(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5741262
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】蛍光体封入用毛細管の製造方法、蛍光体封入用毛細管、波長変換部材及び波長変換部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20150611BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20150611BHJP
B23K 26/00 20140101ALI20150611BHJP
B23K 26/073 20060101ALI20150611BHJP
【FI】
G02F1/13357
H01L33/00 410
B23K26/00 H
B23K26/073
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-151476(P2011-151476)
(22)【出願日】2011年7月8日
(65)【公開番号】特開2012-48211(P2012-48211A)
(43)【公開日】2012年3月8日
【審査請求日】2014年2月6日
(31)【優先権主張番号】特願2010-168941(P2010-168941)
(32)【優先日】2010年7月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】和田 正紀
(72)【発明者】
【氏名】中島 外博
【審査官】
右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−157599(JP,A)
【文献】
特開平06−263465(JP,A)
【文献】
特開2007−225462(JP,A)
【文献】
特開2009−193676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
B23K 26/00 − 26/70
H01L 33/00 − 33/64
F21V 8/00
C03B 23/00 − 44/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側端部が封止されている一方、他方側端部が開口しており、前記他方側端部から蛍光体が注入される蛍光体封入用毛細管の製造方法であって、
横断面における外形が幅方向に細長い細長形状であり、かつ互いに対向する平板状の側壁部を有するガラス毛細管の一方側端部が融解し、一体化することにより封止されるまで前記ガラス毛細管の一方側端部を加熱し、封止部を形成する加熱工程を備え、
前記封止部の内壁と外壁とが実質的に非平行となるように前記封止部が形成される、蛍光体封入用毛細管の製造方法。
【請求項2】
前記ガラス毛細管として、角管状のガラス毛細管を使用する、請求項1に記載の蛍光体封入用毛細管の製造方法。
【請求項3】
前記加熱工程において、前記ガラス毛細管の一方側端部の幅方向における寸法が先端側に向かって小さくなる一方、前記ガラス毛細管の一方側端部の幅方向に垂直な厚み方向における寸法は、先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるように前記ガラス毛細管の一方側端部を加熱する、請求項1または2に記載の蛍光体封入用毛細管の製造方法。
【請求項4】
前記加熱工程において、前記ガラス毛細管の一方側端部の厚み方向における最大寸法が、前記ガラス毛細管の一方側端部を除く部分の厚み方向に沿った寸法の1.1倍〜3.0倍となるように前記ガラス毛細管の一方側端部を加熱する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体封入用毛細管の製造方法。
【請求項5】
前記加熱工程において、前記ガラス毛細管の一方側端部の幅方向及び幅方向に垂直な厚み方向のそれぞれにおける寸法が先端側に向かって小さくなるように前記ガラス毛細管の一方側端部を加熱する、請求項1または2に記載の蛍光体封入用毛細管の製造方法。
【請求項6】
レーザー照射装置及びバーナーの少なくとも一方を用いて前記ガラス毛細管の一方側端部を加熱する請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛍光体封入用毛細管の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の蛍光体封入用毛細管の製造方法により製造された蛍光体封入用毛細管。
【請求項8】
一方側端部が封止されている一方、他方側端部が開口しており、前記他方側端部から蛍光体が注入される蛍光体封入用毛細管であって、
横断面における外形が幅方向に細長い細長形状であり、かつ互いに対向する平板状の側壁部を有し、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、
前記毛細管本体の一方側端部を封止している封止部と、
を備え、
前記封止部は、幅方向における寸法が先端側に向かって小さくなる一方、幅方向に垂直な厚み方向における寸法が先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるように形成されており、前記封止部の内壁と外壁とが実質的に非平行である、蛍光体封入用毛細管。
