(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5743317
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】集合住宅の専有部分のリフォーム支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20150611BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20150611BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20150611BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q50/10 130
G06Q30/06 140
【請求項の数】1
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-19716(P2011-19716)
(22)【出願日】2011年2月1日
(65)【公開番号】特開2012-160053(P2012-160053A)
(43)【公開日】2012年8月23日
【審査請求日】2014年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】511028571
【氏名又は名称】ミサワホーム四国株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082429
【弁理士】
【氏名又は名称】森 義明
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162754
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 真樹
(72)【発明者】
【氏名】嶋津 哲
【審査官】
齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−027019(JP,A)
【文献】
特開2004−318482(JP,A)
【文献】
特開2007−293633(JP,A)
【文献】
特開2002−109014(JP,A)
【文献】
特開2009−163473(JP,A)
【文献】
特開平10−027197(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/08
G06Q 30/06
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザー端末、リフォーム業者の端末及びリフォーム業者のサーバーとをインターネットを介して接続し、該サーバーに記憶させたリフォーム業者からのデータや、記憶されているユーザーのリフォームに関するデータをユーザー端末からの要求に応じて該ユーザー端末へ出力するリフォーム支援方法であって、
リフォーム業者のサーバーは、
リフォーム業者がリフォームターゲット範囲内に確保した仮住まい用の物件情報、該物件に施されたリフォーム箇所のリフォーム状態、リフォーム業者が用意した他のリフォームプラン、これらのリフォームコストと施工期間を視覚化して表示された標準リフォームプランが格納されたリフォームプランファイル、
リフォーム業者が供給できる商品リストと該商品の価格リストが格納された商品ファイル、及び
ユーザー端末からのユーザー情報や前記ユーザー情報に基づいて該ユーザーの希望に沿って作成された個別リフォームプランと積算されたその個別リフォームプラン施工費用データ及び施工期間データ、ユーザーとリフォーム業者との間の遣り取りのデータをユーザー毎に記憶するユーザー管理ファイルが格納されているファイル格納部と、
ユーザー端末からの要求により前記個別リフォームプランと個別リフォームプラン施工費用データ及び施工期間データを算出し、ファイル格納部のユーザー管理ファイルに格納する個別リフォームプラン作成部と、
ファイル格納部に記憶されているデータの内、要求しているユーザーに関するデータを該ユーザー端末の要求に応じて該端末に表示する閲覧手段と、
インターネットを介してサーバーとユーザー端末及び業者端末との間でのデータの送受信を行う送受信部とを備え、
