特許第5740934号(P5740934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5740934被写体検出装置、被写体検出方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740934
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】被写体検出装置、被写体検出方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20150611BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20150611BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20150611BHJP
【FI】
   H04N5/232 Z
   G03B15/00 Q
   G06T1/00 340A
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2010-261950(P2010-261950)
(22)【出願日】2010年11月25日
(65)【公開番号】特開2012-114678(P2012-114678A)
(43)【公開日】2012年6月14日
【審査請求日】2013年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島田 敬輔
【審査官】 榎 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−061219(JP,A)
【文献】 特開2008−113071(JP,A)
【文献】 特開2010−009425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222〜257
G03B 15/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム画像を逐次取得する取得手段と、
前記取得手段により逐次取得された複数のフレーム画像に対し複数種の識別情報の各々を照合することで、複数の被写体画像検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された複数の被写体画像の中から、前記複数種の識別情報による照合対象の複数のフレーム数の前記被写体画像の位置、及び/又は、サイズの情報を統合する統合手段と、
前記統合手段による統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報と当該統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報とは異なる時点で前記統合手段により統合された位置、及び/又は、サイズの情報との間の変化の度合いを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記変化の度合いに基づいて、前記統合手段による統合対象の前記複数のフレーム数を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする被写体検出装置。
【請求項2】
前記算出手段により算出された前記変化の度合いが所定の閾値以上であるか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記制御手段は、更に、
前記判定手段により前記変化の度合いが所定の閾値以上であると判定された場合に、前記統合手段による統合対象の前記複数のフレーム数を減少させるよう制御することを特徴とする請求項に記載の被写体検出装置。
【請求項3】
前記統合手段は、前記所定フレーム数毎に被写体画像のデータを統合し、
前記算出手段は、前記統合手段により前記複数のフレーム数毎の統合結果どうしにおける被写体画像の変化度合いを逐次算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の被写体検出装置。
【請求項4】
前記取得手段により逐次取得されたフレーム画像に対応するライブビュー画像を表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、
前記第1の表示制御手段により前記表示手段に表示されたライブビュー画像における前記統合手段による統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報に対応する位置に前記被写体の識別情報を表示させる第2の表示制御手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の被写体検出装置。
【請求項5】
前記被写体画像を識別表示するための前記識別情報を設定する設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の被写体検出装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記識別情報として、前記被写体画像に重畳して表示される所定の検出枠を設定することを特徴とする請求項5に記載の被写体検出装置。
【請求項7】
前記フレーム画像は、撮像画像から生成された画像であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の被写体検出装置。
【請求項8】
被写体検出装置を用いた被写体検出方法であって、
フレーム画像を逐次取得するステップと、
逐次取得された複数のフレーム画像に対し複数種の識別情報の各々を照合することで、複数の被写体画像検出するステップと、
検出された複数の被写体画像の中から、前記複数種の識別情報による照合対象の複数のフレーム数の前記被写体画像の位置、及び/又は、サイズの情報を統合する統合ステップと、
統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報と当該統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報とは異なる時点で統合された位置、及び/又は、サイズの情報との間の変化の度合いを算出するステップと、
算出された前記変化の度合いに基づいて、前記統合ステップによる統合対象の前記複数のフレーム数を制御するステップと、
を含むことを特徴とする被写体検出方法。
【請求項9】
コンピュータを、
フレーム画像を逐次取得する取得手段、
前記取得手段により逐次取得された複数のフレーム画像に対し複数種の識別情報の各々を照合することで、複数被写体画像検出する検出手段、
前記検出手段により検出された複数の被写体画像の中から、前記複数種の識別情報による照合対象の複数のフレーム数の前記被写体画像の位置、及び/又は、サイズの情報を統合する統合手段、
