(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の空調室内機においては、フィルタガイドを上に凸に湾曲する形状とした場合、フィルタの垂れ下がりが生じて組立性や機能性が悪化することが考えられる。
【0004】
そこで本発明の課題は、組立性および機能性に優れた空調室内機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る空調室内機は、フィルタユニットを有するフィルタ清掃装置を備える。フィルタユニットは、環状のループフィルタと、ループフィルタを保持するフィルタガイドと、ループフィルタの垂れ下がりを抑える第1フィルタ垂下抑制部材と、を有する。ループフィルタは、フィルタガイドを挟んで上下に位置する上側フィルタと下側フィルタとを含む。フィルタガイドは、左右に延びる前端部と、左右に延びる後端部と、前端部と後端部とを連結する
左側前後連結部
および右側前後連結部と、左側前後連結部および右側前後連結部を連結する保持部と、を有する。
左側前後連結部
および右側前後連結部は、側面視において上に凸に湾曲している。
上側フィルタは、保持部の上方に位置する。上側フィルタは、保持部に下方から支えられる。下側フィルタは、保持部の下方に位置する。第1フィルタ垂下抑制部材は、第1棒状部と、第1固定部と、を有する。第1棒状部は、左右に延びており、下側フィルタを下方から支える。第1固定部は、フィルタガイドに固定され、第1棒状部を保持する。
第1固定部は、第1棒状部がフィルタガイドの前端部よりも後端部に近い位置に配置される。
【0006】
本発明の第1観点に係る空調室内機では、第1フィルタ垂下抑制部材の第1固定部は、フィルタガイドに固定され、第1棒状部を保持する。また、第1棒状部は、左右に延びており、フィルタガイドの前端部よりも後端部に近い位置に配置され、下側フィルタを下方から支える。これにより、ループフィルタの垂れ下がりが抑制される。したがって、組立性および機能性が向上する。
【0007】
本発明の第2観点に係る空調室内機は、第1観点に係る空調室内機であって、フィルタユニットは、ループフィルタの垂れ下がりを抑える第2フィルタ垂下抑制部材をさらに有する。第2フィルタ垂下抑制部材は、第2棒状部と、第2固定部と、を有する。第2棒状部は、左右に延びており、下側フィルタを下方から支える。第2固定部は、フィルタガイドに固定され、第2棒状部を保持する。第2棒状部は、フィルタガイドの後端部よりも前端部に近い位置に配置される。
【0008】
本発明の第2観点に係る空調室内機では、第2フィルタ垂下抑制部材の第2固定部は、フィルタガイドに固定され、第2棒状部を保持する。また、第2棒状部は、左右に延びており、フィルタガイドの後端部よりも前端部に近い位置に配置され、下側フィルタを下方から支える。これにより、ループフィルタの垂れ下がりがさらに抑制される。
【0009】
本発明の第3観点に係る空調室内機は、
フィルタユニットと、フィルタユニットを支持する支持フレームと、を有するフィルタ清掃装置を備える。フィルタユニットは、環状のループフィルタと、ループフィルタを保持するフィルタガイドと、ループフィルタの垂れ下がりを抑える第1フィルタ垂下抑制部材と、を有する。ループフィルタは、フィルタガイドを挟んで上下に位置する上側フィルタと下側フィルタとを含む。フィルタガイドは、左右に延びる前端部と、左右に延びる後端部と、前端部と後端部とを連結する前後連結部を有する。前後連結部は、側面視において上に凸に湾曲している。第1フィルタ垂下抑制部材は、第1棒状部と、第1固定部と、を有する。第1棒状部は、左右に延びており、下側フィルタを下方から支える。第1固定部は、フィルタガイドに固定され、第1棒状部を保持する。第1固定部は、第1棒状部がフィルタガイドの前端部よりも後端部に近い位置に配置される。支持フレームは、フィルタユニットを挿入するフィルタユニット挿入経路を有する。フィルタユニット挿入経路は、フィルタガイドの形状に沿って湾曲している。第1フィルタ垂下抑制部材は、フィルタユニットが使用位置までフィルタユニット挿入経路に挿入された状態において、フィルタユニット挿入経路が最も湾曲している箇所である最大湾曲部から外れる。
