(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態における弾球遊技機について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の実施の形態では、弾球遊技機としてパチンコ遊技機を例に説明している。
1.機械的構成の説明
【0012】
パチンコホールの台島には、
図1に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前端面には前枠2が左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。この前枠2の前面には下端部に位置して横長な長方形状の下皿板3が固定されており、下皿板3の前面には上面が開口する下皿4が固定されている。この下皿板3の上方には上皿板5が配置されている。この上皿板5は前枠2に装着されたものであり、上皿板5の前面には上面が開口する上皿6が固定されている。
【0013】
上皿6には、
図1に示すように、演出ボタン6Aが装着されている。この演出ボタン6Aは遊技者が手指で操作入力するものであり、上皿6の上面から上方へ突出する初期位置および初期位置より下方の押込み位置相互間で上下方向へスライド可能にされている。また、この演出ボタン6Aにはスプリングが連結されている。このスプリングは演出ボタン6Aに押込み力が作用していない状態で演出ボタン6Aを上方の初期位置に保持するものであり、演出ボタン6Aはスプリングのばね力に抗して下方へ押込み操作されることに基づいて初期位置から押込み位置へ移動し、操作力が除去されることに基づいてスプリングのばね力で押込み位置から初期位置に復帰する。この演出ボタン6Aにはボタンスイッチ6B(
図3参照)の操作子が機械的に連結されている。このボタンスイッチ6Bは自己復帰形のプッシュスイッチからなるものであり、上皿6の内部に固定されている。このボタンスイッチ6Bは演出ボタン6Aの初期位置で操作子が演出ボタン6Aを介してオフ位置に保持されることに基づいて電気的なオフ状態になるものであり、演出ボタン6Aの押込み位置では操作子が演出ボタン6Aを介してオン位置に移動操作されることに基づいて電気的なオン状態になる。そして、本実施の形態の演出ボタン6A,ボタンスイッチ6B及び後述するスイッチ回路6C(
図3参照)で、操作手段を構成している。
【0014】
下皿板3の前面には右端部に位置してハンドル台7が固定されており、ハンドル台7には発射ハンドル8が回動可能に装着されている。この発射ハンドル8の後方には発射モータ9が固定されており、発射モータ9の回転軸には打球槌10が連結されている。この発射モータ9は打球槌10の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル8が回動操作されたときには発射モータ9に駆動電源が与えられ、打球槌10が駆動することに基づいて上皿6内の遊技球を上皿6内から弾き出す。
【0015】
前枠2の前面には窓枠11が装着されている。この窓枠11は円形孔状の窓部12を有するものであり、窓部12の内周面には透明なガラスやアクリル等からなる透明板13が固定されている。この窓枠11の後面には左上隅部および右上隅部に位置してスピーカ14が固定されており、各スピーカ14の前方には網状のスピーカカバー15が配置されている。これら各スピーカカバー15は窓枠11に固定されたものであり、各スピーカ14が再生する遊技音は前方のスピーカカバー15を通して放出される。窓枠11には両スピーカ14間に位置してランプカバー16が固定されており、ランプカバー16の後方には複数の電飾LED17が配置されている。これら各電飾LED17は窓枠11に固定されたものであり、ランプカバー16は電飾LED17が発光することに基いて後方から照明される。
【0016】
前枠2には、
図2に示すように、遊技盤18が装着されており、遊技盤18は窓枠11のガラスやアクリル等からなる透明板13により前方から覆われている。この遊技盤18の前面には外レール19および内レール20が固定されている。これら外レール19および内レール20間には発射通路21が形成されており、打球槌10が弾いた遊技球は発射通路21を通して遊技領域22内に放出される。この遊技領域22内には複数の障害釘23が打込まれており、遊技領域22内に放出された遊技球は障害釘23に当りながら遊技領域22内を落下する。この遊技領域22は外レール19および内レール20によって囲まれた円形領域(発射通路21の残余領域)を称するものであり、遊技球が転動可能な最大範囲である転動領域に相当する。
【0017】
遊技領域22内には上面が開口するポケット状の特別図柄始動口24が固定されている。この特別図柄始動口24内には近接スイッチからなる特別図柄始動センサ25(
図3参照)が固定されており、特別図柄始動センサ25は特別図柄始動口24内に遊技球が入賞したことを検出して特別図柄始動信号を出力する。この特別図柄始動口24は始動口に相当し、特別図柄始動センサ25は始動口センサに相当するものであり、特別図柄始動センサ25から出力される特別図柄始動信号は始動信号に相当する。
【0018】
遊技領域22内には、
図2に示すように、入賞口台板26が固定されており、入賞口台板26には前面が開口する四角筒状の大入賞口27が固定されている。この大入賞口27内には近接スイッチからなる検知手段としてのカウントセンサ28(
図3参照)が固定されており、カウントセンサ28は遊技球が大入賞口27内に入賞したことを検出してカウント信号を出力する。この大入賞口27は特別入球口に相当するものである。
【0019】
入賞口台板26には、
図2に示すように、扉29が下端部の水平な軸30を中心に回動可能に装着されている。この扉30は大入賞口ソレノイド31(
図3参照)のプランジャに連結されており、大入賞口ソレノイド31は扉29を垂直状態に回動操作することに基づいて大入賞口27の前面を遊技球が入賞不能に閉鎖し、扉29を前方へ倒れた水平状態に回動操作することに基づいて大入賞口27の前面を遊技球が入賞可能に開放する。即ち、大入賞口27は遊技球が入賞不能な閉鎖状態および遊技球が入賞可能な開放状態に切換わるものである。
【0020】
遊技領域22内には、
図2に示すように、表示台板32が固定されており、表示台板32には特別図柄表示器33が固定されている。この特別図柄表示器33はLED表示器から構成されたものであり、特別図柄表示器33には大当り図柄として「7」が表示され、外れ図柄として「−」が表示される。これら大当り図柄「7」および外れ図柄「−」は特別図柄に相当するものであり、遊技者には特別図柄表示器33に大当り図柄「7」が表示されることに基いて大当りが報知され、外れ図柄「−」が表示されることに基いて外れが報知される。
【0021】
表示台板32には表示装置に相当する装飾図柄表示器34が固定されている。この装飾図柄表示器34は特別図柄表示器33に比べて大きな表示領域を有するカラー液晶表示器から構成されたものであり、装飾図柄表示器34の表示画面35には装飾図柄が表示される。この装飾図柄は特別図柄の種類が決まる様子を映像的に演出する3列の数字図柄からなるものであり、各列の数字図柄は装飾図柄の図柄要素に相当する。また、大当り遊技中には、後述する抽選結果表示手段からの指示により、大入賞口27に入賞したことを検知することで抽選手段で抽選を行った抽選結果を表示画面35における抽選結果表示部35Bに表示すると共に、後述する累積情報表示手段としての当選回数表示手段からの指示により、累積情報記憶手段としての当選回数記憶手段に記憶された当選回数を表示画面35における累積情報表示部としての当選回数表示部35Cに表示するようになっている。また、後述する操作可能状態表示手段からの指示により、操作手段としての演出ボタン6Aが操作可能となった場合に、遊技者に操作可能となった旨を報知する演出ボタン画像6D(
図26参照)の表示を行うようになっている。
2.電気的構成の説明
【0022】
図3のメイン制御回路50はゲーム内容等の遊技全般を制御する最上位の制御手段であり、CPU51とROM52とRAM53を有している。このメイン制御回路50のROM52には制御プログラムおよび制御データが記録されており、CPU51はRAM53をワークエリアとしてROM52の制御プログラムおよび制御データに基いて制御動作を実行する。このメイン制御回路50は乱数更新手段と乱数取得手段と当落判定手段と可変情報選択手段に相当する。
【0023】
入力回路54は特別図柄始動センサ25からの特別図柄始動信号およびカウントセンサ28からのカウント信号を波形成形してメイン制御回路50に出力するものであり、メイン制御回路50は入力回路54からの特別図柄始動信号およびカウント信号のいずれかを検出することに基いて賞球コマンドを設定する。タイマ回路55はメイン制御回路50に定期的(具体的には4msec毎)にパルス信号を出力するものであり、メイン制御回路50はタイマ回路55からのパルス信号を検出する毎に処理動作を実行する。
【0024】
ソレノイド回路56は大入賞口ソレノイド31を通断電するものであり、メイン制御回路50はソレノイド回路56を駆動制御することに基いて大入賞口27の扉29を開閉操作する。LED回路57は特別図柄表示器33に特別図柄を表示するものであり、メイン制御回路50はLED回路57を駆動制御することに基いて特別図柄表示器33の表示内容を制御する。
【0025】
