特許第5740900号(P5740900)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740900
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】画像処理装置及び画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/387 20060101AFI20150611BHJP
   G06T 3/00 20060101ALI20150611BHJP
   G06T 5/50 20060101ALI20150611BHJP
【FI】
   H04N1/387
   G06T3/00
   G06T3/00 775
   G06T5/50
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-231897(P2010-231897)
(22)【出願日】2010年10月14日
(65)【公開番号】特開2012-85232(P2012-85232A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2013年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】金子 昌史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸隆
【審査官】 大室 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−020687(JP,A)
【文献】 特開2010−124068(JP,A)
【文献】 特開2007−028408(JP,A)
【文献】 特開2009−044595(JP,A)
【文献】 特開2009−296590(JP,A)
【文献】 特開2004−007240(JP,A)
【文献】 特開2002−112009(JP,A)
【文献】 特開2001−169120(JP,A)
【文献】 特開2009−239688(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 1/00−1/40
G06T 3/00−5/50
G06T 9/00−9/40
H04N 1/38−1/409
H04N 1/46
H04N 1/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取って得られた画像情報から文字属性の部分画像と、画像属性の部分画像とを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された文字属性の部分画像の向きを判断して、正しくない向きの場合に正しい向きになるように文字属性の部分画像を回転すると共に、前記文字属性の部分画像の回転方向及び回転量に合わせて画像属性の部分画像を回転するように回転処理を行って、予め定めたソフトウエア形式の文書情報を生成する生成手段と、
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、画像属性の部分画像を回転した後に、予め定めた条件に応じて、画像属性の部分画像を可逆圧縮または非可逆圧縮して前記文書情報を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記生成手段は、予め定めた条件として画像属性の部分画像が白黒画像の場合に、画像属性の部分画像を可逆圧縮して前記文書情報を生成する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記生成手段は、予め定めた条件として画像属性の部分画像がカラー画像、且つ画像属性の部分画像の容量が予め定めた閾値より大きい場合に、画像属性の部分画像を非可逆圧縮して前記文書情報を生成する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記生成手段は、予め定めた条件として生成中の前記文書情報の容量が予め定めた閾値を超えた場合に、以降の画像属性の部分画像を非可逆圧縮して前記文書情報を生成する請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記生成手段は、画像属性の部分画像を回転後に可逆圧縮して前記文書情報を生成する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記生成手段は、前記画像属性の部分画像が圧縮されている場合には伸張してから回転するように前記回転処理を行う請求項1〜6の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
部分画像に回転情報を付与する第1回転処理、または実画像を回転する第2回転処理の何れかを前記回転処理として設定するための設定手段を更に備えた請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータを請求項1〜6の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるための画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の技術では、入力画像を正立させると共に、該入力画像に対して行った画像回転処理の回転角度を保持する画像回転手段と、該回転角度あるいは入力機器の情報に応じた画像の位置ずれを算出し、この位置ずれをもとに補正を行う補正手段と、を備えることが提案されている。すなわち、特許文献1に記載の技術では、画像を読み取ったときに、読み取った画像の回転や位置合わせを行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−129311