【0010】
本発明の第3観点に係る空調室内機では、第1フィルタ垂下抑制部材は、フィルタユニットが使用位置までフィルタユニット挿入経路に挿入された状態においてフィルタユニット挿入経路の最大湾曲部から外れる。これにより、フィルタユニットを支持フレームへ円滑に挿入しやすい。したがって、組立性が向上する。
【0011】
本発明の第4観点に係る空調室内機は、第2観点に係る空調室内機であって、第2フィルタ垂下抑制部材は、
左側前後連結部
および右側前後連結部の前半分における最大湾曲部分の近傍に配設される。
【0012】
本発明の第4観点に係る空調室内機では、第2フィルタ垂下抑制部材は、
左側前後連結部
および右側前後連結部の前半分における最大湾曲部分の近傍に配設される。これにより、下側フィルタは、垂れ下がりやすい箇所において第2フィルタ垂下抑制部材により支えられる。これにより、ループフィルタの垂れ下がりがさらに効率的に抑制される。
【0013】
本発明の第5観点に係る空調室内機は、第3観点に係る空調室内機であって、支持フレームには、凹み部が形成される。フィルタユニットが使用位置まで挿入されたときに、第1固定部は、凹み部に位置する。
【0014】
本発明の第5観点に係る空調室内機では、支持フレームには、フィルタユニットが使用位置まで挿入されたときに第1固定部が位置する凹み部が形成される。これにより、フィルタユニットを支持フレームへ挿入する際に、フィルタユニットの位置決めがしやすい。したがって、組立性が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1および第2観点に係る空調室内機では、ループフィルタの垂れ下がりが抑制されるため、組立性および機能性が向上する。
【0016】
本発明の第3観点に係る空調室内機では、フィルタユニットが支持フレームへ円滑に挿入しやすくなり、組立性が向上する。
【0017】
本発明の第4観点に係る空調室内機では、ループフィルタの垂れ下がりがさらに抑制される。
【0018】
本発明の第5観点に係る空調室内機では、フィルタユニットを支持フレームへ挿入する際に、フィルタユニットの位置決めがしやすくなり、組立性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、以下の説明において、上、下、左、右、正面(前)、背面(後)といった方向を示す語句を用いているが、これらの方向は、特にことわりのない限り、
図1、
図3、
図8Aおよび
図8Bに示す方向を意味する。
【0021】
(1)空気調和装置1
図1は、空気調和装置1の正面図である。空気調和装置1は、室内空間の熱負荷を処理して空気調和を実現する装置である。空気調和装置1は、室外機2と、室内機3と、冷媒配管4とから構成され、冷房運転や暖房運転等を行うことができる。
【0022】
(1−1)室外機2
室外機2は、室外に設置されており、その外郭はケーシング20によって構成されている。ケーシング20の内部には、主として室外熱交換器、室外ファンおよび圧縮機等が収容されている(図示省略)。室外機2は、室内機3と冷媒配管4を介して接続されて冷媒回路を構成している。
【0023】
(1−2)室内機3
次に
図1から
図3を参照して、室内機3について説明する。
図2は、室内機3の正面斜視図である。
図3は、
図2のIII-III線断面図である。
【0024】
室内機3は、壁掛けタイプで、室内機保持具(図示省略)を介して室内の天井近傍の壁に設置されている。室内機3の外郭はケーシング30によって構成されている。
【0025】
(1−2−1)ケーシング30
ケーシング30は、左右に長い横長の形状をしており、主として、樹脂製の板状部材である背面板301、底板302、左側板303、右側板304、天板305および正面板306により、それぞれ構成されている。なお、背面板301以外は、室内機3を設置した状態で取り外しが可能である。
【0026】
背面板301は、ケーシング30の背面部分を構成しており、室内機保持具に固定されている。底板302は、ケーシング30の底面部分を構成しており、下吸込口302aが形成されている。下吸込口302aは、フラップ302bで塞がれている。フラップ302bは、フラップモータ(図示省略)の駆動によって回動し、下吸込口302aの開閉を行っている。
