(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示部は、前記エリアに対応する地図画像に、前記履歴が示す位置が含まれる回数に予め対応付けられた色を用いて前記複数のブロックのそれぞれを描画して得られる画像を重畳させて、前記モニターに表示する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション端末。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、目的地によっては、もしくはユーザーによっては、地図上のアイコン等を選択せず、ナビゲーションサービスを利用することなく、車両を運転することがある。また、現在地から目的地までの経路の途中で、ナビゲーション端末を操作することなく、休憩などのために立ち寄ったり、その場で見つけたスポットに立ち寄ってみたりすることがある。そのため、従来技術ではユーザーは施設やエリア等の人気の実態を把握することができないことがあった。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するものであり、ユーザーによる立ち寄り頻度が高い場所を示す情報をより的確にユーザーに提供することができるナビゲーション端末、ナビゲーションシステム、ナビゲーション端末の制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係るナビゲーション端末は、
車両に設置されるナビゲーション端末であって、
現在の日時を取得する日時取得部と、
現在の
前記車両の位置を取得する位置取得部と、
前記日時取得部および前記位置取得部によって取得された日時と位置の履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記履歴記憶部に記憶された履歴に基づいて、前記車両の
停止が開始した時刻から前記車両の停止が終了した時刻までを示す停車時間が
第1の時間長以上且つ第2の時間長以下であると判別した場合に、集計対象となるエリアを分割する複数のブロックごとに集計された集計結果であって、前記複数のブロックのそれぞれについて前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数が対応付けられた集計結果を取得する
集計結果取得部と、
前記エリアに対応する地図画像と共に、前記
集計結果取得部により取得した集計結果をモニターに表示する表示部と、
を備え
、
前記集計結果取得部は、前記ナビゲーション端末の電源オン時に取得された前記車両の位置が前記ナビゲーション端末の前回の電源オン時における前記車両の位置と同じではない場合、前記ナビゲーション端末の前回の電源オフ時刻から今回の電源オン時刻までの時間を前記停車時間とし、前記ナビゲーション端末の電源オン時に取得された前記車両の位置が前記ナビゲーション端末の前回の電源オン時における前記車両の位置と同じである場合、前記ナビゲーション端末の前々回の電源オフ時刻から今回の電源オン時刻までの時間を前記停車時間とする、
ことを特徴とする。
【0008】
前記表示部は、前記エリアに対応する地図画像に、前記履歴が示す位置が含まれる回数に予め対応付けられた色を用いて前記複数のブロックのそれぞれを描画して得られる画像を重畳させて、前記モニターに表示してもよい。
【0010】
前記集計結果の集計期間を指定する入力をユーザーから受け付ける入力受付部を更に備えてもよい。
そして、前記
集計結果取得部は、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数であって、前記履歴が示す日時が前記入力受付部により指定された集計期間に含まれる回数が対応付けられた前記集計結果を取得してもよい。
【0011】
前記エリアに対応する地図画像の縮尺を指定する入力をユーザーから受け付ける入力受付部を更に備えてもよい。
そして、前記
集計結果取得部は、前記入力受付部により指定された縮尺に基づいて定まる前記エリアを分割する前記複数のブロックごとに集計された前記集計結果を取得し、
前記表示部は、前記入力受付部により指定された縮尺に基づいて、前記エリアに対応する地図画像と前記取得した集計結果を前記モニターに表示してもよい。
【0012】
本発明の第2の観点に係るナビゲーションシステムは、
複数のナビゲーション端末と、サーバー装置と、を有するナビゲーションシステムであって、
前記複数のナビゲーション端末のそれぞれは、
現在の日時を取得する日時取得部と、
現在の車両の位置を取得する位置取得部と、
前記日時取得部および前記位置取得部によって取得された日時と位置の履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記履歴記憶部に記憶された履歴に基づいて、前記車両の
停止が開始した時刻から前記車両の停止が終了した時刻までを示す停車時間が
第1の時間長以上且つ第2の時間長以下であると判別した場合に、前記記憶された履歴を前記サーバー装置に送信する履歴送信部と、
を備え、
前記サーバー装置は、
前記履歴を前記複数のナビゲーション端末のそれぞれから受信する履歴受信部と、
集計対象となるエリアを分割する複数のブロックごとに、前記受信した履歴を集計し、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数を求める集計部と、
前記複数のナビゲーション端末のうち、前記集計部による集計結果を送信する旨の要求があったナビゲーション端末に、前記集計結果を送信する集計結果送信部と、
を備え、
前記複数のナビゲーション端末のそれぞれは、さらに、
前記集計結果を前記サーバー装置から受信する集計結果受信部と、
前記エリアに対応する地図画像と共に、前記集計結果受信部により受信した集計結果をモニターに表示する表示部と、
を備え
、
前記履歴送信部は、前記ナビゲーション端末の電源オン時に取得された前記車両の位置が前記ナビゲーション端末の前回の電源オン時における前記車両の位置と同じではない場合、前記ナビゲーション端末の前回の電源オフ時刻から今回の電源オン時刻までの時間を前記停車時間とし、前記ナビゲーション端末の電源オン時に取得された前記車両の位置が前記ナビゲーション端末の前回の電源オン時における前記車両の位置と同じである場合、前記ナビゲーション端末の前々回の電源オフ時刻から今回の電源オン時刻までの時間を前記停車時間とする、
ことを特徴とする。
【0013】
前記履歴送信部は、前記履歴記憶部に記憶された履歴と共に、前記ナビゲーション端末のユーザーを識別するユーザー識別情報を前記サーバー装置に送信してもよい。
