(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記段階的表示手段は、複数の表示領域を一列に配置したバーグラフを表示する手段であり、前記信号レベルの最小値から最大値まで前記表示領域の表示する個数を信号レベルの変化に応じて1表示領域ずつ段階的に増減させる手段であることを特徴とする請求項1記載の物品探索装置。
前記表示変化適否判別手段は、前記段階的表示手段に信号レベルを表示したとき前記複数段階のわずかの段階までしか表示が行われないとき前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適していないと判別することを特徴とする請求項1記載の物品探索装置。
前記表示変化適否判別手段は、前記段階的表示手段に信号レベルを表示したとき前記複数段階のわずかを残した段階まで表示が行われた場合、前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適していないと判別することを特徴とする請求項1記載の物品探索装置。
補正前の信号レベルと前記表示用信号レベルの関係を記した表示補正テーブルに基づいて表示変化に適していない場合の表示用信号レベルを出力することを特徴とする請求項4および5記載の物品探索装置。
前記受信手段の受信した応答信号から物品固有の識別情報を抽出する識別情報抽出手段と、この識別情報抽出手段の抽出した前記識別情報が探索の対象となる物品について予め指定された識別情報と一致するかを判別する識別情報照合手段と、この識別情報照合手段で識別情報が一致しないと判別されたとき検出した物品が探索の対象となる物品以外の物品であることを表示する非対象物品表示手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の物品探索装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このうち、第1の関連技術では探索の対象となる物品の位置座標を求めるためには、物品探索装置のそれぞれの時点の絶対位置座標を求める必要がある。このためには、物品探索装置自体が複数のGPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して現在位置を算出するデバイスを備える必要がある。これにはGPS衛星を見渡すことができる場所での探索が必要となり、家庭や事業所の屋内における物品を探索する目的には適さない。また、GPS衛星による現在位置の算出精度は10メートル程度の誤差を含むため、探索対象とする物品の絶対位置座標が算出されたとしても、狭い空間内での物品の探索には適さない。
【0008】
更に、第1の関連技術で複数の物品の間を探索する場合、レベルメータの振れる様子によって、探索ルート上で目的とする物品に近づいたか、遠ざかったかを判別しなければならない。このとき、物品から送出される信号のレベルが相対的に大きい場合にはレベルメータの振れが飽和点に近い状態となっている。このため、物品探索装置を移動させても振れの変化の様子を判別しづらく、探索対象とする物品の位置の見当がつきづらい。物品から送出される信号のレベルが相対的に小さい場合も同様である。
【0009】
また、第2の関連技術では、探索の対象としない物品が探索の対象とする物品のすぐ近くに存在するような場合には、探索の対象としない物品の影響を避けるために受信回路の受信感度を低く設定する。この結果、対象外の物品からの自装置に対する応答電波を受信することはなくなるが、探索の対象とする物品からの応答電波の受信レベルも低くなる。これにより、応答電波の強度をレベルメータで表示した場合には、第1の関連技術の場合と同様に強度の変化を判別しづらいという問題が発生する。もちろん、応答電波を増幅してレベルメータで表示すると、対象外の物品の応答電波までが表示されることになって紛らわしい。
【0010】
そこで本発明の目的は、室内のような比較的狭い範囲内で移動しながら特定の物品を簡易に探索可能な物品探索装置、物品探索システム、物品探索方法および物品探索プログラムを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、(イ)探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する応答要求手段と、(ロ)この応答要求手段の要求に対して前記した物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する受信手段と、(ハ)この受信手段の受信した応答信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段と、(ニ)この信号レベル検出手段の検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階
の表示レベルに区切って段階的に表示する段階的表示手段と、(ホ)前記した信号レベル検出手段で検出した信号レベルをこの段階的表示手段で
表示した表示レベルに対し、前記した物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動
を契機として、この信号レベルが表示レベル内の最大レベルでない場合であっても、次の段階への表示変化に適しているか否かを判別する表示変化適否判別手段と、(へ)この表示変化適否判別手段
により前記した段階的表示手段で表示した表示レベルに適していないと判別したとき、前記した信号レベル検出手段で検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを
表示レベルに適した値に補正する表示用信号レベル補正手段と、(ト)この表示用信号レベル補正手段で補正した後の表示用信号レベルを前記した信号レベル検出手段で検出した信号レベルの代わりに前記した段階的表示手段に供給して前記した複数段階
の表示レベルに区切って段階的に表示させる表示切替手段と、を物品探索装置が具備する。
【0012】
また、本発明では、(イ)応答を要求されたとき近距離通信用の無線でこれに応答する無線応答装置を備えた物品と、(ロ)請求項1、請求項3〜請求項7いずれかに記載の物品探索装置を物品探索システムが具備する。
