(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置情報取得部は、前記基地局が変わったことを検出する前に前記通信制御部が通信していた前記基地局の位置及び前記基地局が変わったことを検出した後に前記通信制御部が通信していた前記基地局の位置から前記位置情報を算出する請求項1又は2記載の通信端末。
前記通信端末は、前記他の通信端末とそれぞれの前記位置情報を送受信し、前記他の通信端末の位置情報を受信すると、前記通信端末から、前記他の通信端末までの距離に応じた情報を前記位置情報として表示部に表示する請求項5記載の通信システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる通信システムの概要を示す図である。本実施の形態にかかる通信システムは、複数の通信端末間で、当該通信端末それぞれの位置情報を送受信して共有するものである。
【0016】
本実施の形態にかかる通信端末1は、位置情報取得部11と、通信制御部12と、制御部13とを有する。
【0017】
位置情報取得部11は、当該通信端末1の位置に関する情報である位置情報を取得する。通信制御部12は、通信可能な範囲内にある1の基地局10と通信する。制御部13は、通信制御部12と通信する基地局10が変わったことを検出し、位置情報取得部11を制御して位置情報を取得させる。
【0018】
そして、通信端末1の通信制御部12は、位置情報を取得すると、当該取得した位置情報をネットワークを介して他の通信端末に送信する。
【0019】
本実施の通信端末1は、通信する基地局が変わったことを検出することで、通信端末1が移動したことを検出する。そして、通信する基地局が変わったタイミング、すなわち通信端末が移動したタイミングで、通信端末1の位置に関する情報である位置情報を取得する。従来のように、一定の周期毎に位置情報を取得する方法では、通信端末が移動していない場合にも、一定の時間が経過すれば位置情報を取得していた。本実施の形態では、通信端末が移動したことを検出してから、位置情報を取得して、他の通信端末に送信するので、無駄に位置情報を取得したり送信したりすることがない。従って、従来の通信システムと比べて、通信にかかる電力消費量を抑制し、またネットワーク上の情報量を抑制することができる。
【0020】
本実施の形態にかかる通信システムについて、さらに詳細に説明する。
図2は、本実施の形態にかかる通信システムを詳細に示す図である。本実施の形態にかかる通信システムは、通信端末1〜通信端末5、サーバ6、ネットワーク7、GPS(Global Positioning System)衛星8、基地局10a〜10c(以下区別する必要がない場合には、基地局10と記載する)とを有する。なお、通信システムにおいて、複数の通信端末があればよく、通信端末数は特に限定されるものではない。
【0021】
基地局10a乃至10cは、通信範囲内にある通信端末と、無線通信を行う。基地局10a〜10cは、それぞれセル30a〜セル30cが通信可能な範囲である。
図2では、基地局10aは、通信端末1と通信する。基地局10bは、通信端末2〜通信端末4と通信する。基地局10cは、通信端末5と通信する。通信端末1乃至5は、複数のGPS衛星8からの測位電波を受信し、受信した測位電波に基づいて、通信端末1乃至通信端末5の測位を行う。
【0022】
基地局10a乃至10cは、それぞれのセル30a乃至30cにある通信端末1乃至5と通信する。そのため、通信端末1乃至5がもともといたセル30a乃至30cのいずれかから、他のセル30a乃至30cのいずれかに移動すると、それに伴って通信する基地局10が切り替わる。例えば、現在セル30aにいる通信端末1が、セル30bに移動した場合、通信端末1が通信する基地局は、基地局10aから基地局10bに切り替わる。なお、2つ以上のセルが重複して、通信端末がその重複部分にある場合、通信端末は1の基地局を選択して通信を行う。例えば、電波強度が最も高い基地局を選択して通信する。
【0023】