そして、前記集計部は、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数のうち、特定のユーザー識別情報が対応付けられた前記履歴が示す位置が含まれる回数の占める割合が所定値以上の場合に、前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数を補正してもよい。
【0014】
前記履歴送信部は、前記履歴記憶部に記憶された履歴と共に、前記ナビゲーション端末を識別する端末識別情報を前記サーバー装置に送信してもよい。
そして、前記集計部は、前記複数のブロックのそれぞれについて、前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数のうち、特定の端末識別情報が対応付けられた前記履歴が示す位置が含まれる回数の占める割合が所定値以上の場合に、前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数を補正してもよい。
【0015】
前記集計部によって得られた集計結果を保存するデータベースを更に備えてもよい。
そして、前記集計結果送信部は、前記データベースに保存された集計結果を、前記集計部による集計結果を送信する旨の要求があったナビゲーション端末に送信してもよい。
【0017】
本発明の第3の観点に係るナビゲーション端末の制御方法は、
車両に設置されるナビゲーション端末にて実行される制御方法であって、
日時取得部が、現在の日時を取得する日時取得ステップと、
位置取得部が、現在の車両の位置を取得する
位置取得ステップと、
履歴記憶部が、前記日時取得ステップおよび前記位置取得ステップにおいて取得された日時と位置の履歴をメモリに記憶する履歴記憶ステップと、
集計結果取得部が、前記履歴記憶ステップにおいて記憶された履歴に基づいて、前記車両の
停止が開始した時刻から前記車両の停止が終了した時刻までを示す停車時間が
第1の時間長以上且つ第2の時間長以下であると判別した場合に、集計対象となるエリアを分割する複数のブロックごとに集計された集計結果であって、前記複数のブロックのそれぞれについて前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数が対応付けられた集計結果を取得する
集計結果取得ステップと、
表示部が、前記エリアに対応する地図画像と共に、前記
集計結果取得ステップにおいて取得した集計結果をモニターに表示する表示ステップと、
を備え
、
前記集計結果取得ステップでは、前記集計結果取得部は、前記ナビゲーション端末の電源オン時に取得された前記車両の位置が前記ナビゲーション端末の前回の電源オン時における前記車両の位置と同じではない場合、前記ナビゲーション端末の前回の電源オフ時刻から今回の電源オン時刻までの時間を前記停車時間とし、前記ナビゲーション端末の電源オン時に取得された前記車両の位置が前記ナビゲーション端末の前回の電源オン時における前記車両の位置と同じである場合、前記ナビゲーション端末の前々回の電源オフ時刻から今回の電源オン時刻までの時間を前記停車時間とする、
ことを特徴とする。
【0018】
本発明の第4の観点に係るプログラムは、
車両に設置されるコンピュータを、
現在の日時を取得する日時取得部、
現在の
前記車両の位置を取得する位置取得部、
前記日時取得部および前記位置取得部によって取得された日時と位置の履歴を記憶する履歴記憶部、
前記履歴記憶部に記憶された履歴に基づいて、
前記車両の停止が開始した時刻から前記車両の停止が終了した時刻までを示す停車時間が
第1の時間長以上且つ第2の時間長以下であると判別した場合に、集計対象となるエリアを分割する複数のブロックごとに集計された集計結果であって、前記複数のブロックのそれぞれについて前記ブロックに前記履歴が示す位置が含まれる回数が対応付けられた集計結果を取得する
集計結果取得部、
前記エリアに対応する地図画像と共に、前記
集計結果取得部により取得した集計結果をモニターに表示する表示部、
として機能させ
、
前記集計結果取得部は、前記コンピュータの電源オン時に取得された前記車両の位置が前記コンピュータの前回の電源オン時における前記車両の位置と同じではない場合、前記コンピュータの前回の電源オフ時刻から今回の電源オン時刻までの時間を前記停車時間とし、前記コンピュータの電源オン時に取得された前記車両の位置が前記コンピュータの前回の電源オン時における前記車両の位置と同じである場合、前記コンピュータの前々回の電源オフ時刻から今回の電源オン時刻までの時間を前記停車時間とする、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザーによる立ち寄り頻度が高い場所を示す情報をより的確にユーザーに提供することができるナビゲーション端末、ナビゲーションシステム、ナビゲーション端末の制御方法、及び、プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のナビゲーションシステム100の概要構成を示す図である。ナビゲーションシステム100は、通信ネットワーク10、N個(Nは1以上の整数)のナビゲーション端末20(本図では20−1,20−2,20−Nと記載)、サーバー装置30から構成される。
【0022】
ナビゲーション端末20は、現在地から目的地までの経路、現在地周辺の地図、交通情報などをユーザーに提供する端末である。ナビゲーション端末20は、典型的にはユーザーが搭乗する車両の中に設置され、車両の現在位置と地図を用いて、現在地から目的地までの経路を画像と音声を用いて案内する。また、ナビゲーション端末20は、ユーザーからの要求に応じて店舗や施設等の案内や観光案内を提供したり、交通情報を受信してユーザーに知らせたりする。
【0023】
サーバー装置30は、ナビゲーション端末20が搭載された車両の走行履歴を示すデータなどから受信し、保存する。受信されたデータは、現在地から目的地までの移動経路を探索してユーザーに案内する処理(ナビゲーション処理)などに用いられる。また、後述するように、サーバー装置30は、N個のナビゲーション端末20のそれぞれから受信した走行履歴を示すデータを解析し、地域ごとの立ち寄り頻度などの集計結果を取得する。そして、サーバー装置30は、取得した集計結果に基づいて、ナビゲーション端末20を使用する各ユーザーにとって有益な、人気スポット等の情報をナビゲーション端末20のそれぞれへ提供する。
【0024】
ナビゲーション端末20とサーバー装置30は、通信ネットワーク10を介して接続されている。通信ネットワーク10は典型的にはインターネットである。ナビゲーション端末20は無線通信で通信ネットワーク10にアクセスする。
【0025】
次に、本実施形態のナビゲーション端末20のハードウェア構成について、
図2を用いて説明する。ナビゲーション端末20は、制御部201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、記憶装置204、通信部205、走行センサー206、音声処理部207、画像処理部208、入力装置209を備える。
