特許第5743545号(P5743545)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5743545パーキンソン病処置用代謝型グルタミン酸受容体モジュレーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5743545
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月1日
(54)【発明の名称】パーキンソン病処置用代謝型グルタミン酸受容体モジュレーター
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/404 20060101AFI20150611BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20150611BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20150611BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20150611BHJP
【FI】
   A61K31/404
   A61P25/14
   A61P25/16
   A61K31/192
【請求項の数】5
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2010-528396(P2010-528396)
(86)(22)【出願日】2008年10月9日
(65)【公表番号】特表2011-500529(P2011-500529A)
(43)【公表日】2011年1月6日
(86)【国際出願番号】EP2008063544
(87)【国際公開番号】WO2009047296
(87)【国際公開日】20090416
【審査請求日】2011年10月6日
(31)【優先権主張番号】60/979,486
(32)【優先日】2007年10月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/050,333
(32)【優先日】2008年5月5日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ウムブリヒト
(72)【発明者】
【氏名】バルタサル・ゴメス−マンシラ
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ・ガスパリーニ
(72)【発明者】
【氏名】テレーズ・ディ・パオロ
【審査官】 中尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−514381(JP,A)
【文献】 特表2006−503038(JP,A)
【文献】 特表2005−516920(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/071358(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/114262(WO,A1)
【文献】 Dekundy,A.,et al.,“Effects of group I metabotropic glutamate receptor blockade in experimental models of Parkinson's disease”,Brain Res. Bull.,2006年 4月14日,Vol.69,No.3,P.318-326
【文献】 Mela,F.,et al.,“Antagonism of metabotropic glutamate receptor type 5 attenuates L-DOPA-induced dyskinesia and its molecular and neurochemicalcorrelates in a rat model of Parkinson's disease”,J. Neurochem.,2007年 4月,Vol.101,No.2,P.483-497
【文献】 Dekundy,A. et al.,Effects of group I metabotropic glutamate receptor blockade in experimental models of Parkinson's disease,Brain Res. Bull.,2006年 4月14日,Vol.69,No.3,P.318-326
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/404
A61K 31/192
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーキンソン病に関連するレボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジアの処置、予防または進行遅延用医薬の製造における、(−)−(3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸メチルエステルの使用。
【請求項2】
パーキンソン病に関連するレボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジアを処置、予防または進行遅延するための、(−)−(3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸メチルエステルを含む、医薬組成物。
【請求項3】
さらにレボドーパ(L−ドーパ)を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
パーキンソン病に関連するレボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジアの処置、予防または進行遅延するための、(−)−(3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸メチルエステルと、パーキンソン病に関連するレボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジアの処置、予防または進行遅延における当該化合物の使用についての指示書を含む、キット。
【請求項5】
パーキンソン病に関連するレボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジアの処置、予防または進行遅延において同時に、別々にまたは連続的に使用するための組み合わせ製剤として(−)−(3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸メチルエステルおよびレボドーパ(L−ドーパ)を含む、医薬製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、代謝型グルタミン酸受容体のアンタゴニスト(“mGluRアンタゴニスト”)を含む、代謝型グルタミン酸受容体のモジュレーター(“mGluRモジュレーター”)として作用する化合物の新規医薬使用に関する。特に、本発明は、代謝型グルタミン酸5型受容体のアンタゴニスト(“mGluR5アンタゴニスト”)の新規使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2005/079802、WO2003/047581、WO2004/000316、WO2005/044265、WO2005/044266、WO2005/044267、WO2006/114262およびWO2007/071358は、mGluR5アンタゴニストおよび医薬としてのその使用を開示する。
【発明の概要】
【0003】
mGluR調節活性、特にアンタゴニスト活性を有する化合物が、パーキンソン病およびパーキンソン病と関連する障害の処置に有用であることが、驚くべきことに判明した。特に、mGluRモジュレーターをパーキンソン病と関連する障害であるジスキネジアの処置に使用し得ることが判明した。特に、mGluR5モジュレーター、例えばmGluR5アンタゴニストを、パーキンソン病および関連障害、例えばパーキンソン病患者のジスキネジア(Parkinson's dyskinesia)、例えば、パーキンソン病剤レボドーパ(L−ドーパ)が誘発するパーキンソン病患者のジスキネジアの処置に使用し得ることが判明した。
【0004】
従って、本発明の第一の局面は、パーキンソン病および/またはそれに関連する障害の処置(治療的であれ予防的であれ)、予防および/または進行遅延のためのmGluRモジュレーターの使用に関する。一つの態様において、本発明はパーキンソン病患者のジスキネジア、例えば、パーキンソン病剤レボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジア(PD−LID)の処置、予防および/または進行遅延のための、mGluRモジュレーター、例えばアンタゴニストの使用に関する。
【0005】
本発明のさらなる局面は、処置を必要とする対象におけるパーキンソン病および/またはパーキンソン病と関連する障害の処置、予防または進行遅延の方法であって、該対象に治療的有効量のmGluRモジュレーター、例えばmGluR5モジュレーターを投与することを含む、方法に関する。一つの態様において、本方法は、パーキンソン病患者のジスキネジア、例えば、パーキンソン病剤レボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジア(PD−LID)の処置、予防および/または進行遅延のためである。
【0006】
本発明のさらなる局面は、パーキンソン病および/またはパーキンソン病と関連する障害の処置、予防または進行遅延の処置のための、mGluRモジュレーター、例えばmGluR5モジュレーターを含む医薬組成物に関する。一つの態様において、本組成物は、パーキンソン病患者のジスキネジア例えばパーキンソン病剤レボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジア(PD−LID)の処置、予防または進行遅延のためである。一つの態様において、本医薬組成物は、パーキンソン病の処置、予防または進行遅延のためである。
【0007】
本発明のさらなる局面は、パーキンソン病および/またはパーキンソン病と関連する障害の処置、予防または進行遅延のための医薬の製造のための、mGluRモジュレーター、例えばmGluR5モジュレーターの使用に関する。一つの態様において、本医薬は、パーキンソン病患者のジスキネジア、例えばパーキンソン病剤レボドーパ(L−ドーパ)が誘発するジスキネジア(PD−LID)の処置、予防または進行遅延のためである。
【0008】
mGluRモジュレーターはmGluR5モジュレーターであり得る。ある態様において、mGluRモジュレーターはmGluRアンタゴニスト、例えばmGluR5アンタゴニストであり得る。
【0009】
本明細書において、他の具体的定義がないならば、次の定義を適用すべきである:
“アルキル”は、直鎖または分枝鎖アルキル基、好ましくは直鎖または分枝鎖C1−12アルキル、特に好ましくは直鎖または分枝鎖C1−6アルキル;例えば、メチル、エチル、n−またはイソプロピル、n−、イソ、sec−またはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシルを意味し、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルが特に好ましい。
