【実施例】
【0032】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
【0033】
〔実施例1〜6および比較例1〜9〕
皮膚化粧料として表1に示す組成物を調製し、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。なお、下記表記中の%とあるのは、質量%を意味する。各組成物は水酸化カリウムによりpH5.5付近に調整した。
【0034】
(1)肌上でののび(延展性)
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の肌の感触について下記の基準で評価した。
2点:肌上でののびが良いと感じた場合。
1点:肌上でののびがやや良いと感じた場合。
0点:肌上でののびが良くないと感じた場合。
【0035】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:肌上でののびが非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上であり、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:肌上でののびが良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:肌上でののびがやや不十分な化粧料である。
×:合計点が20点未満:肌上でののびが良くない化粧料である。
【0036】
(2)肌へのなじみ性
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の肌の感触について下記の基準で評価した。
2点:肌へのなじみ性が良いと感じた場合。
1点:肌へのなじみ性がやや良いと感じた場合。
0点:肌へのなじみ性が良くないと感じた場合。
【0037】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:肌へのなじみ性が非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:肌へのなじみ性が良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:肌へのなじみ性がやや良い化粧料である。
×:合計点が20点未満:肌へのなじみ性が良くない化粧料である。
【0038】
(3)リッチな使用感
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布した際の感触について下記の基準で評価した。
2点:クリームと同じようなリッチな使用感があると感じた場合。
1点:クリームと同じようなリッチな使用感がややあると感じた場合。
0点:クリームと同じようなリッチな使用感に乏しいと感じた場合。
【0039】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:クリームのようなリッチな使用感を非常に感じる化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:クリームのようなリッチな使用感を感じる化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:クリームのようなリッチな使用感をやや感じる化粧料である。
×:合計点が20点未満:クリームのようなリッチな使用感に欠ける化粧料である。
【0040】
(4)べたつき感
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布し、10分後の肌の感触について下記の基準で評価した。
2点:肌がべたつかないと感じた場合。
1点:肌がややべたつくと感じた場合。
0点:肌がべたつくと感じた場合。
【0041】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:べたつき感を感じない化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:べたつき感をほとんど感じない化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:べたつき感をやや感じる化粧料である。
×:合計点が20点未満:べたつき感のある化粧料である。
【0042】
(5)保湿効果の持続性
20名の男女(25〜47才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布し、2時間後の肌のうるおいについて下記の基準で評価した。
2点:使用直後と変わらず肌が十分うるおっていると感じた場合。
1点:使用直後と比べてやや肌のうるおいが足りないと感じた場合。
0点:使用直後と比べて明らかに肌のうるおいが足りないと感じた場合。
【0043】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:持続的な保湿効果に優れる化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:持続的な保湿効果がある化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:持続的な保湿効果にやや欠ける化粧料である。
×:合計点が20点未満:持続的な保湿効果に欠ける化粧料である。
【0044】
(6)化粧のり
20名の女性(25〜47才)をパネラーとし、洗顔した後に皮膚化粧料(約2g)を塗布し、10分後にファンデーションを塗った際の化粧のりについて下記の基準で評価した。
2点:化粧のりが良いと感じた場合。
1点:化粧のりがやや良いと感じた場合。
0点:化粧のりが悪いと感じた場合。
【0045】
20名の合計点を求めて、下記の基準で評価して表1中に表示した。
◎:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーがいない:化粧のりが非常に良い化粧料である。
○:合計点が30点以上、かつ、0点の評価をしたパネラーが1人または2人:化粧のりが良い化粧料である。
△:合計点が20点以上30点未満:化粧のりがあまり良くない化粧料である。
×:合計点が20点未満:化粧のりが良くない化粧料である。
【0046】
【表1】
【0047】
※1「Ceracute(登録商標)−L」(日油株式会社製)表中の数字は「Ceracute−L」に含まれる(A)成分としての含有量を表す。
(Ceracute−L組成:(A)成分5%、グリセリン66.5%、1,3−ブタンジオール28.5%)
(A)成分は、式1中のR
1およびR
2が下記表2記載の単量体60モル%と、式3中のL
1、L
2およびR
3が下記表3記載の単量体40モル%から得られる共重合体である。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
※2「ポリグリセリン# 500」(阪本薬品工業株式会社製)(化合物名:ヘキサグリセリン)
※3「ポリグリセリン# 750」(阪本薬品工業株式会社製)(化合物名:デカグリセリン)
※4「WIRBRIDE S−753」(日油株式会社製)
(C)成分は、式2中のx+y、zおよびPOとEOとの質量比(PO/EO)が下記表4の化合物である。
【0051】
【表4】
【0052】
※5「AQUOEC HV−505E」(住友精化株式会社製)(カルボキシビニルポリマー)(0.5%水溶液(pH=5.5)粘度140Pa・s)
※6「AQUOEC HV−501ER」(住友精化株式会社製)(アルキル変性カルボキシビニルポリマー)(0.5%水溶液(pH=5.5)粘度190Pa・s)
※7「ユニルーブ(登録商標)50TG−32」(日油株式会社製)(化粧品表示名称:PPG−24グリセリル−24)
【0053】
実施例1〜6の結果より、本発明の皮膚化粧料は、いずれも肌上でののびや肌へのなじみ性が良く、リッチな使用感を有し、またべたつかず、持続的な保湿効果が得られ、かつ、化粧のりに優れる効果が得られることが分かる。
【0054】
一方、比較例1〜9では十分な性能が得られていない。すなわち、比較例1では、(C)成分が配合されていないことから、肌上でののびやなじみ性が不十分であり、べたつき感が生じており、比較例2では、(A)成分が配合されていないことから、肌上でののびや化粧のりが不十分であり、リッチな使用感や保湿効果に乏しい。比較例3では、(B)成分の配合量が本発明規定の下限値より少ないことから、リッチな使用感や保湿効果に乏しく、比較例4では、(D)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、化粧のりが不十分であり、肌上でののびが不十分であり、リッチな使用感に乏しく、べたつき感が生じている。比較例5では、(B)成分が他の成分(グリセリン)に置き換えられていることから、肌上でののびやなじみ性が不十分であり、リッチな使用感に乏しく、べたつき感が生じており、比較例6では、(B)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えており、かつ、(C)成分の配合量が本発明規定の上限値を超えていることから、肌上でののびやなじみ性、化粧のりが不十分であり、べたつき感が生じている。比較例7では、(D)成分が他の成分(キサンタンガム)に置き換えられていることから、肌上でののびやなじみ、化粧のりが不十分であり、リッチな使用感に乏しく、比較例8では、(C)成分が他の成分に置き換えられていることから、肌へのなじみ性や化粧のりが不十分であり、べたつき感が生じている。比較例9では、(D)成分の配合量が本発明規定の下限値より少ないことから、肌上でののびが不十分であり、リッチな使用感や保湿効果に乏しい。