【0013】
更に、本発明では、(イ)探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する応答要求ステップと、(ロ)この応答要求ステップによる要求に対して前記した物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する受信ステップと、(ハ)この受信ステップで受信した応答信号の信号レベルを検出する信号レベル検出ステップと、(ニ)この信号レベル検出ステップで検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階
の表示レベルに区切って段階的に表示する段階的表示手段を用いて前記した信号レベル検出ステップで検出した信号レベルをこの段階的表示手段で
表示した表示レベルに対し、前記した物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動を
契機として、この信号レベルが表示レベル内の最大レベルでない場合であっても、
他の表示レベルへの表示変化に適しているか否かを判別する表示変化適否判別ステップと、(ホ)この表示変化適否判別ステップ
により他の表示レベルへの表示変化に適していないと判別したとき、前記した信号レベル検出ステップで検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを
表示レベルに適した値に補正する表示用信号レベル補正ステップと、(へ)この表示用信号レベル補正ステップで補正した後の表示用信号レベルを前記した信号レベル検出ステップで検出した信号レベルの代わりに前記した段階的表示手段に供給して前記した複数段階
の表示レベルに区切って段階的に表示させる表示切替ステップとを物品探索方法が具備する。
【0014】
更にまた、本発明では、コンピュータに、物品探索プログラムとして、(イ)探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する応答要求処理と、(ロ)この応答要求処理による要求に対して前記した物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する受信処理と、(ハ)この受信処理で受信した応答信号の信号レベルを検出する信号レベル検出処理と、(ニ)この信号レベル検出処理で検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階
の表示レベルに区切って段階的に表示する段階的表示手段を用いて前記した信号レベル検出処理で検出した信号レベルをこの段階的表示手段で
表示した表示レベルに対し、前記した物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動を
契機として、この信号レベルが表示レベル内の最大レベルでない場合であっても、
他の表示レベルへの表示変化に適しているか否かを判別する表示変化適否判別処理と、(ホ)この表示変化適否判別処理で
他の表示レベルへの表示変化に適していないと判別したとき、前記した信号レベル検出処理で検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを
表示レベルに適した値に補正する表示用信号レベル補正処理と、(へ)この表示用信号レベル補正処理で補正した後の表示用信号レベルを前記した信号レベル検出処理で検出した信号レベルの代わりに前記した段階的表示手段に供給して前記した複数段階
の表示レベルに区切って段階的に表示させる表示切替処理とを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときの信号レベルの強弱の変化に応じて物品の探索を行うので、GPSを使用して位置情報の取得を行ったり、サーバを利用して複数のICタグ(RFID)によって探索を行う必要がない。このため、システムを安価に構成することができ、一般消費者に受け入れられやすく、家庭でも容易に普及させることができる。
【0016】
また、本発明では物体から受信した信号のレベルを表示用に補正することにしたので、相対的な信号レベルの変化を段階的に表示することで、物体に対する比較的少ない移動量でもこれをユーザに認識させることができ、認識のための機器を簡易に構成することかできる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の物品探索装置のクレーム対応図を示したものである。本発明の物品探索装置10は、応答要求手段11と、受信手段12と、信号レベル検出手段13と、段階的表示手段14と、表示変化適否判別手段15と、表示用信号レベル補正手段16と、表示切替手段17を備えている。ここで、応答要求手段11は、探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する。受信手段12は、応答要求手段11の要求に対して前記した物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する。信号レベル検出手段13は、受信手段12の受信した応答信号の信号レベルを検出する。段階的表示手段14は、信号レベル検出手段13の検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階に区切って段階的に表示する。表示変化適否判別手段15は、信号レベル検出手段13で検出した信号レベルをこの段階的表示手段14でそのまま段階的に表示した場合、前記した物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適しているか否かを判別する。表示用信号レベル補正手段16は、表示変化適否判別手段15で次の段階への表示変化に適していないと判別したとき、信号レベル検出手段13で検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを表示用に補正する。表示切替手段17は、表示用信号レベル補正手段16で補正した後の表示用信号レベルを信号レベル検出手段13で検出した信号レベルの代わりに段階的表示手段14に供給して前記した複数段階に区切って段階的に表示させる。