【0026】
制御部201は、ECU(Electronic Control Unit)あるいはCPU(Central Processing Unit)から構成され、ROM202や記憶装置204に予め格納されたプログラムを読み出して実行することにより、ナビゲーション端末20の全体を制御する。制御部201は、レジスターという高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。
【0027】
ROM202は、IPL(Initial Program Loader)、プログラム、その他のデータ等を予め記憶する不揮発性メモリである。
【0028】
RAM203は、データやプログラムを一時的に記憶する。RAM203には、記憶装置204から読み出したプログラムやデータが記憶される。また、制御部201は、RAM203に変数領域を設け、この変数領域に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM203に格納された値を一旦レジスターに格納してからレジスターに対して演算を行ったりして、演算結果をRAM203に書き戻す、などの処理を行う。
【0029】
記憶装置204は、ハードディスクドライブもしくはフラッシュメモリーを備え、オペレーティングシステム(OS)、地図や施設を示すデータ、ナビゲーション端末20を動作させるための各種設定データ、画像データ、音声データ、ユーザーが保存を指示した任意のデータなどを記憶する。また、記憶装置204は、走行センサー206により計測されたデータや、通信部205が有するGPS(Global Positioning System)モジュールにより測定された位置を示すデータなどを記憶する。
【0030】
通信部205は、GPSモジュールを備える。GPSモジュールは、複数のGPS衛星からのGPS電波を受信し、受信結果を制御部201に入力する。制御部201は、GPSモジュールを制御して、ナビゲーション端末20の現在位置(以下「現在地」とも言う。)を取得することができる。また、通信部205は、通信ネットワーク10に接続するためのNIC(Network Interface Card)等を備える。
【0031】
走行センサー206は、速度センサー、加速度センサー、もしくは、ジャイロセンサー等を備え、ナビゲーション端末20が搭載された車両の走行スピード、移動距離、進行方向などを計測する。得られた計測結果は制御部201に入力され、RAM203あるいは記憶装置204に記憶される。
【0032】
音声処理部207は、記憶装置204から読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、音声をスピーカー251から出力する。制御部201は、音声処理部207を制御して、任意のタイミングで音声データを再生してスピーカー251から再生音を出力することができる。また、音声処理部207は、マイクロフォン252で集音した音声をデジタル音声信号に変換し、制御部201に入力する。制御部201は、音声処理部207を制御して、マイクロフォン252で集音した音声を取り込み、得られた音声データを用いて音声認識を行い、ユーザーが発した言葉に応じた処理を行うことができる。
【0033】
画像処理部208は、記憶装置204から読み出された画像データを、制御部201や画像処理部208が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、画像処理部208が備えるフレームメモリーに記録する。フレームメモリーに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、画像処理部208に接続されるモニター253へ出力される。
【0034】
入力装置209は、電源ボタン、カーソルボタン等を備え、ボタンが押圧されることによるユーザーからの指示を受け付ける。例えば、制御部201は、入力装置209がユーザーから受け付けた指示に基づいて、目的地等を設定する。また、入力装置209は、モニター253の表面に貼り付けられるタッチセンサーを備え、ユーザーによるタッチ操作を、タッチセンサーを用いて検知することにより、ユーザーから指示を受け付けてもよい。液晶パネル等の薄型モニターの表面にタッチセンサーが重畳された装置全体を一般にタッチパネルという。
【0035】
次に、サーバー装置30のハードウェア構成について、
図3を用いて説明する。サーバー装置30は、典型的にはメインフレームと呼ばれる大型のコンピュータである。サーバー装置30は、制御部301、通信部302、記憶部303を備える。
【0036】
制御部301は、CPUなどから構成され、記憶部303に記憶されるOSやプログラム等に従ってサーバー装置30全体を制御する。例えば、制御部301は、N個のナビゲーション端末20のそれぞれから受信した走行履歴を示すデータに基づいて、立ち寄り場所の分布や傾向などを解析し、解析結果をナビゲーション端末20のそれぞれへ通信ネットワーク10を介して送信する。
【0037】
通信部302は、NICやルータ、モデム等といった通信用デバイスから構成される。通信部302は、制御部301の制御により、通信ネットワーク10に接続されたナビゲーション端末20と通信する。
【0038】
記憶部303は、ハードディスク装置、ワークエリアとなるRAMなどの記憶装置、ROMなどといった記憶装置から構成される。例えば、記憶部303は、サーバー装置30全体を制御するためのプログラムやOSを記憶するほか、ナビゲーション端末20から受信した様々なデータを記憶する。
【0039】
サーバー装置30は、通信ネットワーク10を介して、複数のナビゲーション端末20との間で並行してデータを送受信することができる。
【0040】
次に、ナビゲーション端末20によって収集されて加工された後、ナビゲーション端末20からサーバー装置30へ送信されるデータの詳細について、説明する。
【0041】
ナビゲーション端末20の制御部201は、GPSモジュールを制御して、ナビゲーション端末20の位置を示すデータ(位置データ)を取得する。位置は、緯度と経度の組み合わせによって表される。位置データを取得するタイミングは任意であるが、本実施形態では、ナビゲーション端末20の電源が投入された後、ナビゲーション端末20の電源が落とされるまでの間、所定の時間間隔で繰り返し取得される。所定の時間間隔は、例えば、X秒、VSYNC(垂直同期割り込み)がX回分、などのように予め定められる。
【0042】
制御部201は、