基地局10a乃至10cは、光ファイバー等の有線のネットワーク7に接続されている。基地局10a〜10cは、ネットワーク7を介して相互に接続されている。通信端末1乃至5間は、ネットワーク7を介して音声通話が行われる。サーバ6は、ネットワーク7に接続されている。サーバ6は、ネットワーク7を介して基地局10a乃至10cに接続され、基地局10a乃至10cを介して各通信端末1乃至5から位置情報を受信する。そして、受信した位置情報をそれぞれの通信端末と対応させて記憶する。また、通信端末1乃至5から位置情報が通知される毎に、記憶している位置情報を更新する。さらに、それぞれの通信端末1乃至5から送信された位置情報を、他の通信端末1乃至5に送信する。
【0024】
すなわち、通信端末1から通信端末2にデータを送信する場合、通信端末1から送信されたデータは、無線通信を介して基地局10aに送信される。基地局10aは、通信端末1から受け取ったデータを、ネットワーク7に送信する。サーバ6はネットワーク7を介して通信端末1から送られたデータを受け取り、処理して、基地局10bに送信する。サーバ6から送信されたデータは、ネットワーク7を介して基地局10bに送信される。基地局10bは、サーバ6から受けとったデータを無線通信により通信端末2に送信する。このようにして、ある通信端末から送信された情報が、基地局10及びサーバ6を介し、他の通信端末に送信されることにより、データの送受信を行うことができる。
【0025】
サーバ6について、さらに詳細に説明する。
図3は、サーバ6を示す図である。サーバ6は、通信端末1乃至5が登録されたリストを記憶した記憶部61と、管理部62と、送受信部63とを有する。
【0026】
記憶部61は、予め登録された通信端末1乃至5の識別情報のリストと、それぞれの通信端末1乃至5に位置づけられた位置情報を記憶している。通信端末1乃至5の識別情報とは、例えば通信端末の固有のID、電話番号等である。
【0027】
管理部62は、リストに登録された通信端末1乃至5から送信された、当該通信端末の位置に関する情報である位置情報と、通信端末1乃至5の識別情報とを対応させて管理する。具体的には、それぞれの通信端末から送信された位置情報を受け取った場合に、記憶部61に記憶された位置情報の更新を行う。これにより、最新の位置情報を管理することができる。このリストに含まれる通信端末1乃至5間で位置情報を共有する。なお、サーバが格納するリストは1つに限られるものではなく、2つ以上のリストを格納してもよい。また、1つの通信端末が2つ以上のリストに登録されていてもよい。
【0028】
送受信部63は、管理部62の管理する位置情報に基づき、各通信端末の位置情報を通信端末1乃至5に送信する。例えば、送受信部63は通信端末の座標(経度及び緯度)を送信する。これにより、リストに登録された通信端末間で位置情報を共有することができる。また、送受信部63が各通信端末間の距離情報を位置情報として送信してもよい。この場合、送受信部63は、リストに登録された通信端末間の距離を算出する。そして、通信端末間の距離を各通信端末に送信する。例えば、通信端末1がいるセルが切り替わったとすると、通信端末1は位置情報を取得し、サーバ6に送信する。すると、通信端末1からの位置情報をサーバ6の送受信部63が受信する。そして、送受信部63が通信端末1と他の通信端末2乃至5との距離を算出する。これにより、通信端末1から通信端末2までの距離(d12)、通信端末1から通信端末3までの距離(d13)、通信端末1から通信端末4までの距離(d14)、通信端末1から通信端末5までの距離(d15)が算出される。そして送受信部63は対応する通信端末1乃至通信端末5に算出した距離を送信する。例えば、送受信部63は、距離d12、d13、d14、及びd15を通信端末1に送信し、距離d12を通信端末2に送信し、距離d13を通信端末3に送信し、距離d14を通信端末4に送信し、距離d15を通信端末5に送信する。なお、上記の説明では、各通信端末にその通信端末と他の通信端末間の距離を送信したが、各通信端末に他の通信端末同士の距離を送信してもよい。
【0029】
図2に戻り、本実施の形態にかかる通信端末について更に詳細に説明する。通信端末1は、通信する基地局10が変わったことを検出した際、位置情報を取得し、通信端末2乃至通信端末5に取得した位置情報を送信する。そして、通信端末2乃至5も、通信端末1と同様に、通信する基地局10が変わったことを検出した際、位置情報を取得し、通信端末1乃至5のうち、自分以外の通信端末に、取得した位置情報を送信する。すなわち、通信端末1乃至5は基地局10が変わらない場合、位置情報を取得しない。具体的には、通信端末1がセル30a内にある状態では、位置情報を取得せず、セル30aからセル30bに移動したタイミングで、位置情報を取得する。同様に、通信端末2〜4も、基地局10が変わったタイミングで、位置情報を取得し、変わらないタイミングでは位置情報を取得しない。