【0019】
図2は、本発明の物品探索システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の物品探索システム20は、物品21と、物品探索装置22を備えている。ここで、物品21は、応答を要求されたとき近距離通信用の無線でこれに応答する無線応答装置を備えている。物品探索装置22は、請求項1、請求項3〜請求項7いずれかに記載の装置である。
【0020】
図3は、本発明の物品探索方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の物品探索方法30は、応答要求ステップ31と、受信ステップ32と、信号レベル検出ステップ33と、表示変化適否判別ステップ34と、表示用信号レベル補正ステップ35と、表示切替ステップ36を備えている。ここで、応答要求ステップ31では、探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する。受信ステップ32では、応答要求ステップ31による要求に対して前記した物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する。信号レベル検出ステップ33では、受信ステップ32で受信した応答信号の信号レベルを検出する。表示変化適否判別ステップ34では、信号レベル検出ステップ33で検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階に区切って段階的に表示する段階的表示手段を用いて信号レベル検出ステップ33で検出した信号レベルをこの段階的表示手段でそのまま段階的に表示した場合、前記した物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適しているか否かを判別する。表示用信号レベル補正ステップ35では、表示変化適否判別ステップ34で次の段階への表示変化に適していないと判別したとき、信号レベル検出ステップ33で検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを表示用に補正する。表示切替ステップ36では、表示用信号レベル補正ステップ35で補正した後の表示用信号レベルを信号レベル検出ステップ33で検出した信号レベルの代わりに前記した段階的表示手段に供給して前記した複数段階に区切って段階的に表示させる。
【0021】
図4は、本発明の物品探索プログラムのクレーム対応図を示したものである。本発明の物品探索プログラム40は、コンピュータに応答要求処理41と、受信処理42と、信号レベル検出処理43と、表示変化適否判別処理44と、表示用信号レベル補正処理45と、表示切替処理46を実行させるようにしている。ここで、応答要求処理41では、探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する。受信処理42では、応答要求処理41による要求に対して前記した物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する。信号レベル検出処理43では、受信処理42で受信した応答信号の信号レベルを検出する。表示変化適否判別処理44では、信号レベル検出処理43で検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階に区切って段階的に表示する段階的表示手段を用いて信号レベル検出処理43で検出した信号レベルをこの段階的表示手段でそのまま段階的に表示した場合、前記した物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適しているか否かを判別する。表示用信号レベル補正処理45では、表示変化適否判別処理44で次の段階への表示変化に適していないと判別したとき、信号レベル検出処理43で検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを表示用に補正する。表示切替処理46では、表示用信号レベル補正処理45で補正した後の表示用信号レベルを信号レベル検出処理43で検出した信号レベルの代わりに前記した段階的表示手段に供給して前記した複数段階に区切って段階的に表示させる。
【0024】
図5は、本発明の実施の形態による物品探索システムを表わしたものである。この物品探索システム100は、物品探索装置101と、この物品探索装置101の探索の対象となるタグ102を取り付けた探索対象物103から構成されている。タグ102を取り付けた探索対象物103は、複数存在してもよい。本実施の形態の適用されるタグ102は、RFIDによる無線チップを取り付けたIC(integrated circuit )タグである。このようなタグ102は、紛失のおそれのある探索対象物103に事前に取り付けられている。
【0025】
物品探索装置101は、探索対象物103に取り付けられたタグ102の個別識別情報であるUID(Unique ID)を探索の行われる前に設定しておくUID設定部111を備えている。UID設定部111の設定した設定UID112は、送信データ生成部113に供給されて送信データフォーマットが生成される他、UID照合部114に供給されて探索の結果得られたUIDとの照合のために使用される。送信データ生成部113は、生成した送信データフォーマット115を送信部116に供給し、その送信アンテナ117から電波として空中に送出させる一般的な送信機能を備えている。
【0026】
ここでUID設定部111は、図示しないメモリの一部を構成する探索対象物テーブル118と接続されている。探索対象物テーブル118には、探索対象物の一覧がユーザによって登録されている。これについては、後に説明する。
【0027】