前記統合手段による統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報と当該統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報とは異なる時点で前記統合手段により統合された位置、及び/又は、サイズの情報との間の変化の度合いを算出する算出手段、
前記算出手段により算出された前記変化の度合いに基づいて、前記統合手段による統合対象の前記複数のフレーム数を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体検出装置、被写体検出方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、顔検出対象となるフレームに対して、縮小処理を行いながら顔検出処理を施して、それぞれの顔検出の結果から顔の確度値の高いデータの平均値をとることにより、顔検出をより正確に行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−110486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術を動きのある被写体の検出に適用すると、顔の確度値の高い領域が複数検出されてしまい、その結果、顔検出枠が複数設定されたり当該顔検出枠が本来の顔の位置からずれてしまうといった問題が生じる虞があった。
【0005】
そこで、本願発明の課題は、動きのある被写体であってもフレーム画像から被写体画像を精度良く検出することができる被写体検出装置、被写体検出方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の被写体検出装置は、
フレーム画像を逐次取得する取得手段と、前記取得手段により逐次取得された複数のフレーム画像に対し複数種の識別情報の各々を照合することで、複数の被写体画像検出する検出手段と、前記検出手段により検出された複数の被写体画像の中から、前記複数種の識別情報による照合対象の複数のフレーム数の前記被写体画像の位置、及び/又は、サイズの情報を統合する統合手段と、前記統合手段による統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報と当該統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報とは異なる時点で前記統合手段により統合された位置、及び/又は、サイズの情報との間の変化の度合いを算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記変化の度合いに基づいて、前記統合手段による統合対象の前記複数のフレーム数を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の被写体検出装置において、
前記算出手段により算出された前記変化の度合いが所定の閾値以上であるか否かを判定する判定手段を更に備え、前記制御手段は、更に、前記判定手段により前記変化の度合いが所定の閾値以上であると判定された場合に、前記統合手段による統合対象の前記複数のフレーム数を減少させるよう制御することを特徴としている。
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の被写体検出装置において、
前記統合手段は、前記所定フレーム数毎に被写体画像のデータを統合し、前記算出手段は、前記統合手段により前記複数のフレーム数毎の統合結果どうしにおける被写体画像の変化度合いを逐次算出することを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の被写体検出装置において、
前記取得手段により逐次取得されたフレーム画像に対応するライブビュー画像を表示手段に表示させる第1の表示制御手段と、前記第1の表示制御手段により前記表示手段に表示されたライブビュー画像における前記統合手段による統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報に対応する位置に前記被写体の識別情報を表示させる第2の表示制御手段と、を更に備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の被写体検出装置において、
前記被写体画像を識別表示するための前記識別情報を設定する設定手段を更に備えることを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の被写体検出装置において、
前記設定手段は、前記識別情報として、前記被写体画像に重畳して表示される所定の検出枠を設定することを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の被写体検出装置において、
前記フレーム画像は、撮像画像から生成された画像であることを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明の被写体検出方法は、
被写体検出装置を用いた被写体検出方法であって、フレーム画像を逐次取得するステップと、逐次取得された複数のフレーム画像に対し複数種の識別情報の各々を照合することで、複数の被写体画像検出するステップと、検出された複数の被写体画像の中から、前記複数種の識別情報による照合対象の複数のフレーム数の前記被写体画像の位置、及び/又は、サイズの情報を統合する統合ステップと、統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報と当該統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報とは異なる時点で統合された位置、及び/又は、サイズの情報との間の変化の度合いを算出するステップと、算出された前記変化の度合いに基づいて、前記統合ステップによる統合対象の前記複数のフレーム数を制御するステップと、を含むことを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明のプログラムは、
コンピュータを、フレーム画像を逐次取得する取得手段、前記取得手段により逐次取得された複数のフレーム画像に対し複数種の識別情報の各々を照合することで、複数被写体画像検出する検出手段、前記検出手段により検出された複数の被写体画像の中から、前記複数種の識別情報による照合対象の複数のフレーム数の前記被写体画像の位置、及び/又は、サイズの情報を統合する統合手段、前記統合手段による統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報と当該統合結果の位置、及び/又は、サイズの情報とは異なる時点で前記統合手段により統合された位置、及び/又は、サイズの情報との間の変化の度合いを算出する算出手段、前記算出手段により算出された前記変化の度合いに基づいて、前記統合手段による統合対象の前記複数のフレーム数を制御する制御手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、動きのある被写体であってもフレーム画像から被写体画像を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明を適用した一実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図1の撮像装置による被写体検出処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