【0027】
左側板303および右側板304は側面視において略扇形状の形状を有しており、左側板303はケーシング30の左側面を、右側板304は右側面をそれぞれ構成している。天板305は、ケーシング30の天面部分を構成しており、上吸込口305aが形成されている。
【0028】
正面板306は正面側に膨らむように湾曲している。正面板306の下端近傍に吹出口306aが形成されており、吹出口306aはフラップ306bで塞がれている。フラップ306bは、フラップモータ(図示省略)の駆動によって回動し、吹出口306aの開閉を行っている。
【0029】
ケーシング30の内部には、主として、室内熱交換器31、室内ファン32、フィルタ機構33および制御部(図示せず)等が収容されている。
【0030】
(1−2−2)室内熱交換器31
室内熱交換器31は、クロスフィン型熱交換器である。室内熱交換器31は、室内の空気と熱交換し、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能する。これにより内部を流れる冷媒を蒸発又は凝縮させて、室内の空気を冷却又は加熱する。
【0031】
室内熱交換器31は、側面視において前方および上方に突出するように屈曲した形状を有し、室内ファン32の上方に配置されている。
【0032】
(1−2−3)室内ファン32
室内ファン32はクロスフローファンである。室内ファン32は、室内熱交換器31の下方に設けられており、その略上半分が、室内熱交換器31に囲われている。室内ファン32は、ファンモータ(図示省略)と接続されており、ファンモータが駆動することにより回転する。室内ファン32の回転により、室内の空気が、室内機3の上吸込口305aおよび下吸込口302aからケーシング30内部へと吸い込まれ、室内熱交換器31を通過して吹出口306aから吹き出される。
【0033】
(1−2−4)フィルタ機構33
ここから、フィルタ機構33について説明する。
図4は、フィルタ機構33および室内熱交換器31の正面斜視図である。
【0034】
フィルタ機構33は、室内熱交換器31の空気流上流側において室内熱交換器31を覆うように配設されており、ケーシング30内に取り込んだ室内空気に含まれる塵埃を除去して、室内熱交換器31に塵埃が付着することを防いでいる。フィルタ機構33は、主として、フィルタユニット50と、清掃ユニット51と、支持フレーム52と、から構成されている。
【0035】
(1−2−4−1)フィルタユニット50
以下、
図3から
図7を参照してフィルタユニット50について説明する。
図5は、フィルタユニット50の正面斜視図である。
図6は、フィルタユニット50の右側面図である。
図7は、フィルタガイド60の正面斜視図である。
【0036】
フィルタユニット50は、ケーシング30内部の左右に1つずつ配設されており、左側には左フィルタユニット50aが、右側には右フィルタユニット50bが配設されている。左フィルタユニット50aおよび右フィルタユニット50bは、支持フレーム52に脱着可能に装着されている。フィルタユニット50は、主として、フィルタガイド60と、エアフィルタ70と、フィルタガード80とから構成されている。
【0037】
(1−2−4−1−1)フィルタガイド60
フィルタガイド60は、室内熱交換器31の空気流上流側に配置されることから熱交換抵抗となりうる。したがって、フィルタガイド60は、室内熱交換器31を覆う面積が少なくなるように複数の細長い部材を組み合せることにより構成されている。
【0038】
具体的にフィルタガイド60は、主として、左連結部材61aおよび右連結部材61b(以下、左連結部材61aおよび右連結部材61bを併せて連結部材61と呼ぶ)と、左右に延びる第1ローラ62および第2ローラ63と、保持部材64と、から構成されている。
【0039】
左連結部材61aは、側面視略台形状の形状を有し、左前湾曲部65aおよび左後湾曲部66aが設けられている。同様に、右連結部材61bは、側面視略台形状の形状を有し、右前湾曲部65bおよび右後湾曲部66bが設けられている(以下、左前湾曲部65aおよび右前湾曲部65bを併せて前湾曲部65、左後湾曲部66aおよび右後湾曲部66bを併せて後湾曲部66と呼ぶ)。