受信アンテナ121を備えた受信部122は、タグ102から送出される電波を受信する一般的な受信回路としての機能を備えている。受信部122の受信により得られた受信データ123は波形を整形され、電波強度計測部124とUID抽出部125の双方に送られるようになっている。このうち電波強度計測部124は、nビットのA/Dコンバータ(Analog-to-Digital Converter)でデジタル化した受信情報を、ある一定周期で図示しない格納場所に格納して、その内容を更新する。そして、その格納場所に格納された信号レベル126を表示レベルデータ生成部127へ出力する。表示レベルデータ生成部127は、物品探索装置101から探索対象物103までの距離の遠近を表示レベルデータ128として生成して、バーグラフ129に表示するようになっている。この表示レベルデータ生成部127には、後に説明する表示補正テーブル130が接続されている。
【0028】
一方、UID抽出部125は受信データ123を入力し、図示しない全波整流回路およびコンパレータを用いてデジタル変換を行う。そして、デジタル変換後のデータから必要なUIDを抽出する。抽出したUID131はUID照合部114に送られる。UID照合部114はこのUID131をUID設定部111の設定した設定UID112と照合する。
【0029】
照合した結果、両者のUIDが一致する場合、すなわち物品探索装置101のユーザが探索対象として設定した設定UID112と同一内容のUID131が探索対象物103のタグ102から抽出されたときを考える。この場合には、UID一致情報132がUID照合部114から表示レベルデータ生成部127に通知される。このとき、表示レベルデータ生成部127は表示レベルデータ128をバーグラフ129として表示する。表示レベルデータ生成部127には表示レベル切り替え設定部133から表示レベル切り替え設定情報134が供給される。表示レベルデータ生成部127は表示レベル切り替え設定情報134を基にして、視覚情報として表示するバーグラフ129について表示上での工夫(補正)を行う。
【0030】
すなわち本実施の形態の場合、バーグラフ129に表示する表示レベルデータ128は、物品探索装置101から探索対象物103までの距離を表示レベルとして、特定の縮尺で正確に表示するとは限らない。本実施の形態では、物品探索装置101が探索対象物103に近づいたり、反対に遠ざかるとき、探索対象物103までの距離の長短に係わらず、これらの距離の変化が分かりやすく表示される工夫を行っている。この工夫は、物品探索装置101から探索対象物103までの距離に応じて、バーグラフ129の表示の際の「感度」を変化させることで実現する。
【0031】
従来のバーグラフによる表示では、物品探索装置101から探索対象物103までの距離が遠い場合には、距離が近い場合に比べて単位長だけ距離が変化しても、表示上の変化量はわずかとなる。この結果、物品探索装置101が探索対象物103に近づいたか否かの判別が視覚的に困難な場合が多い。また、探索対象物103からの電波が最大値に近いような場合には、バーグラフがほぼ最大まで表示されて、物品探索装置101が探索対象物103に近づいていってもその変化を十分表わせない場合もある。そこで本実施の形態では、物品探索装置101と探索対象物103の間の距離に応じて、換言すれば受信部122の受信データ123についての受信レベルに応じて、バーグラフ129に表示されるバーの長さの割合を適正に補正している。この具体例については、後に説明する。
【0032】
設定UID112とUID131が一致しなかった場合には、UID照合部114がUID不一致情報137をUID不一致表示部138に通知する。UID不一致表示部138は、この場合、UIDの不一致あるいは受信データ123の受信状態が極めて悪いことを視覚的に表示することになる。
【0033】
ところで本実施の形態の物品探索システム100では、物品探索装置101とタグ102の間の通信にセレクティブアクセス方式を用いる。セレクティブアクセス方式とは、交信可能領域にあるICタグのうちで、物品探索装置101が特定のものとだけ信号の送受信を行う。タグ102は物品探索装置101の送信部116が送出した信号を受信すると、送信データフォーマット115を基にして設定UID112を抜き出して自身のUID112と比較する。この結果、設定UID112が自身のUID112と一致したときのみ、その物品探索装置101に対して自身のUIDを含む電波を送信することになる。したがって、UID照合部114がUID不一致情報137をUID不一致表示部138に送出する場合とは、自装置の探索と無関係に他のICタグが送出した情報を物品探索装置101が受信した場合となる。
【0034】
本実施の形態の物品探索装置101は、ユーザの携行を前提とした装置である。このような物品探索装置101は、専用の探索用の携帯装置として実現することができるだけでなく、たとえば探索機能を備えた携帯電話機として実現することもできる。
【0035】
物品探索装置101をたとえば携帯電話機として実現する場合、ユーザは事前に探索対象となる定期券入れ等の所定の生活小物に個別にUIDを割り当てて、これらの探索対象物103にタグ102として貼付しておく。これらのタグ102に使用されるUIDがそれぞれユニークなものであれば、複数の生活小物に貼付することは差支えない。
【0036】
ある物品が見つからず物品探索装置101でこれを探索する場合には、携帯電話機の図示しない操作部の操作によって探索対象物103の個別識別情報を設定する。この場合には、探索の対象となる探索対象物103に割り当てられたUIDを設定UID112として直接入力してもよいし、図示しないディスプレイに表示された探索対象物の一覧表から設定対象のUIDを選択してもよい。
【0037】
このようにして探索対象物103の設定が終了したら、ユーザは送信アンテナ117から探索用の電波を空中に送出させながら物品探索装置101を各方向に動かす。そして、バーグラフ129に変化が表示された時点から探索対象物103までの距離(遠近)情報を頼りに移動を行う。このようにして物品探索装置101と探索対象物103間で位置を絞り込むことで、探索対象物103の場所を特定することになる。
【0038】
以上説明した物品探索システムの探索の概要に基づき、システムの動作の具体的な流れを次に説明する。
【0039】
図6は、探索対象物の設定処理の様子の一例を表わしたものである。
図5と共に説明する。
【0040】