図3図2の被写体検出処理の続きを示すフローチャートである。
図4図2の被写体検出処理に係る検出結果情報及び統合結果情報の一例を模式的に示す図である。
図5図2の被写体検出処理に係る画像の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0018】
本実施形態の撮像装置100は、所定数のフレーム画像の各々から検出された所定フレーム数の被写体画像のデータをまとめることにより、当該所定フレーム数の被写体画像を代表する代表画像データを生成し、この代表画像データの生成に用いられた一の被写体画像のデータの当該代表画像データに対する変化の度合いを算出する。そして、撮像装置100は、算出された変化の度合いに基づいて、代表画像データの生成に用いられる被写体画像のデータのフレーム数を制御する。
図1に示すように、撮像装置100は、具体的には、撮像部1と、撮像制御部2と、画像データ生成部3と、メモリ4と、画像処理部5と、識別情報設定部6と、記録媒体制御部7と、表示制御部8と、表示部9と、操作入力部10と、中央制御部11とを備えている。
【0019】
撮像部1は、撮像手段として、被写体を撮像してフレーム画像Fを生成する。具体的には、撮像部1は、レンズ部1aと、電子撮像部1bとを備えている。
【0020】
レンズ部1aは、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部1bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成され、レンズ部1aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
なお、図示は省略するが、撮像部1は、レンズ部1aを通過する光の量を調整する絞りを備えていても良い。
【0021】
撮像制御部2は、撮像部1による被写体の撮像を制御する。即ち、撮像制御部2は、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、撮像制御部2は、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部1bを走査駆動して、所定周期毎に光学像を電子撮像部1bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部1bの撮像領域から1画面分ずつフレーム画像Fを読み出して画像データ生成部3に出力させる。
また、撮像制御部2は、AF(自動合焦処理)、AE(自動露出処理)、AWB(自動ホワイトバランス)等の被写体の撮像条件の調整制御を行う。
【0022】
画像データ生成部3は、電子撮像部1bから転送されたフレーム画像Fのアナログ値の信号に対してRGBの各色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。
また、画像データ生成部3は、生成したフレーム画像FのYUVデータを水平及び垂直ともに所定倍率で縮小処理を行って、ライブビュー表示用の低解像度(例えば、VGAやQVGAサイズ等)の画像データを生成する。具体的には、画像データ生成部3は、表示部9によるライブビュー画像の所定の表示フレームレートに応じた所定のタイミングで、フレーム画像FのYUVデータからライブビュー表示用の低解像度の画像データを生成する。
カラープロセス回路から出力されるYUVデータは、図示しないDMAコントローラを介して、バッファメモリとして使用されるメモリ4にDMA転送される。
【0023】
メモリ4は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、画像データ生成部3、画像処理部5、識別情報設定部6、中央制御部11等によって処理されるデータ等を一時記憶する。具体的には、メモリ4は、画像データ生成部3により生成された所定フレーム数分のフレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データを一時記憶する。
また、メモリ4は、第1結果格納部4aと、第2結果格納部4bとを具備している。
【0024】
第1結果格納部4aは、検出結果情報L1(図4(a)参照)を一時的に格納する。
検出結果情報L1は、例えば、図4(a)に示すように、画像処理部5の被写体検出部5b(後述)により検出された被写体画像S(例えば、顔画像)の画像データがフレーム毎に対応付けられた情報である。具体的には、検出結果情報L1は、被写体検出部5bによる処理対象となるフレーム画像Fの処理順に、各フレームに対応するカラムに被写体画像Sの画像データをリスト形式で記憶している。
例えば、図4(a)に示す検出結果情報L1にあっては、被写体検出部5bによる処理対象が一番目〜三番目のフレーム画像F1〜F3では、被写体画像Sが検出されず、処理対象が四番目のフレーム画像F4で初めて被写体画像Sが検出されたことを表している。また、処理対象が四番目のフレーム画像F4からは、被写体画像Sとして正面から見た顔画像が検出され、処理対象が五番目及び六番目のフレーム画像F5、F6からは、被写体画像Sとして横向きの顔画像が検出されたことを表している。そして、処理対象が七番目のフレーム画像F7では、被写体画像Sが検出されなくなった(見失った)ことを表している。処理対象が八番目以降のフレーム画像Fについても同様であり、その図示は省略している。
【0025】
なお、図4(a)には、被写体画像Sとして顔画像を模式的に表しているが、被写体画像Sの画像データの具体的なデータとしては、例えば、被写体検出部5bにより生成された各検出候補領域の画像データが記憶される。
また、被写体画像Sの数を一つとしているが、一例であってこれに限られるものではなく、処理対象のフレーム画像F内から複数の被写体画像S、…が検出された場合には、全ての被写体画像Sの画像データが記憶される。
【0026】
第2結果格納部4bは、統合結果情報L2(図4(b)参照)を一時的に格納する。
統合結果情報L2は、例えば、図4(b)に示すように、画像処理部5の代表画像生成部5c(後述)により生成された代表画像データDがフレーム毎に対応付けられた情報である。具体的には、統合結果情報L2は、代表画像生成部5cによる代表画像データDの生成順に、各カラムに代表画像データDをリスト形式で記憶している。
