特許第5740999号(P5740999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5740999
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】リモート設定システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150611BHJP
【FI】
   G06F13/00 358A
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-7881(P2011-7881)
(22)【出願日】2011年1月18日
(65)【公開番号】特開2012-150596(P2012-150596A)
(43)【公開日】2012年8月9日
【審査請求日】2013年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】710014351
【氏名又は名称】オンキヨー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(72)【発明者】
【氏名】澤田 英之
【審査官】 小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/098960(WO,A1)
【文献】 特開2006−106974(JP,A)
【文献】 特開2006−318376(JP,A)
【文献】 特開2008−097595(JP,A)
【文献】 特開2003−249943(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0327910(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0209342(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グローバルネットワークに接続されるインタフェース提供サーバと、
ローカルネットワークに接続されるネットワーク機器と、
前記ローカルネットワークに接続され、前記グローバルネットワークを介して前記インタフェース提供サーバと通信可能であり、前記ネットワーク機器を設定するクライアントと、
前記グローバルネットワークに接続され、前記ネットワーク機器及び前記クライアントと前記グローバルネットワークを介して通信可能な管理サーバとを備え、
前記インタフェース提供サーバは、
前記クライアントから、前記ネットワーク機器の設定に用いられる設定インタフェースを含むインタフェースデータの送信を要求された場合、前記インタフェースデータを前記クライアントに送信するインタフェースデータ送信手段を備え、
前記クライアントは、
前記インタフェースデータの送信を前記インタフェース提供サーバに要求する要求手段と、
前記インタフェースデータを受信した場合、受信した前記インタフェースデータに基づいて前記設定インタフェースを表示する表示手段と、
前記設定インタフェースに入力された情報に基づいて、前記ネットワーク機器の設定データを作成し、作成した前記設定データを前記ネットワーク機器に送信する設定データ送信手段とを備え、
前記管理サーバは、
前記ネットワーク機器から、前記ローカルネットワークにおいて前記ネットワーク機器を特定するローカル識別情報を含む登録情報を受信した場合、前記登録情報と、前記グローバルネットワークにおいて前記ネットワーク機器を特定する第1グローバル識別情報とを対応付けてデータベースに登録する登録手段と、
前記クライアントからのアクセスを受け付けたときに、前記第1グローバル識別情報が、前記グローバルネットワークにおいて前記クライアントを特定する第2グローバル識別情報に一致した場合、前記データベースから前記登録情報を検出する検出手段と、
前記登録情報が検出された場合、前記登録情報に含まれる前記ローカル識別情報を前記クライアントに通知する通知手段とを備え、
前記設定データ送信手段は、前記通知手段によって通知された前記ローカル識別情報を用いて、前記設定データを前記ネットワーク機器に送信するリモート設定システム。
【請求項2】
請求項1に記載のリモート設定システムであって、
前記クライアントは、さらに、
前記ローカル識別情報を用いて、前記ネットワーク機器が有する機能を特定する機能特定情報を前記ネットワーク機器から取得し、取得した前記機能特定情報に基づいて前記ネットワーク機器がインターネットラジオ機能を有するか否かを判定する判定手段を備えるリモート設定システム。
【請求項3】
グローバルネットワークに接続されるインタフェース提供サーバと、ローカルネットワークに接続されるネットワーク機器と、前記ローカルネットワークに接続され、前記ネットワーク機器の設定インタフェースを前記グローバルネットワークを介して前記インタフェース提供サーバから取得し、取得した設定インタフェースに入力された情報に基づいて前記ネットワーク機器の設定データを作成し、作成した設定データを前記ネットワーク機器に送信するクライアントと、前記グローバルネットワークに接続され、前記ネットワーク機器及び前記クライアントと前記グローバルネットワークを介して通信可能な管理サーバとを備えるリモート設定システムにおける前記管理サーバを、
