【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る通信機は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
入力信号を所定の変調方式で変調し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調手段と、
前記サブキャリア変調信号の逆高速フーリエ変換を行い、第1データを生成する第1IFFT手段と、
任意の複素数に基づき、所定の挿入用データを生成し、前記サブキャリア変調信号の任意の位置に前記挿入用データを挿入する挿入手段と、
前記挿入用データを挿入した前記サブキャリア変調信号の逆高速フーリエ変換を行い、第2データを生成する第2IFFT手段と、
前記第2データから、一行目の要素の値が前記挿入手段で用いた前記複素数に列ベクトル生成のための所定の演算を行った値であって、一行目以外の要素の値が0である列ベクトルを減算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果および前記第1データ
のそれぞれからベースバンド信号を生成し、前記ベースバンド信号のピーク対平均電力比を算出する合成手段と、
前記挿入手段で用いた前記複素数の値を変えて、前記挿入手段、前記第2IFFT手段、前記演算手段、および前記合成手段の処理を繰り返して生成した前記ベースバンド信号の内、送信信号を決めるための所定の基準に合致する前記ベースバンド信号を選択する判定手段と、
前記判定手段で選択した前記ベースバンド信号から送信信号を生成し、送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記挿入手段は、前記複素数の実部に前記複素数を加算したデータと、前記複素数の虚部に前記複素数を加算したデータとを、前記サブキャリア変調信号の最後尾に順に追加し、
前記演算手段は、前記第2データから、一行目の要素の値が前記挿入手段で用いた前記複素数である前記列ベクトルを減算し、
前記判定手段は、所定の基準に合致する前記ベースバンド信号を検出するまで、または所定の複素数について前記挿入手段、前記第2IFFT手段、前記演算手段、および前記合成手段の処理を行うまで、前記複素数の値を変えて、前記挿入手段、前記第2IFFT手段、前記演算手段、および前記合成手段の処理を繰り返す。
【0009】
本発明の第2の観点に係る通信機は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機であって、
送信信号を受信してベースバンド信号を生成する受信手段と、
前記ベースバンド信号を直並列変換して並列信号を生成する直並列変換手段と、
前記並列信号の高速フーリエ変換を行い、第3データを生成するFFT手段と、
前記第3データの所定の位置の要素に基づき、所定の複素数を生成する抽出手段と、
前記並列信号に、一行目の要素の値が前記抽出手段で生成した前記複素数に列ベクトル生成のための所定の演算を行った値であって、一行目以外の要素の値が0である列ベクトルを加算する逆演算手段と、
前記逆演算手段の演算結果の高速フーリエ変換を行い、前記所定の位置の要素を取り除いてサブキャリア変調信号を生成する分解手段と、
前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記抽出手段は、前記第3データの最後尾から二行目の要素を実部とし、前記第3データの最後尾の要素を虚部とする前記複素数を生成し、
前記逆演算手段は、前記並列信号に、一行目の要素の値が前記抽出手段で生成した前記複素数である前記列ベクトルを加算し、
前記分解手段は、前記逆演算手段の演算結果の高速フーリエ変換を行って生成したデータの最後尾から二行目の要素および最後尾の要素を取り除いて前記サブキャリア変調信号を生成する。
【0011】
本発明の第3の観点に係る通信方法は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
入力信号を所定の変調方式で変調し、周波数成分が互いに直交するサブキャリアに割り当て、サブキャリア変調信号を生成する変調ステップと、
前記サブキャリア変調信号の逆高速フーリエ変換を行い、第1データを生成する第1IFFTステップと、
任意の複素数に基づき、所定の挿入用データを生成し、前記サブキャリア変調信号の任意の位置に前記挿入用データを挿入する挿入ステップと、
前記挿入用データを挿入した前記サブキャリア変調信号の逆高速フーリエ変換を行い、第2データを生成する第2IFFTステップと、
前記第2データから、一行目の要素の値が前記挿入手段で用いた前記複素数に列ベクトル生成のための所定の演算を行った値であって、一行目以外の要素の値が0である列ベクトルを減算する演算ステップと、
前記演算ステップの演算結果および前記第1データ
のそれぞれからベースバンド信号を生成し、前記ベースバンド信号のピーク対平均電力比を算出する合成ステップと、
前記挿入ステップで用いた前記複素数の値を変えて、前記挿入ステップ、前記第2IFFTステップ、前記演算ステップ、および前記合成ステップの処理を繰り返して生成した前記ベースバンド信号の内、送信信号を決めるための所定の基準に合致する前記ベースバンド信号を選択する判定ステップと、
前記判定ステップで選択した前期ベースバンド信号から送信信号を生成し、送信する送信ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記挿入ステップにおいて、前記複素数の実部に前記複素数を加算したデータと、前記複素数の虚部に前記複素数を加算したデータとを、前記サブキャリア変調信号の最後尾に順に追加し、
前記演算ステップにおいて、前記第2データから、一行目の要素の値が前記挿入ステップで用いた前記複素数である前記列ベクトルを減算し、
前記判定ステップにおいて、所定の基準に合致する前記ベースバンド信号を検出するまで、または所定の複素数について前記挿入ステップ、前記第2IFFTステップ、前記演算ステップ、および前記合成ステップの処理を行うまで、前記複素数の値を変えて、前記挿入ステップ、前記第2IFFTステップ、前記演算ステップ、および前記合成ステップの処理を繰り返す。
【0013】
本発明の第4の観点に係る通信方法は、
直交周波数分割多重通信方式の無線通信により他の機器と通信を行う通信機が行う通信方法であって、
送信信号を受信してベースバンド信号を生成する受信ステップと、
前記ベースバンド信号を直並列変換して並列信号を生成する直並列変換ステップと、
前記並列信号の高速フーリエ変換を行い、第3データを生成するFFTステップと、
前記第3データの所定の位置の要素に基づき、所定の複素数を生成する抽出ステップと、
前記並列信号に、一行目の要素の値が前記抽出ステップで生成した前記複素数に列ベクトル生成のための所定の演算を行った値であって、一行目以外の要素の値が0である列ベクトルを加算する逆演算ステップと、
前記逆演算ステップの演算結果の高速フーリエ変換を行い、前記所定の位置の要素を取り除いてサブキャリア変調信号を生成する分解ステップと、
前記サブキャリア変調信号を所定の復調方式で復調する復調ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記抽出ステップにおいて、前記第3データの最後尾から二行目の要素を実部とし、前記第3データの最後尾の要素を虚部とする前記複素数を生成し、
前記逆演算ステップにおいて、前記並列信号に、一行目の要素の値が前記抽出ステップで生成した前記複素数である前記列ベクトルを加算し、
前記分解ステップにおいて、前記逆演算ステップの演算結果の高速フーリエ変換を行って生成したデータの最後尾から二行目の要素および最後尾の要素を取り除いて前記サブキャリア変調信号を生成する。