【0009】
酸化チタンは、隠蔽性のある着色剤として使用する。表面をアルミナやシリカなどで処理されたものも使用することができる。いずれにしても、ゼータ電位は添加する水のpHが概ね6.0〜8.0でマイナスの値である必要がある。
商品の具体例としては、TIPAQUE R−820(ゼータ電位−10mV、比表面積15m
2/g)、同R−830(ゼータ電位−10mV、比表面積13m
2/g)、同R−550(ゼータ電位−10mV、比表面積14m
2/g)、同R−780(ゼータ電位−35mV、比表面積17m
2/g)、同R−780−2(ゼータ電位−40mV、比表面積34m
2/g)(以上、石原産業(株)製)、TITONE R7E(ゼータ電位−31mV、比表面積43m
2/g)、R62N(ゼータ電位−20mV、比表面積12m
2/g)(以上、堺化学工業(株)製)、 TITANIX JR800(ゼータ電位−30mV、比表面積27m
2/g)、JR805(ゼータ電位−20mV、比表面積10m
2/g)、JRNC(ゼータ電位−5mV、比表面積15m
2/g)(以上、テイカ(株)製)など挙げられる。
酸化チタンのゼータ電位は−10〜−40mVが好ましい。また、好ましい比表面積は15〜45m
2/gである。
ゼータ電位とは、液中に分散された顔料の界面の電位であり、酸化チタンの表面の電荷の状態の指標となるものである。この値がプラスの時顔料表面は正帯電し、マイナスの時は負帯電している。また、ゼータ電位の絶対値が大きいほどより強く帯電していることを示している。金属酸化物で表面処理された酸化チタンも、その金属酸化物の種類と被覆率によってゼータ電位が変わってくる。酸化チタンの表面処理がアルミナ単独の場合ゼータ電位はおよそ+30〜+40mVになるが、アルミナとシリカの場合、アルミナ/(アルミナ+シリカ)が小さくなるに従いゼータ電位は小さくなる。尚、ゼータ電位は動的光散乱法(大塚電子社製ELS−Z2、pH=7±0.5の水に酸化チタンを分散させた時のゼータ電位を測定)で測定した。
【実施例】
【0018】
実施例1
TITANIX JR−805(酸化チタン、ゼータ電位−10mV、比表面積13m2/g、テイカ(株)製) 40.0重量部
メチルシクロヘキサン 9.0重量部
エチルシクロヘキサン 30.0重量部
ハリマックM−453(ロジン変性マレイン酸樹脂、ハリマ化成(株)製)
20.0重量部
ディスパロンPW−36(界面活性剤、楠本化成(株)製) 1.0重量部
TITANIX JR−805を40℃、80%の恒温恒湿器に1時間放置した後、上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.015重量%の油性白色インキを得た。
【0019】
実施例2
TITONE R−62N(酸化チタン、ゼータ電位−20mV、比表面積15m2/g、堺化学工業(株)製) 40.0重量部
メチルシクロヘキサン 50.0重量部
ダイヤナールBR105(アクリル樹脂、三菱レイヨン(株)製) 8.7重量部
水 1.0重量部
Disperbyk101(界面活性剤、BYK−Chemie(独国)製)
1.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.045重量%の油性白色インキを得た。
【0020】
実施例3
TITANIX JR−800(酸化チタン、ゼータ電位−35mV、比表面積27m
2/g、テイカ(株)製) 45.0重量部
エチルシクロヘキサン 30.0重量部
Quintone1500(石油樹脂、日本ゼオン(株)製) 23.0重量部
ディスパロンPW−36(前述) 2.0重量部
TITANIX JR−805を40℃、80%の恒温恒湿器に3時間放置した後、上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.056重量%の油性白色インキを得た。
【0021】
実施例4
TITONE R−7E(酸化チタン、ゼータ電位−31mV、比表面積43m2/g、堺化学工業(株)製) 38.0重量部
エチルシクロヘキサン 35.0重量部
YSポリスターT100(テルペンフェノール共重合体、ヤスハラケミカル(株)製)
25.0重量部
ディスパロンPW−36(前述) 2.0重量部
TITONE R−7Eを40℃、80%の恒温恒湿器に1時間放置した後、上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.023重量%の油性白色インキを得た。
【0022】
実施例5
TIPAQUE R−780−2(酸化チタン、ゼータ電位−35mV、比表面積34m2/g、石原産業(株)製) 40.0重量部
メチルシクロヘキサン 48.0重量部
ダイヤナールBR105(前述) 9.0重量部
水 2.0重量部
Disperbyk101(前述) 1.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.078重量%の油性白色インキを得た。
【0023】
実施例6
TITANIX JR−805(前述) 35.0重量部
メチルシクロヘキサン 44.5重量部
ダイヤナールBR105 9.0重量部
水 0.5重量部
ウィスカルA(針状粒子、丸尾カルシウム(株)製) 10.0重量部