【0030】
通信端末1は、サーバ6から位置情報を受信すると、当該位置情報を表示部(不図示)に表示する。これにより、通信端末1は通信端末2乃至通信端末5が移動した際に、移動後のそれぞれの通信端末の現在の位置を把握することができる。また、通信端末1乃至5は、他の通信端末から位置情報を受信した場合、現在の自分の位置から、位置情報を受信した他の通信端末までの距離を算出した情報を、位置情報として表示部に表示するようにしてもよい。これにより、通信端末同士の距離をよりわかりやすく表示することができる。この場合、通信端末1の基地局10が切り替わった際に、通信端末2〜5の表示だけでなく、通信端末1の表示も更新される。
【0031】
図4は、通信端末1の構成を示す図である。通信端末1は、メモリ14と、位置情報受信ユニット15と、表示ディスプレイユニット16と、装置制御部17と、通信制御ユニット18と、音声処理ユニット19と、キー制御ユニット20と、電源装置21とを有する。
【0032】
メモリ14は、ROM(Read only memory)及びRAM(Random Access Memory)を搭載しており、通信端末1のOS(Operating System)ソフト141及び通信端末1の各構成要素を制御する制御プログラム142を格納する。またメモリ14は、電話帳等を格納する。
【0033】
位置情報取得部11としての位置情報受信ユニット15は、GPSアンテナ151を有する。GPSアンテナ151は、複数のGPS衛星8それぞれから測位電波を受信する。位置情報受信ユニット15は、GPS衛星8からの測位電波を利用し、緯度、経度、高度などを数十メートルの精度で割り出す。これにより、通信端末1の現在地を求めることができる。位置情報受信ユニット15は、現在地を装置制御部17に出力する。また、位置情報受信ユニット15は、装置制御部17の制御に応じたタイミングで、位置情報を算出する。
【0034】
通信制御部12としての通信制御ユニット18は、無線アンテナ181を有し、無線アンテナ181を介して基地局10と通信する。また、通信制御ユニット18は、基地局との無線通信を行い、ネットワーク7との通信手段を提供する。これにより、メール機能、電話機能等を実現できる。本実施の形態にかかる通信制御ユニット18は、通信端末1が移動し、通信可能な範囲内にある基地局が例えば基地局10aから10bに変わった場合、通信可能な基地局が変わったことを検出して装置制御部17に出力する。
【0035】
表示部としての表示ディスプレイユニット16は、例えばLCD(liquid crystal monitor)等のディスプレイを有している。通信端末1は、例えばメインディスプレイとサブディスプレイの2つのディスプレイを有し、表示ディスプレイユニット16は、これらのディスプレイの表示を制御する。
【0036】
音声処理ユニット19は、スピーカ191及びマイク192を有する。音声処理ユニット19は、スピーカ191及びマイク192を用いて、他の通信端末と、双方向の音声通話を行うための音声処理を行う。
【0037】
キー制御ユニット20は、キーボタン・キーボード等の入力装置により、ユーザが通信端末内のプログラムを制御可能なUI(User Interface)を提供する。電源装置21は、メモリ14等の各構成要素へ電力を供給する。
【0038】
装置制御部17について説明する。制御部13としての装置制御部17は、通信端末1の各要部に内部バス(不図示)を介して接続され、通信端末1全体を制御する。装置制御部17は具体的には、CPU(Central Processing Unit)、及びチップセットを有している。
【0039】
装置制御部17は、通信制御ユニット18から、通信可能な基地局10が変わったことを検出した検出結果を受け取ると、位置情報受信ユニット15に位置情報を取得させる。そして、装置制御部17は、位置情報受信ユニット15が取得した位置情報を受け取り、表示ディスプレイユニット16に出力して表示させる。また、通信制御ユニット18が他の通信端末の位置情報をサーバ6から受け取ると、装置制御部17は、その位置情報を表示ディスプレイユニット16に表示させる。
【0040】