【請求項9】
封止部の厚み方向における最大寸法は、毛細管本体の厚み方向に沿った寸法の1.1倍〜3.0倍である、請求項8に記載の蛍光体封入用毛細管。
【請求項10】
一方側端部が封止されている一方、他方側端部が開口しており、前記他方側端部から蛍光体が注入される蛍光体封入用毛細管であって、
横断面における外形が幅方向に細長い細長形状であり、かつ互いに対向する平板状の側壁部を有し、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、
前記毛細管本体の一方側端部を封止している封止部と、
を備え、
前記封止部は、幅方向及び幅方向に垂直な厚み方向のそれぞれにおける寸法が先端側に向かって小さくなるように形成されており、前記封止部の内壁と外壁とが実質的に非平行である、蛍光体封入用毛細管。
【請求項11】
前記封止部は、前記毛細管本体の貫通孔に開口している凹部を構成している側壁部及び底壁部を有し、
前記底壁部の少なくとも一部は、法線方向が前記毛細管本体の中心軸と平行な平面状に形成されている、請求項8〜10のいずれか一項に記載の蛍光体封入用毛細管。
【請求項12】
前記底壁部の中央部は、法線方向が前記毛細管本体の中心軸側を向くように形成されている、請求項11に記載の蛍光体封入用毛細管。
【請求項13】
前記毛細管本体の中心軸の延びる方向において、前記底壁部は、前記封止部の前記厚み方向における寸法が最大となる部分よりも中央側に位置している、請求項11または12に記載の蛍光体封入用毛細管。
【請求項14】
前記毛細管本体は、角管状に形成されている、請求項8〜13のいずれか一項に記載の蛍光体封入用毛細管。
【請求項15】
両端部が封止された毛細管と、
前記毛細管内に注入された蛍光体と、
を備える波長変換部材であって、
前記毛細管は、
横断面における外形が幅方向に細長い細長形状であり、かつ互いに対向する平板状の側壁部を有し、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、
前記毛細管本体の一方側端部を封止している第1の封止部と、
前記毛細管本体の他方側端部を封止している第2の封止部と、
を備え、
前記第1及び第2の封止部の少なくとも一方は、幅方向における寸法が先端側に向かって小さくなる一方、幅方向に垂直な厚み方向における寸法が先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるように形成されており、かつ該少なくとも一方の封止部の内壁と外壁とが実質的に非平行である、波長変換部材。
【請求項16】
両端部が封止された毛細管と、
前記毛細管内に注入された蛍光体と、
を備える波長変換部材であって、
前記毛細管は、
横断面における外形が幅方向に細長い細長形状であり、かつ互いに対向する平板状の側壁部を有し、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、
前記毛細管本体の一方側端部を封止している第1の封止部と、
前記毛細管本体の他方側端部を封止している第2の封止部と、
を備え、
前記第1及び第2の封止部の少なくとも一方は、幅方向及び幅方向に対して垂直な厚み方向のそれぞれにおける寸法が先端側に向かって小さくなるように形成されており、かつ該少なくとも一方の封止部の内壁と外壁とが実質的に非平行である、波長変換部材。
【請求項17】
請求項7〜14のいずれか一項に記載の蛍光体封入用毛細管の他方側端部から前記蛍光体を注入する工程と、
前記蛍光体が注入された蛍光体封入用毛細管の他方側端部を封止する第1の端部封止工程と、
を備える、波長変換部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光体封入用毛細管の製造方法、蛍光体封入用毛細管、波長変換部材及び波長変換部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、液晶ディスプレイのバックライトなどの用途に用いられる白色光源の開発が盛んに行われている。そのような白色光源の一例として、例えば下記の特許文献1には、青色光を出射するLED(Light Emitting Diode)の光出射側にLEDからの光の一部を吸収し、黄色の光を出射する波長変換部材を配置した光源が開示されている。この光源からは、LEDから出射され波長変換部材を透過した青色光と、波長変換部材から出射された黄色光との合成光である白色光が出射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−25285号公報
【特許文献2】特開2007−225462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液晶ディスプレイのバックライトには、直下型とエッジライト型とがある。直下型のバックライトは、比較的高い輝度が得られやすいという利点を有する反面、面状光源と拡散板とが積層されるため、厚さ寸法が大きくなりやすいという欠点を有する。それに対して、エッジライト型のバックライトでは、光源が導光体の側方に配置される。このため、エッジライト型のバックライトには、直下型のバックライトよりも薄型化しやすいという利点がある。従って、エッジライト型のバックライトは、携帯電話機用液晶ディスプレイや、ノート型パソコン用液晶ディスプレイなどの薄型であることが強く求められる用途に多用されている。