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、原稿画像の向きが分らない場合でも、読み取った原稿画像を正しい向きに回転して文書情報を作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の画像処理装置は、原稿画像を読み取って得られた画像情報から文字属性の部分画像と、画像属性の部分画像とを抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された文字属性の部分画像の向きを判断して、正しくない向きの場合に正しい向きになるように文字属性の部分画像を回転すると共に、前記文字属性の部分画像の回転方向及び回転量に合わせて画像属性の部分画像を回転するように回転処理を行って、予め定めたソフトウエア形式の文書情報を生成する生成手段と、を備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記生成手段は、画像属性の部分画像を回転した後に、予め定めた条件に従って画像属性の部分画像を可逆圧縮または非可逆圧縮して前記文書情報を生成することを特徴としている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記生成手段は、予め定めた条件として画像属性の部分画像が白黒画像の場合に、画像属性の部分画像を可逆圧縮して前記文書情報を生成することを特徴としている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記生成手段は、予め定めた条件として画像属性の部分画像がカラー画像、且つ画像属性の部分画像の容量が予め定めた閾値より大きい場合に、画像属性の部分画像を非可逆圧縮して前記文書情報を生成することを特徴としている。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記生成手段は、予め定めた条件として生成中の前記文書情報の容量が予め定めた閾値を超えた場合に、以降の画像属性の部分画像を非可逆圧縮して前記文書情報を生成することを特徴としている。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記生成手段は、画像属性の部分画像を回転後に可逆圧縮して前記文書情報を生成することを特徴としている。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の発明において、前記生成手段は、前記画像属性の部分画像が圧縮されている場合には伸張してから回転するように前記回転処理を行うことを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、部分画像に回転情報を付与する第1回転処理、または実画像を回転する第2回転処理の何れかを前記回転処理として設定するための設定手段を更に備えることを特徴としている。
【0012】
請求項に記載の画像処理プログラムは、コンピュータを請求項1〜の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1、8に記載の発明によれば、読み取った原稿画像の向きが分らない場合でも、読み取った原稿画像を正しい向きに回転して文書情報を作成することができる、という効果がある。
【0014】
請求項2〜5に記載の発明によれば、生成した文書情報の容量増加を抑制しながら、画質劣化を抑制することができる、という効果がある。
【0015】
請求項6に記載の発明によれば、非可逆圧縮する場合と比較して画質劣化を抑制することができる、という効果がある。
【0016】
請求項7に記載の発明によれば、利用者が使用する文書情報を表示するソフトウエアに応じて回転処理を選択することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の概略構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の画像処理部16の機能的構成を示すブロック図である。
図3】文字属性の部分画像と写真属性の部分画像を含む原稿を右90度回転した状態で読み取って文字属性の部分画像と写真属性の部分画像を抽出した例を示す図である。
図4】(A)回転情報を画像に付与して文書情報を生成して表示する例を示す図であり、(B)は画像を回転して文書情報を生成して表示する例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置で行われる処理の第1変形例を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置で行われる処理の第2変形例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態に係わる画像処理装置で行われる処理の第3変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の概略構成を示す図である。