図5は、表示ディスプレイユニット16のメインディスプレイの表示を示す図である。ここでは、位置情報をユーザが確認できる方法として、電話帳のアプリケーションを使った例を示す。まず、ユーザがキー制御ユニット20のキーボタン等を制御して、電話帳を読み出す。本実施の形態においては、電話帳に登録されている登録者の通信端末である他の通信端末から、ユーザの有する通信端末1までの距離を表示している。今、カーソルはThomas氏の箇所に選択されており、ユーザの通信端末1からの距離が0.5kmと示される。そして、他の登録者についても、ユーザの通信端末1からの距離が表示されている。すなわち、サーバ6のリストに含まれる登録者までの距離が表示される。ここでは、登録者の表示は、距離の近い順に表示されている。なお、位置情報を送受信しないユーザについては、通信端末間の距離を" - (ハイフン)" で表現している。なお、本実施の形態においては、ユーザの通信端末から、他の通信端末までの距離をメインディスプレイに位置情報として表示しているが、位置情報は、住所であっても良いし、地図アプリケーションとリンクさせて、実際の地図上にポインタで表現するようにしてもよい。
【0041】
本実施の形態では、通信端末1から5がそれぞれの位置情報を共有する場合には、まずそれぞれの通信端末1乃至5が、サーバ6に位置情報を送信する。サーバ6は、例えば通信端末1から受けとった位置情報を、他の通信端末である通信端末2乃至5に送信する。このように、通信端末は取得した位置情報を直接サーバ6に送信し、サーバ6が他の通信端末2乃至5に位置情報を送信する。このような通信システムとすることにより、通信端末が行う処理をより簡易なものにすることができる。すなわち、位置情報の取得回数を低減することができる。これにより、通信端末の処理能力を節約し、通信端末の無駄な電力消費を節約することができる。
【0042】
また、位置情報受信ユニット15は、位置情報取得部11がGPS衛星8からの測位電波を正常に受信できず、位置情報が取得できなかった場合、別の手法により、位置情報を取得してもよい。例えば、切り替わる前の基地局及び切り替わった後の基地局の位置から位置情報を算出するようにしてもよい。一例として、通信端末1が通信する基地局が、基地局10aから基地局10bに変わった場合、位置情報取得部11は、通信制御ユニット18が通信していた基地局10aの位置と、現在通信している基地局10bの位置とから位置情報を算出する。また、GPS衛星8を利用して求める位置情報と、基地局の位置を利用して求める位置情報とを組み合わせるようにしてもよい。この場合、例えば、基地局の位置から大まかな位置情報を得て、GPS衛星8からの測位電波でさらに位置情報の補正をするようにしてもよい。
【0043】
ここで、基地局10の位置から位置情報を求める方法について説明する。一般に、基地局10の通信可能範囲内であるセル30のほぼ中心に基地局は位置する。基地局10の位置は固定である。セル移動前の基地局10aの座標(x1,y1)と、移動後の基地局10bの座標(x2,y2)とに基づき、この2つの座標の中心点をおおよその端末の位置(x,y)として算出することができる。
【数1】
基地局10の位置は、ネットワーク上に既知情報として保持される。例えば、サーバ6に基地局を識別する情報と関連して記録するようにしてもよいし、または特定のサイト等にアクセスし、そこから取得するようにしてもよい。これにより、GPS衛星8からの測位電波を受信することができない場合でも、通信端末1のおおよその位置を、位置情報として取得することができる。
【0044】
本実施の形態にかかる通信端末の応用として、上記のサーバ6の動作を、通信制御ユニット18が行うようにしてもよい。この場合、通信制御ユニット18は通信端末1乃至5が予め複数登録されたリストを有する。そして、位置情報受信ユニット15が取得した位置情報を、リストに登録された複数の通信端末2乃至通信端末5に送信する。また、通信端末2乃至5から位置情報を受信する。通信制御ユニット18は、他の通信端末2乃至5から受信した位置情報を装置制御部17に出力する。さらに、受信した位置情報に基づき、通信端末1から、他の通信端末2乃至5までの距離を算出し、当該算出した距離の情報を位置情報として装置制御部17に出力するようにしてもよい。これにより、サーバ6の負荷を軽減することができる。
【0045】