【0040】
左前湾曲部65aには左側第1挿入孔IS1aが形成され、右前湾曲部65bには右側第1挿入孔IS1bが形成されている(以下、左側第1挿入孔IS1aおよび右側第1挿入孔IS1bを併せて第1挿入孔IS1と呼ぶ)。また、左後湾曲部66aには左側第2挿入孔IS2aが形成され、右後湾曲部66bには右側第2挿入孔IS2bが形成されている(以下、左側第2挿入孔IS2aおよび右側第2挿入孔IS2bを併せて第2挿入孔IS2と呼び、第1挿入孔IS1および第2挿入孔IS2を併せて挿入孔ISと呼ぶ)。第1挿入孔IS1には、後述する前フィルタガード80a(
図8A〜D参照)の前側引掛部82aが差し込まれ、また、第2挿入孔IS2には、後述する後フィルタガード80b(
図8A〜D参照)の後側引掛部82bが差し込まれる。
【0041】
連結部材61の前端には、第1ローラ62が回転自在に配設されており、また、連結部材61の後端には、第2ローラ63が回転自在に配設されている。具体的には、左連結部材61aの前端に第1ローラ62の左端近傍部分が固定され、後端に第2ローラ63の左端近傍部分が固定されている。また、右連結部材61bの前端に第1ローラ62の右端近傍部分が固定され、後端に第2ローラ63の右端近傍部分が固定されている。すわなち、第1ローラ62の左端近傍部分と第2ローラ63の左端近傍部分とは、左連結部材61aによって連結されており、第1ローラ62の右端近傍部分と第2ローラ63の右端近傍部分とは、右連結部材61bによって連結されている。
【0042】
また、左連結部材61aと右連結部材61bとの間には、格子状の保持部材64が配設されている。すなわち、左連結部材61aと右連結部材61bとは、保持部材64で連結されている。
【0043】
このように構成されたフィルタガイド60を囲うようにエアフィルタ70が、フィルタガイド60に装着されている。
【0044】
(1−2−4−1−2)エアフィルタ70
エアフィルタ70は、樹脂製の糸等で平織りまたは綾織された網であって、環形状に成形されている。エアフィルタ70は、フィルタガイド60に掛け渡されており、無端ベルト状に保たれている。具体的に、エアフィルタ70の前側折返し部分が第1ローラ62によって保持され、後側折返し部分が第2ローラ63によって保持され、前側折返し部分から後側折返し部分に至るまでの部分が保持部材64によって保持されている。このような態様で保持されていることにより、エアフィルタ70は、フィルタガイド60を周回できるようになっている。
【0045】
なお、説明の便宜上、エアフィルタ70の保持部材64より上側にある部分を上側フィルタ70a、保持部材64より下側にある部分を下側フィルタ70bと呼ぶ。上側フィルタ70aは、保持部材64によって保持されている。また、下側フィルタ70bは、フィルタガイド60に装着された前フィルタガード80aおよび後フィルタガード80b(以下、前フィルタガード80aと後フィルタガード80bとを併せてフィルタガード80と呼ぶ。)によって保持されている。
【0046】
(1−2−4−1−3)フィルタガード80
以下、
図3から
図8Dを参照してフィルタガード80について説明する。
図8Aは、フィルタガード80の上面図である。
図8Bは、フィルタガード80の正面図である。
図8Cは、
図8BのA部分の右側面図である。
図8Dは、
図8BのA部分の拡大図である。
【0047】
フィルタガード80は、前フィルタガード80aと後フィルタガード80bとから構成されている。前フィルタガード80aは前湾曲部65に配設されており、後フィルタガード80bは前湾曲部65と後湾曲部66の間の後湾曲部66近傍に配設されている。前フィルタガード80aは、断面が略円形状の左右に延びる棒状部材である前側ロッド81aと、前側ロッド81aの両端に設けられた前側引掛部82aとから構成されている。同様に、後フィルタガード80bは、断面が略円形状の左右に延びる棒状部材である後側ロッド81b(以下、前側ロッド81aおよび後側ロッド81bを併せてロッド81と呼ぶ)と、後側ロッド81bの両端に設けられた後側引掛部82bとから構成されている(以下、前側引掛部82aおよび後側引掛部82bを併せて引掛部82と呼ぶ)。なお、本実施形態において、ロッド81と引掛部82とは一体に成形されているが、説明の便宜上、区別して説明する。
