(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態である照明装置1について、
図1〜
図7に基き説明する。
図1は、照明装置を左上斜め前から示した斜視図であり、
図2は、照明装置の平面図であり、
図3は、照明装置の底面図であり、
図4は、
図2におけるA−A’線間の断面図である。
図5は、照明装置の回路構成の概略を示すブロック図であり、
図6は、照明装置の制御の流れを示すフローチャートであり、
図7は、照明装置の制御を説明するタイムチャートである。
【0019】
図1〜
図3に示すように、照明装置1は、筐体5に太陽電池2、光源であるLED4、人感センサ6が設けられて構成されている。筐体5は、押し出し成形でアルミニウムを素材とした断面略C字状の長尺部材として形成されており、
図4に示すように内部が空洞であって収容空間18が形成されている。収容空間18には、蓄電池3、LED基板22、人感センサ基板26及び制御基板12(
図5参照)が収容されている。筐体5の底面側には、筐体内側に窪んだ形状であって奥に開口部19が設けられた光源ピット17が形成されている。開口部19には反射板15が装着され、光源ピット17は、下向きに開口した凹部となっている。反射板15には、LED基板22に搭載された4個のLED4に対応する位置に夫々小孔23が形成されている。LED4は小孔23を通して光源ピット17内に突出しており、筐体5の下方に向けて光を放射可能である。光源ピット17には透明プラスチックで形成された曲面板状の光源カバー14が装着されており、LED4の光を透過しつつLED4が直接外部に露出しないように保護する。ここで、LED4が、本発明の光源に相当する。
【0020】
筐体5の両側方は側面板13が装着されて塞がれている。側面板13はネジ(図示しない)で固定されており着脱可能である。照明装置1の組立時やメンテナンス時には側面板13を取り外して筐体5の側方を開放し、収容空間18内の蓄電池3、LED基板22及び制御基板12を着脱することができる。筐体5の背面側には、ボルトや金具等の接合具を用いて照明装置1を柱や壁などに取着するための取付部29が設けられている。なお、側面板13を固定するネジをはじめ、照明装置1の外部に露出するその他のネジ等の結合具は、盗難やいたずらの虞を防ぐため、いずれも一般工具による着脱が困難な形状のものが使用される。
【0021】
筐体5は、
図4に示すように下向きに開口した断面略C字状であって、上面10は太陽電池2が装着される中央部が窪んでおり、前面20は滑らかな曲面を呈している。筐体5に光源カバー14が装着された照明装置1の下面11は、前面20から光源カバー14、後下面24へと視覚的に連続した曲面を呈する。また、前面20には、複数の横溝21が略均等間隔で設けられている。
【0022】
太陽電池2は、上面が湾曲して盛り上がった箱状を呈する透明プラスチック製のカバー部材の中にシリコン製の太陽電池モジュールが収容されて構成されており、筐体5の上面10に螺子25で固定される。本例の太陽電池2の最大出力電圧は、1.3Wである。太陽電池2の太陽電池モジュールはカバー部材の中に密閉されており対候性に優れている。
【0023】
蓄電池3は、ニッケル水素電池であり、制御基板12の充電制御回路7(
図5参照)を介して太陽電池2と接続されている。本例の蓄電池3の容量は1600mAであり電圧は4.8Vである。LED基板22は、収容空間18の下部に装着されており、先述のように小孔23を通してLED4が光源ピット17内に突出する。収容空間18の下部には、人感センサ6を備える人感センサ基板26も装着されており、透孔16,27を通して人感センサ6が下方に延び、人感センサ6の先端部分が外部に露出するように配設される。
【0024】
