【文献】
World Solar Challnege,WORLD SOLAR CHALLENGE Tecnical Regulations for the 2011 Event,WORLD SOLAR CHALLENGE Tecnical Regulations for the 2011 Event,World Solar Challnege,2010年,URL,http://www.worldsolarchallenge.org/files/78_paticipants_regulations_technical-regulations.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
タイヤ回転方向の指定を有すると共に、前記タイヤ回転方向に対する前記ラグ溝の傾斜角θが20[deg]≦θ≦50[deg]の範囲内にある請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端を境界として隣接するタイヤ接地面内のプロファイルラインとタイヤ接地面外のプロファイルラインとを備え、且つ、前記タイヤ接地面内のプロファイルラインがタイヤ径方向外側に凸となり、前記タイヤ接地面外のプロファイルラインがタイヤ径方向内側に凸となる請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
タイヤ接地面の前記プロファイルラインとショルダー部の前記プロファイルラインとの段差gが1.5[mm]≦g≦3.0[mm]の範囲内にある請求項5に記載の空気入りタイヤ。
バイアス構造を構成する一対のカーカスプライを有するカーカス層を備え、前記カーカスプライのカーカス角度φが20[deg]≦φ≦40[deg]の範囲内にある請求項1〜6のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
【0017】
[空気入りタイヤ]
図1は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤを示す斜視図である。
図2および
図3は、
図1に記載した空気入りタイヤを示すA−A視断面図(
図2)およびトレッド展開図(
図3)である。
図4は、
図1に記載した空気入りタイヤのショルダー部を示す拡大断面図である。
図5は、
図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。これらの図において、
図2は、タイヤ子午線方向の断面図を示し、
図4は、
図2の拡大図を示している。
【0018】
この空気入りタイヤ1は、ソーラーカーレースで使用されるレース用タイヤである(
図1参照)。ソーラーカーレースでは、車両の必要出力(あるいはエネルギーロス)を低減して走行状態を持続することが要求される。このため、車体の軽量化が求められ、それに伴ってソーラーカー用タイヤにも軽量化が求められる。また、タイヤの転がり抵抗を低減させるために、500[kPa]以上の高い内圧がタイヤに付与される。また、近年では、雨天でもレースが実施されるため、タイヤのウェット性能が要求されつつある。
【0019】
また、ソーラーカー用タイヤは、一般に、タイヤ呼び幅が100[mm]未満であり、また、タイヤサイズが14[インチ]〜16[インチ]である。
【0020】
空気入りタイヤ1は、一対のビードコア11、11と、一対のビードフィラー12、12と、カーカス層13と、トレッドゴム14と、一対のサイドウォールゴム15、15とを備える(
図2参照)。一対のビードコア11、11は、環状構造を有し、左右のビード部のコアを構成する。ビードフィラー12は、一対のビードコア11、11のタイヤ径方向外周にそれぞれ配置されてビード部を補強する。カーカス層13は、一対のカーカスプライ131、132を積層して成るバイアス構造を有し、左右のビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層13の両端部は、ビードコア11およびビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に巻き返されて係止される。トレッドゴム14は、カーカス層13のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。一対のサイドウォールゴム15、15は、カーカス層13のタイヤ幅方向外側にそれぞれ配置されて左右のサイドウォール部を構成する。
【0021】
なお、この実施の形態では、インナーライナが省略され、カーカス層13によりタイヤの内周面が構成されている(
図2参照)。また、ベルト層が省略されている。これらにより、タイヤの軽量化が図られている。また、
図2に記載した空気入りタイヤ1において、さらに、ビードフィラー12が省略されても良い(図示省略)。これにより、タイヤをさらに軽量化できる。
【0022】