払出制御回路60は賞品球の払出動作を制御するものであり、CPU61とROM62とRAM63を有している。この払出制御回路60のROM62には制御プログラムおよび制御データが記録されており、CPU61はRAM63をワークエリアとしてROM62の制御プログラムおよび制御データに基いて遊技球の払出動作を実行する。この払出制御回路60はメイン制御回路50から賞球コマンドが送信されるものであり、賞球コマンドを検出することに基いて駆動信号を設定する。
【0026】
モータ回路64は払出制御回路60から駆動信号の設定結果が与えられるものであり、払出制御回路60からの駆動信号に基いてステッピングモータ65に駆動用のパルス信号を与える。このステッピングモータ65は遊技球を上皿6内に賞品球として払出す賞球払出装置の駆動源に相当するものであり、上皿6内にはステッピングモータ65が駆動することに基いて賞球コマンドに応じた個数の賞品球が払出される。
【0027】
演出制御回路70は装飾図柄遊技の演出内容及び大当り遊技中の演出内容を総括的に制御するものであり、CPU71とROM72とRAM73を有している。この演出制御回路70のROM72には制御プログラムおよび制御データが記録されており、CPU71はRAM73をワークエリアとしてROM72の制御プログラムおよび制御データに基いて処理動作を実行する。この演出制御回路70はメイン制御回路50からコマンドが送信されるものであり、メイン制御回路50からのコマンドを検出することに基いてコマンドを設定する。タイマ回路74は演出制御回路70に定期的(具体的には4msec毎)にパルス信号を出力するものであり、演出制御回路70はタイマ回路74からのパルス信号を検出する毎に処理動作を実行する。この演出制御回路70は、制御手段の一部を構成しており、抽選手段、累積情報記憶手段としての当選回数記憶手段、抽選結果表示手段、累積情報表示手段としての当選回数表示手段、操作可能状態表示手段に相当する。
【0028】
図柄制御回路80はCPU81とROM82とRAM83とVDP84とVROM85とVRAM86を有している。この図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からのコマンドに基いて制御データを設定し、制御データの設定結果に応じたビデオデータの選択をVDP84に指示するものであり、VDP84は指示内容に応じたビデオデータをVROM85から選択し、ビデオデータの選択結果に基いて表示信号を生成する。このVDP84は表示信号の設定結果をLCD回路87に送信するものであり、LCD回路87はVDP84からの表示信号に応じた映像を装飾図柄表示器34に表示する。これらCPU81およびVDP84の一連の動作はROM82に記録された制御プログラムおよび制御データに基いて行われるものであり、RAM83およびVRAM85はCPU81およびVDP84のワークメモリとして機能する。この図柄制御回路80は動画データ選択手段と動画データ再生手段に相当する。
【0029】
音制御回路90はCPU91とROM92とRAM93を有している。この音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からのコマンドに応じた音データをROM92から選択し、音データの選択結果に基いて音信号を生成してスピーカ回路94に送信するものであり、スピーカ回路94は音信号に応じた音を両スピーカ14から出力する。このCPU91の一連の動作はROM92に記録された制御プログラムおよび制御データに基いて行われるものであり、RAM93はCPU91のワークメモリとして機能する。
【0030】
電飾制御回路100はCPU101とROM102とRAM103を有している。この電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からのコマンドに応じた電飾データをROM102から選択し、電飾データの選択結果に基いて電飾信号を生成してLED回路104に送信するものであり、LED回路104は電飾LED17を電飾信号に応じた内容で発光させる。このCPU101の一連の動作はROM102に記録された制御プログラムおよび制御データに基いて行われるものであり、RAM103はCPU101のワークメモリとして機能する。
【0031】
スイッチ回路6Cは、トリガパルスが入力されることに基づいて一定の時間幅の1個のパルス信号を操作信号として表示制御装置26に出力するものであり、ワンショットマルチバイブレータを主体に構成されている。このスイッチ回路6Cはボタンスイッチ6Bからのオン信号をトリガパルスとしてオン信号の立上りタイミングでパルス信号を出力するものであり、演出制御回路70はパルス信号を検出することに基づいて演出ボタン6Aが初期位置から押込み位置に操作されたことを判断し、パルス信号の時間間隔および個数の双方に基づいて演出ボタン6Aの操作パターンを判断する。そして、演出制御回路70は、操作パターンに応じて、所定の表示指示情報を図柄制御回路80に出力するようになっている。
なお、この「2.電気的構成の説明」で説明した、遊技を制御するための種々の回路で、本発明の制御手段を構成している。
3.遊技機能の説明
3−1.特別図柄遊技機能
【0032】
遊技者が上皿6内に遊技球を投入して発射ハンドル8を回動操作すると、遊技盤18内に遊技球が発射され、障害釘23に当りながら落下する。この遊技球が特別図柄始動口24内に入賞すると、賞球払出装置から設定個数の遊技球が上皿6内に賞品球として払出され、しかも、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は特別図柄表示器33に特別図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示し、特別図柄の変動停止状態での種類によって遊技者に大当りおよび外れを報知するものであり、特別図柄遊技の概略は次の通りである。
【0033】
特別図柄表示器33には「7」および「―」のいずれかの特別図柄が静止状態で表示されており、遊技球が特別図柄始動口24内に有効に入賞すると、特別図柄が変動開始する。この変動とは特別図柄の種類が変化することを称するものであり、特別図柄の変化順序は「7」→「−」→「7」→・・の交互に設定されている。この特別図柄は「7」で変動停止することに基いて遊技者に大当りを報知し、「―」で変動停止することに基いて遊技者に外れを報知するものであり、その変動開始から変動停止に至る所要時間を特別図柄の変動表示時間と称する。
3−2.大当り遊技機能
【0034】
特別図柄表示器33に大当り図柄が停止表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口27を開放し、大入賞口27内に遊技球が入賞することを許容する遊技者有利の状態を発生させるものであり、大入賞口27は上限個(10個)の遊技球が入賞する個数条件または開放時間が上限値(30秒)に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。この大入賞口27の個数条件および時間条件を基準とする開閉動作は大当りラウンドと称されるものであり、大当りラウンドは固定的な設定回数(15回)だけ繰返される。この大当りラウンドの繰返しは大当り遊技に相当するものであり、各回の大当りラウンド中には装飾図柄表示器34に大当りラウンド表示が行われ、大当りラウンド表示中には両スピーカ14から表示内容に連動して遊技音が出力され、複数の電飾LED17が表示内容に連動して発光する。
3−3.特別図柄遊技保留機能
【0035】
特別図柄遊技を即座に開始できない特別図柄遊技中および大当り遊技中に遊技球が特別図柄始動口24内に有効に入賞したときには特別図柄遊技が保留される。この特別図柄遊技の保留回数には上限値が設定されており、保留回数が上限値に到達した状態で遊技球が特別図柄始動口24内に入賞したときには特別図柄遊技が保留されない。この特別図柄遊技が保留されない遊技球の入賞を無効な入賞と称し、特別図柄遊技が保留される入賞を有効な入賞と称する。
3−4.装飾図柄遊技機能(図柄遊技機能)
【0036】
遊技球が特別図柄始動口24内に有効に入賞したときには特別図柄遊技に連動して装飾図柄遊技が開始される。この装飾図柄遊技はビデオデータを再生することに基いて装飾図柄表示器34に動画面を表示し、両スピーカ14から動画面の表示内容に応じた遊技音を出力し、複数の電飾LED17を動画面の表示内容に応じて発光させることで組成されるものであり、装飾図柄遊技の概略は次の通りである。
【0037】
装飾図柄表示器34には、所定の背景が表示される(通常は、
図24の(a)に示すように、第1の背景120として山の背景が表示される)と共に、その前方(遊技者の手前側)に、装飾図柄の左列の図柄要素・中列の図柄要素・右列の図柄要素として「一」〜「八」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、3列の図柄要素は特別図柄の変動開始に同期して変動開始する。この装飾図柄の変動(可変)とは各列の図柄要素が移動しながら変化することを称するものであり、各列の図柄要素の移動方向は上から下に設定され、各列の図柄要素の変化順序は「一」→「二」→「三」…→「七」→「八」→「一」…のループ状に設定されている。
【0038】
装飾図柄の3列の図柄要素は(1)左列・(2)右列・(3)中列の順序で変動停止(可変停止)するものであり、遊技者には3列の変動停止状態での組合せによって大当りおよび外れが報知される。この装飾図柄の左列の図柄要素および右列の図柄要素が同一数字で変動停止したリーチ状態では装飾図柄表示器34にリーチアクション画面が表示され、最終の中列の図柄要素が左列および右列と同一数字の目的図柄で変動停止するか否かがリーチアクション画面の進行内容に応じて暗示される。即ち、装飾図柄遊技は大当りおよび外れそのものを報知することに加え、特別図柄遊技を映像的に演出することに基いてドキドキ感およびハラハラ感等の気分的変化を遊技者に与えることを目的とするものである。 なお、装飾図柄遊技中に表示される背景は、後述するように大当り遊技中の抽選による当選回数が所定回数以上となり、かつ、遊技者が演出ボタン6Aを操作することによって、
