(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る衛生用紙収納用のカートンを実施するための形態について具体的に説明する。
【0017】
[1]本発明に係る衛生用紙収納用のカートンの特徴:
本発明に係る衛生用紙収納用のカートンは、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、底面部4及び側面部6,7のいずれか一方に、カートン1を壁面に掛け止めるための掛止片100となる掛止片領域102及び掛止片領域102を包囲する掛止片用切込線104が形成され、掛止片用切込線104は、底面部4又は側面部6,7の一の縁部106側の2つの点を起点108とし、一の縁部106と対向する縁部112側に向かって凸となる軌跡を描くように形成されているカートン1である。
【0018】
このような構成では、カートンの一部によって掛止片を形成することができる。従って、壁掛けホルダー等の壁掛けのための特別な部材を別途購入しなくとも、カートンを壁面に掛止することができる。また、カートンに切込線を形成するだけで製造することができる。従って、形状・構造が簡素で、従来公知の製造方法の範疇で製造することができ、磁石等の特別な部材も不要であり、製造コストも安い。更に、家庭用の壁掛けフックや磁石を利用して壁面にカートンを掛止することができるので便利である。
【0019】
[1−1]掛止片領域、掛止片用切込線:
「掛止片領域」は、カートンを壁面に掛け止めるための掛止片となる領域である。また、「掛止片用切込線」は、掛止片領域を包囲するように形成された切込線である。
図1B、
図1C、
図2B又は
図2Cに示すように、掛止片領域102を包囲する掛止片用切込線104が切り離されると、掛止片領域102は掛止片100となる。
【0020】
掛止片領域、掛止片用切込線の数は少なくとも1箇所であり、2箇所以上形成されていてもよい。
図2A〜
図2Dに示すカートン1bは、掛止片領域102及び掛止片用切込線104を1箇所形成した形態である。一方、
図1A〜
図1Dに示すカートン1aは、掛止片領域102及び掛止片用切込線104を2箇所形成した形態である。
【0021】
掛止片領域、掛止片用切込線の形成部位は、底面部及び側面部のいずれか一方である。即ち、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、掛止片領域102及び掛止片用切込線104は、底面部4又は側面部6,7のいずれか一方に形成されている。
【0022】
また、掛止片領域及び掛止片用切込線が、側面部に形成されている形態には、
図1A〜
図1Dに示すように、掛止片領域102及び掛止片用切込線104が、一対の側面部6,7の双方に形成されている形態の他、一対の側面部の一方に形成されている形態が含まれる。
【0023】
カートンを壁面に掛け止めることができる限り、掛止の形態は特に限定されない。例えば、
図1Cに示すように、壁面114に固定されたフック116にカートン1を吊り下げる形態、
図2Cに示すように、磁石118を利用して、鉄等の金属材からなる壁面114(例えば冷蔵庫の壁面等)にカートン1を固定する形態等を挙げることができる。
【0024】
壁面に固定されたフックにカートンを吊り下げる形態としては、
図1Cに示すように、掛止片100同士を連結させて把手を構成し、フック116に前記把手を引っ掛ける形態の他、掛止片にフック挿入孔を形成し、前記フックに前記フック挿入孔を引っ掛ける形態等を挙げることができる。
【0025】
例えば
図2A〜
図2Dに示す形態の掛止片領域102に、予めフック挿入孔が形成されていてもよい。フック挿入孔が形成されていることによって、磁石を用いて固定する形態だけでなく、壁面に固定されたフックに吊り下げる形態によってもカートンを掛止することが可能となる。
【0026】
フック挿入孔は、
図2A〜
図2Dに示すカートン1bで言えば、掛止片領域102の他の側面部7側の端部に形成されていることが好ましい。なお、フック挿入孔に代えてフック挿入孔を形成し得る挿入孔用切込線が形成されていてもよい。この形態においては挿入孔用切込線が切り離されると、フック挿入孔が形成される。このような形態は、予めフック挿入孔が形成されている形態と比較して、使用時までカートン内部が露出されないため、未使用時における衛生用紙や防汚フィルム等の汚れ・破れを防止することができる。
