H)+
(実施例65)
【0351】
(2−ヒドロキシモルホリン−4−イル)[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]メタノンの製造
【0352】
【化108】
【0353】
実施例20で得られた1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸 ビス−(2−ヒドロキシエチル)−アミド(1.0g)のクロロホルム(8mL)溶液にDess−Martin試薬(1.1g)を加え、室温にて16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=4:1)で精製し、更にプレパラティブTLC(1mm厚、展開溶媒:クロロホルム:メタノール=9:1)で精製して無色アモルファスの表題化合物(0.022g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.13 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.40 - 2.49 (m, 10 H), 2.97 - 3.07 (m, 1 H), 3.23 (br.s, 1 H), 3.49 - 4.20 (m, 7 H), 5.07 (t, J=3.2 Hz, 1 H), 6.97 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.55 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 7.87 (br.s, 1 H), 8.19 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 415(M+H)+
(実施例66)
【0354】
N−(2−ヒドロキシエチル)−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0355】
【化109】
実施例2−(1)で製造した1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボン酸塩酸塩(1.00g)、2−アミノエタノール(0.400g)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.580g)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物(0.460g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)の混合物を室温にて4日間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=18:1)にて精製して無色固体の表題化合物(0.920g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 1.47 (m, 1 H), 2.21 (s, 8 H), 2.93 - 3.25 (m, 2 H), 3.56 - 3.64 (m, 2 H), 3.79 - 3.86 (m, 2 H), 4.00 - 4.09 (m, 2 H), 6.34 - 6.41 (m, 1 H), 6.97 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.55 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.91 (s, 1 H), 8.28 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 373(M+H)+
(実施例67)
【0356】
tert−ブチル N−(2−ヒドロキシエチル)−N−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}グリシナートの製造

(1)N−{2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル}−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0357】
【化110】
実施例66で製造したN−(2−ヒドロキシエチル)−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(0.500g)、tert−ブチルクロロジメチルシラン(0.303g)、イミダゾール(0.273g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)の混合物を室温にて一晩撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して無色固体の表題化合物(0.550g)を得た。
【0358】
(2)tert−ブチル N−{2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル}−N−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}グリシナートの製造
【0359】
【化111】
実施例67−(1)で製造したN−{2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル}−1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド(0.700g)のN,N−ジメチルホルムアミド(5.0mL)溶液に水素化ナトリウム(鉱油混合物、55% 0.058g)を加え、室温にて20分間撹拌した。反応混合物に2−ブロモ酢酸 tert−ブチル(0.281g)を加え、30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製して無色油状の表題化合物(0.220g)を得た。
【0360】
(3)tert−ブチル N−(2−ヒドロキシエチル)−N−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}グリシナートの製造
【0361】
【化112】