図24の(a)に示すような山の背景からなる第1の背景120から、
図24の(b)に示すような海の背景からなる第2の背景130や、
図24の(c)に示すような街の背景からなる第3の背景140に変更が可能となっている。これについては、後で詳述する。
4.メイン制御回路50の内部処理
4−1.メイン処理
【0039】
メイン制御回路50のCPU51は電源が投入されると、
図4のステップS1の電源投入処理でRAM53の全データを初期設定し、ステップS2でタイマ割込フラグの設定状態を判断する。このタイマ割込フラグはCPU51がタイマ回路55からのパルス信号を受信することに基いてタイマ割込処理でオンするものであり、CPU51はステップS2でタイマ割込フラグのオンを検出したときにはステップS3へ移行し、タイマ割込フラグをオフする。
【0040】
CPU51はステップS3でタイマ割込フラグをオフすると、ステップS4の入力処理〜ステップS6のデータ取得処理を順に実行する。このステップS6のデータ取得処理を終えたときにはステップS7の大当り判定処理〜ステップS11の大当り遊技処理をメイン制御フラグの設定状態に基いて択一的に実行し、ステップS2でタイマ割込フラグのオンを新たに検出することに基いてステップS3へ移行する。尚、メイン制御フラグはステップS1の電源投入処理で大当り判定処理に初期設定されるものである。
4−2.入力処理
【0041】
CPU51は
図4のステップS4の入力処理へ移行すると、
図5のステップS21で入力回路54からの特別図柄始動信号の出力状態を判断する。ここで特別図柄始動信号がないことを検出したときにはステップS22で始動信号フラグをオフし、特別図柄始動信号があることを検出したときにはステップS23で始動信号フラグをオンする。即ち、遊技球が特別図柄始動口24内に入賞したときには入力回路54から特別図柄始動信号が出力され、始動信号フラグがオンされる。
4−3.カウンタ更新処理
【0042】
CPU51は
図4のステップS5のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R3の現在の計測値に「1」を加算する。これらランダムカウンタR1〜R3は共通の初期値「0」から異なる上限値に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算されるものであり、ランダムカウンタR1〜R3の加算内容は次の通りである。
【0043】
(1)ランダムカウンタR1は変動パターンを選択する乱数値に相当するものであり、初期値「0」から上限値「100」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
【0044】
(2)ランダムカウンタR2は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分ける乱数値に相当するものであり、初期値「0」から上限値「49」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
【0045】
(3)ランダムカウンタR3は大当りの発生の有無を抽選する乱数値に相当するものであり、初期値「0」から上限値「248」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
4−4.データ取得処理
【0046】
CPU51は
図4のステップS5のカウンタ更新処理を終えると、ステップS6のデータ取得処理へ移行し、
図6のステップS31で始動信号フラグの設定状態を判断する。ここで始動信号フラグのオンを検出したときにはステップS32へ移行し、カウンタN1の計測値をROM52に記録された上限値MAX(4)と比較する。このカウンタN1は特別図柄遊技の保留回数を計測するものであり、CPU51はステップS32で「N1<MAX」を判断したときには特別図柄遊技の保留回数が上限値に到達していないと判断する。そして、ステップS33へ移行し、ランダムカウンタR1〜R3の現在の計測値を取得する。
【0047】
メイン制御回路50のRAM53には、
図7に示すように、4個の保留データエリアE1〜E4が設定されている。これら4個の保留データエリアE1〜E4には使用順序「1」〜「4」が割付けられており、メイン制御回路50のCPU51は
図6のステップS33でランダムカウンタR1〜R3の計測値を取得すると、ステップS34で未使用の保留データエリアのうち使用順序が最小のエリアにランダムカウンタR1〜R3の取得結果を格納する。例えば使用順序「1」の保留データエリアE1および使用順序「2」の保留データエリアE2の双方にランダムカウンタR1〜R3が格納されているときには使用順序が最小の「3」である空欄の保留データエリアE3にランダムカウンタR1〜R3の取得結果が格納される。即ち、ランダムカウンタR1〜R3は取得された順序で保留データエリアE1〜E4に格納されるものであり、使用順序1〜4は取得順序を示す情報に相当する。
【0048】
CPU51は
図6のステップS34でランダムカウンタR1〜R3の取得結果を格納すると、ステップS35でカウンタN1に「1」を加算することに基いて特別図柄遊技の保留回数を更新する。
4−5.大当り判定処理
【0049】
CPU51はメイン制御フラグが大当り判定処理にセットされていることを検出すると、
図4のステップS6のデータ取得処理からステップS7の大当り判定処理へ移行し、
図8のステップS41でRAM53の保留データエリアE1にランダムカウンタR1〜R3が格納されているか否かを判断する。ここで保留データエリアE1にランダムカウンタR1〜R3が格納されていることを検出すると、ステップS42で保留データエリアE1からランダムカウンタR3の取得結果を検出し、ランダムカウンタR3の検出結果を大当り値「7」と比較する。この大当り値「7」はメイン制御回路50のROM52に記録されたものであり、CPU51はランダムカウンタR3の検出結果が大当り値「7」と同一であることを検出したときには大当りと判定し、ステップS43で大当りフラグをオンする。また、ステップS42でランダムカウンタR3の検出結果が大当り値「7」と相違していることを検出したときには外れと判定し、ステップS44で大当りフラグをオフする。即ち、大当りは「1/249」の固定的な確率で判定されるものである。
【0050】
CPU51はステップS45へ移行すると、大当りフラグの設定状態を判断する。ここで大当りフラグのオンを判断したときにはステップS46へ移行し、特別図柄「7」を設定する。また、ステップS45で大当りフラグのオフを判断したときにはステップS47へ移行し、特別図柄「−」を設定する。即ち、大当りの判定時には特別図柄「7」が設定され、外れの判定時には特別図柄「−」が設定される。
【0051】
CPU51はステップS47で特別図柄「−」を設定すると、ステップS48で保留データエリアE1からランダムカウンタR2の取得結果を検出し、10個の外れリーチ値「0〜9」と比較する。これら外れリーチ値はメイン制御回路50のROM52に記録されたものであり、CPU51はステップS48でランダムカウンタR2の検出結果が10個の外れリーチ値のいずれかと同一であることを判断したときには外れリーチと判定し、ステップS49で外れリーチフラグをオンする。また、ステップS48でランダムカウンタR2の検出結果が10個の外れリーチ値のいずれとも相違していることを判断したときには完全外れと判定し、ステップS50で外れリーチフラグをオフする。
【0052】
CPU51はステップS51へ移行すると、下記(1)〜(3)に示すように、当落コマンドを設定する。
(1)大当りフラグがオンされているときには当落コマンド「大当り」を設定する。
(2)大当りフラグがオフされ、外れリーチフラグがオンされているときには当落コマンド「外れリーチ」を設定する。
(3)大当りフラグおよび外れリーチフラグの双方がオフされているときには当落コマンド「完全外れ」を設定する。
そして、ステップS52で当落コマンドの設定結果を演出制御回路70に送信し、ステップS53でメイン制御フラグに変動パターン設定処理をセットする。
【0053】
その後、CPU51はステップS54へ移行すると、カウンタN1から「1」を減算することに基いて特別図柄遊技の保留回数を減算する。そして、ステップS55へ移行し、RAM53の保留データエリアを整理する。この処理は保留データエリアE1のランダムカウンタR1〜R3を消去し、保留データエリアE2を含んだ以後にランダムカウンタR1〜R3が格納されているときにはランダムカウンタR1〜R3を使用順序が1個前の保留データエリアに移動するものであり、例えば保留データエリアE1と保留データエリアE2と保留データエリアE3にランダムカウンタR1〜R3が格納されているときには保留データエリアE1のランダムカウンタR1〜R3が消去され、保留データエリアE2のランダムカウンタR1〜R3が1個前の保留データエリアE1に移され、保留データエリアE3のランダムカウンタR1〜R3が1個前の保留データエリアE2に移される。
4−6.変動パターン設定処理
【0054】
CPU51はメイン制御フラグが変動パターン設定処理にセットされていることを検出すると、
図4のステップS6のデータ取得処理からステップS8の変動パターン設定処理へ移行し、