前記ネットワーク機器から、前記ローカルネットワークにおいて前記ネットワーク機器を特定するローカル識別情報を含む登録情報を受信した場合、前記登録情報と、前記グローバルネットワークにおいて前記ネットワーク機器を特定する第1グローバル識別情報とを対応付けてデータベースに登録する登録手段、
前記クライアントからのアクセスを受け付けたときに、前記第1グローバル識別情報が、前記グローバルネットワークにおいて前記クライアントを特定する第2グローバル識別情報に一致した場合、前記データベースから前記登録情報を検出する検出手段、
前記登録情報が検出された場合、前記登録情報に含まれる前記ローカル識別情報を前記クライアントに通知する通知手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リモート設定システムに関し、さらに詳しくは、PC(Personal Computer)などのクライアントを利用して、AV(Audio and Visual)機器などのネットワーク機器を設定するリモート設定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
AV機器には、インターネットラジオ機能に対応した機種がある。このようなAV機器を利用してインターネットラジオの番組を聴くためには、インターネットラジオを提供するウェブサーバのURL(Uniform Resource Locator)をAV機器に設定する必要がある。
【0003】
特許文献1には、ユーザがPCなどの情報家電制御装置を操作して、インターネットラジオ装置などの情報家電の設定を変更することができる情報家電設定方法が記載されている。情報家電は、インターネットラジオを提供するコンテンツ提供サーバのURLが記述された家電用設定情報を記憶する。PCは、家電用設定情報を情報家電から受信して表示する。PCは、家電用設定情報の更新命令が入力された場合、更新命令信号を情報家電に送信する。情報家電は、更新命令信号に基づいて、家電用設定情報を更新する。このように、PCなどを用いて情報家電の設定を行う場合、ウェブブラウザが、更新命令を入力するための設定インタフェースとして用いられる。家電用設定情報は、ウェブブラウザのブックマークの欄に表示される。
【0004】
また、設定インタフェースが記録されたインタフェースデータを記憶するAV機器が存在する。この場合、PCは、インタフェースデータをAV機器から取得し、インタフェースデータを用いて設定インタフェースを表示する。
【0005】
しかし、インタフェースデータがAV機器のROM(Read Only Memory)に記憶されている場合、インタフェースデータの書き換えができないため、設定インタフェースを変更することができない。AV機器において、インタフェースデータを記憶するメモリが書き換え可能であったとしても、メモリの容量によっては、インタフェースデータを書き換えることができない場合がある。インタフェースデータがAV機器に記憶されることにより、設定インタフェースが記録されたインタフェースデータの変更が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−318376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、ネットワーク機器の設定に用いられる設定インタフェースを容易に変更することができるリモート設定システムを提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明のリモート設定システムは、インタフェース提供サーバと、ネットワーク機器と、クライアントとを備える。インタフェース提供サーバは、グローバルネットワークに接続される。ネットワーク機器は、ローカルネットワークに接続される。クライアントは、ローカルネットワークに接続され、グローバルネットワークを介してインタフェース提供サーバと通信可能であり、ネットワーク機器を設定する。インタフェース提供サーバは、インタフェースデータ送信手段を備える。インタフェースデータ送信手段は、クライアントから、ネットワーク機器の設定に用いられる設定インタフェースを含むインタフェースデータの送信を要求された場合、インタフェースデータをクライアントに送信する。クライアントは、要求手段と、表示手段と、データ送信手段とを備える。要求手段は、インタフェースデータの送信をインタフェース提供サーバに要求する。表示手段は、インタフェースデータを受信した場合、受信したインタフェースデータに基づいて設定インタフェースを表示する。設定データ送信手段は、設定インタフェースに入力された情報に基づいて、ネットワーク機器の設定データを作成し、作成した設定データをネットワーク機器に送信する。
【0009】