リフォームターゲット範囲は1棟の集合住宅又は同種の規格である隣接する集合住宅群であって、リフォーム業者が用意するリフォーム物件はリフォームターゲットである集合住宅内で確保された物件であることを特徴とする集合住宅の専有部分のリフォーム支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮住まいを必要とするような集合住宅の専有部分の大規模リフォームを希望するユーザーを支援して大規模リフォームに纏わる不便な部分や不安な部分を解消し、安心してリフォームに踏み切ることができる環境を整えることによりリフォームの受注を促進するリフォーム支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我が国には多数の集合住宅が既に建設されている。そして、集合住宅に住む家族は年を経るにつれて家族構成が変化して行くし設備も次第に老朽化して行く。その結果、例えば家族が減って細かく仕切られた間取りを仕切り壁の一部撤去或いは移動により2室を1室にするとかリビングを広げたいというように、集合住宅に住む者の希望する間取りと集合住宅の間取りとの間で生じた乖離を解消したいとか、経年劣化した設備(特に、台所や風呂場のような水周り)の大幅な更新をしたいという大規模リフォームの要望が最近とみに高まっている。
【0003】
壁紙の張替えや建具の修繕のような小規模のリフォームはさることながら、前述のような集合住宅の間取りの変更や経年劣化に伴う設備の大幅なリフォームは、1〜2ヶ月の工期を必要とし、且つ工事が専有部分の主要部分や大部分に及ぶため、そこに暮らす人の引越しを余儀なくする。
【0004】
引越しは、家族の移動だけでなく家財道具もともに運ぶ必要がある。しかも大幅なリフォームを躊躇させる最も大きな原因として、例えば子供の通学路又は学区の変更や、通勤時間の長時間化(引越し先が自宅の近くであれば兎も角、交通機関を乗り継いで行かなければならないような遠方では好まれない。)、通勤路線の変更(定期券通勤では新たな出費となる。)、リフォーム資金に上積みされる引越し費用や仮住まい家賃の心配、家財道具の収納が可能かどうかと言うような引越し先の広さの問題などがあり、大規模リフォームに踏み切るにはこれらのある程度許容できるような都合の良い引越し先を探すことが先決となってこれが大規模リフォームのネックとなっている。
【0005】
しかしながらこれまでのリフォーム支援方法は、いずれもリフォームで変更された間取りの例や使用する部材の一覧、リフォーム後のバーチャル画像の提供、リフォーム時期の予測とリフォーム資金に対する保険商品の提供、リフォームの積算方法、画像によるリフォーム部分の劣化度分析とその診断など、リフォームに直接かかわる問題点の解決に終始しており、大規模リフォームを躊躇させるユーザー側の問題点解消に向けた提案は今迄なされてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−182700
【特許文献2】特開2005−010861
【特許文献3】特開2004−013423
【特許文献4】特開2003−308360
【特許文献5】特開2003−085409
【特許文献6】特開2002−342411
【特許文献7】特開2001−265855
【特許文献8】特開平09―317206
【特許文献9】特開平08―077233
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、大規模リフォームを希望するユーザーのリフォーム内容に対する支援は勿論のこと、大規模リフォームに伴って発生する仮住まい探しや引っ越しなどを含め、大規模リフォームにおける問題点をコスト面も含めて包括的に支援することにより、大規模リフォームを円滑に行わせるようにしてリフォームの受注を促進するような斬新な支援方法の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載した集合住宅の専有部分のリフォーム支援方法は、
「複数のユーザー端末(13)、リフォーム業者の端末(17)及びリフォーム業者のサーバー(12)とをインターネット(18)を介して接続し、該サーバー(12)に記憶させたリフォーム業者からのデータや、記憶されているユーザーのリフォームに関するデータをユーザー端末(13)からの要求に応じて該ユーザー端末(13)へ出力するリフォーム支援方法であって、
リフォーム業者のサーバー(12)は、
リフォーム業者がリフォームターゲット範囲内に確保した仮住まい用の物件情報、該物件に施されたリフォーム箇所のリフォーム状態、リフォーム業者が用意した他のリフォームプラン、これらのリフォームコストと施工期間を視覚化して表示された標準リフォームプランが格納されたリフォームプランファイル(12a1)、
リフォーム業者が供給できる商品リストと該商品の価格リストが格納された商品ファイル(12a2)、及び