【0010】
“アルカンジイル”は、2個の異なる炭素原子により分子に結合した直鎖または分枝鎖アルカンジイル基を意味し、好ましくは直鎖または分枝鎖C1−12アルカンジイル、特に好ましくは直鎖または分枝鎖C1−6アルカンジイル;例えば、メタンジイル(−CH−)、1,2−エタンジイル(−CH−CH−)、1,1−エタンジイル((−CH(CH)−)、1,1−、1,2−、1,3−プロパンジイルおよび1,1−、1,2−、1,3−、1,4−ブタンジイルを意味し、メタンジイル、1,1−エタンジイル、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイルまたは1,4−ブタンジイルが特に好ましい。
【0011】
“アルコキシ”、“アルコキシアルキル”、“アルコキシカルボニル”、“アルコキシカルボニルアルキル”および“ハロゲンアルキル”の各アルキル部分は、“アルキル”の上記定義における記載と同じ意味を有さなければならない。
【0012】
“アルケニル”は、直鎖または分枝鎖アルケニル基、好ましくはC2−6アルケニル、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、2−ヘキセニルなどを意味し、好ましくはC2−4アルケニルを意味する。
【0013】
“アルケンジイル”は、2個の異なる炭素原子により分子に結合した直鎖または分枝鎖アルケンジイル基を意味し、好ましくは直鎖または分枝鎖C2−6アルカンジイル;例えば、−CH=CH−、−CH=C(CH)−、−CH=CH−CH−、−C(CH)=CH−CH−、−CH=C(CH)−CH−、−CH=CH−C(CH)H−、−CH=CH−CH=CH−、−C(CH)=CH−CH=CH−、−CH=C(CH)−CH=CH−を意味し、−CH=CH−CH−、−CH=CH−CH=CH−が特に好ましい。
【0014】
“アルキニル”は、直鎖または分枝鎖アルキニル基、好ましくはC2−6アルキニル、例えば、エテニル、プロパルギル、1−プロピニル、イソプロペニル、1−(2−または3−)ブチニル、1−(2−または3−)ペンテニル、1−(2−または3−)ヘキセニルなどを意味し、好ましくは2−4アルキニルおよび特に好ましくはエチニルを意味する。
【0015】
“アリール”は、芳香族性炭化水素基、好ましくはC6−10芳香族性炭化水素基;例えばフェニル、ナフチル、特にフェニルを意味する。
【0016】
“アラルキル”は、“アルキル”に結合した“アリール”(両方とも上記で意義の通り)を意味し、例えばベンジル、α−メチルベンジル、2−フェニルエチル、α,α−ジメチルベンジル、特にベンジルを意味する。
【0017】
“ヘテロ環”は、少なくとも1個のヘテロ原子を含む飽和の、部分的に飽和のまたは芳香族の環系を意味する。好ましくは、ヘテロ環は、3〜11個の環原子から成り、その1〜3個の環原子がヘテロ原子である。ヘテロ環は、単環系または二環式または三環式環系として;好ましくは単環系またはベンズ縮合(annelated)環系として存在してよい。二環式または三環式環系は、2個以上の環の、架橋原子、例えば酸素、硫黄、窒素による、または架橋基、例えばアルカンジイルまたはアルケンジイルによる縮環により形成され得る。ヘテロ環は、オキソ(=O)、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アルキル、アルカンジイル、アルケンジイル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、ハロゲンアルキル、アリール、アリールオキシおよびアリールアルキルから成る群から選択される1個以上の置換基で置換されていてよい。ヘテロ環式部分の例は、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾール、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、フラザン(オキサジアゾール)、ジオキソラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、イソオキサゾール、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、チアゾール、チアゾリン、チアジアゾリン(thiazlolidine)、イソチアゾール、イソ(isto)チアゾリン、イソチアゾリジン、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、ピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、モルホリン、プリン、プテリン、および対応するベンズ縮合ヘテロ環、例えばインドール、イソインドール、クマリン、クマロンシノリン、イソキノリン、シンノリンなどを含む。
【0018】
“ヘテロ原子”は、炭素および水素以外の原子、好ましくは窒素(N)、酸素(O)または硫黄(S)である。
【0019】
“ハロゲン”は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、好ましくはフルオロ、クロロまたはブロモおよび特に好ましくはクロロを意味する。
【0020】
mGluR、特にmGluR5調節活性を有する種々の化合物をここに記載する。本明細書が、化合物、薬剤または活性成分を記載しているとき、これは、特記されていない限り、一般にmGluR調節活性を有する化合物を意味すると取る。本発明の一つの態様において、mGluRモジュレーターはmGluR5アンタゴニストである。本明細書がmGluRアンタゴニストを記載しているとき、これは、一般に、mGluRの天然リガンドの作用を阻害するために、例えばmGluR発現細胞の応答経路が刺激されないように、mGluRと相互作用できる化合物を包含すると取る。
【0021】
一つの態様において、mGluRモジュレーターはmGluR5アンタゴニストである。
【0022】
本発明の化合物は遊離または酸付加塩形で存在し得る。本明細書において、特記しない限り、“本発明の化合物”の記載は、全ての形態の化合物、例えば遊離塩基または酸付加塩形態を包含すると理解すべきである。医薬使用には適さないが、例えば、本発明の遊離化合物の単離または精製に使用できる塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩も含む。治療的使用のために、薬学的に許容される塩または遊離化合物のみが使用され(適用可能であれば医薬製剤の形で)、故に、好ましい。
【0023】
方法の何らかの記載または活性成分の記載はまた薬学的に許容される塩も含むことは理解されよう。これらの活性成分が、例えば、少なくとも1個の塩基性中心を有するならば、それらは酸付加塩を形成できる。さらに塩基性中心が存在する対応する酸付加塩もまた、望むならば、形成できる。酸基(例えばCOOH)を有する成分はまた、塩基と塩を形成できる。活性成分またはその薬学的に許容される塩はまた水和物の形でも使用でき、または結晶化に使用する他の溶媒を包含し得る。mGluR5モジュレーター、例えばアンタゴニストの例、およびその製造方法は、例えばWO03/047581およびWO2006/114262から既知であり、これら両方とも引用により本明細書に包含させる。
【0024】
本発明の化合物およびその塩に存在し得る不斉炭素原子のために、本化合物は光学活性形態または光学異性体の混合物の形、例えばラセミ混合物またはジアステレオマー混合物で存在し得る。全ての光学異性体およびラセミ混合物を含むその混合物は、本発明の一部である。
【0025】
一つの態様において、mGluRモジュレーターは、遊離塩基または酸付加塩形の、式(I)
【化1】
〔式中、
は、所望により置換されていてよいアルキルまたは所望により置換されていてよいベンジルであり;そして
は、水素(H)、所望により置換されていてよいアルキルまたは所望により置換されていてよいベンジルであるか;または
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、14個未満の環原子を含む所望により置換されていてよいヘテロ環を形成し;
は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノであり;
は、ヒドロキシ(OH)、ハロゲン、アルキルまたはアルコキシであり;
Qは、CH、CRまたはNであり;
Vは、CH、CRまたはNであり;
Wは、CH、CRまたはNであり;
Xは、CHまたはNであり;
Yは、CH、CRまたはNであり;
Zは、CH、NHまたはOである;
ただし、Q、VおよびWは同時にNではない。〕
の化合物である。
【0026】
他の態様において、mGluRモジュレーターは、遊離塩基または酸付加塩形の式(II)の化合物である(ここで、式(II)の化合物は、Q、VおよびWの少なくとも1個がNである、式(I)の化合物である)。
【0027】
さらに他の態様において、mGluRモジュレーターは、遊離塩基または酸付加塩形の式(III)の化合物である(ここで、式(III)の化合物は、YがCRである、式(II)の化合物である)。
【0028】
式(I)、(II)および(III)の化合物および対応する中間体化合物における好ましい置換基、好ましい数値範囲または好ましい基の範囲を下記に定義する。
【0029】
Xは、好ましくはCHである。
Yは、好ましくはCHまたはCRであり、ここで、Rは好ましくはハロゲン、特に好ましくはクロロである。
Zは、好ましくはNHである。
は、好ましくはフルオロ、クロロ、C1−4アルキル、例えばメチルである。
は、特に好ましくはクロロである。
【0030】
およびRは、好ましくはそれらが結合している窒素原子と一体となって、3〜11個の環原子および1〜4個のヘテロ原子を有する非置換または置換ヘテロ環を形成し;ヘテロ原子はN、O、Sから成る群から選択され、置換基はオキソ(=O)、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシアルキル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−4アルコキシカルボニルアルキル、C1−4ハロゲンアルキル、C6−10アリール、ハロゲン−C6−10アリール、C6−10アリールオキシおよびC6−10−アリール−C1−4アルキルから成る群から選択される。
【0031】
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、非置換または1個もしくは2個置換された5〜9個の環原子および1〜3個のヘテロ原子を有するヘテロ環を形成し;ヘテロ原子はNおよびOから成る群から選択され;置換基はハロゲンおよびC1−4アルキルから成る群から選択される。
【0032】
およびRは、好ましくはそれらが結合している窒素原子と一体となって
【化2】
から成る群から選択される、非置換または1個もしくは2個置換されたヘテロ環を形成し、置換基はフルオロ、クロロ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、トリフルオロメチル、フルオロプロピルおよびジフルオロプロピルから成る群から選択される。
【0033】
およびRは、好ましくは、互いに独立して、C−Cアルキルまたは所望によりC−Cアルコキシまたはハロゲンで置換されていてよいベンジルである。
【0034】