【0005】
このエッジライト型のバックライトでは、輝度むらが小さく均一な面状光を得るために、導光体の側面に対して均一に光を入射させる必要がある。このため、エッジライト型のバックライトでは、白色の線状光源が好適に用いられる。
【0006】
白色の線状光源としては、例えば、直線状に配置された青色光を出射する複数のLED(以下、「青色LED」とする。)と、複数の青色LEDの前方に配置されている線状の波長変換部材とを備えるものが考えられる。線状の波長変換部材としては、例えば、毛細管と、毛細管内に封入された蛍光体とを備えるものが考えられる。
【0007】
このような線状の波長変換部材を製造し得る方法として、例えば、上記特許文献2には、一方側端部が封止されたガラス毛細管に液体試料を注入した後に、ガラス毛細管の他方側端部をバーナーで加熱しながら切り離すことにより封止する方法が開示されている。
【0008】
また、例えば、一方側端部が封止されたガラス毛細管に液体試料を注入した後に、ガラス毛細管の他方側端部にガラス平板を融着させたり接着したりして封止することにより、線状の波長変換部材を製造することも考えられる。
【0009】
しかしながら、これらの方法で製造した波長変換部材では、ガラス毛細管の端部から、蛍光が漏れ出し、波長変換部材の長手方向に垂直な方向への光の取り出し効率が低くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、蛍光体が封入されたときに、蛍光体からの蛍光が端部から漏れ出しにくい蛍光体封入用毛細管の製造方法及び蛍光体封入用毛細管を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法は、一方側端部が封止されている一方、他方側端部が開口しており、他方側端部から蛍光体が封入される蛍光体封入用毛細管の製造方法に関する。本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法は、加熱工程を備えている。加熱工程は、横断面における外形が幅方向に細長い細長形状のガラス毛細管の一方側端部が融解し、一体化することにより封止されるまでガラス毛細管の一方側端部を加熱する工程である。本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法によれば、封入された蛍光体から蛍光体封入用毛細管の端部に向けて出射された光が蛍光体封入用毛細管内部に向けて好適に反射される。そして、反射された光の一部は、蛍光体封入用毛細管の側壁から出射される。従って、本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法によれば、封入された蛍光体からの蛍光が端部から漏れ出しにくく、管壁からの光の取り出し効率を高めることができる蛍光体封入用毛細管を製造することができる。
【0012】
本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法では、ガラス毛細管として、角管状のガラス毛細管を使用することが好ましい。
【0013】
本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法では、加熱工程において、ガラス毛細管の一方側端部の幅方向における寸法が先端側に向かって小さくなる一方、ガラス毛細管の一方側端部の幅方向に垂直な厚み方向における寸法は、先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるようにガラス毛細管の一方側端部を加熱することが好ましい。
【0014】
本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法では、加熱工程において、ガラス毛細管の一方側端部の厚み方向における最大寸法が、ガラス毛細管の一方側端部を除く部分の厚み方向に沿った寸法の1.1倍〜3.0倍となるようにガラス毛細管の一方側端部を加熱することが好ましい。
【0015】
本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法では、加熱工程において、ガラス毛細管の一方側端部の幅方向及び幅方向に垂直な厚み方向のそれぞれにおける寸法が先端側に向かって小さくなるようにガラス毛細管の一方側端部を加熱することがより好ましい。
【0016】
本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法では、レーザー照射装置及びバーナーの少なくとも一方を用いてガラス毛細管の一方側他端部を加熱することが好ましい。
【0017】
本発明に係る第1の蛍光体封入用毛細管は、上記本発明に係る蛍光体封入用毛細管の製造方法により製造されたものである。よって、封入された蛍光体からの蛍光が端部から漏れ出しにくい。従って、本発明に係る第1の蛍光体封入用毛細管を用いて波長変換部材を構成することにより、波長変換部材の管壁からの光の取り出し効率を高めることができる。その結果、この波長変換部材を用いることにより、高輝度のエッジライト型のバックライトを実現することができる。
