(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、空気調和機では、運転状況または環境状況に基づいて、所定情報を自動的に音声で報知する手段を備えることが考えられる。例えば、室内温度および室内湿度が高温高湿の危険ゾーンである場合には、冷房運転開始を促す情報を自動的に音声で報知することが考えられる。また例えば、室外温度が空気調和機の設定温度よりも低い場合には、冷房運転停止を促す情報を自動的に音声で報知することが考えられる。しかし、この空気調和機では、音声報知が煩わしい問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、自動的に音声が報知されることによる煩わしさを解消できる空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明にかかる空気調和機は、運転状況または環境状況に基づいて、所定情報を自動的に音声で報知する音声報知手段と、前記音声報知手段による自動音声報知を許可するか否かを設定する設定手段と、前記設定手段で前記音声報知手段による自動音声報知を禁止する設定がされた場合に、前記音声報知手段による自動音声報知を禁止する音声報知禁止手段
と、室内温度を検出する室内温度センサとを備え、前記音声報知手段は、前記設定手段により自動音声報知を禁止する設定がされている場合であっても、室内温度が所定範囲外である場合には、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を自動的に音声で報知することを特徴とする。
【0007】
この空気調和機では、所定情報を自動的に音声で報知する自動音声報知を許可するか否かを設定できるので、自動的に音声が報知されることによる煩わしさを解消できる。
また、高温時など空調空間内の環境が危険状態である場合には、自動音声報知が禁止されていても、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報が自動的に音声で報知されるので、ユーザが熱中症などになるのを防止できる。
【0008】
第2の発明にかかる空気調和機は、第1の発明にかかる空気調和機において、室内湿度を検出する室内湿度センサを備え、前記音声報知手段は、前記設定手段により自動音声報知を禁止する設定がされている場合であっても、室内温度が所定範囲外である場合に代えて、室内温度および室内湿度が所定範囲外である場合には、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を自動的に音声で報知することを特徴とする。
この空気調和機では、高温または高湿時など空調空間内の環境が危険状態である場合には、自動音声報知が禁止されていても、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報が自動的に音声で報知されるので、ユーザが熱中症などになるのを防止できる。
第
3の発明にかかる空気調和機は、第1
または第2の発明にかかる空気調和機において、前記設定手段は、前記音声報知手段による自動音声報知を許可または禁止する時間帯を設定するものであることを特徴とする。
【0009】
この空気調和機では、自動音声報知を許可または禁止する時間帯を設定できるので、自動音声報知が必要または不要なときだけ、自動音声報知を許可または禁止できる。
【0010】
第
4の発明にかかる空気調和機は、第
3の発明にかかる空気調和機において、前記設定手段は、前記音声報知手段による自動音声報知を許可または禁止する時間帯を複数設定可能であることを特徴とする。
【0011】
この空気調和機では、自動音声報知を許可または禁止する時間帯を複数設定できるので、自動音声報知が必要または不要な時間帯が複数ある場合に、自動音声報知を許可または禁止する設定を毎回行う必要がない。
【0012】
第
5の発明にかかる空気調和機は、第
4の発明にかかる空気調和機において、前記設定手段は、各曜日毎に前記音声報知手段による自動音声報知を許可または禁止する時間帯を設定可能であることを特徴とする。
【0013】
この空気調和機では、各曜日毎に自動音声報知を許可または禁止する時間帯を設定できるので、自動音声報知を許可または禁止する時間帯をスケジュール化できる。
【0014】
第
6の発明にかかる空気調和機は、第1−第