本発明によれば、インタフェース提供サーバが、設定インタフェースを含むインタフェースデータをクライアントに送信する。これにより、ネットワーク機器がインタフェースデータを記憶しなくてもよいため、設定インタフェースの変更が容易となる。
【0010】
好ましくは、リモート設定システムは、さらに、管理サーバを備える。管理サーバは、グローバルネットワークに接続され、ネットワーク機器及びクライアントにグローバルネットワークを介して通信可能である。管理サーバは、登録手段と、検出手段と、通知手段とを備える。登録手段は、ネットワーク機器から、ローカルネットワークにおいてネットワーク機器を特定するローカル識別情報を含む登録情報を受信した場合、登録情報と、グローバルネットワークにおいてネットワーク機器を特定する第1グローバル識別情報とを対応付けてデータベースに登録する。検出手段は、クライアントからのアクセスを受け付けた場合、第1グローバル識別情報と、グローバルネットワークにおいてクライアントを特定する第2グローバル識別情報とに基づいて、データベースから登録情報を検出する。通知手段は、登録情報が検出された場合、登録情報に含まれるローカル識別情報をクライアントに通知する。設定データ送信手段は、通知手段によって通知されたローカル識別情報を用いて、設定データをネットワーク機器に送信する。
【0011】
クライアントは、管理サーバから、ネットワーク機器のローカル識別情報を自動的に取得することができる。ユーザは、クライアントを操作してネットワーク機器の設定を行う際に、ネットワーク機器のローカルIPアドレスを入力しなくてもよい。
【0012】
好ましくは、クライアントは、さらに、判定手段を備える。判定手段は、ローカル識別情報を用いて、ネットワーク機器が有する機能を特定する機能特定情報をネットワーク機器から取得し、取得した機能特定情報に基づいてネットワーク機器がインターネットラジオ機能を有するか否かを判定する。
【0013】
クライアントは、ネットワーク機器がインターネットラジオ機能を有すると判定した場合、インターネットラジオ機能に関する設定インタフェースを表示することができる。
【0014】
本発明によるプログラムは、上述のリモート設定システムに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態によるリモート設定システムの構成を示すネットワーク図である。
図2図1に示すPCの機能的構成を示すブロック図である。
図3図1に示す管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。
図4図1に示すインタフェース提供サーバの機能的構成を示すブロック図である。
図5図1に示すリモート設定システムの動作を示すシーケンス図である。
図6図3に示すデータベースに登録されたデータを示す図である。
図7図3に示すサーバプログラムの動作を示すフローチャートである。
図8図1に示す管理サーバが作成するウェブページを示す図である。
図9図2に示すウェブブラウザの動作を示すフローチャートである。
図10図1に示すインタフェース提供サーバが作成するウェブページを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0017】
{全体構成}
図1は、本実施の形態に係るリモート設定システムの構成を示す図である。図1を参照して、リモート設定システムは、PC1と、AV機器2,8と、ルータ3と、管理サーバ4と、インタフェース提供サーバ5とを備える。PC1及びAV機器2,8は、ルータ3に接続されることによりLAN7に接続される。LAN7は、PC1のユーザの家屋内に構築される。PC1及びAV機器2,8は、グローバルネットワークであるインターネット6を介して、管理サーバ4及びインタフェース提供サーバ5と通信可能である。
【0018】
PC1は、ユーザが操作するクライアントである。AV機器2は、インターネットラジオ機能を有するネットワーク機器である。ユーザは、AV機器2を用いて、インターネットラジオを提供する図示しないウェブサーバ(以下、ラジオサーバという)から配信される番組を聞くことができる。AV機器8は、インターネットラジオ機能を有しない。
【0019】
以下、特に説明のない限り、AV機器2,8に共通の説明をする場合には、AV機器2を中心に説明し、AV機器8に関する説明は省略する。
【0020】
ルータ3は、インターネット6と、ローカルネットワークであるLAN7とを相互に接続する。ルータ3は、グローバルIPアドレスと、ローカルIPアドレスとを有する。グローバルIPアドレスは、インターネット6においてルータ3などのネットワーク機器を特定するグローバル識別情報である。ローカルIPアドレスは、LAN7においてルータ3などのネットワーク機器を特定するローカル識別情報である。
【0021】
管理サーバ4は、AV機器2のローカルIPアドレスを含む登録情報を受信し、受信した登録情報を登録する。管理サーバ4は、LAN7においてPC1がアクセス可能な機器の検索をPC1から要求された場合、AV機器2のローカルIPアドレスをPC1に通知する。インタフェース提供サーバ5は、AV機器2のインターネットラジオ機能の設定に用いる設定インタフェースを提供する。