本実施の形態にかかる通信システムは、ユーザ操作を必要とせずに、シームレスに位置情報を複数の通信端末と共有できる。さらに、本実施の形態にかかる通信端末は、セルの移動タイミングで位置情報の取得及び送信を行うため、通信端末の場所が移動しない場合にはGPSデータ取得及びネットワークサーバ間の通信を行わない。例えば、一定時間毎に位置情報を送信する方式では、たとえ移動しなくても位置情報を送信する操作を行う。そのため、通信端末が余計に電力を消費してしまうが、本実施の形態ではこのような電力の消費を抑制することができる。
【0046】
また、通信端末は、セルを移動して、通信する基地局が切り替わる毎に、移動先の基地局と通信を開始するためのネゴシエーションを行う。このネゴシエーションの際には、必ず基地局と通信端末の間で通信が行われる。よって、例えば本実施の形態にかかる通信方法を応用し、通信端末が切り替わった際に、更にセル移動時の通信端末とネットワーク間のネゴシエーションの追加情報として、位置情報を送信するようにしてもよい。これにより、さらに位置情報を送信する回数を減らすことができ、従ってネットワークに余計な負荷をかけないという効果がある。
【0047】
また、本実施の形態では、通信端末及びネットワークに負荷をなるべくかけずに、相手のおおよその所在地を把握することができる。子供の位置、外回り会社員、タクシードライバー、待合わせ友人等、「いまどの辺りにいるか」を、基地局10のセルの移動毎に把握することができる。なお、リストに含まれるすべての通信端末が上記の処理を実施しなくてもよい。すなわち、リストに含まれる一部の通信端末は一定時間毎に位置情報を取得してもよい。更には、基地局10が切り替わったタイミングで位置情報を取得する処理と、一定時間毎に位置情報を取得する処理を切り替えてもよい。
【0048】
次に、本実施の形態にかかる通信システムの動作について説明する。
図6は、通信する基地局10が切り替わった際の、通信端末1の動作を示す図である。一例として、通信端末1が基地局10aのセル30aから、基地局10bのセル30bに移動した場合に、通信端末1の位置情報を通信端末2及び3に通知する動作について説明する。
【0049】
まず、通信端末1がセル30aからセル30bに移動する(ステップS1)と、通信端末1は、基地局10aから基地局10bに切り替わったことを検出し、位置情報を算出する(ステップS2)。
【0050】
つぎに、GPS衛星8から測位電波を受信して、位置情報を取得する。ここで、GPS衛星8から測位電波を正常に受信して位置情報が得られた場合、得られた位置情報を基地局10bへ送信する(ステップS3)。GPS衛星8からの測位電波が正常に受信できなかった場合、切り替わる前のセル30aと切り替わった後のセル30bの基地局10aと基地局10bの位置から算出した値を位置情報として基地局10bに送信する(ステップS4)。
【0051】
基地局10bに送信された位置情報は、ネットワーク7を介してサーバ6に送信される。サーバ6は、位置情報の通知を受信した場合に送信元へ応答(ACK)を送信する(ステップS5)。次に、サーバ6は記憶部61に記憶されている、通信端末1の位置情報を更新する(ステップS6)。そしてサーバ6は、記憶部61に記憶されたリストを検索し、受け取った位置情報を送信する通信端末(ここでは通信端末2及び3)を検索する(ステップS7)。次に、サーバ6は、通信端末2及び3に通信端末1の位置情報を送信する(ステップS8及びS9)。通信端末2及び3は、位置情報を受信し、位置情報を更新する(ステップS10及びS11)。
【0052】
ステップS1乃至S4の処理を複数の通信端末がセル移動のタイミング毎に繰り返すことにより、位置情報を相互にリアルタイムで共有することが可能である。なお、受信された位置情報は、電話帳などのアプリケーションに組み込んで利用するようにすればよい。
【0053】
従来、位置情報の確認には、知りたい人がインターネットを介して確認するなど、位置情報の報知には一定の操作が必要であった。そのため、必ずしも使い勝手が良いとは言えなかった。また、GPS機能を利用した通信サービスは登場していたが、特定アプリを起動しないと位置測位ができないなど制限があった。しかしながら近年、バックグランドで位置情報を測位し続ける機能を有する通信端末が登場している。このため、この機能を利用し、ユーザ操作を必要とせずに、よりシームレスに位置情報を共有できる通信システム及び通信端末を提供することが可能となった。本実施の形態にかかる通信システムでは、通信端末とサーバを連携させることにより、特定の操作を必要とせずとも加入者間の位置情報の共有を自動化することができる。