5のいずれかの発明にかかる空気調和機において、所定時刻の設定を含むタイマ設定を行うタイマ設定手段を有しており、前記設定手段は、前記タイマ設定が行われてから前記所定時刻までのタイマ設定期間中において、前記音声報知手段による自動音声報知を禁止する設定をすることを特徴とする。
【0015】
この空気調和機では、タイマ設定期間中において、自動音声報知が禁止されるので、例えば就寝時などタイマが設定されている場合に自動的に音声が報知されることによる煩わしさを解消できる。
【0016】
第
7の発明にかかる空気調和機は、第
6の発明にかかる空気調和機において、前記タイマ設定手段が、空気調和機と通信可能なリモコンであり、前記リモコンに、タイマ設定を行うためのタイマ設定操作部が設けられることを特徴とする。
【0017】
この空気調和機では、リモコンに設けられたタイマ設定操作部を操作するだけで、タイマ設定期間中に音声が報知されるのを防止できるので、タイマ設定と同時に自動音声報知を禁止する設定を行う必要がない。
【0018】
第
8の発明にかかる空気調和機は、第
7の発明にかかる空気調和機において、前記リモコンに、前記音声報知手段による自動音声報知を許可するか否かを設定する音声報知設定操作部が設けられており、前記設定手段は、前記音声報知設定操作部の操作により自動音声報知が許可されている場合において、前記タイマ設定期間中は、前記音声報知手段による自動音声報知を禁止する設定をすることを特徴とする。
【0019】
この空気調和機では、音声報知設定操作部の操作により自動音声報知が許可されている場合であっても、タイマ設定期間中は音声報知手段による自動音声報知が禁止されるので、自動音声報知が許可されている場合に、タイマ設定と同時に自動音声報知を禁止する設定を行う必要がない。
【0020】
【0021】
【発明の効果】
【0022】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0023】
第1の発明では、所定情報を自動的に音声で報知する自動音声報知を許可するか否かを設定できるので、自動的に音声が報知されることによる煩わしさを解消できる。
また、高温時など空調空間内の環境が危険状態である場合には、自動音声報知が禁止されていても、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報が自動的に音声で報知されるので、ユーザが熱中症などになるのを防止できる。
【0024】
第2の発明では、高温または高湿時など空調空間内の環境が危険状態である場合には、自動音声報知が禁止されていても、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報が自動的に音声で報知されるので、ユーザが熱中症などになるのを防止できる。
第
3の発明では、自動音声報知を許可または禁止する時間帯を設定できるので、自動音声報知が必要または不要なときだけ、自動音声報知を許可または禁止できる。
【0025】
第
4の発明では、自動音声報知を許可または禁止する時間帯を複数設定できるので、自動音声報知が必要または不要な時間帯が複数ある場合に、自動音声報知を許可または禁止する設定を毎回行う必要がない。
【0026】
第
5の発明では、各曜日毎に自動音声報知を許可または禁止する時間帯を設定できるので、自動音声報知を許可または禁止する時間帯をスケジュール化できる。
【0027】
第
6の発明では、タイマ設定期間中において、自動音声報知が禁止されるので、例えば就寝時などタイマが設定されている場合に自動的に音声が報知されることによる煩わしさを解消できる。
【0028】
第
7の発明では、リモコンに設けられたタイマ設定操作部を操作するだけで、タイマ設定期間中に音声が報知されるのを防止できるので、タイマ設定と同時に自動音声報知を禁止する設定を行う必要がない。
【0029】
第
8の発明では、音声報知設定操作部の操作により自動音声報知が許可されている場合であっても、タイマ設定期間中は音声報知手段による自動音声報知が禁止されるので、自動音声報知が許可されている場合に、タイマ設定と同時に自動音声報知を禁止する設定を行う必要がない。
【0030】
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態にかかる空気調和機について説明する。
【0033】
[空気調和機の構成]
図1に示すように、本実施形態の空気調和機1は、室内に設置される室内機2と、室外に設置される室外機3と、空気調和機1と通信可能なリモコン4(