図5に示すように、制御基板12は、CPU9、充電制御回路7、調光回路8、ROM27、タイマ28等を備えている。CPU9は、太陽電池2の電圧、蓄電池3の電圧、人感センサ6の人体検出信号に基き、充電制御回路7及び調光回路8を制御する。CPU9は、調光等の制御のために参照する時間情報等をROM27及びタイマ28から得る。充電制御回路7は、太陽電池2及び蓄電池3に対して接続されており、CPU9から送られる充電制御信号に基き、太陽電池2から蓄電池3への給電を制御する。調光回路8は、漸減・漸増的にLED4の輝度を変化させることが可能である。CPU9は、ROM27に格納されたLED4の発光状態に関する情報から選択した情報に基いて、調光回路8に調光制御信号を送り、蓄電池3からLED基板22への給電を制御させる。ここで、充電制御回路7及びCPU9を組み合わせたものが、本発明の充電制御手段に相当し、調光回路8、CPU9、ROM27及びタイマ28を組み合わせたものが、本発明の調光手段に相当する。
【0025】
以下、
図5〜
図7に基き、照明装置1の動作について詳細に説明する。
図6に示すように、照明装置1は、太陽電池2の電圧を検出し、充電を行う閾値である所定値以上であるか否かを判定する(S1)。太陽電池2の電圧が所定値を超えている場合には、CPU9は、充電制御回路7に充電を行うように充電制御信号を送り、太陽電池2から蓄電池3に給電させて蓄電池3を充電する(S2)。CPU9は、調光回路の作動を停止させたままとするので、LED4は消灯状態を続ける。一方、太陽電池2の電圧が所定値に満たない場合には、CPU9は充電制御回路7に対して充電を停止するように充電制御信号を送るとともに、調光回路8に対して調光制御信号を送る。調光制御信号に基き、調光回路8は、LED基板22に対して給電し、待機モードでLED4を発光させる(S3)。この待機モードS3では、LED4には定格の2.5%の電流が流れる。換言すると、日中に蓄電池3に充電した後、日没等で太陽電池2の発電量が所定値未満に低下すると、照明装置1は、待機モードS3としてLED4を微弱な出力で連続的に点灯させる。待機モードS3中のLED4の光量は、時刻表等を見やすく照明するには不十分であるが、バス停留所の存在を離れた場所からでも視認可能とする。
【0026】
照明装置1が待機モードS3でLED4を点灯している際に、バスの利用客など人が照明装置1に接近し、人感センサ6によって人体の存在が検出されると、人感センサ6は人体検出信号をCPU9に送る(S4)。人体検出信号を受けたCPU9は、調光回路8に調光制御信号を送り、照明モードでLED4を発光させる(S5)。照明モードS5では、LED4には定格の100%の電流が流れる。すなわち、人の接近にともない、照明装置1は照明モードS5となりLED4を高輝度で点灯させて、照明装置1の下方にある路線図や時刻表等を照明する。照明モードS5中に所定時間(例えば10秒)にわたって人体の存在や動きが検出されないままになると、調光回路8はLED4の輝度を徐々に低下させ、LED4の発光状態を待機モードS3相当へと移行させる(S6,S7)。待機モードS3に変わる前に人感センサ6が人体の存在または動きを検出して人体検出信号をCPU9に送ると、照明モードとして100%の出力による照明を再開する(S5,S6)。
図7に示すように、人感センサ6によって人体検出信号が発せられた直後の所定時間のみLED4の輝度を増すことによってLED4が高出力で発光する時間を大幅に低減させる。これにより、常時一定出力で点灯する場合よりも省電力化し、蓄電池の持続時間を長くする。
【0027】
朝になり、日照が得られるようになって太陽電池の電圧が所定値以上に上昇すると、LED4は消灯され、蓄電池3に対する充電が開始される(S1,S2)。太陽電池の電圧が所定値以上に上昇する前に蓄電池3の電圧がLED4の必要電圧未満に低下した場合には、LED4は電圧不足により消灯する。そして、太陽電池の電圧が所定値以上に上昇すると、LED4は消灯したままで蓄電池3への充電が開始される(S1,S2)。
【0028】
以上のように、本発明の実施形態である照明装置1によれば、夜間であって人感センサ6が人の存在を検出しない時にはLED4が待機モードS3で発光し、人感センサ6が人の存在を検出した時には待機モードS3よりも明るい照明モードS5に切り替えて光源を発光させる。これにより、バス停留所付近に利用客がいない間に蓄電池の電力を無駄に消費することを防ぐ。
【0029】
ところで、電力消費を抑制するために、単に光源の輝度を抑えたり、周期的に点滅させたりする方法も考えられる。しかし、光源の輝度を抑えたりLEDを点滅させたりすると路線図や時刻表の視認性を著しく損なう。これに対し、照明装置1によれば、利用客がバス停留所に接近し、人感センサ6によって人の存在が検出されたことを契機としてLED4の光度を高めるので、需要に応じて必要な明るさを提供することができる。