【0022】
図2は、PC1の機能的構成を示すブロック図である。図2を参照して、PC1は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、ディスプレイ13と、ネットワークインタフェース14と、HDD(Hard Disk Drive)15とを備える。
【0023】
CPU11は、メモリ12にロードされたプログラムを実行して、PC1を制御する。CPU11が実行するプログラムは、管理サーバ4により生成されたスクリプトを含む。ネットワークインタフェース14は、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)などのプロトコルを用いて、インターネット6またはLAN7に接続されたコンピュータと通信する。
【0024】
HDD15は、ウェブブラウザ16と、設定データ17とを格納する。ウェブブラウザ16は、管理サーバ4またはインタフェース提供サーバ5から送信されたウェブページをディスプレイ13に表示するソフトウェアである。ウェブページがスクリプトを含む場合、ウェブブラウザ16は、スクリプトを実行する。ウェブブラウザ16は、VBScriptや、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語に対応する。設定データ17は、AV機器2のインターネットラジオ機能の設定パラメータが書き込まれたデータである。
【0025】
図3は、管理サーバ4の機能的構成を示すブロック図である。図3を参照して、管理サーバ4は、CPU41と、メモリ42と、ネットワークインタフェース43と、HDD44とを備える。
【0026】
CPU41は、メモリ42にロードされたプログラムを実行して、管理サーバ4を制御する。ネットワークインタフェース43は、TCP/IPなどのプロトコルを用いて、インターネット6またはLAN7に接続されたコンピュータと通信する。HDD44は、サーバプログラム45と、データベース48とを格納する。サーバプログラム45は、PC1及びAV機器2からのアクセスに応じた処理を行うプログラムである。データベース48には、AV機器2から送信された登録情報が登録される。
【0027】
図4は、インタフェース提供サーバ5の機能的構成を示すブロック図である。図4を参照して、インタフェース提供サーバ5は、CPU51と、メモリ52と、ネットワークインタフェース53と、HDD54とを備える。
【0028】
CPU51は、メモリ52にロードされたプログラムを実行して、インタフェース提供サーバ5を制御する。ネットワークインタフェース53は、TCP/IPなどのプロトコルを用いて、インターネット6またはLAN7に接続されたコンピュータと通信を行う。HDD54は、サーバプログラム55と、インタフェースデータ56とを格納する。サーバプログラム55は、PC1の要求に応じて、インタフェースデータ56をPC1に送信する。インタフェースデータ56は、AV機器2の設定インタフェースが記録されたデータである。
【0029】
{動作概要}
ユーザは、インタフェース提供サーバ5により提供される設定インタフェースを利用して、AV機器2のインターネットラジオ機能の設定パラメータを入力することができる。以下、リモート設定システムの動作の概要を説明する。
【0030】
AV機器2は、AV機器2のローカルIPアドレスを含む登録情報を管理サーバ4に送信する。AV機器2の登録情報は、データベース48に登録される。管理サーバ4は、PC1からアクセスがあった場合、データベース48からAV機器2の登録情報を検出する。管理サーバ4は、検出された登録情報からローカルIPアドレスを抽出し、抽出されたローカルIPアドレスを有する機器(AV機器2)に対して機種名の送信を要求するスクリプトを生成し、PC1に送信する。
【0031】
PC1は、生成されたスクリプトを実行して、AV機器2がインターネットラジオ機能に対応しているか否かを確認する。AV機器2がインターネットラジオ機能に対応しているのであれば、PC1は、インタフェースデータ56をインタフェース提供サーバ5からダウンロードして、設定インタフェースを表示する。ユーザは、設定インタフェースにインターネットラジオ機能に関する設定パラメータを入力する。PC1は、設定パラメータが記録された設定データ17をAV機器2に送信する。
【0032】
このように、本実施の形態によるリモート設定システムでは、インタフェース提供サーバ5がAV機器2の設定インタフェースを提供する。これにより、設定インタフェースを容易に変更することができる。
【0033】
{リモート設定システムの動作の詳細}
図5は、リモート設定システムの各機器の動作を示すシーケンス図である。図6は、データベース48に登録されたデータを示す図である。図5及び図6を参照して、リモート設定システムを構成する各機器の動作を説明する。特に説明のない限り、AV機器2,8の電源は、切られていると仮定する。