例えば、図4(b)に示す統合結果情報L2にあっては、時系列に沿って四番目のカラムに、被写体検出部5bによる処理対象が一番目〜四番目のフレーム画像F1〜F4から検出された被写体画像Sを統合した代表画像データD4、即ち、四番目のフレーム画像F4で初めて検出された被写体画像Sの画像データから生成された代表画像データD4が記憶されている。また、五番目のカラムに、被写体検出部5bによる処理対象がニ番目〜五番目のフレーム画像F2〜F5から検出された被写体画像Sを統合した代表画像データD5、即ち、四番目と五番目のフレーム画像F4、F5で検出された二つの被写体画像Sの画像データから生成された代表画像データD5が記憶されている。また、六番目のカラムには、フレーム数制御部5gによる代表画像データDの生成に用いられるフレーム数の変更後、被写体検出部5bによる処理対象が五番目と六番目のフレーム画像F5、F6から検出された被写体画像Sを統合した代表画像データDが記憶されている。七番目以降のカラムについても同様であり、その図示は省略している。
【0027】
なお、図4(b)には、代表画像データDの生成に係る被写体画像Sとして顔画像を模式的に表しているが、代表画像データDの具体的なデータとしては、例えば、代表画像生成部5cにより生成された各フレーム毎の統合データCをまとめた形態のデータが記憶される。
【0028】
画像処理部5は、画像取得部5aと、被写体検出部5bと、代表画像生成部5cと、類似画像特定部5dと、変化度合算出部5eと、判定部5fと、フレーム数制御部5gとを具備している。
【0029】
画像取得部5aは、フレーム画像Fを逐次取得する。
即ち、画像取得部5aは、画像データ生成部3により表示フレームレートに応じた所定のタイミングで生成されたフレーム画像F(例えば、フレーム画像F1〜F7等)のライブビュー表示用の画像データをメモリ4から逐次取得する。
ここで、画像取得部5aは、フレーム画像Fを逐次取得する取得手段を構成している。
【0030】
被写体検出部5bは、フレーム画像Fから被写体画像Sを検出する。
即ち、被写体検出部5bは、画像取得部5aにより逐次取得された各フレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データの各々に対して、例えば、顔検出処理、エッジ検出処理、特徴抽出処理等の各種画像処理を施して、所定の被写体が含まれる被写体画像Sを検出する(図4(a)参照)。具体的には、被写体検出部5bは、例えば、画像取得部5aにより所定のタイミングで取得された一のフレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データから、特定の被写体画像Sの候補領域として、所定サイズ(例えば、24×24画素)の検出候補領域を複数生成する。そして、被写体検出部5bは、例えば、各検出候補領域の画像データと所定の基準画像の画像データとの類似度をadaboost(アダブースト)出力計算を用いて算出し、算出された類似度が所定の閾値以上である検出候補領域の画像データを被写体画像Sの画像データとして検出する。
このとき、被写体検出部5bは、代表画像データDを用いて被写体の検出を行う。即ち、被写体検出部5bは、代表画像生成部5cにより生成された代表画像データDを基準として、処理対象のフレーム画像Fよりも前のフレーム画像Fから検出された被写体画像Sの位置やサイズ等を考慮して被写体画像Sの検出を行う。
【0031】
また、被写体検出部5bは、画像取得部5aにより逐次取得される各フレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データの各々に対する、例えば、顔検出処理、エッジ検出処理、特徴抽出処理等の各種画像処理の基準をフレーム毎に変更して、当該各種画像処理を施す。具体的には、被写体検出部5bは、例えば、顔検出処理を行う場合、フレーム毎に所定の基準画像の角度、検出領域の位置やサイズ、顔の表情、人種、性別、年齢等の基準を異ならせる。
そして、被写体検出部5bは、検出した被写体画像Sの画像データをメモリ4に転送して、第1結果格納部4aに検出結果情報L1として格納させる。
【0032】
なお、被写体検出部5bによる被写体画像Sの検出方法は、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
また、所定の基準画像の画像データは、例えば、画像処理部5の一時記憶手段(図示略)に記憶された情報であり、検出候補領域について被写体画像Sであるか否かを判定するための各種の識別用情報である。識別用情報としては、例えば、「ヒトの顔」や「動物」などの形状を基準とするものや、明度や彩度が高く鮮やかな(派手な)色合いであるか否かや肌色であるか否かなどの色調を基準とするものや、画角全体の画像に対する割合(例えば、半分以上であるか)などの大きさを基準とするもの等が挙げられる。
また、顔検出処理やエッジ検出処理や特徴抽出処理は、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
このように、被写体検出部5bは、画像取得部5aにより逐次取得されたフレーム画像Fから被写体画像Sをそれぞれ検出する検出手段を構成している。
【0033】
代表画像生成部5cは、所定フレーム数の被写体画像Sの画像データから代表画像データDを生成する。
即ち、代表画像生成部5cは、所定数のフレーム画像Fから検出された所定フレーム数の被写体画像Sの画像データを統合して、当該画像データを代表する代表画像データDを生成する。具体的には、代表画像生成部5cは、フレーム数制御部5gにより決定されたフレーム数に従って、最も新しいフレーム画像F(被写体検出部5bによる被写体検出の処理対象のフレーム画像F)を含む当該フレーム数分のフレーム画像Fの各々から被写体検出部5bにより検出された所定フレーム数の被写体画像Sの画像データを所定の統合方法に従って統合する。
ここで、被写体画像Sの画像データの統合方法としては、例えば、各フレーム毎に被写体検出部5bにより検出された検出候補領域(被写体画像S)の画像データに基づいて所定の演算を行って、各フレーム内の被写体画像Sの位置やサイズを規定する統合データCを生成し、当該統合データCを所定フレーム数分(例えば、4フレームや2フレーム等)まとめることで代表画像データD(例えば、代表画像データD4〜D6等)を生成する方法が挙げられる。なお、当該方法は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
そして、代表画像生成部5cは、生成した代表画像データDをメモリ4に転送して、第2結果格納部4bに統合結果情報L2として格納させる。
ここで、代表画像生成部5cは、被写体検出部5bにより夫々検出された被写体画像Sの中から、所定フレーム数の被写体画像Sの画像データをまとめることにより、所定フレーム数の被写体画像Sを代表する代表画像データDを生成する生成手段を構成している。
【0034】
類似画像特定部5dは、被写体画像Sの画像データに類似する類似画像Rの画像データを特定する。