【0019】
本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10は、図1に示すように、画像読取部12、画像蓄積部14、画像処理部16、RAM18、通信制御部20、操作表示部22、及び制御部24を備えている。
【0020】
画像読取部12は、読取対象の原稿画像を光学的に読み取ることによって、原稿画像を表す画像情報を取得し、画像蓄積部14は、画像読取部12によって取得された画像情報を蓄積する。
【0021】
画像処理部16は、画像蓄積部14に蓄積された画像情報を読み出して、画像情報に対する符号化、復号化、縮小等の処理を行うと共に、文字の向きを判断して判断結果に応じて画像の回転処理を行って、予め定めたソフトウエア形式の文書情報を作成する。なお、回転処理としては、本実施の形態では、画像を回転する場合と、回転情報を画像情報に付加して表示する際に回転する可能とする場合とがある。
【0022】
RAM18は、通信情報を記憶するためのメモリとして機能すると共に、画像処理部16が画像処理を行う際に、画像蓄積部14に蓄積された画像情報を展開して、画像処理を行う際の作業領域として機能する。
【0023】
通信制御部20は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)、SIP(Session Initiation Protocol)等のプロトコルを制御するTransport Protocol制御部20A、インターネットのトランスポートやネットワーク層のプロトコルを制御するTCP/UDP/IP制御部20B、及びデータリンク層以下の通信を制御するNet Workインターフェース20Cを含んで構成されており、ネットワーク等の通信手段に接続され、該通信手段を介して外部の情報処理機器(例えば、パーソナルコンピュータや画像形成装置等)と通信して、情報の授受を行う。
【0024】
操作表示部22は、操作ボタンや表示部等を含み、表示部に表示された情報を元に、操作ボタン等を操作することにより、画像処理装置10の各種設定や、画像処理の実行指示等を行う。
【0025】
そして、制御部24は、画像処理装置10全体の制御処理を行う。例えば、画像読取部12によって画像を読み取って、取得した画像情報を画像蓄積部14に蓄積し、蓄積した画像情報に対して画像処理部16が画像処理を行う際の一連の流れの制御等を行う。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10の画像処理部16の機能的構成を示すブロック図である。
【0027】
画像処理部16は、読取画像取得部26、画像解析部28、部分画像種類判定部30、部分画像の種類毎の情報生成を行う各種情報生成部(文字情報生成部32A、図形(CG)情報生成部32B、線画情報生成部32C、写真情報生成部32D、表情報生成部32E)32、部分画像回転処理部34、及び文書情報生成部36として機能する。
【0028】
読取画像取得部26は、セットされた原稿画像を画像読取部12が読み取ることによって得られる画像情報を取得する。
【0029】
画像解析部28は、読取画像取得部26によって取得して画像蓄積部14に蓄積した画像情報を解析して、文字、図形(CG)、線画、写真等の属性の異なる領域を抽出することによって、部分画像の領域を判断する。画像解析部28は、周知の技術を利用して部分画像領域を判断することが可能であり、例えば、画像情報を2値化してラベリング処理やラベリング処理された画像の連結を行う等の処理により、部分画像の領域を判断することができる。
【0030】
部分画像種類判定部30は、部分画像領域の濃度分布等の各種の特徴量に基づいて、部分画像の種類を判定し、部分画像を分離して属性を付与する。部分画像種類判定部30についても周知の技術を利用して部分画像の種類を判定することができる。判定する部分画像の種類としては、文字、図形(CG)、線画、写真、表などを判定する。例えば、図3に示すように、原稿画像を文字属性の部分画像の領域と、写真属性の部分画像の領域と、を抽出してそれぞれの領域の種類を判定し各属性を付与する。
【0031】
各種情報生成部(文字情報生成部32A、図形(CG)情報生成部32B、線画情報生成部32C、写真情報生成部32D、表情報生成部32E)32は、部分画像種類判定部30によって判定された各部分画像の種類に応じた情報を生成する。
【0032】
部分画像回転処理部34は、文字情報生成部32Aによって生成された文字属性の部分画像から画像の向きを判断し、文字属性の部分画像の回転方向に合わせて他の属性(図形、線画、写真、表等の画像属性)の部分画像を回転する処理を行う。すなわち、文字属性の部分画像を抽出して文字を認識する際には、文字を正しい向きに回転する方向及び回転量が分るため、当該情報を用いて他の部分画像の回転処理を行う。例えば、図3に示すように、原稿画像を図3の中央に示すように図3の上側の原稿画像に対して右90度回転した状態で読み取った場合に、文字属性の部分画像を抽出して、文字を認識する際に文字の回転方向及び回転量を認識する。そこで、写真属性の部分画像について文字の回転方向及び回転量に合わせて回転すればよい。画像の回転処理方法としては、本実施の形態では、図4(A)に示すように、部分画像を回転せずに回転情報を部分画像に付与して表示する際に回転情報に応じて回転する方法と、図4(B)に示すように、実際に部分画像を回転する方法と、を有し、何れを行うかを操作表示部22によって設定可能とされている。なお、図4(B)に示すように、実際に部分画像を回転する際には、部分画像回転処理部34は、当該部分画像が圧縮されている場合には伸張する処理を行ってから回転処理を行う。
