(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0014】
図1乃至
図4は、本発明の一実施形態であるスイッチ及び発電装置を説明するための図である。スイッチ1は無線スイッチであり、発電装置10と回路基板20とにより構成されている。
【0015】
発電装置10は、スイッチレバー12が操作されることにより発電を行うものである。回路基板20は高周波通信回路(図示せず)を設けており、発電装置10が発電した電力(誘導起電力)により駆動される。この高周波通信回路は、駆動することにより電気機器(例えば、照明機器等)に向け2.4GHz帯の電波を送信し、これにより当該電気機器のON/OFF処理が行われる構成とされている。この回路基板20は、
図3に示すようにケース11の背面側に配設される。
【0016】
発電装置10は、大略するとケース11、スイッチレバー12、発電機13、発電用ばね14、連結解除機構(15,16)、ピンホイールばね17、及びスイッチ戻しばね18等を有した構成とされている。
【0017】
ケース11は樹脂成型品であり、矩形状を有している。このケース11の一側部には、スイッチレバー12を装着するためのレバー装着凹部25が形成されている。このレバー装着凹部25内には、スイッチレバー12を軸承する支軸26が立設されると共に、後述するロック爪38が係合するロック溝39が形成されている。
【0018】
また、ケース11には、発電用ばね14が装着されるばね装着部27、ピンホイールばね17が装着されるばね装着軸29、ピンホイールばね17の端部17aが係止されるばね係止30、発電機13が取付けられた状態で被駆動部41が位置する開口部31、及び発電機13を取付けるためのボス32A,32B等が一体的に形成されている。
【0019】
スイッチレバー12は樹脂成型品であり、操作部35、軸孔36、係合凸部37、ロック爪38、及びロック溝39等を一体的に形成した構成とされている。このスイッチレバー12は、請求項に記載の操作部材に相当する。
【0020】
操作部35は、発電時(スイッチ1のON/OFF時)に操作者により操作される部位である。後述するように、発電時には操作者は操作部35を矢印A1方向((
図2、
図5等参照)に押圧操作する。
【0021】
軸孔36は、スイッチレバー12の端部に設けられており、前記した支軸26に挿通される。これによりスイッチレバー12は支軸26に軸承され、支軸26を中心として矢印A1,A2方向に回転する。
【0022】
このスイッチレバー12を支軸26に装着する際、スイッチ戻しばね18も併せて支軸26に装着される。このスイッチ戻しばね18は、スイッチレバー12を
図5に矢印A2で示す方向に回転付勢する。
【0023】
しかしながら、スイッチレバー12の下部にはロック爪38が形成されており、このロック爪38はレバー装着凹部25に形成されたロック溝39と係合するよう構成されている。従って、ロック爪38がロック溝39と係合することにより、スイッチレバー12は
図2に示す位置(ケース11より若干A2方向に回転した位置)以上には回転しない構成とされている。
【0024】
係合凸部37は、操作部35と反対側に突出した構成とされている。この係合凸部37は、後述するピンホイール16の係合突起55と係合可能な構成とされている。
【0025】
次に、発電機13について説明する。発電機13は請求項に記載の発電部に相当するものであり、金属製の基板43に装置本体40が配設された構成とされている。
【0026】
また、装置本体40には被駆動部41が設けられており、この被駆動部41は基板43から上方に突出した構成とされている。発電機13は、この被駆動部41を回転させることによりコイルの内部で円筒形状の磁石を回転させ、これによりコイルを貫く磁束を変化させて誘導起電力を発生させる構成(発電する構成)とされている。
【0027】
基板43は、複数の装着孔44A〜44Cを有している。この各装着孔44A〜44Cには図示しない固定ねじが挿通され、この固定ねじをボス32A,32Bの背面及びケース11の背面側に形成されたねじ孔に螺着することにより、発電機13はケース11に固定される。
【0028】