【0034】
まず、PC1のユーザは、AV機器2をLAN7に接続し、AV機器2の電源を入れる。AV機器2は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能を有するルータ3からローカルIPアドレスの割り当てを受ける。
【0035】
AV機器2は、割り当てられたローカルIPアドレス及びサブネットマスクが設定された登録情報49Cを作成する(ステップS1)。登録情報49Cは、有効期限を示す時刻情報を含む。有効期限は、ユーザによって設定されてもよい。あるいは、有効期限は、AV機器2によって設定されてもよい。この場合、AV機器2は、有効期限を設定するパラメータである時間情報(たとえば、30分)を保持する。AV機器2は、登録情報49Cの作成時刻から30分後の時刻を有効期限に設定する。AV機器2は、予め設定されている管理サーバ4のURLに基づいて、登録情報49Cを管理サーバ4へ送信する(ステップS2)。AV機器2は、ユーザの操作に応じて、登録情報49Cを管理サーバ4へ送信してもよい。
【0036】
管理サーバ4は、登録情報49Cを受信した場合、サーバプログラム45を起動して、受信した登録情報49Cをデータベース48に登録する(ステップS3)。データベース48は、登録情報49A,49B,49Cを有する。整理番号は、登録情報49A〜49Cのそれぞれに対して割り当てられるユニークな番号である。
【0037】
サーバプログラム45は、登録情報49Cをデータベース48に登録するために、整理番号「0003」を新たに生成する。サーバプログラム45は、登録情報49Cがカプセル化された通信パケット(登録パケット)から、登録パケットの送信元アドレス(ルータ3のグローバルIPアドレス)を取得する。登録パケットの送信元アドレスは、インターネット6においてAV機器2を特定するグローバルIPアドレスとして用いられる。サーバプログラム45は、整理番号「0003」と登録パケットの送信元アドレスとを対応付けた登録情報49Cをデータベース48に登録する。
【0038】
ユーザは、AV機器2の電源を入れた後に、ウェブブラウザ16を起動し、ウェブブラウザ16に管理サーバ4へのアクセスを指示する。ウェブブラウザ16は、LAN7に接続された機器の検索を要求する検索要求を管理サーバ4に送信する(ステップS4)。
【0039】
サーバプログラム45は、検索要求に応じて、検索処理を実行する(ステップS5)。図7は、検索処理(ステップS5)を実行するサーバプログラム45のフローチャートである。図7を参照して、サーバプログラム45は、データベース48から、有効期限の過ぎた登録情報を削除する(ステップS51)。サーバプログラム45は、データベース48から、LAN7に接続された可能性の高い機器の登録情報を検索する(ステップS52)。
【0040】
ルータ3は、検索要求を管理サーバ4に転送するとき、検索要求をカプセル化した通信パケット(検索要求パケット)を作成する。検索要求パケットの送信元アドレスは、ルータ3のグローバルIPアドレスである。サーバプログラム45は、データベース48を検索するときに、インターネット6においてPC1を特定するグローバルIPアドレスとして、検索要求パケットの送信元アドレスを用いる。図6を参照して、登録情報49Cに対応付けられたグローバルIPアドレスは、検索要求パケットの送信元アドレスに一致する。サーバプログラム45は、LAN7に接続されている機器の候補を示す検出登録情報として、登録情報49Cを検出する。
【0041】
検出登録情報が検出されなかった場合(ステップS53においてNo)、図示しないエラー表示ページが生成される(ステップS56)。エラー表示ページは、LAN7に接続された機器が検出されなかったことを通知するウェブページである。PC1がエラー表示ページを表示した場合、ユーザは、登録情報49Cの送信をAV機器2に対して指示し、管理サーバ4へ再びアクセスすればよい。
【0042】
検出登録情報が検出された場合(ステップS53においてYes)、サーバプログラム45は、検出登録情報に基づいて、機種取得スクリプトを生成する(ステップS54)。検出登録情報が登録情報49Cである場合、機種取得スクリプトは、ローカルIPアドレス「192.168.0.3」を有する機器(AV機器2)に対して機種名の送信を要求するプログラムである。なお、複数の検出登録情報が検出された場合、各検出登録情報に対応する機種取得スクリプトが生成される。サーバプログラム45は、検索結果を示す結果表示ページ140を作成する(ステップS55)。
【0043】
図8は、結果表示ページ140を示す図である。図8を参照して、結果表示ページ140が作成された時点では、検索結果リスト141の各欄は空欄であり、設定開始ボタン143は表示されない。機種取得スクリプトは、結果表示ページ140に埋め込まれる。
【0044】