図4に示すように、取得した位置データ401を、取得した日時402と対応付けて、走行履歴データ400として記憶装置204に記録する。取得した位置データ401の1つと、その位置データを取得した日時402を示すデータの1つとの組み合わせを、1つの「レコード」と呼ぶ。記憶装置204には、例えば、現在から直近の過去の所定回数分のレコードが履歴として記憶される。n個分(nは1以上の整数)のレコードは、1番目のレコードの取得時刻から、n番目のレコードの取得時刻まで、の期間における、ナビゲーション端末20の移動履歴、すなわち、ナビゲーション端末20が設置された車両の走行履歴を表す。
【0043】
走行履歴データ400は、電子ファイルとして記憶装置204に記憶される。例えば、制御部201は、ファイル名が“[ユーザーID].dat”という、ユーザー(もしくはナビゲーション端末20)ごとに固有なファイル名をもつ電子ファイルを作成し、位置データ401を取得するたびに、1レコードずつこの電子ファイルに追記していく。ただし、ファイル名やファイル形式は任意である。
【0044】
制御部201は、得られた走行履歴データ400から、ナビゲーション端末20のユーザーが立ち寄った場所と日時を表す立ち寄りデータ500を作成する。
図5に、立ち寄りデータ500の構成例を示す。立ち寄りデータ500は、ヘッダー部とデータ部とから構成される。
【0045】
ヘッダー部には、ナビゲーションシステム100によりユーザーに提供されるサービスを特定するためのサービス名と、ユーザーを特定するためのユーザーIDと、ナビゲーション端末20に予め割り当てられている固有のナビゲーション装置情報と、が含まれる。ユーザーIDは、ユーザーによって任意のタイミングで登録あるいは変更することが可能であるが、他のユーザーと重複しないように設定されることが望ましい。
【0046】
データ部には、制御部201が走行履歴データ400に基づいて求めた立ち寄り位置と立ち寄り日時とが対応付けて格納される。立ち寄り位置は、ナビゲーション端末20のユーザーが立ち寄った位置であり、立ち寄り日時はその立ち寄りが発生した日時である。日時は、典型的には、年月日と秒単位の時刻とによって表される。
【0047】
ここで、“立ち寄り”とは、ユーザーがナビゲーション端末20を搭載した車両を停止する運転行為であって、ユーザーの自宅や勤務地など定期的なあるいは固定的な場所に停車することを除く運転行為である。例えば、ユーザーが自宅(出発地)から観光施設(目的地)まで移動する際に、途中でレストランに停車して食事をしたとすれば、このレストランでの停車が立ち寄りに該当する。また、目的地の観光施設での停車も立ち寄りに該当する。ただし、ユーザーの自宅での停車は、立ち寄りには該当しない。なお、後述するように、ユーザーは、立ち寄り位置には該当しない自宅の位置等を予め登録しなくてもよい。
【0048】
制御部201は、ナビゲーション端末20を搭載した車両が、同じ位置に、第1の所定時間以上、第2の所定時間以下の間、停車した場合に、その位置への立ち寄りが発生したと判別する。車両を停車する(エンジンを切る)と、車両のACC(アクセサリー)電源がオフになり、ナビゲーション端末20の電源もオフになる。制御部201は、ナビゲーション端末20の電源がオフになっている状態の時間を求めることにより、立ち寄りの日時や立ち寄りの継続時間を求めることができる。
【0049】
制御部201は、立ち寄りが発生したと判別すると、立ち寄りが発生した日時(立ち寄り日時)と、立ち寄りが発生した位置(立ち寄り位置)とを対応付けて得られる、
図5に示す立ち寄りデータ500を生成し、記憶装置204に記憶する。立ち寄りが複数回発生した場合には、その都度、立ち寄り日時と立ち寄り位置を立ち寄り履歴として追記していく。
【0050】
制御部201は、記憶装置204に記憶された立ち寄りデータ500を、通信ネットワーク10を介してサーバー装置30に送信する。送信タイミングは任意であるが、例えば、前回送信した日時から所定期間以上が経過したと制御部201により判断されたタイミングや、立ち寄りデータ500に格納された立ち寄り件数が所定数以上に達したと制御部201により判断されたタイミングや、サーバー装置30から立ち寄りデータ500を送信する旨の要求を受け付けたタイミングや、ユーザーから立ち寄りデータ500の送信を許可する旨の指示があったタイミング、などである。
【0051】
なお、制御部201が、ユーザーにより取り外し可能な記録媒体(例えばメモリーカード等)に立ち寄りデータ500を書き込み、ユーザーが、サーバー装置30と通信可能な図示しない他のコンピュータ等を用いて、この記録媒体に書き込まれた立ち寄りデータ500をサーバー装置30へ送信させるようにしてもよい。
【0052】
サーバー装置30の制御部301は、ナビゲーション端末20から立ち寄りデータ500を受信する。
図1に示すようにN個のナビゲーション装置20が通信ネットワーク10に接続されている場合、制御部301は、N個のナビゲーション装置20のそれぞれから立ち寄りデータ500を受信する。制御部301は、N個のナビゲーション端末20のそれぞれから受信した立ち寄りデータ500を記憶部303に記憶する。
【0053】
制御部301は、同じナビゲーション端末20から複数回、立ち寄りデータ500を受信して記憶部303に記憶してもよい。例えば、ナビゲーション端末20からサーバー装置30へ、1日に1回、立ち寄りデータ500が送信される設定になっている場合において、制御部301は、毎日送られてくる立ち寄りデータ500を蓄積して保存していってもよい。
【0054】
次に、ナビゲーション端末20が立ち寄りデータ500を生成してサーバー装置30へ送信する処理を、
図6のフローチャートを用いて説明する。本実施形態では、この処理は、ナビゲーション端末20の電源が投入されたときに開始される。なお、ナビゲーション端末20の電源は、ユーザーによる車両のイグニッションキーの操作により、オン/オフされるものとする。
【0055】
まず、制御部201は、ナビゲーション端末20に内蔵されたリアルタイムクロック(RTC)から現在の日時を取得する(ステップS601)。取得される時刻は、今回の電源オン時刻である。
【0056】
制御部201は、GPSモジュールを制御して、現在位置を取得する(ステップS602)。取得される現在位置は、今回の電源オン時にナビゲーション端末20が存在する位置である。
【0057】
制御部201は、ステップS602で取得した現在位置が、前回の電源オン時における位置と同じか否かを判別する(ステップS603)。
【0058】
現在位置が前回の電源オン時における位置と同じであると判別された場合(ステップS603;YES)、制御部201は、前
々回のナビゲーション端末20の電源が切られたとき(前
々回の電源オフ時刻)から、今回の電源オン時刻まで、の時間を、車両の停止時間(停車時間)とする(ステップS60
5)。
【0059】