【0018】
本発明に係る第2の蛍光体封入用毛細管は、一方側端部が封止されている一方、他方側端部が開口しており、他方側端部から蛍光体が封入される蛍光体封入用毛細管である。本発明に係る第2の蛍光体封入用毛細管は、横断面における外形が幅方向に細長い細長形状を有し、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、毛細管本体の一方側端部を封止している封止部とを備えている。封止部は、幅方向における寸法が先端側に向かって小さくなる一方、幅方向に垂直な厚み方向における寸法が先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるように形成されている。よって、封入された蛍光体からの蛍光が端部から漏れ出しにくく、管壁からの光の取り出し効率を高めることができる。従って、本発明に係る第2の蛍光体封入用毛細管を用いることにより、高輝度のエッジライト型のバックライトを実現することができる。
【0019】
本発明に係る第2の蛍光体封入用毛細管では、封止部の厚み方向における最大寸法は、毛細管本体の厚み方向に沿った寸法の1.1倍〜3.0倍であることが好ましい。
【0020】
本発明に係る第3の蛍光体封入用毛細管は、一方側端部が封止されている一方、他方側端部が開口しており、他方側端部から蛍光体が封入される蛍光体封入用毛細管である。本発明に係る第3の蛍光体封入用毛細管は、横断面における外形が幅方向に細長い細長形状を有し、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、毛細管本体の一方側端部を封止している封止部とを備えている。封止部は、幅方向及び幅方向に垂直な厚み方向のそれぞれにおける寸法が先端側に向かって小さくなるように形成されている。よって、封入された蛍光体からの蛍光が端部から漏れ出しにくく、管壁からの光の取り出し効率を高めることができる。従って、本発明に係る第3の蛍光体封入用毛細管を用いることにより、高輝度のエッジライト型のバックライトを実現することができる。
【0021】
本発明に係る第2及び第3の蛍光体封入用毛細管のそれぞれでは、封止部は、毛細管本体の貫通孔に開口している凹部を構成している側壁部及び底壁部を有し、底壁部の少なくとも一部は、法線方向が毛細管本体の中心軸と平行な平面状に形成されていることが好ましい。
【0022】
本発明に係る第2及び第3の蛍光体封入用毛細管のそれぞれでは、底壁部の中央部は、法線方向が毛細管本体の中心軸側を向くように形成されていることが好ましい。
【0023】
本発明に係る第2及び第3の蛍光体封入用毛細管のそれぞれでは、毛細管本体の中心軸の延びる方向において、底壁部は、封止部の厚み方向における寸法が最大となる部分よりも中央側に位置していることが好ましい。
【0024】
本発明に係る第2及び第3の蛍光体封入用毛細管のそれぞれでは、毛細管本体は、角管状に形成されていることが好ましい。
【0025】
本発明に係る第1の波長変換部材は、両端部が封止された毛細管と、毛細管内に封入された蛍光体とを備える。毛細管は、横断面における外形が幅方向に細長い細長形状を有し、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、毛細管本体の一方側端部を封止している第1の封止部と、毛細管本体の他方側端部を封止している第2の封止部とを備える。第1及び第2の封止部の少なくとも一方は、幅方向における寸法が先端側に向かって小さくなる一方、幅方向に垂直な厚み方向における寸法が先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるように形成されている。よって、蛍光体からの蛍光が毛細管の端部から漏れ出しにくく、毛細管の管壁からの光の取り出し効率を高めることができる。従って、本発明に係る第1の波長変換部材を用いることにより、高輝度のエッジライト型のバックライトを実現することができる。
【0026】
本発明に係る第2の波長変換部材は、両端部が封止された毛細管と、毛細管内に封入された蛍光体とを備える。毛細管は、横断面における外形が幅方向に細長い細長形状を有し、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、毛細管本体の一方側端部を封止している第1の封止部と、毛細管本体の他方側端部を封止している第2の封止部とを備える。第1及び第2の封止部の少なくとも一方は、幅方向及び幅方向に対して垂直な厚み方向のそれぞれにおける寸法が先端側に向かって小さくなるように形成されている。よって、蛍光体からの蛍光が毛細管の端部から漏れ出しにくく、毛細管の管壁からの光の取り出し効率を高めることができる。従って、本発明に係る第2の波長変換部材を用いることにより、高輝度のエッジライト型のバックライトを実現することができる。
【0027】
本発明に係る波長変換部材の製造法方法は、上記第1〜第3の蛍光体封入用毛細管のいずれかの他方側端部から蛍光体を注入する工程と、蛍光体が注入された蛍光体封入用毛細管の他方側端部を封止する第1の端部封止工程とを備えている。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、蛍光体が封入されたときに、蛍光体からの蛍光が端部から漏れ出しにくい蛍光体封入用毛細管の製造方法及び蛍光体封入用毛細管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】