図9のステップS61で大当りフラグの設定状態を判断する。ここで大当りフラグのオンを判断したときには直前の大当り判定処理で大当りが判定されたと判断し、ステップS62へ移行する。
【0055】
メイン制御回路50のROM52には大当り用の変動パターンテーブルおよび外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。これら各変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンと変動表示時間の相関関係を示すものであり、CPU51はステップS62へ移行したときにはROM52から大当り用の変動パターンテーブルを選択し、ステップS63へ移行する。ここで保留データエリアE1からランダムカウンタR1の取得結果を検出し、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1の検出結果に応じた大当り用の変動パターンを選択する。
図10は大当り用の変動パターンテーブルの記録内容を示すものであり、大当り用の変動パターンテーブルには変動パターンP1〜P4が設定されている。
【0056】
CPU51は
図9のステップS63で大当り用の変動パターンを選択すると、ステップS64で
図10の大当り用の変動パターンテーブルから変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する。例えばランダムカウンタR1の検出結果が「10」であるときには変動パターン「P1」が選択され、変動パターンの選択結果が「P1」であるときには変動表示時間「30sec」が選択される。
【0057】
CPU51は
図9のステップS61で大当りフラグのオフを判断すると、直前の大当り判定処理で外れリーチまたは完全外れが判定されたと判断する。この場合にはステップS61からステップS65へ移行し、外れリーチフラグの設定状態を判断する。ここで外れリーチフラグのオンを判断したときには直前の大当り判定処理で外れリーチが判定されたと判断し、ステップS66でROM52から外れリーチ用の変動パターンテーブルを選択する。そして、ステップS67で保留データエリアE1からランダムカウンタR1の取得結果を検出し、外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1の検出結果に応じた外れリーチ用の変動パターンを選択する。
【0058】
図11は外れリーチ用の変動パターンテーブルの記録内容を示すものであり、外れリーチ用の変動パターンテーブルには変動パターンP5〜P8が設定されている。これら外れリーチ用の変動パターンP5〜P8は大当り用の変動パターンP1〜P4と演出の展開が同一な同一系統の映像を発生させるものであり、CPU51は
図9のステップS67で外れリーチ用の変動パターンを選択したときにはステップS68で
図11の外れリーチ用の変動パターンテーブルから変動パターンの選択結果に応じた変動表示時間を選択する。例えばランダムカウンタR1の検出結果が「5」であるときには変動パターン「P5」が選択され、変動パターンの選択結果が「P5」であるときには変動表示時間「28sec」が選択される。
【0059】
CPU51は
図9のステップS65で外れリーチフラグのオフを判断すると、直前の大当り判定処理で完全外れが判定されたと判断する。そして、ステップS69で変動パターンP9を選択し、ステップS70で変動パターンP9に応じた変動表示時間「3sec」を選択する。
【0060】
CPU51は変動パターンおよび変動表示時間を選択すると、
図9のステップS71で変動パターンの選択結果を変動パターンコマンドに設定する。そして、演出制御回路70に変動パターンコマンドの設定結果を送信し、ステップS72へ移行する。ここで変動表時間の選択結果をタイマT1にセットし、ステップS73でメイン制御フラグに特別図柄変動開始処理をセットする。即ち、演出制御回路70には大当りと外れリーチと完全外れの判定結果に加え、変動パターンの選択結果が送信される。
4−7.特別図柄変動開始処理
【0061】
CPU51はメイン制御フラグが特別図柄変動開始処理にセットされていることを検出すると、
図4のステップS6のデータ取得処理からステップS9の特別図柄変動開始処理へ移行し、
図12のステップS81でLED回路57に特別図柄変動開始信号を出力する。すると、LED回路57は特別図柄変動開始信号を検出することに基いて特別図柄の変動表示を開始する。
【0062】
CPU51はステップS81で特別図柄変動開始信号を出力すると、ステップS82で演出制御回路70に装飾図柄変動開始コマンドを送信する。そして、ステップS83へ移行し、メイン制御フラグに特別図柄変動停止処理をセットする。この装飾図柄変動開始コマンドは装飾図柄遊技の開始指令に相当するものであり、演出制御回路70は装飾図柄変動開始コマンドを受信することに基いて装飾図柄遊技の映像的な演出を開始することを図柄制御回路80に指示し、装飾図柄遊技の音的な演出を開始することを音制御回路90に指示し、装飾図柄遊技の電飾的な演出を開始することを電飾制御回路100に指示する。4−8.特別図柄変動停止処理
【0063】
CPU51はメイン制御フラグが特別図柄変動停止処理にセットされていることを検出すると、
図4のステップS6のデータ取得処理からステップS10の特別図柄変動停止処理へ移行し、
図13のステップS91でタイマT1の現在の計測値から設定値ΔT1を減算することに基いて特別図柄遊技の残り時間および装飾図柄遊技の残り時間を更新する。そして、ステップS92へ移行し、タイマT1の減算結果を「0」と比較する。
【0064】
CPU51はステップS92でタイマT1の減算結果が「0」であることを検出すると、特別図柄遊技および装飾図柄遊技の終了を判断し、ステップS93でLED回路57に特別図柄変動停止信号を出力する。この特別図柄変動停止信号は特別図柄の変動表示を大当り判定処理の選択結果で停止することを指示するものであり、LED回路57は特別図柄変動停止信号が与えられることに基いて特別図柄の変動表示を選択結果「7」および「−」のいずれかで停止する。
【0065】
CPU51はステップS93でLED回路57に特別図柄変動停止信号を出力すると、ステップS94で演出制御回路70に装飾図柄変動停止コマンドを送信する。この装飾図柄変動停止コマンドは装飾図柄遊技の停止指令に相当するものであり、演出制御回路70は装飾図柄変動停止コマンドを検出することに基いて装飾図柄遊技の映像的な演出を停止することを図柄制御回路80に指示し、装飾図柄遊技の音的な演出を停止することを音制御回路90に指示し、装飾図柄遊技の電飾的な演出を停止することを電飾制御回路100に指示する。
【0066】
CPU51はステップS94で装飾図柄変動停止コマンドを送信すると、ステップS95で大当りフラグの設定状態を判断する。ここで大当りフラグのオフを検出したときにはステップS96でメイン制御フラグに大当り判定処理をセットし、大当りフラグのオンを検出したときにはステップS97でメイン制御フラグに大当り遊技処理をセットする。
4−9.大当り遊技処理
【0067】
CPU51はメイン制御フラグが大当り遊技処理にセットされていることを検出すると、
図4のステップS6のデータ取得処理からステップS11の大当り遊技処理へ移行する。この大当り遊技処理は15回の大当りラウンドを実行するものであり、大当り遊技処理の開始時にはCPU51から演出制御回路70に大当りラウンド開始コマンドが送信され、大当り遊技処理の終了時には大当りラウンド停止コマンドが送信される。また、大当り遊技処理に際しては、カウントセンサ28によって大入賞口27に遊技球が入賞したことを検知する信号が送られる毎に、演出制御回路70に対して入賞コマンドを送るようになっている。
5.演出制御回路70の内部処理
5−1.メイン処理
【0068】
演出制御回路70のCPU71は電源が投入されると、
図14のステップS201の電源投入処理でRAM73の全データを初期設定する。そして、ステップS202へ移行し、タイマ割込フラグの設定状態を判断する。このタイマ割込フラグはCPU71がタイマ回路74からのパルス信号を受信することに基いてタイマ割込処理でオンするものであり、CPU71はステップS202でタイマ割込フラグのオフを検出したときにはステップS203のカウンタ更新処理へ移行し、ステップS202でタイマ割込フラグのオンを検出したときにはステップS204へ移行する。このステップS204でタイマ割込フラグをオフし、ステップS205のカウンタ更新処理〜ステップS206のコマンド処理を順に実行する。
5−2.INT割込処理
【0069】
演出制御回路70のCPU71はメイン制御回路50からのストローブ信号(INT信号)を検出すると、INT割込処理を起動する。このストローブ信号はメイン制御回路50がコマンドと共に送信するものであり、CPU71はINT割込処理を起動したときには
図15のステップS301でコマンドを受信し、ステップS302でコマンドの受信結果をRAM73に記録する。そして、ステップS303へ移行し、コマンド処理フラグをコマンドの種類に応じてセットする。このコマンド処理フラグはコマンド待ち処理に初期設定されるものであり、
図16はメイン制御回路50から送信されるコマンドの種類とコマンド処理フラグの設定内容との関係を示している。
5−3.カウンタ更新処理
【0070】
CPU71は
図14のステップS203へ移行すると、
図17のステップS211でランダムカウンタR11の現在の計測値に「1」を加算する。このランダムカウンタR11は装飾図柄の左列の図柄要素,中列の図柄要素,右列の図柄要素を「一〜八」の図柄要素群の中から選択するものであり、3桁のカウンタから構成されている。このランダムカウンタR11の1桁目は、