上記の一般的なまたは好ましい基の定義は、式(I)、(II)および(III)の最終生成物およびまた、対応して、各場合の製造に必要な出発物質または中間体の両方に適用される。これらの基の定義を、互いに意図的に、すなわちある好ましい範囲を含み、組み合わせることができる。さらに、個々の定義を適用しなくてもよい。
【0035】
本発明に従って、好ましいのは、上記に好ましいとして記載された意味の組合せを含む、式(I)、(II)および(III)の化合物である。
【0036】
本発明に従って特に好ましいのは、上記に特に好ましいとして記載された意味の組合せを含む、式(I)、(II)および(III)の化合物である。
【0037】
本発明に従って非常に好ましいのは、上記に非常に好ましいとして記載された意味の組合せを含む、式(I)の化合物である。
【0038】
好ましいのは、Rが非置換または置換ヘテロ環である式(I)、(II)および(III)の化合物である。
【0039】
特に好ましいのは、下記の通りの式(IIa〜IIe)化合物の化合物である:
【化3】
〔式中、置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕;
【化4】
〔式中、置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕;
【化5】
〔式中、置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕;
【化6】
〔式中、RはC−Cアルキル、好ましくはメチルであり、そして他の置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕;
【化7】
〔式中、Rはハロゲン、好ましくはクロロであり、そして他の置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕。
【0040】
さらに好ましい本発明の化合物は、下記に示す式(IIIa〜IIIe)を有する:
【化8】
〔式中、全ての置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕;
【化9】
〔式中、置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕;
【化10】
〔式中、置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕;
【化11】
〔式中、RはC−Cアルキル、好ましくはメチルであり、そして他の置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕;
【化12】
〔式中、Rはハロゲン、好ましくはクロロであり、そして他の置換基は本明細書において記載する意味を有する。〕。
【0041】
特定の式(I)、(II)および(III)の化合物は、ここに記載する実施例に記載するものを含む。
【0042】
他の態様において、mGluRモジュレーターは、遊離塩基または酸付加塩形の、式(IV):
【化13】
〔式中、
mは、0または1であり、
nは、0または1であり、そして
Aは、ヒドロキシであり
Xは、水素であり、そして
Yは、水素であるか、または
Aは、XまたはYと共に一重結合を形成し;
は、水素、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−COORであり、ここで、Rは(C1−4)アルキルまたは−CORであり、ここで、Rは水素または(C1−4)アルキルであり、そして
Rは、−COR、−COOR、−CONRまたは−SOであり、ここで、Rは、(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは所望により置換されていてよいフェニル、2−ピリジルまたは2−チエニルであり;RおよびRは、独立して、水素または(C1−4)アルキルであり;そしてRは、(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは所望により置換されていてよいフェニルであり、
R’は、水素または(C1−4)アルキルであり、そして
R”は、水素または(C1−4)アルキルであるか、または
R’およびR”は、一体となって基−CH−(CH)−を形成し、
ここで、mは、0、1または2であり、この場合、nおよびmの1個は0ではない。
ただし、nが0であり、Aがヒドロキシであり、XおよびYが両方とも水素であり、RがCOOEtであり、そしてR’およびR”が一体となって基−(CH)−を形成するとき、Rは水素、トリフルオロメチルおよびメトキシではない。〕
である。
【0043】
例示的式(IV)の化合物は次のものを含む:
(−)−(3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸メチルエステル
(−)−(3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(−)−(3aR,4S,7aR)−フラン−2−イル−(4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−イル)−メタノン
(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−(3−クロロフェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(3aRS,4SR,7aRS)−4−ヒドロキシ−4−フェニルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸(S)(テトラヒドロフラン−3−イル)エステル
(3aRS,4SR,7aRS)−4−ヒドロキシ−4−フェニルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸(R)(テトラヒドロフラン−3−イル)エステル
(3aRS,4SR,7aRS)−4−ヒドロキシ−4−(3−クロロフェニルエチニル)−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸−(S)(テトラヒドロフラン−3−イル)エステル
(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−(3−クロロフェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−1−メタンスルホニル−オクタヒドロ−インドール
(±)−(3aRS,7aRS)−4−フェニルエチニル−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステルおよび(±)−(RS)−4−フェニルエチニル−2,3,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3RS,7aRS)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フェニルエチニル−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−イル)−エタノン
(±)−(RS)−4−m−トリルエチニル−2,3,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3RS,7aRS)−4−m−トリルエチニル−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3RS,7aRS)−4−(4−クロロ−フェニルエチニル)−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3RS,7aRS)−4−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3RS,7aRS)−4−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(RS)−4−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2,3,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3RS,7aRS)−4−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(RS)−4−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−2,3,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−フェニルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−p−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−(3−シアノ−フェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−フェニルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸メチルエステル
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−フラン−2−イル−(4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−イル)−メタノン
【0044】
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−シクロプロピル−(4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−イル)−メタノン
(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−(4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−イル)−ピリジン−3−イル−メタノン
(±)−((1SR,3SR)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−メチル−カルバミン酸メチルエステルおよび(±)−((1RS,3SR)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−(1RS,3SR)−((3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−(4−メトキシ−ベンジル)−カルバミン酸エチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−((3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−(4−メトキシ−ベンジル)−カルバミン酸エチルエステル