図1の線II−IIにおける略図的断面図である。
【
図3】
図1の線III−IIIにおける略図的断面図である。
【
図4】加熱工程を説明するための模式的断面図である。
【
図5】加熱工程を説明するための模式的断面図である。
【
図6】加熱工程を説明するための模式的断面図である。
【
図7】加熱工程を説明するための模式的断面図である。
【
図10】変形例に係る蛍光体封入用毛細管の略図的断面図である。
【
図11】実施例において作製した蛍光体封入用毛細管の平面写真である。
【
図12】実施例において作製した蛍光体封入用毛細管の側面写真である。
【
図13】変形例におけるガラス毛細管の略図的横断面図である。
【
図14】変形例におけるガラス毛細管の略図的横断面図である。
【
図15】変形例におけるガラス毛細管の略図的横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、以下の実施形態は、単なる一例であり、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。
【0031】
図1は、ガラス毛細管の略図的斜視図である。
図2は、
図1の線II−IIにおける略図的断面図である。
図3は、
図1の線III−IIIにおける略図的断面図である。
【0032】
まず、
図1〜
図3に示すガラス毛細管10を用意する。ガラス毛細管10は、横断面(すなわち、幅方向W及び厚み方向Tに沿った断面)における外形が幅方向Wに細長い細長形状を有する。具体的には、本実施形態では、ガラス毛細管10は、角管状に形成されている。ここで、「角管」とは、長さ方向Lから視た際に、外形及び内形のそれぞれが矩形状である直管を意味する。「矩形」には、角部が面取り状またはR面取り状である矩形が含まれるものとする。
【0033】
ガラス毛細管10は、互いに対向する平板状の第1及び第2の側壁部10a、10bと、互いに対向する平板状の第3及び第4の側壁部10c、10dとを有する。これら第1〜第4の側壁部10a〜10dによって、角柱状の貫通孔10eが区画形成されている。
【0034】
ガラス毛細管10の寸法は特に限定されない。ガラス毛細管10の肉厚t(
図2を参照)は、例えば、0.01mm〜1.0mm程度とすることができる。ガラス毛細管10の厚み方向Tに沿った内径L1は、例えば、0.05mm〜1.0mm程度とすることができる。ガラス毛細管10の厚み方向Tに沿った外径L3は、例えば、0.07mm〜3.0mm程度とすることができる。ガラス毛細管10の幅方向Wに沿った内径L2は、例えば、0.1mm〜2.0mm程度とすることができる。ガラス毛細管10の幅方向Wに沿った外径L4は、例えば、0.12mm〜4.0mm程度とすることができる。L1/L2及びL3/L4は、例えば、0.025〜0.5程度とすることができる。t/L1は、例えば、0.01〜2.0程度とすることができる。t/L2は、例えば、0.005〜2.0程度とすることができる。ガラス毛細管10の長さ方向Lに沿った寸法L5は、例えば、10mm〜100mm程度とすることができる。
【0035】
ガラス毛細管10を構成しているガラスの種類は、特に限定されない。ガラス毛細管10は、例えば、珪酸塩系ガラス、硼酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、硼珪酸塩系ガラス、硼リン酸塩系ガラスなどからなるものであってもよい。なかでも、製造される蛍光体封入用毛細管の剛性を高める観点から、ガラス毛細管10は、珪酸塩系ガラス、硼珪酸塩系ガラスにより形成されていることが好ましい。
【0036】
ガラス毛細管10の軟化温度(At)も特に限定されない。ガラス毛細管10の軟化温度(At)は、例えば、700℃〜950℃程度とすることができる。
【0037】
次に、
図4に示すように、加熱手段11を用いて、ガラス毛細管10の一方側端部10Aを加熱する。加熱手段11は、ガラス毛細管10を好適に加熱できるものである限りにおいて特に限定されない。好適に用いられる加熱手段11としては、赤外線レーザー照射装置などのレーザー照射装置、ガスバーナーなどのバーナー、電気ヒーターなどが挙げられる。
【0038】
端部10Aの加熱が進行すると、
図5に示すように、端部10Aの融解が開始する。端部10Aが融解すると、ガラス融液の表面張力により、端部10Aの断面が円状となる。
【0039】
端部10Aの加熱がさらに進行するにつれ、端部10Aの融解がさらに進行し、端部10Aに形成される断面円状部分10A1の厚みが大きくなっていく。そして、
図6に示すように、断面円状部分10A1のうち、第1の側壁部10aから形成された部分と、第2の側壁部10bから形成された部分とが接する。そうすると、ガラス融液の表面張力により、第1の側壁部10aから形成された部分と、第2の側壁部10bから形成された部分とが一体化する。
【0040】
ここで、本実施形態では、第3及び第4の側壁部10c、10d間の距離は、第1及び第2の側壁部10a、10b間の距離よりも長い。従って、