即ち、類似画像特定部5dは、代表画像生成部5cによる各代表画像データDの生成に用いられた所定フレーム数の被写体画像Sの画像データの中で、処理対象となる一の被写体画像S(最も新しいフレーム画像Fから検出された被写体画像S)の画像データと類似する類似画像Rの画像データを所定の特定方法に従って特定する。具体的には、類似画像特定部5dは、各代表画像データDの生成に用いられた処理対象の被写体画像Sの画像データを含む所定フレーム数の被写体画像Sの画像データの中で、当該処理対象の被写体画像Sの画像データに係るフレーム画像F(例えば、フレーム画像Fn+1;図5(b)参照)よりも所定フレーム(例えば、一フレーム等)前に生成された他のフレーム画像F(例えば、フレーム画像Fn;図5(a)参照)から検出された他の被写体画像Sの画像データに対応する統合データCを類似画像Rの画像データとして検索する。例えば、類似画像特定部5dは、メモリ4の第2結果格納部4bに格納されている統合結果情報L2を参照して、他のフレーム画像F(例えば、フレーム画像Fn等)から検出された他の被写体画像Sの画像データに対応する統合データCの中で、処理対象の被写体画像Sの統合データCと類似する類似画像Rの画像データを特定する。
ここで、類似画像Rの画像データの特定方法としては、例えば、処理対象の被写体画像Sの統合データCをテンプレートとするテンプレートマッチングや、当該処理対象の被写体画像Sの統合データCと重複する面積が最も大きい被写体画像Sの統合データCを特定する方法や、当該処理対象の被写体画像Sの統合データCの所定位置から最も近距離にある被写体画像Sの統合データCを特定する方法や、当該処理対象の被写体画像Sの統合データCのサイズと最も近いサイズの被写体画像Sの統合データCを特定する方法等が挙げられる。
なお、類似画像Rの画像データを、例えば、処理対象の被写体画像Sの画像データに係るフレーム画像F(例えば、フレーム画像Fn+1等)よりも一フレーム前に生成された他のフレーム画像Fnから検出された他の被写体画像Sの画像データの中から特定するようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、当該処理対象の被写体画像Sの画像データを含む所定フレーム数の被写体画像Sの画像データの中から特定すれば良い。
【0035】
このように、類似画像特定部5dは、代表画像データDの生成に用いられた所定フレーム数の被写体画像Sのデータの中で、当該代表画像データDの生成に用いられた一の被写体画像Sのデータと類似する類似画像Rのデータを特定する特定手段を構成している。
【0036】
変化度合算出部5eは、処理対象の被写体画像Sの画像データの当該代表画像データDに対する変化の度合いを算出する。
即ち、変化度合算出部5eは、代表画像生成部5cによる各代表画像データDの生成に用いられた処理対象の被写体画像Sの画像データの当該代表画像データDに対する変化の度合いを算出する。具体的には、変化度合算出部5eは、処理対象の被写体画像Sの画像データの類似画像特定部5dにより特定された類似画像Rの画像データに対する変化の度合いを算出する。
例えば、変化度合算出部5eは、処理対象の被写体画像Sの画像データに対応する統合データCと、類似画像Rの画像データとして特定された被写体画像Sの統合データCとを比較して、処理対象の被写体画像Sの統合データCにより規定される被写体画像Sの位置やサイズ等の類似画像Rの画像データに対する変化の度合い(ブレ度合い)を所定の演算式に従って算出する。ここで、変化度合算出部5eによる変化の度合いの算出は、統合結果情報L2の処理対象である各代表画像データDに規定されている複数の被写体画像Sの各々に対して行われる。そして、変化度合算出部5eは、複数の被写体画像Sに各々に対して算出された変化の度合いの中で、最も大きい値を当該処理対象の代表画像データDにおける変化の度合いとして特定する。
ここで、変化度合算出部5eは、代表画像生成部5cにより代表画像データDの生成に用いられた一の被写体画像Sのデータの当該代表画像データDに対する変化の度合いを算出する算出手段を構成している。
【0037】
判定部5fは、変化度合算出部5eにより算出された変化の度合いが所定の閾値以上であるか否かを判定する。
即ち、判定部5fは、変化度合算出部5eにより算出された処理対象である代表画像データDにおける一の被写体画像Sの画像データの当該代表画像データDに対する変化の度合いが所定の閾値以上であるか否かを判定する。具体的には、判定部5fは、処理対象の被写体画像Sの画像データの類似画像特定部5dにより特定された類似画像Rの画像データに対する変化の度合いが所定の閾値以上であるか否かを判定する。
ここで、判定部5fは、変化度合算出部5eにより算出された変化の度合いが所定の閾値以上であるか否かを判定する判定手段を構成している。
【0038】
フレーム数制御部5gは、代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を制御する。
即ち、フレーム数制御部5gは、変化度合算出部5eにより算出された処理対象の被写体画像Sの画像データの当該代表画像データDに対する変化の度合いに基づいて、代表画像生成部5cによる代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を制御する。つまり、フレーム数制御部5gは、処理対象の代表画像データDよりも後に代表画像生成部5cにより生成される代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を制御する。具体的には、フレーム数制御部5gは、判定部5fにより処理対象の被写体画像Sの画像データの代表画像データDに対する変化の度合いが所定の閾値以上であると判定された場合に、当該代表画像データDよりも後に代表画像生成部5cにより生成される代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を所定の基準フレーム数(例えば、4フレーム等)から減少させるように制御する。例えば、フレーム数制御部5gは、処理対象の代表画像データD(例えば、代表画像データD5等)よりも後の代表画像データD(例えば、代表画像データD6等)の生成にて、統合される被写体画像Sの画像データのフレーム数を所定の基準フレーム数(例えば、4フレーム等)から減少させたフレーム数(例えば、2フレーム等)とする。
【0039】
なお、代表画像データDの生成に係る基準フレーム数として、例えば、4フレームを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。また、基準フレーム数から減少させたフレーム数として、例えば、2フレームを例示したが、同様に、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
このように、フレーム数制御部5gは、変化度合算出部5eにより算出された変化の度合いに基づいて、代表画像生成部5cによる代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sのデータのフレーム数を制御する制御手段を構成している。
【0040】
識別情報設定部6は、被写体画像Sを識別表示するための識別情報を設定する。