ユーザは、物品探索装置101の図示しない操作部を操作して、図示しないメニュー画面から探索対象物選択モードを選択する(ステップS201:Y)。これ以外のモードを選択した場合には(ステップS201:N)、該当するその他のモードが実行されることになる。
【0041】
ステップS201で探索対象物選択モードが選択されたら(ステップS201:Y)、
図5で図示を省略しているCPU(Central Processing Unit)は、同じく図示を省略したメモリに格納した前記した探索対象物テーブル118に格納された一覧を読み出す。そして、図示しないディスプレイにこの一覧を表示する(ステップS202)。メモリには、CPUが実行する各種制御のためのプログラムも格納されている。
【0042】
図7は、探索対象物テーブルの内容の一例を示したものである。探索対象物テーブル118はユーザが登録するもので、その内容は適時変更可能である。
図7に示した例では、ユーザがテレビジョンのリモートコントローラ(TVリモコン)、玄関キー、定期券入れ等の物品(探索対象物)を登録している。登録した各物品には、それぞれユニークなUID(UID
1、UID
2、……)が自動的に割り当てられるようになっている。
【0043】
図6に戻って説明を続ける。ディスプレイに探索対象物の一覧が表示された状態で、CPUはユーザが今回探索しようとしている探索対象物を選択するのを待機している(ステップS203)。ユーザが図示しないタッチパネルを使用したり前記した操作部を操作して探索対象物を1つ選択すると(Y)、CPUはこれに割り当てられたUIDをUID設定部111に設定することになる(ステップS204)。このようにして探索対象物の設定処理が終了する(エンド)。
【0044】
図8は、探索対象物の設定処理終了後に行われる探索処理の流れを表わしたものである。
図5〜
図7と共に説明する。
【0045】
図6のステップS204でユーザが探索を希望する探索対象物103のUIDがUID設定部111に設定されたら、この設定内容を基にして送信データ生成部113で送信データフォーマット115が生成される(ステップS221)。送信データフォーマット115が生成されたら、送信部116はこれを送信データとして送信を開始する(ステップS222)。物品探索システムによっては、ユーザが送信ボタン等による送信指示を行うのを待って送信を開始させるようにしてもよい。
【0046】
送信データの送出が開始されたら、受信部122はUIDを含む受信データ123の受信を待機する(ステップS223)。UIDを含む受信データ123を受信したら(Y)、UID抽出部125がUIDを抽出する。続いてUID照合部114はこの抽出したUIDをUID設定部111の設定した設定UID112と照合して両者の一致の有無を調べる(ステップS225)。
【0047】
この結果、受信した探索対象物103から得られたUIDが設定UID112と一致しなかったときには(ステップS225:N)、UID不一致表示部138がUIDの不一致を視覚的に表示する(ステップS226)。たとえばユーザがTVリモコンを探索の対象としていた場合で、それよりも物品探索装置101に近い位置に存在した玄関キーのタグ102が応答したような場合である。この例の場合、検出すべきUID情報としての「UID
1」の代わりに「UID
2」が検出されたので、UIDの不一致がディスプレイに文字やアイコンでユーザに通知されることになる。
【0048】
このUID不一致表示が行われると、ユーザはこのときディスプレイ上に現われた2つの選択肢のうちの一方を選択することができる。一番目の選択肢は、探索対象物103の探索を継続するかを問うものである(ステップS227)。2番目目の選択肢は、探索対象物103の探索を終了するかを問うものである(ステップS228)。
【0049】
探索を継続する旨の操作を検出すると(ステップS227:Y)、CPUは受信部122が受信する電波の強度が変化したかを判別する(ステップS229)。これは、ユーザが他の探索対象物103の探索あるいは受信状態の改善のための移動を開始し物品探索装置101が新たな位置に移動したことを検知するための処理である。受信部122の受信する電波の強度が変化したら(Y)、ステップS223に進んで新たなUIDを含む受信データ123の受信を待機する状態となる。
【0050】
これに対して、ユーザが探索対象物103の探索を終了させる操作を行い、CPUがこれを検知すると(ステップS227:N、ステップS228:Y)、送信部116による送信データの送出が停止し(ステップS230)、探索処理が終了する(エンド)。ユーザが探索対象物103の探索を継続させる操作と終了させる操作のいずれかを行うまでは(ステップS227:N、ステップS228:N)、UID不一致表示部138がUIDの不一致を表示する(ステップS226)。
【0051】
一方、ステップS225で受信した探索対象物103から得られたUIDが設定UID112と一致した場合には(Y)、表示レベルデータ生成部127で生成した表示レベルデータ128をバーグラフ129に表示する(ステップS231)。このときの表示は、受信部122が受信した受信レベルの絶対値に対応したものとなる。
【0052】
図9は、受信レベルについての補正前のバーグラフによる表示状態を表わしたものである。バーグラフ129は受信レベルの絶対値を複数段階で表示する。同図(A)に示す表示レベル「1」は受信した電波が最も弱い状態の表示レベル「0」に次いで2番目に弱いレベルである。表示レベル「1」の場合には、一例としてバーグラフ129の7つの領域に区分けした表示領域141のうちの1つが点灯あるいは残りの領域とは異なった色で表示される。この場合の受信レベルは、全体を256段階に分類した場合の32段階から63段階の信号レベルに相当する。
【0053】
同図(B)は表示レベル「2」の表示状態を表わしたものであり、この例では、バーグラフ129の7つの領域に区分けした表示領域141のうちの2つが点灯あるいは残りの領域とは異なった色で表示される。この表示レベル「2」の場合の受信レベルは、全体を256段階に分類した場合の64段階から95段階の信号レベルに相当する。
【0054】