図3参照)とを有する。この空気調和機1は、圧縮機10と、四方弁11と、室外熱交換器12と、膨張弁(減圧機構)13と、室内熱交換器14とを接続した冷媒回路を有する。冷媒回路において、圧縮機10の吐出口に四方弁11を介して室外熱交換器12が接続され、その室外熱交換器12に膨張弁13が接続される。そして、膨張弁13に室内熱交換器14の一端が接続され、その室内熱交換器14の他端に四方弁11を介して圧縮機10の吸込口が接続される。
【0034】
空気調和機1は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転などの運転が可能であって、空気調和機1の制御部5によって、いずれかの運転を選択して運転開始操作を行ったり、運転切換操作や運転停止操作を行ったりすることができる。
【0035】
冷房運転および除湿運転では、図示実線矢印で示すように、圧縮機10から吐出される冷媒が四方弁11から室外熱交換器12、膨張弁13、室内熱交換器14へと順に流れ、室内熱交換器14を経た冷媒が四方弁11を通って圧縮機10に戻る冷房サイクルまたは除湿サイクルが形成される。すなわち、室外熱交換器12が凝縮器、室内熱交換器14が蒸発器として機能する。
【0036】
一方、暖房運転では、四方弁11が切り換わることにより、図示破線矢印で示すように、圧縮機10から吐出される冷媒が四方弁11から室内熱交換器14、膨張弁13、室外熱交換器12へと順に流れ、室外熱交換器12を経た冷媒が四方弁11を通って圧縮機10に戻る暖房サイクルが形成される。すなわち、室内熱交換器14が凝縮器、室外熱交換器12が蒸発器として機能する。
【0037】
室内機2は、
図2に示すように、吸込口18と吹出口19を有する。室内機2内には、吸込口18から吹出口19に向かって空気流路が形成され、この空気流路には、室内熱交換器14と、横流型の室内ファン16が配置される。室内機2の吹出口19には、上下方向について空気流の吹き出し方向を変更する上下風向板17が回動可能に配置される。また、室内機2には、
図1及び
図4に示すように所定情報を音声で報知するスピーカー20(音声報知手段)と、室内温度を検出する室内温度センサ21と、室内湿度を検出する室内湿度センサ22とが設置されている。
【0038】
リモコン4は、
図3に示すように、複数の操作ボタンが配置される操作部31と、操作部31で操作された情報などが表示される表示画面32とを有する。リモコン4の操作部31は、
図4に示すように、後述する音声報知部41(音声報知手段)による自動音声報知を許可するか否かを設定する音声報知設定操作部33と、タイマ設定を行うためのタイマ設定操作部34とを有する。音声報知設定操作部33とは、具体的には、
図3に示すように、複数の項目を表示画面32に表示させる「メニュー」ボタン35、表示画面32に表示された複数の項目から所望の項目を選択するためのカーソルボタン36、およびカーソルボタン36で選択した項目を決定するための「決定」ボタン37からなる。また、タイマ設定操作部34とは、具体的には、各種タイマ設定を表示画面32に表示させる「タイマー」ボタン38、表示画面32に表示された各種タイマ設定から所望のタイマ設定を選択するためのカーソルボタン36、およびカーソルボタン36で選択した項目を決定するための「決定」ボタン37からなる。
【0039】
この空気調和機1では、タイマ設定として、例えば入タイマ設定、切タイマ設定、および快眠タイマ設定の3つがある。入タイマ設定は、空気調和機1の運転が自動的に開始される開始時刻(所定時刻)を設定するタイマ設定である。切タイマ設定は、空気調和機1の運転が自動的に停止する停止時刻(所定時刻)を設定するタイマ設定である。快眠タイマ設定は、所定時刻(例えば、ユーザが起床予定の時刻)を設定し、タイマ設定(所定時刻の設定)が行われてから所定時刻までのタイマ設定期間中において、空気調和機1の内部設定温度を自動的に変化させるタイマ設定である。具体的には、例えばタイマ設定期間が4時間以上である場合、タイマ設定が行われた時間から例えば3時間後の内部設定温度が、ユーザが設定した設定温度または自動的に設定された設定温度よりも2℃低くなるように、内部設定温度を約3時間かけて徐々に下げる。そして、タイマ設定が行われて3時間後から所定時刻(例えば、ユーザが起床予定の時刻)の例えば1時間前までは、内部設定温度が設定温度よりも2℃低い状態を継続する。その後、所定時刻の例えば1時間前から1時間かけて内部設定温度を1℃上げていく。このように、快眠タイマ設定は、空気調和機1の内部設定温度をV字型に温度制御するものであり、これによりユーザに快眠をもたらすことができる。