【0030】
また、照明装置1によれば、利用客がバス停留所付近にいない間であっても待機モードでLED4を発光させることで、夜間でもバス停留所から離れた場所からバス停留所の存在を視認しやすくする。
【0031】
また、照明装置1によれば、調光回路8の制御によって、ROM27及びタイマ28を参照し、人感センサ6の人体検出を起点として時間経過に基いて照明モードから待機モードへと、LED4の発光状態を漸次的に変更することができる。これにより、人手でスイッチを切り替える場合とは異なり切り替え忘れが生じることがないので、無人の間は待機モードを保つことができ、電力消費の抑制を確実に行うことができる。また、漸次的にLED4の光度を変化させることにより、突然消灯することで利用客を驚かせたり不便を感じさせる虞を防ぐ。
【0032】
また、照明装置1によれば、前面20を流下する雨水を横溝21によって停滞させるので、わずかな降雨時には前面20側から雨水が滴り落ちにくくなる。これにより、照明装置1の前方への雨水の滴下のために利用客が不快感を覚える虞を防ぐ。
【0033】
(第二実施形態)
次に、
図8〜
図13に基いて、蓄電池3の残存容量に応じてLED4の発光状態を調節する調光機能を備えた本発明の第二実施形態について説明する。
図8は、本発明の第二の実施形態である照明装置101を右上斜め前から示した斜視図であり、
図9は、照明装置101を右下斜め下から示した斜視図であり、
図10は、照明装置101の制御の流れを示すフローチャートである。なお、
図8〜
図10中において、第一の実施形態である照明装置1と実質的に共通する構成については第一実施形態と同じ符号を用いて示す。また、内部構造についての詳細な説明は省略する。
【0034】
図11は、照明装置101の六面図である。
図12は、照明装置101の構成を説明するための参考図であり、透明部分を示す参考底面図、透明部分を透過して内部を示す参考底面図、D−D間及びE−E間における参考拡大断面図及び各部の名称を示す参考断面図を含む。
図13は、照明装置101の構成を説明するための参考斜視図である。
【0035】
図8及び
図9に示すように、照明装置101は、照明装置1よりも簡素な構成を有しており、筐体105の上面に太陽電池102が装着され、断面略C字状であって内部に収容空間(図示しない)を有する筐体105の内部に蓄電池、LED基板、制御基板、及び人感センサ基板(いずれも図示は省略する)が収容されて構成されている。太陽電池102は、平板状の外観を呈している。筐体105の上面110も平坦に形成されており、照明装置101は上面に大きな起伏のない外観を呈する。照明装置101の底面側には、LEDの光を透過しつつLEDを保護する保護カバー114が設けられている。また、人感センサ6の先端部が露出している。照明装置101は、壁や板などに直接取り付け可能なように背面131が平坦に形成され、ボルト等の締結具を受ける取付部129が2箇所設けられている。
【0036】
図11〜
図13に示すように、照明装置101は、本体の上面側に太陽光発電部が設けられ、底面側に光源のLEDが設けられた屋外用照明器具であり、日照のある時に前記太陽光発電部で発電して内蔵する二次電池に充電し、日没後に二次電池から電力を供給してLEDを点灯して照明を行う。本物品の底面側には、LEDを覆う透明なカバーが設けられる。また、本物品に設けられた人感センサーによって、人の存在を検知してLEDの点灯・調光の制御を行う。
【0037】
次に、照明装置101の制御の流れについて
図10に基き説明する。照明装置101は、照明装置1とは異なり、夜間にLEDを点灯する場合(S1にてYesの場合)に、蓄電池の電圧が所定値以上であるか否かを判定し、判定結果に応じて動作を決定する制御を行う。蓄電池の電圧が所定値以上、すなわち十分に充電された状態にある場合には、上述の照明装置1の制御の流れについての説明と同様に、S3以下、待機モード及び照明モードを切り替えて動作する。
【0038】