即ち、識別情報設定部6は、被写体検出部5bにより検出された被写体画像Sを識別表示するための識別情報を設定する。具体的には、識別情報設定部6は、被写体検出部5bにより代表画像データDを基準として検出された被写体画像Sを識別表示する識別情報として、当該被写体画像Sの画像領域の縁部に重畳して表示部9に表示される検出枠W(図5(c)参照)を設定する。
なお、被写体画像Sの識別情報として、被写体画像Sの画像領域の縁部に重畳して表示される検出枠Wを例示したが、一例であってこれに限られるものではなく、所定の識別標識など当該被写体画像Sを識別表示するものであれば適宜任意に変更可能である。
ここで、識別情報設定部6は、代表画像生成部5cにより生成された代表画像データDに対応する被写体画像Sを識別表示するための識別情報を設定する設定手段を構成している。
【0041】
記録媒体制御部7は、記録媒体Mが着脱自在に構成され、装着された記録媒体Mからのデータの読み出しや記録媒体Mに対するデータの書き込みを制御する。
即ち、記録媒体制御部7は、画像処理部5の符号化部(図示略)により所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式等)で符号化された記録用の画像データを記録媒体Mに記録させる。
なお、記録媒体Mは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されるが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0042】
表示制御部8は、メモリ4に一時的に記憶されている表示用の画像データを読み出して表示部9に表示させる制御を行う。
具体的には、表示制御部8は、VRAM(Video Random Access Memory)、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなどを備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、中央制御部11の制御下にてメモリ4から読み出されてVRAM(図示略)に記憶されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから定期的に読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部9に出力する。
【0043】
表示部9は、例えば、液晶表示パネルであり、表示制御部8からのビデオ信号に基づいて電子撮像部1bにより撮像された画像などを表示画面に表示する。具体的には、表示部9は、静止画撮像モードや動画撮像モードにて、撮像部1及び撮像制御部2による被写体の撮像により生成された複数のフレーム画像Fを所定の表示フレームレートで逐次更新しながらライブビュー画像を表示する。また、表示部9は、静止画として記録される画像のレックビュー画像を表示したり、動画として記録中の画像を表示する。
【0044】
操作入力部10は、当該撮像装置100の所定操作を行うためのものである。具体的には、操作入力部10は、被写体の撮像指示に係るシャッタボタン10a(図5(c)参照)、撮像モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン10b(図5(c)参照)、ズーム量の調整指示に係るズームボタン(図示略)等を備え、これらのボタンの操作に応じて所定の操作信号を中央制御部11に出力する。
【0045】
中央制御部11は、撮像装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部11は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、撮像装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0046】
次に、撮像装置100による被写体検出処理について、図2図5を参照して説明する。
図2及び図3は、被写体検出処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、図4は、検出結果情報L1及び統合結果情報L2の一例を模式的に示す図である。また、図5は、被写体検出処理に係る画像の一例を模式的に示す図である。
なお、以下に説明する被写体検出処理は、ユーザによる操作入力部10の所定操作に基づいて被写体検出モードが設定されている場合に、中央制御部11の制御下にて実行される処理である。また、以下の説明にあっては、フレーム画像F(例えば、フレーム画像Fn、フレーム画像Fn+1等)内に顔画像(被写体画像)が含まれているフレーム画像Fを用いるものとする。
【0047】
図2に示すように、先ず、画像処理部5のフレーム数制御部5gは、代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を基準フレーム数(例えば、4フレーム等)に設定する(ステップS1)。
次に、中央制御部11は、メモリ4の第1結果格納部4a及び第2結果格納部4bに格納されている各種の情報、即ち、以前の被写体検出処理にて格納されている検出結果情報L1や統合結果情報L2等をクリアして初期化する(ステップS2)。
【0048】
続けて、中央制御部11は、撮像部1による被写体の撮像により画像データ生成部3により逐次生成されたフレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データをメモリ4に逐次格納して一時記憶させる(ステップS3)。
次に、画像処理部5の画像取得部5aは、表示部9による表示フレームレートに応じた所定のタイミングで、処理対象となる一のフレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データをメモリ4から取得する(ステップS4)。
【0049】
次に、被写体検出部5bは、画像取得部5aにより逐次取得された処理対象のフレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データの各々に対して、例えば、顔検出処理、エッジ検出処理、特徴抽出処理等の各種画像処理を施して、所定の被写体が含まれる被写体画像Sを検出する(ステップS5)。
具体的には、被写体検出部5bは、例えば、処理対象の一のフレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データから、特定の被写体画像Sの候補領域として、所定サイズ(例えば、24×24画素)の検出候補領域を複数生成する。そして、被写体検出部5bは、例えば、各検出候補領域の画像データと所定の基準画像の画像データとの類似度をadaboost(アダブースト)出力計算を用いて算出し、算出された類似度が所定の閾値以上である検出候補領域の画像データを被写体画像Sの画像データとして検出する。
そして、被写体検出部5bは、検出した被写体画像Sの画像データをメモリ4に転送して、第1結果格納部4aに検出結果情報L1として格納させる。