実施例67−(2)で製造したtert−ブチル N−{2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル}−N−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}グリシナート(0.220g)のテトラヒドロフラン(2.0ml)溶液にテトラブチルアンモニウムフルオリドのテトラヒドロフラン溶液(1.0M 0.37ml)を加え、室温にて30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム:メタノール=18:1)にて精製して無色油状の表題化合物(0.180g)を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.09 (d, J=6.0 Hz, 3 H), 1.37 - 2.38 (m, 22 H), 2.92 - 4.26 (m, 6 H), 6.94 - 7.20 (m, 2 H), 7.20 - 7.28 (m, 2 H), 7.49 - 7.60 (m, 1 H), 7.71 - 8.42 (m, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 487(M+H)+
【0362】
(実施例68)
N−(2−ヒドロキシエチル)−N−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}グリシンの製造
【0363】
【化113】
実施例67−(3)で製造したtert−ブチル N−(2−ヒドロキシエチル)−N−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}グリシナート(0.218g)の1,4−ジオキサン(4.0ml)溶液に塩酸の酢酸エチル溶液(4M 4.0ml)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた残渣をオクタデシルシリル(ODS)カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:アセトニトリル:水=95:5)にて精製して無色アモルファスの表題化合物(0.075g)を得た。
1H NMR (600 MHz, METHANOL-d3) δ ppm 1.37 - 1.50 (m, 3 H), 1.70 - 1.81 (m, 1 H), 1.91 - 2.34 (m, 5 H), 3.12 - 3.24 (m, 1 H), 3.43 - 3.61 (m, 3 H), 3.65 - 3.83 (m, 5 H), 4.12 (br. s., 4 H), 7.03 (s, 2 H), 7.60 - 7.66 (m, 2 H), 7.88 - 8.04 (m, 1 H), 8.30 - 8.54 (m, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 431(M+H)+
(実施例69)
【0364】
N−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−1−{4−[3−(2−メチルピロリジン−1−イル)プロポキシ]フェニル}−1H−ピラゾール−4−カルボキサミドの製造
【0365】
【化114】
実施例2−(2)と同様の方法により、アンモニア水の代わりに2−(2−アミノエトキシ)エタノールを用いて表題化合物を得た。
1H NMR (600 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.03 - 1.13 (m, 3 H), 1.37 - 2.34 (m, 9 H), 2.94 - 3.01 (m, 1 H), 3.14 - 3.21 (m, 1 H), 3.61 - 3.70 (m, 6 H), 3.76 - 3.81 (m, 2 H), 4.01 - 4.09 (m, 2 H), 6.39 - 6.44 (m, 1 H), 6.97 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.55 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.92 (s, 1 H), 8.27 (s, 1 H)
MS (ESI/APCI Dual) (Positive) m/z; 417(M+H)+
(実施例70)
【0366】
4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン1塩酸塩の製造
【0367】
【化115】

実施例6−(2)で得られた4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン(2.62g)の酢酸エチル(18mL)溶液に塩酸の酢酸エチル溶液(4M 2.46mL)を加え、室温にて30分間撹拌した。析出した結晶を濾取し、粗結晶(2.9g)を得た。得られた粗結晶のエタノール(9mL)懸濁液を加熱還流して溶液とし、濾過して濾液にエタノール(6mL)を加え、室温まで放冷しながら30分間撹拌した。混合物を更に氷浴下1.5時間撹拌し、析出した結晶を濾取し、乾燥して無色粉末の表題化合物(2.67g)を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.10 - 1.43 (m, 3 H), 1.54 - 2.24 (m, 6 H), 2.99 - 3.23 (m, 2 H), 3.33 - 3.52 (m, 2 H), 3.47 - 3.89 (m, 9 H), 4.02 - 4.19 (m, 2 H), 7.01 - 7.10 (m, 2 H), 7.73 - 7.82 (m, 2 H), 7.90 (s, 1 H), 8.69 (s, 1 H)
IR (KBr, cm-1) 750, 827, 944, 996, 1048, 1119, 1251, 1439, 1518, 1552, 1602, 2453, 2552, 2865
Elemental analysis for C22H30N4O3 x 1HCl
Calculated : C 60.75% H 7.18% N 12.88%
Found : C 60.55% H 7.12% N 12.81%
Melting point : 203.0℃
Thermogravimetry:融解点(203.0℃)まで変化せず
(実施例71)
【0368】
4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン1塩酸塩2水和物の製造
【0369】
【化116】