図5を参照して、管理サーバ4は、作成した結果表示ページ140をPC1に送信する(ステップS6)。ウェブブラウザ16は、管理サーバ4から受信した結果表示ページ140をディスプレイ13に表示する(ステップS7)。ウェブブラウザ16は、結果表示ページ140を表示した後に、機種取得スクリプトを実行する。これにより、機種名の送信を要求する機種名要求が、AV機器2に送信される(ステップS8)。AV機器8の電源はオフであるため、AV機器8に対応する機種取得スクリプトは作成されない。したがって、機種名要求は、AV機器8に送信されない。
【0045】
なお、機種取得スクリプトは、機種名要求を送信する(ステップS8)前に、機種名要求の送信対象(AV機器2)が動作しているか否かを確認してもよい。たとえば、機種取得スクリプトは、ICMP(Internet Control Message Protocol)を利用してAV機器2が動作していることを確認した後に、機種名要求をAV機器2に送信する。これにより、動作していない機器に機種名要求を送信することがないため、インターネットラジオ機能の設定ができない機器が検索結果リスト141に表示されることを防止することができる。
【0046】
AV機器2には、機種名要求に応答する応答プログラムが組み込まれている。応答プログラムは、AV機器2の機種名を含む機種情報をPC1に送信する(ステップS9)。機種取得スクリプトは、受信した機種情報に基づいて、AV機器2がインターネットラジオ機能を有するか否かを判定する。機種取得スクリプトは、機種情報と判定結果とに基づいて、結果表示ページ140を更新する。
【0047】
図5及び図9を参照して、機種取得スクリプトが実行する処理を詳しく説明する。図9は、機種取得スクリプトが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0048】
機種取得スクリプトは、結果表示ページ140がディスプレイ13に表示された後に、機種名要求をAV機器2に送信する(ステップS101)。ステップS101は、ステップS8に対応する。AV機器2は、機種情報をPC1に送信する(ステップS9)。
【0049】
機種取得スクリプトは、機種情報を受信した場合(ステップS102においてYes)、受信した機種情報に基づいて、AV機器2の機種名を検索結果リスト141に表示する(ステップS103)。この時点で、AV機器2のローカルIPアドレス及び機種名が、検索結果リスト141に表示される。図8を参照して、検索結果リスト141は、検出番号「1」に対応付けて、AV機器2の機種名「TNR905」及びローカルIPアドレス「192.168.0.3」を表示する。
【0050】
機種取得スクリプトは、機種情報を受信できなければ(ステップS102においてNo)、AV機器2が動作していないと判断する。機種取得スクリプトは、検索結果リスト141にAV機器2のローカルIPアドレスを表示し、設定対象の候補となる機器(AV機器2)が動作していないことを示すメッセージをディスプレイ13に表示する(ステップS106)。この場合、ユーザは、AV機器2の電源がオンされているか、AV機器2にLANケーブルが接続されているかなどを確認する。その後、ユーザは、ウェブブラウザ16に対して、検索要求を送信するように指示すればよい(ステップS4)。
【0051】
機種取得スクリプトは、機種情報に基づいて、AV機器2がインターネットラジオ機能を有するか否かを判定する(ステップS104)。サーバプログラム45は、機種取得スクリプトを生成するときに、インターネットラジオ機能に対応する機器の機種名が設定された対応機器データを機種取得スクリプトに設定する。機種取得スクリプトは、AV機器2の機種名が対応機器データに含まれているか否かを確認する。
【0052】
AV機器2の機種名が対応機器データに含まれていなければ(ステップS104においてNo)、機種取得スクリプトは、AV機器2がインターネットラジオに非対応であることを通知するメッセージをディスプレイ13に表示する(ステップS106)。
【0053】
一方、AV機器2の機種名が対応機器データに含まれていれば(ステップS104においてYes)、機種取得スクリプトは、検索結果リスト141の右側に設定開始ボタン143を表示する(ステップS105)。設定開始ボタン143には、インタフェース提供サーバ5のURLが関連付けられている。複数の機器の機種名が検索結果リスト141に表示された場合、設定開始ボタン143は、機器ごとに表示される。
【0054】
ここで、AV機器8の電源が入っており、AV機器8の登録情報がデータベース48に登録されているケースを説明する。この場合、検索結果リスト141には、AV機器2,8のIPアドレスが表示される。AV機器8は、インターネットラジオ機能を有しないため、AV機器8がインターネットラジオ機能に対応しないメッセージが表示される。また、AV機器2に対応する設定開始ボタン143は表示されるが、AV機器8に対応する設定開始ボタン143は表示されない。このため、ユーザは、検索結果リスト141に表示された機器のうち、どの機器がインターネットラジオ機能を有する機器であるかを容易に判断することができる。
【0055】