【0050】
次に、被写体検出部5bは、所定フレーム数(例えば、基準フレーム数)分のフレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データに対して各種画像処理を施して被写体画像Sの検出を行ったか否かを判定する(ステップS6)。
ここで、所定フレーム数分のフレーム画像Fに対して被写体画像Sの検出を行っていないと判定されると(ステップS6;NO)、中央制御部11は、処理をステップS4に移行して、画像取得部5aは、処理対象となる次のフレーム画像Fのライブビュー表示用の画像データをメモリ4から取得する(ステップS4)。その後、中央制御部11は、ステップS5以降の各処理を上記と同様にして実行する。
【0051】
一方、ステップS6にて、所定フレーム数分のフレーム画像Fに対して被写体画像Sの検出を行ったと判定されると(ステップS6;YES)、代表画像生成部5cは、所定数のフレーム画像Fから検出された所定フレーム数の被写体画像Sの画像データを統合して、当該画像データを代表する代表画像データD(例えば、代表画像データD4、D5等)を生成する(ステップS7)。
具体的には、代表画像生成部5cは、基準フレーム数分のフレーム画像F(例えば、フレーム画像F1〜F4等)の各々から被写体検出部5bにより検出された所定フレーム数の被写体画像S(検出候補領域)の画像データに基づいて、各フレーム毎に所定の演算を行って各フレーム内の被写体画像Sの位置やサイズを規定する統合データCを生成し、当該統合データCを所定フレーム数分(例えば、4フレーム等)まとめることで代表画像データD(例えば、代表画像データD4等)を生成する。
その後、識別情報設定部6は、被写体検出部5bにより検出された被写体画像Sの画像領域の縁部に重畳表示される検出枠Wを設定して、当該検出枠Wの表示制御に係る指示信号を表示制御部8に出力する。
【0052】
続けて、類似画像特定部5dは、代表画像データDの生成に用いられた所定フレーム数の被写体画像Sの画像データの中で、処理対象である最も新しく検出された被写体画像Sの画像データと類似する類似画像Rの画像データを検索する(ステップS8)。
具体的には、類似画像特定部5dは、メモリ4の第2結果格納部4bに格納されている統合結果情報L2を参照して、処理対象の被写体画像Sの画像データに係るフレーム画像F(例えば、フレーム画像Fn+1)よりも所定フレーム(例えば、一フレーム等)前に生成された他のフレーム画像F(例えば、フレーム画像Fn)から検出された他の被写体画像Sの画像データに対応する統合データCの中で、処理対象の被写体画像Sの統合データCと類似する類似画像Rの画像データを検索する。
次に、類似画像特定部5dは、類似画像Rの画像データの検索結果に基づいて、当該類似画像Rの画像データが特定されたか否かを判定する(ステップS9)。
【0053】
図3に示すように、ステップS9にて、類似画像Rの画像データが特定されたと判定されると(ステップS9;YES)、変化度合算出部5eは、処理対象の代表画像データDに係る被写体画像Sの画像データの類似画像特定部5dにより特定された類似画像Rの画像データに対する変化の度合いを算出する(ステップS10)。具体的には、変化度合算出部5eは、被写体画像Sの画像データに対応する統合データCと、類似画像Rの画像データとして特定された被写体画像Sの統合データCとを比較して、被写体画像Sの統合データCにより規定される被写体画像Sの位置やサイズ等の類似画像Rの画像データに対する変化の度合い(ブレ度合い)を所定の演算式に従って算出する。
一方、ステップS9にて、類似画像Rの画像データが特定されていないと判定されると(ステップS9;NO)、中央制御部11は、処理をステップS4に移行して、それ以降の各処理を上記と同様にして実行する。
【0054】
続けて、判定部5fは、処理対象の代表画像データDに係る被写体画像Sの画像データの類似画像Rの画像データに対する変化の度合いが所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS11)。
ここで、変化の度合いが所定の閾値以上であると判定されると(ステップS11;YES)、フレーム数制御部5gは、処理対象の代表画像データDよりも後の代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を所定の基準フレーム数(例えば、4フレーム等)から減少させるように制御する(ステップS12)。例えば、フレーム数制御部5gは、処理対象の代表画像データD(例えば、代表画像データD5等)よりも後の代表画像データD(例えば、代表画像データD6等)の生成にて、統合される被写体画像Sの画像データのフレーム数を所定の基準フレーム数から減少させたフレーム数(例えば、2フレーム等)とする。
一方、ステップS11にて、変化の度合いが所定の閾値以上でないと判定されると(ステップS11;NO)、中央制御部11は、ステップS12の処理をスキップする。
【0055】
その後、中央制御部11は、被写体検出処理の終了指示が入力されたか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、中央制御部11は、例えば、ユーザによる操作入力部10のシャッタボタン10aの所定操作(例えば、全押し操作等)に基づいて被写体の撮像指示が入力されたか否かや、選択決定ボタン10bの所定操作に基づいて被写体検出モードとは異なるモードが設定されたか否か等に応じて、被写体検出処理の終了指示が入力されたか否かを判定する。
ここで、被写体検出処理の終了指示が入力されていないと判定されると(ステップS13;NO)、中央制御部11は、処理をステップS4に移行して、それ以降の各処理を上記と同様にして実行する。
一方、ステップS13にて、被写体検出処理の終了指示が入力されたと判定されると(ステップS13;YES)、中央制御部11は、被写体検出処理を終了する。
【0056】
以上のように、本実施形態の撮像装置100によれば、撮像された画像から生成された所定数のフレーム画像Fの各々から検出された所定フレーム数の被写体画像Sの画像データをまとめることにより、所定フレーム数の被写体画像を代表する代表画像データDを生成し、この代表画像データDの生成に用いられた一の被写体画像Sの画像データの当該代表画像データDに対する変化の度合いを算出する。具体的には、撮像装置100は、代表画像データDの生成に用いられた所定フレーム数の被写体画像Sの画像データの中で、当該代表画像データDの生成に用いられた一の被写体画像Sの画像データと類似する類似画像Rの画像データを特定し、一の被写体画像Sの画像データの類似画像Rの画像データに対する変化の度合いを算出する。