同図(C)は表示レベル「3」の表示状態を表わし、同図(D)は表示レベル「6」の表示状態を表わしている。これらの場合の受信レベルは、全体を256段階に分類した場合の96段階から127段階の信号レベルと、128段階から159段階の信号レベルにそれぞれ相当する。
【0055】
図8に戻って説明を続ける。ステップS231で受信レベルの絶対値の表示が行われたら、CPUは受信部122の電波強度に変化があったかをチェックする(ステップS232)。このチェックは、物品探索装置101が移動したかを判別するためである。ユーザが探索対象物103に対して近づいたり、反対に遠ざかったりすると、
図9に示した現在の表示の状態との関係で表示レベルは視覚上で最適であるかの判別が行われる(ステップS233)。表示レベルが最適と判別された場合にはその表示時点での補正は行わない。すなわち、物品探索装置101に対する探索がその時点で終了しない限り(ステップS234:N)、ステップS231に戻ってバーグラフ129の表示がそのまま継続する。そして、物品探索装置101に対する探索が補正を行う必要なく終了すれば(ステップS234:Y)、送信部116による送信データの送出が停止して(ステップS230)、探索処理が終了する(エンド)。
【0056】
一方、ステップS233で表示レベルが最適でないとCPUが判別した場合には(N)、表示レベルの補正として表示レベルの切替処理が実行される(ステップS235)。表示レベルの切替処理は、「+3」から「−4」までの切替設定のいずれかを選択することによって行われる。そして、その後に処理はステップS231戻って補正後の表示レベルデータ128がバーグラフ129に表示されることになる。
【0057】
図10は、バーグラフに表示する表示レベルの補正の原理を説明するためのものである。また、
図11は、受信した電波の強度と表示レベルデータ生成部の出力する補正値との関係を示す表示補正テーブルの内容を表わしたものである。ここでは、電波強度計測部124を構成する前記したnビットのA/Dコンバータの「n」が8ビットの場合を示している。
図5と共に説明する。
【0058】
図10(A)は、一例として物品探索装置の受信した探索対象物からの電波が弱すぎる場合の表示の補正を説明するためのものである。この例で補正前の表示レベルは「1」であり、前記したようにこの場合の受信レベルは、全体を256段階に分類した場合の32段階から63段階の信号レベルに相当する。この例の場合、たとえば32段階目の信号レベルが64段階目の信号レベルに変化するまで、ユーザはバーグラフ129の表示領域141の表示数の増加を確認することかできない。これでは、物品探索装置101を手に持ったユーザがかなりの距離を移動しても目標となる探索対象物103に近づいていることを表示上で確認することができない。
【0059】
そこでこの例の場合には、表示レベル切替設定を「+2」に切り替える補正を行う。これにより、
図11に示す表示補正テーブル130に示されるように、全体を256段階に分類した場合の32段階目が2
2(=4)を掛けた値の128段階目に補正される。また、同様に分類した場合の補正前の63段階目が2
2を掛けた値の255段階目に補正される。これにより、補正前の63段階目までの電波の強さの増加をバーグラフ129の全体を使用して表示することができる。
【0060】
次に
図10(B)は、電波の受信レベルが大きすぎる場合の補正の様子の一例を示したものであり、補正前の表示レベルは「7」である。この場合には、全体を256段階に分類した場合の224段階目の信号レベルですでにバーグラフ129のフルスケールまで表示領域141が拡大している。このため、物品探索装置101を手に持ったユーザがこれ以上、探索対象物103に近づいても表示の変化はない。
【0061】
そこでこの後者の例の場合には、表示レベル切替設定を「−1」に切り替える補正を行う。これにより、
図11に示す表示補正テーブル130に示されるように、全体を256段階に分類した場合の224段階目が2
-1(=1/2)を掛けた値の112段階目に補正される。このとき表示領域141が3つだけ使用されるので、残りの領域を使用して探索対象物103に対して更に近づいた場合の表示を行うことができる。
【0062】
このように本実施の形態によれば、バーグラフ129の表示レベルを2
3(=8)倍から2
-4(=1/16)倍までの範囲で切り替える。これにより、ユーザ自身がバーグラフ129の表示情報を頼りに探索対象物103との距離(遠近)を判断し、携帯電話機等の物品探索装置101を移動させることで最終的に探索対象物103の所在位置を突き止めることができる。また、探索対象物103の所在を確認しなくても、特定の場所にそれが存在すること、あるいは存在しないことの確認を迅速に行うことができる。
【0063】
また、本実施の形態ではICタグ(RFID)を用いて生活小物等の探索対象物103の探索を行う。このため、人間が直接探索を行う場合と比較すると、探索対象物103が隙間や物陰に隠れて直接見えない状況でも、その存在を確認することができる。しかも本実施の形態では電波強度を利用して探索対象物103までの距離の遠近を表示することができる。したがって、探索対象物103の存在する方向だけでなく、所在位置をも明らかにすることができる。
【0064】
更に本実施の形態では物品探索装置101を簡易な構成とすることができる。しかも、GPSを使用して位置情報の取得を行ったり、サーバを利用して複数のICタグ(RFID)によって探索を行う必要がない。このため、これら既存の探索装置と比較すると、物品探索装置101を安価に提供することかできる。したがって、物品探索装置101として単独に構成した製品だけでなく、他の装置と兼用した製品であっても、一般消費者に受け入れられやすく、家庭でも容易に普及することができる。
【0065】
更にまた本実施の形態の物品探索装置101は携帯電話機のように携帯することを前提とする装置のため、ユーザが受信部122に付属した受信アンテナ121の向き変えることができる。また電波強度情報とバーグラフ129の表示レベルの対応付け(感度)を切り替える仕組みをもつ。このため、タグ102や受信アンテナ121の指向性および減衰の問題を解決することができる。
【0067】
図12は、本発明の第1の変形例における物品探索システムの構成を表わしたものである。