【0027】
「包囲」とは、掛止片用切込線によってカートンの底面部等の一部の領域が区画され、掛止片領域が形成されている状態を意味する。即ち、掛止片用切込線によって一部の領域が区画されている限り、掛止片用切込線が掛止片領域を完全に取り囲んでいる必要はない。
【0028】
通常、カートンの底面部や側面部は矩形状に形成されている。従って、「包囲」の形態としては、その矩形の3辺側が包囲され、残りの1辺側が開放された形態等を挙げることができる。
【0029】
例えば
図1A〜
図1Dに示すカートン1aは、矩形状の側面部6,7において、上面部2との境界線側、一の妻面部8との境界線(他の縁部112)側及び底面部4との境界線側が包囲され、他の妻面部10との境界線(一の縁部106)側が開放された形態である。
【0030】
一方、
図2A〜
図2Dに示すカートン1bは、矩形状の底面部4において、一の妻面部8との境界線側、一の側面部6との境界線(他の縁部112)側、他の妻面部10との境界線側が包囲され、他の側面部7との境界線(一の縁部106)側が開放された形態である。
【0031】
本発明に係るカートンにおいては、
図1A〜
図1D、
図2A〜
図2Dに示すように、掛止片用切込線104が、底面部4又は側面部6,7の一の縁部106側の2つの点を起点108として形成されている。
【0032】
底面部における「縁部」とは、一の側面部との境界線、他の側面部との境界線、一の妻面部との境界線及び他の妻面部との境界線のいずれかである。側面部における「縁部」とは、上面部との境界線、底面部との境界線、一の妻面部との境界線及び他の妻面部との境界線のいずれかである。
【0033】
「一の縁部側」とは、一の縁部からこれに対向する縁部に到るまでの領域を、前記領域の中央で二分割した場合の一の縁部側の領域に、2つの起点が存在していることを意味する。2つの起点は一の縁部からの距離が等距離となるように配置されることが好ましい。このような形態とすると、掛止用切込線を切り離して掛止片を形成し、前記掛止片を一の縁部に沿って折り返した際に、前記掛止片が一の縁部と直交するように突出する。従って、カートンの掛止が容易となる。更には、2つの起点が一の縁部上に形成されていると、起点からカートンの破断が進行し難い。従って、耐久性、美観の面で好ましい。
【0034】
また、
図1A〜
図1D、
図2A〜
図2Dに示すように、掛止片用切込線104は、一の縁部106と対向する縁部112側に向かって凸となる軌跡を描くように形成されている。「凸となる軌跡」とは、前記2つの起点を結ぶ曲線又は折れ線が、前記2つの起点よりも、前記2つの起点が形成された縁部と対向する縁部に近い点を経由する軌跡を意味する。例えば、逆U字状、逆V字状、円弧状、台形を構成する上底及び2本の脚からなる形状等を挙げることができる。
【0035】
掛止片領域の長さ(一の縁部から対向する縁部に向かう方向の長さを指す。)は、
図1B、
図1C、
図2B又は
図2Cに示すように、掛止片用切込線104を切り離して掛止片100を形成し、2つの起点108同士を結ぶ直線で折り返した際に、掛止片100が一の縁部106から突出するように形成されていることが好ましい。このような形態とすると、掛止片が突出した部分に前記フック挿入孔、前記フック挿入孔用切込線、後述する連結スリット用切込線等を形成することができる。また、
図2Dに示すように、掛止片100が突出した部分に磁石118を配置して壁面114に固定することもできる。
【0036】
具体的には、
図1B又は
図1Cに示すように、掛止片領域102及び掛止片用切込線104が、一対の側面部6,7の双方に形成され、掛止片用切込線104が、一の妻面部8と隣接する縁部106側の2つの点を起点108とし、他の妻面部10と隣接する縁部112側に向かって凸となる軌跡を描くように形成されている形態を挙げることができる。
【0037】
前記形態においては、掛止片領域102の他の妻面部10側の端部に、掛止片領域102同士を連結する連結スリット120となる連結スリット用切込線122が形成され、連結スリット用切込線122が、他の妻面部10と隣接する縁部112と平行に形成されていることが好ましい。このような構成は、2つの掛止片100の連結スリット120を相互に挿し込むことによって、2つの掛止片100を把手状に構成することができる。