日中の充電量が不足した場合や、LED点灯によって蓄電池の残存容量が低下した場合に、蓄電池の電圧が所定値未満に低下すると(S11でNo)、省電力待機モードS13に移行する。省電力待機モードでは、デューティー比制御によりLEDは通常の待機モードS3の50%に相当する、定格の1.25%の出力で点灯される。省電力待機モードS13で人の存在が検出されると(S14)、省電力照明モードS15に移行してLEDは通常の照明モードS5の50%に相当する、定格の50%の出力で点灯される。省電力照明モードS15から人の存在が検出されない状態が続くと(S16でNo)、減光して(S17)初期状態に戻るが、蓄電池の電圧が低下しているので、再び省電力待機モードS13での動作が継続される。
【0039】
照明装置101によれば、蓄電池の電圧が低下し所定の給電電圧に満たなくなった時に、通常の発光状態よりも暗く調光することにより、電力消費を抑制して電池切れを防ぐ。蓄電池の電圧が所定電圧以上である場合には、調光回路によって、待機モードでは2.5%、照明モードでは100%の出力でLEDを点灯させ、蓄電池3の電圧が所定電圧未満である場合には、デューティ比を50%として、省電力待機モードでは1.25%、省電力照明モードでは50%の出力でLEDを点灯させる。これにより、通常の発光状態に対して待機モード及び照明モードにおける電力消費を夫々定格の約50%として、残る電池の持続時間を約2倍に延ばす。このように、人感センサ6の人体検出信号に基く調光制御に加えて、蓄電池の残存容量に応じてLEDの出力、すなわち輝度の制御を行うことで、さらにきめ細かく電力消費を抑制することができ、例えば、日中の日照が不足した場合等、蓄電池の容量が早く低下してしまった場合でも、夜間の電池の持続時間を延ばし、バス停留所の利便性を高めることができる。
【0040】
(第三実施形態)
次に、
図14〜
図19に基づいて、本発明の第三実施形態について詳細に説明する。
図14は、第三実施形態の照明装置のLED点灯時刻を説明する模式図であり、
図15は、回路構成の概略を示すブロック図であり、
図16は、メイン制御の流れを示すフローチャートであり、
図17は、点灯モード制御の流れを示すフローチャートであり、
図18は、省電力モード制御の流れを示すフローチャートであり、
図19は、充電モード制御の流れを示すフローチャートである。
【0041】
本発明の第一、第二実施形態においては、太陽電池の電圧を検出し、その検出した電圧が、充電を実施する閾値としての所定電圧に満たない場合(日没であると判定)にはLED4を点灯し、その検出した電圧が、所定電圧以上である場合(日出であると判定)にはLED4を消灯する。この場合、バスの運行が終了した後の深夜でも、翌朝まで点灯し続け、必要な時間以外にも動作し続けるために電力の損失が大きいという問題があった(
図14(a)参照)。
【0042】
そこで、本実施形態においては、
図15に示すように、第一実施形態または第二実施形態の構成に加えて、待機モード又は照明モードでの消灯及び点灯を開始するための時間を検出するLEDのON−OFF用タイマ30を制御基板12に備える。即ち、太陽電池の電圧を検出し、その検出した電圧が、所定電圧に満たない場合(日没であると判定)にはLED4を点灯するとともに、前記ON−OFF用タイマによって時間計測を開始し、例えば8時間(=T1)を計測した時点でLEDを消灯させる(
図16のS101〜S103,S150を参照)。このようにすれば、バスの運行時間を超える深夜(例えば24時以降)において、LEDを消灯することができ、無駄な電力を消費することを防ぐことができる(
図14(b)参照)。ON−OFF用タイマ30は、第一実施形態におけるタイマ28がON−OFF用タイマ30としての機能を兼ねる構成であってもよい。ここで、ON−OFF用タイマ30が、本発明の点滅制御用タイマに相当し、T1が、本発明の第一所定時間に相当する。
【0043】
さらに、前記ON−OFF用タイマの計測時間が、例えば12時間(=T2)を超えた時点において、太陽電池の電圧を検出し、その検出した電圧が所定電圧に満たない場合にはLED4を点灯する(