図5及び図8を参照して、ユーザは、検出番号「1」に対応する設定開始ボタン143をクリックする。これにより、ウェブブラウザ16は、インタフェース提供サーバ5に対して、設定インタフェースの表示を要求する(ステップS10)。サーバプログラム55は、インタフェースデータ56をPC1に送信する(ステップS11)。ウェブブラウザ16は、受信したインタフェースデータ56を用いて、設定インタフェース150をディスプレイ13に表示する(ステップS12)。
【0056】
図10は、インタフェース提供サーバ5が提供する設定インタフェース150を示す図である。図10を参照して、設定インタフェース150は、インターネットラジオ機能の設定パラメータの入力に用いられるウェブページである。設定インタフェース150が作成された時点で、テキストボックス151,152は、全て空欄である。
【0057】
ユーザは、設定インタフェース150に、AV機器2のインターネットラジオ機能の設定パラメータを入力する。具体的には、ユーザは、ラジオサーバが提供するインターネットラジオのサービス名をテキストボックス151,151,・・・に入力し、ラジオサーバのURLをテキストボックス152,152,・・・に入力する。
【0058】
インタフェース提供サーバ5は、管理者等が推薦するラジオサーバの情報が反映された設定インタフェース150を送信してもよい。この場合、テキストボックス151,152には、推薦されたラジオサーバのサービス名及びURLがデフォルトで入力される。
【0059】
適用ボタン153には、設定データ17を作成し、AV機器2に設定データ17を送信する送信スクリプトが関連付けられている。ウェブブラウザ16は、設定インタフェースの表示を要求する(ステップS10、図5参照)際に、インタフェース提供サーバ5にAV機器2のローカルIPアドレス及び機種名を通知する。サーバプログラム55は、通知されたローカルIPアドレス及び機種名を用いて、送信スクリプトを作成する。
【0060】
ユーザが適用ボタン153をクリックすると、送信スクリプトは、テキストボックス151,152に入力されたサービス名とURLとを対応付けた設定データ17を作成する(ステップS13)。
【0061】
設定データ17のデータ構造は、AV機器2の機種によって変化する。このため、インタフェース提供サーバ5は、AV機器2の機種に対応したデータ構造を有する設定データ17を作成することができる送信スクリプトを作成する。これにより、設定データ17をAV機器2に確実に書き込むことができる。
【0062】
送信スクリプトは、設定データ17の送信先に、AV機器2のローカルIPアドレスを設定する。送信データ17が、AV機器2に送信される(ステップS14)。AV機器2は、設定データ17を受信した場合、図示しないメモリに保存する。これにより、AV機器2のインターネットラジオ機能の設定が終了する。
【0063】
このように、本実施の形態のリモート設定システムにおいて、ユーザは、インタフェース提供サーバ5により提供された設定インタフェース150を用いて、AV機器2のインターネットラジオ機能の設定を行う。これにより、設定インタフェース150の改良が容易となる。
【0064】
PC1は、AV機器2の検索を管理サーバ4に要求し、管理サーバ4が作成した機種取得スクリプトを実行することにより、AV機器2のIPアドレスを取得する。これにより、ユーザは、AV機器2のIPアドレスをPC1に入力することなく、AV機器2を設定することができる。
【0065】
機種取得スクリプトは、AV機器2から取得した機種情報に基づいて、AV機器2がインターネットラジオ機能に対応するか否かを判定する。これにより、PC1は、インタフェース提供サーバ5から、AV機器2が有する機能に応じた設定インタフェースを取得することができる。
【0066】
他のLANのAV機器(以下、「外部機器」と呼ぶ)の登録情報が、データベース48に登録されたとき、AV機器2と外部機器とが、同一のローカルIPアドレスを有することがある。しかし、外部機器の情報は、検索結果リスト141に表示されない。この理由について、ISP(Internet Service Provider)のルータに、LAN7と、他のLANが接続されたケースを例に説明する。ISPのルータは、ルータ3と、他のLANのルータとに対して、互いに異なるグローバルIPアドレスを割り当てる。AV機器2の登録情報49Cと、外部機器の登録情報とは、データベース48に登録される際に、互いに異なるグローバルIPアドレスに対応付けられる。サーバプログラム45は、PC1から検索要求を受信したときに(ステップS4,図5参照)、外部機器の登録情報を検出しない。この結果、外部機器の情報は、検索結果リスト141に表示されない。
【0067】