また、カーカス層13を構成する一対のカーカスプライ131、132が、有機繊維材から成る複数のカーカスコードを圧延加工して構成される。また、これらのカーカスプライ131、132のカーカス角度φが20[deg]≦φ≦40[deg]の範囲内にある。これにより、タイヤを軽量化しつつ、タイヤの構造強度が高められている。なお、カーカス角度φは、タイヤ周方向に対するカーカスコードの傾斜角度である。また、カーカス角度φが25[deg]≦φ≦35[deg]の範囲内にあることが、より好ましい。
【0023】
また、空気入りタイヤ1は、複数の周方向主溝21および複数のラグ溝22と、これらの周方向主溝21およびラグ溝22に区画されて成る複数の陸部31、32とをトレッド面に備える(
図3参照)。周方向主溝21は、タイヤ周方向に延在する溝である。この周方向主溝21は、ストレート形状を有しても良いし、ジグザグ形状を有しても良い。ラグ溝22は、周方向主溝21に開口(連通)し、また、周方向主溝21からタイヤ接地端ELを越えてタイヤ幅方向外側に延在する溝である。このラグ溝22は、例えば、ストレート形状、屈曲形状、円弧形状など、いずれの形状であっても良い。
【0024】
この実施の形態では、空気入りタイヤ1が、ストレート形状を有する2本の周方向主溝21、21と、ストレート形状を有する複数のラグ溝22とを備えている(
図2参照)。また、これらの周方向主溝21およびラグ溝22により、センター陸部31と左右一対のショルダー陸部32、32とが区画されている。センター陸部31は、リブであり、貫通ラグ溝および非貫通ラグ溝のいずれをも有していない。ショルダー陸部32は、タイヤ接地端ELを含む陸部であり、トレッド部の左右に形成されている。これらのショルダー陸部32、32には、複数のラグ溝22がタイヤ周方向に所定ピッチPで配列されている。
【0025】
なお、この実施の形態では、空気入りタイヤ1が2本の周方向主溝21を備えるが、これに限らず、空気入りタイヤ1が3本以上の周方向主溝21を備えても良い(図示省略)。この場合には、ラグ溝22が、少なくともタイヤ左右のショルダー陸部(タイヤ接地端ELを含む陸部)32に形成される。具体的には、ラグ溝22が、タイヤ幅方向の最も外側にある左右の周方向主溝(最外周方向主溝)に開口すると共にこの周方向主溝からタイヤ接地端ELを越えてタイヤ幅方向外側に延在する。
【0026】
また、この空気入りタイヤ1では、周方向主溝21の溝深さH1が1.5[mm]≦H1≦3.0[mm]の範囲内にあり、溝幅W1が2.0≦W1≦5.0の範囲内にある。なお、ソーラーカーレース用タイヤの周方向主溝の寸法については、FIA(Federation Internationale de l'Automobile)に規定がある。
【0027】
一方、ラグ溝22の溝深さH2が0.5[mm]≦H2≦2.5[mm]の範囲内にあり、且つ、周方向主溝21よりも浅い(H1>H2)。また、ラグ溝22の溝幅W2が0.3[mm]≦W2≦1.5[mm]の範囲内にあり、且つ、周方向主溝21よりも狭い(W1>W2)。また、ラグ溝22の溝長さは、ラグ溝22が周方向主溝21から延在してタイヤ接地端ELを越える長さであれば、良い。
【0028】
また、この空気入りタイヤ1は、回転方向の指定を有する(
図3参照)。タイヤの回転方向は、車両装着状態にて、車両の前進時における回転方向を基準として規定される。この回転方向の指定は、例えば、タイヤのサイドウォール部に付されたマークや凹凸により表示される。なお、この実施の形態では、空気入りタイヤ1が方向性トレッドパターンを有することにより、回転方向の指定を有している。
【0029】
また、このタイヤ回転方向とラグ溝22との傾斜角θが20[deg]≦θ≦50[deg]の範囲内にある(
図3参照)。具体的には、ラグ溝22が周方向主溝21に対して角度θにて傾斜しつつ周方向主溝21を起点としてタイヤ回転方向の逆側に延在する。なお、ラグ溝22の傾斜角θは、タイヤ接地面内で上記の範囲内にあれば良い。
【0030】
また、タイヤ全周におけるラグ溝22のピッチ数(配置数)が70〜90の範囲内にある。また、このピッチ数が75〜85の範囲内にあることが、好ましい。例えば、この実施の形態では、タイヤ左右のショルダー陸部32が上記のピッチ数のラグ溝22をそれぞれ有している。また、各ラグ溝22のピッチPが10.0[mm]≦P≦30.0[mm]の範囲内にある。
【0031】
また、空気入りタイヤ1は、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端ELを境界として隣接するタイヤ接地面内のプロファイルラインと、タイヤ接地面外のプロファイルラインとを備える(
図4参照)。また、タイヤ接地面内のプロファイルラインがタイヤ径方向外側に凸となり、タイヤ接地面外のプロファイルラインがタイヤ径方向内側に凸となる。例えば、この実施の形態では、タイヤ接地面内のプロファイルラインが半径R1の円弧から成り、サイドウォール部のプロファイルラインが半径R2の円弧から成る。また、これらのプロファイルラインが、半径R3の円弧であってタイヤ径方向内側に凸(いわゆる逆R形状)となるプロファイルラインにより接続されている。また、この半径R3のプロファイルラインと、タイヤ接地面内のプロファイルラインとが、タイヤ接地端ELを境界として隣接している。したがって、ショルダー陸部32のタイヤ幅方向外側のエッジ部がタイヤ接地端EL上にあり、また、タイヤ接地端ELよりもタイヤ幅方向外側の部分が逆R形状による凹みを有している。