また、ケース11の発電機13が取付けられる部位には、開口部31が形成されている。よって、発電機13がケース11に固定された状態で、被駆動部41は開口部31内に突出した構成となる。更に、被駆動部41には、後述するラック50と噛合するギヤ42が配設されている。
【0029】
発電用ばね14は、請求項に記載の弾性手段に相当するものである。この発電用ばね14は、ケース11に設けられたばね装着部27に装着される。本実施形態では、発電用ばね14として圧縮ばねであるコイルスプリングを使用している。しかしながら、後述する所定の弾性力(弾性エネルギー)を蓄積しうるものであれば、他の構成のばね、ゴム等の弾性部材、エアシリンダ等を用いた弾性機構等を用いることも可能である。
【0030】
この発電用ばね14は、図中X1方向側の端部14aがケース11に固定され、X2方向側の端部14bがスライド部材15と接続される。また発電用ばね14は圧縮されることにより弾性力を蓄積すると共に、この蓄積された弾性力を出力することにより、後述するように発電機13の被駆動部41を回転させて所定の誘導起電力を発生させる構成とされている。
【0031】
次に、連結解除機構について説明する。連結解除機構は、大略するとスライド部材15とピンホイール16とにより構成されている。また連結解除機構は、前記のスイッチレバー12と発電用ばね14に係合可能な構成とされている。
【0032】
この連結解除機構は、スライド部材15の操作を開始する位置(以下、操作前位置という)から、発電用ばね14に発電機13を駆動しうる弾性力が蓄積される位置(以下、蓄積完了位置という)までの間はスライド部材15と発電用ばね14とを連結してスライド部材15の操作力を発電用ばね14に伝達し、蓄積完了位置を過ぎた時にスイッチレバー12と発電用ばね14との連結を解除し、発電用ばね14に蓄積された弾性力の出力を許容する機能を奏するものである。以下、スライド部材15及びピンホイール16の具体的な構成について説明する。
【0033】
スライド部材15は樹脂成型品であり、本体部47、接続部48、係合部49、及びラック50を一体的に形成した構成とされている。本体部47は、ケース11内で図中矢印X1,X2方向にスライド可能な構成とされている。
【0034】
本体部47のX1方向端部には、接続部48が形成されている。この接続部48は、前記した発電用ばね14の端部14bに接続される。よって、スライド部材15がX1方向にスライドすることにより発電用ばね14は圧縮され弾性力を蓄積する。また、圧縮された発電用ばね14が伸長し、蓄積された弾性力を出力する時は、スライド部材15は矢印X2方向にスライドする。
【0035】
また、本体部47のX2方向端部には係合部49が形成されている。この係合部49は、後述するピンホイール16の係合突起55と係合するよう構成されている。更に、本体部47の側部にはラック50が形成されており、このラック50は発電機13の被駆動部41に設けられたギヤ42と噛合するよう構成されている。
【0036】
これにより、発電機13とスライド部材15とは、ギヤ42及びラック50を介して接続された構成となる。よって、発電用ばね14に蓄積された弾性力によりスライド部材15がX2方向にスライドすると、ラック50及びギヤ42を介して被駆動部41が回転し、
発電機13は誘導起電力を発生させる。
【0037】
ピンホイール16は樹脂成型品であり、放射状に延出する複数(本実施形態では6本
)の係合突起55が形成されている。なお、以下の説明において、複数の係合突起55を個別に示す場合には、
図5に示すように係合突起55A〜55Fと示すこととする。
【0038】
また、ピンホイール16は中心位置に軸孔53が形成されており、この軸孔53はケース11に形成されたホイール軸28に挿通される。これにより、ピンホイール16は、ケース11に対して回転可能に取付けられた状態となる。
【0039】
スイッチレバー12が操作される際、前記の複数の係合突起55の内、一の係合突起55(
図5に示す係合突起55A参照)が係合凸部37と係合すると共に、これと隣接する係合突起55(