図7に示すように、断面円状部分10A1のうち、第1の側壁部10aから形成された部分と、第2の側壁部10bから形成された部分とが接したときにも、断面円状部分10A1のうち、第3の側壁部10cから形成された部分と、第4の側壁部10dから形成された部分とは当接しない。しかしながら、第1の側壁部10aから形成された部分と、第2の側壁部10bから形成された部分との一体化が開始すると、それに伴い、断面円状部分10A1のうち、第3の側壁部10cから形成された部分と、第4の側壁部10dから形成された部分とが近づく方向に移動し、一体化する。その結果、端部10Aが封止される。端部10Aの加熱は、端部10Aが完全に封止されるまで行う。そして、端部10Aを冷却することにより、
図8及び
図9に示す蛍光体封入用毛細管20が完成する。
【0041】
蛍光体封入用毛細管20の一方側端部が開口している一方、他方側端部は封止されている。蛍光体封入用毛細管20には、開口している端部から蛍光体が注入される。その後、開口していた端部も、上記と同様の手順で封止される。それにより蛍光体が封入されたガラス毛細管からなる線状の波長変換部材が完成する。
【0042】
次に、本実施形態において製造された蛍光体封入用毛細管20の構成について、
図8及び
図9を参照しながら説明する。
【0043】
蛍光体封入用毛細管20は、毛細管本体21と、封止部22とを備えている。毛細管本体21は、ガラス毛細管10のうち、融解しなかった部分により構成されている。毛細管本体21は、横断面における外径が幅方向Wに細長い細長形状を有している。具体的には、毛細管本体21は、角管状の直管である。毛細管本体21の肉厚は略一定である。
【0044】
封止部22は、ガラス毛細管10のうち、融解した端部10Aにより形成された部分である。封止部22は、毛細管本体21の一方側端部を封止している。封止部22は、
図9に示すように、幅方向Wにおける寸法(外径)が先端側に向かって小さくなる一方、
図8に示すように、幅方向Wに垂直な厚み方向Tにおける寸法(外径)が先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるように形成されている。本実施形態においては、封止部22の厚み方向Tにおける最大寸法L9(
図8を参照)は、毛細管本体21の厚み方向Tに沿った寸法L10(=L3)の1.1倍〜3.0倍であることが好ましい。具体的には、L9は、0.08mm〜9mm程度であることが好ましい。
【0045】
封止部22は、毛細管本体21の貫通孔21aに開口している凹部22aを構成している側壁部23及び底壁部24を有する。側壁部23は、
図8に示すように、幅方向Wから視た際に、先端側に向かって徐々に広がっている一方、
図9に示すように、厚み方向Tから視た際に、底壁部24の互いに対向する部分間の距離が先端側に向かって徐々に狭まっている。
【0046】
底壁部24の少なくとも一部は、法線方向が毛細管本体21の中心軸Aと平行な平面状に形成されている。詳細には、本実施形態では、底壁部24の中央部と、側壁部23との接続部とを除いた部分が、法線方向が毛細管本体21の中心軸Aと平行な平面状に形成されている。底壁部24の中央部は、法線方向が中心軸A側を向くように形成されている。すなわち、幅方向W及び厚み方向Tのそれぞれから視た際に、先端側に向かって狭くなるように形成されている。
【0047】
中心軸Aの延びる方向(=長さ方向L)において、底壁部24は、封止部22の厚み方向Tにおける寸法が最大となる部分よりも中央側に位置している。
【0048】
底壁部24から封止部22の先端までの距離L6は、封止部22の長さL7の0.2倍〜0.8倍の範囲内であることが好ましい。具体的には、L6は、0.1mm〜4.0mm程度であることが好ましい。L7は、0.13mm〜10mm程度であることが好ましい。L8(
図9を参照)は、0.1mm〜4.0mm程度であることが好ましい。
【0049】
上記本実施形態の蛍光体封入用毛細管の製造方法によれば、上述のように、蛍光体封入用毛細管20の封止部22の内壁と外壁とが実質的に非平行となる。このため、蛍光体封入用毛細管20に封入された蛍光体からの光は、封止部22の内壁及び外壁のうちのいずれかによって反射されやすくなる。よって、封止部22から蛍光が洩れにくくなると共に、毛細管本体21からの蛍光の出射率が高くなる。従って、本実施形態において製造された蛍光体封入用毛細管20を用いてエッジライト型のバックライトを構成することにより、高輝度なバックライトを実現することができる。なお、蛍光体封入用毛細管20の開口している端部より蛍光体を注入した後、開口している端部も上記と同様の手順で封止することにより、より顕著な上述の効果を得ることができる。
【0050】
一方、上記特許文献2に記載のように、ガラス毛細管の途中部を加熱し融解させると共に、ガラス毛細管の両端部を互いに離れる方向に引っ張ることによりガラス毛細管の端部を封止した場合は、封止部の厚みが略一定になる。このため、封止部の内壁と外壁とが略平行となる。よって、封入された蛍光体からの光が封止部から漏れだしやすくなる。従って、毛細管本体からの蛍光の出射率が低くなってしまう。
【0051】
次に、本実施形態において作製した蛍光体封入用毛細管20を用いて波長変換部材を製造する方法について説明する。
【0052】