図16のS101〜S104を参照)。従来、例えば冬季の早朝のように、バスの運行が開始された時刻であっても、空は薄暗く、バス停に掲示されている運行表が見づらいという問題があった。しかし、このようにすれば、冬季の早朝のように、空が薄暗くバス停の運行表が見えにくい場合であってもLEDが点灯するため、バスの運行表を読むことができる十分な明かりを提供することができる。その後、太陽電池の電圧が所定電圧以上を検出した場合には、LEDを消灯する。あるいは、ON−OFF用タイマでさらに時間を計測し、前記LEDが点灯してから例えば3時間(=T3)後にLEDを消灯するようにしてもよい(
図14(c)参照)。ここで、T2が、本発明の第二所定時間に相当する。
【0044】
なお、前記ON−OFF用タイマの計測時間が、例えば12時間を超えた時点において、太陽電池の電圧を検出し、その検出した電圧が所定電圧以上である場合には、LEDを点灯する必要はない。バスの運行表を読むための十分な周囲の照度があるからである。
【0045】
次に、第三実施形態において、太陽電池の出力電圧と蓄電池の出力電圧に基づいて行われるLED及び蓄電池の制御について説明する。ROM27には、蓄電池の出力電圧に関する所定の基準値として、通常電圧、作動電圧及び下限電圧の3通りの所定電圧が記憶されており、これらは通常電圧>作動電圧>下限電圧の関係にある。詳しくは後述するが、蓄電池3の出力電圧が通常電圧以上の場合は、点灯モード制御の出力でLED4を発光させ、下限電圧以上通常電圧未満の場合は、点灯モード制御よりも輝度の低い省電力モード制御でLED4を発光させる。蓄電池3を充電中は、蓄電池3の出力電圧が下限電圧以上であっても作動電圧未満の場合には充電を継続する。
【0046】
以下、メイン制御、点灯モード制御、省電力モード制御及び充電モード制御について制御の流れを説明する。メイン制御(
図16)で、蓄電池3の出力電圧が通常電圧以上に充電された状態において、太陽電池が受光する日照が弱まって太陽電池2の電圧が所定値未満に低下したとき(S101でYes)、ON−OFF用タイマ30の計測時間は、最後に計測時間がリセットされてから12時間以上が経過しているのでT2以上となっており(S102でNoかつS103でYes)、ON−OFF用タイマ30の計測時間がリセットされる(S104)。計測時間がリセットされてT1未満となったので(S102でNo)、点灯モード制御を行う(S105〜S106)。
【0047】
図17に示すように、点灯モード制御においては、LED4を定格の2.5%の出力で点灯する待機モード点灯を開始する(S201)。人感センサ6が人体の存在を検出すると(S202でYes)、LED4を定格の100%で点灯する照明モード点灯を開始する(S203)。人感センサ6が人体を継続的に検出している間は(S204でYes)、照明モード点灯を継続する。人感センサ6によって人体検出がなされなくなると(S204でNo)、制御基板12は、漸減的にLED4の出力を低下させて減光させる(S205)。減光を開始した後に人感センサ6が人体を検出すると(S206でYes)、照明モード点灯を行う。LED4の出力が2.5%まで低下したら(S207でYes)、メイン制御に戻る。
【0048】
LED4の点灯により蓄電池3の放電が進み、蓄電池3の電圧が通常電圧未満となった場合(S105でNoかつS107でYes)、照明装置100は、省電力モード制御S108を行う。
図18に示すように、省電力モード制御においては、LED4の出力を定格の1.25%の出力で点灯する省電力待機モード点灯を開始する(S301)。人感センサ6が人体の存在を検出すると(S302でYes)、LED4を定格の50%で点灯する照明モード点灯を開始する(S303)。人感センサ6が人体を継続的に検出している間は(S304でYes)、照明モード点灯を継続する。点灯モード制御の場合と同様に、人感センサ6によって人体検出がなされなくなると(S304でNo)、制御基板12は、漸減的にLEDの出力を低下させて減光させる(S305)。減光を開始した後に人感センサ6が人体を検出すると(S306でYes)、照明モード点灯を行う。LED4の出力が1.25%まで低下したら(S307でYes)、メイン制御に戻る。
【0049】
蓄電池の電圧がさらに低下して下限電圧未満になると(S107でNo)、充電モード制御S109に移行し、