ユーザー端末(13)からのユーザー情報や前記ユーザー情報に基づいて該ユーザーの希望に沿って作成された個別リフォームプランと積算されたその個別リフォームプラン施工費用データ及び施工期間データ、ユーザーとリフォーム業者との間の遣り取りのデータをユーザー毎に記憶するユーザー管理ファイル(12a3)が格納されているファイル格納部(12a)、
ユーザー端末(13)からの要求により前記個別リフォームプランと個別リフォームプラン施工費用データ及び施工期間データを算出し、ファイル格納部(12a)のユーザー管理ファイル(12a3)に格納する個別リフォームプラン作成部(12d)と、
ファイル格納部(12a)に記憶されているデータの内、要求しているユーザーに関するデータを該ユーザー端末(13)の要求に応じて該端末(13)に表示する閲覧手段(12b)と、
インターネット(18)を介してサーバー(12)とユーザー端末(13)及び業者端末(17)との間でのデータの送受信を行う送受信部(12c)とを備え
、
該リフォームターゲット範囲は1棟の集合住宅又は同種の規格である隣接する集合住宅群であって、リフォーム業者が用意するリフォーム物件はリフォームターゲットである集合住宅内で確保された物件である」ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、子供の通学路又は学区変更を伴うこともなければ、通勤時間や通勤路を変更する必要のないリフォームターゲット範囲内にリフォーム業者によって確保された仮住まい用の物件情報(例えば、当該物件の住所や間取りなど)がリフォーム業者のサーバーに掲載されているので、リフォームターゲット範囲内の集合住宅に居住しており、リフォームの計画を有するユーザーは利便性の高い上記仮住まい用の物件がリフォーム業者によって既に用意されていることを知ることになり、予定している大規模リフォームに対して積極的な支援がなされていること知って大規模リフォームへの意欲が大いに刺激されることになる。この仮住まい用の物件の家賃や引越し費用が無償或いは割引であれば効果を更に高めることが出来、この点を物件情報として開示することも出来る。
【0012】
そしてこの物件には標準のリフォームが施されており、それが例えば動画写真やスチール写真或いは図面のような手段によって視覚化されていて、これをユーザーが自身の端末(13)に取り込むことにより集合住宅の1室である自宅の予想される大規模リフォーム状態を手に取るように見ることができ、同時にリフォームコスト、施工期間なども視覚化されているので、標準リフォームプランの費用と期間をたちどころに知ることができて大規模リフォームへの意欲がこの面でも刺激される。勿論、前記以外のリフォーム業者が作成したリフォームプランも用意されており、ユーザーはダウンロードすることにより参考にすることが出来る。
【0013】
そして、実際の自身のリフォームプラン作成に当たって、リフォーム業者が供給できる商品リストと該商品の価格リストが格納された商品ファイル(12a2)を開いて例えば壁紙の種類や色、部屋の雰囲気、間取りなどを自分の好みに合わせて選択し、これを同サーバー(12)の個別リフォームプラン作成部(12d)に繰り返して入力することで納得できる独自のリフォームプランを作成することができ、且つこれをユーザー管理ファイル(12a3)に個別に記憶させておくことができる。この間、インターネット(18)を介して繋がっているリフォーム業者の端末(17)とも遣り取りしてアドバイスを得ることも出来るし、満足できるリフォームプランが確定すると、インターネット(18)を通じて発注することもできる。
【0014】
なお、該仮住まい用のリフォーム済み物件がリフォームターゲットである1棟の集合住宅或いは隣接する集合住宅群内で確保された物件である場合、集合住宅内或いは近隣内での移動であるので、通学路や通勤路の変更なしでしかも引越し費用が最小又はゼロですむという利便があるし、一方、仮住まい用のリフォーム済み物件がリフォームターゲットである1棟の集合住宅内で確保された物件である場合、リフォーム後にこれをモデルルームとして活用することで同じ集合住宅に居住するユーザーに対しては実現されたリフォーム例としてアピールすることが出来、受注に繋げやすい。そして前記の隣接する集合住宅群が同種の規格の場合は、標準リフォームプランを具体的に当て嵌めやすく、より具体的なリフォーム例としてアピールすることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】リフォーム業者のデータ入力画面1を示す図である。
【
図4】リフォーム業者のデータ入力画面2を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を図示実施例に従って詳述する。