まず、蛍光体封入用毛細管20の開口から、蛍光体を注入する。蛍光体の注入方法は特に限定されないが、蛍光体が、液体状であったり、蛍光体微粒子が液体中に分散したものであったりする場合は、例えば、蛍光体封入用毛細管20内を減圧にした状態で蛍光体封入用毛細管20内に蛍光体を供給する方法を用いることが好ましい。
【0053】
尚、注入する蛍光体の種類は特に限定されない。蛍光体の具体例としては、例えば、無機蛍光体粉末を含むものであってもよい。波長300nm〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の可視光(波長が440nm〜480nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、Sr
5(PO
4)
3Cl:Eu
2+、(Sr,Ba)MgAl
10O
17:Eu
2+などが挙げられる。波長300nm〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると緑色の可視光(波長が500nm〜540nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、SrAl
2O
4:Eu
2+、SrGa
2S
4:Eu
2+などが挙げられる。波長440nm〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の可視光(波長が500nm〜540nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、SrAl
2O
4:Eu
2+、SrGa
2S
4:Eu
2+などが挙げられる。波長300nm〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると黄色の可視光(波長が540nm〜595nmの蛍光)を発する無蛍光体の具体例としては、ZnS:Eu
2+などが挙げられる。波長440nm〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の可視光(波長が540nm〜595nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、Y
3(Al,Gd)
5O
12:Ce
2+などが挙げられる。波長300nm〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると赤色の可視光(波長が600nm〜700nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、Gd
3Ga
4O
12:Cr
3+、CaGa
2S
4:Mn
2+などが挙げられる。波長440nm〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の可視光(波長が600nm〜700nmの蛍光)を発する無機蛍光体の具体例としては、Mg
2TiO
4:Mn
4+、K
2SiF
6:Mn
4+などが挙げられる。
【0054】
また、無機蛍光体粉末は、例えば、量子ドットであってもよい。量子ドットは、励起光が入射したときに、励起光とは異なる波長の光を出射するものである。量子ドットから出射される光の波長は、量子ドットの粒子径に依存する。すなわち、量子ドットの粒子径を変化させることにより得られる光の波長を調整することができる。このため、量子ドットの粒子径は、得ようとする光の波長に応じた粒子径とされている。量子ドットは、一般に酸素との接触により劣化が生じ易い。
【0055】
量子ドットは、例えば、粒子径が2nm〜10nm程度のものを用いることができる。例えば、波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光を照射すると青色の可視光(波長が440nm〜480nmの蛍光)を発する量子ドットの具体例としては、粒子径が2.0nm〜3.0nm程度のCdSeの微結晶などが挙げられる。波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光や波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると緑色の可視光(波長が500nm〜540nmの蛍光)を発する量子ドットの具体例としては、粒子径が3.0nm〜3.3nm程度のCdSeの微結晶などが挙げられる。波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光や波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると黄色の可視光(波長が540nm〜595nmの蛍光)を発する量子ドットの具体例としては、粒子径が3.3nm〜4.5nm程度のCdSeの微結晶などが挙げられる。波長300〜440nmの紫外〜近紫外の励起光や波長440〜480nmの青色の励起光を照射すると赤色の可視光(波長が600nm〜700nmの蛍光)を発する量子ドットの具体例としては、粒子径が4.5nm〜10nm程度のCdSeの微結晶などが挙げられる。
【0056】