【0038】
また、別の形態として、
図2B又は
図2Cに示すように、掛止片領域102及び掛止片用切込線104が、底面部4に形成され、掛止片用切込線104は、一の側面部6と隣接する縁部106側の2つの点を起点108とし、他の側面部7と隣接する縁部112側に向かって凸となる軌跡を描くように形成されている形態も好ましい。この形態は面積が大きい底面部4を利用して掛止片100を形成する。従って、面積が大きい掛止片100を形成することができる。
【0039】
更に、
図2B又は
図2Cに示す形態の変形例として、掛止片領域及び掛止片用切込線が、一対の側面部の少なくとも一方に形成され、掛止片用切込線は、底面部と隣接する縁部側の2つの点を起点とし、上面部と隣接する縁部側に向かって凸となる軌跡を描くように形成されている形態も好ましい。この形態は、
図2B又は
図2Cに示す形態と比較して掛止片が上面部に近い位置に形成される。従って、後述するようなウインドウフィルムと防汚フィルムを共用する形態においてフィルムの使用量を少なくすることができる。
【0040】
掛止片用切込線の形態は、いわゆるミシン目状のもの等、後述する取出口用切込線、引剥がし用切込線、押上片用切込線と同様のものを好適に用いることができる。
【0041】
[1−2]防汚フィルム:
本発明に係る衛生用紙収納用のカートンにおいては、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、掛止片領域102及び掛止片用切込線104が形成された部分の内面に、掛止片領域102と重畳するように防汚フィルム126が配置されてい
る。防汚フィルムを配置することによって、掛止片用切込線を切り離して掛止片を形成した後も、カートン内部に収納された衛生用紙の汚れや破れを防止することができる。
【0042】
前記形態においては、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、防汚フィルム126が、掛止片領域102を包囲するように形成された接着部124によって前記内面に貼着されてい
る。前記形態は防汚フィルムがカートン内面に対して安定的にかつ確実に貼着され、防汚フィルムがカートン内面から浮き上がり難い。従って、埃等がカートンの内部に侵入し難く、カートン内部に収納された衛生用紙の汚れを防止する効果が高い。また、防汚フィルム自体も破損され難い。
【0043】
防汚フィルムは専用のフィルムにより形成されていてもよい。但し、いわゆるウインドウフィルムと共用化してもよい。衛生用紙収納用のカートンにおいては、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、上面部2の内面に、取出口領域16と重畳するようにウインドウフィルム20が配置されることがある。このような形態においては、ウインドウフィルム20と防汚フィルム126が、連続する一体的なフィルム130により形成されていてもよい。防汚フィルムをウインドウフィルムと共用化すれば、部品点数は増加しない。従って、カートンの製造工程が簡素化され、カートンを容易に製造することができる。
【0044】
前記形態においては、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、ウインドウフィルム20は、取出口領域16を包囲するように形成された接着部22によって前記内面に貼着されていることが好ましい。防汚フィルムと同様の理由によるものである。
【0045】
防汚フィルムは、従来公知のウインドウフィルムと同様の材質により構成することができる。具体的な材質については、ウインドウフィルムの項で説明する。
【0046】
[2]本発明の他の部分の構成:
以下、本発明に係る衛生用紙収納用のカートンの他の部分について説明する。
【0047】
[2−1]カートン:
「衛生用紙」とは、液体や汚れを拭き取るための紙である。例えば、ティシュペーパー(顔ふき紙、化粧紙等と呼ばれるもの)、ちり紙、ペーパータオル(キッチンペーパー等)、トイレットペーパー(ロールを除く)、ワッティング(紙綿)等の使い捨て紙(例えば、紙パルプ技術便覧第5版、第459頁参照、1992年1月30日発行、紙パルプ技術協会編集・発行)等を挙げることができる。
【0048】