図1は、本発明に係るリフォーム促進支援システム(10)の一例を示したものであり、リフォーム業者のサーバー(12)、リフォーム業者によって操作される業者端末(17)、ユーザー端末(13)及びこれらを互いに接続するインターネット(18)によって構成される。
【0017】
ユーザー端末(13)及び業者端末(17)はWWWブラウザを備えたパーソナルコンピュータで、ユーザー端末(13)は、サーバー(12)に対してリフォームに必要なユーザー情報(例えば、ユーザー名、物件名、住所、電話番号、メールアドレス、床面積、現在の間取りと希望する間取り、家族構成、リフォーム箇所、工事希望額など)を記入するリフォームデータ入力画面(20)及び最終的に確定したプランを表示する確定リフォーム入力画面(24)の提供を要求し、且つ、これを表示するものであり、更にこれら(20)(24)に必要事項を入力した上でサーバー(12)に対して出力するものである。
【0018】
業者端末(17)はリフォームに必要なデータや図、表その他をサーバー(12)に対して出力し、また、ユーザーの要求に応じて必要なデータや回答又はアドバイスなどを、サーバー(12)を介してユーザー端末(13)に出力するものである。業者・ユーザー間の遣り取りはサーバー(12)に記憶される。前記業者端末(17)は例えば、該リフォーム業者の各地の営業所に設置され、インターネット(18)を介してリフォーム業者のサーバー(12)に接続されている。勿論、図示しない社内イントラネットに業者端末(17)やサーバー(12)を接続し、該イントラネットをインターネット(18)に接続することでユーザー端末(13)と接続するようにしてもよい。
【0019】
リフォーム業者のサーバー(12)は、記憶装置としてのファイル格納部(12a) 、WWWサーバー機能を司る閲覧手段(12b)、モデムやルータのような機器で構成され、インターネット(18)を介して端末(13)(17)との間で情報や情報取得請求等の信号を送受信する送受信部(12c)及びユーザーからの情報を基にリフォームプランを個別に作成する個別リフォームプラン作成部(12d)を有し、これらはバスや各種インターフェイスを介して接続されている。
【0020】
ファイル格納部(12a)は、リフォームプランファイル(12a1)、商品ファイル(12a2)、及びユーザー管理ファイル(12a3)、図示しない例えば積算用のプログラムや間取り変更プログラムその他リフォームプラン作成に必要な各種プログラムが格納されているRAMや、前記プログラムを実行するCPUを格納している。
【0021】
リフォームプランファイル(12a1)にはリフォーム業者がリフォームターゲット範囲内に確保した仮住まい用の物件の周辺地図や住所、間取り、延べ床面積その他必要とされる物件情報、該物件に施されたリフォーム箇所(例えば風呂場や台所などの水周り、壁紙、暖房床、仕切り壁の撤去によるリビングの拡張や間取りの変更、ふすまや障子或いはドアの変更、ベランダの塗装など)のリフォーム状態、リフォーム前後の比較写真、該物件に即してリフォーム業者が用意した他のリフォームプラン(これらリフォームプランは適宜必要に応じて更新される。)、これらのリフォームコストと施工期間、更には上記リフォームに使用された商品のリストや価格表などが視覚化して表示された標準リフォームプラン、リフォーム業者のデータ(業者名、担当プランナー名、過去のリフォーム実績など)その他必要事項が格納される。これら情報の視覚化手段として、動画写真やスチール写真或いは図面のような手段によって格納され、ユーザーは自分の端末(13)に自由にダウンロードできるようになっている。また、この仮住まい用の物件の家賃が無償であれば、これを物件情報として掲載されている。
【0022】
商品ファイル(12a2)には、リフォーム業者が供給できる商品「例えば、床材、壁材、天井材、家具、収納家具、照明、内部建具、エアコン、床暖房設備、トップライト等(勿論、これらに限られることはない。)」の名称、型番、大きさ、単価等をデータ化して商品リストや価格リストとして入力されるものである。
【0023】
ユーザー管理ファイル(12a3)には、ユーザー端末(13)からのユーザー情報や前記ユーザー情報に基づいて該ユーザーの希望に沿って作成された個別リフォームプランと積算されたその個別リフォームプラン施工費用データ及び施工期間データ、ユーザーとリフォーム業者との間のリフォームに関する質問や回答或いはアドバイス、リフォーム発注など各種の情報やデータをユーザー毎に記憶するものである。
【0024】