【0033】
文書情報生成部36は、各種情報生成部30で生成され、部分画像回転処理部34で回転された部分画像を配置して、予め定めたソフトウエア形式の文書情報を生成する。例えば、マイクロソフト社製の文書作成ソフトウエアの文書情報を生成する。すなわち、原稿画像を読み取ることによって、文書作成ソフトウエア形式の文書情報が自動的に作成される。このとき、原稿画像の向きが分らなくても文字属性の部分画像を判定する際に向きを認識するので、文字属性の部分画像に合わせて他の部分画像を回転することで、正しい向きの文書情報が生成される。なお、写真属性等の部分画像の場合に圧縮する必要がある場合には、文書情報生成部36が圧縮処理を行うが、部分画像回転処理部34で行うようにしてもよい。
【0034】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10において制御部24で行われる処理について説明する。図5は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10で行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【0035】
ステップ100では、読取画像が取得されてステップ102へ移行する。すなわち、画像読取部12が原稿画像を読み取ることで得られる画像情報の取得が読取画像取得部26によって行われる。
【0036】
ステップ102では、原稿画像に含まれる属性の異なる部分画像が抽出されてステップ104へ移行する。すなわち、画像解析部28によって画像情報が解析されて、文字、図形(CG)、線画、写真等の領域が抽出され、情報生成部32によって各部分画像の種類に応じた情報が生成される。
【0037】
ステップ104では、文字属性の部分画像の向きが文字情報生成部32Aによって判定されてステップ106へ移行して、文字属性の部分画像の向き判定結果が部分画像回転処理部34によって取得されてステップ108へ移行する。すなわち、文字情報生成部32Aによって文字属性の部分画像の情報を生成する際に、文字の向きを判定して文字を認識するので、部分画像回転処理部34が文字情報生成部32Aで判定した文字の向きの判定結果を取得する。
【0038】
ステップ108では、画像属性の部分画像の画像情報が取得されてステップ110へ移行する。すなわち、画像属性(例えば、文字属性以外の図形(CG)、線画、写真、表などの属性)の画像情報が部分画像回転処理部34によって取得される。
【0039】
ステップ110では、回転情報付加設定か否かが部分画像回転処理部34によって判定される。該判定は、操作表示部22が予め操作されて回転情報を付加する設定(画像を回転せずに回転させるための情報を付加して表示する際に画像を回転する設定)になっているか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ112へ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。
【0040】
ステップ112では、画像情報に回転情報が付加されてステップ122へ移行する。すなわち、文字属性の部分画像を正しい向きに回転する際の回転方向と回転量とを回転情報として画像情報に付加する。
【0041】
ステップ114では、圧縮画像か否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が肯定された場合にはステップ116へ移行し否定された場合にはステップ118へ移行する。
【0042】
ステップ116では、画像情報が伸張されてステップ118へ移行する。なお、画像情報の伸張は、部分画像回転処理部34で行うようにしてもよいし、情報生成部32で行うようにしてもよい。
【0043】
ステップ118では、画像情報が文字属性の部分画像に合わせて回転されてステップ120へ移行する。なお、文字属性の部分画像が正しい向きで読み取られている場合には、画像情報の回転は0度の回転とし、回転せずに、正しい向きではない場合に回転される。
【0044】
ステップ120では、画像情報が文書情報生成部36によって可逆圧縮されてステップ122へ移行する。なお、可逆圧縮は部分画像回転処理部34で行うようにしてもよい。
【0045】
ステップ122では、文書情報が文書情報生成部36によって生成されて一連処理を終了する。文書情報生成部36は、例えば、マイクロソフト社製の文書作成ソフトウエアの文書情報を生成する。
【0046】
このように、本実施の形態では、文字属性の部分画像を抽出する際に、文字の向きを判定するので、この情報を用いて文字に合わせて画像情報を回転、または回転情報を付与して文書情報を生成することにより、生成された文書情報を表示する際には、読み取った原稿画像が正しい向きに回転されて表示される。
【0047】
また、回転情報付加設定がなされていない場合には、画像情報が予め回転されるので、生成した文書情報を表示する際には、生成された文書情報の表示時に回転情報に応じた回転処理を行う必要がなくなるので、画像情報に回転情報を付加する場合に比べて、表示の際の処理負荷が低減されると共に、表示速度が向上される。