一方、現在位置が前回の電源オン時における位置と同じではないと判別された場合(ステップS603;NO)、制御部201は、
前回のナビゲーション端末20の電源が切られたとき(
前回の電源オフ時刻)から、今回の電源オン時刻まで、の時間を、停車時間とする(ステップS60
4)。
【0060】
例えば、同一場所における移動を伴わないエンジンのオン−オフが行われた場合、前回の電源オフ時から今回の電源オン時までの運転行為は、単なるエンジンの試動など、立ち寄りではない可能性がある。このため、前回の電源オン時における位置と、今回の電源オン時における位置とが同じか否かによって、車両の停止時間の計算方法を使い分けるのである。
【0061】
ただし、同一場所における移動を伴わないエンジンのオン−オフが、複数回行われるケースも考えられるため、現在位置が前回の電源オン時における位置と同じで
あると判別された場合(ステップS603;
YES)には、前々回もしくはそれよりももっと前の(更に過去の)電源オフ時刻であり、且つ、車両の位置が現在位置と同じでなかったときの電源オフ時刻を、停車時間を計算する上での起算時刻としてもよい。
【0062】
制御部201は、求められた停車時間が所定範囲内か否かを判別する(ステップS606)。所定範囲は、例えば、「時間長T1以上、時間長T2以下」などのように予め定められる。求められた停車時間が所定範囲内であれば“立ち寄り”が発生したと判別され、そうでなければ“立ち寄り”が発生していないと判別される。
【0063】
例えば、所定範囲が「10分(T1)以上、6時間(T2)未満」に設定される場合において、求められた停車時間が6時間以上であれば、立ち寄りではないと判別される。自宅や通勤場所等における、日常的に行われる停車である可能性が高いためである。また、求められた停車時間が10分未満であっても、立ち寄りではないと判別される。ごく短時間の用事や手動アイドリングストップによる電源オフ等が発生した可能性が高いためである。なお、時間長T1,T2は任意である。
【0064】
求められた停車時間が所定範囲内であると判別された場合(ステップS606;YES)、制御部201は、立ち寄り時間の起算時刻からステップS601で得られた現在時刻までを立ち寄り日時とし、ステップS603で得られた現在位置を立ち寄り位置として、立ち寄りデータ500に記録する(ステップS607)。既に立ち寄りデータ500に1件以上の立ち寄り履歴が記録されている場合には、今回得られた立ち寄り履歴を追記する。
【0065】
制御部201は、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信するか否かを判別する(ステップS608)。
【0066】
立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信するか否かの判断基準は、本発明によって限定されず、様々なバリエーションが考えられる。
例えば、制御部201は、立ち寄りデータ500に1件でも立ち寄り履歴が記録されている場合に、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信すると判別し、そうでない場合に、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信しないと判別してもよい。これにより、立ち寄り履歴が1件もない場合には立ち寄りデータ500の送受信処理が行われないので、ナビゲーション端末20とサーバー装置30の処理負荷を軽減でき、ネットワークトラフィックの軽減にも繋がる。
【0067】
あるいは、制御部201は、最後に立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信してから所定期間以上が経過している場合に、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信すると判別し、そうでない場合に、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信しないと判別してもよい。制御部201は、サーバー装置30に立ち寄りデータ500を送信した日時を記憶装置204に記憶し、随時読み出して判別すればよい。これにより、サーバー装置30は、長期間にわたってナビゲーション端末20から立ち寄りデータ500を受信しないというような事態を避けることができる。
【0068】
また、制御部201は、現在時刻が所定の送信タイミングである場合に、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信すると判別し、そうでない場合に、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信しないと判別してもよい。これにより、サーバー装置30は、所定時間ごとに定期的に、立ち寄りデータ500をナビゲーション端末20から受信できるようになる。
【0069】
さらには、制御部201は、サーバー装置30から立ち寄りデータ500の送信を要求された場合に、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信すると判別し、そうでない場合に、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信しないと判別してもよい。これにより、サーバー装置30は、立ち寄りデータ500を任意のタイミングで取得できるようになる。
【0070】
立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信すると判別した場合(ステップS608;YES)、制御部201は、通信ネットワーク10を介して立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信し(ステップS609)、正常に送信できた後、立ち寄りデータ500を初期化する(ステップS610)。一方、立ち寄りデータ500をサーバー装置30に送信しないと判別した場合(ステップS608;NO)、制御部201は、ステップS611の処理に進む。
【0071】
そして、制御部201は、ナビゲーション端末20の電源オフがユーザーもしくは車両から指示されたか否かを判別する(ステップS611)。
【0072】
電源オフが指示されていないと判別した場合(ステップS611;NO)、制御部201は、ステップS611の処理を繰り返す。なお、ナビゲーション端末20は、電源オンされた後、電源オフされるまでの間、現在地から目的地までの道案内をする処理(ナビゲーション処理)や、取得した交通情報をユーザーに提供する処理等を行う。一方、電源オフが指示されたと判別した場合(ステップS611;YES)、制御部201は、立ち寄りデータ送信処理を終了する。
【0073】