図19に示すように、LED4を消灯して蓄電池3の充電を開始する(S150〜S151)。蓄電池3の充電中は、蓄電池3の電圧が作動電圧以上に充電されるまではLED4は点灯されず蓄電池3の充電が継続される(S152〜S153)。作動電圧以上に充電された後も、太陽電池2の出力電圧が所定値以上である場合(S101でNo)、すなわち日照がある間は引き続き充電が行われる。太陽電池2の出力電圧が所定値未満、すなわち日照が乏しい状況であって充電が進行しない場合においては、LED4を消灯したままで太陽電池2の出力電圧が高まるまで待機を続ける(S152〜S153)。
【0050】
以上のように、蓄電池3の電圧が通常電圧以上であった場合には、LED出力2.5%の待機モード点灯を継続し、人感センサ6が人体を検出するとLED出力100%で点灯する。蓄電池3の電圧が通常電圧未満かつ下限電圧以上であった場合には、LED出力1.25%の省電力待機モード点灯を継続し、人感センサ6が人体を検出するとLED出力50%で点灯する。蓄電池3の電圧が下限電圧未満であった場合には、LED4を消灯して充電を開始する。
【0051】
上記実施形態によれば、太陽電池2の電圧及びON−OFF用タイマ30の計測時間に応じて蓄電池3の充電を行うモードとLED4を点灯するモードとを切換えて蓄電池を動作させることができる。ON−OFF用タイマ30の計測時間がT1を超えると、LED4が消灯されて蓄電池3の放電を抑制する。また、計測時間がT1を超えたことによってLED4が消灯された後は、計測時間がT2を越えるまではLED4が点灯されないので、季節や天候等の影響で日照が低下したときに早い時間からLED4が点灯開始することを抑制する。これにより、蓄電池3の放電が早期に進行して、夜間に想定よりも早く消灯してしまう虞を防ぐ。
【0052】
また、上記実施形態では、T1=8時間、T2=12時間、T3=15時間としているが、これに限定する必要はなく、その地域、季節や、バスの運行時間などとの関係を考慮し決定すればよい。
【0053】
また、上記実施形態では、ON−OFF用タイマを備えて、T1、T2、T3を所定値としたが、ON−OFF用タイマに替えて、例えばカレンダー機能付きのICを備え、乗客に必要のない深夜に点灯しないように、点灯・消灯の日時などを決定して実行させてもよい。このようにしても第三実施形態と同様に効果を得ることができる。
【0054】
また、始発バス、終発バスから発する信号を受信して、LEDの点灯・消灯を制御するようにしてもよい。この場合、ON−OFF用タイマに替えて、バスから発信される信号を受信する信号受信手段を備える必要がある。このようにしても第三実施形態と同様に効果を得ることができる。
【0055】
(応用例等)
なお、本発明の実施形態は上記の2通りの構成に限定されるものではなく、以下に示すように種々に変更することができる。
【0056】
すなわち、上記の実施形態では、CPU9の制御により、LED4の発光状態を選択して調光回路に命令を出して制御を行うものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば調光回路にPWMモジュールを備え、PWM制御で調光を行うようにしてもよい。PWMによるデューティー比制御で調光を行うようにすることで簡素な構成とすることができる。
【0057】
また、ROM27及びタイマ28は、必ずしもCPU9とは別に基板に設ける必要がなく、CPU9にROM27やタイマ28を内蔵するものであってもよい。これにより、制御基板のプリントパターンを簡略化することができる。
【0058】
さらに、上記の実施形態では充電制御回路7及び調光回路8は制御基板12に別々に設けられたものを示したが、これに限定されるものではなく、充電制御回路7及び調光回路8を包含するように構成された集積回路であってもよい。また、充電制御回路7及び調光回路8がCPU9と一体に構成されていてもよい。
【0059】
また、制御基板12、LED基板22及び人感センサ基板26は、各々が別々の基板として設けられているものに限定されるものではなく、共通した基板上に回路が設けられて構成されたものであってもよく、例えば、制御基板12、LED基板22及び人感センサ基板26の各回路が1枚の基板上に設けられていてもよい。これにより、構造を簡素化することができる。
【0060】