【0040】
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの複数のハードウェアから構成されている。ROMには、制御部5の動作を制御する制御プログラムなどが格納されている。そして、この制御部5は、
図4に示すように、音声報知部41(音声報知手段)と、音声報知禁止部42(音声報知禁止手段)とを有し、リモコン4、スピーカー20(音声報知手段)、室内温度センサ21、室内湿度センサ22などと電気的に接続されている。
【0041】
音声報知部41(音声報知手段)は、スピーカー20を介して所定情報を音声で報知する。この音声報知部41による音声報知には、リモコン操作に応答してリモコン操作に対応した情報を報知する応答音声報知と、所定情報を自動的に音声で報知する自動音声報知とがある。
【0042】
応答音声報知では、運転開始または停止操作、運転設定(冷房運転・暖房運転などの運転モード、設定温度、設定湿度、タイマ設定など)の切換操作、および運転設定の確認操作などのリモコン操作に応答して、そのリモコン操作に対応した情報を音声で報知する。例えば、ユーザがリモコン4を操作することにより運転開始操作が行われた場合には、「運転が開始されました」という音声または「ピッ」というブザー音(音声)が報知される。
【0043】
自動音声報知では、運転状況または環境状況に基づいて、所定情報を自動的に音声で報知する。ここで、「運転状況または環境状況」とは、例えば、室内温度、室内湿度、室外温度、室外湿度、室内熱交温度、室外熱交温度、冷媒温度、圧縮機10の吐出管温度、圧縮機10の潤滑油温度、上記した各温度同士の差、上記した各温度と空気調和機1の設定温度との差、図示しない人検出センサで検出された人の存否などがある。また例えば、自動運転が行われている際に手動で運転設定を変更した場合において、所定時間経過後に自動運転の運転設定に復帰する復帰設定が行われる場合がある。また、暖房運転時に圧縮機10の予熱運転を行う空気調和機において、予熱運転の完了時がある。また、スマートフォンなどの端末装置と空気調和機1とが通信可能である場合に、端末装置による宅外操作時がある。空気調和機1がインターネットと接続されている場合において、インターネットの切断時がある。ただし、「運転状況または環境状況」とは、これらに限定されるものではない。
【0044】
この自動音声報知のより具体的な例としては、室内温度センサ21で検出された室内温度および室内湿度センサ22で検出された室内湿度が所定範囲外(危険ゾーン)である場合がある。
【0045】
図5は、室内温度および室内湿度が所定範囲外であるか否かの判定図の一例であるが、この判定図には、所定範囲外の危険ゾーンと、所定範囲内の待機ゾーンとが設定される。危険ゾーンは、室内が高温状態や高湿状態であって、室内温度や室内湿度を低下させる必要がある領域である。待機ゾーンは、室内温度や室内湿度を低下させる必要がない領域である。
【0046】
図5の判定図において、A点〜C点は、下記の室内温度及び室内湿度である点を示す。・A点:室内温度が27度であり、室内湿度が100%である点・B点:室内温度が27度であり、室内湿度が70〜80%の間のy1である点・C点:室内温度が33度であり、室内湿度が30%である点
【0047】
そして、A点とB点とC点を接続した線l1が、待機ゾーンと危険ゾーンの間の線である。したがって、
図5の判定図に示すように、待機ゾーンは、線l1の左下の領域であって、危険ゾーンは、線l1の右上の領域(室内温度及び室内湿度が線l1上にある場合を含む)である。
【0048】
室内温度および室内湿度が所定範囲外である危険ゾーンにある場合において、空気調和機1の運転が停止されている場合には、冷房運転や除湿運転の運転開始を促す情報が自動的に音声で報知される。具体的には、例えば「室温が高くなりました。冷房運転を開始してください」という音声が報知される。また、空気調和機1の運転(例えば冷房運転や除湿運転)が行われている場合には、冷房運転や除湿運転の運転設定の変更を促す情報が自動的に音声で報知される。具体的には、例えば「冷房運転の設定温度を下げてください」という音声が報知される。
【0049】