次に、サーバー装置30がナビゲーション端末20から立ち寄りデータ500を受信して保存する処理について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0074】
まず、制御部301は、立ち寄りデータ500をナビゲーション端末20から受信したか否かを判別する(ステップS701)。
【0075】
立ち寄りデータ500を受信していないと判別した場合(ステップS701;NO)、制御部301は立ち寄りデータ受信処理を終了する。一方、立ち寄りデータ500を受信したと判別した場合(ステップS701;YES)、制御部301は、受信した立ち寄りデータ500の有効性を確認する(ステップS702)。
【0076】
例えば、制御部301は、受信した立ち寄りデータ500のヘッダー部を解析し、正当なサービス名であるかどうか、ユーザーIDが既に登録されている正しいものかどうか(つまり正規ユーザーか否か)、ナビゲーション端末情報が既に登録されている正しいものかどうか(つまり正規品か否か)等を判別することにより、有効性を確認する。
【0077】
有効な立ち寄りデータ500ではないと判別された場合(ステップS703;NO)、制御部301は、受信した立ち寄りデータ500を破棄して、立ち寄りデータ受信処理を終了する。一方、有効な立ち寄りデータ500であると判別された場合(ステップS703;YES)、制御部301は、受信した立ち寄りデータ500のデータ部に格納されている立ち寄り履歴を、データベースに保存する(ステップS704)。
【0078】
例えば、制御部301は、立ち寄りデータ500のヘッダー部に格納されているユーザーIDと、データ部に格納されている立ち寄り履歴とを対応付けて、記憶部303に記憶している所定のデータベースに保存する。なお、このデータベースは、記憶部303ではなく、サーバー装置30に接続されている他の装置(図示せず)に記憶されていてもよい。
【0079】
次に、サーバー装置30が受信してデータベースに保存した立ち寄りデータ500を集計する集計処理について、
図8のフローチャートを用いて説明する。集計結果は、ナビゲーション端末のユーザーへ提供されることとなる。
【0080】
まず、制御部301は、データベースに保存された立ち寄りデータ500を集計する対象となるエリアを設定する(ステップS801)。典型的には
図9に示すように、制御部301は、ナビゲーションシステム100が管理対象とする全地域900の中に、長方形の形状をしたエリア910を設定する。この長方形の対面する2つの頂点P(X1,Y1)とQ(X2,Y2)を定めれば、集計対象のエリア910が一意に決まる。
【0081】
制御部301は、集計するエリア内に立ち寄り位置を有する立ち寄りデータ500をデータベースから取得する(ステップS802)。例えば
図10は、集計対象のエリア910内の地図を示した図である。制御部301は、データベースからこのエリア910内に立ち寄り位置がある立ち寄りデータ500をすべて取得する。ただし、制御部301は、立ち寄りデータ500の抽出条件を適宜変更することができる。
【0082】
制御部301は、集計対象のエリアを複数のブロックに分割し、ブロックごとに立ち寄り回数を集計する(ステップS803)。
【0083】
図11に、集計対象のエリア910内に設定されるブロック1100を示す。本図では、エリア910には、点線で仕切られた84個のブロックが設定されている。なお、ブロックの数、ブロックの形状、ブロックの大きさは任意である。
【0084】
例えば、制御部301は、設定したブロックと同数の変数を用意し、これら変数を初期化(ゼロクリア)する。次に、制御部301は、立ち寄りデータ500が示す立ち寄り位置に対応するブロックを判別し、判別したブロックに対応する変数をインクリメント(+1)する。制御部301は、すべての立ち寄りデータ500について、対応する変数をインクリメントしていく。
【0085】
制御部301は、ステップS803で得られた立ち寄り回数のうち、特定のユーザーID(もしくは特定のナビゲーション端末情報)が対応付けられている立ち寄りデータ500が占める割合が所定値以上の高い割合のブロックの立ち寄り回数に、制限を加味する(ステップS804)。
【0086】
例えば、制御部301は、あるブロックについて特定のユーザーID又は特定のナビゲーション端末情報が対応付けられている立ち寄りデータ500が占める割合が所定値以上の場合、その立ち寄りデータ500が示す立ち寄り位置がユーザーの自宅や職場などであって公開される可能性のある“立ち寄り位置”として扱うには相応しくない可能性が高いものと推定し、そのブロックの立ち寄り回数をゼロに設定する。特定のユーザーだけが多く立ち寄る場所は、統計値としてはあまり相応しくない要素を含む恐れがあるため、より多くのユーザーの立ち寄り傾向を把握するためには、ステップS803で得られた数値を単純に最終的な結果としないほうがよいと考えられる。
【0087】
この制限は、立ち寄り回数をゼロにすることだけではない。制御部301は、立ち寄り回数に所定の係数(ただし0以上1未満とする。)を掛けて補正してもよい。
【0088】
そして、制御部301は、制限が加味された集計結果をデータベースに保存する(ステップS805)。この集計結果は、ナビゲーション端末からのリクエストに応じて、適宜ナビゲーション端末20に提供される。
【0089】
なお、制御部301は、集計期間(累積期間)を適宜変更して、上記ステップS801〜S805の処理を行うことができる。すなわち、制御部301は、ナビゲーション端末20から立ち寄り回数の累積期間を指定するリクエストを受け取ると、指定された累積期間における立ち寄り回数を再計算し、ナビゲーション端末20に返す(もしくはデータベースに保存する)ことができる。
【0090】
本実施形態のように、サーバー装置30によって立ち寄り回数が集計される際に特定のユーザーIDを有する立ち寄りデータ500の割合が大きい場合にそれらの立ち寄りデータ500が集計から除外され、且つ、上述したようにナビゲーション端末20が立ち寄りか否かを判別する際に車両の停止時間が所定範囲内か否かが判別されることにより、立ち寄りデータ500の精度を上げることができ、ユーザーへの負担を減らすこともできる。また、ユーザーが予め「自宅」「職場」などの位置を予め登録していなくても、ナビゲーション端末20とサーバー装置30は、立ち寄りをより効率よく且つより正確に立ち寄りを判別できるようになる。更には、ユーザーの自宅や職場といったプライベートな情報が不用意に漏れることを極力避けることができる。
【0091】
次に、上記の集計処理によって得られた集計結果を用いてユーザーに立ち寄り分布を示す情報を提供する処理(集計結果提供処理)について、