図18に示すように、「0」から「7」に加算された後に「0」に戻して循環的に加算され、2桁目は1桁目が「7」から「0」に加算される桁上げ毎に「1」ずつ加算され、3桁目は2桁目が「7」から「0」に加算される桁上げ毎に「1」ずつ加算される。
【0071】
CPU71は
図17のステップS211でランダムカウンタR11を更新すると、ステップS212でランダムカウンタR11の更新結果の1桁目と3桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出したときにはステップS213へ移行し、ランダムカウンタR11の更新結果をRAM73の完全外れ図柄エリアに格納する。即ち、完全外れ図柄エリアは、
図18に示すように、左列および右列が相違する完全外れ図柄の基礎データが格納されるものであり、完全外れ図柄エリアの格納データは次回のステップS213で更新される。
【0072】
CPU71は
図17のステップS212でランダムカウンタR11の1桁目と3桁目とが同一であることを検出すると、ステップS214でランダムカウンタR11の1桁目と2桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出したときにはステップS215へ移行し、ランダムカウンタR11の更新結果をRAM73の外れリーチ図柄エリアに格納する。即ち、外れリーチ図柄エリアは、
図18に示すように、左列および右列が同一で中列が相違する外れリーチ図柄の基礎データが格納されるものであり、外れリーチ図柄エリアの格納データは次回のステップS215で更新される。
【0073】
CPU71は
図14のステップS205のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタR12〜R13の現在の計測値に「1」を加算する。これらランダムカウンタR12〜R13は共通の初期値「0」から異なる上限値に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算されるものであり、ランダムカウンタR12〜R13の加算内容は次の通りである。
【0074】
(1)ランダムカウンタR12は大当り図柄を抽選する乱数値に相当するものである。このランダムカウンタR12は初期値「0」から上限値「7」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
【0075】
(2)ランダムカウンタR13は演出パターンコマンドを抽選する乱数値に相当するものである。このランダムカウンタR13は初期値「0」から上限値「60」に加算された後に初期値「0」に戻して循環的に加算される。
5−4.コマンド処理
【0076】
CPU71は
図14のステップS206のコマンド処理へ移行すると、
図19のステップS401のコマンド待ち処理〜ステップS407の大当りラウンド停止コマンド処理をコマンド処理フラグの設定状態に基いて択一的に行う。
5−4−1.コマンド待ち処理
【0077】
CPU71はコマンド処理フラグがコマンド待ち処理にセットされていることを検出すると、
図19のステップS401のコマンド待ち処理を経て
図14のステップS202に復帰する。このコマンド待ち処理はメイン制御回路50からのコマンドを待つ処理であり、実質的な処理動作が行われない。
5−4−2.当落コマンド処理
【0078】
CPU71はコマンド処理フラグが当落コマンド処理にセットされていることを検出すると、
図20のステップS221でRAM73から当落コマンドを検出する。ここで当落コマンドの検出結果が大当りであることを判断したときにはステップS222へ移行し、ランダムカウンタR12の現在の計測値を取得する。そして、ステップS223へ移行し、ランダムカウンタR12の取得結果に「1」を加算し、装飾図柄の各列をランダムカウンタR12の加算結果に設定する。例えばランダムカウンタR12の取得結果が「6」であるときには「6」に「1」が加算され、装飾図柄が大当りの組合せである大当り図柄「七七七」に設定される。
【0079】
CPU71はステップS221で当落コマンドの検出結果が外れリーチであることを判断すると、ステップS224でRAM73の外れリーチ図柄エリアからランダムカウンタR11の更新結果を検出する。そして、ステップS225へ移行し、ランダムカウンタR11の1桁目〜3桁目の各数字に「1」を加算することに基いて装飾図柄を設定する。例えばランダムカウンタR11の格納結果が「010」であるときには各列の数字に「1」が加算され、装飾図柄が外れリーチの組合せである外れリーチ図柄「一二一」に設定される。
【0080】
CPU71はステップS221で当落コマンドの検出結果が完全外れであることを判断すると、ステップS226でRAM73の完全外れ図柄エリアからランダムカウンタR11の更新結果を検出する。そして、ステップS227へ移行し、ランダムカウンタR11の1桁目〜3桁目の各数字に「1」を加算することに基いて装飾図柄を設定する。例えばランダムカウンタR11の格納結果が「001」であるときには各列の数字に「1」が加算され、装飾図柄が完全外れの組合せである完全外れ図柄「一一二」に設定される。
【0081】
CPU71は装飾図柄を設定すると、ステップS228で図柄制御回路80に装飾図柄の設定結果を送信する。そして、ステップS229へ移行し、コマンド処理フラグにコマンド待ち処理をセットする。図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からの装飾図柄の設定結果を受信すると、VDP84に送信する。
5−4−3.変動パターンコマンド処理
【0082】
CPU71はコマンド処理フラグが変動パターンコマンド処理にセットされていることを検出すると、
図21のステップS231でRAM73から変動パターンコマンドの受信結果を検出する。そして、ステップS232でランダムカウンタR13の現在の計測値を取得し、ステップS233へ移行する。
【0083】
演出制御回路70のROM72には演出テーブルが記録されている。この演出テーブルは、
図22に示すように、変動パターンコマンドP1〜P9とランダムカウンタR13と演出パターンコマンドP1−1〜P9−2の相関関係を示すものであり、変動パターンコマンドP1〜P9には複数の演出パターンコマンドが選択肢として設定されている。
【0084】
CPU71は
図21のステップS233へ移行すると、
図22の演出テーブルから変動パターンコマンドの検出結果およびランダムカウンタR13の取得結果に応じた演出パターンコマンドを選択する。例えば変動パターンコマンドとして「P1」が検出され、ランダムカウンタR13として「10」が取得されたときには演出テーブルから演出パターンコマンドP1−1が選択される。
【0085】
CPU71は
図21のステップS233で演出パターンコマンドを選択すると、ステップS234で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100に演出パターンコマンドの選択結果を送信する。そして、ステップS235へ移行し、コマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
【0086】
音制御回路90のROM92には複数の音データが記録されており、音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からの演出パターンコマンドを受信したときには演出パターンコマンドの受信結果に応じた音データをROM92から選択し、RAM93に記録する。電飾制御回路100のROM102には複数の電飾データが記録されており、電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からの演出パターンコマンドを受信したときには演出パターンコマンドの受信結果に応じた電飾データをROM102から選択し、RAM103に記録する。
【0087】
図柄制御回路80のVROM85には、
図23に示すように、複数のビデオデータが記録されている。これら各ビデオデータには1種類の演出パターンコマンドが割付けられており、図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からの演出パターンコマンドを受信したときにはVDP84に送信する。すると、VDP84はVROM85から演出パターンコマンドに応じたビデオデータを選択し、ビデオデータの選択結果を解凍してVRAM86に記録する。これら各ビデオデータはメイン制御回路50から装飾図柄変動開始コマンドが送信されることを契機に再生開始され、メイン制御回路50から装飾図柄変動停止コマンドが送信されることを契機に再生停止されるものであり、各ビデオデータの再生時間は装飾図柄変動開始コマンドが送信されてから装飾図柄変動停止コマンドが送信されるまでの所要時間である変動表示時間と同一値に設定されている。
【0088】
例えばビデオデータV1−1及びV1−2はメイン制御回路50が変動パターンP1を設定したときに選択されるものであり、ビデオデータV1−1及びV1−2の再生時間は変動パターンP1に応じた変動表示時間と同一の共通値(30sec)に設定されている。ビデオデータV5−1及びV5−2はメイン制御回路50が変動パターンP5を設定したときに選択されるものであり、ビデオデータV5−1及びV5−2の再生時間は変動パターンP5に応じた変動表示時間と同一の共通値(28sec)に設定されている。
5−4−4.装飾図柄変動開始コマンド処理
【0089】
CPU71はコマンド処理フラグが装飾図柄変動開始コマンド処理にセットされていることを検出すると、