実施例70で得られた4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン1塩酸塩を湿度93%に調湿したデシケーターに入れ、2日間保存することにより無色粉末の表題化合物を得た。
Thermogravimetry:51℃付近で7.32%減少(2H2O相当)
(実施例72)
【0370】
4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン1臭化水素酸塩の製造
【0371】
【化117】

実施例6−(2)で得られた4−{[1−(4−{3−[(2R)−2−メチルピロリジン−1−イル]プロポキシ}フェニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルボニル}モルホリン(1.0g)のエタノール(5mL)溶液に臭化水素酸のエタノール溶液(1.5M 2.0mL)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、エタノール:メタノール=95:5溶液(10mL)を加えて溶液とし、氷浴で冷却しながら3時間撹拌した。析出した固体を濾取し、乾燥して無色粉末の表題化合物(1.1g)を得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.12 - 1.43 (m, 3 H), 1.54 - 1.67 (m, 1 H), 1.84 - 2.28 (m, 5 H), 3.08 - 3.18 (m, 2 H), 3.41 - 3.51 (m, 2 H), 3.57 - 3.73 (m, 9 H), 4.09 - 4.16 (m, 2 H), 7.09 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.81 (d, J=9.2 Hz, 2 H), 7.91 - 7.96 (m, 1 H), 8.72 (s, 1 H), 9.25 (br. s., 1 H)
IR (KBr, cm-1) 751, 828, 944, 996, 1047, 1119, 1251, 1438, 1519, 1552, 1604, 2519, 2603, 2866
Elemental analysis for C22H30N4O3 x 1HBr
Calculated : C 55.12% H 6.52% N 11.69%
Found : C 54.99% H 6.44% N 11.67%
Melting point : 202.0℃
【0372】
試験例1:H3受容体結合試験
ヒト型H3受容体発現CHO−K1細胞の膜標品(ユーロスクリーン社、ES−392−M、タンパク質15μg/200μl)、R(−)−α−メチル[3H]ヒスタミン(アマシャム社、TRK−1017、比活性 1.74TBq/mmol、2nM)、及び試験薬物を、室温にて1時間反応させた。反応終了後に、反応混合物を、0.3%ポリエチレンイミンで処理したガラスフィルター(GF/C)を通して吸引濾過し、ガラスフィルターを、5mM EDTAを含んだ50mM Tris−HCl洗浄液(pH7.4)で5回洗浄した。洗浄後に、ガラスフィルターを乾燥し、シンチレーターを加え、フィルター上の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。
【0373】
10μM R(−)−α−メチルヒスタミンの存在下で反応を実施したときのR(−)−α−メチル[3H]ヒスタミン結合量を非特異的結合度とし、全R(−)−α−メチル[3H]ヒスタミン結合度と非特異的結合度との差を、特異的R(−)−α−メチル[3H]ヒスタミン結合度とした。一定濃度(2nM)のR(−)―α―メチル[3H]ヒスタミンを上述の条件下で様々な濃度の各試験薬物を反応させることにより、阻害曲線を得た。阻害曲線からR(−)−α−メチル[3H]ヒスタミンの結合が50%阻害される試験薬物濃度(IC50)を求めた。実施例化合物のIC50値を表1に示す。
【0374】
【表1-1】
【0375】
【表1-2】

【0376】
試験例2:[35S]GTP―γ―S結合試験
試験例1で用いたのと同じヒト型H3受容体膜標品(タンパク質7.5μg/100μl)、30μM GDP、100μM R(−)―α―メチルヒスタミン、及び試験化合物を、室温にて30分間反応させた。反応終了後、さらに[35S]GTP−γ−S(0.2nM)を添加し、引き続き30分間反応を続けた。反応終了後に、反応混合物をガラスフィルター(GF/C)を通して吸引濾過し、ガラスフィルターを100mM 塩化ナトリウム、1mM 塩化マグネシウムを含んだ20mM HEPES洗浄液(pH7.4)で3回洗浄した。洗浄後に、ガラスフィルターを乾燥し、シンチレーターを加え、フィルター上の放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。
【0377】
R(−)−α―メチルヒスタミン非存在下で反応を実施したときの[35S]GTP−γ―S結合量を非特異的結合とし、R(−)−α―メチルヒスタミン存在下得られた全結合との差を特異的[35S]GTP−γ―S結合度とした。一定濃度の[35S]GTP−γ−S(0.2nM)とR(−)―α―メチルヒスタミン(100μM)を上述の条件下で様々な濃度の各試験薬物を反応させることにより、阻害曲線を得た。阻害曲線から、[35S]GTP−γ―S結合が50%阻害される試験薬物濃度(IC50)を求めた。その結果、実施例6の化合物のIC50値は3.1nM、実施例30の化合物のIC50値は1.7nMであった。
【0378】
試験例3:[H]diprenorphine結合試験
μ受容体への親和性は、[H]diprenorphine結合試験により評価し、Cerep社において実施された。μ受容体標品としてヒトリコンビナントμ受容体を用いた。ヒトリコンビナントμ受容体を[H]diprenorphine(0.4nM)と22℃で120分間インキュベーションを行った。1μM naltrexoneの存在下で反応を実施したときの[H]diprenorphine結合量を非特異的結合度とし、全[H]diprenorphine結合度と非特異的結合度との差を、特異的[H]diprenorphine結合度とした。
【0379】
試験例4:[H]DADLE結合試験