通常、カートンの内部空間には、複数枚の衛生用紙が折り畳まれ、連続的に積層された衛生用紙の束が収納される。その折りたたみ構造は、一の衛生用紙が折り畳まれ、その折り返し部分に他の衛生用紙が挟み込まれた状態で折り畳まれることによって、複数枚の衛生用紙が連続的に積層された構造とすることが多い。このような折り畳み構造は、最上層の衛生用紙を取り出すことにより、これに挟み込まれていた次層の衛生用紙の一部が取出口から突出し、衛生用紙の取出しを容易にする(いわゆるポップアップ方式)。
【0049】
本発明に係る衛生用紙収納用のカートンは、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、上面部2、底面部4、一対の側面部6,7及び一対の妻面部8,10を有している。「上面部」は取出口用切込線が形成される面を構成する矩形状の部分を指し、「底面部」は前記上面と対向する面を構成する矩形状の部分を指す。「側面部」は前記上面と前記底面を繋げる面を構成する矩形状の部分であって、かつ、前記上面及び底面の長辺に沿って配される部分を指す。「妻面部」は前記上面と前記底面を繋げる面を構成する矩形状の部分であって、かつ、前記上面及び底面の短辺に沿って配される部分を指す。
【0050】
本発明に係る衛生用紙収納用のカートンは、上面部、底面部、一対の側面部及び一対の妻面部によって衛生用紙を収納し得る内部空間が区画形成された箱体である。通常は、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、上面部2と底面部4、一対の側面部6,7同士、一対の妻面部8,10同士が平行に配置された直方体状に構成される。但し、上面部、底面部、一対の側面部及び一対の妻面部を有する限り、直方体の稜線部分を面取りしたものも、本明細書にいう「カートン」に含まれる。
【0051】
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように、上面部2には、取出口領域16を包囲する環状の取出口用切込線14が形成されている。「取出口領域」とは、取出口用切込線を切り離すことによりカートンから切除され、カートンに取出口を形成する領域である。カートンに取出口を形成することで、その取出口から衛生用紙を取り出すことが可能となる。
【0052】
「環状」とは、ある領域を包囲するように、切込線が連続的又は断続的に配置された形状を意味する。取出口用切込線を環状に形成することで、カートンから取出口領域を切除することが可能となる。前記定義を満たす限り、形状は特に限定されない。例えば、略長方形状、略長円形状、長楕円形状、矩形状、菱形状、又は多角形状等を挙げることができる。例えば、
図1A〜
図1Dに示すカートン1a、
図2A〜
図2Dに示すカートン1bは、取出口領域16を略矩形状に形成した例である。
【0053】
なお、取出口領域には、
図1A〜
図1D又は
図2A〜
図2Dに示すように取出口用切込線14の二点を繋ぐように、引剥がし用切込線52が形成されていてもよい。引剥がし用切込線52を形成することで、取出口領域16の引き剥がしが容易となる。
図1A〜
図1Dに示すカートン1a、
図2A〜
図2Dに示すカートン1bにおいては、略長方形状の取出口用切込線14の端部側に、略U字状の引剥がし用切込線52を形成している。
【0054】
また、カートンには、
図1Dに示すように底面部4に一対の押上片を形成するための押上片用切込線54が形成されていてもよい。カートン1に収納された衛生用紙の残量が少なくなった際に、底面部4に形成された押上片領域56を押圧し、押上片領域56を包囲する押上片用切込線54を切り離し押上片を形成する。この押上片をカートン1の内部空間側に折り曲げることによって、カートン1の内部空間に収納された衛生用紙が上面部2側に押し上げられる。従って、上面部2に形成される取出口から、衛生用紙を最後まで容易に取り出すことができる。
図1Dに示すカートン1aにおいては、底面部4の中央にU字状の押上片用切込線54が1対形成されている。
【0055】
取出口用切込線、引剥がし用切込線、押上片用切込線の形態は、いわゆるミシン目状のものの他、比較的長い切れ目(スリット)が断続的に配置されたものを挙げることができる。また、ジッパーと称される切れ目が鉤形に屈曲した開封用破断線(包装産業の周知・慣用技術集第281頁参照、昭和53年12月20日特許庁発行)や、2重のミシン目であってもよい。