そして、撮像装置100は、算出された一の被写体画像Sの画像データの当該代表画像データDに対する変化の度合いに基づいて、代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を制御するので、動きのある被写体であっても処理対象の被写体画像Sの画像データの代表画像データDに対する変化の度合いに基づいて、代表画像データDの生成に係る被写体画像Sの画像データのフレーム数を制御することで、被写体画像である確率の高い領域が複数検出されることを防止することができる。具体的には、撮像装置100は、算出された変化の度合いが所定の閾値以上であると判定されると、今後の代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を所定の基準フレーム数から減少させるので、代表画像データDの生成に係る被写体画像Sの画像データの検出対象のフレーム画像Fとして、最も新しいフレーム画像Fに対してより古い所定数のフレーム画像Fを除外して、より新しい所定数のフレーム画像Fのみ(最も新しいフレームF近傍の所定数のフレーム画像F)から検出された被写体画像Sの画像データを用いて代表画像データDを生成することができる。
つまり、動きのある被写体の場合、最も新しいフレーム画像Fから検出された被写体画像Sの位置やサイズと、所定フレーム前のフレーム画像Fから検出された被写体画像Sの位置やサイズが大きく変化してしまう場合があり、このような場合に、代表画像データDの生成に係る被写体画像Sの画像データのフレーム数を制御することで、所定フレーム前のフレーム画像Fから検出された被写体画像Sの画像データに基づいて被写体画像である確率の高い領域が検出されることを防止することができる。
従って、動きのある被写体であってもフレーム画像Fから被写体画像Sを精度良く検出することができる。
【0057】
さらに、代表画像データDに対応する被写体画像Sを識別表示するための識別情報、即ち、例えば、被写体画像Sの画像領域の縁部に重畳表示される検出枠W等を設定する場合に、識別情報が複数設定されたりずれてしまうことを防止することができ、検出された被写体画像Sをユーザに対して適正に認識させることができる。
【0058】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、被写体検出処理(図2参照)にて、フレーム画像F内の特定の被写体画像Sとして人の顔画像を検出するようにしたが、一例であってこれに限られるものではなく、特定の被写体画像Sは適宜任意に変更可能である。
【0059】
また、上記実施形態にあっては、識別情報設定部6を備え、検出された被写体画像Sを識別表示するための識別情報(例えば、検出枠W等)を設定するようにしたが、識別情報設定部6を備えるか否か、即ち、被写体検出部5bにより検出された被写体画像Sを識別表示するための識別情報を設定するか否かは適宜任意に変更可能である。
【0060】
さらに、上記実施形態にあっては、被写体画像Sの画像データの代表画像データDに対する変化の度合いを算出する上で、被写体画像Sの画像データに類似する類似画像Rの画像データを特定するようにしたが、当該変化の度合いの算出方法は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。即ち、必ずしも処理対象の被写体画像Sの画像データの類似画像Rの画像データに対する変化の度合いを、被写体画像Sの画像データの代表画像データDに対する変化の度合いとして算出する必要はない。
加えて、当該撮像装置100の動きを検出する検出手段(例えば、加速度センサ等)を具備し、上記の変化の度合いの算出の際に、検出手段により検出された当該撮像装置100の動きを基準として変化の度合いを算出しても良い。
【0061】
また、上記実施形態にあっては、判定部5fを具備し、被写体画像Sの画像データの代表画像データDに対する変化の度合いが所定の閾値以上であると判定された場合に、代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sの画像データのフレーム数を制御するようにしたが、当該制御の手法は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0062】
また、撮像装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。例えば、被写体検出装置として、撮像装置100を例示したが、これに限られるものではない。即ち、処理対象となるフレーム画像Fとして、撮像画像から生成された画像を例示したが、撮像装置100とは異なる装置から被写体検出装置を構成する場合、所定の取得手段により逐次取得されるフレーム画像Fであれば良い。
【0063】
加えて、上記実施形態にあっては、取得手段、検出手段、生成手段、算出手段、制御手段としての機能を、中央制御部11の制御下にて、画像処理部5の画像取得部5a、被写体検出部5b、代表画像生成部5c、変化度合算出部5e、フレーム数制御部5gが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部11のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、取得処理ルーチン、検出処理ルーチン、生成処理ルーチン、算出処理ルーチン、制御処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、取得処理ルーチンにより中央制御部11のCPUを、フレーム画像Fを逐次取得する取得手段として機能させるようにしても良い。また、検出処理ルーチンにより中央制御部11のCPUを、取得手段により逐次取得されたフレーム画像から被写体画像Sを夫々検出する検出手段として機能させるようにしても良い。また、生成処理ルーチンにより中央制御部11のCPUを、検出手段により夫々検出された被写体画像Sの中から、所定フレーム数の被写体画像Sのデータをまとめることにより、所定フレーム数の被写体画像Sを代表する代表画像データを生成する生成手段として機能させるようにしても良い。また、算出処理ルーチンにより中央制御部11のCPUを、生成手段により代表画像データDの生成に用いられた一の被写体画像Sのデータの当該代表画像データDに対する変化の度合いを算出する算出手段として機能させるようにしても良い。また、制御処理ルーチンにより中央制御部11のCPUを、算出手段により算出された変化の度合いに基づいて、生成手段による代表画像データDの生成に用いられる被写体画像Sのデータのフレーム数を制御する制御手段として機能させるようにしても良い。
【0064】
同様に、特定手段、判定手段についても、中央制御部11のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0065】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0066】
100 撮像装置
4 メモリ
4a 検出結果格納部
4b 統合結果格納部
5 画像処理部
5a 画像取得部
5b 被写体検出部
5c 代表画像生成部
5d 類似画像特定部
5e 変化度合算出部
5f 判定部
5g フレーム数制御部
6 識別情報設定部
11 中央制御部
図1
図2
図3
図4
図5