【0054】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、位置情報の更新履歴をある一定回数通信端末のメモリに記憶しておき、連絡したい相手の位置情報が頻繁に変更される場合は、車・電車で移動中と判断して、ポップアップ等により「移動中です、電話は控えましょう」といった注意を促すようにする等の応用が可能である。
【0055】
また、位置情報の送信方法として、相手に位置情報を送信すると、ネットワーク上のサーバが相手・自分の位置情報を判別してお互いの場所に移動する最短ルートを探索するようにしてもよい。そしてサーバが、相手に届く位置情報としてのメール本文内に、最短ルートの情報にアクセスするためのURLを自動付与するようにしてもよい。これにより、最短ルート情報を、地図アプリと連動させてWEBサービスとして提供するようにすることができる。
【0056】
またさらに、予め特定の住所(例えば、自宅、待ち合わせ場所等)を通信端末に登録しておき、相手から受信した位置情報が、登録された住所と一致した場合に、通信端末をLED点灯、音楽鳴動、及びバイブレータ振動をするように設定し、ユーザに相手が特定の住所にいることを報知するようにしてもよい。これにより、友人が待ち合せ場所に到着したことや、家族が家に帰ったことを知らせる機能として利用することができる。また、上述の例においてプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0057】
(付記1)
通信端末の位置に関する情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、
通信可能な範囲内にある1の基地局と通信する通信制御部と、
前記通信制御部と通信する前記基地局が変わったことを検出し、前記位置情報取得部を制御して前記位置情報を取得させる制御部とを有する通信端末。
(付記2)
前記通信制御部は、他の通信端末と前記位置情報を送受信し、前記他の通信端末から位置情報を受信すると、当該位置情報を表示部に表示する付記1記載の通信端末。
(付記3)
前記通信制御部は、他の通信端末それぞれの前記位置情報を送受信し、他の通信端末から位置情報を受信すると、前記通信端末から、前記他の通信端末までの距離に応じた距離情報を前記位置情報として表示部に表示する付記1又は2記載の通信端末。
(付記4)
前記通信端末は、前記通信端末を含む、複数の通信端末が予め登録されたリストを有したサーバに接続され、
前記通信端末は、取得した前記位置情報を、前記サーバに送信し、
前記通信端末は、前記リストに登録された前記通信端末以外の通信端末である前記リストの他の通信端末の位置情報を、前記サーバから受信する付記1乃至3のいずれか1記載の通信端末。
(付記5)
前記通信端末は、前記通信端末から前記リストの他の通信端末までの距離に応じた情報を、前記位置情報として前記サーバから受信する付記4記載の通信端末。
(付記6)
前記位置情報取得部は、複数の衛星から受信した測位電波に基づいて、位置情報を算出する付記1乃至5のいずれか1記載の通信端末。
(付記7)
前記位置情報取得部は、前記基地局が変わったことを検出する前に前記通信制御部が通信していた前記基地局の位置及び前記基地局が変わったことを検出した後に前記通信制御部が通信していた前記基地局の位置から前記位置情報を算出する付記1乃至6のいずれか1記載の通信端末。
(付記8)
通信端末を制御するための所定の処理をコンピュータに実行させるための制御プログラムであって、
通信端末の位置に関する情報である位置情報を取得する処理と、
通信可能な範囲内にある1の基地局と通信する処理と、
通信する前記基地局が変わったことを検出し、前記位置情報を取得させる処理とを実行させる通信端末の制御プログラム。
(付記9)
前記位置情報を取得すると、当該位置情報を他の通信端末に送信する処理と、
前記他の通信端末から位置情報を受信する処理と、
前記他の通信端末の前記位置情報を表示部に表示させる処理とを実行させる付記8記載の通信端末の制御プログラム。
(付記10)
前記他の通信端末の前記位置情報を受信すると、前記通信端末から前記他の通信端末までの距離に応じた距離情報を前記位置情報として表示部に表示させる処理とを実行させる付記9記載の通信端末の制御プログラム。