(±)−[(1RS,3SR)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−5,5−ジメチル−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−(1RS,3SR)−(3−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−[(1RS,3SR)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−[(1RS,3RS)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−[(1RS,3SR)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−[(1RS,3RS)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−[(1RS,3SR)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−[(1RS,3RS)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−[(1RS,3SR)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−N−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アセトアミド
(±)−(1RS,3SR)−N−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アセトアミド
(±)−(1RS,3RS)−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸エチルエステル
(±)−(1RS,3SR)−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸エチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステル
(±)−(1RS,3SR)−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−[3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−N−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アセトアミド
(±)−(1RS,3SR)−N−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アセトアミド
(±)−(1RS,3SR)−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−N−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−アセトアミド
【0045】
(±)−(1RS,3SR)−N−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−アセトアミド
(±)−(1RS,3RS)−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(±)−(1RS,3SR)−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(±)−(1RS,3SR)−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−(3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(±)−(1RS,3SR)−(3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
(±)−(1RS,3RS)−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸メチルエステル
(±)−(1RS,3SR)−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸メチルエステル
(±)−(3−フェニルエチニル−シクロヘキシ−2−エニル)−カルバミン酸エチルエステルおよび(±)−3−フェニルエチニル−シクロヘキシ−3−エニル)−カルバミン酸エチルエステル
(±)−メチル−(3−フェニルエチニル−シクロヘキシ−3−エニル)−カルバミン酸エチルエステル
(±)−(4aRS,5RS,8aSR)−5−ヒドロキシ−5−フェニルエチニル−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−[(4aRS,5SR,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−イル]−フラン−2−イル−メタノン
(±)−[(4aRS,5RS,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−イル]−フラン−2−イル−メタノン
(±)−(4aRS,5RS,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
(±)−[(4aRS,5SR,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−イル]−モルホリン−4−イル−メタノン
(±)−[(4aRS,5SR,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−イル]−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
(±)−(4aRS,5RS,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルおよび(±)−(4aRS,5SR,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(4aRS,5SR,8aSR)−5−ヒドロキシ−5−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル
(±)−(4aRS,5RS,8aSR)−5−ヒドロキシ−5−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル。
【0046】
さらなる態様において、mGluRモジュレーターは、遊離塩基または酸付加塩形の、式(V):
【化14】
〔式中、
は、水素またはアルキルであり;
は、非置換または置換ヘテロ環であるか、または
は、非置換または置換アリールであり;
は、アルキルまたはハロゲンであり
Xは、一重結合、または、所望により1個以上の酸素原子、またはカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基で中断されていてよいアルカンジイル基である。〕
の化合物である。
【0047】
例示的式(V)の化合物は、次のものを含む:
フラン−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3H−イミダゾール−4−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3H−イミダゾール−4−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2−メチル−フラン−3−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
キノキサリン−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ベンゾフラン−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ベンゾオキサゾール−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2,5−ジメチル−フラン−3−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(R,S)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−3−カルボン酸((1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−3−カルボン酸((1S,3S)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−3−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−2−カルボン酸((1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−2−カルボン酸((1S,3S)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−2−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸((1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸((1S,3S)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
3H−イミダゾール−4−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
【0048】
1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
(R,S)−テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
(R,S)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3H−イミダゾール−4−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド
N−[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド
ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
N−[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2−メチル−フラン−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(R)−テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(S)−テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2−メチル−フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−フラン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(S)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(R)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−イソニコチンアミド
N−[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−イソニコチンアミド
3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−ジメチル
アミノ−ベンズアミド
1H−ピロール−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−メチル−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−メチル−ベンズアミド