また、自動音声報知のその他の具体的な例としては、例えば室内温度センサ21で検出された室内温度が設定温度に到達する場合がある。この場合、「まもなく設定温度に近づきます」という音声が自動的に報知される。また、他にも図示しない室外温度センサで検出された室外温度が設定温度よりも低い場合がある。この場合、「設定温度よりも室外温度が低くなりました」という音声が自動的に報知される。また、他にも図示しない人検出センサで空調空間内に人が不在であることを検知した場合がある。この場合、「不在を検知しました。設定温度をひかえめにします」という音声が自動的に報知される。また、他にも自動運転が行われている際に手動で運転設定を変更した場合において、所定時間経過後に自動運転の運転設定に復帰する場合がある。この場合、「自動復帰設定により自動運転に変更しました」という音声が自動的に報知される。
【0050】
音声報知禁止部42は、音声報知設定操作部33の操作によって自動音声報知を禁止する設定(自動音声報知「切」)が設定された場合に、音声報知部41による自動音声報知を禁止する。また、この音声報知禁止部42は、自動音声報知の許可時間帯が設定された場合に、許可時間帯以外の時間の自動音声報知を禁止する。また、この音声報知禁止部42は、タイマ設定操作部34の操作によってタイマ設定が行われてから(入タイマの開始時刻、切タイマの停止時刻、または快眠タイマの所定時刻が設定されてから)所定時刻までのタイマ設定期間中において、音声報知部41による自動音声報知を禁止する。したがって、この空気調和機1では、音声報知設定操作部33の操作によって音声報知が許可されている場合(自動音声報知「入」)や、許可時間帯が設定されている場合の許可時間帯中であっても、タイマ設定期間中は、音声報知部41による音声報知が禁止される。
【0051】
ただし、上記した音声報知部41は、音声報知禁止部42により自動音声報知が禁止されている場合であっても、室内温度センサ21で検出された室内温度および室内湿度センサ22で検出された室内湿度が所定範囲外(危険ゾーン)である場合には、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を自動的に音声で報知する。したがって、音声報知禁止部42により自動音声報知が禁止されている場合であっても、例えば高温または高湿時など空調空間内の環境が危険状態である場合に、自動音声報知がされずにユーザが例えば熱中症になることが防止される。
【0052】
次に、
図6のフローチャートを参照しつつ自動音声報知を許可するか否かを設定する際の流れ(フロー)について説明する。
【0053】
まず、リモコン4の「メニュー」ボタン35が選択されたか否かを判断する(S1)。「メニュー」ボタン35が選択された場合(S1:Yes)、「音声設定」が選択されたか否かを判断する(S2)。「音声設定」の選択は、具体的には、「メニュー」ボタン35が押されることによって表示画面32に表示された複数の項目の中からカーソルボタン36で「音声設定」を選び、「決定」ボタン37を押すことにより実現される。一方、「メニュー」ボタン35が選択されない場合(S1:No)、ステップS1に戻る。
【0054】
「音声設定」が選択された場合(S2:Yes)、「自動音声報知」が選択されたか否かを判断する(S3)。「自動音声報知」の選択は、「音声設定」が選択されたことによって表示画面32に表示された2つの項目(「自動音声報知」、「応答音声報知」)の中からカーソルボタン36で「自動音声報知」を選び、「決定」ボタン37を押すことにより実現される。一方、「音声設定」が選択されない場合(S2:No)、ステップS1に戻る。
【0055】
「自動音声報知」が選択された場合(S3:Yes)、自動音声報知「入」が選択されたか否かを判断する(S4)。自動音声報知「入」の選択は、「自動音声報知」が選択されたことによって表示画面32に表示された「入」/「切」の中からカーソルボタン36で「入」を選び、「決定」ボタン37を押すことにより実現される。一方、「応答音声報知」が選択された場合(S3:No)、ステップS1に戻る。なお、「応答音声報知」が選択された場合には、ユーザは、応答音声報知を許可するか否かを設定可能である。
【0056】
自動音声報知「入」が選択された場合(S4:Yes)、自動音声報知を許可する許可時間帯を設定するか否かを選択する(S5)。一方、自動音声報知「切」が選択された場合(S4:No)、自動音声報知が「切」に設定され(S6)、フローが終了する。なお、自動音声報知「切」が選択された場合は、室内温度および室内湿度が所定範囲外(危険ゾーン)である場合を除いて、自動音声報知が行われない。
【0057】