Disperbyk101(前述) 1.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.049重量%の油性白色インキを得た。
【0024】
実施例7
TITONE R−7E(前述) 32.0重量部
YSポリスターT100(前述) 25.0重量部
エチルシクロヘキサン 38.0重量部
ウィスカルA(前述) 3.0重量部
ディスパロンPW−36(前述) 2.0重量部
TITONE R−7Eを40℃、80%の恒温恒湿器に1時間放置した後、上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.028重量%の油性白色インキを得た。
【0025】
実施例8
JR800(前述) 36.0重量部
Quintone1500(前述) 25.0重量部
エチルシクロヘキサン 35.0重量部
ウィスカルA(前述) 1.0重量部
水 1.0重量部
ディスパロンPW−36(前述) 2.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.068重量%の油性白色インキを得た。
【0026】
実施例9
TITANIX JR805(前述) 40.0重量部
エチルシクロヘキサン 19.1重量部
メチルシクロヘキサン 10.0重量部
ハリマックM453(前述) 12.0重量部
YSポリスターT100(テルペンフェノール共重合体、ヤスハラケミカル(株)製)
12.0重量部
水 5.4重量部
Disperbyk101(前述) 1.5重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.140重量%の油性白色インキを得た。
【0027】
実施例10
JR800(前述) 37.0重量部
エチルシクロヘキサン 36.8重量部
ハリマックM453(前述) 12.5重量部
YSポリスターT130(前述) 12.5重量部
水 8.5重量部
Disperbyk101(前述) 1.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.241重量%の油性白色インキを得た。
【0028】
実施例11
TITANIX JR−805(前述) 40.0重量部
メチルシクロヘキサン 41.0重量部
ダイヤナールBR105(前述) 8.0重量部
水 10.0重量部
Disperbyk101(前述) 1.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.258重量%の油性白色インキを得た。
【0029】
比較例1
TITANIX JR−301(酸化チタン、ゼータ電位+40mV、比表面積18m
2/g、テイカ(株)製) 40.0重量部
メチルシクロヘキサン 9.0重量部
エチルシクロヘキサン 30.0重量部
ハリマックM−453(前述) 20.0重量部
ディスパロンPW−36(前述) 1.0重量部
TITANIX JR−301を40℃、80%の恒温恒湿器に1時間放置した後、上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0.020重量%の油性白色インキを得た。
【0030】
比較例2
TITANIX JR−805(前述) 40.0重量部
メチルシクロヘキサン 51.0重量部
ダイヤナールBR105(前述) 8.7重量部
Disperbyk101(前述) 1.0重量部
上記各成分をボールミルで24時間分散し、酸化チタン1重量%に対し、水分が0重量%の油性白色インキを得た。
【0031】
水分量測定
各実施例、比較例で得た油性白色インキの水分量は、カールフィッシャー水分測定装置AQV−300(平沼産業(株)製)で測定した。尚、カールフィッシャー液は力価1.0のものを使用した。
【0032】
沈降物硬さ測定
各実施例、比較例で得た油性白色インキを底面の直径19mmのネジ口瓶に高さ5cmまで充填し、室温で3年放置する。その後、FUDOHレオメーター((株)レオテック)で沈降層の底の部分の硬さを測定した。
測定条件
使用アダプター:φ10の円盤
測定スピード:2cm/分
【0033】
再分散試験
各実施例、比較例で得た油性白色インキを直径8mm、重さ2gのボールを入れた、底面の直径19mmのネジ口瓶に高さ5cmまで充填し、室温で3年放置する。その後、ネジ口瓶を振り、ボールが動き出すまでの回数を測定した。
【0034】
塗膜均一性
各実施例、比較例で得た油性白色インキを厚さ250μmのアプリケーターで黒上質紙上に塗布し、塗膜の均一性を目視にて確認した。
○:塗膜が均一
×:塗膜が斑になる
【0035】
【表1】
【0036】
以上、各実施例で示したようにゼータ電位がマイナスの値をとる酸化チタンと、水分を含有する油性白色インキは、比較例1のゼータ電位がプラスの値をとる酸化チタン、及び比較例2の水分を含有しない油性白色インキに比べ、沈降物硬さが小さく、再分散の振り回数が少ない、経時安定性が良好なものである。
また、実施例3〜8に示したように比表面積が25m
2/g以上の酸化チタンの使用、及び/または針状粒子の併用により沈降硬さ、再分散性は更に向上し、経時安定性が良好なインキとなる。