【0032】
また、タイヤ接地面内のプロファイルラインとタイヤ接地面外のプロファイルラインとの段差gが、1.5[mm]≦g≦3.0[mm]の範囲内にある(
図4参照)。この段差gは、タイヤ接地面内のプロファイルラインに対するタイヤ接地面外のプロファイルラインの落ち込み量として測定される。この段差gが大きいほど、ショルダー部のゴム重量を軽減できる。なお、タイヤ接地面外のプロファイルラインの半径R3は、タイヤ接地面内のプロファイルラインおよびサイドウォール部のプロファイルラインとの関係を考慮しつつ、適宜設定され得る。
【0033】
なお、これに限らず、上記したタイヤ径方向内側に凸となるプロファイルラインが省略されても良い(
図5参照)。例えば、
図5の変形例では、タイヤ接地面内のプロファイルラインとタイヤ接地面外のプロファイルラインとが、共通の半径R1を有し、段差gを有することなく接続されている。
【0034】
また、タイヤ接地端ELからタイヤ幅方向外側に向かってタイヤ接地幅Dの30%の距離までの領域を非接地領域と呼ぶ(
図3参照)。この非接地領域は、タイヤのトレッド展開図にて定義される。この非接地領域には、ディンプル41および細溝42の少なくとも一方が形成される。また、非接地領域の面積Saと、ディンプル41の配置面積および細溝42の配置面積の総和Sdとが0.30≦Sd/Sa≦0.50の関係を有する。また、配置面積Sdが0.35≦Sd/Sa≦0.45であることが、より好ましい。例えば、この実施の形態では、円形かつ複数のディンプル41と、ラグ溝22の延長線上にそれぞれ配置された複数の細溝42とが、トレッド部の非接地領域に形成されている。また、ディンプル41の深さおよび細溝42の深さが1[mm]以上2[mm]以下の範囲内に設定されている。これにより、ショルダー部のゴム重量が軽減されている。
【0035】
なお、この空気入りタイヤ1において、タイヤ接地幅Dとは、タイヤがリムサイズ16×2.15のレース用リムに装着されて650[kPa]の内圧を付与されると共に静止状態にて平板に対して垂直に置かれて1.2[kN]の荷重を加えられたときのタイヤと平板との接触面におけるタイヤ軸方向の最大直線距離をいう。また、タイヤ接地端ELは、このタイヤ接地幅Dを基準として規定される。
【0036】
[効果]
以上説明したように、この空気入りタイヤ1は、ソーラーカーレースで使用され、タイヤ周方向に延在する複数の周方向主溝21、21と、周方向主溝21、21に開口すると共に各周方向主溝21、21からタイヤ接地端を越えてタイヤ幅方向外側に延在する複数のラグ溝22とをトレッド面に備える(
図3参照)。かかる構成では、トレッド面にラグ溝22が形成されるので、かかるラグ溝を有さない空気入りタイヤと比較して、タイヤが軽量化されてタイヤの転がり抵抗が向上する利点があり、また、タイヤのウェット性能が向上する(あるいは維持される)利点がある。特に、ラグ溝22が周方向主溝21に開口することにより、タイヤのウェット性能が効果的に向上する利点がある。
【0037】
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ呼び幅が100[mm]未満であり、且つ、周方向主溝21の溝深さHが1.5[mm]≦H≦3.0[mm]の範囲内にある。このようなタイヤ呼び幅および周方向主溝21を有するソーラーカーレース用タイヤを適用対象とすることにより、タイヤの転がり抵抗の向上効果が顕著に得られる利点がある。
【0038】
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ回転方向の指定を有する(
図3参照)。また、タイヤ回転方向に対するラグ溝22の傾斜角θが20[deg]≦θ≦50[deg]の範囲内にある。かかる構成では、ラグ溝22の傾斜角θが適正化されるので、タイヤのウェット性能が向上する利点がある。
【0039】
また、この空気入りタイヤ1では、タイヤ全周におけるラグ溝22のピッチ数が70以上90以下の範囲内にある。かかる構成では、ラグ溝22の配置数が適正化されるので、タイヤの転がり抵抗が向上する利点がある。
【0040】
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ子午線方向の断面視にて、タイヤ接地端ELを境界として隣接するタイヤ接地面内のプロファイルラインと、タイヤ接地面外のプロファイルラインとを備える(
図4参照)。また、タイヤ接地面内のプロファイルラインがタイヤ径方向外側に凸となり、タイヤ接地面外のプロファイルラインがタイヤ径方向内側に凸となる。かかる構成では、タイヤ接地面外にて、ショルダー部のゴム重量を軽減できる。これにより、タイヤ重量を軽減して、タイヤの転がり抵抗を向上できる利点がある。
【0041】
また、この空気入りタイヤ1は、タイヤ接地面内のプロファイルラインとタイヤ接地面外のプロファイルラインとの段差gが1.5[mm]≦g≦3.0[mm]の範囲内にある(