【0048】
また、圧縮された画像情報を表示する際には、伸張してから表示するので非可逆圧縮の場合には伸張することにより画像が劣化するが、本実施の形態では、元画像が圧縮されている場合には伸張してから回転処理を行い、回転処理後には可逆圧縮して文書情報を生成するため文書情報を表示する際には画質劣化が生じることがない。また、文書作成ソフトウエアによっては回転情報に対応していない場合があり、回転情報を画像情報に付加しても表示する際に画像が回転されない場合があるが、本実施の形態では、回転情報付加設定をしない場合には、実画像が回転されてから文書情報性が生成されるので、回転情報に対応してない場合でも正しい向きの画像が表示される。
【0049】
続いて、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10で行われる処理の流れの変形例につて説明する。
【0050】
まず、第1変形例について説明する。図6は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10で行われる処理の第1変形例を示すフローチャートである。
【0051】
ステップ200では、読取画像が取得されてステップ202へ移行する。すなわち、画像読取部12が原稿画像を読み取ることで得られる画像情報の取得が読取画像取得部26によって行われる。
【0052】
ステップ202では、原稿画像に含まれる属性の異なる部分画像が抽出されてステップ204へ移行する。すなわち、画像解析部28によって画像情報が解析されて、文字、図形(CG)、線画、写真等の領域が抽出され、情報生成部32によって各部分画像の種類に応じた情報が生成される。
【0053】
ステップ204では、文字属性の部分画像の向きが文字情報生成部32Aによって判定されてステップ206へ移行して、文字属性の部分画像の向き判定結果が部分画像回転処理部34によって取得されてステップ208へ移行する。すなわち、文字情報生成部32Aによって文字属性の部分画像の情報を生成する際に、文字の向きを判定して文字を認識するので、部分画像回転処理部34が文字情報生成部32Aで判定した文字の向きの判定結果を取得する。
【0054】
ステップ208では、画像属性の部分画像の画像情報が取得されてステップ210へ移行する。すなわち、画像属性(例えば、文字属性以外の図形(CG)、線画、写真、表などの属性)の画像情報が部分画像回転処理部34によって取得される。
【0055】
ステップ210では、回転情報付加設定か否かが部分画像回転処理部34によって判定される。該判定は、操作表示部22が予め操作されて回転情報付加する設定(画像を回転せずに回転させるための情報を付加して表示する際に回転する設定)になっているか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ212へ移行し、否定された場合にはステップ214へ移行する。
【0056】
ステップ212では、画像情報に回転情報が付加されてステップ228へ移行する。すなわち、文字属性の部分画像を正しい向きに回転する際の回転方向と回転量とを回転情報として画像情報に付加する。
【0057】
ステップ214では、圧縮画像か否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が肯定された場合にはステップ216へ移行し否定された場合にはステップ218へ移行する。
【0058】
ステップ216では、画像情報が伸張されてステップ218へ移行する。なお、画像情報の伸張は、部分画像回転処理部34で行うようにしてもよいし、情報生成部32で行うようにしてもよい。
【0059】
ステップ218では、画像情報が文字属性の部分画像に合わせて回転されてステップ220へ移行する。なお、文字属性の部分画像が正しい向きで読み取られている場合には、画像情報の回転は0度の回転とし、回転せずに、正しい向きではない場合に回転される。
【0060】
ステップ220では、元画像が非可逆圧縮であるか否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ222へ移行し、肯定された場合にはステップ224へ移行する。
【0061】
ステップ222では、画像情報が文書情報生成部36によって可逆圧縮されてステップ228へ移行する。なお、可逆圧縮は部分画像回転処理部34で行うようにしてもよい。
【0062】
ステップ224では、カラー画像か否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ222へ移行し、肯定された場合にはステップ226へ移行する。
【0063】
ステップ226では、画像情報が文書情報生成部36によって非可逆圧縮されてステップ228へ移行する。なお、非可逆圧縮は部分画像回転処理部34で行うようにしてもよい。
【0064】
ステップ228では、文書情報が文書情報生成部36によって生成されて一連処理を終了する。文書情報生成部36は、例えば、マイクロソフト社製の文書作成ソフトウエアの文書情報を生成する。
【0065】
このように第1変形例では、上記実施の形態に対して、元画像が非可逆画像で且つカラー画像の場合には、回転処理後に非可逆圧縮として文書情報を生成するようにしている。すなわち、元画像が非可逆圧縮の場合には、可逆圧縮に比べて圧縮率が高いので情報量が大きくなり、カラー画像ではさらに情報量が更に増えるので、このような場合には、非可逆圧縮とすることにより、文書情報の容量が大きくなり過ぎることがなくなる。