図12で
図5と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
【0068】
図12に示した物品探索システム100Aは、物品探索装置101Aと、この物品探索装置101Aの探索の対象となる送受信部102Aを内蔵あるいは取り付けた探索対象物103Aから構成されている。送受信部102Aを内蔵あるいは取り付けた探索対象物103Aは、複数存在してもよい。送受信部102Aは、ジグビ(Zigbee(登録商標))またはブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等の一般的な無線技術を使用して、要求先に自己のIDとしてのUIDを返信する回路である。
【0069】
この第1の変形例の物品探索装置101Aでは、UID設定部111、UID照合部114、探索対象物テーブル118、表示レベルデータ生成部127、バーグラフ129、表示補正テーブル130、表示レベル切り替え設定部133およびUID不一致表示部138が実施の形態と同一の回路構成となっている。送信データ生成部113Aは、一般的な無線技術による送信データを生成し、送信部116Aはこれを送信アンテナ117Aから空中に送出する。
【0070】
探索対象物103Aの送受信部102Aは、送信アンテナ117Aから送られてきた送信データを受信して、ユニークなUIDを含んだ返信データを無線で返信する。この返信データは受信アンテナ121Aを使用した受信部122Aで受信され、電波強度計測部124Aでその電波強度としての信号レベル126が測定される。信号レベル126は、表示レベルデータ生成部127へ送られて、実施の形態と同様に表示形態を工夫した表示がバーグラフ129で行われる。
【0071】
また、UID抽出部125Aは、採用された一般的な無線技術を用いて受信データ123AからUIDを抽出する。抽出されたUID131はUID照合部114に送られ、設定UID112との一致あるいは不一致に応じた処理が行われることになる。
【0072】
この第1の変形例による物品探索システム100Aによれば、一般的な無線技術を使用して電波の強弱によって物品の探索を行う場合にも、電波のわずかな強度を拡大して表示するので、探索対象物103Aの効果的な探索が可能である。
【0073】
しかも、この変形例によれば先の実施の形態と物品探索装置101Aの多くの回路装置が共通している。このため、探索する物品に応じて送受信する電波を切り替えるような共用タイプの装置構成にした場合であっても、全体的な回路装置あるいはソフトウェアでこれらの一部または全部を構成する場合のソフトウェアの増加量がわずかで済むという利点がある。
【0075】
本発明の第2の変形可能性としては、電波の強度をユーザに伝達するバーグラフ129の変形を挙げることができる。バーグラフ129は、視覚的に電波の強度を伝達するが、これに限るものではない。たとえば、音による聴覚情報を用いるときで、距離の違いによる周波数の高低の違いが分かりにくい場合には、周波数の差を拡大して出力し、音による距離感を出せるようにすればよい。
【0076】
同様にブザー等の物体の震動によって探索対象物までの距離の変化を表わす場合にも、周波数の差を拡大して出力し、震動による距離感を出せるようにすればよい。また、段階的な表示であれば、円グラフや数値の変化による表示のように、ディスプレイを用いた他の表示形態を採ってもよい。
【0077】
以上説明した実施の形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0078】
(付記1)
探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する応答要求手段と、
この応答要求手段の要求に対して前記物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する受信手段と、
この受信手段の受信した応答信号の信号レベルを検出する信号レベル検出手段と、
この信号レベル検出手段の検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階に区切って段階的に表示する段階的表示手段と、
前記信号レベル検出手段で検出した信号レベルをこの段階的表示手段でそのまま段階的に表示した場合、前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適しているか否かを判別する表示変化適否判別手段と、
この表示変化適否判別手段で次の段階への表示変化に適していないと判別したとき、前記信号レベル検出手段で検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを表示用に補正する表示用信号レベル補正手段と、
この表示用信号レベル補正手段で補正した後の表示用信号レベルを前記信号レベル検出手段で検出した信号レベルの代わりに前記段階的表示手段に供給して前記複数段階に区切って段階的に表示させる表示切替手段
とを具備することを特徴とする物品探索装置。
【0079】
(付記2)
前記無線応答装置は、探索の対象となる物品固有の識別情報を含んだ応答信号を返信することを特徴とする付記1記載の物品探索装置。
【0080】
(付記3)
前記段階的表示手段は、複数の表示領域を一列に配置したバーグラフを表示する手段であり、前記信号レベルの最小値から最大値まで前記表示領域の表示する個数を信号レベルの変化に応じて1表示領域ずつ段階的に増減させる手段であることを特徴とする付記1記載の物品探索装置。
【0081】
(付記4)
前記表示変化適否判別手段は、前記段階的表示手段に信号レベルを表示したとき前記複数段階のわずかの段階までしか表示が行われないとき前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適していないと判別することを特徴とする付記1記載の物品探索装置。
【0082】
(付記5)
前記表示変化適否判別手段は、前記段階的表示手段に信号レベルを表示したとき前記複数段階のわずかを残した段階まで表示が行われた場合、前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適していないと判別することを特徴とする付記1記載の物品探索装置。