図4参照)。かかる構成では、タイヤ接地面外のプロファイルラインの凹み量(段差g)が適正化されるので、タイヤ重量を軽減してタイヤの転がり抵抗を向上できる利点がある。例えば、g<1.5[mm]となると、タイヤ重量の軽減効果が十分に得られず、また、3.0[mm]<gとなると、ゴム量が不足して段差部分でのゴム流れが悪くなり、加硫時に加硫故障が発生し易くなるため、好ましくない。
【0042】
また、この空気入りタイヤ1は、トレッド部の非接地領域に、ディンプル41および細溝42の少なくとも一方を備える(
図3参照)。また、非接地領域の面積Saと、非接地領域におけるディンプル41および細溝42の配置面積の総和Sdとが0.30≦Sd/Sa≦0.50の関係を有する。かかる構成では、非接地領域におけるディンプル41および細溝42の配置面積Sdが適正化されるので、タイヤ重量を軽減してタイヤの転がり抵抗を向上できる利点がある。例えば、Sd/Sa<0.30となると、タイヤ重量の軽減効果が十分に得られず、また、0.50<Sd/Saとなると、製造故障が発生し易くなり、好ましくない。
【0043】
また、この空気入りタイヤ1は、カーカス層13がバイアス構造を構成する一対のカーカスプライ131、132を有すると共に、これらのカーカスプライ131、132のカーカス角度φが20[deg]≦φ≦40[deg]の範囲内にある(
図2参照)。かかる構成では、カーカス層13がバイアス構造を有することにより、タイヤの構造強度が確保される。これにより、タイヤのベルトレス構造を実現して、タイヤを軽量化できる利点がある。この点は、高内圧条件下にて使用されるソーラーカーレース用タイヤにおいて、特に有益である。また、カーカスプライ131、132のカーカス角度φが適正化されることにより、タイヤ周方向の構造強度が増加する。これにより、タイヤの転がり抵抗が増加する利点がある。
【実施例】
【0044】
図6は、この発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表である。
【0045】
この実施例では、相互に異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)ウェット性能および(2)転がり抵抗値に関する評価が行われた(
図5参照)。これらの性能試験では、タイヤサイズ2.25−16の空気入りタイヤがリムサイズ16×2.15のレース用リムに組み付けられ、この空気入りタイヤに650[kPa]の空気圧および1.2[kN]の荷重が付与される。
【0046】
(1)ウェット性能に関する性能試験では、空気入りタイヤを装着した試験車両がウェット路面を走行して、テストドライバーが官能評価を行う。この評価は、従来例を基準(100)とした指数評価であり、その数値が大きいほど好ましい。
【0047】
(2)転がり抵抗値は、室内ドラム試験機を用いて測定される。そして、この測定値に基づいて、従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、その数値が小さいほど転がり抵抗値が小さく、好ましい。
【0048】
実施例1〜5の空気入りタイヤ1は、ソーラーカーレース用タイヤであり、2本の周方向主溝21、21と、ショルダー陸部32に配置されて各周方向主溝21、21に連通するオープン型のラグ溝22とをトレッド面に備えている(
図3参照)。また、周方向主溝21の溝深さH1がH1=1.5[mm]であり、溝幅W1がW1=4.0[mm]である。また、ラグ溝22の溝深さH2がH2=1.0[mm]であり、溝幅W2がW2=0.7[mm]である。また、カーカス層13がバイアス構造を有し、カーカスプライ131、132のカーカス角度φが20[deg]≦φ≦40[deg]の範囲内にある。また、各ラグ溝22のピッチPがP=20.0[mm]である。
【0049】
従来例の空気入りタイヤは、ソーラーカーレース用タイヤであり、実施例1の空気入りタイヤ1と同じ2本の周方向主溝のみを備え、ラグ溝を備えていない(図示省略)。比較例の空気入りタイヤは、ソーラーカーレース用タイヤであり、実施例1の空気入りタイヤ1と同じ2本の周方向主溝を備え、また、ショルダー陸部32に配置されるが、これらの周方向主溝には開口しないセミクローズド型のラグ溝を備えている(図示省略)。
【0050】
試験結果に示すように、実施例1〜5の空気入りタイヤ1では、従来例および比較例の空気入りタイヤと比較して、タイヤの転がり抵抗が維持されつつウェット性が向上することが分かる。また、実施例1、2を比較すると、ラグ溝22の傾斜角θが適正化されることにより、タイヤのウェット性能が向上することが分かる。また、実施例2、3を比較すると、ラグ溝22のピッチ数が適正化されることにより、タイヤの転がり抵抗が向上することが分かる。また、実施例3、4を比較すると、接地端ELに段差gが形成されることにより、タイヤの転がり抵抗値が減少することが分かる。また、非接地領域の溝面積比Sd/Saが適正化されることにより、タイヤの転がり抵抗値が減少することが分かる。