図19のステップS404で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100にスタートコマンドを送信し、コマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
【0090】
音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からのスタートコマンドを受信すると、RAM93の音データを再生することに基いてスピーカ14から音データの選択結果に応じた遊技音を出力する。電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からのスタートコマンドを受信すると、RAM103の電飾データを再生することに基いて電飾LED17を電飾データの選択結果に応じたパターンで発光させる。
【0091】
図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からのスタートコマンドを受信すると、VDP84にスタートコマンドを送信する。すると、VDP84はVRAM86のビデオデータを再生することに基いて装飾図柄表示器34にビデオデータに応じた映像を表示し、ビデオデータの再生映像に数字のキャラクタデータを重ねることで装飾図柄の左列と中列と右列が変動(可変)する映像および変動停止(可変停止)する映像を生成する。この装飾図柄の各列の変動停止タイミングは図柄制御回路80のCPU81が演出パターンコマンドの受信結果に応じて設定するものであり、演出パターンコマンドに応じた演出時間の経過直前に最終の中列が停止するように設定される。
5−4−5.装飾図柄変動停止コマンド処理
【0092】
CPU71はコマンド処理フラグが装飾図柄変動停止コマンド処理にセットされていることを検出すると、
図19のステップS405で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100にストップコマンドを送信し、コマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
【0093】
音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からのストップコマンドを受信したときには音データの再生処理を停止し、電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からのストップコマンドを受信したときには電飾データの再生処理を停止する。図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からのストップコマンドを受信したときにはVDP84にビデオデータの再生停止を指令し、VDP84は再生停止が指令されることに基いてビデオデータの再生処理を停止する。
5−4−6.大当りラウンド開始コマンド処理
【0094】
CPU71はコマンド処理フラグが大当りラウンド開始コマンド処理にセットされていることを検出すると、
図19のステップS406で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100に大当りラウンド開始コマンドを送信し、コマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
【0095】
図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からの大当りラウンド開始コマンドを受信すると、VDP84に送信する。すると、VDP84は大当りラウンド用のビデオデータをVROM85から選択し、ビデオデータの選択結果を再生することに基いて装飾図柄表示器34に大当りラウンド表示を行う。音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からの大当りラウンド開始コマンドを受信することに基いてROM92から大当りラウンド用の音データを選択し、音データの選択結果を再生することに基いてスピーカ14から大当りラウンド用の遊技音を出力する。電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からの大当りラウンド開始コマンドを受信することに基いてROM102から大当りラウンド用の電飾データを選択し、電飾データの選択結果を再生することに基いて電飾LED17を大当りラウンド用に発光させる。
5−4−7.大当りラウンド停止コマンド処理
【0096】
CPU71はコマンド処理フラグが大当りラウンド停止コマンド処理にセットされていることを検出すると、
図19のステップS407で図柄制御回路80と音制御回路90と電飾制御回路100に大当りラウンド停止コマンドを送信し、コマンド処理フラグをコマンド待ち処理にセットする。
【0097】
音制御回路90のCPU91は演出制御回路70からの大当りラウンド停止コマンドを受信することに基いて大当りラウンド用の音データの再生処理を停止し、電飾制御回路100のCPU101は演出制御回路70からの大当りラウンド停止コマンドを受信することに基いて大当りラウンド用の電飾データの再生処理を停止する。図柄制御回路80のCPU81は演出制御回路70からの大当りラウンド停止コマンドを受信することに基いてVDP84に大当りラウンド用のビデオデータの再生停止を指令し、VDP84は再生停止が指令されることに基いて大当りラウンド用のビデオデータの再生処理を停止する。
6.図柄制御回路80の内部処理
【0098】
図23のビデオデータV1−1及びV1−2はメイン制御回路50が大当り用の変動パターンP1を設定したときに選択されるものであり、ビデオデータV1−1には大当り予告が挿入されておらず、ビデオデータV1−2には大当り予告が挿入されている。この大当り予告は装飾図柄の3列が変動開始した直後に専用の予告絵柄をカットインすることで行われるものであり、ビデオデータV1−1及びV1−2は大当り予告の有無の点で相互に相違する。なお、予告絵柄の詳細については、説明を省略する。
【0099】
ビデオデータV1−1及びV1−2は相互に演出の進行内容が同一である同一系統の映像を発生させるものであり、ビデオデータV1−1及びV1−2の再生時には装飾図柄の3列が同時に変動開始し、左列および右列が設定結果で順に変動停止することに基いてリーチ状態が発生する。このリーチ状態の発生後には、麻雀ツモ演出が発生する。この麻雀ツモ演出の終了後には、装飾図柄の3列が大当りの組合せで停止表示される。
7.大当り遊技中の抽選処理及び抽選結果に伴う演出パターンテーブル変更処理
【0100】
前記した大当り遊技処理に加え、本実施の形態では、大当り遊技中に大入賞口27へ遊技球が入賞したことに基づき、制御手段としての演出制御回路70で抽選を行い、当該抽選結果に応じて、大当り遊技終了後の遊技者の選択を経て、演出パターンテーブルが変更可能となる演出を行うようになっている。以下、この演出が行われた際の主に演出制御回路70による制御について説明する。
【0101】
まず、
図25のステップS501に示すように、大当り遊技が開始されたか否かの判定を行い、CPU71によりコマンド処理フラグが大当りラウンド開始コマンド処理にセットされていることを検出して大当り遊技が開始されたと判定されると、前記したような大当り遊技を開始すると共に、抽選処理を開始する。
【0102】
当該抽選処理では、
図2の表示画面35に示すように、大当り遊技中であることを示す「大当り!」という表示35Aがなされると共に、
図25のステップS502に示すように、演出制御回路70の累積情報記憶手段としての当選回数記憶手段に記憶された前回までの当選回数(累積情報)を呼び出し、演出制御回路70の累積情報表示手段としての当選回数表示手段により表示画面35の累積情報表示部としての当選回数表示部35Cに当該当選回数(累積情報)を表示する(
図2では前回までに8回当選したので「8」と表示されている)。
【0103】
次に、
図25のステップS503に示すように、メイン制御回路50からカウントセンサ28bで大当り遊技中の大入賞口27への入賞があったとの信号が演出制御回路70に対して送信されたか否かの判定を行う。ここで、カウントセンサ28によって大入賞口27への入賞があったと検知されていた場合には、払出制御回路60により遊技球の払出しが行われると共に、
図25のステップS504に示すように、演出制御回路70の抽選手段で当りか外れかの抽選を行う。なお、抽選手段での当選確率は、例えば1/3や1/10等、適宜の確率となっていれば良い。
【0104】
次に、
図25のステップS505に示すように、当該抽選で当選したか否かの判定を行い、当選した場合には、
図25のステップS506に示すように、呼び出した当選回数に+1して再度記憶する。外れた場合はそのまま
図25のステップS507に進む。また、その際、演出制御回路70の抽選結果表示手段で当選か落選かの表示を行う。ここでは、
図2に示す表示画面35の当選結果表示部35Bに「○」と「×」を高速で交互に表示しておき、抽選結果が出た際に、当選の場合は
図2に示すように、「○」を表示し、落選の場合は「×」を表示するようになっている。
【0105】
そして、ステップS507で大当り遊技が終了したか否かの判定を行い、大当り遊技が続いている場合には、ステップS503に戻る。また、大当り遊技が終了したと判定された場合には、
図25のステップS508に示すように、当選回数(累積情報)が一定数(所定量)、ここでは50回以上又は100回以上となっているかどうかの判定を行う。
【0106】