【0066】
次に、第2変形例について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10で行われる処理の第2変形例を示すフローチャートである。
【0067】
ステップ300では、読取画像が取得されてステップ302へ移行する。すなわち、画像読取部12が原稿画像を読み取ることで得られる画像情報の取得が読取画像取得部26によって行われる。
【0068】
ステップ302では、原稿画像に含まれる属性の異なる部分画像が抽出されてステップ304へ移行する。すなわち、画像解析部28によって画像情報が解析されて、文字、図形(CG)、線画、写真等の領域が抽出され、情報生成部32によって各部分画像の種類に応じた情報が生成される。
【0069】
ステップ304では、文字属性の部分画像の向きが文字情報生成部32Aによって判定されてステップ306へ移行して、文字属性の部分画像の向き判定結果が部分画像回転処理部34によって取得されてステップ308へ移行する。すなわち、文字情報生成部32Aによって文字属性の部分画像の情報を生成する際に、文字の向きを判定して文字を認識するので、部分画像回転処理部34が文字情報生成部32Aで判定した文字の向きの判定結果を取得する。
【0070】
ステップ308では、画像属性の部分画像の画像情報が取得されてステップ310へ移行する。すなわち、画像属性(例えば、文字属性以外の図形(CG)、線画、写真、表などの属性)の画像情報が部分画像回転処理部34によって取得される。
【0071】
ステップ310では、回転情報付加設定か否かが部分画像回転処理部34によって判定される。該判定は、操作表示部22が予め操作されて回転情報付加する設定(画像を回転せずに回転させるための情報を付加して表示する際に回転する設定)になっているか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ312へ移行し、否定された場合にはステップ314へ移行する。
【0072】
ステップ312では、画像情報に回転情報が付加されてステップ330へ移行する。すなわち、文字属性の部分画像を正しい向きに回転する際の回転方向と回転量とを回転情報として画像情報に付加する。
【0073】
ステップ314では、圧縮画像か否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が肯定された場合にはステップ316へ移行し否定された場合にはステップ318へ移行する。
【0074】
ステップ316では、画像情報が伸張されてステップ318へ移行する。なお、画像情報の伸張は、部分画像回転処理部34で行うようにしてもよいし、情報生成部32で行うようにしてもよい。
【0075】
ステップ318では、画像情報が文字属性の部分画像に合わせて回転されてステップ320へ移行する。なお、文字属性の部分画像が正しい向きで読み取られている場合には、画像情報の回転は0度の回転とし、回転せずに、正しい向きではない場合に回転される。
【0076】
ステップ320では、元画像が非可逆圧縮であるか否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ322へ移行し、肯定された場合にはステップ324へ移行する。
【0077】
ステップ322では、画像情報が文書情報生成部36によって可逆圧縮されてステップ328へ移行する。なお、可逆圧縮は部分画像回転処理部34で行うようにしてもよい。
【0078】
ステップ324では、カラー画像か否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ322へ移行し、肯定された場合にはステップ326へ移行する。
【0079】
ステップ326では、画像サイズが予め定めた閾値より大きいか否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ322へ移行し、肯定された場合にはステップ328へ移行する。
【0080】
ステップ328では、画像情報が文書情報生成部36によって非可逆圧縮されてステップ330へ移行する。なお、非可逆圧縮は部分画像回転処理部34で行うようにしてもよい。
【0081】
ステップ330では、文書情報が文書情報生成部36によって生成されて一連処理を終了する。文書情報生成部36は、例えば、マイクロソフト社製の文書作成ソフトウエアの文書情報を生成する。
【0082】
このように第2変形例では、上記実施の形態に対して、元画像が非可逆画像で且つカラー画像且つ画像サイズが閾値より大きい場合には、回転処理後に非可逆圧縮として文書情報を生成するようにしている。すなわち、第1変形例に対してさらに画像サイズを確認して、閾値より大きい場合に、非可逆圧縮するので、文書情報の容量が大きくなり過ぎることが防止されると共に、閾値より小さい場合には表示する際の画質劣化が抑制される。
【0083】
次に、第3変形例について説明する。図8は、本発明の実施の形態に係わる画像処理装置10で行われる処理の第3変形例を示すフローチャートである。
【0084】
ステップ400では、読取画像が取得されてステップ402へ移行する。すなわち、画像読取部12が原稿画像を読み取ることで得られる画像情報の取得が読取画像取得部26によって行われる。
【0085】