また、上記の実施形態では、人感センサ6による人の存在の検出に基いて待機モードS3と照明モードS5の2段階で切り替えて調光するものを示したが、これに限定されるものではなく、3段階以上の調光を行うようにしてもよい。例えば、待機モードS3及び照明モードS5に加えて、夕方や明け方などのやや暗い状況では定格の50%程度の明るさでLED4を発光させるモードを有するようにしてもよい。太陽電池の電圧に基いて周囲の明るさを判定することで、このような中間的な段階を設けて照明装置1の動作を制御することも可能である。また、段階を設けずに無段階で連続的に輝度が変化する調光を行うものであってもよい。
【0061】
また、上記の実施形態では、太陽電池2として、上面が湾曲して盛り上がった形状を呈する透明プラスチック製カバーに太陽電池モジュールが収容されたものを太陽電池の例として示したが、これに限定されるものではなく、例えば、太陽電池は平板状のより簡素なものとしてもよいし、可撓性を有するシート状のものであってもよく、種々の形態のものを利用することができる。
【0062】
また、上記の実施形態では特に示さなかったが、充電制御回路7は、蓄電池3の過充電を防ぐ保護機能を備えたものとしてもよい。
【0063】
実施形態の構造と制御とは不可分な組み合わせではなく、第一実施形態の照明装置1の構造に対して
図10に示した第二実施形態の制御を組み合わせてもよいし、逆に第二実施形態の照明装置101の構造に対して
図6に示した第一実施形態の制御を組み合わせてもよい。この他にも、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の構成をとることができる。
【0064】
また、上記の実施形態では、省電力モード制御において点灯モード制御と比較してLED4の出力を約半分に低下させるものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、省電力モード制御では個々のLED4の出力は維持したままで一部のLED4を消灯させて点灯数を減少させるように制御するものであってもよい。これにより、調光回路8の構成を簡素化することができる。
【0065】
また、上記の実施形態では、蓄電池3としてニッケル水素電池を用いるものを示したが、繰り返し充放電可能な二次電池であればニッケル水素電池に限定されないことは言うまでもない。他の利用可能な二次電池の例としては、リチウムイオン電池、ニッケルカドミウム電池を挙げることができる。
【0066】
ところで、上記の実施形態では、ON−OFF用タイマ30は、LED4の点灯にともなって計測開始するものを示したが、これに限定されるものではなく、ON−OFF用タイマ30は、予め定められた時刻になると計測時間がリセットされるようになっていてもよい。例えば、毎日夜2時になるとリセットされ、その時点を基準としてT1〜T3が設定されるものであってもよい。これによれば、LED4が点灯開始した時刻とは関係無く、定刻(例えば、夜10時)になると所定のT1が経過することでLED4が消灯される。同様に、所定のT2が経過して定刻(例えば、朝6時)になると、消灯されていたLED4が点灯可能となる。これにより、季節や天候による日照の変動に関わらずバスの運行時間帯にあわせて照明装置の点滅を制御することができる。上記の構成によれば、朝の暗いうちにLED4が点灯したときや、日中に太陽電池2が何かの陰になって太陽電池2の出力電圧が低下したときなど、早い時間にON−OFF用タイマ30の計測時間がリセットされてバスの運行時間中にT1が経過して充電モード制御に移行してしまう虞を防ぐ。
【0067】
なお、上記実施形態では、バスの停留所に設置される照明装置を例として示したが、設置場所や設置形態はこれに限定されるものではなく、この他にも種々の応用形態をとり得る。例えば、鉄道駅のプラットホームにおいて、ホーム端部や待合所に本発明の照明装置を取り付けてもよい。これにより、当該設置箇所へ給電する交流電源を省略し、配線などの電気設備を簡素化することができる。また、消火栓などの非常用設備や、農機具小屋、自転車置き場などの建物・工作物においても、交流電源を設けることなく夜間の照明を行うことができる。この場合、LEDを備えた発光部と太陽電池とを分離して、発光部を室内や軒下などに設置し、太陽電池を屋根などの日照を得やすい場所に設置し、両者を配線でつなぐようにしてもよい。