図5に示す係合突起55B参照)がスライド部材15の係合部49と係合するよう構成されている。従って、スイッチレバー12が操作時においては、スイッチレバー12と発電用ばね14は、ピンホイール16及びスライド部材15を介して連結された構成となる。
【0040】
ピンホイールばね17は、ピンホイール16の近傍位置に配設されている。具体的には、ピンホイール16の係合突起55が係合凸部37及び係合部49と係合する位置に対し、ホイール軸28を中心として反対側の位置に設けられている。このピンホイールばね17はトーションばねであり、ケース11に形成されたばね装着軸29に装着される。
【0041】
また、ピンホイールばね17の一端部17aは、ばね係止30に係止される。また、ピンホイールばね17の他端は山形に折曲されて山部17bを形成している。この山部17bは係合突起55を弾性付勢するよう構成されており、これによりピンホイール16は図中矢印B方向に回転付勢される構成となっている。
【0042】
なお、上記のように本実施形態では係合突起55を6本設けた構成としているが、ピンホイール16に形成される係合突起55の本数はこれに限定されるものではなく、4本以上10本以下の間で任意に設定することが可能である。これは、4本未満に設定するとスイッチレバー12と発電用ばね14の連結が困難になり、また11本以上に設定すると各係合突起55が細くなり機械的強度を維持することが困難となるからである。
【0043】
次に、上記構成とされた発電装置10の動作について説明する。
【0044】
図5乃至
図10は、発電時における発電装置10の動作を動作順に示している。
図5は、スイッチレバー12を操作する前の操作前状態を示している。この操作前状態では、スイッチレバー12はスイッチ戻しばね18の弾性力により矢印A2方向に回転付勢されるが、前記のようにロック爪38がロック溝39に係合することにより、
図5に示す操作前位置よりもA2方向に回転することを防止している。
【0045】
また操作前状態では、発電用ばね14は伸長しており、弾性力は蓄積されていない状態である。また、これに伴いスライド部材15は矢印X2方向に移動した状態となっている。更に、ピンホイール16は、係合突起55Aがスイッチレバー12の係合凸部37と係合し、係合突起55Bがスライド部材15の係合部49と係合した構成となっている。よって、スイッチレバー12と発電用ばね14は、スライド部材15及びピンホイール16を介して連結された状態となっている。
【0046】
図6は、スイッチレバー12を矢印A1方向に操作し始めた状態を示している。スイッチレバー12をスイッチ戻しばね18のばね力に抗してA1方向に操作すると、これに伴い係合凸部37は係合突起55AをX1方向に付勢する。ピンホイール16はホイール軸28に回転可能に取付けられているため、係合突起55Aが係合凸部37に付勢されることによりピンホイール16は図中矢印B方向(図中、反時計方向)に回転する。
【0047】
またピンホイール16が回転することにより、係合突起55Aに隣接し係合部49に係合している係合突起55Bも回転し、これによりスライド部材15は矢印X1方向にスライドする。
【0048】
スライド部材15がX1方向にスライドすることにより、スライド部材15に接続された発電用ばね14もX1方向に付勢される。しかしながら、発電用ばね14の端部14aはケース11に固定されているため、スライド部材15がX1方向にスライドすることにより発電用ばね14は圧縮されて弾性力を蓄積する。
【0049】
なお、スライド部材15がX1方向に移動することにより、ラック50及びギヤ42を介して被駆動部41も回転するが、操作者によるスライド部材15の操作力は小さく安定していないため、発電機13において有効な発電が行われることはない。
【0050】
また、ピンホイール16がB方向に回転することにより、係合突起55Dはピンホイールばね17の山部17bを押圧する。これにより、ピンホイール16には矢印B方向とは反対方向の弾性付勢力が印加されるが、スイッチレバー12を操作する操作力に対してこの弾性付勢力は小さいため、ピンホイールばね17によりピンホイール16が反転(矢印B方向とは反対方向に回転)するようなことはない。
【0051】