【0049】
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3−フルオロ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−エチル−ブチルアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−4−オキソ−ブチルアミド
2−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アセトアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−フェニル−アセトアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3−(1H−インドール−4−イル)−プロピオンアミド
2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アセトアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−フェノキシ−プロピオンアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(2−フルオロ−フェニル)−アセトアミド
5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−テレフタルアミド酸メチルエステル
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アセトアミド
5−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−ヒドロキシ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−ヒドロキシ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−ヒドロキシ−ベンズアミド
4−アミノ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ベンズアミド
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−3−アミノ−4−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ベンズアミド
3−アミノ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−メチル−ベンズアミド
2−アミノ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−フルオロ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−メタンスルホニル−ベンズアミド
ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3−アミノ−ピラジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−アミノ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
4−(4−アミノ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−イソニコチンアミド
3−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2,3−ジメトキシ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−オキソ−4−フェニル−ブチルアミド
2−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
5−ブロモ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
イソキノリン−1−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ピラジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3−ベンゾイル−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−メチル−ニコチンアミド
キノキサリン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ピリダジン−4−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−メチルスルファニル−ニコチンアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
2−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−イソニコチンアミド
2−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−6−メチル−ニコチンアミド
6−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
2−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−6−メチル−イソニコチンアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(4,5−ジメトキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−アセトアミド
1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3−(1H−インドール−2−イル)−プロピオンアミド
6−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル]−ピリジン−2−カルボン酸イソプロピルエステル
キノリン−6−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ベンゾフラン−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(2−メトキシ−フェノキシ)−アセトアミド。
【0050】
さらなる態様において、mGluRモジュレーターは、遊離塩基または酸付加塩形の式(VI)
【化15】
〔式中、
は、水素またはアルキルであり;
は、非置換または置換ヘテロ環であるか、または
は、非置換または置換アリールであり;
は、アルキルまたはハロゲンである。〕
の化合物である。
【0051】
他の態様において、mGluRモジュレーターは、遊離塩基または酸付加塩形の式(VII):
【化16】
〔式中、
は、水素またはアルキルであり;
は、非置換または置換ヘテロ環であるか、または
は、非置換または置換アリールであり;
は、アルキルまたはハロゲンであり
Xは、一重結合、または、所望により1個以上の酸素原子、またはカルボニル基もしくはカルボニルオキシ基で中断されていてよいアルカンジイル基である。〕
の化合物である。
【0052】
さらなる態様において、本発明は、遊離塩基または酸付加塩形の、式(VIII)
【化17】
〔式中、
は、水素またはアルキルであり;
は、非置換または置換ヘテロ環であるか、または
は、非置換または置換アリールであり;
は、アルキルまたはハロゲンである。〕
の化合物を提供する。
【0053】
式(VII)および式(VIII)における好ましい置換基、好ましい数値範囲または好ましい基の範囲を下記に定義する。
【0054】
は、好ましくは水素またはC1−4アルキルである。
は、特に好ましくは水素である。
は、好ましくはフルオロ、クロロ、C1−4アルキルである。
は、特に好ましくはクロロまたはメチルである。
【0055】
は、好ましくは3〜11個の環原子および1〜4個のヘテロ原子を有する非置換または置換ヘテロ環であり;ヘテロ原子はN、O、Sから成る群から選択され、置換基は、オキソ(=O)、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、ニトロ、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシアルキル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−4アルコキシカルボニルアルキル、C1−4ハロゲンアルキル、C6−10アリール、ハロゲン−C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C6−10−アリール−C1−4アルキルから成る群から選択される。
【0056】
は、さらに好ましくはフェニルまたは置換フェニルであり、置換基は、ヒドロキシ、アミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルコキシアルキル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−4アルコキシカルボニルアルキル、C1−4ハロゲンアルキル、C6−10アリール、ハロゲン−C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C6−10−アリール−C1−4アルキルから成る群から選択される。
【0057】
は、特に好ましくは非置換または1個もしくは2個置換された5〜9個の環原子および1〜3個のヘテロ原子を有するヘテロ環であり;ヘテロ原子は、N、Oから成る群から選択され;置換基は、ハロゲン、C1−4アルキルから成る群から選択される。
【0058】
は、特に好ましくは非置換または1個もしくは2個置換されたフェニルであり、置換基は、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、メトキシカルボニル、トリフルオロ(trifluor)メトキシ、アミノ、ジメチルアミノ、メチルチオ、メチルスルホニルから成る群から選択される。
【0059】
は、非常に好ましくは
【化18】
から成る群から選択される、非置換または1個もしくは2個置換されたヘテロ環であり、置換基はフルオロ、クロロ、メチル、メチルチオ、アミノから成る群から選択される。
【0060】
は、さらに非常に好ましくは
【化19】
から成る群から選択される置換基である。
【0061】
Xは、好ましくはC1−6アルカンジイル、末端に酸素基を有するC1−6アルカンジイルまたは末端にカルボニル基を有するC1−6アルカンジイル、末端にカルボニルオキシ基を有するC1−6アルカンジイルである。
【0062】
Xは、特に好ましくは、メタンジイル(−CH−)、1,2−エタンジイル(−CH−CH−)、1,1−エタンジイル((−CH(CH)−)、メタンジイルオキシ(−O−CH−)、1,2−エタンジイルオキシ(−O−CH−CH−)、1,1−エタンジイルオキシ((−O−CH(CH)−)、メタンジイルカルボニル(−CO−CH−)、1,2−エタンジイルカルボニル(−CO−CH−CH−)、1,1−エタンジイルカルボニル((−CO−CH(CH)−)、メタンジイルカルボニルオキシ(−C(O)O−CH−)、1,2−エタンジイルカルボニルオキシ(−C(O)O−CH−CH−)、1,1−エタンジイルカルボニルオキシ((−C(O)O−CH(CH)−)である。Xについて定義される官能基は、好ましくは基Rに結合する。