(付記11)
前記通信端末を、前記通信端末を含む通信端末が予め複数登録されたリストを有したサーバに接続する処理と、
前記通信端末に、取得した前記位置情報を、前記サーバに送信させる処理とを実行させる付記8記載の制御プログラム。
(付記12)
複数の衛星から受信した測位電波に基づいて、位置情報を算出する処理を実行させる付記8乃至11のいずれか1通信端末の制御プログラム。
(付記13)
移動前に通信していた前記基地局の位置及び移動後に通信していた前記基地局の位置から前記位置情報を算出する付記8乃至13のいずれか1通信端末の制御プログラム。
(付記14)
予め登録された通信端末の識別情報のリストを記憶した記憶部と、
前記リストに登録された通信端末から送信された、当該通信端末の位置に関する情報である位置情報と、前記通信端末の識別情報とを対応させて管理する管理部と、
前記管理部の管理する前記位置情報に基づき、前記リストに登録された1の前記通信端末から、前記リストに登録された1の前記通信端末以外の前記通信端末までの距離を、前記1の通信端末に前記位置情報として送信する送受信部とを有するサーバ。
(付記15)
複数の通信端末間で、位置情報を共有するための通信システムであって、
前記通信端末は、当該通信端末の位置に関する情報である位置情報を取得する位置情報取得部と、
通信可能な範囲内にある1の基地局と通信する通信制御部と、
前記通信制御部と通信する前記基地局が変わったことを検出し、前記位置情報取得部を制御して前記位置情報を取得させる制御部とを有し、
前記通信端末は、前記位置情報を取得すると、当該取得した位置情報を他の通信端末に送信する通信システム。
(付記16)
前記通信端末は、前記通信端末以外の前記他の通信端末とそれぞれの前記位置情報を送受信し、前記通信端末は、前記他の通信端末の位置情報を受信すると、当該位置情報を表示部に表示する付記15記載の通信システム。
(付記17)
前記通信端末は、前記他の通信端末とそれぞれの前記位置情報を送受信し、前記通信端末は、他の前記通信端末の位置情報を受信すると、前記通信端末から、前記他の通信端末までの距離に応じた情報を前記位置情報として表示部に表示する付記15又は16記載の通信システム。
(付記18)
前記通信端末を含む、複数の通信端末が予め登録されたリストを有したサーバを有し、
前記リストに登録された1の前記通信端末は、取得した前記位置情報を、前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記1の通信端末から送信された前記位置情報を、前記リストに登録された前記1の通信端末以外の通信端末に送信する付記15記載の通信端末システム。
(付記19)
前記サーバは、前記1の通信端末から、前記リストに登録された前記1の通信端末以外のそれぞれの通信端末までの距離に応じた情報を前記位置情報として送信する付記18記載の通信システム。
(付記20)、
第1の基地局の通信範囲内にある場合に位置情報を他の通信端末に送信し、
通信端末が通信する基地局が、第1の基地局から第2の基地局に切り替わったことを検出し、
前記第2の基地局に切り替わったことを検出した際に、通信端末の位置に関する情報である位置情報を取得し、
取得した前記位置情報を他の通信端末に送信する位置情報共有方法。
(付記21)
前記通信端末を含む複数の通信端末のリストに登録された前記通信端末以外の前記他の通信端末とそれぞれの前記位置情報を送受信し、
他の通信端末から位置情報を受信すると、当該位置情報を表示部に表示する付記20記載の位置情報共有方法。
(付記22)
前記通信端末は、前記他の通信端末とそれぞれの前記位置情報を送受信し、
前記他の通信端末から位置情報を受信すると、前記通信端末から、前記他の通信端末までの距離に応じた情報を、前記位置情報として表示部に表示する付記20又は21記載の位置情報共有方法。
(付記23)
前記通信端末は、取得した前記位置情報を、前記リストを有するサーバに送信し、
前記サーバは、前記通信端末から送信された前記位置情報を、前記リストに登録された前記通信端末以外の前記他の通信端末に送信する付記22記載の位置情報共有方法。
(付記24)
前記サーバは、前記通信端末から、それぞれの前記他の通信端末までの距離に応じた情報を前記位置情報として送信する付記23記載の位置情報共有方法。