δ受容体への親和性は、[H]DADLE結合試験により評価し、Cerep社において実施された。δ受容体標品としてヒトリコンビナントδ受容体を用いた。ヒトリコンビナントδ受容体を[H]DADLE(0.5nM)と22℃で120分間インキュベーションを行った。10μM naltrexoneの存在下で反応を実施したときの[H]DADLE結合量を非特異的結合度とし、全[H]DADLE結合度と非特異的結合度との差を、特異的[H]DADLE結合度とした。
【0380】
試験例5:[H](+)pentazocine結合試験
σ1受容体への親和性は、[H](+)pentazocine結合試験により評価し、Cerep社において実施された。σ1受容体標品としてJurkat cells膜を用いた。Jurkat cell膜を[H](+)pentazocine(8nM)と22℃で120分間インキュベーションを行った。10μM haloperidolの存在下で反応を実施したときの[H](+)pentazocine結合量を非特異的結合度とし、全[H](+)pentazocine結合度と非特異的結合度との差を、特異的[H](+)pentazocine結合度とした。
【0381】
試験例6:[H]U69593結合試験
κ受容体への親和性は、[H]U69593結合試験により評価し、Cerep社において実施された。κ受容体標品としてラットリコンビナントκ受容体を用いた。ラットリコンビナントκ受容体を[H]U69593(1nM)と22℃で60分間インキュベーションを行った。10μM naloxoneの存在下で反応を実施したときの[H]U69593結合量を非特異的結合度とし、全[H]U69593結合度と非特異的結合度との差を、特異的[H]U69593結合度とした。
【0382】
試験例3〜6における実施例70の化合物の10μM濃度での各リガンド結合の抑制率を表2に示す。
【0383】
【表2】
【0384】
また、試験例5における実施例54及び55の化合物の10μM濃度でのリガンド結合の抑制率は、それぞれ39%及び3%であった。
【0385】
試験例7:ヒト肝代謝安定性試験
ヒト肝ミクロソーム(Xenotech、H0630)を用いてin vitro代謝半減期の算出を行った。反応溶液(300μL)中は、終濃度2.4mM MgCl,1.5mM glucose−6−phosphate(G−6−P),0.18U/mL glucose−6−phosphate dehydrogenase(G−6−P DH),69mM KCl,0.16mM β−nicotinamide−adenine dinucleotide phosphate,oxidized form (NADP)及び1mg microsomal protein/mLを含む250mM Na−K−phosphate buffer,pH7.4中に1μM評価化合物を含む組成とした。反応は、37℃にて5分間プレインキュベーションを行った後、NADP溶液を加えることで反応を開始した。インキュベーション時間は0,10,20,30,45及び60分とした。反応停止は、反応溶液と等量のCHCN:CHOH(1/1)溶液を加えることで行った。反応停止後のサンプルは、3639xg,4℃で10分間遠心し、得られた上清をLC/MSにて測定した。直線性が観察された時間を用いて傾きから代謝半減期を算出した。その結果、実施例6の化合物の代謝半減期は180分以上であった。
【0386】
試験例8:社会性認知試験
実験にはSprague−Dawley系ラット(オス)を用い、すでに報告された方法に準じて行った(Shimazaki et al.,European Journal of Pharmacology,575,94−97,2007)。Adult rat(9週齢)を試験ケージに入れ、30分間馴化させた。30分後、juvenile rat (4週齢)をadult ratを入れた試験ケージに入れ、5分間放置した。5分間にadult ratがjuvenile ratに対して行った社会性行動(sniffing,grooming,following)の時間を測定した(1回目探索時間)。その後、ラットを試験ケージから取り出し、ホームケージに戻した。85分後、adult ratを試験ケージにいれ、30分間馴化させた。1回目探索と同じjuvenile ratを試験ケージに入れ、5分間にadult ratがjuvenile ratに対して行った社会性行動(sniffing,grooming,following)の時間を測定した(2回目探索時間)。社会性認知は2回目探索時間/1回目探索時間で示した。披検物質(実施例70の化合物)は1回目の社会性行動直後に経口投与した。結果を表3に示す。
【0387】
【表3】
【0388】
披験物質投与群は溶媒投与群と比較して、2回目の探索時間/1回目の探索時間を有意に減少させ、認知機能増強作用を有することが示された。
【0389】
試験例9:ラット分布試験
SDラットを用い、実施例70の化合物塩3mg/kg(フリー体として2.75mg/kg)を単回経口投与し、投与1,2,4,8,24時間後の血漿・脳・肝臓・腎臓・脾臓・肺・心臓・筋肉・脂肪・精巣・骨髄・副腎への組織分布を確認した。定量には高速液体クロマトグラフィ/タンデム質量分析計(LC−MS/MS)を用いた。その結果、実施例70の化合物のフリー体(実施例6の化合物)の未変化体及び主代謝物はいずれの臓器においても速やかな消失を示した。
【0390】
試験例10:細胞毒性試験
チャイニーズハムスター肺線維芽細胞由来のCHL/IU細胞(DSファーマバイオメディカル(株))を播種し、翌日に様々な濃度の試験化合物を含む培地(MEM+2mM L−Glutamine+10%CS(すべてInvitrogen))に交換し、さらに48時間培養後、Cell counting kit−8((株)同仁化学研究所)を用いて細胞生存率を求め、横軸を試験化合物濃度、縦軸を細胞生存率とする曲線を得た。その曲線から細胞生存率が50%となる試験化合物濃度を求めた結果、実施例56、62及び70の化合物は、それぞれ、275、441及び>640μmol/Lであった。
【産業上の利用可能性】
【0391】
本発明により、ヒスタミンH3受容体への強力な結合阻害作用を有し、ヒスタミンH3受容体に起因する障害、例えば、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性症、統合失調症、てんかん、中枢性痙攣、摂食障害、肥満、糖尿病、高脂血症、睡眠障害、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム障害、うつ病若しくはアレルギー性鼻炎等の疾患の予防又は治療に有用な医薬品を提供することが可能となり、医薬品産業の発達に大きく寄与することが考えられる。