また、ISPのルータが、ルータ3と、他のLANのルータとに対して、ローカルIPアドレスを割り当てることがある。この場合、データベース48において、AV機器2のグローバルIPアドレスと、外部機器のグローバルIPアドレスとが同じとなる。しかし、検索結果リスト141は、外部機器のMACアドレスを表示しない。ウェブブラウザ16は、検索結果リスト141を表示した後に、外部機器を送信先に設定したMACアドレス要求を送信するが、ルータ3は、外部機器宛てのMACアドレス要求を他のLANに転送しない。したがって、外部機器のMACアドレスは、検索結果リスト141に表示されない。
【0068】
ここで、登録情報49A〜49Cに有効期限が設定される理由を説明する。AV機器8がインターネットラジオ機能に対応すると仮定する。AV機器8の登録情報が、データベース48に最初に登録され、AV機器2の登録情報49Cが次に登録されると仮定する。
【0069】
ユーザがAV機器2の設定を行うために、PC1が検索要求を送信した場合(ステップS4)を考える。有効期限が設定されていなければ、検索結果リスト141は、AV機器2,8の情報を表示する。このため、ユーザは、設定対象のAV機器2を検索結果リスト141から特定できない。しかし、登録情報に有効期限を設定することによって、サーバプログラム45は、登録情報49Cの検索を開始する前に、AV機器8の登録情報を削除することができる。検索結果リスト141には、AV機器2の情報だけが表示されるため、ユーザは、AV機器2を検索結果リスト41から容易に特定することができる。
【0070】
{変形例}
上記実施の形態において、ユーザは、AV機器2の電源を入れてから、LAN7に接続された機器の検索を指示する例を説明した。しかし、ユーザは、結果表示ページ140をPC1に表示させてから、AV機器2の電源を入れてもよい。サーバプログラム45は、データベース48に登録情報49Cが登録されたときに、登録情報49Cが検出登録情報であるか否かを判断する。登録情報49Cが検出登録情報であるため、サーバプログラム45は、更新用の結果表示ページ140を作成してPC1に送信する。PC1のユーザは、更新された結果表示ページ140を参照することで、LAN7に接続されているAV機器2を容易に特定することができる。
【0071】
上記実施の形態において、複数の検出登録情報が検出された場合、サーバプログラム45は、検索結果リスト141に表示される機器の優先順位を決定してもよい。
【0072】
PC1のユーザがAV機器2の電源を入れてから、AV機器2の検索を指示するまでのタイムラグが数十分以内であると考えられる。このため、管理サーバ4は、検索要求(ステップS4)の受信時刻に一番近い時刻に登録された検出登録情報が、AV機器2に対応すると推測することができる。したがって、サーバプログラム45は、検索要求(ステップS4)の受信時刻と、検出登録情報がデータベース48に登録された時刻との差が小さい順に、それぞれの検出登録情報の優先順位を決定する。ユーザは、複数の機器の情報が検索結果リスト141に表示されたとしても、AV機器2に対応する情報がいずれであるか容易に推測することができる。
【0073】
上記実施の形態において、インタフェース提供サーバ5が、設定インタフェース150をPC1に提供する例を説明した。しかし、管理サーバ4とインタフェース提供サーバ5とは、同一のサーバであってもよい。
【0074】
上記実施の形態において、インタフェース提供サーバ5は、AV機器2のインターネットラジオ機能を設定する設定インタフェースを提供したが、設定対象の機器は、ネットワーク接続可能な家電機器などのネットワーク機器であればよい。また、設定対象の機器がエアコンである場合、インタフェース提供サーバ5は、エアコンのタイマー機能の設定インタフェースを提供してもよい。つまり、インタフェース提供サーバ5は、ネットワーク機器を設定するインタフェースを提供する機器であればよい。
【0075】
上記実施の形態において、ネットワーク機器を設定するクライアントとして、PC1を用いる例を説明した。しかし、クライアントは、PDA(Personal Digital Assistants)や、携帯電話など、結果表示ページ140及び設定インタフェース150などのウェブページを表示できる機器であればよい。
【0076】
上記実施の形態において、AV機器2が、AV機器2のローカルIPアドレスが設定された登録情報49Cを送信する例を説明した。しかし、AV機器2は、ローカルIPアドレスの代わりに、ローカル識別情報としてホスト名を用いてもよい。
【0077】
上記実施の形態において、動作取得スクリプトが、AV機器2の機種名を含む機種情報を取得する例を説明した。しかし、動作取得スクリプトは、AV機器2の製品番号など、AV機器2がインターネットラジオ機能を有することを特定できる機能特定情報を取得すればよい。
【0078】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0079】
1 PC
2,8 AV機器
4 管理サーバ
5 インタフェース提供サーバ
16 ウェブブラウザ
17 設定データ
45,55 サーバプログラム
48 データベース
図1
図2
図3
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図10