図12,13のフローチャートを用いて説明する。提供される立ち寄り分布は、通信ネットワーク10に接続されたナビゲーション端末20のそれぞれから取得された立ち寄りデータ500に基づいて上述の集計処理によって集計された立ち寄り回数や立ち寄り位置等を示す情報である。以下に示す一連の処理は、例えば、ナビゲーション端末20がナビゲーション処理等において地図を表示する処理と共に開始される。
【0092】
まず、制御部201は、記憶装置204から現在地付近の地図データを読み出し、地図画像をモニターに表示する(ステップS1201)。
【0093】
制御部201は、集計結果をモニターへ表示する旨の要求がユーザーからあったか否かを判別する(ステップS1202)。例えば、ユーザーは、所定のボタンを押圧することにより、任意のタイミングで立ち寄り分布等の集計結果をモニターへ表示する旨を要求できる。制御部201は、この所定のボタンが押圧されたか否かに基づいて、集計結果をモニターへ表示する旨の要求がユーザーからあったか否かを判別する。
【0094】
集計結果をモニターへ表示する旨の要求がユーザーから無いと判別された場合(ステップS1202;NO)、制御部201は、後述のステップS1221の処理へ進む。一方、集計結果をモニターへ表示する旨の要求がユーザーからあったと判別された場合(ステップS1202;YES)、制御部201は、集計結果の送信をサーバー装置30に要求する(ステップS1203)。この要求には、ナビゲーション端末20に予め入力されたユーザーIDと、集計の対象となるエリアの指定と、集計の対象となる期間とが含まれる。
【0095】
サーバー装置30の制御部301は、集計結果の送信の要求をナビゲーション端末20から受け取り、その要求が有効なユーザーIDを有する要求か否かを判別する(ステップS1204)。すなわち、集計結果の送信の要求が、正規ユーザー(例えば、ナビゲーションシステム100が提供するサービスに正式に登録された会員)からなされたものか否かが判別される。
【0096】
受け付けた要求が有効なユーザーIDを有する要求ではないと判別された場合(ステップS1204;NO)、制御部301は、集計結果提供処理を終了する。一方、受け付けた要求が有効なユーザーIDを有する要求であると判別された場合(ステップS1204;YES)、制御部301は、記憶部303に記憶された上記データベースを用いて、上述の集計処理によって得られた集計結果を検索する(ステップS1205)。検索条件は、ステップS1202で受け取った要求に含まれる集計の対象となるエリアの指定と、集計の対象となる期間とに基づいて設定される。
【0097】
制御部301は、ステップS1205で検索された集計結果をナビゲーション端末20に送信する(ステップS1206)。
【0098】
ナビゲーション端末20の制御部201は、ステップS1206で受信した集計結果をモニターに表示する(ステップS1207)。
【0099】
ここで、集計結果の表示処理について詳しく説明する。ナビゲーション端末20の制御部201は、
図11に示す複数のブロックのそれぞれについて、ブロックに対応付けられた立ち寄り回数に応じて、ブロックの表示色を決定する。例えば、
図14に示すように、記憶装置204には、立ち寄り回数の範囲と対応付けてブロックの表示色が設定されたテーブルが予め記憶されている。制御部201は、受信した集計結果と、
図14に示すテーブルとに基づいて、各ブロックに対応する表示色を決定する。そして、制御部201は、決定されたブロックの表示色を用いて、立ち寄り分布図をモニターに表示する。
【0100】
なお、
図14に示すテーブルの構成は一例であり、立ち寄り回数の範囲や表示色を変更した実施形態を採用することも可能である。
【0101】
また、ユーザーが立ち寄り回数の範囲と表示色との対応付けを適宜変更できるようにしてもよい。この場合、ユーザーは、入力装置209を操作して立ち寄り回数の範囲及び/又は表示色を変更する指示を入力し、制御部201は、立ち寄り回数の範囲及び/又は表示色を変更する指示を受け付け、受け付けた指示に基づいて立ち寄り回数の範囲及び/又は表示色を設定して記憶装置204に記憶し、立ち寄り分布図を表示する際にこの記憶された設定に基づいて立ち寄り分布図を表示すればよい。
【0102】
図15は、立ち寄り分布図の表示例である。立ち寄り回数の第1の範囲には第1の色(黒)1501が、第2の範囲には第2の色(濃いグレー)1502が、第3の範囲には第1の色(薄いグレー)1503が、それぞれ対応付けられる。ユーザーは、この立ち寄り分布図を見れば、色の違いと色づけされたブロックの配置によって、ナビゲーションシステム100のサービス会員達がよく立ち寄る場所の傾向を掴むことができる。
【0103】
例えば、表示されている地図付近を車両で走行しているユーザーが、付近の人気スポットがどの辺りにあるのかを知りたいとき、所定のボタンを押圧してナビゲーション端末20に立ち寄り分布図を表示させる。表示された立ち寄り分布図に、立ち寄り頻度が高いブロックがあれば、人気スポットが大体そのブロック付近にあることが一目で分かる。例えば、付近の観光ガイドなどを事前に持っておらずどの辺りを目指して運転すれば分からないとき、表示された立ち寄り分布図を見れば、どの辺りに向かって進んでいけばよいのかの判断の目安となり、便利である。
【0104】
次に、制御部201は、集計結果の累積期間を変更する指示があったか否かを判別する(ステップS1209)。例えば、ユーザーは、所定のボタンを押圧することにより、累積期間を変更する指示を入力する。累積期間は、サーバー装置30が上述の集計処理を行うにあたり、立ち寄り回数をカウントする期間(例えば「最近1ヶ月」「○月○日〜×月×日まで」など)である。
【0105】
累積期間を変更する指示がないと判別された場合(ステップS1209;NO)、制御部201は後述のステップS1221の処理に移る。一方、累積期間を変更する指示があったと判別された場合(ステップS1209;YES)、制御部201は、累積期間を指定する旨のリクエストをサーバー装置30に送信する(ステップS1210)。このリクエストには、少なくとも累積期間を指定する情報が含まれる。
【0106】
サーバー装置30の制御部301は、累積期間を指定する旨のリクエストをナビゲーション端末20から受信し、指定された累積期間に基づいて立ち寄り回数を再計算する(ステップS1211)。すなわち、指定された累積期間に基づき上述の集計処理が再び行われる。
【0107】
制御部301は、再計算によって得られた集計結果を、リクエストがあったナビゲーション端末20に送信する(ステップS1212)。
【0108】
ナビゲーション端末20の制御部201は、再計算された集計結果をサーバー装置30から受信する(ステップS1213)。
【0109】
そして、制御部201は、ステップS1213で受信した集計結果をモニターに表示する(ステップS1214)。ユーザーは、累積期間を変更した立ち寄り分布図を閲覧することができる。