個別リフォームプラン作成部(12d)は、ユーザー端末(13)からの要求によりユーザー情報に基づいて前記個別リフォームプランを作成すると共に個別リフォームプラン施工費用データ及び施工期間データを算出し、ファイル格納部(12a)のユーザー管理ファイル(12a3)に格納するもので、間取りの変更がない場合には、ユーザー端末(13)から入力された希望リフォームプランに沿ってリフォーム部分(例えば、壁、部屋、内部建具、フローリング、照明、トップライト、エアコン、ホール、廊下、リビング等)の変更例が要求に従って順次画面に現れる。間取りの変更がある場合には、ユーザー端末(13)から入力された希望リフォームプランに沿ってユーザーの専有部分に合致し且つ変更可能な間取りが表示される。そして、変更毎に見積金額が表示される。
【0025】
そして、前述のようにリフォーム業者からのアドバイスや質問に対する回答などを受けながら自分の好みや希望するリフォームプランに到達するまで繰り返して作成することができ、且つこれをユーザー管理ファイル(12a3)に個別に記憶させておくことができる。そして満足できるリフォームプランが確定すると、インターネット(18)を通じて発注することになる。
【0026】
WWWサーバー機能を有する閲覧手段(12b)は、ユーザー及びリフォーム業者側の端末(13)(17)からの要求に応じて、ファイル格納部(12a)に記憶され、必要事項の書き込み前と書き込み後の標準リフォームプランデータ入力画面(22)、リフォーム希望プランデータ入力画面(20)及び確定リフォームプランデータ入力画面(24)その他必要な画面や文章、写真などを表示し、更にユーザー端末(13)に対してはファイル格納部(12a)に記憶されているデータの内、要求しているユーザーに関するデータを該ユーザー端末(13)の要求に応じて該端末(13)に表示するものである。
【0027】
送受信部(12c)は、インターネット(18)を介してサーバー(12)と、ユーザー端末(13)及び業者端末(17)との間でデータをやり取りするものである。
【0028】
リフォーム事業におけるリフォームターゲット範囲であるが、事業の性格上その広がりは限定されることになり、ユーザーの利便性を考慮してリフォーム事業を推進しようとする範囲をリフォームターゲット範囲として決定する。例えば、広い範囲としての決め方の一つとして1つの通学路又は学区を一つのリフォームターゲット範囲とする例、一つの駅の周辺を一つのリフォームターゲット範囲とする例、中の範囲としては団地のような集合住宅が一つの地域に近接して林立しているような場合(特にこのような場合、同じ規格の集合住宅群を一つのリフォームターゲット範囲とするのが好ましい。)、最も狭い範囲としては一棟の集合住宅である。そして、最低で上記のリフォームターゲット範囲に最も標準的な1室(専有部分)を購入することになる。リフォームターゲット範囲を大又は中とした場合、仮住まい用として用意した1室と同じグレードの専有部分(広さや間取り)を有するユーザー(例えば、同じマンション業者の物件に住んでいる者)を対象とする事がアピール度を高くして効果的である。
【0029】
そしてこの購入した物件をリフォームし、既述のようにリフォーム箇所を動画写真、スチール写真あるいは図面、文章などの表現手段を用いて視覚化し、サーバー(12)に標準リフォームプラン例として入力する。同時に、リフォームに使用した使用商品リストや、リフォームコスト、施工期間をデータとしてリフォームプランファイル(12a1)に入力する。
更に、ユーザーの選択枝を広げるため、他のリフォームプランを格納したり、リフォーム業者が供給できる商品リストと該商品の価格リストもサーバー(12)の商品ファイル(12a2)にデータとして格納する。これらのデータはデータベース化され、必要に応じて一定期間ごとに内容を更新されてユーザーはインターネット(18)からアクセスすることによって常に最新の情報を閲覧できるようになっている。
【0030】
なお、前記リフォームプランを最適化するために、アンケート調査を実施してユーザーのニーズを集約のうえ分析し、アンケート調査結果を設計部門にフィードバックしてリフォームプランの制作に役立てると共に、そのフィードバックによる成果をデータベース化してユーザーに提供する。
【0031】
また、リフォームされた専有部分が空いている場合には、モデルルームとして一般公開することも出来る。モデルルーム公開中は、来場者にアンケート調査を実施し、ユーザーのニーズを収集すればよりユーザーのニーズに近いデータを集めることが出来る。
【0032】
次に、
図5を参照しつつ本発明の本システム(10)の流れについて説明する。
【0033】
1.リフォームユーザーのデータベース化