ステップ402では、原稿画像に含まれる属性の異なる部分画像が抽出されてステップ404へ移行する。すなわち、画像解析部28によって画像情報が解析されて、文字、図形(CG)、線画、写真等の領域が抽出され、情報生成部32によって各部分画像の種類に応じた情報が生成される。
【0086】
ステップ404では、文字属性の部分画像の向きが文字情報生成部32Aによって判定されてステップ406へ移行して、文字属性の部分画像の向き判定結果が部分画像回転処理部34によって取得されてステップ408へ移行する。すなわち、文字情報生成部32Aによって文字属性の部分画像の情報を生成する際に、文字の向きを判定して文字を認識するので、部分画像回転処理部34が文字情報生成部32Aで判定した文字の向きの判定結果を取得する。
【0087】
ステップ408では、画像属性の部分画像の画像情報が取得されてステップ410へ移行する。すなわち、画像属性(例えば、文字属性以外の図形(CG)、線画、写真、表などの属性)の画像情報が部分画像回転処理部34によって取得される。
【0088】
ステップ410では、回転情報付加設定か否かが部分画像回転処理部34によって判定される。該判定は、操作表示部22が予め操作されて回転情報付加する設定(画像を回転せずに回転させるための情報を付加して表示する際に回転する設定)になっているか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ412へ移行し、否定された場合にはステップ414へ移行する。
【0089】
ステップ412では、画像情報に回転情報が付加されてステップ432へ移行する。すなわち、文字属性の部分画像を正しい向きに回転する際の回転方向と回転量とを回転情報として画像情報に付加する。
【0090】
ステップ414では、部分画像のうち1つの部分画像に着目されてステップ416へ移行し、圧縮画像か否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が肯定された場合にはステップ418へ移行し否定された場合にはステップ420へ移行する。
【0091】
ステップ418では、画像情報が伸張されてステップ420へ移行する。なお、画像情報の伸張は、部分画像回転処理部34で行うようにしてもよいし、情報生成部32で行うようにしてもよい。
【0092】
ステップ420では、画像情報が文字属性の部分画像に合わせて回転されてステップ422へ移行する。なお、文字属性の部分画像が正しい向きで読み取られている場合には、画像情報の回転は0度の回転とし、回転せずに、正しい向きではない場合に回転される。
【0093】
ステップ422では、元画像が非可逆圧縮であるか否かが部分画像回転処理部34によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ424へ移行し、肯定された場合にはステップ426へ移行する。
【0094】
ステップ424では、画像情報が文書情報生成部36によって可逆圧縮されてステップ430へ移行する。なお、可逆圧縮は部分画像回転処理部34で行うようにしてもよい。
【0095】
ステップ426では、作成中の文書情報サイズが予め定めた閾値より大きいか否かが文書情報生成部36によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ424へ移行し、肯定された場合にはステップ428へ移行する。
【0096】
ステップ428では、画像情報が文書情報生成部36によって非可逆圧縮されてステップ430へ移行する。なお、非可逆圧縮は部分画像回転処理部34で行うようにしてもよい。
【0097】
ステップ430では、全部分画像を注目したか否かが文書情報生成部36によって判定され、該判定が否定された場合にはステップ414へ戻って次の部分画像に注目して上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ432へ移行する。
【0098】
ステップ432では、文書情報が文書情報生成部36によって生成されて一連処理を終了する。文書情報生成部36は、例えば、マイクロソフト社製の文書作成ソフトウエアの文書情報を生成する。
【0099】
このように第3変形例では、上記の実施の形態に対して、元画像が非可逆圧縮で作成中の文書サイズが閾値より大きくなった場合に、回転処理後に非可逆圧縮として文書情報を生成するので、文書情報の容量が大きくなり過ぎることがなくなる。
【0100】
なお、回転処理後に可逆圧縮するか非可逆圧縮するかの条件は、上記の第1〜3変形例の他に、操作表示部22によって予め設定可能として、設定に応じて圧縮するようにしてもよい。
【0101】
また、上記の実施形態及び各変形例で行われる処理(図5〜8)は、制御部24が画像処理部16を制御することによって行われる処理の流れとしてもよいし、制御部24に予め記憶されたプログラムを実行することによって行われる処理としてもよい。
【符号の説明】
【0102】
10 画像処理装置
12 画像読取部
16 画像処理部
22 操作表示部
24 制御部
26 読取画像情報取得部
28 画像解析部
30 部分画像種類判定部
32 各種情報生成部
34 部分画像回転処理部
36 文書情報生成部
図1
図2
図5
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図7
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図4