蛍光体封入用毛細管20内には、励起光の波長域や発光させたい色に合わせて、1種類または複数種類の蛍光体30を封入してもよい。例えば、紫外〜近紫外の励起光を照射して、演色性に優れた白色光を得たい場合は、紫外〜近紫外の励起光の照射により、青色、緑色及び赤色の可視光(蛍光)を発する蛍光体30を混合して使用すればよい。また、青色の励起光を照射して、演色性に優れた白色光を得たい場合は、青色の励起光の照射により、緑色及び赤色の可視光(蛍光)を発する蛍光体30を混合して使用すればよい。
【0057】
次に、蛍光体封入用毛細管20の開口部を、蛍光体封入用毛細管20の製造に際して行った封止方法と実質的に同様の方法により封止する。これにより、両端部が封止された毛細管内に蛍光体が封入された波長変換部材を完成させることができる。 本実施形態に係る波長変換部材の毛細管の両端部のそれぞれは、
図8及び
図9に示す構造を有する。具体的には、波長変換部材の毛細管は、横断面における外形が幅方向に細長い細長形状を有する。毛細管は、肉厚が略一定の直管状の毛細管本体と、毛細管本体の一方側端部を封止している第1の封止部と、毛細管本体の他方側端部を封止している第2の封止部とを備える。第1及び第2の封止部のそれぞれは、幅方向における寸法が先端側に向かって小さくなる一方、幅方向に垂直な厚み方向における寸法が先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるように形成されている。よって、蛍光体からの蛍光が毛細管の端部から漏れ出しにくく、毛細管の管壁からの光の取り出し効率を高めることができる。従って、本実施形態に係る波長変換部材を用いることにより、高輝度のエッジライト型のバックライトを実現することができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、封止部22の先端が長さ方向Lに突出するようになるまで端部10Aの加熱を十分に行う例について説明した。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、加熱時間を短くしたり、加熱温度を低くしたりして、
図10に示すように、封止部22の先端に窪み25が形成されるようにしてもよい。
【0059】
上記実施形態では、封止部22を、幅方向Wにおける寸法(外径)が先端側に向かって小さくなる一方、幅方向Wに垂直な厚み方向Tにおける寸法(外径)が先端側に向かって一旦大きくなった後に小さくなるように形成する例について説明した。但し、本発明は、これに限定されない。封止部22を、幅方向W及び幅方向Wに垂直な厚み方向Tのそれぞれにおける寸法(外径)が先端側に向かって小さくなるように形成してもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様に、封止部22から蛍光が漏れにくくなり、その結果、毛細管本体21からの蛍光の出射率が高くなる。従って、高輝度なバックライトを実現することができる。
【0060】
上記実施形態では、ガラス毛細管10の横断面における内形及び外形のそれぞれが略矩形状である例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。
図13に示すように、ガラス毛細管10の横断面における内形及び外形のそれぞれが長円状であってもよい。また、ガラス毛細管の横断面における内形及び外形のそれぞれが楕円形状であってもよい。
【0061】
図14に示すように、ガラス毛細管10の横断面における内形が略矩形状である一方、外形が長円状または楕円形状であってもよい。
【0062】
図15に示すように、ガラス毛細管10の横断面における内形が略矩形状であって、外形が、幅方向に対向する2辺が外側に向かって膨出した略矩形状であってもよい。
【0063】
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0064】
(実施例)
まず、延伸成形法により、L3が0.2mm、L4が0.6mm、L1が0.1mm、L2が0.5mmで肉厚tが、0.05mmのガラス毛細管10を成形した。次に、端部が融解し、一体化することにより封止されるまで、ガラス毛細管10の端部を赤外線レーザーを用いて加熱して蛍光体封入用毛細管20を作製した。作製した蛍光体封入用毛細管20の平面写真を
図11に示し、側面写真を
図12に示す。
【0065】
(比較例)
上記実施例において作製したガラス毛細管10の端部にガラス毛細管10と同様の組成を有するガラスからなるガラス平板を融着させることにより、端部が平板状である蛍光体封入用毛細管を作製した。
【0066】
上記実施例及び比較例のそれぞれにおいて作製した蛍光体封入用毛細管に蛍光体を同様に封入し、LEDを用いて、蛍光体封入用毛細管の側面に青色光を照射したときに蛍光体封入用毛細管の端部から漏れ出す蛍光の強度を測定した。その結果、実施例において作製した蛍光体封入用毛細管の端部から漏れ出した蛍光の平均明度は、比較例において作製した蛍光体封入用毛細管の端部から漏れ出した蛍光の平均明度の約0.34倍であった。この結果から、実施例の方が、封止部から蛍光が漏れ出しにくいことが分かる。
【符号の説明】
【0067】
10…ガラス毛細管
10A…ガラス毛細管の端部
10A1…断面円状部分
10a…第1の側壁部
10b…第2の側壁部
10c…第3の側壁部
10d…第4の側壁部
10e…貫通孔
11…加熱手段
20…蛍光体封入用毛細管
21…毛細管本体
21a…貫通孔
22…封止部
22a…凹部
23…側壁部
24…底壁部
25…窪み