図7は、蓄積完了位置までスイッチレバー12を操作した状態(以下、蓄積完了状態という)を示している。この蓄積完了状態では、スイッチレバー12はレバー装着凹部25内に押し込まれ、これに伴いスライド部材15はX1方向の移動限界位置まで移動した状態となっている。本実施形態では、この蓄積完了状態において発電用ばね14が最も収縮され、発電用ばね14に発電機13を駆動し発電を行いうる弾性力が蓄積されるよう構成している。
【0052】
また蓄積完了状態では、ピンホイール16の係合突起55Bは係合部49の端部と係合しており、係合部49から離間する直前の状態となっている。更に、係合突起55Dはピンホイールばね17の山部17bの頂部と接した状態となっている。
【0053】
図8は、スイッチレバー12が蓄積完了位置を過ぎた位置まで移動操作した状態(以下、発電状態という)を示している。この発電状態までスイッチレバー12が押し込まれると、ピンホイール16は更にB方向に回転し、係合突起55Bは係合部49から離間する。これにより、スライド部材15及びピンホイール16によるスイッチレバー12と発電用ばね14との連結は解除される。
【0054】
また、係合突起55Aと係合突起55Bとの間には,スライド部材15をX2方向に移動可能な空間45が存在する。よって、係合突起55Bが係合部49から離間すると、発電用ばね14に蓄積されていた弾性力(弾性エネルギー)により、スライド部材15は瞬時にX2方向に向けスライドする。
【0055】
前記のようにギヤ42とラック50は噛合しているため、スライド部材15がX2方向に瞬時にスライドすることにより、被駆動部41は図中矢印C2方向に回転する。よって、発電機13は、発電用ばね14が出力する弾性力により誘導起電力を発生させる(発電が行われる)。
【0056】
この発電が行われる際、発電用ばね14(スライド部材15)とスイッチレバー12は連結が解除された状態であるため、スライド部材15には発電用ばね14に蓄積された弾性力(弾性復元力)のみが印加される。また、発電用ばね14には、発電機13を駆動し発電を行いうる強い弾性力が蓄積されている。このため発電時には、発電機13は発電用ばね14から出力される強く安定した弾性力により駆動されるため、出力される誘導起電力も安定したものとなる。
【0057】
このように本実施形態に係る発電装置10によれば、発電機13は発電用ばね14から瞬時に出力される蓄積された弾性力により駆動されて誘導起電力を発生させるため、スイッチレバー12を操作する操作者の操作力に拘わらず安定した誘導起電力を得ることができる。また、発電機13が安定した誘電起電力を発生させることにより、回路基板20に設けられた高周波通信回路は電気機器に向けて安定した電波を送信することが可能となり、電気機器のON/OFF等の処理を高い信頼性を持って確実に行わせることができる。
【0058】
図9は、発電処理が終了した後の状態(以下、復帰処理状態という)を示している。この復帰処理状態では、操作者によるスイッチレバー12のA1方向への操作が解除されている。このため、スイッチレバー12は、スイッチ戻しばね18のばね力によりA2方向に向け付勢され、操作前位置に戻る。
【0059】
また、ピンホイール16は、スライド部材15と離間することにより回転自在な状態となるが、ピンホイールばね17の山部17bにより係合突起55Dが弾性付勢される。これにより、ピンホイール16は矢印B方向に回転する。なお、スライド部材15はX2方向に移動した状態を維持しており、また発電用ばね14も伸長した状態を維持している。
【0060】
このピンホイール16のB方向への回転により、
図10に示すように、係合突起55Fがスイッチレバー12の係合凸部37と係合し、係合突起55Aがスライド部材15の係合部49と係合した状態となる。よって
図10に示す状態は、
図5に示した操作前状態と等価の状態となる。このように、本実施形態に係る発電装置10では、1回の発電処理によりピンホイール16が60°進み、操作前状態に戻る構成となっている。
【0061】
上記のように、本実施形態に係る発電装置10では、少ない部品点数で確実に発電処理を行うことができる。
【0062】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。