ここで、当選回数が50回未満のときには、そのまま終了する。また、当選回数が50回以上のときには、
図25のステップS509に示すように、演出制御回路70の操作可能状態表示手段により表示画面35に、
図26の(a)に示すような選択演出を所定時間表示する。ここでは、演出パターンテーブルが通常演出パターンテーブルから特別演出パターンテーブルに変更可能となっており、演出ボタン6Aを操作することにより演出パターンテーブルを変更できる旨を表示すべく、「特別演出パターンテーブルに変更可能」という表示と、「特別演出パターンテーブルに変更する場合はボタンを押して」という表示を行うと共に、演出ボタン6Aを示す画像として演出ボタン画像6Dを表示する。また、当該表示と共に、操作手段としての演出ボタン6Aの操作を有効とする。
【0107】
また、当選回数が100回以上のときには、
図25のステップS509に示すように、演出制御回路70の操作可能状態表示手段により表示画面35に、
図26の(c)に示すような選択演出を所定時間表示する。ここでは、演出パターンテーブルが通常演出パターンテーブルから第2特別演出パターンテーブルに変更可能となっており、演出ボタン6Aを操作することにより演出パターンテーブルを変更できる旨を表示すべく、「第2特別演出パターンテーブルに変更可能」という表示と、「第2特別演出パターンテーブルに変更する場合はボタンを押して」という表示を行うと共に、演出ボタン6Aを示す画像として演出ボタン画像6Dを表示する。また、当該表示と共に、操作手段としての演出ボタン6Aの操作を有効とする。その後、表示画面35に、
図26の(a)に示すような選択演出を所定時間表示する。ここでは、演出パターンテーブルが通常演出パターンテーブルから特別演出パターンテーブルに変更可能となっており、演出ボタン6Aを操作することにより演出パターンテーブルを変更できる旨を表示すべく、「特別演出パターンテーブルに変更可能」という表示と、「特別演出パターンテーブルに変更する場合はボタンを押して」という表示を行うと共に、演出ボタン6Aを示す画像として演出ボタン画像6Dを表示する。また、当該表示と共に、操作手段としての演出ボタン6Aの操作を有効とする。
【0108】
ここで、
図25のステップS510に示すように、遊技者が演出ボタン6Aを操作したかどうか(操作手段の操作状況が特別演出パターンテーブルを選択する状況にされたかどうか)の判定を行い、所定の待機時間の間に、遊技者が演出ボタン6Aを操作した(特別演出パターンテーブルを選択する操作状況にされた)と判定された場合には、
図25のステップS511に示すように、演出制御回路70で演出パターンテーブルを通常演出パターンテーブルから特別演出パターンテーブル又は第2特別演出パターンテーブルに変更する。そして、表示画面35に、
図26の(b)に示すように、「演出パターンを特別演出パターンテーブル(第2特別演出パターンテーブル)に変更」という表示を行うと共に、当選回数が50減算されたことを報知する表示を行い、終了する。また、所定の待機時間の間に、遊技者が演出ボタン6Aを操作しなかった(特別演出パターンテーブルを選択する操作状況にされなかった)と判定された場合には、そのまま終了する。
【0109】
ここで、装飾図柄遊技は、メイン制御回路50からの信号に応じて、演出制御回路70(図柄制御回路80、音制御回路90、電飾制御回路100)に記憶された演出パターンテーブルの中から所定の演出パターンを選択して実行されている。この演出パターンには、装飾図柄の種類やリーチ状態の有無や演出内容等が定められている。また、演出パターンテーブルは、演出制御回路70に複数記憶されており、通常はそのうちの通常演出パターンテーブル(
図22)が選択され、その中に記憶された演出パターン(演出パターンコマンド)が選択されて実行されるようになっている。
【0110】
また、前記したように、大当り遊技の最後に、演出パターンテーブルを通常演出パターンテーブルからレアな特別演出パターンテーブルに変更するか否かを聞く選択演出が行われ、操作手段の操作を促す演出ボタン画像6Dが表示されて演出ボタン6Aが操作可能となったときに、遊技者がこれに応じて演出ボタン6Aを操作すると、大当り遊技後の図柄変動遊技が、
図24の(a)に示すような第1の背景120として山の背景が表示される演出パターンが複数記憶されている通常演出パターンテーブルから、
図24の(b)に示すような第2の背景130として海の背景が表示される演出パターンが複数記憶されている特別演出パターンテーブル(
図27)に変更され、これ以降は特別演出パターンテーブルに記憶された演出パターンで図柄変動遊技が実行されるようになる。また、その際、記憶された当選回数から特別演出パターンテーブルに対応した一定数(ここでは50回)を減算し、その当選回数を記憶するようになっている。そして、次に大当り遊技が発生したときには、当該当選回数から抽選の当選回数の加算が開始される。なお、本実施の形態の特別演出パターンテーブルでは、背景が海の第2の背景130に変更されるのみで、他の図柄や変動パターン等は通常演出パターンテーブルと同様の演出が行われるようになっている。
【0111】
また、前記したように、累積情報記憶手段としての当選回数記憶手段に記憶された当選回数(累積情報)がさらに多い一定数(所定量)、例えば100回以上となったときには、前記したタイミングで演出パターンテーブルを特別演出パターンテーブルよりもさらにレアな第2特別演出パターンテーブルに変更することが選択できるようになる。本実施の形態では、大当り遊技中に当選回数がさらに多い一定数以上となったときには、大当り遊技の最後に、演出パターンテーブルを通常演出パターンテーブルから特別演出パターンテーブル又は第2特別演出パターンテーブルに変更するか否かを聞く選択演出が行われるようになる。ここでは、大当り遊技後の図柄変動遊技が、
図24の(a)に示すような第1の背景120として山の背景が表示される演出パターンが複数記憶されている通常演出パターンテーブルから、
図24の(c)に示すような第3の背景140として街の背景が表示される演出パターンが複数記憶されている第2特別演出パターンテーブル(
図28)に変更され、これ以降は第2特別演出パターンテーブルに記憶された演出パターンで図柄変動遊技が実行されるようになる。また、その際、記憶された当選回数から特別演出パターンテーブルに対応した一定数(ここでは100回)を減算し、その当選回数を記憶するようになっている。そして、次に大当り遊技が発生したときには、当該当選回数から抽選の当選回数の加算が開始される。なお、選択演出の際に、特別演出パターンテーブルを選択した場合には、前記したように第2の背景130として海の背景が表示される特別演出パターンテーブルで図柄変動表示が実行される。また、本実施の形態の第2特別演出パターンテーブルでは、背景が街の第3の背景140に変更されるのみで、他の図柄や変動パターン等は通常演出パターンテーブルと同様の演出が行われるようになっている。
【0112】
以上のように、本実施の形態のパチンコ遊技機(弾球遊技機)は、遊技を制御する制御手段と、遊技球が入球可能なものであって、遊技球が入球したことに基づいて大当りであるか否かが判定される起点となる特別図柄始動口(始動口)24と、遊技球が入球可能な開放状態及び入球不可能な閉鎖状態の相互間で切り換えられるものであって、大当りと判定された場合に開放状態にされる大入賞口(特別入球口)27と、遊技球が前記特別図柄始動口(始動口)24に入球した場合に、大当りであるか否かの判定結果を遊技者に報知する演出画像が表示される表示画面35を有する装飾図柄表示器(表示装置)34と、を備えたパチンコ遊技機(弾球遊技機)において、前記演出制御回路(制御手段)70は、大当りであるか否かの判定結果を遊技者に報知するための演出パターンを記憶した演出パターンテーブルを少なくとも通常演出パターンテーブルと特別演出パターンテーブルの2つ記憶しており、通常時は前記複数の演出パターンテーブルのうち、前記通常演出パターンテーブルの中から演出パターンを選択し、該演出パターンの演出画像を前記表示画面35に表示させ、前記大入賞口(特別入球口)27に入る遊技球を検知するカウントセンサ(検知手段)28と、該カウントセンサ(検知手段)28で遊技球の前記大入賞口(特別入球口)27への入球を検知することに基づき抽選を行う演出制御回路(抽選手段)70と、該演出制御回路(抽選手段)70による抽選結果を表示する演出制御回路(抽選結果表示手段)70と、前記演出制御回路(抽選手段)70によって当りと判定された当選回数(抽選結果の累積情報)を記憶する演出制御回路(当選回数記憶手段(累積情報記憶手段))70と、該演出制御回路(当選回数記憶手段(累積情報記憶手段))70で記憶した当選回数(累積情報)を表示する演出制御回路(当選回数表示手段(累積情報表示手段))70と、遊技者による操作が可能であって、操作に応じて操作信号を前記制御手段に送る演出ボタン(操作手段)6Aと、該演出ボタン(操作手段)6Aの操作が可能となったときに操作可能状態であることを表示する演出制御回路(操作可能状態表示手段)70と、を備え、前記演出制御回路(当選回数記憶手段(累積情報記憶手段))70で記憶した当選回数(累積情報)が所定回数(所定量)以上となった場合に、所定のタイミングで、演出パターンテーブルを前記通常演出パターンテーブルから前記特別演出パターンテーブルに変更可能とすると共に、前記演出ボタン(操作手段)6Aの操作を有効とし、かつ、前記演出制御回路(操作可能状態表示手段)70により、演出パターンテーブルが前記通常演出パターンテーブルから前記特別演出パターンテーブルに変更可能であって前記演出ボタン(操作手段)6Aの操作状況により変更できることを報知する制御を行い、前記所定のタイミングで前記演出ボタン(操作手段)6Aの操作状況により前記特別演出パターンテーブルが選択された場合に、それ以降の演出パターンを前記特別演出パターンテーブルの中から選択するように制御するパチンコ遊技機(弾球遊技機)としたことを特徴とする。