【0048】
ロッド81は、下側フィルタ70bよりも下方に位置し、下側フィルタ70bを、前湾曲部65と、後湾曲部66の前端近傍位置と、の2点で保持している。このような態様で下側フィルタ70bが保持されていることにより、下側フィルタ70bは垂れ下がらずに保持部材64との距離を適度に保っている。よって、エアフィルタ70が円滑に周回できるようになっており、また、フィルタユニット50を後述の支持フレーム52(
図9参照)に円滑に装着できるようになっている。ロッド81は、引掛部82によって略水平に保たれている。
【0049】
引掛部82は、連結部材61に固定されている。具体的には、前側引掛部82aは第1挿入孔IS1に差し込まれて、後側引掛部82bは第2挿入孔IS2に差し込まれてそれぞれ固定されている。
【0050】
前側引掛部82aは、側面視において略台形状のベース部820aと、ベース部820aの上部から上方と延びる縦長の上延部821aとから構成されている。同様に、後側引掛部82bは、側面視において略台形状のベース部820b(以下、ベース部820aおよびベース部820bを併せてベース部820と呼ぶ)と、ベース部820bの上部から上方へと延びる縦長の上延部821b(以下、上延部821aおよび上延部821bを併せて上延部821と呼ぶ)とから構成されている。
【0051】
図8Cに示すように、ベース部820は、その下端中央付近においてロッド81と繋がっている。また、
図8Dに示すように、上延部821aの上端には第1挿入孔IS1に差し込まれる差込部822aが設けられており、差込部822aの下端には第1挿入孔IS1の縁に引っ掛かって係止する段差部823aが形成されている。同様に、上延部821bの上端には、第2挿入孔IS2に差し込まれる差込部822b(以下、差込部822aおよび差込部822bを併せて差込部822と呼ぶ)が設けられており、差込部822bの下端には、第2挿入孔IS2の縁に引っ掛かって係止する段差部823b(以下、段差部823aおよび段差部823bを併せて段差部823と呼ぶ)が形成されている。
【0052】
差込部822は、上延部821の上端から段差部823にかけてなだらかに傾斜している。段差部823は、差込部822の下端から鉛直方向に対して略直角に屈折して段差を形成している。差込部822および段差部823がこのような形状に成形されていることから、挿入孔ISに差込部822を下方から円滑に差し込むことが可能であり、一定状態差し込んだところで段差部823に引っ掛かって係止されるようになっており、引掛部82を連結部材61に容易かつ堅固に固定しやすいようになっている。
【0053】
(1−2−4−2)清掃ユニット51
以下、
図3から
図6および
図9を参照して清掃ユニット51について説明する。
図9は、支持フレーム52の斜視図である。
【0054】
清掃ユニット51は、エアフィルタ70の前側折返し部分近傍において支持フレーム52に固定されている。清掃ユニット51は、エアフィルタ70に付着した塵埃を除去するもので、主として、フィルタ駆動部511、ブラシ512、ブラシ駆動部513、ブラシ清掃部514、塵埃受け部515等を有している。
【0055】
フィルタ駆動部511は、ローラ用モータ等で構成され、第1ローラ62の回転軸に接続されている。ローラ用モータが駆動すると第1ローラ62が回転し、エアフィルタ70が周回する。
【0056】
ブラシ512は、室内機3の長手方向に沿って細長い形状を有しており、長手方向に直行する断面が略円形の形状を有している。ブラシ512は、第1ローラ62の下方近傍に回転自在にとりつけられており、ブラシ512の一部はエアフィルタ70に接触している。
【0057】
ブラシ駆動部513は、ステッピングモータ等で構成され、ブラシ512の回転軸部分と接続されており、ステッピングモータが駆動することでブラシ512が回転するようになっている。
【0058】