対象エリア(例えば四国を例に取れば、その各都市:高松市・丸亀市・徳島市・高知市・新居浜市・松山)で、前記リフォームターゲット範囲を定め、対象となる集合住宅をピックアップしてデータベース化する。この時、当該集合住宅管理組合に働きかけ、集合住宅に居住する者にリフォーム会員として会員登録をして貰い、これら会員をリフォーム検討客としてデータベース化すると共に必要に応じて会員として登録したユーザーには、会員特典(会員割引・リフォームに関する情報提供)を付与するようにしてもよい。
【0034】
2.各種リフォームプランの提供
リフォームターゲット範囲内の集合住宅の1室を購入し(購入時期は適宜選択することが出来、特定されない。)、リフォーム客の予想されるライフスタイルに合わせて該室のリフォームを行い、標準リフォームプランを作成する。同時にその他各種のリフォームプランを作成し、これらのリフォーム部材の材料費、リフォームプランに対応する積算式や施工日数その他必要データをリフォーム業者のサーバーに記憶させておく。作業が複雑でテーブル化できないものはリフォーム業者がその都度積算或いは施工日数を決めて入力することになる。これらリフォームプランはデータベース化され、一定期間ごとに内容を更新し、ユーザーはインターネットからアクセスして常に最新の情報を閲覧できるようにする。
【0035】
3.アンケート調査
前述のリフォーム会員或いはリフォームターゲット範囲の集合住宅に住む者を対象としてアンケート調査を実施し、それらのニーズを集約のうえ分析する。原則として、アンケート調査はインターネットを介して行う。ペーパーによるアンケート調査結果はリフォーム業者が代行し、リフォーム業者が入力する。アンケート調査結果は、サーバーで集計・分析されて設計部門にフィードバックされ、且つ今後の推奨リフォームプランとして制作され、更にデータベース化されてリフォーム会員やユーザーの閲覧に供される。
【0036】
4.モデルルームオープン
リフォーム業者は、前述のようにリフォームターゲット範囲内の集合住宅の一室を買い取り、リフォーム工事を施工した上でモデルルームとしてオープンし、リフォーム会員やその他のユーザーを対象とした内覧会を開催し、同時に来場者にアンケート調査を実施してそのニーズを収集・分析し、サーバーに入力してデータベース化し、これを更なる推奨リフォームプランとしてプランの豊富化を行う。購入した部屋のリフォームにはそれ以前にアンケート調査を行っていた場合、その結果を分析して例えば最も人気のあるリフォームプランに基づき該室をリフォームすることも出来る。
【0037】
5.リフォーム工事の受注
ユーザーからリフォームの申し込みがリフォーム希望プランデータ入力画面を介して行われると、インターネット(或いは面談)を介してリフォームプランを固め、合意した処でリフォーム業者のサーバーを介して確定リフォームプランを確認する。そして、リフォーム工事受注に際し、選択に応じて該発注者とモニター契約を行い、特典(例えばリフォーム工事の割引)と交換にリフォーム工事完了後、一定期間モデルルームとしての使用の承諾を得ることも出来る。
【0038】
6.リフォーム工事の施工準備
リフォーム工事の請負契約締結者にモデルルームへの引っ越しを実行させる。引越し費用は一定金額まで或いは全額、リフォーム業者の負担とすることも可能である。また、モデルルームの仮住まいとしての使用料は契約に応じて無償又は割引とすることもできる。
【0039】
7.リフォーム工事の施工
工事請負契約に基づくリフォーム工事を施工する。リフォーム工事の施工内容は、データベース化してファイル格納部(12a)にその情報を蓄積する。
【0040】
8.リフォーム後のモデルルーム使用
リフォー工事完了後、選択に応じてなされたモニター契約に基づき、一定期間モデルームとして同じマンションの住民を中心に一般の閲覧に供し、リフォーム工事の受注活動に寄与させる。このモデルルームについても、公開中は来場者にアンケート調査を実施し、ユーザーのニーズを収集し、データベース化してファイル格納部(12a)にその情報を蓄積する。
【0041】
9.リフォームサービスの終了
モニター期間が満了後、契約ユーザーはリフォーム工事が完了した自らの集合住宅に戻る。
【0042】
10. モデルルームによるリフォーム工事の受注
元のモデルルームにてリフォーム工事の受注活動を継続する。
【符号の説明】
【0043】
(10) リフォーム促進支援システム
(12) リフォーム業者サーバー
(12a1)リフォームプランファイル
(12a2)商品ファイル
(12a3)ユーザー管理ファイル
(13) ユーザー端末
(17) 業者端末
(18) インターネット
(20) リフォーム希望データ入力画面
(22) リフォーム業者データ入力画面
(24) 確定リフォームデータ入力画面