【0110】
次に、制御部201は、地図の縮尺を変更する旨の指示が入力されたか否かを判別する(
図13;ステップS1215)。例えば、ユーザーは、所定のボタンを押圧することにより、縮尺を変更する指示を入力する。縮尺は、サーバー装置30が上述の集計処理を行うにあたり、立ち寄り回数をカウントする地域を判別するためのパラメーターであり、1000分の1、1万分の1、などのように表される。
【0111】
縮尺を変更する指示がないと判別された場合(ステップS1215;NO)、制御部201は後述のステップS1221の処理に移る。一方、縮尺を変更する指示があったと判別された場合(ステップS1215;YES)、制御部201は、縮尺を指定する旨のリクエストをサーバー装置30に送信する(ステップS1216)。このリクエストには、少なくとも縮尺と、表示する地図の中心(典型的にはナビゲーション端末20の現在地)とが含まれる。
【0112】
サーバー装置30の制御部301は、縮尺を指定する旨のリクエストをナビゲーション端末20から受信し、指定された縮尺に基づいて集計対象の地域を判別し、立ち寄り回数を再計算する(ステップS1217)。すなわち、指定された縮尺に基づき上述の集計処理が再び行われる。
【0113】
制御部301は、再計算によって得られた集計結果を、リクエストがあったナビゲーション端末20に送信する(ステップS1218)。
【0114】
ナビゲーション端末20の制御部201は、再計算された集計結果をサーバー装置30から受信する(ステップS1219)。
【0115】
そして、制御部201は、ステップS1219で受信した集計結果をモニターに表示する(ステップS1220)。ユーザーは、縮尺を変更した立ち寄り分布図を閲覧することができる。
【0116】
制御部201は、集計結果の表示を終了するか否かを判別する(ステップS1221)。例えば、制御部201は、立ち寄り分布図の表示を終了する旨の指示がユーザーから入力されたか否かに基づいて、集計結果の表示を終了するか否かを判別する。
【0117】
集計結果の表示を終了しないと判別した場合(ステップS1221;NO)、制御部201は、上述のステップS1209〜S1220の処理を繰り返す。一方、集計結果の表示を終了すると判別した場合(ステップS1221;YES)、制御部201は、集計結果提供処理を終了する。
【0118】
本実施形態によれば、ナビゲーションシステム100は、ナビゲーション端末20によって収集された立ち寄りデータ500に基づき、立ち寄り頻度や立ち寄り位置の傾向を表す情報を適宜ユーザーに提供することができる。ユーザーは、同じナビゲーションシステム100を利用する人たちにどの辺りが人気なのか、立ち寄ると面白そうな場所がどの辺りにあるのかといった、より実態に即した情報を手軽に入手することができる。また、立ち寄りデータ500の送受信を自動化できるので、ユーザーへ過度な負担を強いることはない。
【0119】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0120】
上述したように、ユーザーは、自宅や職場など立ち寄りと判別するには相応しくない場所を予め登録していなくてもよい。しかし、ユーザーが任意の場所を立ち寄りと判別されないように指定できるようにしてもよい。すなわち、ナビゲーション端末20の制御部201は、立ち寄りから除外すべき位置の入力をユーザーから受け付けて、受け付けた位置を示す情報を記憶装置204に記憶し、上記のステップS606において、制御部201は、停止時間が所定範囲内か否かを判別するとともに、現在位置が予め記憶装置204に記憶された立ち寄りから除外すべき位置か否かを判別することとすればよい。
【0121】
上記実施形態では、ステップS606において、ナビゲーション端末20が、停車時間が所定範囲内か否かを判別しているが、サーバー装置30が、この判別を行うようにしてもよい。これにより、ナビゲーション端末20の処理負荷を軽減することができる。また、立ち寄りか否かを判別する処理をサーバー装置30側に集約することができる。
【0122】
上記実施形態では、立ち寄りと判別されうる位置は、例えば観光地や商業エリアといった特定の地域に限定されることはない。しかし、ナビゲーションシステム100は、立ち寄りと判別されうる位置の候補を予め指定し、その候補が含まれるブロックを予め特定し、受信した立ち寄りデータ500が示す立ち寄り位置がそのブロックに含まれる場合に限り、立ち寄り回数をカウントするように設計することもできる。
【0123】
ナビゲーション端末20が立ち寄りの集計結果の累積期間を指定する際、その累積期間の指定の仕方には様々なバリエーションがあり、本発明によって限定されない。例えば、ナビゲーション端末20は、累積期間を「週末限定」に設定することができる。一般的な傾向として、ユーザーが自由に行動できる時間帯は、休日、特に週末であることが多い。従って、制御部201は、現在時刻が週末と特定される時間帯(例えば、土曜日0時から日曜日24時まで等)の場合には、累積期間としてこの時間帯を自動的に設定してもよい。これにより、サーバー装置30は、ナビゲーション端末20からリクエストされるより前に、立ち寄りデータ500の集計処理を予め行っておくことができる。その結果、集計処理が効率よく行われ、より早く集計結果をナビゲーション端末20へ送信できるようになる。
【0124】
集計処理において設定されるブロックの大きさは任意であるが、縮尺に応じてブロックの大きさや形状を変更するようにしてもよい。例えば、サーバー装置30の制御部301は、縮尺が5万分の1の場合には縦横500メートル相当のブロックを設定し、縮尺が1万分の1の場合には縦横100メートル相当のブロックに設定する、といったように使い分けてもよい。
【0125】
ナビゲーション端末20が立ち寄り分布図をモニターに表示する際、好ましくは、制御部201は、地図画像を描画した第1レイヤーと、ブロックごとに立ち寄り頻度を色分けして描画した第2レイヤーとを別々に生成し、第1レイヤーの画像の上に第2レイヤーの画像を上書きすることとし、第2レイヤーの画像の色(つまりブロックの表示色)を透明な色にするとよい。
【0126】
ナビゲーション端末20の全部又は一部、もしくはサーバー装置30の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0127】
さらに、インターネット上のサーバー装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0128】
以上説明したように、本発明によれば、ユーザーによる立ち寄り頻度が高い場所を示す情報をより的確にユーザーに提供することができるナビゲーション端末、ナビゲーションシステム、ナビゲーション端末の制御方法、及び、プログラムを提供することができる。