ブラシ清掃部514は、ブラシ512の下方に配置され、ブラシ512に向かって突出しており、その上端部分がブラシ512と接触している。ブラシ清掃部514がこのように設けられていることで、ブラシ512の回転に伴ってブラシ512に付着した塵埃が掻き落とされるようになっている。
【0059】
塵埃受け部515は、ブラシ512及びブラシ清掃部514の下方において配置されている。塵埃受け部515内には、ブラシ清掃部514によってブラシ512から掻き落とされた塵埃が貯められる。
【0060】
(1−2−4−3)支持フレーム52
以下、
図3から
図11を参照して支持フレーム52について説明する。
図10は、
図9のB部分の拡大斜視図である。
図11は、フィルタユニット50を装着した状態における
図9のB部分の拡大斜視図である。
【0061】
支持フレーム52は、フィルタユニット50および清掃ユニット51を支持している。支持フレーム52は、主として、ケーシング30の天板305に沿って前後に延びる左端部材521、中央部材522および右端部材523と、ケーシング30の幅方向に沿って左右に延びる前端部材524と後端部材525で構成されている。
【0062】
左端部材521は支持フレームの左端部分を構成し、右端部材523は支持フレームの右端部分を構成している。中央部材522は、支持フレーム52の中央部分に配設され、支持フレーム52を左右に仕切っている。左端部材521、中央部材522および右端部材523の前端は、前端部材524と連結されており、後端は後端部材525と連結されている。左端部材521、中央部材522および右端部材523は、フィルタユニット50の形状に沿うように前端および後端が垂れ下がっている。
【0063】
左端部材521と中央部材522との間には、左前支持部材526aおよび左後支持部材526bが配設されており、左フィルタ設置スペース526が形成されている。また、中央部材522と右端部材523との間には、右前支持部材527aおよび右後支持部材527bが配設されており、右フィルタ設置スペース527が形成されている。左フィルタ設置スペース526において左フィルタユニット50aが、右フィルタ設置スペース527において右フィルタユニット50bが、それぞれ設置されている。
【0064】
左端部材521の内面および中央部材522の左側面には、左フィルタユニット50aを差し込む左フィルタ差込部528aが形成されており、右端部材523の内面および中央部材522の右側面には、右フィルタユニット50bを差し込む右フィルタ差込部528b(以下、左フィルタ差込部528aおよび右フィルタ差込部528bを併せてフィルタ差込部528と呼ぶ)が形成されている。フィルタ差込部528は、連結部材61の形状に沿うように側面視において略台形状に湾曲しており、その前端部分は開放している。この前端の開放部分を介して、フィルタユニット50が支持フレーム52に挿入される。
【0065】
また、左フィルタ差込部528aの前側湾曲部分には第1左係合部52a1が設けられ、前側湾曲部分と後側湾曲部分との間の後側湾曲部分近傍部分には第2左係合部52b1が設けられている。また同様に、右フィルタ差込部528bの前側湾曲部分には第1右係合部52a2(以下、第1左係合部52a1および第1右係合部52a2を併せて第1係合部52aと呼ぶ)が設けられ、前側湾曲部分と後側湾曲部分との間の後側湾曲部分近傍部分には第2右係合部52b2(以下、第2左係合部52b1および第2右係合部52b2を併せて第2係合部52bと呼ぶ)が設けられている。
【0066】
第1係合部52aはベース部820aが嵌合する形状の窪みであり、第2係合部52bはベース部820bが嵌合する形状の窪みである。このような第1係合部52aおよび第2係合部52bが設けられていることにより、フィルタユニット50を支持フレーム52に装着した状態においては、前側引掛部82aが第1係合部52aに嵌合し、後側引掛部82bが第2係合部52bに嵌合するようになっている。
【0067】