許可時間帯の設定が選択された場合(S5:Yes)、許可時間帯の設定回数を選択する(S7)。一方、許可時間帯の設定が選択されない場合(S5:No)、自動音声報知が「入」に設定され(S8)、フローが終了する。なお、自動音声報知「入」が選択された場合は、タイマ設定期間中を除いて、自動音声報知が行われる。なお、タイマ設定期間中であっても、室内温度および室内湿度が所定範囲外(危険ゾーン)である場合は、自動音声報知が行われる。
【0058】
ステップS7では、許可時間帯の設定回数を1回、複数回(例えば、2回〜10回のいずれか)、毎日、各曜日毎の中から選択する。そして、許可時間帯の開始時刻と終了時刻を設定する(S9、S10)。なお、各曜日毎が選択された場合、まずは例えば月曜日の許可時間帯を設定する。次に、全ての許可時間帯が設定されたか否かを判断する(S11)。全ての許可時間帯が設定された場合(S11:Yes)、自動音声報知の許可時間帯の設定が完了し(S12)、フローを終了する。全ての許可時間帯が設定されていない場合(S11:No)、全ての許可時間帯を設定するまでステップS9、S10を継続する。なお、許可時間帯の設定回数が1回または毎日の場合には、許可時間帯の開始時刻と終了時刻を1回ずつ設定すれば、自動音声報知の許可時間帯の設定が完了する。許可時間帯が複数回の場合には、許可時間帯の開始時刻と終了時刻を当該複数回ずつ設定すれば、自動音声報知の許可時間帯の設定が完了する。許可時間帯が各曜日毎の場合には、許可時間帯の開始時刻と終了時刻を各曜日毎(即ち、7回)設定すれば、自動音声報知の許可時間帯の設定が完了する。
【0059】
次に、
図7のフローチャートを参照しつつタイマ設定の流れ(フロー)について説明する。
【0060】
まず、リモコン4の「タイマー」ボタン38が選択されたか否かを判断する(S21)。「タイマー」ボタン38が選択された場合(S21:Yes)、「入タイマ設定」が選択されたか否かを判断する(S22)。「入タイマ設定」の選択は、具体的には、「タイマー」ボタン38が押されることによって表示画面32に表示された各種タイマ設定の中からカーソルボタン36で「入タイマ設定」を選び、「決定」ボタン37を押すことにより実現される。一方、「タイマー」ボタン38が選択されない場合(S21:No)、ステップS21に戻る。
【0061】
入タイマ設定が選択された場合(S22:Yes)、空気調和機1の運転を開始する開始時刻を設定する(S23)。開始時刻の設定は、例えば表示画面32に表示された複数の時刻から所望の時刻をカーソルボタン36で合わせ、「決定」ボタン37を押すことで実現される。開始時刻を設定した結果、開始時刻が設定されてからその開始時刻までのタイマ設定期間中において、音声報知禁止部42により自動音声報知が禁止され(S28)、フローを終了する。
【0062】
入タイマ設定が選択されていない場合(S22:No)、切タイマ設定が選択されたか否かを判断する(S24)。切タイマ設定が選択された場合(S24:Yes)、空気調和機1の運転を停止する停止時刻を設定する(S25)。停止時刻の設定は、例えば表示画面32に表示された複数の時刻から所望の時刻をカーソルボタン36で合わせ、「決定」ボタン37を押すことで実現される。停止時刻を設定した結果、停止時刻が設定されてからその停止時刻までのタイマ設定期間中において、音声報知禁止部42により自動音声報知が禁止され(S28)、フローを終了する。
【0063】
切タイマ設定が選択されていない場合(S24:No)、快眠タイマ設定が選択されたか否かを判断する(S26)。快眠タイマが選択された場合(S26:Yes)、所定時刻(例えばユーザの起床予定時刻)を設定する(S27)。所定時刻の設定は、例えば表示画面32に表示された複数の時刻から所望の時刻をカーソルボタン36で合わせ、「決定」ボタン37を押すことで実現される。所定時刻を設定した結果、所定時刻が設定されてからその停止時刻までのタイマ設定期間中において、音声報知禁止部42により自動音声報知が禁止され(S28)、フローを終了する。なお、快眠タイマが選択されていない場合(S26:No)、ステップS22に戻る。
【0064】
[本実施形態の空気調和機の特徴]
本実施形態の空気調和機1には、以下の特徴がある。
【0065】
本実施形態の空気調和機1では、所定情報を自動的に音声で報知する自動音声報知を許可するか否かを設定できるので、自動的に音声が報知されることによる煩わしさを解消できる。
【0066】
また、本実施形態の空気調和機1では、自動音声報知を許可する時間帯を設定できるので、自動音声報知が必要なときだけ自動音声報知を許可できる。
【0067】