【0113】
そして、本実施の形態によれば、大当り中に大入賞口(特別入球口)27に遊技球が入球することに基づき抽選を行い、その当選回数(抽選で当りと判定された抽選結果の累積情報)によって、遊技者が、大当り終了後に実行される演出として特定の演出を選択可能となるため、大当りの長さに拘らず、大当り中の遊技を単調でない面白みのあるものとすることができ、その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
【0114】
また、本本実施の形態のパチンコ遊技機(弾球遊技機)は、前記した構成に加え、前記演出制御回路(制御手段)70では、前記特別演出パターンテーブルが複数記憶されており、それぞれの前記特別演出パターンテーブルが選択可能となるのに対して前記演出制御回路(累積情報記憶手段)70に記憶された当選回数(累積情報量)が設定されており、遊技者が前記演出ボタン(操作手段)6Aの操作状況によって前記特別演出パターンテーブルを選択するとき、前記演出制御回路(当選回数記憶手段(累積情報記憶手段))70に記憶されている当選回数(累積情報)よりも少ない数(量)が設定された前記特別演出パターンテーブルのみが選択可能となり、前記特別演出パターンテーブルが選択された場合、選択された前記特別演出パターンテーブルに設定された当選回数(累積情報量)を前記演出制御回路(当選回数記憶手段(累積情報記憶手段))70に記憶された当選回数(累積情報)から減算する制御が行われることを特徴とする。
【0115】
そして、本実施の形態によれば、当選回数(累積情報量)に応じて選択可能な特別演出パターンテーブルが変化し、さらに、遊技者が特別演出パターンテーブルを選択するとそれぞれの特別演出パターンテーブルに設定された分だけ当選回数(累積情報)が減算されるため、遊技者が当選回数(累積情報)をポイントのように貯めて、それを使って選択可能な特別演出パターンテーブルをゲットする、というような楽しみ方をさせることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
なお、以上説明した各実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0116】
例えば、前記した実施の形態では、弾球遊技機としてパチンコ遊技機を挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、雀球遊技機、アレンジボール等の他の弾球遊技機にも適用可能である。
【0117】
また、前記した実施の形態では、特別演出パターンテーブルを選択すると、当該特別演出パターンテーブルに設定された当選回数が、取得した当選回数から減算されるようになっていたが、これに限るものではなく、当選回数を減算せず、加算し続けることができるようになっていても良い。この場合は、当選回数50回で特別演出パターンテーブルに変更可能となり、さらにあと50回当選すると(当選回数が合計100回になると)第2特別演出パターンテーブルが選択可能となり、さらに20回当選すると(当選回数が合計120回になると)第3特別演出パターンテーブルが選択可能となる、というように段々とレアな演出パターンテーブルが選択可能になるように構成されていても良い。
【0118】
また、前記した実施の形態では、大当り遊技が終了した時点で、当選回数に応じて特別演出パターンテーブルを選択可能な演出が行われるようになっていたが、図柄変動遊技中以外であれば他の遊技状態(例えば、遊技が行われていない待機状態等)のときに特別演出パターンテーブルが選択可能な演出が行われるようになっていても良い。
【0119】
また、前記した実施の形態では、演出パターンテーブルで装飾図柄遊技における背景が変更されるようになっていたが、これに限るものではなく、例えば、装飾図柄遊技全体ではなく、確率変動状態や時短状態中の演出画像のキャラクタや背景のみが変更されるようになっていても良い。また、装飾図柄遊技における背景やキャラクタだけが変更されるのではなく、表示画面全体の雰囲気が変更となる、さらには遊技機のモチーフが全体的に変更される(電車をモチーフにした遊技機がアイドルをモチーフにした遊技機に変更される等)ようになっていても良い。
【0120】
さらに、当選回数記憶手段で記憶された当選回数の情報は、パスワードやQRコード(登録商標)、カード等に記憶されることで、遊技を中断した場合に持ち出すことができ、次回に遊技を再開した場合にパスワードを打ち込んだり、QRコード(登録商標)やカードを読み込ませたりして、継続して加算することができるようになっていても良い。
【0121】
また、前記した実施の形態では、当選結果表示手段により、抽選手段の抽選結果を表示画面35の左上に表示される当選結果表示部35Bに「○」と「×」で表示するようになっていたが、これに限るものではなく、当選結果表示手段により、抽選結果を別の表示で行うようになっていても良い。例えば、表示画面35の大部分を占めるように当選結果表示部35Bが配置されており、ここに味方キャラクタと敵キャラクタが格闘対決をしており、抽選結果が当選となる毎に味方キャラクタの攻撃が敵キャラクタにヒットするようになっていても良い。さらに、当該抽選結果が当選となったことで当選回数記憶手段によって当選回数が演出パターンテーブルが変更可能となる所定数を超えたと判断された場合に、味方キャラクタの攻撃が敵キャラクタに大ダメージを与えるような表示を行うようになっていても良い。また、前記した「○」と「×」の抽選結果の表示方法においても、当該抽選結果が当選となったことで当選回数記憶手段によって当選回数が演出パターンテーブルが変更可能となる所定数を超えたと判断された場合に、大きな「○」や「2重○」が表示されるようになっていても良い。
【0122】
また、前記した実施の形態では、遊技球が大入賞口に1回入賞する毎に抽選を行うようになっていたが、これに限るものではなく、例えば、15ラウンドの大当り遊技の各ラウンドの始めの入賞球のみ抽選を行ったり、各ラウンドの1個目、5個目、10個目の入賞球のみ抽選を行ったりする等、適宜の間隔で抽選を行うようになっていれば良い。また、大当り遊技のラウンド数も15回に限るものではなく、2回や4回、8回等、他のラウンド数の大当り遊技があっても良い。そして、他のラウンド数の大当り遊技でも、抽選を行う場合がある設定を有していても良い。
【0123】
また、前記した実施の形態では、1回の抽選で当りとなると当選回数記憶手段(累積情報記憶手段)に+1されるというように、当選回数の合計と累積情報とが同一数となっていたが、累積される情報はこれに限るものではなく、各抽選での当りで累積情報記憶手段に記憶・累積される情報に差があっても良い。例えば、1回の抽選で当りとなる場合に、大当りと小当りがあり、大当りのときは累積情報記憶手段に2ポイントが加算され、小当りのときは累積情報記憶手段に1ポイントが加算されるパターンや、当りの中に1等賞や2等賞、3等賞等があり、1等賞のときは累積情報記憶手段に5ポイントが加算され、2等賞のときは累積情報記憶手段に3ポイントが加算され、3等賞のときは累積情報記憶手段に1ポイントが加算されるパターンなどが挙げられる。
【0124】
また、累積情報表示手段に表示される累積情報としては、当選回数や当りに応じたポイント数などの数量が直接表示されるだけでなく、数量以外の表示で累積情報を表示するようになっていても良い。例えば、前記したような格闘対決で当選する毎に敵キャラクタが段々弱っていき、最終的に敵キャラクタが倒れたら、累積情報が特別演出パターンテーブルを選択可能な所定量以上となったことを示す場合や、当選する毎に風船が膨らんでいき、当該風船が膨らみきって破裂したら、累積情報が特別演出パターンテーブルを選択可能な所定量以上となったことを示す場合などが挙げられる。
【0125】
また、前記した実施の形態では、所定のタイミングで操作手段としての演出ボタンを押したときに、演出パターンテーブルが通常演出パターンテーブルから特別演出パターンテーブルや第2特別演出パターンテーブルに変更されるようになっていたが、これに限るものではなく、操作手段の種々の操作状況により演出パターンテーブルが変更できるようになっていれば良い。例えば、演出パターンテーブルが変更可能なときに、表示画面に「通常演出を続けたい場合はボタンを押せ!」という表示がなされ、演出ボタンを押さなかった場合に演出パターンテーブルが特別演出パターンテーブルに変更されるパターンや、演出パターンテーブルが特別演出パターンテーブルに変更可能なときに、表示画面に通常演出パターンテーブルを選択する選択肢と特別演出パターンテーブルを選択する選択肢が同時に表示され、それぞれの表示が交互に色変化し、遊技者がタイミングを見計らってボタンを押すことで、ボタンを押したときに色変化していた方の演出パターンテーブルが選択されるパターンなどが挙げられる。さらに、複数の特別演出パターンテーブルの中から演出パターンテーブルを選択できる場合においても、前記したように順にそれぞれの特別演出パターンテーブルを選択する画面が表示されるようなパターン以外に、表示画面に通常演出パターンテーブルの選択肢、特別演出パターンテーブルの選択肢、第2特別演出パターンテーブルの選択肢等が同時に表示され、これらが順に色変化し、遊技者がタイミングを見計らってボタンを押すことで、ボタンを押したときに色変化していた演出パターンテーブルが選択されるパターンなどがあっても良い。