具体的にフィルタユニット50を支持フレーム52に装着する場合には、エアフィルタ70の前側折返し部分近傍に設けられた把手67aおよび67bを掴み、エアフィルタ70の後側折返し部分をフィルタ差込部528の前端の開放部分に差込んで押し込むと、後側引掛部82bが第1係合部52aに嵌まり込むが、そのまま徐々に押し込んでいくと後側引掛部82bが第1係合部52aを乗り超える。そしてフィルタユニット50がフィルタ差込部528に嵌りこんだ状態でさらに押し上げながら背面側へ押し込んでいくと、やがて後側引掛部82bが第2係合部52bに嵌合するとともに前側引掛部82aが第1係合部52aに嵌合し、
図11に示すように、フィルタユニット50が支持フレーム52の所定位置で支持されるようになっている。
【0068】
(2)特徴
(2−1)
上記実施形態では、後フィルタガード80bの後側引掛部82bは、フィルタガイド60に固定され、後側ロッド81bを保持している。また、後側ロッド81bは、左右に延びており、第1ローラ62よりも第2ローラ63に近い位置に配置され、下側フィルタ70bを下方から支えている。これにより、エアフィルタ70の垂れ下がりを抑制できている。このため、エアフィルタ70が円滑に周回できるようになっており、機能性を向上できている。また、フィルタユニット50を支持フレーム52に装着する際、下側フィルタ70bが左前支持部材526a、左後支持部材526b、右前支持部材527aおよび右後支持部材527bに引っ掛かることが抑制され、円滑に装着しやすくできている。したがって、組立性を向上できている。
【0069】
(2−2)
上記実施形態では、前フィルタガード80aの前側引掛部82aは、フィルタガイド60に固定され、前側ロッド81aを保持している。また、前側ロッド81aは、左右に延びており、第2ローラ63よりも第1ローラ62に近い位置に配置され、下側フィルタ70bを下方から支えている。これにより、エアフィルタ70の垂れ下がりを抑制できている。
【0070】
(2−3)
上記実施形態では、後フィルタガード80bは、フィルタユニット50が使用位置までフィルタ差込部528に挿入された状態においてフィルタ差込部528の後側湾曲部分から外れている。これにより、フィルタユニット50をフィルタ差込部528へ挿入する際またはフィルタ差込部528から抜去する際に、後フィルタガード80bが視認しにくいフィルタ差込部528の後側湾曲部分に引っ掛かることがない。よって、フィルタユニット50を支持フレーム52へ円滑に装着しやすくできている。
【0071】
(2−4)
上記実施形態では、前フィルタガード80aは、連結部材61の前湾曲部65の近傍に配設されている。これにより、下側フィルタ70bが垂れ下がりやすい箇所において、前フィルタガード80aが下側フィルタ70bを支えている。これにより、エアフィルタ70の垂れ下がりを効率的に抑制できている。
【0072】
(2−5)
上記実施形態では、支持フレーム52には、フィルタユニット50が使用位置まで挿入されたときに後側引掛部82
bが位置する第2係合部52bが形成されている。これにより、フィルタユニット50を支持フレーム52へ装着する際、フィルタユニット50の位置決めをしやすくできている。したがって、組立性を向上できている。
【0073】
(3)変形例
(3−1)変形例1A
上記実施形態では、フィルタユニット50は、前フィルタガード80aおよび後フィルタガード80bを有していたが、前フィルタガード80aについては適宜省略してもよい。その場合、後フィルタガード80bは、前湾曲部65と後湾曲部66の間の中心付近に配設されることが好ましい。
【0074】
(3−2)変形例1B
上記実施形態では、フィルタガード80は、引掛部82を有し、引掛部82が連結部材61に係止することによりフィルタガイド60に固定されていたが、フィルタガード80の固定態様についてはこれに限定されない。例えば、差込部822および段差部823を省略して、上延部821を連結部材61に螺着して固定してもよい。また、上延部821を省略して、ベース部820を連結部材61と一体に成形してもよい。
【0075】
(3−3)変形例1C
上記実施形態では、前フィルタガード80aは前湾曲部65に固定され、後フィルタガード80bは後湾曲部66に固定されたが、固定位置についてはこれに限定されない。例えば、前フィルタガード80aを前湾曲部65から外れた位置に固定してもよく、後フィルタガード80bを後湾曲部66に固定してもよい。