また、本実施形態の空気調和機1では、自動音声報知を許可する時間帯を複数設定できるので、自動音声報知が必要な時間帯が複数ある場合に自動音声報知を許可する設定を毎回行う必要がない。
【0068】
また、本実施形態の空気調和機1では、各曜日毎に自動音声報知を許可する時間帯を設定できるので、自動音声報知を許可する時間帯をスケジュール化できる。
【0069】
また、本実施形態の空気調和機1では、タイマ設定期間中において、自動音声報知が禁止されるので、例えば就寝時などタイマが設定されている場合に自動的に音声が報知されることによる煩わしさを解消できる。
【0070】
また、本実施形態の空気調和機1では、リモコン4に設けられたタイマ設定操作部34を操作するだけで、タイマ設定期間中に音声が報知されるのを防止できるので、タイマ設定と同時に自動音声報知を禁止する設定を行う必要がない。
【0071】
また、本実施形態の空気調和機1では、音声報知設定操作部33の操作により自動音声報知が許可されている場合であっても、タイマ設定期間中は音声報知部41による自動音声報知が禁止されるので、自動音声報知が許可されている場合に、タイマ設定と同時に自動音声報知を禁止する設定を行う必要がない。
【0072】
また、本実施形態の空気調和機1では、高温または高湿時など空調空間内の環境が危険状態である場合には、自動音声報知が禁止されていても、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報が自動的に音声で報知されるので、ユーザが熱中症などになるのを防止できる。
【0073】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成は、上記実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0074】
[変形例]
本実施形態の空気調和機1では、自動音声報知を許可する時間帯を設定できることとしたが、自動音声報知を禁止する時間帯を設定できるものであってもよい。
【0075】
また、本実施形態の空気調和機1では、各曜日毎に自動音声報知を許可する時間帯を設定可能であるが、各曜日毎に設定できなくてもよい。
【0076】
また、本実施形態の空気調和機1では、自動音声報知を許可する時間帯を複数設定できるが、1回しか設定できなくてもよい。また、自動音声報知を許可するか否かを設定できるだけで、自動音声報知を許可する時間帯を設定できなくてもよい。
【0077】
また、本実施形態の空気調和機1では、室内温度および室内湿度が所定範囲外(危険ゾーン)にある場合に、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を自動的に音声で報知することとしたが、室内温度および室内湿度の少なくとも一方が所定範囲外にある場合に、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を自動的に音声で報知してもよい。したがって、例えば、室内温度が所定温度よりも高い場合に、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を自動的に音声で報知してもよいし、室内湿度が所定湿度よりも高い場合に、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を自動的に音声で報知してもよい。
【0078】
また、本実施形態の空気調和機1では、自動音声報知が禁止されている場合であっても、室内温度および室内湿度が所定範囲外である場合には、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を自動的に音声で報知することとしたが、自動音声報知が禁止されている場合に、運転開始を促す情報または運転設定の変更を促す情報を報知しなくてもよい。
【0079】
また、本実施形態の空気調和機1では、タイマ設定の例として、入タイマ設定、切タイマ設定、および快眠タイマ設定を挙げたが、タイマ設定が所定時刻の設定を含むものであれば、どのタイマ設定に本発明を適用してもよい。
【0080】
また、本実施形態の空気調和機1では、所定時刻の設定を含むタイマ設定を行う手段がリモコン4であるが、当該手段は、空気調和機1であってもよいし、スマートフォンなどの端末装置であってもよい。
【0081】
また、本実施形態の空気調和機1では、リモコン4に、音声報知部41(音声報知手段)による自動音声報知を許可するか否かを設定する音声報知設定操作部33が設けられるが、音声報知設定操作部33はなくてもよい。