【0083】
(付記6)
補正前の信号レベルと前記表示用信号レベルの関係を記した表示補正テーブルに基づいて表示変化に適していない場合の表示用信号レベルを出力することを特徴とする付記4および5記載の物品探索装置。
【0084】
(付記7)
前記受信手段の受信した応答信号から物品固有の識別情報を抽出する識別情報抽出手段と、この識別情報抽出手段の抽出した前記識別情報が探索の対象となる物品について予め指定された識別情報と一致するかを判別する識別情報照合手段と、この識別情報照合手段で識別情報が一致しないと判別されたとき検出した物品が探索の対象となる物品以外の物品であることを表示する非対象物品表示手段とを具備することを特徴とする付記1記載の物品探索装置。
【0085】
(付記8)
前記無線応答装置はRFID(Radio Frequency Identification)による無線チップを取り付けたIC(integrated circuit )タグであることを特徴とする付記2記載の物品探索装置。
【0086】
(付記9)
応答を要求されたとき近距離通信用の無線でこれに応答する無線応答装置を備えた物品と、
付記1、付記3〜付記7いずれかに記載の物品探索装置
とを具備することを特徴とする物品探索システム。
【0087】
(付記10)
前記物品の前記無線応答装置は、探索の対象となる物品固有の識別情報を含んだ応答信号を返信することを特徴とする付記9記載の物品探索システム。
【0088】
(付記11)
前記物品の前記無線応答装置はRFID(Radio Frequency Identification)による無線チップを取り付けたIC(integrated circuit )タグであることを特徴とする付記9記載の物品探索システム。
【0089】
(付記12)
探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する応答要求ステップと、
この応答要求ステップによる要求に対して前記物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する受信ステップと、
この受信ステップで受信した応答信号の信号レベルを検出する信号レベル検出ステップと、
この信号レベル検出ステップで検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階に区切って段階的に表示する段階的表示手段を用いて前記信号レベル検出ステップで検出した信号レベルをこの段階的表示手段でそのまま段階的に表示した場合、前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適しているか否かを判別する表示変化適否判別ステップと、
この表示変化適否判別ステップで次の段階への表示変化に適していないと判別したとき、前記信号レベル検出ステップで検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを表示用に補正する表示用信号レベル補正ステップと、
この表示用信号レベル補正ステップで補正した後の表示用信号レベルを前記信号レベル検出ステップで検出した信号レベルの代わりに前記段階的表示手段に供給して前記複数段階に区切って段階的に表示させる表示切替ステップ
とを具備することを特徴とする物品探索方法。
【0090】
(付記13)
前記表示変化適否判別ステップは、前記段階的表示手段に信号レベルを表示したとき前記複数段階のわずかの段階までしか表示が行われないとき前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適していないと判別する第1の判別ステップと、前記段階的表示手段に信号レベルを表示したとき前記複数段階のわずかを残した段階まで表示が行われたとき前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適していないと判別する第2の判別ステップの全部または一部を具備することを特徴とする付記12記載の物品探索方法。
【0091】
(付記14)
コンピュータに、
探索の対象となる物品に予め取り付けた無線応答装置に対して無線で応答信号の送出を要求する応答要求処理と、
この応答要求処理による要求に対して前記物品から近距離通信用の無線で応答信号が送られてきたときこれを受信する受信処理と、
この受信処理で受信した応答信号の信号レベルを検出する信号レベル検出処理と、
この信号レベル検出処理で検出する信号レベルの最小値から最大値までを予め定めた複数段階に区切って段階的に表示する段階的表示手段を用いて前記信号レベル検出処理で検出した信号レベルをこの段階的表示手段でそのまま段階的に表示した場合、前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適しているか否かを判別する表示変化適否判別処理と、
この表示変化適否判別処理で次の段階への表示変化に適していないと判別したとき、前記信号レベル検出処理で検出した信号レベルに応じた倍率を掛けて信号レベルを表示用に補正する表示用信号レベル補正処理と、
この表示用信号レベル補正処理で補正した後の表示用信号レベルを前記信号レベル検出処理で検出した信号レベルの代わりに前記段階的表示手段に供給して前記複数段階に区切って段階的に表示させる表示切替処理
とを実行させることを特徴とする物品探索プログラム。
【0092】
(付記15)
前記表示変化適否判別処理は、前記段階的表示手段に信号レベルを表示したとき前記複数段階のわずかの段階までしか表示が行われないとき前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適していないと判別する第1の判別処理と、前記段階的表示手段に信号レベルを表示したとき前記複数段階のわずかを残した段階まで表示が行われたとき前記物品との間の位置の変動に基づく信号レベルの変動が次の段階への表示変化に適していないと判別する第2の判別処理の全部または一部を前記コンピュータが実行させることを特徴とする付記12記載の物品探索プログラム。