【0056】
カートン(即ちカートンブランク)を構成する材質について特に制限はない。但し、カートンブランクを折り曲げ加工してカートンを形成する都合上、厚紙等の紙材料を構成材料とすることが好ましい。一般に、これらの紙材料としては、木材パルプ、古紙等を原料として製造されたものを好適に用いることができる。
【0057】
[2−2]ウインドウフィルム:
本発明に係るカートンにおいては、
図1A〜
図1D、
図2A、
図2C又は
図2Dに示すように上面部2の内面に、取出口領域16と重畳するようにウインドウフィルム20が配置されている形態が好ましい。前記形態は外部の塵や異物による衛生用紙の汚れや破れを防止することができる。
【0058】
通常、ウインドウフィルムの中央部には、
図1A〜
図1D、
図2A、
図2C又は
図2Dに示すように、衛生用紙を取り出すためのスリット18が形成されている。スリットは、ウインドウフィルムを貫通する切れ目である。カートンの内部空間に収納された衛生用紙は、スリットを通過してカートンの外部へ引き出される。このような構成はスリット間の摩擦により、ポップアップした衛生用紙がカートンの内部に落ち込むことが防止され、衛生用紙を取出口から突出させた状態で保持することが可能となる。
【0059】
ウインドウフィルムの構成材料は特に制限されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリビニルアルコール等のプラスチック;グラシン紙、クラフト紙、ケント紙、インディア紙等の印刷用紙、書道用紙、包装紙、加工原紙等の紙;等を好適に用いることができる。
【0060】
カートンの取出口を被覆することができる限りにおいて、フィルムの形状はいかなる形状であってもよい。但し、横長形状の取出口が汎用されるため、矩形状のフィルムを用いることが好ましい。ウインドウフィルムとしては、通常、透明フィルムが用いられる。但し、半透明、不透明、着色、文字・模様が印刷されたもの等であってもよい。
【0061】
通常、接着部は取出口を包囲する環状に配置されている。「環状」の定義は、取出口用切込線の項におけるものと同義である。具体的な形状についても、取出口用切込線と同様の形状を採用することができる。
【0062】
[3]製造方法:
本発明に係るカートンは、例えば紙材料等からなるカートンブランクの折り曲げ加工によって形成することができる。
【0063】
図1D又は
図2Dに示すカートンブランク60は、一枚の紙材料によって形成されている。カートンブランク60においては、折り曲げ線を介して上面部2、底面部4、一対の側面部6,7が形成されている。
【0064】
側面部6,7の端縁からは、折り曲げ線を介して内フラップ26が延出されている。また、上面部2の端縁からは、折り曲げ線を介して上面外フラップ28が延出されている。そして、底面部4の端縁からは、折り曲げ線を介して底面外フラップ30が延出されている。更に、底面部4の一の側縁部からは、折り曲げ線を介して、側面接合代32が延出されている。底面外フラップ30の先端には上面外フラップ28との接合代である妻面接合代34が付設されている。
【0065】
取出口用切込線14を包囲する位置には接着部22が形成されている。接着部は、例えば、接着剤、両面テープ、熱融着等の方法によって形成することができる。この接着部22に対し、スリット18が形成されたウインドウフィルム20を所定の位置に配置して貼り付けておく。
【0066】
このような従来公知のカートンブランクに、更に掛止片領域102及び掛止片用切込線104を形成する。掛止片用切込線104は、取出口用切込線14と同様の方法により形成することができる。
【0067】
掛止片用切込線104を包囲する位置には接着部124が形成されている。接着部124は、取出口用切込線14を包囲する接着部22と同様の方法により形成することができる。この接着部124に対し、ウインドウフィルム20と一体化されたフィルム130からなる防汚フィルム126を所定の位置に配置して貼り付けておく。
【0068】
前記のようなカートンブランク60は、折り曲げ加工によってカートンを形成することができる。まず、各折り曲げ線を折り曲げ、側面接合代32と側面部6,7を接着して妻面側が開放された角筒状とする。その後、妻面接合代34と上面外フラップ28を接合することで、一対の妻面部8,10を形成し、カートン1を形成する。