【0063】
上記の一般的なまたは好ましい基の定義を、互いに意図的に、すなわちある好ましい範囲を含み、組み合わせることができる。さらに、個々の定義を適用しなくてもよい。
【0064】
本発明に従って、好ましいのは、上記に好ましいとして記載された意味の組合せを含む、式(VII)の化合物である。
【0065】
本発明に従って特に好ましいのは、上記に特に好ましいとして記載された意味の組合せを含む、式(VII)の化合物である。
【0066】
本発明に従って非常に好ましいのは、上記に非常に好ましいとして記載された意味の組合せを含む、式(VII)の化合物である。
【0067】
好ましいのは、Rが非置換または置換ヘテロ環である、式(VII)の化合物である。
【0068】
さらなる態様において、本発明は、式(IX)
【化20】
〔RおよびRは、上記で定義の通りである。〕
の化合物である。
【0069】
さらなる態様において、本発明は、Rが上記で定義の通りであり、そしてRが水素である、上記で定義の式(IX)の化合物を提供する。
【0070】
式(VII)、(VIII)および(IX)の化合物の例は、次のものを含む:
フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3H−イミダゾール−4−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3H−イミダゾール−4−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2−メチル−フラン−3−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
キノキサリン−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ベンゾフラン−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ベンゾオキサゾール−2−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2,5−ジメチル−フラン−3−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(R,S)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−3−カルボン酸((1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
【0071】
フラン−3−カルボン酸((1S,3S)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−3−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−2−カルボン酸((1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−2−カルボン酸((1S,3S)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−2−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸((1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸((1S,3S)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
4H−[1,2,4]トリアゾール−3−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
3H−イミダゾール−4−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
(R,S)−テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
(R,S)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸((±)−(1R,3R)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アミド
フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
フラン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3H−イミダゾール−4−カルボン酸[(±)−(1R,3R)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
【0072】
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド
N−[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3,4−ジフルオロ−ベンズアミド
ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
N−[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
ベンゾ[1,3]ジオキソール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2−メチル−フラン−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(R)−テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(S)−テトラヒドロ−フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−メチル−ピラジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2−メチル−フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
イソオキサゾール−5−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−フラン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−フラン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(S)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
(R)−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−イソニコチンアミド
N−[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−イソニコチンアミド
3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3,5−ジフルオロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−メチル−ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
【0073】
5−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−クロロ−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−クロロ−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−ジメチル
アミノ−ベンズアミド
1H−ピロール−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−メチル−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−メチル−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3−フルオロ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−エチル−ブチルアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−(2,5−ジメトキシ−フェニル)−4−オキソ−ブチルアミド
2−(2−ベンジルオキシ−エトキシ)−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アセトアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−フェニル−アセトアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3−(1H−インドール−4−イル)−プロピオンアミド
2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アセトアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−フェノキシ−プロピオンアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(2−フルオロ−フェニル)−アセトアミド
5−ヒドロキシ−1H−インドール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
1−メチル−1H−ピロール−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−テレフタルアミド酸メチルエステル
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アセトアミド
5−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−ヒドロキシ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−ヒドロキシ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−ヒドロキシ−ベンズアミド
4−アミノ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ベンズアミド
【0074】
4−アミノ−5−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−メトキシ−ベンズアミド
3−アミノ−4−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ベンズアミド
3−アミノ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−メチル−ベンズアミド
2−アミノ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−フルオロ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−メタンスルホニル−ベンズアミド
ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3−アミノ−ピラジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
6−アミノ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
4−(4−アミノ−ベンゾイルアミノ)−安息香酸[(1R,3R)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
2,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリミジン−4−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−イソニコチンアミド
3−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2,3−ジメトキシ−ベンズアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−オキソ−4−フェニル−ブチルアミド
2−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
5−ブロモ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
イソキノリン−1−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ピラジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
3−ベンゾイル−ピリジン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−メチル−ニコチンアミド
キノキサリン−2−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ピリダジン−4−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−メチルスルファニル−ニコチンアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−4−トリフルオロメチル−ニコチンアミド
2−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−イソニコチンアミド
2−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−6−メチル−ニコチンアミド
【0075】
6−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−ニコチンアミド
2−クロロ−N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−6−メチル−イソニコチンアミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(4,5−ジメトキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロ−イソベンゾフラン−1−イル)−アセトアミド
1,4,5,6−テトラヒドロ−シクロペンタピラゾール−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−3−(1H−インドール−2−イル)−プロピオンアミド
6−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシルカルバモイル]−ピリジン−2−カルボン酸イソプロピルエステル
キノリン−6−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
5−メチル−イソオキサゾール−4−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
ベンゾフラン−3−カルボン酸[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アミド
N−[(1S,3S)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−2−(2−メトキシ−フェノキシ)−アセトアミド。
【0076】
mGluRモジュレーター、特にmGluR5モジュレーターのさらなる例は、WO2004/014881に定義の式(I)の化合物およびWO2007/021575に定義の式(I)の化合物を含む;これらの刊行物の内容を引用により本明細書に包含させる。
【0077】
本発明の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩は、以後、本発明の薬剤と呼ぶが、価値ある薬理学的特性を示し、故に医薬として有用である。
【0078】
本発明の化合物は、ヒトmGluR、特にmGluR5に著しいそして選択的な調節、特にアンタゴニスト活性を示し得る。これは、インビトロで、例えば組み換えヒト代謝型グルタミン酸受容体、特にmGluR5のようなそのPLC共役サブタイプで、例えば、L. P. Daggett et al., Neuropharm. Vol. 34, pages 871-886 (1995), P. J. Flor et al., J. Neurochem. Vol. 67, pages 58-63 (1996)に従った細胞内Ca2+のアゴニスト誘発上昇の阻害の測定のような種々の方法を使用して、または、 T. Knoepfel et al., Eur. J. Pharmacol. Vol. 288, pages 389-392 (1994), L. P. Daggett et al., Neuropharm. Vol. 67, pages 58-63 (1996)およびその引用文献に記載の通り、どの程度イノシトールホスフェートターンオーバーのアゴニスト誘発上昇が阻害されるかを測定することにより、決定できる。ヒトmGluRサブタイプの単離および発現は、US特許5,521,297に記載されている。選択した本発明の薬剤の化合物は、hmGluR5aを発現する組み換え細胞で測定して、細胞内Ca2+濃度のアゴニスト(例えばグルタメートまたはキスカレート)誘発上昇のまたはアゴニスト(例えばグルタメートまたはキスカレート)誘発イノシトールホスフェートターンオーバーの阻害について約1nM〜約50μMのIC50値を示す。
【0079】
本発明の化合物は、パーキンソン病およびパーキンソン病と関連する障害の処置、予防または進行遅延に有用である。パーキンソン病は、罹患者の運動技能および発生をしばしば障害する、中枢神経系の変性障害である。パーキンソン病の特徴は種々であり、次のものの1種以上を含む:振戦、強直、動作緩慢、無動、歩調および姿勢障害、姿勢不安定性、発声および嚥下障害および認知の障害、例えば記憶喪失、認知症および反応時間遅延。本発明の化合物は、パーキンソン病の1種以上のこの特徴の処置、予防または進行遅延に有用であり得る。
【0080】
一つの態様において、本発明の化合物は、パーキンソン病と関連する障害の処置、予防または進行遅延に有用である。かかる障害の例は、パーキンソン病患者のジスキネジア、例えばパーキンソン病剤L−ドーパ誘発ジスキネジアである。パーキンソン病患者のジスキネジアは、排他的にではないが、しばしば、ドーパミン前駆体レボドーパ(L−ドーパ)でのパーキンソン病処置の副作用として起こる。パーキンソン病患者のジスキネジアの特徴は、運動障害、例えば遅く、非協調的な不随意の動き、揺れ、硬直および歩行問題の出現を含む。L−ドーパで処置した患者は、しばしばパーキンソン病の症状は軽減するが、立位または座位でさえ維持の困難さが増す経験をしている。L−ドーパの長期使用後、患者の大多数がジスキネジアを発症する。
【0081】
ジスキネジアは、L−ドーパでの処置サイクルの間にいつでも起こり得る。一つの態様において、本発明の化合物は、患者におけるピークL−ドーパ血漿濃度の時に起こるジスキネジアの処置用である。一つの態様において、本発明の化合物は、患者のL−ドーパ血漿濃度が上昇中または下降中に起こるジスキネジア(二相性ジスキネジア)の処置用である。
【0082】
ジスキネジアはまた、L−ドーパを摂取していないパーキンソン病罹患者にも発症し得る。一つの態様において、本化合物は、L−ドーパ誘発性ではないパーキンソン病患者のジスキネジアの処置用である。
【0083】
処置は、例えば、不随意運動の規模の低下、不随意運動の数の減少、通常の作業を行う能力の改善、歩行能の改善、ジスキネジアのエピソードが起こる間隔の延長を含み、これに限定されない、パーキンソン病患者のジスキネジアの特徴の軽減を含み得る。
【0084】
予防処置の場合、本発明の化合物をパーキンソン病患者のジスキネジアの発症の遅延または予防に使用し得る。
【0085】
本化合物は、原発性および二次性ジストニアを含む、ジストニアの処置、予防または進行遅延に有用であり得る。ジストニアは、例えば、神経遮断剤またはL−ドーパ誘発性であり得る。本化合物は、遅発性ジスキネジアまたはチックのような運動障害を含む、他のパーキンソン病と関連する障害の処置にも有用であり得る。
【0086】
加えて、本化合物は、ハンチントン病、トゥレット症候群、下肢静止不能症候群、レット(Retts)症候群の処置、予防または進行遅延に有用であり得る。
【0087】
上記適応症(状態および障害)について、適当な投与量は、例えば、用いる化合物、宿主、投与形態および処置する状態の性質および重症度により変わる。しかしながら、一般に、動物における満足いく結果が、約0.01〜約100mg/体重kg、好ましくは約0.1〜約10mg/体重kg、例えば1mg/kgで得られることが示される。大型哺乳動物、例えばヒトにおいて、指示される1日投与量は、約0.1〜約1000mg、好ましくは約1〜約400mg、最も好ましくは約10〜約100mgのmGluRアンタゴニスト、例えばmGluR5アンタゴニストまたは他のモジュレーターの範囲であり、簡便には、例えば、1日4回までの分割量で投与する。
【0088】
本発明に従う使用について、mGluRモジュレーター(例えばmGluR5モジュレーター、特にmGluR5アンタゴニスト)を、唯一の活性剤として、または、他の活性剤と組み合わせて、任意の通常の方法で、例えば経口的に、例えば錠剤またはカプセル剤の形で、または非経腸的に、例えば注射溶液または懸濁液の形で投与し得る。
【0089】
さらに、本発明は、パーキンソン病の処置に使用するための、mGluRモジュレーター(例えばmGluR5モジュレーター、特にmGluR5アンタゴニスト)を、少なくとも1個の医薬担体または希釈剤を含む、医薬組成物を提供する。一つの態様において、本組成物は、パーキンソン病患者のジスキネジア、例えばパーキンソン病剤L−ドーパ誘発ジスキネジアの処置用である。かかる組成物は、慣用の方法で製造し得る。単位投与量形態は、例えば、約2.5〜約25mgの1種以上のmGluRモジュレーター、例えばmGluR5アンタゴニストまたは他のモジュレーターを含み得る。
【0090】
本発明の医薬組成物は、さらにL−ドーパを含み得る。本組成物は、さらに、ドーパ脱炭酸酵素阻害剤、例えばベンセラジドを含み得る。
【0091】
上記障害の処置における本発明の化合物の有用性は、下記のものを含む標準試験の範囲内で確認できる:
本発明の医薬組成物は、有効量の薬理学的活性成分を単独でまたは相当量の薬学的に許容される担体と共に含む、温血動物(ヒトおよび動物)への経腸、例えば経鼻、直腸または経口、または非経腸、例えば筋肉内または静脈内投与用組成物である。活性成分の投与量は、温血動物種、体重、年齢および個々の状態、個々の薬物動態学的データ、処置する疾患および投与方式による。
【0092】
本医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の活性成分を含む。本発明の医薬組成物は、例えば、単位投与形態、例えばアンプル剤、バイアル剤、坐薬、糖衣錠剤、錠剤またはカプセル剤の形であり得る。
【0093】
本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解、凍結乾燥、混合、造粒または糖衣工程により製造する。かかる方法はWO2005/079802、WO2003/047581、WO2004/000316、WO2005/044265、WO2005/044266、WO2005/044267、WO2006/114262およびWO2007/071358に例示されている。
【0094】
本発明はまた、治療において同時に、別々にまたは連続的に使用するための組み合わせ製剤としてmGluRモジュレーターおよびL−ドーパを含む、製品、例えばキットも提供する。本製品はさらにドーパ脱炭酸酵素阻害剤、例えばベンセラジドを含み得る。
【0095】
パーキンソン病および関連障害、例えばパーキンソン病患者のジスキネジア、例えば、上記のパーキンソン病レボドーパ(L−ドーパ)誘発パーキンソン病患者のジスキネジアに対するmGluRモジュレーター、例えばmGluRアンタゴニストの効果は、次の方法で伝達され得る。
【0096】
最初に、造影技術によって、本発明の化合物が脳に浸透し、mGluR受容体、特にmGluR5受容体と結合できることが判明している。第二に、ここに記載のmGluRモジュレーターのような化合物を摂取している患者が認知などの増加を示すことが観察されている。
【0097】
ここに記載の化合物の臨床試験を、例えば、下記の試験設計の一つで行い得る。熟練した医師は、患者の行動および能力の多くの側面を観察し得る。当業者は、もちろん、かかる試験がガイドラインと見なされ、本試験のある局面を、例えば、状況および環境によって修飾し、見直してよいことを認識しよう。
【0098】
臨床設計:改善試験
試験A:正常患者集団
正常コントロールを伴う、患者集団に、1週間またはそれより長い試験中、1日1回投薬する。試験は改善を可能にするために設計する。すなわち障害された機能の測定可能なパラメータの上昇がある。患者を投与期間の最初と最後に試験し、結果を比較し、分析する。
【0099】
試験B:欠損集団
パーキンソン病および関連障害に関連した欠損、例えばパーキンソン病患者のジスキネジア、例えば、パーキンソン病レボドーパ(L−ドーパ)誘発パーキンソン病患者のジスキネジアを有する患者集団に1週間以上1日1回投薬し、試験する。試験は、改善を可能にするために設計する。すなわち障害された機能の測定可能なパラメータの上昇がある。患者を投与期間の最初と最後に試験し、結果を比較し、分析する。
【0100】
試験設計のための考察
・ 試験を設計するとき、当業者は、底および天井効果の両方に対して保護する必要があることを認識しよう。言い換えると、本試験設定は、測定可能な上昇または低下に対する認知を可能にすべきである。
・ 機能、例えば認知を人工的に障害する状態は、その機能の増強を試験する一つの方法である。かかる状態は、例えば、断眠および薬理学的攻撃である。
・ プラセボコントロールが全試験に必要である。
・ データの評価に際し、反復評価による学習および練習効果の可能性の評価を行わなければならない。擬陽性を生じてデータの品質を落とすかかる効果の可能性は、試験をするとき考慮に入れなければならず、例えば試験を同一(例えば同じ用語の記憶をさせる)にせず、同じ機構の試験を設計しなければならない。他の対策は、試験の最後にのみ1回試験することを含み得る。
【実施例】
【0101】
実施例1:パーキンソン病霊長類における、選択的mGluR5アンタゴニストである化合物Aの抗運動障害効果の評価
方法
体重2.8−4.4kgの6匹の雌の卵巣切除カニクイザル(Macaca fascicularis)を本評価に使用した。動物に、安定したパーキンソン症候群を発症するまで、皮下浸透ミニポンプ(Alzet, 0.5mg/24時間)を使用した1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP, Sigma-Aldrich, Canada, Oakville, Ontario)の連続輸液により、パーキンソン病にした。回復1〜3ヶ月後、動物を、明瞭で、再現性のあるジスキネジアが発症するまで、毎日経口でL−ドーパ100/25カプセル(Prolopa, Hoffmann-La Roche;100mgのL−ドーパと25mgのベンセラジドの混合物)で処置した。
【0102】
評価
サルを、そのホーム・ケージで、一方向網戸を介して観察した。反復して、基底時および常にベンセラジドと組み合わせたL−ドーパメチルエステルの標準皮下投与の後に観察し、採点した。移動活動を電子モニタリング系(Data Science)で評価し、追跡した。抗パーキンソン応答を、運動活動およびパーキンソン能力障害スケールの手段により評価した(Hadj Tahar A et al, Clin Neuropharmacol 2000; 23:195-202;およびSamadi P et al, Neuropharmacology 2003; 45:954-963参照)。ジスキネジアを、効果が終わるまで15分毎に密接にモニターし、ジスキネジア採点スケール(またHadj Tahar A et al; and Samadi P et alに記載)に従い採点した。L−ドーパメチルエステルおよびベンセラジドの投与量を、運動活動および再現性のあるジスキネジアを誘発するが、過剰な震動を誘発しないように選択した(15−30mg/kg/50mg)。
【0103】
プロトコール
サルを、媒体(Klucel)経口投与後少なくとも2時間観察した。翌日、選択したL−ドーパメチルエステル/ベンセラジド皮下投与量を1回試験した。動物を、L−ドーパ効果の全期間にわたり観察し(パーキンソン病および運動障害スコアの測定と共に)、また移動活動もモニターした。これは、化合物AおよびL−ドーパの組合せと比較するための、媒体コントロール値ならびにL−ドーパ抗パーキンソン病およびジスキネジア応答データを提供した。
【0104】
続いて、サルを、固定皮下投与量のL−ドーパメチルエステル/ベンセラジドと組み合わせた、4種の投与量の選択的mGluR5アンタゴニスト化合物A(5、25、125および250mg/kg)で試験した。化合物A経口投与用懸濁液(Klucel HF中の懸濁液)を、L−ドーパメチルエステルの1時間前に投与した。各投与後、動物を、効果の全期間にわたり(パーキンソン病および運動障害スコアの測定と共に)、移動活動または行動の何らかの変化(例えば回転行動、興奮、不活発および眠気)についてモニターした。試験した各mGluR5アンタゴニスト投与の間に3日間空けた。
【0105】
結果
mGluR5アンタゴニストとL−ドーパの効果は、抗パーキンソン活性を維持しながら、L−ドーパ誘発ジスキネジアを顕著に減少させた。特に、L−ドーパ誘発ジスキネジアスコアは、25、125および250mg/kgの投与量での化合物Aの添加により顕著に減少した。
【0106】
実施例2:パーキンソン病霊長類における選択的mGluR5アンタゴニストである化合物Aの反復投与の抗運動障害効果の評価
方法
体重2.8−4.4kgの6匹の雌の卵巣切除カニクイザル(Macaca fascicularis)を本評価に使用した。動物に、安定したパーキンソン症候群を発症するまで、皮下浸透ミニポンプ(Alzet, 0.5mg/24時間)を使用した1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン(MPTP, Sigma-Aldrich, Canada, Oakville, Ontario)の連続輸液により、パーキンソン病にした。回復1〜3ヶ月後、動物を、明瞭で、再現性のあるジスキネジアが発症するまで、毎日経口で(Prolopa, Hoffmann-La Roche;100mgのL−ドーパと25mgのベンセラジドの混合物)で処置した。
【0107】
評価
サルを、そのホーム・ケージで、一方向網戸を介して観察した。反復して、基底時および常にベンセラジドと組み合わせたL−ドーパメチルエステルの標準皮下投与の後に観察し、採点した。移動活動を電子モニタリング系(Data Science)で評価し、追跡した。抗パーキンソン応答を、運動活動およびパーキンソン能力障害スケールの手段により評価した(Hadj Tahar A et al, Clin Neuropharmacol 2000;23:195-202;およびSamadi P et al, Neuropharmacology 2003;45:954-963参照)。ジスキネジアを、効果が終わるまで15分毎に密接にモニターし、ジスキネジア採点スケール(またHadj Tahar A et al; and Samadi P et alに記載)に従い採点した。L−ドーパメチルエステル/ベンセラジドの中間投与量は20−30mg/kg/50mgの範囲であり、L−ドーパメチルエステル/ベンセラジドの低投与量は5−15mg/kg/50mgの範囲である。
【0108】
プロトコール
試験の少なくとも2週間前、全動物に、週に3回L−ドーパカプセルを経口で投与し、良好なプライミングを達成した。
試験の各週の間、動物を、効果の全期間にわたり観察し(パーキンソン病および運動障害スコアの測定と共に)、移動活動または行動の何らかの変化(例えば回転行動、興奮、不活発および眠気)をモニターした。
【0109】
試験の最初の週の間(連続7日間)、サルを、中間投与量のL−ドーパメチルエステルの毎日の皮下注射で試験した。
試験の2週目(連続7日間)、サルを、中間投与量のL−ドーパの毎日の投与1時間前に、化合物Aの25mg/kgの懸濁液で毎日試験した。
【0110】
試験の3週目(連続7日間)、サルを、応答が試験の最初の週に観察された初期レベルに戻るまで、中間投与量のL−ドーパメチルエステルの毎日の皮下注射で試験した。
試験の4週目(連続7日間)、サルを、低用量のL−ドーパメチルエステルの3日に1回の皮下注射により試験した。各実験日は、プライミングを維持するために、中間投与量のL−ドーパメチルエステルの投与により分けた。
【0111】
試験の5週目(連続7日間)、サルを、3日毎の低用量L−ドーパメチルエステル投与に加えて、化合物Aの25mg/kgの毎日の懸濁液で試験した。化合物Aを、低用量L−ドーパメチルエステル投与の1時間前に投与した。
試験の6週目(連続7日間)、サルを、応答が試験の最初の週に観察された初期レベルに戻るまで、3日毎の低用量のL−ドーパで試験した。
【0112】
結果
中間投与量のL−ドーパの急性投与後のmGluR5アンタゴニストの反復投与は、抗パーキンソン活性を維持しながら、L−ドーパ誘発ジスキネジアを有意に減少させた。特に、L−ドーパ誘発ジスキネジアスコアは、25mg/kgの投与量の化合物Aの添加により顕著に減少した。
【0113】
mGluR5アンタゴニストの投与は、低投与量のL−ドーパの抗パーキンソン応答を増強することが判明した。特に、低用量のL−ドーパの抗パーキンソン応答は、25mg/kgの投与量の化合物Aの添加により増強された。